JP4865709B2 - 結腸直腸細胞試料採取装置並びにこの装置を備えたキット - Google Patents

結腸直腸細胞試料採取装置並びにこの装置を備えたキット Download PDF

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Description

本発明は、被検者の結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞の試料を収集するための装置と、この装置を備えているキットとに関する。
突発性結腸直腸癌(CRC)は、西側先進国における人々に影響する最も頻繁に発生し且つ命にかかわる腫瘍学的病気のうちの1つである。この癌は、主として、50歳以上の人々に影響する。
CRCの早期診断に対する重大な障害は、たいていの場合、早期の容易に確認可能な臨床兆候の欠如である。病気が容易に診断されることは、大きい腫瘍が形成され、その結果、痛み、出血および閉塞の症状が生じたときの病気の進行段階においてのみである。しかしながら、病気の遅い段階もまた、浸潤または転移腫瘍と関連される。かくして、病気の進行段階前の結腸直腸腫瘍の検出は、好首尾な外科手術の介入および全体的な生存率の可能性を大いに高める。
早期の容易に確認可能な臨床兆候の欠如では、適当なCRC選別方法のための研究が10年間続いた。運悪く、現在のところ、低い侵襲性、簡単性および低コストと、高い感度および特異性とを組み合わせるCRC選別技術が無い。CRCのための2つの選別方法は、可撓性結腸鏡検査法/S状直腸鏡検査法および微量便血液試験(FOBT)[レネート、G.リーセントリザルトキャンサーRes.2003;163;248-253、アトキン、W.スカンド.J.胃腸病学(Suppl.)2003;237;13-16、ワルシュ、J.M.およびターディマン、J.P.JAMA2003;289;1288-1296]である。しかしながら、これらの方法の両方とも顕著な欠点を有している。
可撓性結腸鏡検査法/S状直腸鏡検査法は、精密で信頼性できる診断手順とみなされているが、その侵襲性と、コストと、この手順を行なうのに熟練して経験のある専門家の必要性とにより、日常的な選別におけるこの方法の使用を非実用的にしている。最近導入されたコンピュータ断層X線写真結腸鏡検査法(仮想結腸鏡検査法)についても同じことが言える。
FOBTは、安価であって、簡単であるが、擬似陰性および擬似陽性の結果の両方の容認不可能に高い率を生じる。これらの制限にもかかわらず、FOBTは、現在のところ、えり抜きの選別方法である。
腫瘍の存在の直接指標に基づいてCRCを診断する別の方法が研究されてきた。確認された1つの指標は、剥脱結腸細胞の分析である。結腸細胞の剥脱(すなわち、結腸粘膜の整然と組織化された上皮層からの細胞の自発性離脱)は、人間の内臓における重要な細胞再生機構である[イーストウッド、G.L.胃腸病学1977;41;122-125]。結腸または直腸洗浄から(すなわち、結腸直腸粘膜の洗浄により)得られる結腸細胞の細胞学的分析が、ほぼ50年前に行なわれた[ベーダー、G.M.およびパパニコロウ、G.N.キャンサー1952;5;307−14]。この研究の結果、CRC患者に剥脱された新生細胞が検出されることができた。しかしながら、これらの試料を得る方法(侵襲的結腸洗浄手順)は、S状直腸鏡検査法/結腸鏡検査法と同じ欠点があり、一旦得られた試料の詳細な細胞学的分析を必要としていた。
剥脱された上皮細胞の試料を得る普及している方法は、これらの試料を人間の便から分離するように行なわれた。結腸上皮の剥脱細胞が他の便物質とともに排泄されることができるので、人間の便は、このような細胞の源として確認された。
診断および研究の目的で人間の便から分離された結腸細胞を使用する初めの試みは、P.P.ネアおよび彼の同僚により約15年前に始められた。彼らは、密度勾配遠心分離に基づいた分離手順を使用して数グラムの分散された弁物質から数千の「生存できる」剥脱細胞を回収することができると請求した[アイエンガー、V.等、FASEB J 1991;5;2856-2859、アルバウフ、G.P.等、Int.J.キャンサー1992;52;347-350]。しかしながら、これらの熱望的な請求は、便に見られるもののような積極的な嫌気性環境における良好に保存された結腸細胞の存在の低い可能性に起因して実質的な疑いを生じた。更に、それらの1991引例に示されている形態学的証拠は疑わしかった。P.P.ネアおよび彼のグループのメンバーは、彼等の方法[ネア、P.等、J.臨床胃腸病学、2003;36(5Suppl.)S84-S93]の有効性を保持するが、彼らの研究の成果に基づいたいずれの実用的な進歩も生じなかった。
しかしながら、P.P.ネアおよび彼の同僚による実用的な進歩の欠如にもかかわらず、診断および研究の目的の人間の便の使用は、いずれの侵襲的な介入と関連されないので、積極的な研究分野に留まっている。多数のグループが、悪性の分子バイオマーカーを用いる診断手順を開発するために、人間の便試料から結腸細胞誘導総称物質(DNA)を分離する試みを企てた。均一化便から直接分離されたDNAを増幅し、そして癌関連の総称交代の存在について分析することができるが、癌のための非常に信頼できる単一の分子バイオマーカーの欠如の結果、比較的高い頻度で悪性細胞に存在するものと知られている多くの総称交代に反映する多数の分子マーカーを使用することになった。微小付随マーカー分析と組み合わされたAPC、K-rasおよびp53遺伝子における多数の突然変異の同時検出を提案している幾つかの方法が述べられていた[アールクウィスト、D.A.等、胃腸病学2000;119;1219-1227、ドング、S.M.等、J.Natl.キャンサーInst.2001;93;858-865、レングッシ、C.等、臨床キャンサーRes.2001;93;858-865、トラバーソ、G.等、N.Engle.J.Med.2002;346;311-320]。
また、便DNAのメチル化変化は、潜在的な診断マーカーとして考えられていた[ムラー、H.M.等、ランセット2004;363;1283-1285]。多目標分子分析による結腸直腸腫瘍の検出は、実行可能であると思われるが、選別目的のこれらの方法の有効性は、伴われる研究室手順の高いコストおよび比較的な複雑さに起因して疑わしいままである。
均一化便試料から抽出されたDNAにおけるCRC分子マーカーについての研究は、剥脱結腸直腸細胞の初期の収集/分離の重要性を見劣りさせた。しかしながら、均一化便が人間のDNAの抽出のための異なる物質であるとことは明らかである。特に、便における多数の細菌は、結腸直腸細胞DNA回収手順を妨げてしまい、そして人間の結腸の嫌気性細菌類の存在下で哺乳動物DNAの損傷および分解が起こる。
