JP4866096B2 - ラベル付き容器の製造方法 - Google Patents
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Description
かかる熱収縮性筒状ラベルは、容器に外嵌し、所定温度に加熱することにより、容器に装着することができる。
また、例えば、容器の周方向の一部分が内側に凹んだ凹み部の形成された容器も知られている(かかる容器の一例として図2参照)。このような凹み部の形成された容器は、該凹み部に指を嵌め入れることにより凹み部に指を掛けることができるため、持ち運びし易い。従って、該容器は、比較的非力な使用者などを含め多くの使用者にとって使いやすい容器と言える(このような凹み部を有する容器は、ユニバーサルデザイン容器とも言われる)。
具体的には、図8に示すように、凹み部400は、容器200の周方向の一部分を内側に凹ませることにより形成されているので、凹み部400の周方向両端部に、容器の外形線が内側へ向きを変える変曲点401が存在する。熱収縮性筒状ラベル300は、その性質上、熱収縮時、装着される容器の最外側の点又は面に密着しながら収縮するので、凹み部400の周方向両端部の両変曲点401,401間に於いて平坦状となって装着される。このように、容器200の凹み部400に対応する熱収縮性筒状ラベル300の一部分が平坦状となって装着されることから、得られるラベル付き容器100は、熱収縮性筒状ラベル300を介して容器200の凹み部400の凹み形状が現れない。
従って、上記ラベル付き容器100は、熱収縮性筒状ラベル300の外面から凹み部400に指が掛かるように指を当てても、この凹み部400に対応する熱収縮性筒状ラベル300が内側に殆ど凹まないことから、凹み部400に指を掛けて持つことが困難となる。
さらに、弾性変形可能な耐熱性のゴムに多数の孔が形成された通気性のある治具の押圧部を用いることにより、加熱又は冷却を早く行える上、熱収縮性筒状ラベルの一部分を凹み部にほぼ沿って装着できる。
得られたラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルの外面に凹み形状が現れるので、熱収縮性筒状ラベルの外面から凹み部に指を掛けて容易に持つことができる。
また、上記製造方法は、熱収縮性筒状ラベルを装着するために加熱する際、容器の凹み部に対応する熱収縮性筒状ラベルの一部分を凹み部側へ押圧するという簡便な方法で製造できる。つまり、上記製造方法は、熱収縮性筒状ラベルを装着するために加熱するという従来と同様の工程中に於いて、容器の凹み部に対応する熱収縮性筒状ラベルの一部分を凹み部側へ押圧するという要素を付加すればよいので、比較的簡便に上記ラベル付き容器を製造することができる。
かかる製造方法によれば、熱収縮性筒状ラベルの一部分を容器の凹み部側へ押圧した際に、該熱収縮性筒状ラベルの一部分と凹み部の外面が接着される。よって、得られたラベル付き容器は、搬送・保管などの流通過程を通じて、熱収縮性筒状ラベルの一部分が凹んだ状態を確実に維持できる。
(ラベル付き容器の構成)
図1に於いて、1は、凹み部4を有する容器2と、該容器2に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル3と、を備えるラベル付き容器を示す。
該ラベル付き容器1は、熱収縮性筒状ラベル3が容器2の凹み部4を含んで熱収縮装着されており、熱収縮性筒状ラベル3は、その一部分が容器2の凹み部4側に凹んだ状態で装着されている。
尚、凹み部4の外面形状は、様々な形態が存在するので、凹み部対応部分5が凹み部4の外面形状と完全に一致することは現実的には困難である。従って、凹み部対応部分5が凹み部4の外面形状にほぼ沿っているとは、凹み部対応部分5が凹み部4の外面形状に沿っている他、凹み部対応部分5が凹み部4の外面に部分的に接し且つ同外面に部分的に離れている状態を含む意味である。
このように熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が、接着剤6を介して接着されていることにより、ラベル付き容器1の流通時などに熱収縮性筒状ラベル3に対して熱が加わっても、凹み部対応部分5が変形して容器2の凹み部4から浮き上がることを防止できる。
また、防滑処理層7を凹み部対応部分5にのみ設けた場合には、熱収縮性筒状ラベル3のうち凹み部対応部分5以外の部分の滑り性が低下しないため、生産ラインなどでラベル付き容器1同士などの摩擦が生じにくく好ましい。
防滑処理層7としては、例えば、熱収縮性筒状ラベル3の外面に、マットインキ(艶消しインキ)などを塗工することが挙げられる。マットインキとしては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、酸化チタン、炭酸バリウムなどの無機粒子や、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、メラミン樹脂などの樹脂ビーズなどが配合されたものが好ましい。該マットインキは、例えばグラビア印刷などで塗工される。無機粒子などは、平均粒径が比較的大きいものが好ましく、例えば、平均粒径0.5〜50μm程度のものが配合されていることが好ましい。
