JP4867474B2 - パーフルオロアルキン化合物の製造方法 - Google Patents

パーフルオロアルキン化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体装置の製造分野で用いられるプラズマ反応用ガス、含フッ素ポリマーの原料であるモノマー、および含フッ素医薬中間体として有用なパーフルオロアルキン化合物の製造方法に関する。
パーフルオロアルキン化合物は、水素原子が完全にフッ素原子に置換され、かつ、炭素−炭素三重結合を有する炭化水素化合物であり、含フッ素ポリマーや医農薬の製造原料、および半導体製造工程で使用されるプラズマ反応用ガスなどとして有用である。特にパーフルオロ−2−ペンチンなどの比較的低分子量のパーフルオロアルキン化合物は適度な沸点を有し、取り扱い易いので利用価値が高く、その工業的な製造方法の確立が求められている。
特許文献1には、ジヒドロハロゲノアルカン化合物および/またはモノヒドロハロゲノアルケン化合物をゼオライト存在下、200℃または250℃の反応温度において気相流通式で反応させることによりパーフルオロアルキンを得る方法が開示されている。
一方、特許文献2では、1−ジフルオロシクロヘキサンを原料とし、脱フッ化水素触媒として金属フッ化物を用いた1−フルオロシクロヘキセンの製造方法が記載されているが、その反応温度は500℃以下であり、アルキン化合物は得られていない。
特開2004−292329号公報 特公平7−100673号公報
しかしながら、前記特許文献1で開示される製造方法に気相流通方式を適用しようとすると、パーフルオロアルキンの生産効率という点で未だ不十分な面があった。従って、本発明の目的は、パーフルオロアルキン化合物を気相流通方式により、高収率で効率良く、製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討したところ、
金属フッ化物を用い、
反応温度を特定の温度以上とする
ことで、パーフルオロアルキン化合物を気相流通式により高収率かつ高効率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記式で表されるジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)および/またはモノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)を、金属フッ化物の存在下、反応温度500℃以上で気相流通式に反応させることを特徴とするパーフルオロアルキン化合物の製造方法を提供する。
−CHA−CHB−R(式1)
−CH=CX−R (式2)
(式1および2中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、RとRとは結合して環を形成しても良い。式1中、AおよびBは、それぞれ独立に、F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる1種のハロゲン原子である。式2中、XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる1種のハロゲン原子である。)
また、前記金属フッ化物が、BET法で測定される比表面積が100m/g以上である担体に担持させてなるものであるのが好ましい。
さらに、前記式において、Rがパーフルオロメチル基、およびRがパーフルオロエチル基であり、パーフルオロアルキン化合物が、パーフルオロ−2−ペンチンであることが望ましい。
本発明によれば、半導体装置の製造分野で用いられるプラズマ反応用ガス、含フッ素ポリマーの原料であるモノマー、および含フッ素医薬中間体として有用なパーフルオロアルキン化合物を高収率で効率良く、製造することができる。
本発明のパーフルオロアルキン化合物の製造方法は、下記式で表されるジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)および/またはモノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)を、金属フッ化物の存在下、反応温度500℃以上で気相流通式に反応させることを特徴とする。
−CHA−CHB−R(式1)
−CH=CX−R (式2)
(式1および2中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、RとRとは結合して環を形成しても良い。式1中、AおよびBは、それぞれ独立に、F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる1種のハロゲン原子である。式2中、XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる1種のハロゲン原子である。)
本発明において原料がジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)である時の反応は、まずモノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2’)が生成され、これがさらに反応することによりパーフルオロアルキン化合物(式3)が生成する。
−CHA−CHB−R(式1)
(式1中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、RとRとは結合して環を形成しても良い。式1中、AおよびBは、それぞれ独立に、F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる1種のハロゲン原子である。)
−CY=CZ−R (式2’)
(式2’中、RおよびRは、式1中のRおよびRと同じ意味を表す。Y/Zは水素原子/式1中のB、または、式1中のA/水素原子を表す。)
−C≡C−R (式3)
(式3中、RおよびRは、式1中のRおよびRと同じ意味を表す。)
