JP4860261B2 - ポリウレタン弾性繊維 - Google Patents
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ポリウレタン弾性繊維は、一般的な衣料分野に使用される場合、通常交編織された布帛は、裁断、縫製、仕上げ加工等の製造工程を経て製品となる。ポリウレタン弾性繊維を用いて交編織された生地は、裁断して縫製する際に、縁部がほつれやすく、さらにほつれた縁部で布帛の編地組織からポリウレタン弾性繊維が抜けて、その部分の布帛の伸縮性が低下するという問題が生ずる。
例えば、編組織が非弾性糸と弾性糸とを同行させた1×1編み組織で、かつ各編針において非弾性糸と弾性糸のうち少なくとも1方が閉じ目により編成された経編地からなる縁始末不要な生地を用いた衣類が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
しかし、生地の設計によって構造的に裁断した縁部のほつれを起こりにくくしているため、生地全体が厚地となるなど、生地設計によって得られる布帛に制約があり、衣類の用途が限定されるという問題点がある。
しかしながら、低融点のポリウレタン弾性糸は、生地や製品を型止めするためのセット工程や、染色工程での熱による物性低下が大きいため、高い温度条件で処理した場合に生地の回復性の低下が起こる。さらに、より厳しい熱的な加工条件を受けた場合、ポリウレタン弾性糸の糸切れが起こる。この生地を使用する製品では、加工条件に熱的制約があるという問題がある。
(1)180℃で乾熱処理した際のポリウレタン弾性繊維同士の熱接着剥離応力が0.2cN/dt以上であり、熱可塑性ポリウレタンを5%以上60%以下、ポリウレタンウレアを40%以上含み、熱可塑性ポリウレタンが、数平均分子量600〜2000の高分子ポリオールと、ジイソシアネートと、低分子ジオールを反応させて得られる、軟化点が50℃〜140℃、ガラス転移点が−70℃〜−20℃の熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とするポリウレタン弾性繊維。
(2)ジメチルシリコーン、鉱物油、ステアリン酸マグネシウムからなり、変性シリコーンの含有量が1.0%未満である油剤が、ポリウレタン弾性繊維の固形分に対し、2%以上10%以下付与されていることを特徴とする上記(1)記載のポリウレタン弾性繊維。
(3)180℃で乾熱処理した際のポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維との熱接着剥離応力が0.02cN/dt以上であることを特徴とする上記(1)記載のポリウレタン弾性繊維。
(4)180℃で乾熱処理した際のポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維との熱接着剥離応力が0.02cN/dt以上であることを特徴とする上記(1)記載のポリウレタン弾性繊維。
(5)140℃で乾熱処理した際のポリウレタン弾性繊維と綿との熱接着剥離応力が0.01cN/dt以上であることを特徴とする上記(1)記載のポリウレタン弾性繊維。
(6)原糸の300%伸長回復繰り返し測定時の回復率が85%以上であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
(8)ジメチルシリコーン成分を2.5%以上含有し、変性シリコーン成分が0.1%未満であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
(9)熱可塑性ポリウレタンを5%以上60%以下、ポリウレタンウレアを40%以上含み、DMFまたはDMAcに溶解したポリウレタン組成物を、乾式紡糸法で紡糸することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
(10)ジメチルシリコーン成分を含み、変性シリコーンの含有量が1.0%未満である油剤を、ポリウレタン弾性繊維にジメチルシリコーン成分が2.5%以上含有するように紡糸後に仕上げ剤として付与することを特徴とする上記(9)記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、ポリウレタンウレアを40%以上含有するものである。耐熱性の高いポリウレタンウレアの含有量が40%以上とすることで、加工処理時の熱での糸切れが起こりにくく、良好な伸縮物性を有する生地がえられる。ポリウレタン弾性繊維およびその生地製品の耐熱性、物理的特性の観点から、より好ましくは50%以上であり、特に好ましくは75%以上である。
本発明に用いるポリウレタンウレアは、例えば、高分子ポリオール、ジイソシアネート、2官能性アミン、および単官能性活性水素原子を有する末端停止剤を反応させて得ることができる。
加えて、本発明のポリウレタン弾性繊維は熱可塑性ポリウレタンを5%以上60%以下含有する。熱可塑性ポリマーの含有量を5%以上とすることで、生地でのほつれ防止効果を得ることができるが、60%以下とすることで、弾性繊維の破断強伸度、パワー、回復性を損なわなず、良好な伸縮物性を有する生地を得ることができる。熱可塑性ポリマーの含有量は、好ましくは10%〜50%であり、より好ましいのは10%〜30%である。
