JP4865974B2 - ファスナ・クリップ - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の背景)
本発明は、概ねプラスチック・ファスナに関し、より詳細には、プラスチック・ファスナのクリップに関する。
【0002】
プラスチック・ファスナは、当業界で公知であり、2つ以上のものを結合するのに一般に使用されている。例えば、プラスチック・ファスナは、商品に商品タグを取り付けたり、衣料品にボタンを付けたりボタンを付け直したり、靴の甲革を靴型に合わせたりするのに使用されている。
【0003】
プラスチック・ファスナは、一般に、一端部に第1の拡大部を有し、反対側の端部に第2の拡大部を有する、可撓性フィラメントを備えている。1つの一般的なタイプのプラスチック・ファスナでは(例えば、米国特許第5321872号の図1を参照のこと)、第1の拡大部が横棒の形状であり、第2の拡大部がパドルの形状または第2の横棒の形状であり、横棒およびパドル(または第2の横棒)は互いに平行な平面上に延びている。別の一般的なタイプのプラスチック・ファスナでは(例えば、米国特許第3494004号を参照のこと)、第1の拡大部が横棒の形状であり、第2の拡大部がノブまたはポスト・ヘッドの形状である。さらに別の一般的なタイプのプラスチック・ファスナでは(例えば、米国特許第4240183号を参照のこと)、第1の拡大部が横棒の形状またはプラグの形状であり、第2の拡大部が、前記横棒または前記プラグを受けるように構成されたソケットの形状である。
【0004】
前記した種々のタイプのプラスチック・ファスナは、一般に、一体型ファスナ・クリップの一部として成形される。このようなファスナ・クリップの一例が、米国特許第3733657号に開示されている。前記‘657号特許のクリップは複数のファスナを含み、前記ファスナの各々が、一端部に横棒(またはクロス・バー)を有し、反対側の端部にパドルまたは第2の横棒(またはクロス・バー)を有する、可撓性フィラメントを備え、各ファスナの横棒およびパドル(または第2の横棒)が互いに平行な平面上に延びている。ファスナは、各横棒が離間して並列かつ互いに平行な向きになるように、および各パドル(または第2の横棒)が離間して並列かつ互いに平行な向きになるように、互いに対して配置されている。前記‘657号特許のクリップは、各横棒に対して垂直に延び、切断可能なコネクタにより各横棒に接続されるランナ・バーも含む。前記‘657号特許のクリップは、さらに、各対の隣接するパドル(または第2の横棒)を相互接続する、切断可能な部材を含む。
【0005】
プラスチック・ファスナを相互接続する1つまたは複数のランナ・バーを備えたファスナ・クリップの他の例として、米国特許第5622257号、米国特許第4901854号、米国特許第5799375号、米国再発行特許第34891号が挙げられる。
【0006】
ランナ・バーを備えたファスナ・クリップは、ある欠点を持っている。例えば、ファスナ・クリップのランナ・バーは、初めにランナ・バーに取り付けられていたファスナを一旦そこから取り外すと使い物にならなくなる。そのため、使用済みのランナ・バーは、経済面および環境面において一般に望ましくない廃棄物となる。さらに、ファスナをランナ・バーに接続するために先に使用され、ファスナを取り外した後もランナ・バー上に残る、切断されたコネクタの端部が鋭くなっていることが多く、従来のファスナ分配ツールを使用して、ファスナをファスナ・クリップから商品に分配する際に、この端部が商品に引っ掛かったり、商品に損傷を与えたりするおそれがあるため、望ましくない。さらに、ランナ・バーを有するタイプのクリップに成形することのできるファスナの数は、ファスナ・クリップの製造に使用する成形プロセスにより一般に限定されている。
【0007】
少なくとも前記の理由により、いくつかのランナ・バーなしファスナ・クリップ、アセンブリ、またはストックが製造されている。例えば、1977年8月2日付発行の、発明者Boneの米国特許第4039078号では、例えば、切取り、切断、破断、剪断により分離または分割されて、各々が好ましくは略H字形を有する複数のファスナを提供する、ファスナ取付けストックが開示されている。最も好適な形では、ストックは、2つの未分割の細長かつ連続したプラスチック・サイド・メンバを含み、前記サイド・メンバの各々に、および前記サイド・メンバ間に、複数のプラスチック・クロス・リンクが結合され、好ましくは各リンクが互いに等間隔に離間している。
