JP4882352B2 - パラレルメカニズム及びこれを備えた工作機械 - Google Patents
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Description
(1)軸支部157,163がリンクヘッド152上で移動不能に配置されているため、軸支部157の位置がスライダ159,160の摺動位置で、また軸支部163の位置がスライダ165,166の摺動位置でそれぞれ決定されていた。この結果、各構成部品の加工精度や構成部品同士の組付精度が悪いと、また作動杆153〜156が使用時等の熱変化によって伸縮すると、両軸支部157,163間の設計寸法と実測寸法とに寸法差が生じ、構成部品が破損したり、アクチュエータに過負荷が生じたりする。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の全体を説明するために示す平面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の要部を説明するために示す斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械の制御装置を説明するために示すブロック図である。なお、以下の説明においては、互いに直交する3つの方向をそれぞれz軸(第2の軸線)方向(図1における主軸方向)及びx軸(第3の軸線)方向(図1における紙面に平行かつz軸に直交する方向)・y軸(第1の軸線)方向(図1における紙面に垂直でz軸に直交する方向)とする。
図1及び図3において、符号1で示す工作機械は、例えば円筒研削盤からなり、工作機械本体2及び制御装置3・付属装置(図示せず)から大略構成されている。
工作機械本体2は、図1に示すように、ワークWを回転駆動可能に支持するワーク支持駆動ユニット100と、砥石等の加工ツール501が着脱可能に装着されるホイール回転主軸ユニット200と、リンクヘッド301をツール取付側に保持するパラレルメカニズム300とを備えている。
ワーク支持駆動ユニット100は、主軸台ベース101及び左右2つの主軸台103を有し、ベッド(基台)10上の前方端部(図1では下側)に載置されている。主軸台ベース101の背面部(図1では上側)には、左右(z軸)方向に所定の間隔をもって並列し、かつz軸方向に延在する左右2つの主軸台スライドガイド102が配設されている。左右2つの主軸台103は、それぞれが対応する主軸台スライドガイド102上にz軸方向に沿って移動自在に配設されている。そして、各主軸台スライドガイド102上における所定の位置に位置決めされ、その両中心部間でワークWを挟持するように構成されている。左右2つの主軸台103には、それぞれ主軸105を所定の回転数で回転駆動する主軸駆動モータ104が搭載されている。
ホイール回転主軸ユニット200は、加工ツール501の被把持部を把持可能なホイール回転主軸201及びこのホイール回転主軸201を回転駆動するホイール回転主軸駆動モータ(図示せず)を有し、リンクヘッド301に搭載されている。そして、ホイール回転主軸駆動モータの回転駆動力をホイール回転主軸201に伝達し、さらにホイール回転主軸201上の加工ツール501を所定の回転数で回転駆動するように構成されている。
パラレルメカニズム300は、図2に示すように、1対のリンク集合体(リンク機構)350,351を有する多自由度(直線2軸及び回転1軸の3自由度)リンク機構からなり、ワーク支持駆動ユニット100の後方に配設され、かつベッド10の立ち上がり部(図示せず)にz軸方向に延びるスライダ案内用のレール(ガイドレール)360,363を介して片持ち支持されている。そして、前述したようにツール取付側にリンクヘッド301を保持するように構成されている。ガイドレール360,363は、z軸方向に延び、y軸方向に互いに所定の間隔をもって並列する位置に配置されている。
制御装置3は、図3に示すように、CPU(中央演算処理装置)71及びメモリ72・インターフェイス(I/F)73〜75を備え、直交座標系で与えられるリンクヘッド301の移動位置情報に対応する指令値Uを機構パラメータPに基づいてアクチュエータ356〜359の出力値に変換し、これら各アクチュエータ356〜359を駆動制御するように構成されている。
CPU71は、メモリ72あるいは外部記憶装置78に記憶された加工プログラムを読み出し解析し、直交座標系で与えられるリンクヘッド301の移動位置・姿勢情報を機構パラメータPに基づき各アクチュエータ356〜359への駆動指令値に変換してサーボモータユニット80へ出力する。
メモリ72には、加工ツール501による実加工処理を実行するための加工プログラムや機構パラメータP等の各種情報が記憶されている。
インターフェース73には、アクチュエータ(サーボモータ)356〜359を駆動するサーボモータユニット80(81〜84)が接続されている。サーボモータユニット81〜84は、CPU71からの指令値に基づいてアクチュエータ356〜359をそれぞれ駆動し、これら各アクチュエータ356〜359のモータ回転検出用エンコーダ31〜34からの出力によってフィードバック制御を実行する。インターフェース74には、加工データ等を入力するためのキーボード(KB)76及び加工データや工作機械1の状態等を表示する画像表示装置(CRT)77・加工データを記憶する外部記憶装置78が接続されている。インターフェース75には位置センサ380が接続されている。
付属装置は、オイル供給装置・冷却装置・エア供給装置・クーラント供給装置と、これら装置を工作機械本体2に接続するダクト装置等とから構成されている。
次に、本実施の形態に係る工作機械の動作につき、図4〜図7を用いて説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械におけるリンクヘッドのx軸平行動作を説明するために示す平面図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械におけるリンクヘッドの回動動作を説明するために示す平面図である。図6は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械におけるリンクヘッドのx−z軸平行動作を説明するために示す平面図である。図7は、本発明の第1の実施の形態に係る工作機械におけるリンクヘッドのx−z軸平行・回動動作を説明するために示す平面図である。なお、図4〜図7においては、直動ジョイントが省略されている。
