JP4764211B2 - ラベル付き容器、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、凹み部を形成できる容器に熱収縮性筒状ラベルが装着されたラベル付き容器、及びその製造方法に関する。
従来、飲料容器、食品容器、化粧品容器などの様々な容器に、熱収縮性筒状ラベル(筒状シュリンク、シュリンクフィルムなどとも呼ばれる)が装着されている。
かかる熱収縮性筒状ラベルは、容器に外嵌し、所定温度に加熱することにより、容器に装着することができる。
該熱収縮性筒状ラベルが装着される容器は、様々な形状のものが存在する。一般的には、円筒状の胴部と、胴部の上方に連続して次第に小径に形成された肩部と、肩部の上方に設けられた注出部と、を有するボトル型容器(例えば、飲料用のPETボトルなど)が周知である。
また、例えば、容器の周方向の一部分が内側に凹んだ凹み部の形成された容器も知られている。このような凹み部の形成された容器は、該凹み部に指を嵌め入れることにより凹み部に指を掛けることができるため、持ち運びし易い。従って、該容器は、比較的非力な使用者などを含め多くの使用者にとって使いやすい容器と言える。
ところで、かかる凹み部を有する容器も同様に、熱収縮性筒状ラベルを外嵌して加熱することにより、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮装着できる。しかしながら、上記凹み部を有する容器に熱収縮性筒状ラベルを熱収縮装着すると、該熱収縮性筒状ラベルが凹み部に沿わず、容器の凹み部が熱収縮性筒状ラベルで覆われるという問題点がある。
具体的には、図6に示すように、凹み部400は、容器200の周方向の一部分が内側に凹んでいるので、凹み部400の周方向両端部に、容器の外形線が内側へ向きを変える変曲点401が存在する。熱収縮性筒状ラベル300は、その性質上、熱収縮時、装着される容器の最外側の点又は面に密着しながら収縮するので、凹み部400の周方向両端部の両変曲点401,401間に於いて平坦状となって装着される。このように、容器200の凹み部400に対応する熱収縮性筒状ラベル300の一部分が平坦状となって装着されることから、得られるラベル付き容器100は、熱収縮性筒状ラベル300を介して容器200の凹み部400の凹み形状が現れない。
従って、上記ラベル付き容器100は、熱収縮性筒状ラベル300の外面から凹み部400に指が掛かるように指を当てても、この凹み部400に対応する熱収縮性筒状ラベル300が内側に殆ど凹まないことから、凹み部400に指を掛けて持つことが困難となる。
そこで、本発明は、熱収縮性筒状ラベルを容器の凹み部に対応させて凹ませ、容器の凹み部に指を掛けて持つことができるラベル付き容器、及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記問題点に鑑みて、本発明は、一部分を変形させることにより凹み部が形成される凹み部形成領域を有する容器と、前記容器に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベルと、を備え、熱収縮性筒状ラベルが、少なくとも容器の凹み部形成領域の外面全体又は外面の一部に接着されているラベル付き容器を提供する。
上記ラベル付き容器は、変形させることにより凹み部が形成される凹み部形成領域の外面全体又は外面の一部に熱収縮性筒状ラベルが接着されている。従って、該ラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルの外側から凹み部形成領域を変形させることにより、容器の凹み部形成領域が内側へ反転して容器に凹む部が形成されると共に、前記反転に追従して熱収縮性筒状ラベルの一部分が内側に凹んだ状態となる。
このように上記ラベル付き容器は、容器に凹み部と形成すると同時に熱収縮性筒状ラベルを該凹み部側へ確実に凹ますことができる。得られたラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルの外面に容器の凹み部に対応して凹み形状が現れるので、熱収縮性筒状ラベルの外面から凹み部に指を掛けて容易に持つことができる。
また、本発明の第2の手段は、容器と、容器に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベルと、を備えるラベル付き容器の製造方法であって、押圧により内側へ反転して凹む突出部分を有する容器の、少なくとも該突出部分に熱収縮性筒状ラベルを接着した後、突出部分を押圧して反転させることによりラベル付き容器を製造する。
上記製造方法によれば、押圧により内側へ反転して凹む突出部分を有する容器に於いて、その突出部分に熱収縮性筒状ラベルを接着した後、突出部分を押圧して反転させることにより、容器の凹みに追従して熱収縮性筒状ラベルに凹み形状が生じる。