このように、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が凹凸状に形成されていることにより、熱収縮性筒状ラベル3の外面から凹み部4を持った際、指と熱収縮性筒状ラベル3の間の摩擦力が大きくなって指が滑り難くなる。
尚、上記防滑処理層7を設ける及び凹凸状に形成することは、何れも持ち手の滑りを防止する手段であるため、両手段が具備されたラベル付き容器1でもよいし、或いは、何れか一方の手段のみが具備されたラベル付き容器1でもよい。
尚、容器2の凹み部4の形状は、図2に示すものに限られず、例えば、図3(a)に示すように、凹み部4の変曲点41,41が弧状に形成されているもの、或いは、同図(b)に示すように、凹み部4が内側へ2段に凹んでいるもの、同図(c)に示すように、凹み部4の中央部などに凸部が形成されているものなどが例示される。但し、同図(b)や(c)に於ける凹み部4では、周方向に於いて容器の外形線が内側へ向きを変える点が3箇所以上存在するが、凹み部4の変曲点41,41とは、図示した最外側に存在する点41,41を意味する。
例えば、図2に示すように、容器2は、底面部21、この上方に続くコーナ部22、このコーナ部22に続き且つ凹み部4の形成された胴部23、この胴部23から次第に細くなる肩部24が形成された態様などを例示できる。この例では、胴部23の上方側であって、胴部23の前後面に対向するように、凹み部4がそれぞれ形成されている。
容器2の材質は特に限定されず、例えば、PETなどのポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系などの熱可塑性樹脂、金属、ガラス、陶器など、従来公知の材質である。
また、容器2に充填される充填物は、特に限定されず、飲料、食品、シャンプー、化粧品、洗剤などの液体、粉体など任意である。
該熱収縮性筒状ラベル3は、例えば、上記容器のコーナ部22、凹み部4を含んだ胴部23、及び肩部24にかけて熱収縮装着可能な長さのものが用いられる。該熱収縮性筒状ラベル3は、その凹み部対応部分5が凹み部4の外面にほぼ沿って装着されていると共に、凹み部5以外(コーナ部22、胴部23及び肩部24)に対応する熱収縮性筒状ラベル3の他部分は、これらの最外側の点又は面に密着状に装着されている。
よって、該熱収縮性筒状ラベル3は、容器2のコーナ部22及び肩部24に於いて周方向に大きく熱収縮装着され、容器2から外れることはない。
但し、熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)−(幅方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
また、熱収縮性筒状ラベル3には、分断用のミシン目などの公知の手段を適宜施してもよい。
該感熱接着剤6は、加熱よって接着性を発揮する接着剤(接着剤とは、一般に粘着剤と言われているものも含む)であり、例えば、ホットメルト型接着剤、パートコート型感熱接着剤、ディレードタック型感熱接着剤などを用いることができる。
ホットメルト型接着剤は、常温では接着性はないが加熱することによって接着可能となるものであって加熱溶融によって塗工可能な接着剤であり、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレンアクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのベース樹脂に粘着付与剤などの添加剤が配合されたものが例示される。
パートコート型感熱接着剤は、ホットメルト型接着剤と同様に加熱によって接着性が生じ、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱接着性樹脂と粘着付与剤などを有機溶剤などに溶解又は分散させた溶液を、グラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能な接着剤であり、塗工後乾燥して使用するものである。
ディレードタック型感熱接着剤は、加熱することによって活性化して接着性が生じ且つ冷却後長時間に亘ってそれが持続するものであってグラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能な接着剤であり、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、合成ゴムなどのベース樹脂に粘着付与剤及び固体可塑剤などが配合されたエマルジョン型などが例示される。これら粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