図4に2点鎖線で示す初期位置から回転ジョイント381,382(スライダ361,362)を同一の移動量z1で互いに接近する方向にレール360に沿って移動させるとともに、回転ジョイント383,384(スライダ364,365)を同一の移動量z2(z1=z2)で互いに接近する方向にレール363に沿って移動させると、加工ツール501の回転軸線Tを基準線Oに合致させた状態でリンクヘッド301がx軸方向に移動して図4に実線で示す位置に配置される。
図5に2点鎖線で示す初期位置から回転ジョイント381,382(スライダ361,362)を互いに異なる移動量z1,z2(z2>z1)で同方向(左方)に移動させるとともに、回転ジョイント383,384(スライダ364,365)を互いに異なる移動量z3,z4(z4>z2>z3>z1)で同方向(左方)に移動させると、リンクヘッド301がy軸を中心に反時計方向に回動して例えば加工ツール501の回転軸線Tを基準線Oと直角にした状態で図4に実線で示す位置に配置される。
図6に実線で示す初期位置から回転ジョイント381,382(スライダ361,362)を互いに異なる移動量z1,z2(z2>z1)で同方向(右方)にそれぞれ移動させるとともに、回転ジョイント383,384(スライダ364,365)を互いに異なる移動量z3,z4(z4>z2>z1>z3)で同方向(右方)にそれぞれ移動させると、リンクヘッド301が斜方に移動して図6に2点鎖線で示す位置に配置される。
図7に実線で示す移動位置から回転ジョイント381,382(スライダ361,362)を互いに異なる移動量z1,z2(z2>z1)で同方向(右方)にそれぞれ移動させるとともに、回転ジョイント383,384(スライダ364,365)を互いに異なる移動量z3,z4(z4>z2>z1>z3)で同方向(右方)にそれぞれ移動させると、リンクヘッド301が斜方に移動するとともに、y軸を中心に時計方向に回動して図7に2点鎖線で示す位置に配置される。この場合、回転ジョイント384(スライダ365)の移動量は、「x−z軸平行動作」の場合における回転ジョイント384(スライダ365)の移動量より大きい移動量に設定されている。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図10において、図2と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果(1)〜(3)に加え、次に示す効果が得られる。
図11は、本発明の第3の実施の形態に係るパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図11において、図2と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以上説明した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果(1)〜(3)に加え、次に示す効果が得られる。
図12は、本発明の第4の実施の形態に係るパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図12において、図2と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以上説明した第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果(1)〜(3)に加え、次に示す効果が得られる。
図13は、本発明の第5の実施の形態に係るパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図13において、図2と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以上説明した第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果(1)〜(3)に加え、次に示す効果が得られる。
図14は、本発明の第6の実施の形態に係るパラレルメカニズムを説明するために示す斜視図である。図14において、図2と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以上説明した第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果(1)〜(3)と同様の効果が得られる。特に、誤差の影響がy軸方向(x軸回りの回転・z軸回りの回転)に出る場合に有効である。
2…工作機械本体
3…制御装置
10…ベッド
10A…立ち上がり部
31〜34…モータ回転検出用エンコーダ
71…CPU
72…メモリ
73〜75…インターフェース
76…キーボード
77…画像表示装置
78…外部記憶装置
80〜84…サーボモータユニット
100…ワーク支持駆動ユニット
101…主軸台ベース
102…主軸台スライドガイド
103…主軸台
104…主軸駆動モータ
105…主軸
150,300…パラレルメカニズム
151…ホルダ
152,301…リンクヘッド
153〜156…作動杆
153A,154A…リンク挿通部
157,163,161,162,167,168…軸支部
158,164…レール
159,160,165,166,361,362,364,365…スライダ
170,501…加工ツール
200…ホイール回転主軸ユニット
201…ホイール回転主軸
350,351…リンク集合体
350A,350B,351A,351B…リンク
352…ジョイント案内用のレール
353…直動ジョイント
353A…被検出部
354,355,381〜384,411〜414,511〜514…回転ジョイント
356〜359…アクチュエータ
360,363…スライダ案内用のレール
311…x軸直動テーブル
312…C軸回転テーブル
380…位置センサ
390A,390B,391A…2自由度のジョイント
395,396…3自由度のジョイント
