JP4862763B2 - 可動装置及び物品搬送装置 - Google Patents
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また、ワーク把持部53の姿勢を変化させることが要求される場合には、さらに別の駆動モータ等を含む傾動機構を別途設ける必要がある。また、この場合、傾動機構の重量が加わるため、送り用駆動モータ54に要求される駆動力が大きくなる。
したがって、特許文献1のワーク搬送装置50の構成では、装置の大型化、重量化、高コスト化を招くという問題がある。
しかしながら、特許文献2のワーク搬送装置60において、ワーク把持部68の姿勢を変化させるためには、別個に駆動モータ等を含む傾動機構を設ける必要がある。またこの場合、駆動部66,67に要求される駆動力が大きくなる。
したがって、特許文献2のワーク搬送装置60の構成によっても、駆動部を大型化させる必要があるために、装置の大型化、重量化、高コスト化を招くという問題がある。
本発明の課題は、所定平面内における第1の方向(例えば、所定平面が鉛直平面の場合、送り方向)の駆動用と第1の方向に対して垂直な第2の方向(例えば、所定平面が鉛直平面の場合、昇降方向)の駆動用とで駆動モータを別々に設ける必要がなく、且つ独立した傾動機構を設けることなく手先部分を傾動させることができる可動装置及び物品搬送装置を提供することにある。
(1)本発明の可動装置は、ベース部に基端部が連結された第1リンク、第2リンク、及び第3リンクと、該第1リンク、第2リンク、及び第3リンクの先端全てに連結された一つの出力部材とを有し、前記第1リンク、第2リンク及び第3リンクの駆動状態により、前記ベース部に対する前記出力部材の所定平面上の相対的な位置及び姿勢が定まるパラレルリンク機構と、該パラレルリンク機構の前記出力部材に取り付けられたツールと、を備え、前記第1リンク及び前記第3リンクの各々は、一端が前記ベース部に前記所定平面に対して垂直な軸心を中心に回転可能に連結され、他端が前記出力部材に前記所定平面に対して垂直な軸心を中心に回転可能に連結されるとともに、伸縮駆動するものであり、
前記第2リンクは、一端が前記ベース部に前記所定平面に対して垂直な所定の基準軸心を中心に回転可能に連結され、他端が前記出力部材に前記所定平面に対して垂直な軸心を中心に回転可能に連結されるとともに、駆動することによって前記ベース部に対する前記基準軸心を中心とする向きが変化するものであり、且つ前記第1リンク及び前記第3リンクの駆動に従動して伸縮するものである、ことを特徴とする。
したがって、所定平面内における第1の方向(例えば、所定平面が鉛直平面の場合、送り方向)の駆動用と第1の方向に対して垂直な第2の方向(例えば、所定平面が鉛直平面の場合、昇降方向)の駆動用とで駆動モータを別々に設ける必要が無い。
また、上記のパラレルリンク機構は、各リンクの駆動状態により、出力部材の所定平面上の姿勢(上記のθy)を制御することができる。すなわち、出力部材に取り付けられたツールの姿勢を制御するができる。したがって、独立した傾動機構を設けることなく、手先部分(ツール)を傾動させることができる。
したがって、上記の可動装置によれば、機構を小型軽量化でき、その結果、物品搬送装置(例えばワーク搬送装置)として構成する場合は、移動対象の物品の重量を大きくしたり、動作の高速化を図ったりすることができる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる可動装置の構成を示す図である。本実施形態において可動装置は、物品1をある位置から別の位置に移動させる物品搬送装置10Aとして構成されている。このような物品搬送装置10Aとしては、トランスファープレスにおけるプレス間ワーク搬送装置や、薄型ディスプレイ用パネル(液晶パネル等)の製造ラインにおけるガラス基板搬送装置、その他、部品・半完成品等の搬送装置などが例示される。
この物品搬送装置10Aは、例えば図で左側に設置されたステージ5a上から物品1を受け取り、図で右側に設置されたステージ5b上に載せる。
上記のパラレルリンク機構20は、ベース部12に基端部が連結された第1リンク21、第2リンク22、及び第3リンク23と、第1リンク21、第2リンク22、及び第3リンク23の先端全てに連結された一つの出力部材24とを有し、第1リンク21、第2リンク22及び第3リンク23の駆動状態により、ベース部12に対する出力部材24の所定平面上の相対的な位置及び姿勢が定まるものである。