また、突出部分を反転させるので、元の突出形状に戻り難く、容器の凹み形状を確実に維持できる。
このように、容器に凹みを形成すると同時に、該凹みに対応して熱収縮性筒状ラベルが凹んだラベル付き容器を簡便且つ確実に製造することができる。
本発明に係るラベル付き容器は、容器の凹み部形成領域を凹状に変形させることで、容器に凹み部を形成しつつ装着された熱収縮性筒状ラベルの対応部分を凹み部側へ凹ますことができる。
従って、容器の凹み部に指を掛けて持つことができるラベル付き容器を提供することができる。
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1に於いて、1は、一部分を変形させることにより凹み部が形成され得る凹み部形成領域4を有する容器2と、該容器2に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル3と、を備えるラベル付き容器を示し、容器2の凹み部形成領域4に対応する熱収縮性筒状ラベル3の一部分5(以下、この部分を「凹み部対応部分」という)が、容器2の凹み部形成領域4に接着されている。
具体的には、ラベル付き容器1は、その熱収縮性筒状ラベル3が容器2の凹み部形成領域41を含んで装着されている。
ラベル付き容器1は、少なくとも熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5の内面が接着剤6を介して容器2の凹み部形成領域4の外面に接着されている。
このように熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が、接着剤6を介して凹み部形成領域4に接着されていることにより、例えば凹み部形成領域4を外側から押圧し、凹み部形成領域4を反転させた際に、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応領域5が追従して凹み部側へと凹むこととなる。
また、上記のように凹み部対応部分5を凹み部41側へと凹ましたラベル付き容器1に熱が加わっても、凹み部対応部分5が変形して容器2の凹み部41から浮き上がることを防止できる。
接着剤6は、凹み部対応部分5と容器2の凹み部形成領域4との層間に部分的に設けられていてもよいが、凹み部形成領域4を凹状に変形させた際、両者を確実に接着でき、更に凹み部対応部分5が凹み部41の外面形状にほぼ沿うように追従できることから、前記層間の略全体(凹み部対応部分5の内面と凹み部形成領域4の外面の接触面略全体)に設けられていることが好ましい。尚、略全体とは、前記層間全体にベタ状に接着剤が設けられる他、実質的に層間全体に設けられる(格子状、点状など)ものを含む。
また、凹み部対応領域4が膨出状に形成されている容器2を用いる場合、該熱収縮性筒状ラベル3は、凹み部形成領域4の周縁に密着せずに浮き上がる虞があるので、接着剤6は、凹み部対応領域4の膨出頂部と熱収縮性筒状ラベル3の層間に少なくとも設けられていることが好ましい。
該接着剤6としては、予め熱収縮性筒状ラベル3に塗布しておくことができる点から感熱接着剤が好ましいが、溶剤型接着剤などの非感熱接着剤を用いることもできる。
さらに、上記熱収縮性筒状ラベル3の外面には、防滑処理層7が設けられている。この防滑処理層7は、熱収縮性筒状ラベル3の外面全体に設けられていてもよいが、同図(b)に示すように、少なくとも凹み部対応部分5の外面に設けられていることが好ましい。このように凹み部対応部分5の外面に防滑処理層7が設けられていることにより、熱収縮性筒状ラベル3の外面から凹み部に指を掛けて持った際、指と熱収縮性筒状ラベル3の間の摩擦力が大きくなって指が滑り難くなる。よって、ラベル付き容器1が不用意に手から外れて落ちることを防止できる。
また、防滑処理層7を凹み部対応部分5にのみ設けた場合には、熱収縮性筒状ラベル3のうち凹み部対応部分5以外の部分の滑り性が低下しないため、生産ラインなどでラベル付き容器1同士などの摩擦が生じにくく好ましい。
防滑処理層7としては、例えば、熱収縮性筒状ラベル3の外面に、マットインキ(艶消しインキ)などを塗工することが挙げられる。マットインキとしては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、酸化チタン、炭酸バリウムなどの無機粒子、又は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、メラミン樹脂などの樹脂ビーズなどの微粒子が配合されたものが好ましい。該マットインキは、例えばグラビア印刷などで塗工される。微粒子は、平均粒径が比較的大きいものが好ましく、例えば、平均粒径0.5〜50μm程度のものが配合されていることが好ましい。