高分子ポリオールとしては、実質的に線状のホモ又は共重合体からなる各種ジオール、例えば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルアミドジオール、ポリアクリルジオール、ポリチオエステルジオール、ポリチオエーテルジオール、又はこれらの混合物又はこれらの共重合物等が挙げられる。ポリエーテルグリコールとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール、テトラメチレン基と2,2−ジメチルプロピレン基から成る共重合ポリエーテルグリコール、テトラメチレン基と3−メチルテトラメチレン基から成る共重合ポリエーテルグリコール又はこれらの混合物等である。ポリエステルジオールとしては、アジピン酸、フタル酸などの二塩基酸とエチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのグリコール類との縮合脱水反応によるアジペート系ポリエステルジオール、ε−カプロラクトンの開環重合によるポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等である。高分子ポリオールは、数平均分子量として500〜2,500のものが好ましい。より好ましくは、600〜2,200であり、特に好ましくは、800〜1,800である。
単官能性活性水素原子を有する末端停止剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3−メチル−1−ブタノール等のモノアルコールや、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン等のモノアルキルアミンや、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン等のジアルキルアミンが挙げられる。これらは単独で、又は混合して用いてもよい。
また、例えば、ポリエステル繊維との混用の場合、本発明のポリウレタン弾性繊維は、180℃でポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維とを熱接着させた際の剥離応力が0.02cN/dt以上であることが好ましい。より好ましくは0.03cN/dt以上である。
さらに、例えば、綿との混用の場合、本発明のポリウレタン弾性繊維は、140℃でポリウレタン弾性繊維と綿とを熱により接着させた際の剥離応力が0.01cN/dt以上であることが好ましい。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、生地製品を加工する時の糸切れ耐熱性の観点から、原糸を50%伸長下、180℃の熱体に接触させた際に、破断が起こるまでの時間が30秒以上であることが好ましい。高温でも糸切れしにくいため、加工時の温度条件の制約の少ない生地を提供することができる。
また本発明のポリウレタン弾性繊維は、変成シリコーンの含有率が0.1%未満であることが好ましい。変成シリコーンはジメチルシリコーン鎖の末端、中間部側鎖を官能基で修飾したものであり、例えば、アミノ変成シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等があげられる。変成シリコーンは、繊維状に加工する紡糸前のポリウレタンドープ中に添加されたり、仕上げ油剤の成分として紡糸後に付与されて、ポリウレタン弾性繊維中に添加される。これら変成シリコーンは、変成されていないシリコーンに比べ、ポリウレタン成分との親和性が高く、加工処理を施しても、ポリウレタン繊維表面に残りやすいため、熱による接着性を低下させる。ポリウレタン繊維中に0.1%未満とすることで、ポリウレタン弾性繊維の熱接着性を発現することができる。より好ましくは、変成シリコーンを含有しないものである。
このポリウレタン紡糸原液には、ポリウレタン弾性繊維に通常用いられる他の化合物、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、耐ガス着色防止剤、耐塩素剤、着色剤、艶消し剤、滑剤、充填剤等を添加してもよい。
以下にポリウレタン弾性繊維の性能評価のための各種評価方法について述べる。
(1)熱接着剥離応力 (ポリウレタン弾性繊維同士)
5cm幅でサンプリング(両端は両面テープに挟んで固定)した2本の試験糸を、図1のように中心で交絡させ、1cmの間隔を空けて金型に固定する。原糸が100%伸長となるように伸長させた状態で、湯洗を90℃10分間行った後、乾熱で180℃1分間処理する。処理後、金枠からサンプルを外し、交絡を解除して、融着部だけで2本が接する状態にする。各々の試験糸両端は重ねておく。
引張試験機(オリエンテック(株)社製UTM−III−100型(商品名))を用い、各々の試験糸両端を試験機上下チャックにあわせてつかみセットする。50cm/分で引張り接着部が剥がれる際の最大応力P(cN)を測定し、ポリウレタン弾性繊維サンプルの繊度(dt)で除する。
24ゲージ/2.54cmの4口丸編機にて、給糸4本中3本を混用相手糸、1本をポリウレタン弾性繊維試験糸を用い、相手糸の給糸速度450m/分に対し、試験糸180m/分のドラフト2.5の条件で丸編地を作成する。作成した編地を湯洗を90℃10分間行った後、乾熱で180℃1分間処理する。処理した編地を編目に沿って切断し、引張試験機(オリエンテック(株)社製UTM−III−100型(商品名))を用い、図2のように上部チャックに編地をセットし、編地の端から引き出したポリウレタン弾性繊維の端を下部チャックにセットし、50cm/分の速度で引張り、編地の一端からポリウレタン弾性繊維を抜き出す際の応力T(cN)を測定し、ポリウレタン弾性繊維サンプルの繊度(dt)で除する。