前記RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、鎖状(直鎖および分岐鎖)であっても環状であってもよい。また、前記RとRとは結合して環を形成してもよい。かかる場合、RとRとは一緒になってパーフルオロアルキレン基を形成する。
直鎖状パーフルオロアルキル基としては、水素原子が完全にフッ素原子に置換(パーフルオロ化)された、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、およびn−ヘキシル基;などが挙げられる。分岐鎖状パーフルオロアルキル基としては、パーフルオロ化された、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、およびイソヘキシル基;などが挙げられる。環状パーフルオロアルキル基としては、パーフルオロ化された、シクロブチル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基;などが挙げられる。パーフルオロアルキレン基としては、パーフルオロ化された、1,6−ヘキセン基、1,7−ヘプテン基、1,8−オクテン基、1,9−ノネン基;などが挙げられる。
前記RおよびRの組み合わせは特に限定されないが、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基およびパーフルオロプロピル基からなる群より選ばれる、同一または相異なる基の2種の組み合わせが好ましい。より好ましくは、パーフルオロメチル基とパーフルオロエチル基との組み合わせである。
ジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)の具体例としては、
1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(式1中、R:パーフルオロメチル基、R:パーフルオロエチル基、A:F、B:Fである)
および1,1,1,2,3,4,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロヘキサン(式1中、R:パーフルオロメチル基、R:パーフルオロブチル基、A:F、B:Fである)、
;などが挙げられる。
モノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)の具体例としては、
1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(式2中、R:パーフルオロエチル基、R:パーフルオロメチル基、X:Fである)、
1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(式2中、R:パーフルオロメチル基、R:パーフルオロエチル基、X:Fである)、
1,1,1,2,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロ−2−ヘキセン(式2中、R:パーフルオロブチル基、R:パーフルオロメチル基、X:Fである)、
および1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロ−2−ヘキセン(式2中、R:パーフルオロメチル基、R:パーフルオロブチル基、X:Fである)、
;などが挙げられる。
ジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)としては、
1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(式1中、R:パーフルオロメチル基、R:パーフルオロエチル基、A:F、B:Fである)
が、モノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)としては、
1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(式2中、R:パーフルオロエチル基、R:パーフルオロメチル基、X:Fである)、
または、1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(式2中、R:パーフルオロメチル基、R:パーフルオロエチル基、X:Fである)
が、特に好ましい。
ジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)の入手方法は特に限定されず、市販のものを用いてもよいし、公知の方法により製造してもよい。例えば、前記の1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンは、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとを付加反応させてパーフルオロ−2−ペンテンを合成し、このものを水素化することにより容易に製造できる。
モノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)の入手方法も特に限定されず、市販のものを用いても良いし、公知の方法により製造しても良い。例えば、RC≡CHで表される末端アルキン化合物にR−Qで表されるアルキルハライドを熱、光、あるいはラジカル開始剤の存在下に付加させて合成するなどの手段が適用できる。(RおよびRはパーフルオロアルキル基を表し、QはCl,BrおよびIからなる群より選択される1種のハロゲン原子を表す。)
ジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)およびモノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)はそれぞれ、目的物であるパーフルオロアルキン化合物の用途に応じて一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、ジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)およびモノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)の両化合物を混合して用いてもよく、それらの混合比は特に限定されない。