また、特に図示しないが、熱収縮性筒状ラベル3の外面のうち、少なくとも凹み部対応部分5の外面が凹凸状に形成されていてもよい。凹凸状にする手段は、公知のエンボス加工、例えば、熱収縮性筒状ラベル3を構成する基材にエンボスロールを当てる、基材に肉厚部を点状に設けるなどが挙げられる。
このように、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が凹凸状に形成されていることにより、熱収縮性筒状ラベル3の外面から凹み部を持った際、指と熱収縮性筒状ラベル3の間の摩擦力が大きくなって指が滑り難くなる。
尚、上記防滑処理層7を設ける及び凹凸状に形成することは、何れも持ち手の滑りを防止する手段であるため、両手段が具備されたラベル付き容器1でもよいし、或いは、何れか一方の手段のみが具備されたラベル付き容器1でもよい。
上記ラベル付き容器1に用いられる容器2は、図2にも示すように、周方向の一部分に凹み部形成領域4を有する。容器2の凹み部形成領域4は、力が加わることで内側へ反転し凹状に変形可能な容器2の一部分である。容器2の凹み部形成領域4の変形方法は、簡便且つ確実である点から、該領域4を内側へ押圧することが好ましいが、他の方法として、容器2内を減圧することにより凹み部形成領域4を内側へ凹ますことも可能である。
形成される凹み部は、水平断面に於いて、容器2の外形線が内側へ向きを変える一対の変曲点が周方向に存在する。
凹み部形成領域4の正面形状は特に限定されないが、押圧反転により歪みのない凹み部41を形成できることから、図示したような楕円状の他、円状、半楕円状、半円状などの弧状部分を有する正面形状に形成されていることが好ましい。
また、凹み部形成領域4は、容器2の胴部23の曲面に沿って形成されていてもよいが、反転によって比較的深い凹み部41を形成でき、しかも、反転後、元の形状に戻り難いこと及び凹み部形成領域4の位置を特定し易いことから、図2(b)に示すように、凹み部形成領域4は、容器2の胴部23面よりも外側に膨らんだ突出状に形成されていることが好ましい。
さらに、凹み部形成領域4は、反転によって綺麗な凹み部41を形成できることから、その外面形状が円弧面状に形成されていることが好ましい。
上記諸点を考慮すると、凹み部形成領域4は、ドーム状に膨出した突出形状が好ましいと言える。
また、凹み部形成領域4を内側へ凹状に変形させる際に容易に反転できるようにする点から、凹み部形成領域4の周縁に、折り込み用の罫線を形成しておくことが好ましい。折り込み用の罫線43としては、図3(a)に示すように、凹み部形成領域4の周縁に沿って内側へ略U字状に凹む線状溝43を形成する、或いは、同図(b)に示すように、周縁に沿って外側へ略U字状に突出する線状凸部43を設けることなどが例示される。
また、折り込み用の罫線43に代えて又はこれと併用して、同図(c)に示すように、凹み部形成領域4の肉厚を、周辺領域に比して薄く形成してもよい。
尚、本実施形態では、周方向に2箇所の凹み部形成領域4が形成されている容器2を例示しているが、容器2に凹み部形成領域4が1箇所形成されていてもよいし、3箇所以上形成されていてもよい。
容器2の形状は、上記凹み部形成領域4が少なくとも1箇所形成されているものであれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
例えば、図2に示すように、容器2は、底面部21、この上方に続くコーナ部22、このコーナ部22に続き且つ凹み部4の形成された胴部23、この胴部23から次第に細くなる肩部24が形成された態様などを例示できる。この例では、胴部23の上方側であって、胴部23の前後面に対向するように、凹み部形成領域4がそれぞれ形成されている。
容器2の材質は、凹み部形成領域4が内側へ容易に凹むものであれば特に限定されず、可撓性のある素材、例えば、PETなどのポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系などの熱可塑性樹脂製容器、アルミニウムなどの比較的薄肉の金属製容器などを用いることができる。特に、ポリエチレン系、ポリプロピレン系などのブロー成形容器が好ましい。
また、容器2に充填される充填物は、特に限定されず、飲料、食品、シャンプー、化粧品、洗剤などの液体、粉体など任意である。
次に、上記ラベル付き容器1に用いられる熱収縮性筒状ラベル3は、図4にも示すように、熱収縮性の基材を筒状に成形した筒状体からなる。