O…基準線
T…回転軸線
a,b…リンクエレメント
c…延長線
W…ワーク
Claims (13)
- リンクヘッドのN(N:自然数)自由度の回動及び移動の少なくとも一方の制御が可能なパラレルメカニズムであって、
前記リンクヘッドを駆動するためのN+1個の駆動機構と、
前記駆動機構にそれぞれ接続されるN+1個のリンクを含み、前記リンクヘッドに接続されるリンク機構とを備え、
前記リンク機構と前記リンクヘッドとの間に介在する接続部のうちの1つの接続部を前記リンクヘッドに対して一軸線方向に相対移動可能に接続する従動接続部としたことを特徴とするパラレルメカニズム。 - ベッドと、
一端が第1の回動部を介して第1の軸線の回りに互いに回動可能に接続され、他端が前記ベッドに対してそれぞれ前記第1の軸線と平行な軸線の回りに回動可能かつ前記第1の軸線と直交する第2の軸線に沿って移動可能に支持された1対のリンクから構成される第1のリンク機構と、
一端が第2の回動部を介して前記第1の軸線と平行な軸線の回りに互いに回動可能に接続され、他端が前記ベッドに対してそれぞれ前記第1の軸線と平行な軸線の回りに回動可能かつ前記第2の軸線に平行な軸線に沿って移動可能に支持された1対のリンクから構成される第2のリンク機構と、
前記各リンクの他端を前記ベッドに対して前記第2の軸線及び前記第2の軸線に平行な軸線に沿ってそれぞれ移動させる駆動機構と、
前記第1の回動部が、当該第1の回動部を前記第1の軸線と直交する一軸線方向に相対移動可能に接続する従動接続部によって接続され、前記第2の回動部が前記第1の回動部の接続位置とは前記第1の軸線と直交する方向にオフセットされた位置で相対移動不能に接続されたリンクヘッドとを備え、
前記駆動機構を制御することにより、前記リンクヘッドが前記第1の軸線と直交する平面内での移動と前記第1の軸線の回りの回動が可能であることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項2に記載のパラレルメカニズムにおいて、
前記第1及び第2のリンク機構は、前記第1の軸線と直交する平面内にそれぞれ配置され、
前記リンクヘッドは、前記第1のリンク機構が配置された平面と前記第2のリンク機構が配置された平面との間に配置されることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項2又は3に記載のパラレルメカニズムにおいて、
前記第1の軸線は鉛直線であり、
前記各リンクの少なくとも1つは、前記第1の軸線の方向に厚さをもつ板状部材であることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項2又は3に記載のパラレルメカニズムにおいて、
第1の軸線は水平線であることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項2乃至5のいずれかに記載のパラレルメカニズムにおいて、
前記駆動機構は、前記各リンクの他端をそれぞれ回動可能に接続し、前記第2の軸線及び前記第2の軸線に平行な軸線に沿って駆動させる直動アクチュエータからなることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項6に記載のパラレルメカニズムにおいて、
前記直動アクチュエータは、前記ベッド上に固定された各リンク機構毎に共通のガイドレールと、このガイドレールに沿って各リンク毎に移動するスライダとを含み、
前記第1のリンク機構に対応する前記共通のガイドレールと前記第2のリンク機構に対応する前記共通のガイドレールとは、前記第2の軸線に平行に延び、前記第1の軸線方向に所定の間隔をもって並列する位置に配置されていることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項6に記載のパラレルメカニズムにおいて、
前記第1のリンク機構に対応する前記共通のガイドレールと前記第2のリンク機構に対応する前記共通のガイドレールとは、前記第1の軸線及び前記第2の軸線のいずれもと直交する第3の軸線方向に所定の間隔をもって並列する位置に配置されていることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項2乃至5のいずれかに記載のパラレルメカニズムにおいて、
前記駆動機構は、前記リンクの他端をそれぞれ回動可能に接続し、前記リンクの実効長を伸縮させる伸縮アクチュエータからなることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項2乃至5のいずれかに記載のパラレルメカニズムにおいて、
前記駆動機構は、前記リンクの他端をそれぞれ回動可能に接続し、前記リンクの他端を旋回させる回転アクチュエータからなることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項2乃至10のいずれかに記載のパラレルメカニズムにおいて、
前記第1及び第2のリンク機構を構成する各リンクの両端は、前記第1の軸線と平行な軸線の回りに回動可能な1自由度の回転ジョイントを介して前記リンクヘッド及び前記駆動機構にそれぞれ接続されていることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項2乃至10のいずれかに記載のパラレルメカニズムにおいて、
前記第1及び第2のリンク機構を構成する各リンクのうち少なくとも1つのリンクの両端は、前記第1の軸線と平行な軸線の回りに回動可能な1自由度の回転ジョイントを介して前記リンクヘッド及び前記駆動機構にそれぞれ接続され、
他のリンクの両端は、少なくとも前記第1の軸線と平行な軸線の回りに回動可能な2自由度又は3自由度の回転ジョイントを介して前記リンクヘッド及び前記駆動機構にそれぞれ接続されていることを特徴とするパラレルメカニズム。 - 請求項2乃至12のいずれかに記載のパラレルメカニズムを備えた工作機械であって、
工具又はワークの一方が前記リンクヘッドに、他方が前記ベッドにそれぞれ取り付けられることを特徴とする工作機械。
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