剥脱結腸直腸細胞の分離に基づいた方法の開発は、部分的に正常の生理学的状態および病気の両方における内臓の細胞剥脱についての知識の驚くべき欠如に起因してゆっくりであった。結腸直腸細胞の剥脱についての現在の観点は、まだ、結腸小胞から内腔上皮へのほとんどすべての分化された結腸直腸細胞の移動時にこれらの結腸直腸細胞の「強制的な」剥脱を伴う古い且つ立証されていない仮説により影響されている(すなわち、結腸上皮の増殖率が高く、結局、すべての細胞が剥脱されるので、便物質に数100万の結腸直腸細胞が存在すべきであると推定される)。しかしながら、プログラミングされたその場の細胞の死または分離下垂が、少なくとも剥脱と同じくらい重要であることが明らかになってきている[ホール、P.A.等、J.CellSci.1994;107;3569−3577、バークラ、D.H.およびギブソン、P.R.病理学1999;31;230-238、アールクウィスト、D.A.等、Hum.Pathol.2000;31;51-57]。結腸粘膜からの細胞除去のこれらの2つの主な機構の間の関係は、結腸直腸腫瘍形成の顕著な変化を受けることがある[アールクウィスト、D.A.等(上記)]。実際、細胞を分離下垂に導く普通の調整経路が悪性腫瘍において厳しく調整解除され、 [べディ、A.等、キャンサーRes.1995;55;1811-1816、ラカッセ、E.C.等、癌遺伝子1998;17;3247-3259、ジャス、J.R.胃腸病学2002;123;862-876、オレン、M.CellDeathDiffer、2003;10;431-442、ボーデフルド、W.M.二世等、Ann.Surg.Oncol.2003;10;839-851]、その結果、癌細胞の分離下垂の可能性が大きく減少されることが、現在、証明されている。同時に、腫瘍細胞の付着は、癌が進行するにつれて劇的に減少することが知られている[ヤマモト、H.等、キャンサーRes.1996;56;3605-3609、ハイアー、J.およびニコルソン、G.L.ColonRectum2001;44;876-884、リーマン、M.F.等、J.Pathol.2003;201;528-534]。この後者の現象は、転移広がりにとっては重要であるが、結腸直腸腫瘍形成においては、分離下垂および細胞間付着/伝染
の減少の組合せにより、成長している腫瘍の表面からの悪性細胞の分離の可能性を大いに高めている。これが事実であれば、いくらかが恐らく増殖可能性を保持することができる剥脱腫瘍細胞は、i)腫瘍表面からの容易化剥脱により十分であり、ii)特に酸素の欠如に対する高い耐性により非常に大きい「生存」容量を有すると言う点で、それらの正常な(非腫瘍の)剥脱同等物と異なるはずである[グレーバー、T.G.等、ネーチュア1996;379;88-91]。剥脱時、これらの細胞は、比較的十分に酸素添加された「粘膜細胞層」に入り、内臓の便内容物から結腸粘膜を分離し、そして便の流れと共に遠位方向に永久的に移動する[アールクウィスト、D.A.等(上記)]。
結腸直腸の粘膜と内臓の便内容物との間の界面をなす粘膜細胞層の重要性は、最近まで理解されていなかった。実験的研究は、良好な品質のDNAを便の表面から容易に得、更なる増幅および遺伝子突然変異分析に使用することができることを示した[ロクチノブ、A.およびオネイル、I.K.Int.J.Oncol.1995;6;437-445]。これらの早期の実験は、人間の便表面(便表面は、便と共に排泄された粘膜細胞層の一部とみなされることができる)から分離された結腸細胞から抽出されたDNAを分子分析に使用することができることを示唆した。冷却された便の表面から細胞を洗い去り、そしてこれらの細胞を免疫磁気学的分離手順により収集することによって人間の全体の便試料から剥脱細胞を分離する方法が開発された[ロクチノブ、A.等、キャンサーRes.1998;4;337-342]。この方向の研究は、初めは、CRCのための分子診断分析を開発することに関して計画されたが、CRC患者における相対DNA量が健康な個人と比較して非常に高いので、人間の便表面からの結腸細胞誘導DNAの簡単な定量分析をCRC診断および選別に使用することができることがわかった。また、他の著者が、CRC患者から得られた分散された或は均一化された便試料中のいずれかの剥脱細胞の高い量を報告したが、健康な人とこれらの研究で観察された癌患者との間の差は、診断的に有効と考えられるほどに十分に大きくはなかった。それに反して、ロクチノブ等(上記)は、便表面から分離された細胞から抽出されたDNAの量を便重量に関係付ける算出インデックス(弁DNAインデックスまたはSDNAI)を用いて、CRC患者と健康な個人との間に際立った差の存在を示すことができた。
SDNAIに基づいた診断方法は、米国特許第6,187,546号に記載されている。この技術およびその初期の試験の結果は、明らかに、CRC選別の非常に効率的、簡単および安価な方法を強調しているが、商業化および臨床実施への本格的な導入を妨げる多くの実質的な欠点(全便の取り扱いの明白な困難さ、特に、手順標準化の不可能)を有していた。また、この技術を使用して、人間の便から比較的少ない数の良好に保存された細胞を得ることができることが明らかになった[バンダレトバ等、APMIS2002;110;239-246]。標準化の困難さが厳しい1つであるこれらの問題は、広い規模のCRC選別のために便試料から分離された剥脱結腸細胞を使用することに関して深刻な疑いを生じる。
人間の直腸粘膜を覆う粘膜細胞層が良好に保存された剥脱結腸細胞に特に豊富であることを示すかなり多数の証拠がある。また、CRC患者におけるこの層の細胞含有量は、主に非常に抵抗力のある悪性結腸細胞の非常に増大した存在により、健康な個人におけるようも非常に高いと思われる。従って、CRC患者では、自律的存在に非常に良好に適合される腫瘍細胞が、直腸剥脱細胞貯留を定量的に支配する。除去された結腸直腸腫瘍からの存続する剥脱細胞の遠位(例えば、肛門)移植を述べている幾つかの最近のレポート[ジェナー、D.C.等、Dis.ColonRectum1998;41;1432-1434、ウインド、P.等、Dis.ColonRectum1998;41;1432-1434、アイスビスター、W.H.Dig.Surg.2000;17;81-83、ハイマン、N.およびキダ、M. Dis.ColonRectum2003;46;835-836、アッバサクーア、F.等、Ann.R.Coll.Surg.Engl.2004;86;38-39]は、この仮説を強く裏付けている。
直腸粘膜への直接接近は、検査者のグローブを嵌めた指による日常的なデジタル直腸検査により可能である。しかしながら、この簡単な処置を用いることにより直腸粘膜細胞層との接触を達成することができるが、直腸から指の取り出し中、肛門管の関係のない偏平上皮による物質の顕著な損失および同時汚染が避けられない。直腸検査に使用されるグローブから生じられる粘性物が、偏平上皮の細胞による高いレベルの汚染と相俟って、よく保存された結腸細胞を示した。
