JP4867678B2 - パワーモジュール - Google Patents
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Description
かかるパワーモジュールにおいて、ハンダを用いて半導体チップや冷却部材を絶縁回路基板に接合した場合、半導体チップが通電、加熱されて熱膨張による歪が生じた場合であっても、ハンダ層の剛性が上記絶縁板、回路板、金属板よりも小さいために熱膨張による歪がハンダ層に吸収されるという利点がある。
また、ハンダ層の厚さが均一に形成されるので、ハンダ層の面内において均一な熱伝導率(熱抵抗)を確保することができる。
また、ハンダよりも高融点材料からなるスペーサ粒子が分散配置されたハンダシートを、回路板又は金属板の面と他の接合部材の面との間で溶融させるとともに凝固させて、回路板又は金属板の面と他の接合部材とを接合させることにより、スペーサ粒子が回路板又は金属板の面と他の接合部材の面との間のハンダ層をスペーサ粒子に対応する厚さに保持されるとともに、ハンダ層の中にスペーサ粒子が分散されることで均一な間隔に保持される。その結果、回路板又は金属板の面と他の接合部材との間に厚さが厚いハンダ層を形成することができ、回路板又は金属板の面と他の接合部材との間隔を均一に保持することができる。
また、スペーサ粒子が、スペーサ粒子がハンダシートの厚さ方向に重なることなく層状に1層に配置されているので、形成するハンダ層の厚さを制御し易い。
また、ハンダシートの厚さと形成されるハンダ層の厚さが略同じ厚さとされているので、余剰のハンダが用いられることがなく、ハンダシートの無駄を抑制して材料歩留まりを向上することができる。
図1には、本発明に係るハンダシートの一実施の形態を示す図であり、符号1はハンダシートを、符号5はスペーサ粒子を示している。
ハンダシート1は、図1に示すように、厚さ0.6mmのシート状のハンダからなるシート本体3と、このシート本体3に分散配置されたスペーサ粒子5とを備えており、ハンダシート1は、その厚さがスペーサ粒子5に比較して0.1mm〜0.2mm大きく形成され、スペーサ粒子5は、シート本体3内に層状に一層に配置されている。
また、スペーサ粒子5の材質がNiとされていることにより、ハンダ層を形成する際に、スペーサ粒子5が溶融されたハンダの中にあってもスペーサ粒子5がハンダに溶解されることなく形状が維持されるようになっている。
図2(A)に示すように、まず、ハンダからなる、例えば、厚さ1mmの第1のシート本体3Aに対して、スペーサ粒子5が保持された嵌入ローラR1をT方向に回転するとともに押圧させて、第1のシート本体3Aにスペーサ粒子5が嵌入される凹部4Aを形成させるとともに、嵌入ローラR1の表面からスペーサ粒子5を第1のシート本体3Aの凹部4Aに嵌入させる。
スペーサ粒子5は、例えば、嵌入ローラR1の上方に配置されたホッパー(図示せず)から供給される。
第1のシート本体3Aに第2のシート本体3Bが重ね合わせられたら、図2(B)に示すように、押圧ローラR2をT方向に回転するとともに押圧させて第2のシート本体3Bの上面から第1のシート本体3A及び第2のシート本体3Bを押圧する。
形成されたハンダシート1を所定の厚さまで圧延して、ハンダシート1の最終的な厚さを調整してもよい。
この場合、第1のシート本体3Aと第2のシート本体3Bとの接合には、接着剤等を用いてもよい。
第2の製造方法は、貯留槽内に保持された溶融ハンダ液中に0.4mm〜0.5mmのNi製の球状体を分散させて、この溶融ハンダ液中にSUS板を水平に配置するとともにSUS板を負極、ハンダ液を正極に接続する。この場合、Ni製の球状体は、攪拌翼によって、溶融ハンダ液内にて均一に分散されるようになっている。