相手糸としては、それぞれ以下のものを用いる。
1) ポリアミド繊維: ナイロン66加工糸 78T/34f
2) ポリエステル繊維: ポリエステル加工糸 84T/36f
3) 綿: 綿 80番手/1
引張試験機(オリエンテック(株)社製UTM−III−100型(商品名))により、20℃、65%RH雰囲気下で、初期長5cmで引張試験機にセットし、1000%/分の速度で、伸度300%までの伸長・回復を3回繰り返した時の、3回目の回復時の伸度100%における応力R(cN)を測定する。
また、3回目回復時に応力が0になる伸長率をH(%)としたとき、回復率L(%)=100−Hで求める。
初期長14cmの試験糸を50%伸長して21cmとし、180℃の熱体に押し当て(接触部分1cm)、切断されるまでの秒数を測定する。
24ゲージ/2.54cmの4口丸編機にて、ナイロン66加工糸78T/34fとのベア天竺丸編地を、ナイロン66の給糸速度86m/分、ポリウレタン弾性繊維試験糸39m/分のドラフト2.2、給糸張力5cNで編立する。編地を花王(株)社製非イオン系界面活性剤スコアロールFC250を2g/Lの浴中、浴比1:30で、80℃10分間精錬、リラックス後、乾熱で180℃1分間処理する。処理した編地を1辺を編目に沿って、1辺10cmの正方形に切断した試験片を、洗濯機で水30Lに対し、花王(株)社製洗剤アタック(商標)20gを入れた洗濯機で250分洗濯する。その後、流水条件下ですすぎ200分を行い、取り出した試験片の縁のほつれの有無を確認する。
数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールに対し、1.6倍当量の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとを乾燥窒素雰囲気下、80℃において3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。これを室温まで冷却した後、ジメチルアセトアミドを加え、溶解してポリウレタンプレポリマー溶液とした。
一方、エチレンジアミンおよびジエチルアミンを乾燥ジメチルアセトアミドに溶解した溶液を用意し、これを前記プレポリマー溶液に室温下添加して、ポリウレタン固形分濃度30重量%、粘度450Pa・s(30℃)のポリウレタンウレア溶液PA1を得た。
実施例1において、ポリウレタンウレア溶液と熱可塑性ポリウレタン溶液をPA1:PU1=50:50で混合する以外は、実施例1と同様にして44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
実施例1の熱可塑性ポリウレタン溶液PU2の代わりに、数平均分子量1780のポリテトラメチレンエーテルグリコールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、乾燥窒素雰囲気下、80℃において3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーとした後、1,4−ブタンジオールを前記プレポリマーに室温下添加して、軟化点96℃、ガラス転移点−54℃の熱可塑性ポリウレタンを得る。これにジメチルアセトアミドを加え、固形分濃度30重量%の熱可塑性ポリウレタン溶液PU2を得た。
得られた熱可塑性ポリウレタン溶液をPA1:PU2=80:20で混合し、実施例1と同様にして44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
実施例1の熱可塑性ポリウレタン溶液PU1の代わりに、数平均分子量950のポリテトラメチレンエーテルグリコールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、乾燥窒素雰囲気下、80℃において3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーとした後、1,4−ブタンジオールを前記プレポリマーに室温下添加して、軟化点114℃、ガラス転移点−55℃の熱可塑性ポリウレタンを得る。これにジメチルアセトアミドを加え、固形分濃度30重量%の熱可塑性ポリウレタン溶液PU3を得た。
得られた熱可塑性ポリウレタン溶液をPA1:PU3=80:20で混合し、実施例1と同様にして44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
実施例1の熱可塑性ポリウレタン溶液PU1の代わりに、数平均分子量2000のポリブチレンアジペートジオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、乾燥窒素雰囲気下、80℃において3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーとした後、1,4−ブタンジオールを前記プレポリマーに室温下添加して、軟化点64℃、ガラス転移点−40℃の熱可塑性ポリウレタンを得る。これにジメチルアセトアミドを加え、固形分濃度30重量%の熱可塑性ポリウレタン溶液PU4を得た。
得られた熱可塑性ポリウレタン溶液をPA1:PU4=80:20で混合し、実施例1と同様にして44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