かくして、直腸からの細胞収集表面の取出し段階における他の組織要素による物質の損失および深刻な汚染の問題なしに直腸粘膜の表面から剥脱上皮細胞の直接収集のための大きな必要性がある。このような細胞は、細胞およびDNAの定量分析に使用されるだけではなく、追加の癌バイオマーカー(例えば、蛋白質)の存在について調査され、最終的に免疫組織化学的および細胞学的に分析されることができる。
本発明の第1の態様によれば、挿入遠位端部、近位端部および内部空洞を有する結腸直腸挿入部材と、
細胞試料採取用の面を形成する外面および内面を有している可撓性の膜とを具備しており、この膜は、前記挿入部材の挿入遠位端部に密封的に取付けられており、前記挿入部材の内部空洞内に保持されているときには、内側に前記細胞試料採取用の面がある受け部を形成し、この受け部は、前記挿入部材の挿入遠位端部で開口しており
更に、前記結腸直腸挿入部材の内部空洞内に位置された密封された空洞を形成するように、前記挿入遠位端部に装着される密封手段を具備し、この密封手段と前記細胞試料採取用の面とで、前記内部空洞を規定している、結腸直腸細胞試料採取装置が提供される。
この装置は、物質の損失がなく、試料が他の表面(例えば、偏平上皮)からの細胞により汚染されないように、挿入時および引出し時の両方で、可撓性の膜を挿入部材内に保持することによりデジタル試料採取での難点を解消する。
粘膜表面を直接試料採取することにより、この装置は、作業の不愉快な性質、得られることができる細胞の低い濃度、便物質(特に細菌)による高いレベルの汚染および特に、このような問題、例えば、便の大きさおよび硬さの大きな可変性に関連された方法標準化難点を含めて、全便試料採取と関連された難点を解消する。
この装置は、これが侵襲的であるが、結腸鏡検査法/S状直腸鏡検査法に現在使用されている装置よりもはるかに侵襲的ではなく、熟練し且つ非常に訓練されたオペレータによる操作を必要としない。この装置は、自己管理されてもよい。低下レベルの侵襲性および複雑化の恐れの欠如の結果、おそらく、患者の受け入れがより大きくなるであろう。これらの利点により、より多くの試料採取がより低いコストで行なわれることができるであろう。
本発明の好適な実施の形態では、可撓性の膜は拡張可能であり、そして弾性材料から構成されている。より好ましくは、可撓性の膜は、ニトリル、ラテックスまたはゴム系物質から構成されている。
本発明の好適な実施の形態では、挿入部材の閉鎖可能な内部空洞は、閉鎖されている。
本発明の好適な実施の形態では、細胞試料採取装置は、更に、内部空洞を加圧するための手段を備えており、前記手段は、挿入部材の近位端部に取付けられている。好ましくは、内部空洞を加圧するための前記手段は、挿入部材の近位端部に存在する弁(例えば、自己密封式弁)を介して細胞試料採取装置に取付けられている。
内部空洞を加圧するための手段が、流体(例えば、液体またはガス)を可撓性製膜に付与するのに適した任意に手段よりなってもよいことはわかるであろう。好ましくは、内部空洞を加圧するための手段は、圧縮空気源、注射器またはポンプ(例えば、バルブ)よりなる。
好ましくは、内部空洞を加圧するための手段は、所定量の第1の上昇圧力および第2の減少圧力を細胞試料採取装置へ送出すことが可能な機械的装置を備えている圧縮空気源よりなる。この実施の形態は、挿入部材の内側の圧力を正確に調整する利点を有しており、機械的装置は、不定の数の使い捨て可能な結腸直腸細胞試料採取装置について再使用される利点を有している。
より好ましくは、内部空洞を加圧する手段は、注射器よりなる。注射器の使用により、作動が簡単になり、且つ固定量の空気が可撓性の膜に圧送され得る(好ましくは可撓性の膜に存在する空気の量が10倍増大する)。例えば、100mlの注射器が挿入部材の近位端部に取付けられている本発明の実施の形態では、前記注射器のプランジャが、初めに70ないし90mlのマークに設定されることができる。従って、70ないし90mlの空気量で可撓性の膜を満たす最大程度(例えば、0mlマーク)までプランジャを押すことによって、第1の上昇圧力の所定量が加えることができる。次いで、膜を挿入部材の内部空洞に引き入れる最大程度(例えば、100mlマーク)まで注射器を引き戻すことによって、第2の減少圧力の所定量を加えることができる。本発明の好適な実施の形態では、使用中の各段階で注射器のプランジャ位置(例えば、挿入前の1つの位置、挿入中の1つの位置および引出し後の1つの位置)をマークするために、注射器には、1つまたはそれ以上の保持特徴(例えば、スナップ位置)が与えられる。注射器である内部空洞を加圧する手段の利点は、結腸直腸細胞試料採取装置が一般に利用できる使い捨て可能な実験室および病院の設備に取付けるようにし得ると言う点である。
本発明の好適な実施の形態では、前記可撓性の膜の細胞試料採取外面の表面積は、再生可能に制御可能である。これにより、固定表面積が、試料採取される結腸直腸粘膜表面と接触され、それにより結腸直腸粘膜の表面に存在する量と相互関連される剥脱細胞の定量化可能な収集を行なうことができる。好ましくは、表面積は、内部空洞を加圧する手段により制御される。これにより、固定表面積が、試料採取される粘膜表面と接触されることができる。
本発明の好適な実施の形態では、挿入部材は、直腸アクセス管と係合するようになっている。この実施の形態は、直腸アクセス管およびオリーブ形状の栓子のような栓子(連合された直腸アクセス管および栓子が直腸鏡として一般に知られている)を挿入して、まず直腸空洞を開き、その後、本発明の試料採取装置の挿入前に栓子を引出すことができると言う利点を有している。そして、試料採取装置は、試料を得るのにどれだけの時間が必要とされても、直腸アクセス管と共に適所の保持されたままであることができる。次いで、試料採取装置が取出され、栓子および直腸アクセス管が共に引出されたら、栓子が戻される。
本発明の好適な実施の形態では、挿入部材は、自己挿入を許容するように構成されている、このような実施の形態では、挿入部材は、直腸アクセス管と共に挿入され、従って、栓子の必要を無くしている(例えば、挿入部材は丸い挿入遠位端部を有している)。この実施の形態は、本発明の試料採取装置が自己管理式であってもよく、例えば、患者が、その直腸粘膜から剥脱細胞を容易に試料採取することができると言う利点を有している。この実施の形態では、挿入部材および直腸アクセス管が、共に挿入されたり取出されたりされ、取出されたときにのみ分離されることが予想される。