本発明においては、ジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)および/またはモノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)を、金属フッ化物の存在下、反応温度500度で気相流通式に反応させる。
金属フッ化物は特に限定されないが、例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、およびフッ化セシウム等のアルカリ金属フッ化物;フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、およびフッ化バリウム等のアルカリ土類金属フッ化物;フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、フッ化コバルト(II)、フッ化コバルト(III)、およびフッ化ニッケル等の遷移金属フッ化物;などが挙げられるが、これらの中でもアルカリ金属フッ化物およびアルカリ土類金属フッ化物が好ましく、アルカリ金属フッ化物がより好ましく、フッ化カリウムおよびフッ化セシウムがさらに好ましい。
これらの金属フッ化物は一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属フッ化物はそのまま触媒として用いてもよいが、好ましくは、金属フッ化物を、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ガラス、ステンレス、活性炭、および珪藻土などの担体に担持させた触媒(以下、金属フッ化物担持触媒と記することがある。)として用いる。これらの担体は、破砕物、適当な形状に加工された成形体または自然物であってもよく、形状としては粉末状、球形状、ペレット状などの粒状であるものが好適である。
本発明に使用する担体は、BET法で測定される比表面積が100m/g以上であり、500m/g以上のものが好ましい。比表面積が小さすぎると、収率が低下する傾向がある。また、上限値は限定されないが、通常使用される担体においては5,000m/gである。
担持方法は、特に限定されないが、含浸法が好適に使用できる。例えば、担持したい金属フッ化物をイオン交換水に溶解させ、この水溶液を担体に含浸させ、不活性ガス中で100〜600℃の温度に加熱してイオン交換水を除去することにより担持することができる。
本発明における反応において、反応温度が500℃未満の場合、実質的にパーフルオロアルキン化合物が生成しない。したがって、反応温度は500℃以上であり、反応基材質の耐腐食性や調製した触媒の耐熱安定性の観点から、500〜800℃が好ましく、550〜750℃がより好ましい。
なお、原料としてジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)を用いた場合、該化合物からモノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)への反応は、反応温度が500℃未満であっても進行し得る。従って、出発原料としてジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)のみを用いる場合には、当初、反応温度を500℃未満として反応を進め、充分量のモノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)の生成が確認された段階で反応温度を500℃以上として反応を継続して所望のパーフルオロアルキン化合物の製造を行ってもよい。
また、反応時の圧力は、通常、常圧(0.1MPa)〜5MPa,好ましくは常圧〜2MPaである。
本発明において、パーフルオロアルキン化合物の製造は、原料をガス化して、触媒(金属フッ化物または金属フッ化物担持触媒)層を通過させておこなう形式の気相流通式の反応により、おこなう。反応器としては固定床反応器などが用いられる。反応器の材質は特に制限はないが、通常、ステンレスや、ハステロイなどが使用される。
また、反応器は1つである必要はなく、複数を直列に、または並列に並べて使用しても良い。
ガス化した原料を反応器に導入する際は、所望により、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガスを同伴させても良い。
なお、反応における空筒基準のガス空間速度(以下、「GHSV」と略す。)は、特に制限はなく、通常0.1〜10,000/hrであるが、効率良く製造するには2,000〜3,000/hrが好ましい。
本発明において金属フッ化物自身は実質的に消費されず、反応器の出口からは、目的物であるパーフルオロアルキン化合物と、副生物であるハロゲン化水素との反応混合物が得られる。
反応混合物の後処理方法や精製方法は特に制限はなく、公知の方法が適用される。例えば、反応器から出てくるガス状の反応混合物を、塩基性化合物と接触させてハロゲン化水素を中和した後、ドライアイス−アセトンやドライアイス−エタノール等の冷媒で冷却された凝縮器に捕集し、凝縮物を蒸留することにより、目的とするパーフルオロアルキン化合物を精製することができる。
また、凝縮物を一般的な乾燥剤や吸着剤を用いて水分などの不純物を除去することにより、目的物を精製することも可能である。蒸留と乾燥、吸着はいずれかひとつのみでもよいし、連続しておこなってもよい。連続して行う場合、順番はいずれかが先でもよい。
本発明の製造方法により得られるパーフルオロアルキン化合物は、前記式3で表される化合物であり、例えばパーフルオロ−2−ブチン、パーフルオロ−2−ペンチン、パーフルオロ−2−ヘキシン、パーフルオロ−3−ヘキシン、パーフルオロ−2−ヘプチン、およびパーフルオロ−3−ヘプチンなどが挙げられる。