尚、本実施形態では、熱収縮性筒状ラベル3は予め筒状に成形されているものを例示しているが、本発明では、必ずしも予め筒状に成形されたラベル3を用いる場合に限定されず、容器2に装着時に於いて筒状に成形される熱収縮性筒状ラベル3を用いることもできる。例えば、熱収縮性の基材として縦一軸延伸フィルムを用い、その基材の主延伸方向が容器の周方向となるようにして、熱収縮性の基材の一側端を容器2に貼付し、該基材を容器の周方向に巻き回し、基材の他側端を前記一側端に重ね合わせて貼付することにより、筒状に成形された熱収縮性筒状ラベル3を用いることも可能である。
<製造方法1>
(前工程)
少なくとも凹み部対応部分5の外面に防滑処理層7が設けられ、且つ少なくとも凹み部対応部分5の内面に感熱接着剤6が設けられた熱収縮性筒状ラベル3を準備する。通常、該熱収縮性筒状ラベル3は、複数連続的に繋がった長尺状のラベル連続体の態様で提供される。
該ラベル連続体を所定長さに切断し、1個の熱収縮性筒状ラベル3を得た後、該熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が容器2の凹み部4に適合するように位置合わせしながら、熱収縮性筒状ラベル3を容器2のコーナー部22から肩部24にかけて外嵌する。
尚、予め筒状に成形されていないものを用いる場合には、熱収縮性の基材の主延伸方向を容器の周方向とし、基材の凹み部対応部分5が容器2の凹み部4に適合するように位置合わせしながら、基材の一側端を容器2に貼付した後、巻き回し、基材の他側端を前記一側端に重ね合わせて貼付することにより、熱収縮性筒状ラベル3を外嵌する。
続いて、図5及び図6に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5の外面から、治具8を押し当て、凹み部対応部分5を容器2の凹み部4側へと押圧する。該治具8の押圧によって、図5(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が、容器2の凹み部4の外面に接する。
具体的には、この治具8は、例えば、図6に示すように、対向配置された一対のエンドレス状の回転駆動装置9に所定間隔を開けて複数固定されており、該回転駆動装置9は、容器2を搬送する方向に同期して回転可能である。
この回転駆動装置9の上流側から、熱収縮性筒状ラベル3が外嵌された容器を供給する。供給された容器2は、一対の回転駆動装置9に具備された治具8によって、容器2の両側から熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が押圧される。かかる一対の治具8の押圧により、容器2が回転駆動装置9に保持される。該容器2は、回転駆動装置9に保持された状態で、後述する加熱工程へと送られる。
尚、図6では、熱収縮性筒状ラベル3の装着状態及び治具8による押圧を判りやすく図示するため、回転駆動装置9の搬送方向に容器2を横倒し状態で表しているが、現実に実施する場合には、一般に、容器2は、立てた状態で搬送される。
また、治具8は、例えば、通気性のある部材、例えば、円筒状の連結部材82を介して回転駆動装置9に固定されている。
治具8の押圧部81の表面は、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5を凹凸状に形成できることから、網目状又は凹凸状に形成されていることが好ましい。また、治具8の押圧部81は、通気性のある部材で形成されていることが好ましい。このような治具8の押圧部81としては、図7に示すように、孔部83を有する部材、例えば、網目部材81(例えば、金属網等)にて形成したものが例示される。かかる通気性のある押圧部81を有する治具8によれば、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5を凹凸状に形成できる上、該凹み部対応部分5の加熱又は冷却をより早く行えるので好ましい。網目部材81の網目の大きさは特に限定されず、例えば、JIS Z 8801−1に於ける目開き38μm(線径30μm)〜5.6mm(線径1.6mm)程度のものが好ましい。
また、通気性のある治具8の押圧部81として、弾性変形可能な半球状の耐熱性のゴムに多数の孔を形成したものなどを用いることもできる。
熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5を治具8にて押圧した状態で、容器2は、回転駆動装置9により加熱ゾーンへと送られる。加熱ゾーンでは、熱収縮性筒状ラベル3の全体を所定温度(ラベルの熱収縮温度)に加熱する。加熱方法は、従来と同様に、熱風(例えば、100〜200℃)の吹き付けなどで行うことができる。上記のように、治具8の押圧部81は、通気性があるので、押圧部81の孔部83を通じて熱風などが熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5に作用し、この部分5を温めることができる。但し、凹み部対応部分5に於ける熱風などの加熱媒体の作用は、凹み部対応部分5の周囲に比べると小さいため、次の冷却工程を短時間で行うことができる。
加熱工程に於いて、熱収縮性筒状ラベル3は、容器2の外形状にほぼ沿って熱収縮し、凹み部対応部分5も若干熱収縮するが、この部分5は治具8で押圧されているので、凹み部4にほぼ沿った状態が維持される。
また、加熱時、凹み部対応部分5の内面に設けられた感熱接着剤6が活性化し、容器2の凹み部4に対して接着性を発揮する。
続いて、凹み部対応部分5を治具8にて押圧したままで、容器2は、回転駆動装置9により冷却ゾーンへと送られる。冷却ゾーンでは、熱収縮性筒状ラベル3及び治具8を室温まで冷却する。冷却は、自然冷却でもよいが、時間短縮のため、冷風などを吹き付けて強制的に温度を下げることが好ましい。
熱収縮性筒状ラベル3及び治具8が冷却されると、凹み部対応部分5は、凹み部4の外面形状にほぼ沿った形状に固定されると共に、感熱接着剤6を介して容器2の凹み部4に接着する。
熱収縮性筒状ラベル3が、概ね室温にまで冷えた後、治具8を外すことにより、熱収縮性筒状ラベル3が容器2の凹み部4にほぼ沿って装着されたラベル付き容器1を得ることができる。
次に、製造方法2について説明する。但し、上記製造方法1と同様の構成については説明を省略し、用語及び図番を援用することがある。
(前工程、外嵌工程)
製造方法1と同様の、前工程及び外嵌工程を行う。
容器2に外嵌された熱収縮性筒状ラベル3の全体を所定温度(ラベルの熱収縮温度)に加熱する。尚、製造方法2では、前工程から加熱工程までは、従来の熱収縮性筒状ラベルの装着方法と同様である。加熱された熱収縮性筒状ラベル3は、容器2の外形状に沿って熱収縮するが、凹み部対応部分5は、凹み部4に沿わず、平坦状となって装着される。
上記加熱工程で加熱された熱収縮性筒状ラベル3が温かい間に、治具8を用いて、該ラベル3の凹み部対応部分5を容器2の凹み部4側へと押圧する。つまり、加熱された熱収縮性筒状ラベル3が冷めきらず、加熱工程での余熱によって熱収縮性筒状ラベル3が加熱成形可能温度となっている間に、治具8を用いて凹み部対応部分5を凹み部4側へと押圧する。
加熱成形可能温度は、熱収縮性筒状ラベル3を構成する基材の収縮開始温度(基材を温水に浸した際に基材が主延伸方向に1%以上収縮する該温水の温度)以上が好ましい。具体的には、加熱成形可能温度は、60〜120℃程度が好ましく、65〜100℃程度がより好ましい温度である。
加熱成形可能な温度に昇温している熱収縮性筒状ラベル3は、治具8の押圧により、その凹み部対応部分5が凹み部4にほぼ沿って密着する。また、感熱接着剤6も活性化しているので、容器2の凹み部4に対して接着可能である。
尚、加熱工程から押圧工程までの間に、熱収縮性筒状ラベル3の温度が加熱成形可能温度以下に低下している又は感熱接着剤6の温度が低下している場合には、治具8の押圧前に、凹み部対応部分5を部分的に加熱してもよい。
続いて、上記製造方法1と同様に、凹み部対応部分5を治具8にて押圧したままで、熱収縮性筒状ラベル3及び治具8を室温まで冷却する。
熱収縮性筒状ラベル3及び治具8が冷却されると、凹み部対応部分5は、凹み部4の外面形状にほぼ沿った形状に固定されると共に、感熱接着剤6を介して容器2の凹み部4に接着する。
熱収縮性筒状ラベル3が、概ね室温にまで冷えた後、治具8を外すことにより、上記ラベル付き容器1を得ることができる。
次に、製造方法3について説明する。但し、上記製造方法1と同様の構成については説明を省略し、用語及び図番を援用することがある。
(前工程、外嵌工程)
製造方法1と同様の、前工程及び外嵌工程を行う。
容器2に外嵌された熱収縮性筒状ラベル3の全体を所定温度(ラベルの熱収縮温度)に加熱する。尚、製造方法3も、前工程から加熱工程までは、従来の熱収縮性筒状ラベルの装着方法と同様である。加熱された熱収縮性筒状ラベル3は、容器2の外形状に沿って熱収縮するが、凹み部対応部分5は、凹み部4に沿わず、平坦状となって装着される。
次に、熱収縮性筒状ラベル3の加熱成形可能温度にまで加熱された治具8を用いて、上記加熱工程で装着された熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5を容器2の凹み部4側へと押圧する。
本製造方法3に於いては、この治具8がラベル加熱成形可能温度にまで加熱されているので、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が変形し、凹み部4にほぼ沿って密着する。また、この治具8の熱により、感熱接着剤6も活性化される。