かかる溶融ハンダ液によるNi球状体のSUS板に対する電着による製造方法によれば、均一で1層のNi球状体からなるスペーサ粒子5を有するハンダシート1を容易に製造することができる。
本実施形態のパワーモジュール30は、絶縁回路基板40と、該絶縁回路基板40の一方の表面側に設けられた半導体チップ50と、絶縁回路基板40の他方の表面側に設けられた冷却部材55とを備えており、絶縁回路基板40は、絶縁板41と、該絶縁板41の一方の表面に接合された回路板42と、絶縁板41の他方の表面に接合された金属板43とを備えている。
すなわち、半導体チップ50から冷却部材55に伝導された熱を吸収することによって、半導体チップ50からの熱をパワーモジュール30から放散させるようになっている。
また、第1、第2のハンダ層44、45にスペーサ粒子5が分散されていることにより2つの面の間隔を均一に形成することができる。
また、回路板42に対する半導体チップ50の端子の位置精度を向上させることができるので、例えば、パワーモジュール製造時におけるボンディング不良の発生を抑制することができ、製造コストを低減することができる。
また、スペーサ粒子5の直径と略同じ厚さのハンダシート1を用いることにより、溶融されたハンダシート1内でのハンダの移動が必要とされないので均一なハンダ層を安定して得ることができる。
また、ハンダシート1内に2層以上の層状にスペーサ粒子5が配置されていてもよい。
また、スペーサ粒子5として、球状体に代えて、断面円形状に短く切断された線材を用いることも可能であり、さらに、形成させるハンダ層の厚さに対応した代表寸法を有する楕円体、円錐体や円錐台形体、三角錐、四角錐、五角錐等をはじめとする多角錐体や多角錐台形体、三角柱、四角柱、五角柱等からなる多角柱体(直方体を含む)、またダイヤモンド結晶等に基づいた8面体や切頭8面体、12面体、20面体等の多面体等を用いることも可能であり、代表寸法が制御したいハンダ層の厚さに対応することにより、あらゆる形態の粒子をスペーサ粒子の材料とすることができる。
ここでいう、代表寸法とは、形成するハンダ層を支持可能なスペーサ粒子の大きさをいい、スペーサ粒子5が面に安定して配置された状態のときの、配置された面からスペーサ粒子5の頂部までの寸法で表される。
また、上記第1、第2の製造方法以外の製造方法を用いてハンダシート1を製造してもよい。
また、図3とは異なる構成のパワーモジュールに対して、上記ハンダシート1を用いて製造することも可能である。
5 スペーサ粒子
30 パワーモジュール
40 絶縁回路基板
41 絶縁板
42 回路板
43 金属板
44 第1ハンダ層
45 第2ハンダ層
50 半導体チップ(接合部材)
55 冷却部材(接合部材)
Claims (1)
- 絶縁板と、該絶縁板の一方の面に接合された回路板と、前記絶縁板の他方の面に接合された金属板とからなる絶縁回路基板を備え、前記絶縁回路基板の、前記回路板と前記金属板の少なくとも一方の側の面にハンダ接合層を介して他の接合部材が接合されたパワーモジュールであって、
前記ハンダ接合層は、
第1のシート本体と第2のシート本体とからなり、前記ハンダ接合層を挟んで前記絶縁回路基板と前記接合部材とを所定の間隔に保持するための前記ハンダ接合層を形成するハンダよりも高融点材料からなり直径0.4mm〜0.5mmの球状体からなるスペーサ粒子が、前記第1のシート本体と前記第2のシート本体との間に前記シートの面に沿って層状に一層に分散配置して嵌入され、厚さが前記スペーサ粒子の大きさと略同じに形成されたハンダシートを、前記絶縁回路基板の面と前記接合部材の面との間に配置して溶融して形成することにより、
前記スペーサ粒子が一層に配置されて、前記絶縁回路基板と前記接合部材との間が、前記スペーサ粒子に対応する間隔に均一に保持されていることを特徴とするパワーモジュール。
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