これらのパーフルオロアルキン化合物の中でも、パ−フルオロ−2−ペンチンが、本発明の方法により好ましく製造される。該化合物の沸点は5℃であり、含フッ素ポリマーや医農薬の製造原料、およびプラズマ反応用ガスなどとして有用である。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってその範囲を限定されるものではない。なお、特に断りが無い限り、実施例および比較例中の「部」は、「重量部」を意味する。また、反応生成物の分析はガスクロマトグラフィー法(装置:アジレント・テクノロジー社製Agilent6890、カラム:FRONTIER LAB製Ultra ALLOY+−1(s))で行なった。
<金属フッ化物担持触媒調製方法(20重量%)>
各実施例および比較例において、金属フッ化物担持触媒は以下のように調製した。金属フッ化物10gをイオン交換水10gに溶解させた。この水溶液を活性炭(武田薬品工業株式会社製「粒状白鷺 G2X 7/12」、比表面積(BET法)1,150m/g)40gに加え、よく振とうさせた後、およそ1時間放置した。この放置により水溶液はすべて活性炭に吸着された。この水溶液を含浸させた活性炭を管状炉に充填し、窒素を流通させながら100℃で1時間、続けて250℃で1時間焼成させ、金属フッ化物含有量20重量%の金属フッ化物担持触媒を調製した。
<1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンと1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンの混合物の合成方法>
各実施例および比較例において、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンと1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンの混合物は、以下のように調製した。ジムロート冷却器とスリーワンモーターを設置した1L4つ口フラスコに、水酸化カリウム(和光純薬工業株式会社製、純度85%)118g、イオン交換水105ml加え溶解させた。氷浴中、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(三井デュポンフロロケミカル株式会社製)300gを加え、次にテトラエチルアンモニウムブロミド(和光純薬工業株式会社製)1.0gを加えた後、攪拌させ0℃で4時間反応させた。生成物濃度をガスクロマトグラフィーで確認した後、分液操作により、有機層を取り出した。この有機層を精留することにより、目的物を合成した。
(実施例1)
<フッ化セシウム担持触媒を用いた1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンの反応(600℃)>
活性炭にフッ化セシウム(和光純薬工業株式会社製)を20重量%担持させたフッ化セシウム担持触媒(20重量%)7.6gをハステロイ製反応管(直径12.7mm、長さ200mm)に充填した。反応管を電気炉にセットし、600℃に加温した。1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(三井デュポンフロロケミカル株式会社製)を毎分2.0gで気化器内に供給して気化させて、反応管下部より一定の速度で2時間フィードした。
反応管から出てくるガス状の混合物を水酸化カリウム水溶液、フッ化カリウムペレットの順にフィードし発生するフッ化水素を中和した後、ドライアイス−エタノールで冷却した凝縮器内で捕集した。生成物は水酸化カリウム水溶液中と凝縮器に捕集された。両者の重量とガスクロマトグラフィー分析結果からパーフルオロ−2−ペンチンの収率を計算したところ、34.8モル%であった。なお、反応は常圧で行い、そのガス空間速度「GHSV」は2527/hrであった。
(実施例2)
<フッ化カリウム担持触媒を用いた1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンの反応(600℃)>
活性炭にフッ化カリウム(和光純薬工業株式会社製)を20重量%担持させたフッ化カリウム担持触媒(20重量%)5.4gをハステロイ製反応管(直径12.7mm、長さ200mm)に充填した。反応管を電気炉にセットし、600℃に加温した。1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(三井デュポンフロロケミカル製)を毎分1.6gで気化器内に供給して気化させて、反応管下部より一定の速度で2時間フィードした。
反応管から出てくるガス状の混合物を水酸化カリウム水溶液、フッ化カリウムペレットの順にフィードし発生するフッ化水素を中和した後、ドライアイス−エタノールで冷却した凝縮器内で捕集した。生成物は水酸化カリウム水溶液中と凝縮器に捕集された。両者の重量とガスクロマトグラフィー分析結果からパーフルオロ−2−ペンチンの収率を計算したところ、25.0モル%であった。なお、反応は常圧で行い、そのガス空間速度「GHSV」は2157/hrであった。
(実施例3)
<フッ化セシウム担持触媒を用いた1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンと1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンの混合物の反応(600℃)>
活性炭にフッ化セシウム(和光純薬工業株式会社製)を20重量%担持させたフッ化セシウム担持触媒(20重量%)7.7gをハステロイ製反応管(直径12.7mm、長さ200mm)に充填した。反応管を電気炉にセットし、600℃に加温した。1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンと1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンの混合物を毎分1.5gで気化器内に供給して気化させて、反応管下部より一定の速度で1.2時間フィードした。