ただし、上記の所定平面は鉛直平面に限られず、鉛直平面と交差する平面、すなわち鉛直平面に対して傾斜する平面や水平面であってもよい。
(1)図2において、太い双方向矢印は能動自由度の動きを示し、細い双方向矢印は受動自由度の動きを示す。
(2)図2に関連した以下の説明において、方向又は角度に関する記述は、図中に定義したxyz座標系に基づくものとする。
(3)図2に関連した以下の説明において、「所定平面」は図2中のxz平面と一致する。
(4)図2において、(A)は出力部材24が中立位置にあり且つ水平な姿勢の状態を示しており、(B)は出力部材24が中立位置以外の位置にあり且つ水平に対して傾斜した姿勢の状態を示している。
(5)なお、上記(2)及び(3)の事項は、後に参照する図3〜図5についても同様である。
第2リンク22は、一端がベース部12に所定平面に対して垂直な所定の軸心(以下、この軸心を「基準軸心a」という)を中心に回転可能に連結され、他端が出力部材24に所定平面に対して垂直な軸心を中心に回転可能に連結されるとともに、駆動することによってベース部12に対する基準軸心aを中心とする向きが変化する。また、第2リンク22は、第1リンク21及び第3リンク23の駆動に従動して伸縮する。
したがって、所定平面内における第1の方向(例えば、本実施形態のように所定平面が鉛直平面の場合、送り方向)の駆動用と第1の方向に対して垂直な第2の方向(例えば、本実施形態のように所定平面が鉛直平面の場合、昇降方向)の駆動用とで駆動モータを別々に設ける必要が無い。
したがって、本発明の可動装置によれば、機構を小型軽量化でき、その結果、本実施形態のように物品搬送装置10Aとして構成する場合は、搬送重量を大きくしたり、動作の高速化を図ったりすることができる。
この構成によれば、能動的に伸縮する第1リンク21と第3リンク23が、第2リンク22を挟む形で対称に配置されており、各リンクの配列方向の前後方向への移動の繰り返しにより、累積的には、第1リンク21と第3リンク23のいずれか一方に荷重が偏ったり局所的な荷重が作用したりしないので、装置の長寿命化が図られる。
第1リンク21は第1駆動モータ32の駆動により能動的に伸縮する。第3リンク23は第3駆動モータ34の駆動により能動的に伸縮する。第2リンク22は、直線的に伸縮自在であるが、その伸縮は受動的であり、第1リンク21と第2リンク22の伸縮駆動に従動して伸縮する。第1駆動モータ32及び第3駆動モータ34の回転運動を直線運動、すなわち第1リンク21と第3リンク23の直線伸縮運動に変換する機構としては、ボールネジ機構、ラック・ピニオン機構、ベルト機構等が例示される。
図2に示すように、本実施形態では、第1駆動モータ32は、第1リンク21の他端部に固定されている。第2駆動モータ33は、第2リンク22とベース部12との連結点の位置に固定されている。第3駆動モータ34は、第3リンク23の他端部に固定されている。
上記の構成によれば、各駆動モータ32,33,34が、上記の位置に設けられているので、手先側の可動部の重量を小さくすることができる。
図3は、パラレルリンク機構20の他の構成例Aを模式的に示す図である。
図3において、(A)はxz平面における模式図であり、(B)はyz平面における第1リンク21(又は第3リンク23)の模式図であり、(C)はyz平面における第2リンク22の模式図である。
第1リンク21と第3リンク23は、それぞれの関節29,31の位置に第1駆動モータ32、第3駆動モータ34を有し、各駆動モータの駆動により屈伸運動を行なう。
また、図3に示すように、第1リンク21と第3リンク23は、それぞれ、2本のアーム26,27が互いに所定平面に垂直な軸心を中心に回転可能に連結している。
また第2リンク22は、ベース部12との連結点の位置に固定された第2駆動モータ33を有し、この第2駆動モータ33の駆動により、ベース部12に対する基準軸心aを中心とした向きが変化するようになっている。
構成例Aの他の部分については、図2の構成例と同様である。