【0008】
米国特許第4039078号に開示されたものに関連するファスナ・ストックが、1984年6月26日付発行の、発明者Russellの米国特許第4456123号に開示されている。米国特許第4456123号のファスナ・ストックが、米国特許第4039078号のものと異なる点は、米国特許第4456123号では、フィラメントが略D字形の断面を有し、平面から延びる面上に抜き勾配を設けることにより型からの取出しを容易にしている点である。また、個々のファスナ間の断面域内のサイド・メンバを減らし、切断可能なコネクタを設けて分離を容易にしている。コネクタは、外周の一部で、隣接するファスナの端棒の端と端とを接合し、好ましくは、前記平面に平坦面を有し、フィラメントと同一側または反対側で前記平面から延びている。コネクタが同一側から延び、接合された端棒が略D字形であることが好ましい。コネクタが反対側から延びている場合、その断面は接合された端棒全体にわたって続き、円形の針の穴を通して供給されるように、より丸みのある横断面を提供することが好ましい。
【0009】
見てわかるように、米国特許第4039078号、第4456123号の各々では、隣接するファスナの拡大部が端と端をつないだ向きに配置される。これに対して、1987年4月28日付発行の、発明者Kato他の米国特許第4660718号では、一端部にヘッドを有し、反対側の端部にクロス・バーを有する、可撓性フィラメントを含むタイプのファスナを備えた、ランナ・バーなしファスナ・アセンブリであって、隣接するファスナの各ヘッドおよびクロス・バーが、平行かつ並列に離間した向きに配置されたアセンブリが開示されている。より詳細には、各ヘッドの2つの側面が、縁部から中央部へ突出または隆起して頂点を設けるように形成され、隣接するヘッド同士が、切取りにより容易に切り離すことができるような方法で、対向する頂点を介して互いに直接接続される。隣接するクロス・バーの側部同士は、クロス・バーの長さのかなりの部分に沿って縦方向に延びるフィルムまたはロッドにより、または隣接するクロス・バーの側部に対して横方向に延びる複数のコネクタ・ポストにより接続される。前記‘718号特許で説明したように、前記フィルム、ロッド、コネクタ・ポストの目的は、隣接するクロス・バー同士が互いに対して移動、すなわち旋回するのを防ぐことである。
【0010】
1987年1月20日付で再発行された、発明者Katoの米国再発行特許第32332号では、一端部にヘッドを有し、反対側の端部にクロス・バーを有する、可撓性フィラメントを含むタイプのファスナを備えた、ランナ・バーなしファスナ・アセンブリであって、隣接するファスナの各ヘッドおよびクロス・バーが、平行かつ並列に離間した向きに配置されるアセンブリが開示されている。より詳細には、各ヘッドの2つの側面が、縁部から中央部へ突出または隆起して頂点を設けるように形成され、隣接するヘッド同士が、切取りにより容易に切り離すことができるような方法で、対向する頂点を介して互いに直接接続される。同様に、各クロス・バーの2つの側面が、中央部で突出するように形成され、隣接するクロス・バー同士が、各突出部を介して直接結合される。別の実施形態では、前記の直接接合されたヘッドの代わりに、前記と同様の方法で直接結合された第2の組のクロス・バーを使用する。前記‘332号特許によれば、前記の方法で、隣接するヘッドを互いに直接結合することおよび隣接するクロス・バーを互いに直接結合することは、コネクタ・ポストを使用することよりも好ましい。これは、コネクタ・ポストが切断される時に、コネクタ・ポストが取り付けられるヘッドおよび/またはクロス・バー上に望ましくないほおひげ状突起を残すと言われているからである。
【0011】
(発明の概要)
本発明の目的は、新規のファスナ・クリップを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、部品数を最少にした、製造および使用が容易な、前記のファスナ・クリップを提供することである。