反応管から出てくるガス状の混合物を水酸化カリウム水溶液、フッ化カリウムペレットの順にフィードし発生するフッ化水素を中和した後、ドライアイス−エタノールで冷却した凝縮器内で捕集した。生成物は水酸化カリウム水溶液中と凝縮器に捕集された。両者の重量とガスクロマトグラフィー分析結果からパーフルオロ−2−ペンチンの収率を計算したところ、46.0モル%であった。なお、反応は常圧で行い、そのガス空間速度「GHSV」は2244/hrであった。
(比較例1)
<フッ化セシウム担持触媒を用いた1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンの反応(400℃)>
活性炭にフッ化セシウム(和光純薬工業株式会社製)を20重量%担持させたフッ化セシウム担持触媒(20重量%)7.4gをハステロイ製反応管(直径12.7mm、長さ200mm)に充填した。反応管を電気炉にセットし、400℃に加温した。1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(三井デュポンフロロケミカル製)を毎分0.89gで気化器内に供給して気化させて、反応管下部より一定の速度で1時間フィードした。
反応管から出てくるガス状の混合物を水酸化カリウム水溶液、フッ化カリウムペレットの順にフィードし発生するフッ化水素を中和した後、ドライアイス−エタノールで冷却した凝縮器内で捕集した。生成物は水酸化カリウム水溶液中と凝縮器に捕集された。両者の重量とガスクロマトグラフィー分析結果からパーフルオロ−2−ペンチンの収率を計算したところ、2.8モル%であった。なお、反応は常圧で行い、そのガス空間速度「GHSV」は875/hrであった。
(比較例2)
<フッ化セシウム担持触媒を用いた1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンと1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンの混合物の反応(350℃)>
活性炭にフッ化セシウム(和光純薬工業株式会社製)を20重量%担持させたフッ化セシウム担持触媒(20重量%)7.7gをハステロイ製反応管(直径12.7mm、長さ200mm)に充填した。反応管を電気炉にセットし、350℃に加温した。1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンと1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンの混合物を毎分0.3gで気化器内に供給して気化させて、反応管下部より一定の速度で1時間フィードした。
反応管から出てくるガス状の混合物を水酸化カリウム水溶液、フッ化カリウムペレットの順にフィードし発生するフッ化水素を中和した後、ドライアイス−エタノールで冷却した凝縮器内で捕集した。生成物は水酸化カリウム水溶液中と凝縮器に捕集された。両者の重量とガスクロマトグラフィー分析結果からパーフルオロ−2−ペンチンの収率を計算したところ、3.1モル%であった。なお、反応は常圧で行い、そのガス空間速度「GHSV」は320/hrであった。
(比較例3)
<ゼオライトを用いた1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンの反応(250℃)>
ゼオライト(モレキュラーシーブス5A、ユニオン昭和株式会社製、約4mm)100gをハステロイ製反応管(直径25.4mm、長さ300mm)に充填した。反応管を電気炉にセットし、250℃に加温した。1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(三井デュポンフロロケミカル製)を毎分0.036gで気化器内に供給して気化させて、反応管下部より一定の速度で1時間フィードした。
反応管から出てくるガス状の混合物を水酸化カリウム水溶液、フッ化カリウムペレットの順にフィードし発生するフッ化水素を中和した後、ドライアイス−エタノールで冷却した凝縮器内で捕集した。生成物は水酸化カリウム水溶液中と凝縮器に捕集された。両者の重量とガスクロマトグラフィー分析結果からパーフルオロ−2−ペンチンの収率を計算したところ、20モル%であった。なお、反応は常圧で行い、そのガス空間速度「GHSV」は30/hrであった。
実施例の結果から、本発明の製造方法によると高収率で効率良く、パーフルオロアルキン化合物が製造されることが分かる。温度が本発明で規定した範囲を下回ると収率が下がる(比較例1および比較例2)。また、従来の触媒(ゼオライト、比較例3)を用いた場合は効率(ガス空間速度)が下がる。

Claims (3)

  1. 下記式で表されるジヒドロハロゲノアルカン化合物(式1)および/またはモノヒドロハロゲノアルケン化合物(式2)を、金属フッ化物の存在下、反応温度500℃以上で気相流通式に反応させることを特徴とするパーフルオロアルキン化合物の製造方法。
    −CHA−CHB−R(式1)
    −CH=CX−R (式2)
    (式1および2中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、RとRとは結合して環を形成しても良い。式1中、AおよびBは、それぞれ独立に、F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる1種のハロゲン原子である。式2中、XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる1種のハロゲン原子である。)
  2. 前記金属フッ化物が、BET法で測定される比表面積が100m/g以上である担体に担持させてなるものであることを特徴とする請求項1記載のパーフルオロアルキン化合物の製造方法。
  3. がパーフルオロメチル基、およびRがパーフルオロエチル基であり、パーフルオロアルキン化合物が、パーフルオロ−2−ペンチンである請求項1または2記載のパーフルオロアルキン化合物の製造方法。
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