本発明の好適な実施の形態では、可撓性の膜は、前記挿入部材の内部空洞内に保持されると、流体を添加し得るように受け部を形成する。本発明のこの実施の形態によれば、試料を別体の受け部に移送する必要なしに、それにより試料から物質の幾らかを失うことなしに試料が得られた後に、試薬を試料採取装置に添加することができる。
本発明の好適な実施の形態では、挿入部材の内部空洞には、付着手段が設けられている。本発明のこの実施の形態は、試料が得られ、そして第2の減少圧力の付加により可撓性の膜を挿入部材の内部空洞に引き入れたら、可撓性の膜を挿入部材の内部空洞の壁部に向けて引きつける効果を有している。この特徴は、液体で満たされると、安定な受け部をもたらすと言う利点を有している。
本発明の好適な実施の形態では、挿入部材は、前記受け部を密封するために密封手段と係合するようになっている。これにより、試料を収容している試料採取装置は、試料について更なる分析が行なわれる前に保存さらたり、輸送されたりすることができる。好ましくは、密封手段はねじ付きキャップである。ねじ付きキャップは、試料の損失を防ぐために受け部を密封する利点を有しており、また、更なる分析のために取出しを許容する。
細胞試料採取装置が内部空洞を加圧する手段を備えている実施の形態では、前記手段は、好ましくは、挿入部材から取外し可能である。これは、次の選別反応のために多くの他のコンパクトな分析バイアルで従来から輸送されたり保存されたりし得るコンパクトな分析バイアルの中へ移し変えると言う利点を有している。
本発明の第2の態様では、ここに記載のような結腸直腸細胞試料採取装置と、直腸アクセス管と、任意に栓子とを備えている、被検者の結腸直腸粘膜表面から試料を収集するためのキットが提供される。
直腸アクセス管の使用によれば、試料採取装置のより快適な挿入を行なうことができ、そして試料採取装置と、試料採取されるべき粘膜表面以外のいずれかの表面との接触を防ぐ。直腸アクセス管に加えて栓子の使用によれば、直腸アクセス管を挿入する不快感を減らすことができる。
本発明の好適な実施の形態では、キットは、更に、潤滑ゼリー(例えば、K-Yゼリー)のような潤滑剤を備えてもよい。これは、本発明の栓子または細胞試料採取装置の挿入中、より大きい快適感を与えると言う利点を有している。
本発明の好適な実施の形態では、栓子は、連合された栓子および直腸アクセス管を直腸空洞に挿入した後に直腸アクセス管から離脱される。
本発明の好適な実施の形態では、キットは、更に、挿入部材と係合するためのねじ付きキャップのような密封手段を備えている。
本発明の好適な実施の形態では、キットは、更に、緩衝液のような1つまたはそれ以上の試薬を備えている。緩衝液の使用によれば、更なる分析の前に試料を調製することができる。
本発明の好適な実施の形態では、緩衝液は、(例えば、ブリスターパケットとしての)ねじ付きキャップに存在していて、キャップを挿入部材に取着することにより、(例えば、ブリスターパケットを突き刺すことにより)緩衝液を受け部の中へ放出して更なる分析の前に可撓性の膜の試料採取表面に存在する細胞を懸濁するようにしてもよい。
本発明の好適な実施の形態では、緩衝液は、細胞溶解緩衝液であり、これは、DNA抽出前に重要な工程を与える利点を有している。本発明の別の好適な実施の形態では、緩衝液は細胞保存媒体であり、これは、得られた細胞試料についての向上された細胞学的、生物化学的および免疫組織化学的な分析を許容すると言う利点を有している。好ましくは、細胞保存媒体は、1つまたはそれ以上の細胞培養成分(例えば、栄養素および抗生物質)で補われている。
更に、前述の装置またはキットのうちのいずれも、人間の結腸直腸粘膜の表面から剥脱上皮細胞(例えば、結腸細胞)を試料採取するのに適していることは、当業者にはわかるであろう。
本発明の参考例によれば、被検者の結腸直腸粘膜表面から、他の身体表面に接触することにより試料を汚染することなしに、剥脱細胞を定量的に試料採取する方法であって、
いずれの他の身体表面と先に接触することなしに、隔離された細胞試料採取表面を備えている試料採取装置を試料採取されるべき結腸直腸粘膜表面と近接させる工程と、
粘膜表面から試料が得られるように、細胞試料採取表面を結腸直腸粘膜表面と接触させる工程と、
隔離された細胞試料採取表面または試料がいずれの他の身体表面と接触することなしに試料採取装置および試料を粘膜表面との近接から取出す工程と、
を備えている剥脱細胞を定量的に試料採取する方法が提供される。
この方法は、粘膜表面から剥脱細胞を直接に試料採取する重要な工程を包含しており、そして、この方法によれば、試料は、細胞試料採取膜が他の身体表面と接触することにより汚染されない。汚染は、試料採取表面を封鎖することにより回避され、封鎖とは、試料採取表面を結腸直腸粘膜表面と接触させる前、または結腸直腸粘膜表面から細胞を収集した後に試料採取表面を隔離するか、或は引き離すことと定義されてもよい。
本発明の更なる参考例によれば、被検者の結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞を試料採取する方法であって、
本発明による結腸直腸細胞試料採取装置を直腸空洞に挿入し、前記装置を結腸直腸粘膜表面に、可撓性の膜の細胞試料採取外面がいずれの他の身体表面とも先に接触することなしに、近接させる工程と、
可撓性の膜が試料採取装置の挿入遠位端部から出るように、少なくとも第1の上昇圧力まで内部空洞を加圧する工程と、
結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞の試料が得られるように、結腸直腸粘膜表面を前記膜の細胞試料採取外面と接触させる工程と、
可撓性の膜が内転し、そして前記膜の細胞試料採取表面に存在する試料が細胞試料採取装置の内部空洞に戻るように、内部空洞に第2の減少圧力を加える工程と、
細胞試料採取装置を結腸直腸粘膜表面との近接から取出し、そして前記膜または試料がいずれの他の身体表面とも接触することなしに前記装置を直腸空洞から引出す工程と、を備えている被検者の結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞を試料採取する方法が提供される。
細胞試料採取装置が、単独で或は栓子と共に直腸アクセス管を更に必要としてもよいことはわかるであろう。
かくして、本発明の参考例では、この方法は、更に、
本発明による連合された結腸直腸細胞試料採取装置および直腸アクセス管を直腸空洞に挿入する工程と、
前記試料採取装置および試料を直腸アクセス管から取出す工程と
を備えている。
本発明の好適な実施の形態によれば、この方法は、更に、
連合された直腸アクセス管および栓子を直腸空洞に挿入する工程と、
試料採取装置を挿入する前に栓子を直腸空洞から引出す工程と、
前記試料採取装置および試料を取出す工程と、
直腸アクセス管を経て栓子を戻す工程と、