該熱収縮性筒状ラベル3は、例えば、上記容器のコーナ部22、凹み部形成領域4を含んだ胴部23、及び肩部24にかけて熱収縮装着可能な長さのものが用いられる。該熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮によって、その凹み部対応部分5が凹み部形成領域4の外面にほぼ沿って装着されていると共に、容器2のコーナ部22、胴部23及び肩部24に対応する熱収縮性筒状ラベル3の他部分は、これらの最外側の点又は面に密着状に装着される。
よって、該熱収縮性筒状ラベル3は、容器2のコーナ部22及び肩部24に於いて周方向に大きく熱収縮装着され、容器2から外れることはない。
熱収縮性筒状ラベル3は、例えば、基材を筒状にしてその両側端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部分を溶剤又は接着剤などで接着(センターシール)することによって筒状に形成されている。
基材は、少なくとも幅方向(筒状に形成した際に於ける周方向。以下同じ)に熱収縮性を有するものであればその材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種、又は2種以上の混合物などからなる合成樹脂製フィルムなどの公知のフィルムを用いることができる。また、熱収縮性を有する2種以上の樹脂が積層された積層フィルムを用いることもできる。さらに、熱収縮性を有するフィルムに発泡樹脂シート等の断熱層やその他の機能層が積層された公知の積層フィルムを用いることもできる。中でも、反転時に伸縮して追従し易いことから、オレフィン系樹脂を含むフィルムを用いることが好ましい。
熱収縮性の基材は、公知の製法で製膜し延伸処理することにより得ることができる。延伸処理は、通常、70〜110℃程度の温度で、幅方向に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度で主延伸することにより行われる。さらに、縦方向(筒状に形成した際に於ける縦方向。以下同じ)にも、例えば1.5倍以下の低倍率で延伸処理を行ってもよい。得られた基材は、一軸延伸フィルム又は主延伸方向と直交する方向に若干延伸された二軸延伸フィルムとなる。基材の厚みは、特に限定されないが、通常、20〜80μm程度のものが用いられる。
基材の熱収縮率としては、熱収縮により容器に密着可能な程度であれば特に限定されないが、通常、幅方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は約40%以上、好ましくは約50%以上のものが例示される。また、基材は縦方向に若干熱収縮してもよく、かかる縦方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は、約−3〜15%程度のものが例示される。
但し、熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)−(幅方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
尚、基材には、例えば商品名、商標、絵柄デザインなどの公知の意匠印刷がグラビア印刷などによって単色又は多色刷りにて印刷されているが、該意匠印刷は図示しない。
また、熱収縮性筒状ラベル3には、分断用のミシン目などの公知の手段を適宜施してもよい。
上記熱収縮性筒状ラベル3の外面のうち、少なくとも凹み部対応部分5の外面には、図4(b)に示すように、上記防滑処理層7が設けられ、且つ少なくとも凹み部対応部分5の内面には感熱接着剤6が設けられている。
該感熱接着剤6は、加熱よって接着性を発揮する接着剤(接着剤とは、一般に粘着剤と言われているものも含む)であり、例えば、ホットメルト型接着剤、パートコート型感熱接着剤、ディレードタック型感熱接着剤などを用いることができる。
ホットメルト型接着剤は、常温では接着性はないが加熱することによって接着可能となるものであって加熱溶融によって塗工可能な接着剤であり、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレンアクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのベース樹脂に粘着付与剤などの添加剤が配合されたものが例示される。
パートコート型感熱接着剤は、ホットメルト型接着剤と同様に加熱によって接着性が生じ、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱接着性樹脂と粘着付与剤などを有機溶剤などに溶解又は分散させた溶液を、グラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能な接着剤であり、塗工後乾燥して使用するものである。