続いて、上記製造方法1と同様に、凹み部対応部分5を治具8にて押圧したままで、熱収縮性筒状ラベル3及び治具8を室温まで冷却する。
熱収縮性筒状ラベル3及び治具8が冷却されると、凹み部対応部分5は、凹み部4の外面形状にほぼ沿った形状に固定されると共に、感熱接着剤6を介して容器2の凹み部4に接着する。
熱収縮性筒状ラベル3が、概ね室温にまで冷えた後、治具8を外すことにより、上記ラベル付き容器1を製造することができる。
上記製造方法2の押圧工程及び製造方法3の押圧工程を組み合わせることもできる。例えば、製造方法2の押圧工程に於いて、治具8を、熱収縮性筒状ラベル3の加熱成形可能温度にまで加熱し、この温められた治具8を用いて、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5を押圧してもよい。かかる変形例によれば、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5を、より確実に凹み部4の形状にほぼ沿って変形させることができるので好ましい。
上記製造方法2又は製造方法3の加熱工程に於いて、予め熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5に脱気用の孔が形成された熱収縮性筒状ラベル3を用いてもよい。かかる脱気用の孔は、凹み部対応部分5の外面から内面に貫通する針穴状の穿設孔、線状の切込部などが例示される。尚、線状の切込部を形成する場合には、熱収縮時に切込部が拡がらないことから、熱収縮性筒状ラベル3の周方向(主延伸方向)と平行に形成することが好ましい。
このように脱気用の孔が形成された熱収縮性筒状ラベル3を用いることにより、上記製造方法2又は製造方法3の加熱工程後、治具8を用いて凹み部対応部分5を凹み部4側へ押圧した際、凹み部4に残った空気を脱気用の孔を通じて外部へと逃がすことができる。かかる変形例は、治具8の押圧時に残存空気を逃がすことができるので、凹み部対応部分を凹み部にほぼ沿って確実に密着させることが可能となるので好ましい。
また、上記製造方法1〜3では、予め感熱接着剤6が設けられた熱収縮性筒状ラベル3を用いているが、感熱接着剤の設けられていない熱収縮性筒状ラベル3を用いることもできる。かかる熱収縮性筒状ラベル3を用いる場合には、凹み部対応部分5を容器2に接着することができないが、形状固定された凹部対応部分5は、凹み部4にほぼ沿って装着される。もっとも、ラベル付き容器1を製造後、熱が加わることで、凹み部4にほぼ沿わせた熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が浮き上がることも考えられる。かかる浮き上がりを防止する点から、容器2の凹み部4と凹み部対応部分5は、接着剤を介して接着されていることが好ましい。
そして、接着剤が設けられていない熱収縮性筒状ラベルを用いつつ、上記浮き上がりを防止する場合には、例えば、熱収縮性筒状ラベル3を容器2に外嵌する直前に、容器2の凹み部4の外面に、接着剤(感熱接着剤、溶剤型接着剤などの各種接着剤)を塗布する接着剤塗布工程を行うことで、凹み部対応部分5の内面と容器2の凹み部4の層間に接着剤が介在し、両者を接着させることができる。
Claims (4)
- 凹み部を有する容器に熱収縮性筒状ラベルを装着してラベル付き容器を製造する方法であって、熱収縮性筒状ラベルを容器に外嵌し、弾性変形可能な耐熱性のゴムに多数の孔が形成された通気性のある治具の押圧部を用いて、容器の凹み部に対応する熱収縮性筒状ラベルの一部分を凹み部側へ押圧しつつ加熱することを特徴とするラベル付き容器の製造方法。
- 凹み部を有する容器に熱収縮性筒状ラベルを装着してラベル付き容器を製造する方法であって、熱収縮性筒状ラベルを容器に外嵌して熱収縮装着した後、この熱収縮性筒状ラベルのうち少なくとも容器の凹み部に対応する熱収縮性筒状ラベルの一部分を加熱成形可能温度とした状態で、弾性変形可能な耐熱性のゴムに多数の孔が形成された通気性のある治具の押圧部を用いて、前記熱収縮性筒状ラベルの一部分を容器の凹み部側へ押圧することを特徴とするラベル付き容器の製造方法。
- 凹み部を有する容器に熱収縮性筒状ラベルを装着してラベル付き容器を製造する方法であって、熱収縮性筒状ラベルを容器に外嵌して熱収縮装着した後、弾性変形可能な耐熱性のゴムに多数の孔が形成された通気性のある治具の押圧部を用いて、前記装着された熱収縮性筒状ラベルのうち容器の凹み部に対応する熱収縮性筒状ラベルの一部分を、容器の凹み部側へ押圧しつつ加熱することを特徴とするラベル付き容器の製造方法。
- 前記容器の凹み部と該凹み部に対応する熱収縮性筒状ラベルの一部分との間に、接着剤を介在させる請求項1〜3のいずれかに記載のラベル付き容器の製造方法。
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