また、能動的に伸縮する第1リンク21と第3リンク23が、第2リンク22を挟む形で対称に配置されており、図2の構成例と同様に、各リンクの配列方向の前後方向への移動の繰り返しにより、累積的には、第1リンク21と第3リンク23のいずれか一方に荷重が偏ったり局所的な荷重が作用したりしないので、装置の長寿命化が図られる。
第1リンク21と第3リンク23が屈曲する方向は、特に限定されず、互いに逆方向あるいは互いの関節29,31の距離が縮まる方向であってもよいが、図3に示すように、互いの関節29,31の距離が広がる方向であるのがこのましい。この構成により、各リンクが屈曲するときに、第1リンク21と第3リンク23がパラレルリンク機構20の外側に広がるので、各リンク相互間の機械的干渉を防止することができる。
図4において、(A)はxz平面における模式図であり、(B)はyz平面における第1リンク21(又は第3リンク23)の模式図であり、(C)はyz平面における第2リンク22の模式図である。
構成例AとBでは、まず、第1駆動モータ32と第3駆動モータ34の設置位置が異なる。構成例Bでは、第1リンク21と第3リンク23は、それぞれ、ベース部12との連結点の位置に第1駆動モータ32、第3駆動モータ34を有し、各駆動モータの駆動により屈伸運動を行なう。
また、構成例Bでは、第1リンク21は、第1駆動モータ32の回転運動を第1リンク21の屈伸運動に変換する第1リンク用動力変換機構36aを有し、第3リンク23は、第3駆動モータ34の回転運動を第3リンク23の屈伸運動に変換する第3リンク用動力変換機構36bを有する。
構成例Bの他の部分の構成は、構成例Aと同じである。
各リンク21,22,23を駆動する各駆動モータ32,33,34がベース部12との連結点の位置に設けられているので、各リンク21,22,23に作用するモーメントを小さくすることができる。
各動力変換機構36a,36bが平行リンク機構により構成されるので、簡単な構成で確実に、各駆動モータ32,34の回転運動を各リンク21,23の屈伸運動に変換することができる。
図2の構成における第2リンク22は、図3(構成例A)又は図4(構成例B)の第2リンク22に置換されてもよい。すなわち、第1リンク21及び第3リンク23は、それぞれ、直線伸縮機構として構成され、第2リンク22は、両端間の途中部位を連結点と23する2本のアーム26,27からなり、2本のアーム26,27の連結点を関節として屈伸運動するものであってもよい。
すなわち、第1リンク21及び第3リンク23は、それぞれ、両端間の途中部位を連結点とする2本のアーム26,27からなり、2本のアーム26,27の連結点を関節として屈伸運動するものであり、第2リンク22は、直線伸縮機構として構成されているものであってもよい。
次に、本発明の第2実施形態にかかる物品搬送装置10Bについて説明する。
図5は、第2実施形態にかかる物品搬送装置10Bの構成を示す図である。
図5に示すように、物品搬送装置10Bは、第1実施形態におけるパラレルリンク機構20を2基備える。2基のパラレルリンク機構20は、それぞれ所定平面(xz平面)が鉛直平面と一致し、且つ互いに、所定平面に垂直な方向に間隔をおいて上下方向を一致させて配置されている。
図5に示したパラレルリンク機構20は、図2の構成例と同様であるが、第1実施形態で説明したいずれの構成であってもよい。
各パラレルリンク機構20は、制御装置によって同期制御され、同様の動作を行う。
5a,5b ステーション
10A 物品搬送装置(可動装置)
10B 物品搬送装置
12 ベース部
14 制御装置
20 パラレルリンク機構
21 第1リンク
22 第2リンク
23 第3リンク
24 出力部材
26,27 アーム
29,30,31 関節
32 第1駆動モータ
33 第2駆動モータ
34 第3駆動モータ
36a 第1リンク用動力変換機構
36b 第2リンク用動力変換機構
37 駆動アーム
38 従動アーム
39 中間アーム
40 ツール
40A 物品把持部
42 クロスバー
Claims (11)
- ベース部に基端部が連結された第1リンク、第2リンク、及び第3リンクと、該第1リンク、第2リンク、及び第3リンクの先端全てに連結された一つの出力部材とを有し、前記第1リンク、第2リンク及び第3リンクの駆動状態により、前記ベース部に対する前記出力部材の所定平面上の相対的な位置及び姿勢が定まるパラレルリンク機構と、
該パラレルリンク機構の前記出力部材に取り付けられたツールと、を備え、