ディレードタック型感熱接着剤は、加熱することによって活性化して接着性が生じ且つ冷却後長時間に亘ってそれが持続するものであってグラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能な接着剤であり、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、合成ゴムなどのベース樹脂に粘着付与剤及び固体可塑剤などが配合されたエマルジョン型などが例示される。これら粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
本発明に於いては、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5に(即ち、熱収縮性筒状ラベル3に部分的に)容易に塗工できることから、印刷塗工可能な感熱接着剤を用いることが好ましい。また、該感熱接着剤は、熱収縮性筒状ラベル3の熱収縮温度(通常、80〜100℃)で接着性を発揮するものを用いることが好ましい。
尚、本実施形態では、熱収縮性筒状ラベル3は予め筒状に成形されているものを例示しているが、本発明では、必ずしも予め筒状に成形されたラベル3を用いる場合に限定されず、容器2へ装着した際に筒状に成形される熱収縮性筒状ラベル3を用いることもできる。例えば、熱収縮性の基材として縦一軸延伸フィルムを用い、該基材の主延伸方向が容器2の周方向となるようにして、熱収縮性の基材の一側端を容器2に貼付し、該基材を容器2の周方向に巻き回し、基材の他側端を前記一側端に重ね合わせて貼付することにより、筒状に成形された熱収縮性筒状ラベル3を用いることも可能である。このように容器2に巻付けられた熱収縮性筒状ラベル3は、予め筒状に成形された熱収縮性筒状ラベル3と同様に、加熱により熱収縮装着される。
次に、上記ラベル付き容器1の製造方法について説明する。
少なくとも凹み部対応部分5の外面に防滑処理層7が設けられ、且つ少なくとも凹み部対応部分5の内面に感熱接着剤6が設けられた熱収縮性筒状ラベル3を準備する。通常、該熱収縮性筒状ラベル3は、複数連続的に繋がった長尺状のラベル連続体の態様で提供される。
該ラベル連続体を所定長さに切断し、1個の熱収縮性筒状ラベル3を得た後、該熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が容器2の凹み部形成領域4に適合するように位置合わせしながら、熱収縮性筒状ラベル3を容器2のコーナー部22から肩部24にかけて外嵌する。
尚、予め筒状に成形されていないものを用いる場合には、熱収縮性の基材の主延伸方向を容器2の周方向とし、基材の凹み部対応部分5が容器2の凹み部形成領域4に適合するように位置合わせしながら、基材の一側端を容器2に貼付した後、巻き回し、基材の他側端を前記一側端に重ね合わせて貼付することにより、熱収縮性筒状ラベル3を外嵌する。
外嵌された熱収縮性筒状ラベル3の全体を所定温度(ラベルの熱収縮温度)に加熱する。加熱方法は、従来と同様に、熱風等の吹き付けなどで行うことができる。該加熱によって、熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮すると共に、感熱接着剤6が活性化される。
該熱収縮性筒状ラベル3は、容器2の外形状にほぼ沿って熱収縮すると共に、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5の内面に設けられた感熱接着剤6が容器2の凹み部形成領域4の外面に接着する。
かかる加熱工程を経て、熱収縮性筒状ラベル3が装着されたラベル付き容器1を得ることができる。
尚、ラベル3を加熱する熱量だけでは、感熱接着剤6の活性が不十分な場合には、これと併用して、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5の感熱接着剤6をスポット的に加熱してもよい。
また、熱収縮性筒状ラベル3を単に加熱しただけでは、図1(b)に示すように、該熱収縮性筒状ラベル3は、凹み部形成領域4の周縁に於いて浮き上がる虞がある。このような浮き上がりを防止するため、熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させた後、該ラベルが冷えない(変形可能温度を保っている)間に、熱収縮性筒状ラベル3のうち凹み部形成領域4の周縁対応部分を、容器側に押さえることが好ましい。
かかる型付け工程を行うことで、接着剤を介して、熱収縮性筒状ラベル3を凹み部形成領域4の周縁にも密着させることができる。従って、凹み部形成領域4を反転させて凹み部を形成した際、該凹み部の外面形状に沿って熱収縮性筒状ラベル3の一部分を凹ませることができる。
さらに、上記型付け工程に於いて、熱収縮後の熱収縮性筒状ラベル3(及び/又は感熱接着剤)の温度が低下している場合には、再加熱を行えばよい。