連合された直腸アクセス管および栓子を直腸空洞から引出す工程と、
を備えている。
本発明の更なる参考例によれば、被検者の結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞を試料採取する方法であって、
直腸アクセス管および栓子を肛門管を経て直腸空洞に挿入する工程と、
栓子を直腸空洞から引出す工程と、
本発明による結腸直腸細胞試料採取装置を、この試料採取装置の可撓性の膜がいずれの他の身体表面と接触することなしに、直腸アクセス管を経て直腸空洞の挿入する工程と、
可撓性の膜が試料採取装置の挿入遠位端部から出るように、少なくとも第1の上昇圧力まで内部空洞を加圧する工程と、
結腸直腸粘膜表面を前記膜の細胞試料採取外面と接触させる工程と、
結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞の試料を得る工程と、
可撓性の膜が内転し、そして前記膜の細胞試料採取表面に存在する試料が細胞試料採取装置の内部空洞に戻るように、内部空洞に第2の減少圧力を加える工程と、
試料採取装置の可撓性の膜がいずれの他の身体表面とも接触することなしに前記試料採取装置を直腸アクセス管を経て直腸空洞から引出す工程と、
直腸アクセス管を経て栓子を戻す工程と、
直腸アクセス管および栓子を肛門管を経て直腸から引出す工程と、
を備えている被検者の結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞を試料採取する方法が提供される。
直腸アクセス管が直腸空洞に挿入されたままである間に、本発明の更なる細胞試料採取装置が直腸空洞に導入されてもよいことはわかるであろう、例えば、いずれもの試料採取された細胞のDNA抽出および分析(例えば、定量)を行なうために細胞溶解緩衝液を備えている第1の細胞試料採取装置が導入されてもよい。その後、いずれもの試料採取された細胞の細胞学的、生物化学的および免疫組織化学的分析を行なうために細胞保存媒体を備えている第2の細胞試料採取装置が導入されてもよい。
本発明の別の態様によれば、被検者の直腸空洞内に位置している粘膜表面から試料を収集する試料採取装置であって、
挿入遠位端部に開放空洞を有し、且つ近位端部に閉鎖可能な内部空洞を有しているほぼ円筒形のボディと、
ほぼ円筒形のボディ内に保持されていて、開放遠位空洞を閉鎖可能な近位空洞から分離するシールを形成する可撓性の膜と(この膜の2つの表面は近位表面および遠位表面である)、
膨らましおよび萎ませ手段とを備えており、
膨らまし手段が、膜の遠位表面が試料採取されるべき粘膜表面に接触するまで、膜をほぼ円筒形のボディの挿入遠位端部から外転させるために、閉鎖時に閉鎖可能な近位空洞の内部流体圧力を上昇させることができ、
萎ませ手段が、膜の遠位表面が試料採取されるべき粘膜表面に接触した後、膜がほぼ円筒形のボディ内に保持されるように、膜を内転させるために閉鎖された近位空洞の流体圧力を減少させてことができる、
粘膜表面から試料を収集する試料採取装置が提供される。
本発明の好適な実施の形態では、膨らまし手段は弁である。本発明のこの実施の形態は、閉鎖可能な近位空洞における内部圧力が空洞の外側の圧力より大きい弾性膜を備えて使用するのに特に適している。
本発明の好適な実施の形態では、萎ませ手段は、弁の連結された注射器よりなる。
本発明の更なる参考例では、被検者の直腸空洞内に位置する粘膜表面から剥脱細胞を試料採取する方法であって、
本発明による試料採取装置を粘膜表面に、試料採取膜がいずれの他の身体表面と先に接触することなしに、近接させる工程と、
可撓性の膜が試料採取装置の挿入遠位端部から外転するように、閉鎖された近位空洞の内部圧力を上昇させる工程と、
剥脱細胞の試料が粘膜表面から得られるように粘膜表面を膜の遠位表面と接触させる工程と、
可撓性の膜が内転し、そして可撓性の膜および試料が開放遠位空洞内に保持されるように、閉鎖近位空洞の内部圧力を減少させる工程と、
膜がまたは試料がいずれの他の身体表面とも接触することなしに装置および資料を粘膜表面との近接から引出す工程と、
を備えている粘膜表面から剥脱細胞を試料採取する方法が提供される。
本発明の好適な実施の形態では、この方法は、
圧縮空気源を弁に取付け、そして弁を開けることにより閉鎖近位空洞の内部圧力を上昇させる工程と、
注射器を弁に取付け、そしてプランジャを挿入することにより閉鎖近位空洞の内部圧力を上昇させる工程と、を備えている。
本発明の参考例では、この方法は、
弁を開くことによって閉鎖近位空洞の内部圧力を減少させるか、或は
プランジャを引出しことによって閉鎖近位空洞の内部圧力を減少させる工程と備えている。
本発明の参考例では、この方法は、
細胞溶解緩衝液または細胞保存媒体を試料採取装置の開放遠位空洞に添加する工程と、
試料採取装置の開放遠位空洞を密封する工程と、を備えている。
本発明の更なる参考例では、被検者の直腸空洞内に位置する粘膜表面から剥脱細胞を試料採取する方法であって、
直腸アクセス管および栓子を肛門管を経て直腸空洞に挿入する工程と、
直腸アクセス管から栓子を引出す工程と、
本発明による試料採取装置を、その可撓性の膜がいずれの他の身体表面とも接触することなしに、直腸アクセス管を経て直腸空洞に挿入する工程と、
試料採取装置を膨らまし手段に連結する工程と、
可撓性の膜が試料採取装置の挿入遠位端部から外転するように、閉鎖近位空洞の内部圧力を上昇させる工程と、
直腸粘膜を試料採取装置の固定表面領域と接触させる工程と、
直腸粘膜の表面から剥脱細胞の試料を得る工程と、
可撓性の膜が内転し、且つ可撓性の膜および試料が開放遠位空洞内に保持されるように、閉鎖近位空洞の内部圧力を減少させる工程と、
試料採取装置の可撓性の膜がいずれの身体表面に接触することなしに、試料採取装置を直腸アクセス管を経て直腸空洞から引出す工程と、
栓子を直腸アクセス管を経て戻す工程と、
直腸アクセス管および栓子を肛門管を経て直腸空洞から引出す工程と、
細胞溶解緩衝液または細胞保存媒体を開放遠位空洞に添加する工程と、
試料採取装置の開放遠位空洞を密封する工程と、
を備えている剥脱細胞を試料採取する方法が提供される。
本発明の更なる参考例では、前述の方法のうちのいずれか1つを備えており、更に収集された試料を試料採取装置から回収することと、この試料についての分析を行なうこととを備えている、結腸直腸癌を選別して診断する方法が提供される。
本発明の好適な実施の形態では、分析は、DNA定量、DNA定量および任意の分子分析により後続されるDNA抽出、細胞学/細胞化学的検査および生物化学的試験から選択される。なお、これらの方法のうちのいずれかによる選別の精度は、試料採取される結腸直腸粘膜表面から取られる細胞の低いレベルの汚染および高い濃度を有する試料を用意することにより改良される。
細胞試料採取の実施の形態の説明