前記第1リンク及び前記第3リンクの各々は、一端が前記ベース部に前記所定平面に対して垂直な軸心を中心に回転可能に連結され、他端が前記出力部材に前記所定平面に対して垂直な軸心を中心に回転可能に連結されるとともに、伸縮駆動するものであり、
前記第2リンクは、一端が前記ベース部に前記所定平面に対して垂直な所定の基準軸心を中心に回転可能に連結され、他端が前記出力部材に前記所定平面に対して垂直な軸心を中心に回転可能に連結されるとともに、駆動することによって前記ベース部に対する前記基準軸心を中心とする向きが変化するものであり、且つ前記第1リンク及び前記第3リンクの駆動に従動して伸縮するものである、ことを特徴とする可動装置。 - 前記第1リンク、第2リンク及び第3リンクは、前記第1リンクと前記第3リンクの離間方向の中間位置に前記第2リンクが位置するように配置されている、請求項1記載の可動装置。
- 前記第1リンク、前記第2リンク及び前記第3リンクは、それぞれ、直線伸縮機構として構成されている請求項1記載の可動装置。
- 前記第1リンク及び前記第3リンクは、それぞれ、直線伸縮機構として構成されており、前記第2リンクは、両端間の途中部位を連結点とする2本のアームからなり、該2本のアームの連結点を関節として屈伸運動するものである請求項1記載の可動装置。
- 前記第1リンクは、自身と前記ベース部との連結点の位置又は該位置を基準に自身の前記一端とは反対側の位置に固定され当該第1リンクを伸縮駆動させるための第1駆動モータを有し、
前記第2リンクは、自身と前記ベース部との連結点の位置又は該位置を基準に自身の前記一端とは反対側の位置に固定され当該第2リンクを前記ベース部に対して回転駆動させるための第2駆動モータを有し、
前記第3リンクは、自身と前記ベース部との連結点の位置又は該位置を基準に自身の前記一端とは反対側の位置に固定され当該第3リンクを伸縮駆動させるための第3駆動モータを有する、請求項3又は4記載の可動装置。 - 前記第1リンク、第2リンク及び第3リンクは、それぞれ、両端間の途中部位を連結点とする2本のアームからなり、該2本のアームの連結点を関節として屈伸運動するものである請求項1記載の可動装置。
- 前記第1リンク及び前記第3リンクは、それぞれ、2本のアームが互いに前記所定平面に対して垂直な軸心を中心に回転可能に連結しており、
前記第2リンクの2本のアームは、互いに前記所定平面に平行な軸心を中心に回転可能に連結している、請求項6記載の可動装置。 - 前記第1リンク及び第3リンクは、それぞれ、両端間の途中部位を連結点とする2本のアームからなり、該2本のアームの連結点を関節として屈伸運動するものであり、前記第2リンクは、直線伸縮機構として構成されている請求項1記載の可動装置。
- 前記第1リンクは、自身と前記ベース部との連結点の位置又は該位置を基準に自身の前記一端とは反対側の位置に固定された第1駆動モータと、該第1駆動モータの回転運動を当該第1リンクの屈伸運動に変換する第1リンク用動力変換機構とを有し、
前記第2リンクは、自身と前記ベース部との連結点の位置又は該位置を基準に自身の前記一端とは反対側の位置に固定され前記ベース部に対する当該第2リンクの前記基準軸心を中心とする向きを変化させる第2駆動モータを有し、
前記第3リンクは、自身と前記ベース部との連結点の位置又は該位置を基準に自身の前記一端とは反対側の位置に固定された第3駆動モータと、該第3駆動モータの回転運動を当該第3リンクの屈伸運動に変換する第3リンク用動力変換機構とを有する、請求項6乃至8のいずれか記載の可動装置。 - 前記第1リンク用動力変換機構及び前記第3リンク用動力変換機構は、平行リンク機構により構成される請求項9記載の可動装置。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の可動装置におけるパラレルリンク機構を2基備え、
該2基のパラレルリンク機構は、それぞれ前記所定平面が鉛直平面と一致し、且つ互いに、前記所定平面に垂直な方向に間隔をおいて上下方向を一致させて配置されており、
さらに、前記各出力部材の間に横架されたクロスバーと、該クロスバーに取り付けられ物品を把持する物品把持部と、を備えることを特徴とする物品搬送装置。
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