【0013】
本発明の1つの態様によれば、請求項1によるファスナ・クリップが提供される。
【0014】
【0015】
種々の他の特徴および利点が、以下の記述から明らかになるだろう。記述中において添付図面を参照する。この図面は記述の一部をなし、本発明を実施する特定の実施形態を例示によって示している。本実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように十分詳細に記載されているが、本発明の範囲を逸脱することなく他の実施形態を使用し、構造上の変更を行うことができることを理解すべきである。従って、以下の詳細な説明を限定的な意味で解釈すべきでなく、本発明の範囲は、添付の請求の範囲によって最も良く定義される。
【0016】
本明細書中に組み入れられ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の好適な実施形態を示しており、記述と合わせて本発明の原理を説明するのに役立つ。図中、同一の参照符号は同一の部分を示す。
【0017】
(好適な実施形態の詳細な説明)
図面を参照すると、本発明の教示により構成されたランナ・バーなしファスナ・クリップの第1の実施形態が示されており、前記ランナ・バーなしファスナ・クリップは全体を参照符号11で示される。
【0018】
ファスナ・クリップ11は、好ましくはポリウレタン、ポリプロピレン等のプラスチックから成形された一体型構造である。図示したファスナ・クリップ11は5つの同一のファスナ13を含んでいるが、ファスナ・クリップ11のファスナ13の数は単に例示的なものであって、増減することができることを理解すべきである(実際には、ファスナ・クリップ11は、希望に応じて数百以上のファスナ13を含むことができる)。
【0019】
各ファスナ13は、第1の拡大端17と第2の拡大端19とを有する、薄く細長の可撓性フィラメント15を備えている。本実施形態では、フィラメント15が略円筒形であり、拡大端17が略円筒形の横棒、拡大端19が略円筒形の横棒であることにより、ファスナ13が概ねH字形の構成となっている。
【0020】
本実施形態で図示したフィラメント15、拡大端17、拡大端19の各々は概ね円筒形であるが、フィラメント15、および拡大端17、19を概ね円筒形にする必要はない。例えば、拡大端17、19は、卵形や矩形等の、いくつかの異なる横断面形状のうちのいずれかを有する横棒であってもよい。さらに、拡大端17、19は、係属中の米国特許出願第09/151650号の、クロス・バー55、57の形状、または、本出願人に譲渡された米国特許第5622257号の足部15−1、15−2の形状のような、不均一形状を有する横棒であってもよい。さらに、以下に述べるように、拡大端17、19の片方または両方を横棒の形状とする必要はない。
【0021】
ファスナ13は、各拡大端17を並列な向きに配置し、各拡大端19を並列な向きに配置した状態で、互いに略平行に離間して配置されている。隣接する拡大端17の各対は、互いに対向する側の略中間点で、切断可能なコネクタ・ポスト21−1により接合され、隣接する拡大端19の各対は、互いに対向する側の略中間点で、切断可能なコネクタ・ポスト21−2により接合され、コネクタ・ポスト21−1、21−2は拡大端17、19に対して各々横方向に延びている。
【0022】
コネクタ・ポスト21は、クリップ11から個々のファスナ13を分配する前に、クリップ11の隣接するファスナ13間の接続を維持するのに十分な強度を持ち、しかもファスナ分配ツールの従来の切断動作により切断されるだけの弱さも持っている。同時に、ポスト21はある程度の可撓性を有し、従って、端17、19に対してポスト21を配置することにより、クリップ11の隣接するファスナ13同士を互いに対して旋回させることができる。この旋回の自由は、米国仮特許出願第60/122557号で開示されているような、カーブした供給トラックを有するファスナ分配ツールから、クリップ11を分配する場合に非常に有用である。
【0023】