図1の細胞試料採取装置は、直腸空洞へ挿入するように設計されている。この装置は、内部空洞3を有するほぼ円筒形の挿入部材1を備えており、この挿入部材1は、これに挿入遠位端部2のところで密封的に取付けられている可撓性および弾性の膜4により、挿入遠位端部2で閉じられている。図1に示される位置では、膜4は、内部空洞3内に保持されており、そして内部空洞3が(図2により詳細に示される)加圧並びに減圧手段7により加圧されると、内部空洞3から出るようになっている。膜4は、図1に示される静止位置では、内面であるが、膜が出ると、外面である細胞試料採取表面5と、静止位置では、外面であるが、膜が出ると、内面になる対向表面6とを有している。膜は、ニトリル、ラテックスまたはゴム系物質で製造されている。近位端部34のところで、内部空洞3は、加圧並びに減圧手段7が取付けられるようになっている自己密封式の弁18により閉じられている。
内部空洞を加圧する加圧並びに減圧手段7が一体化注射器である本発明の実施の形態が、図に示されており、図2は、また、被検者の結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞を試料採取するのに必要な工程を示している(AないしD)。
図2のAは、直腸空洞への挿入前の細胞試料採取装置の図を示している。前記加圧並びに減圧手段を構成している注射器7は、実質的に図1で述べられたように挿入部材1に取付けられている。注射器は、その内室33内の容積を変化させるように注射器7の筒部32に沿って密封的に摺動するプランジャ23を有している。注射器7のプランジャ23は、70mlの空気が注射器7の室33内に存在するように設定されている。
図2のBは、直腸空洞へ一旦挿入された細胞試料採取装置の図を示している。注射器のプランジャは、十分に押し下げられて可撓性の膜4を70mlの容積まで膨らましてある。次いで、膨らまされた可撓性の膜4は、いずれの剥脱細胞も可撓性の膜4の外面まで移送されるように、被検者の結腸直腸粘膜表面と接触する。
図2のCは、剥脱細胞が試料採取されていて、直腸空洞から取出される前の細胞試料採取装置の図を示している。注射器7のプランジャ23は、80mlの空気が注射器7の室内に存在するように引っ込められる。従って、これにより室内に減少圧力を生じ、それにより可撓性の膜4を挿入部材1の内部空洞の中へ引き戻して挿入部材1の側壁部のしっかり付着させる。減少圧力の量は、2つのスナップ嵌め保持特徴24(その一方のみが図2のCに示されている)により予め定量されてもよい。スナップ嵌め保持特徴24は、注射器7のプランジャ23に存在していて、注射器7の筒部32の穴に位置するアームである。スナップ嵌め保持特徴24の目的は、注射器7からのプランジャ23の脱出を防ぐためである。
図の2Dは、直腸空洞から取出した後で、細胞分析の前の細胞試料採取装置の図を示している。挿入部材1の遠位の挿入端部には、20mm直径のねじ付きねじキャップ8を受入れるようになっているねじ部が設けられている。キャップ8は、緩衝液を収容するブリスターパケットを有して、キャップを挿入部材1にねじ付けると、緩衝液が、萎まされた可撓性の膜4により形成された受け部の中へ放出されるようになっていてもよい。キャップ8が挿入部材1にねじ付けられると、挿入部材1をコンパクトな分析バイアルへ変換することができるように注射器7が挿入部材1から取外されてもよく、この分析バイアルは、複数の他のバイアルと共に包装されて細胞分析のために研究所へ送られてもよい。
内部空洞の加圧並びに減圧手段7が圧縮空気源である本発明の実施の形態が、図3に示されている。この図は、トリガー14の作動時に第2の減少圧力により後続される第1の上昇圧力の繰り返し量を送出すことが可能である電気モータ(図示せず)により作動されるポンプである機械的装置9を示している。この機械的装置9は、それに存在していて挿入部材1における位置決めラグ17と協働するクリックフィットロケーター16により、実質的に図1および図2に示されているように、挿入部材へ取り付け可能である。機械的装置9から外すと、挿入部材1内で圧力が維持されるのを確保するために、自己密封式の弁18が挿入部材に存在している。挿入部材1は、直腸鏡と係合するように設計されている羽根19を備えており、そして緩衝液を収容するブリスターパケット21を有しているねじ付きキャップ8を受入れるために挿入遠位端部のところでねじ20付きである。機械的装置9は、バッテリで作動されるようになっているが、充電ジャッキ12を介して電源により再充填されてもよい。機械的装置9は、空気吸入フィルタ25と、ゴム引き取っ手13とを備えており、またオンーオフスイッチ15と、機械的装置9が用意できているときと、第1および第2の圧力付与のサイクルが完了しているときとを示す発光ダイオード10、11とを有している。
使用にあたり、使用者は、ゴム引きピストル型の取っ手13により機械的装置9を保持し、この機械的装置9を挿入部材1に取付ける。次いで、挿入部材1を直腸空洞に挿入し、そこで挿入部材1は、羽根19を使用して直腸鏡と係合し、それにより改良された進入一貫性を可能にする。トリガー14を押すことにより、第1の上昇圧力が使用者により加えられ、それにより空気が空気吸入フィルタ25を通して機械的装置9に吸入され、次いで、空気が圧縮されて可撓性の膜を挿入部材1の挿入遠位端部から出して結腸直腸粘膜表面と接触させる。次いで、トリガー14を再び押すことによって、第2の減少圧力が使用者により加えられ、それにより可撓性を挿入部材1の内部空洞に戻す。細胞試料採取が完了されたら、挿入部材1を直腸鏡から離脱させ、機械的装置9を挿入部材1から取外し、そして自己密封式弁18により挿入部材1内の圧力を維持する。すると、緩衝液を収容しているブリスターパケット21を有するねじ付きキャップ8を挿入部材1のねじ部にねじ付けて緩衝液を萎まされた可撓性の膜により形成された受け部の中へ解放することができる。次いで、機械的装置9を次の挿入部材1に取付けることにより再使用することができる。
タッチプリント細胞試料採取技術のために必要とされる構成部品
被検者の結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞を試料採取するのに必要とされる構成部品が、図4に示されている。
i)直腸検査用の既存の器具(例えば、直腸鏡22)の変更例であることができる直腸アクセス管29の使用により、直腸粘膜への接近が達成されることができる。直腸アクセス管29は、肛門管を通して直腸への直腸アクセス管29の導入を容易にするオリーブ状端部および連続表面をなしている栓子30を備えている(取っ手付き)剛性の管よりなる。
ii)図4に示される細胞資料採取装置1は、実質的に図1で説明した如くであり、直腸アクセス管29の内径と適合可能な外径、すなわち、15ないし20mmの範囲内の外径を有している。