尚、上記製造方法では、予め感熱接着剤6が設けられた熱収縮性筒状ラベル3を用いているが、感熱接着剤6の設けられていない熱収縮性筒状ラベル3を用いることもできる。接着剤が設けられていない熱収縮性筒状ラベル3を用いる場合には、例えば、熱収縮性筒状ラベル3を容器2に外嵌する直前に、容器2の凹み部形成領域4の外面に、接着剤(感熱接着剤、溶剤型接着剤などの各種接着剤)を塗布する接着剤塗布工程を行えばよい。かかる方法であっても、凹み部対応部分5の内面と容器2の凹み部形成領域4の層間に接着剤が介在し、両者を接着させることができる。
また、熱収縮性筒状ラベル3の内面と容器2の外面とが、熱シール可能である場合(例えば、両面が同系の熱可塑性合成樹脂からなる場合等)には、接着剤を用いずに、凹み部対応部分5の内面と容器2の凹み部形成領域4の外面とを、凹み部形成領域4の反転前に、熱シールによって接着させることも可能である。
上記ラベル付き容器1は、一部分を変形させることにより凹み部41が形成され得る凹み部形成領域4を有する容器2と、この容器2に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル3とを備え、熱収縮性筒状ラベル3が、少なくとも容器2の凹み部形成領域4の外面全体又は外面の一部に接着されている。
このラベル付き容器1に於いて、熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5と容器2の凹み部形成領域4が十分に接着した後(例えば、感熱接着剤を用いた場合には、該接着剤が常温程度までに冷えた後)、その熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5を内側へ押圧することにより、図5(b)に示すように、容器の凹み部形成領域4が反転して内側へ凹むと同時に、これに接着された熱収縮性筒状ラベル3の凹み部対応部分5が追従する。
押圧は、例えば、図5(a)に示すように、容器2の両側から出退可能な一組の押込み治具8を用いて機械的に行うことが簡便である。
尚、凹み部形成領域4を変形させる方法は、外側から押圧することが簡便で好ましいが、容器2の内部を減圧してもよい。容器2を減圧することで、他の部分よりも変形し易い凹み部形成領域4は、内側へ吸引され、凹み部41を形成できる。
上記ラベル付き容器1は、容器2に凹み部41と形成すると同時に熱収縮性筒状ラベル3を該凹み部41側へ確実に凹ますことができる。得られたラベル付き容器1は、熱収縮性筒状ラベル3の外面に容器2の凹み部41に対応して凹み形状が現れるので、熱収縮性筒状ラベル3の外面から凹み部41に指を掛けて容易に持つことができる。
(a)は、本発明のラベル付き容器の一実施形態を示す正面図、(b)は、同A−A線水平断面図。 容器の一実施形態を示し、(a)は、その正面図、(b)は、同左側面図、(c)は、同B−B線水平断面図。 (a)〜(c)は、容器の凹み部形成領域の各例を示す水平断面図。 熱収縮性筒状ラベルの一実施形態を示し、(a)は、その斜視図、(b)は、同C−C線水平断面図。 (a)は、ラベル付き容器を押込み治具で押圧する状態を示す参考側面図、(b)は、凹み部形成領域を凹ました状態の同容器を示すD−D線断面図。 従来のラベル付き容器を示し、(a)は、その正面図、(b)は、同E−E線断面図。
符号の説明
1…ラベル付き容器、2…容器、3…熱収縮性筒状ラベル、4…容器の凹み部形成領域、5…凹み部形成領域に対応する熱収縮性筒状ラベルの一部分(凹み部対応部分)、6…接着剤、7…防滑処理層、8…治具

Claims (3)

  1. 一部分を変形させることにより凹み部が形成される凹み部形成領域を有する容器と、容器に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベルと、を備え、熱収縮性筒状ラベルが、少なくとも容器の凹み部形成領域の外面全体又は外面の一部に接着されていることを特徴とするラベル付き容器。
  2. 前記熱収縮性筒状ラベルの外側から凹み部形成領域を押圧することにより、容器の凹み部形成領域が内側へ反転して凹む部が形成されると共に、前記反転に追従して熱収縮性筒状ラベルの一部分が内側に凹む請求項1記載のラベル付き容器。
  3. 容器と、容器に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベルと、を備えるラベル付き容器の製造方法であって、
    押圧により内側へ反転して凹む突出部分を有する容器の、少なくとも該突出部分に熱収縮性筒状ラベルを接着した後、突出部分を押圧して反転させることを特徴とするラベル付き容器の製造方法。
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