図示したコネクタ・ポスト21の横断面は概ね円形であるが、コネクタ・ポスト21の横断面を卵形または矩形横断面等の別の形状とすることができることを理解すべきである。また、コネクタ・ポスト21の横断面は円錐形またはテーパ状であってもよい。実際には、米国仮特許出願第60/122557号で開示されているようなファスナ分配ツールから、ファスナ・クリップ11を分配する場合に、コネクタ・ポスト21が、分配されようとしているファスナから隣接するファスナへ向かって直径が減少する、円錐形またはテーパ状の横断面を有することが非常に望ましい。これにより、分配されようとしているファスナと、そのファスナに前に取り付けられていたファスナとを、前に接続していた切断済みコネクタ・ポスト21が、分配されようとしているファスナの上に残ることはほとんどなくなる。このようにして、ツールにより分配されようとしているファスナを、前記ツールの供給ガイドの台と略同一平面上に位置させることができる。
【0024】
【0025】
ファスナ・クリップ11のファスナ13は、種々の適用例で使用することができる。例えば、ファスナ13を使用して、ドレス・シャツ等の衣料品を折り畳んだ状態に保持する場合、ファスナ13は米国特許出願第09/151650号に明記された寸法および引っ張り強さを有することが好ましい。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の教示により構成された、ファスナのランナ・バーなしクリップの第1の実施形態の上面斜視図である。
【図2】 図1に示すファスナのランナ・バーなしクリップの上面図である。
【図3】 図2に示すファスナのランナ・バーなしクリップの、線3−3沿いに取った正面図である。

Claims (6)

  1. 互いに平行に離隔した状態に配列された複数のファスナ(13)を有したファスナ・クリップ(11)にして、
    各ファスナ(13)が、可撓性のフィラメント(15)と、該フィラメントの第1端にあって、該フィラメントの横方向に延在している第1の横棒(17)と、該フィラメントの第2端にあって、該フィラメントの横方向に前記第1の横棒(17)とほぼ平行に延在している第2の横棒(19)とを有していて、
    前記第1の横棒(17)と前記第2の横棒(19)が前記可撓性のフィラメント(15)と比較してわずかに大きく、ほぼ柱状であり、
    前記ファスナ・クリップ(11)がその長手方向軸線に関して左右対称であり、
    前記ファスナ・クリップ(11)が、隣接するファスナ(13)の前記第1の横棒(17)どうしを第1の横棒のほぼ中間点でのみ相互接続する、前記第1の横棒(17)よりも細く切断可能な第1のコネクタ・ポスト(21−1)を有しているファスナ・クリップにおいて、
    前記ファスナ・クリップ(11)が、隣接するファスナ(13)の前記第2の横棒(19)どうしを第2の横棒のほぼ中間点でのみ相互接続する、前記第2の横棒(19)よりも細く切断可能な第2のコネクタ・ポスト(21−2)をさらに有していて、
    前記ファスナ・クリップ(11)がプラスチック材料から成型されていて、
    前記各ファスナ(13)の前記第1及び第2の横棒(17、19)が前記フィラメント(15)と直角に配置されていることを特徴とする、ファスナ・クリップ。
  2. 前記第1のコネクタ・ポスト(21−1)が断面においてほぼ円形である、請求項1に記載のファスナ・クリップ。
  3. 前記各ファスナ(13)の前記第1及び第2の横棒(17、19)が断面においてほぼ円形である、請求項1に記載のファスナ・クリップ。
  4. 前記第2のコネクタ・ポスト(21−2)が隣接するファスナ(13)の前記第1の横棒(17)と直角に配置されている、請求項1に記載のファスナ・クリップ。
  5. 前記第2のコネクタ・ポスト(21−2)が断面においてほぼ円形である、請求項1に記載のファスナ・クリップ。
  6. 前記第2のコネクタ・ポスト(21−2)が隣接するファスナ(13)の前記第2の横棒(19)と直角に配置されている、請求項1に記載のファスナ・クリップ。
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