iii)加圧並びに減圧手段を構成している圧縮空気源7は、内部空洞を加圧するための手段を設けるのに役立つ。圧縮空気源7は、(図2で説明したような)注射器、(図3で説明したような)空気ポンプまたは圧縮空気ミニ容器(ミニシリンダ)よりなってもよい。細胞試料採取装置の内側の空気圧は、固定空気量(単なる注射器溶液)を使用することにより、或は固定空気圧レベルに達することにより制限/制御されることができる(この目的のために精密弁が必要とされる)。
iv)特定の緩衝液35を有するボトルまたは管(更なる分析のためのDNAまたはRNA抽出または細胞隔離/分離のような異なる目的のために異なる緩衝液が使用されるべきである)が使用される
v)(即座のDNAまたはRNA抽出が行なわれるならば、細胞/蛋白質溶解反応のために、細胞隔離手順のために、特に、すぐには使用されない場合の物質の貯蔵/搬送、例えば、外科クリニックから研究所への搬送のために必要とされる)細胞試料採取装置用の気密蓋(ねじ付きキャップ)8が使用される
この手順に必要とされる構成部品は、繰り返し使用されることができる圧縮空気源を除いて列挙された構成部品すべてを有するべきである使い捨てキットとして使用されるように展開されることができる。
タッチプリント細胞試料採取技術(直腸処置)の説明
図5は、図1ないし図4に示される装置のうちのいずれかを使用して被験者の結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞を試料採取するためのタッチプリント細胞試料採取技術の例を示している。この手順は、簡単であり、オペレータがこれを行なうために、直腸肛門学または内視鏡検査の特別な訓練が必要とされない。この手順は、地域外科手術室または患者宅でいずれかの資格のある医療専門家(GP、看護士など)により行なわれることができ、或は患者により自己施行されてもよい。
図5のAは、人の直腸28、肛門管26および結腸直腸粘膜細胞層27の解剖学的構造を概略的に示している。肛門管の偏平上皮との細胞試料採取装置のいずれかの接触の結果、肛門管の偏平上皮についての試料の物質損失および汚染の両方が生じることが可能であることは注意すべきである。
この手順は、栓子を有する直腸鏡のような直腸アクセス管29を直腸28に適所に導入することで開始する(図5のB)。
導入手順を容易にし、且つ手順のこの初めの段階により生じられることができる患者の不快感を減少させるために、導入手順では、適切な潤滑剤が使用されることができる。
直腸アクセス管29が導入され(図5のC)、栓子30が取外されると、直腸粘膜への直接アクセスが達成され、粘膜細胞層27が開く。
挿入部材1の上縁部が直腸アクセス管29の縁部のすぐ上に位置決めされるように、挿入部材1を直腸アクセス管29に導入する(図5のD)。
収集用可撓性の膜を粘膜細胞層27と接触させてタッチプリント細胞試料採取を行なうために、収集用可撓性の膜を膨らます第1の上昇圧力を加える(図5のE)。この装置は、収集用膜への粘膜細胞層の剥脱細胞および細胞誘導物質の良好な付着を達成するためにほぼ10ないし15秒間この位置に放置される。
図5のFは、可撓性の膜を萎まし、この膜を、収集された物質(剥離細胞)31が細胞試料採取外面にある状態のその初めの位置へ戻す第2の減少圧力の付加を示している。
挿入部材1を直腸アクセス管29から取り出し、更なる処置および分析のために利用する。栓子30(新しい再潤滑された栓子を使用することができる)を直腸アクセス管29に再装着し、直腸アクセス管29を直腸28から取出す(図5のG参照)。全体の手順(直腸処置)は、2、3秒に過ぎない時間をとるべきである。
収集された細胞の処理
図6は、細胞収集膜の乾燥を回避するために細胞収集のすぐ後に完了されるべきである図5のAないし図5のGで以上に示された方法に後続してもよい工程の例を示している。工程(a)は、細胞収集の後に剥脱細胞31が細胞収集用可撓性の膜上にある状態の細胞試料採取装置1を示している。細胞試料採取装置の頂部区画室に、剥脱細胞を溶解するか或は懸濁する固定量の特定の緩衝液35を充填する(工程(b))。DNAまたはRNA抽出手順には、異なる細胞溶解緩衝液または細胞保存媒体が使用されることができ、細胞隔離を必要とする用途には、特別な緩衝液/媒体が使用されるべきである。細胞試料採取装置は、しっかりしたねじ付きキャップ8で気密に閉じられることによって試料搬送または貯蔵の用意がなされる(工程(b))が、ねじ付きキャップが、緩衝液収容ブリスターパケットを有している場合、工程(b)を省くことができることはわかるであろう。次いで、装置は、貯蔵されたり、選別/診断および/または調査の目的で更なる下流の手順のために搬送されたりすることができる(工程(d))。
試料の分析
この技術が、他の既存の方法と比較して非常に高い標準化度をもたらすことは強調されるべきである。標準の空気の圧力/量と、膨らまされた収集膜の標準の面積(直腸の粘膜細胞層との接触面積は変化することができるが、この変化は剥脱細胞を得る他の方法、例えば、検便に基づく技術と比較して無視できる)と、細胞試料採取手順後に添加される標準量の緩衝液とを有する標準装置の使用によれば、細胞の数または細胞誘導物質(例えばDNA)の量の比較分析のための非常に有利な条件を生じる。
(a)結腸直腸癌選別の目的の試料の分析
結腸直腸癌選別は、適時の治療が条件により引き起こされる死亡率を減少させることができる病気の無症候性(ほとんどの場合、早期)病状を示すために疾患を呈していない個人の広い人口に基づいた(年齢別)評価を伴う。この方法のための1つの必要な要件は、数千/数100万の人とってのこの方法の同時適応性である。
i)腫瘍の無い個人と比較して結腸直腸癌の患者の直腸の粘膜細胞層におけるかなり高い量の結腸直腸細胞および結腸直腸細胞誘導DNAの強い兆候があるものと仮定すると、剥脱された結腸直腸細胞および結腸直腸細胞誘導物質を直接試料採取する技術が、細胞から抽出されたDNAの量の直接定量に基づいた結腸直腸癌のための簡単な選別試験を行なうことができることは、非常にありそうである。この方法では、細胞試料採取の直後に使用される初期の緩衝液は、選択されたDNA抽出手順のために使用される細胞溶解緩衝液であるべきである。緩衝液の添加により、専用の研究室への搬送中、および(恐らく)或る貯蔵期間中、DNA-含有物質の効率的な細胞溶解および保存をもたらすべきである。DNA抽出方法は、高い処理量の分析に対するその適用性に基づいて選択されるべきであり、すなわち、このDNA抽出方法は、多チャンネル液体取り扱いロボット装置と適合性であるべきである。試験の「陽性」、「陰性」および「疑わしい」結果を定めるDNA量の正確な値が、臨床実験で定められるべきである。
ii)DNA抽出の同様な初期工程が、結腸直腸癌の分子マーカーの分析のために適用されることができる。タッチプリント手順により試料採取された細胞は、検便試料からのDNA抽出の現在用いられている技術と比較して、非常に良好な品質のDNAをもたらすべきである。このDNAのPCR増幅が、このDNA量の正確な定量なしでなされるべきである。多目標分子分析は、結腸直腸癌の選別における選択肢として考えられるが、直接定量分析と比較して、より時間がかかり、且つ高価であることがある。同時に、直接定量のために抽出されたDNAは、定量的に「陽性」または「疑わしい」の病状の更なる診断分析におけるPCR増幅のために確かに使用されることができる。
iii)他の種類の細胞からの結腸直腸細胞の特定の隔離の必要の場合、分析のための結腸直腸細胞の個数のより高い純度を達成するために、分離方法(例えば、免疫磁性または密度勾配分離)が適用されることができる。この目的で、抗生物質(収集された物質におけるいくらかの細菌の存在が回避不可能である)および粘膜溶解剤を含有する幾つかの細胞保存媒体が適用されることができる。次いで、隔離された結腸直腸細胞が、DNA抽出および定量、PCR増幅により後続されるDNA抽出、癌分子および生物化学的マーカー分析、細胞学/細胞化学的評価、および直接細胞算出(低速および高コストに因り選別に関して疑わしい)のような異なる種類の分析のために使用されることができる。
(b)結腸直腸癌の診断
試験の診断用の使用が、幾つかの特定の疾患を呈しているか、或は状態から病人としてすでに確認された個人に集中される。患者の目標群は、選別の目的で予期されたものより非常に少ない。
i)直接DNA定量は、可能な結腸直腸状態を示す疾患を呈している個人に適用されることができる。
ii)PCR増幅および分子分析により後続されるDNA抽出は、初期の診断の確認と、前進診断手順(転移腫瘍、予後などのための化学療法に対する癌攻撃性、敏感性の評価)との両方に対して有用であることができる。
iii)細胞隔離は、更なる分子/生物化学的分析および細胞学的検査の両方に使用されることができる(特定の形態学的特徴を有する腫瘍細胞はCRC患者における剥脱された結腸直腸細胞の中に容易に見られることができる)。
本発明の細胞試料採取装置の横断面図である。 加圧手段が注射器よりなる本発明の細胞試料採取装置の概略図である。 加圧手段が圧縮空気源よりなる本発明の細胞試料採取装置の概略図である。 被検者の結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞を試料採取するのに必要とされる構成部品を示す図である。 図1ないし図4に示される装置のうちのいずれか1つを使用して被検者の結腸直腸粘膜表面から剥脱細胞を試料採取する方法の例を示す図である。 図5に示される方法に従う諸工程の例を示す図である。

Claims (16)

  1. 挿入遠位端部、近位端部および内部空洞を有する結腸直腸挿入部材と、
    細胞試料採取用の面を形成する外面および内面を有している可撓性の膜とを具備しており、この膜は、前記挿入部材の挿入遠位端部に密封的に取付けられており、前記挿入遠位部材の内部空洞内に保持されているときには、内側に前記細胞試料採取用の面がある受け部を形成し、この受け部は、前記挿入部材の挿入遠位端部で開口しており
    更に、前記結腸直腸挿入部材の内部空洞内に位置された密封された空洞を形成するように、前記挿入遠位端部に装着される密封手段を具備し、この密封手段と前記細胞試料採取用の面とで、前記内部空洞を規定している、結腸直腸細胞試料採取装置。

  2. 前記可撓性の膜は、弾性を有し、そしてニトリル、ラテックスまたはゴム系物質から形成されている請求項1に記載の結腸直腸細胞試料採取装置。
  3. 前記内部空洞を加圧並びに減圧するための手段を更に具備しており、この手段は、前記可撓性の膜を前記結腸直腸挿入部材の挿入遠位端部から外に出させる第1の上昇圧力に前記内部空洞内を加圧し、また前記可撓性の膜が前記結腸直腸挿入部材の内部空洞内の反転して戻る第2の減少圧力に前記内部空洞内を減圧し、この第2の減少圧力への減少圧力範囲は、前記第1の上昇圧力範囲よりも大きい、請求項1もしくは2に記載の結腸直腸細胞試料採取装置。
  4. 前記加圧並びに減圧するための手段は、前記結腸直腸挿入部材の前記近位端部に存在する弁に取付けられる請求項3に記載の結腸直腸細胞試料採取装置。
  5. 前記加圧並びに減圧するための手段は、圧縮空気源または注射器よりなる請求項に記載の結腸直腸細胞試料採取装置。
  6. 前記結腸直腸挿入部材は、直腸アクセス管と係合するようになっている請求項1ないしのうちのいずれか1つの項に記載の結腸直腸細胞試料採取装置。
  7. 前記可撓性の膜と密封手段とにより形成された前記密封された空洞内に流体が導入される請求項1ないしのうちのいずれか1つの項に記載の結腸直腸細胞試料採取装置。
  8. 前記結腸直腸挿入部材の前記内部空洞には、付着手段が設けられている請求項1ないし7のうちのいずれか1つの項に記載の結腸直腸細胞試料採取装置。
  9. 前記密封手段は、前記結腸直腸挿入部材の挿入遠位端部に形成されたねじと係合するねじ付きキャップを有する請求項1ないしのうちのいずれか1つの項に記載の結腸直腸細胞試料採取装置。
  10. 前記内部空間を加圧並びに減圧するための手段は、前記結腸直腸挿入部材から取外し可能である請求項に記載の結腸直腸細胞試料採取装置。
  11. 請求項1に記載の結腸直腸細胞試料採取装置と、前記内部空洞を加圧並びに減圧するための手段を具備し、この手段は、前記可撓性の膜を前記結腸直腸挿入部材の挿入遠位端部から外に出させる第1の上昇圧力に前記内部空洞内を加圧し、また前記可撓性の膜が前記結腸直腸挿入部材の内部空洞内の反転して戻る第2の減少圧力に前記内部空洞内を減圧し、この第2の減少圧力への減少圧力範囲は、前記第1の上昇圧力範囲よりも大きい、被検者の結腸直腸粘膜表面から試料を収集するためのキット。
  12. 前記密封手段は、前記結腸直腸挿入部材の挿入遠位端部に形成されたねじと係合するねじ付きキャップを有する請求項11に記載のキット。
  13. 前記挿入遠位部材の内部空洞内に充填される試薬を更に具備している請求項11もしくは12に記載のキット。
  14. 前記挿入遠位部材の内部空洞内に充填される試薬を更に具備し、この試薬は、前記ねじ付きキャップ内に存在している請求項12に記載のキット。
  15. 前記結腸直腸挿入部材に係合される直腸アクセス管を更に具備する請求項12ないし14のうちのいずれか1つの項に記載のキット。
  16. 前記直腸アクセス管は、栓子を有している請求項15に記載のキット。
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