実施例1の熱可塑性ポリウレタン溶液PU1の代わりに、数平均分子量2000のポリカプロラクトンジオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、乾燥窒素雰囲気下、80℃において3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーとした後、1,4−ブタンジオールを前記プレポリマーに室温下添加して、軟化点130℃、ガラス転移点−48℃の熱可塑性ポリウレタンを得る。これにジメチルアセトアミドを加え、固形分濃度30重量%の熱可塑性ポリウレタン溶液PU5を得た。
得られた熱可塑性ポリウレタン溶液をPA1:PU5=80:20で混合し、実施例1と同様にして44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
実施例1の数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコールに代えて、数平均分子量2000のテトラメチレン基と2,2−ジメチルプロピレン基からなる共重合ポリエーテルグリコール(2,2−ジメチルプロピレン基の共重合率10モル%)を用いる以外は同様な方法で、ポリウレタンウレア溶液PA2を得る。
得られたポリウレタンウレア溶液と熱可塑性ポリウレタン溶液をPA2:PU1=80:20で混合し、実施例1と同様にして44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールに対し、1.6倍当量の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとを乾燥窒素雰囲気下、80℃において3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。これを室温まで冷却した後、ジメチルアセトアミドを加え、溶解してポリウレタンプレポリマー溶液とした。
一方、エチレンジアミンおよびジエチルアミンを乾燥ジメチルアセトアミドに溶解した溶液を用意し、これを前記プレポリマー溶液に室温下添加して、ポリウレタン固形分濃度30重量%のポリウレタンウレア溶液PA1を得た。
この紡糸原液を紡糸速度800m/分、熱風温度310℃で乾式紡糸し、得られたポリウレタン弾性繊維をパッケージに巻き取られる前に、仕上げ剤として、ポリジメチルシロキサン80重量%、鉱物油18重量%、ステアリン酸マグネシウム2重量%からなる油剤を、ポリウレタン弾性繊維に対して5重量%付与し、紙製の紙管に巻き取ることで、44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、乾燥窒素雰囲気下、80℃において3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーとした後、1,4−ブタンジオールを前記プレポリマーに室温下添加して、軟化点63℃、ガラス転移点−61℃の熱可塑性ポリウレタンを得る。これにジメチルアセトアミドを加え、固形分濃度30重量%の熱可塑性ポリウレタン溶液PU1を得た。
得られた熱可塑性ポリウレタン溶液PU1に対し、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)を1重量%、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールを0.5重量%をポリウレタン溶液と混合して、均一な溶液とした後、室温減圧下で脱泡して、これを紡糸原液とした。
以上の各実施例および比較例における組成を表1に、得られたポリウレタン弾性繊維の性能を表2に示す。
Claims (10)
- 180℃で乾熱処理した際のポリウレタン弾性繊維同士の熱接着剥離応力が0.2cN/dt以上であり、熱可塑性ポリウレタンを5%以上60%以下、ポリウレタンウレアを40%以上含み、熱可塑性ポリウレタンが、数平均分子量600〜2000の高分子ポリオールと、ジイソシアネートと、低分子ジオールを反応させて得られる、軟化点が50℃〜140℃、ガラス転移点が−70℃〜−20℃の熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とするポリウレタン弾性繊維。
- ジメチルシリコーン、鉱物油、ステアリン酸マグネシウムからなり、変性シリコーンの含有量が1.0%未満である油剤が、ポリウレタン弾性繊維の固形分に対し、2%以上10%以下付与されていることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン弾性繊維。
- 180℃で乾熱処理した際のポリウレタン弾性繊維とポリアミド繊維との熱接着剥離応力が0.02cN/dt以上であることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン弾性繊維。
- 180℃で乾熱処理した際のポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維との熱接着剥離応力が0.02cN/dt以上であることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン弾性繊維。
- 140℃で乾熱処理した際のポリウレタン弾性繊維と綿との熱接着剥離応力が0.01cN/dt以上であることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン弾性繊維。
- 原糸の300%伸長回復繰り返し測定時の回復率が85%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
- 50%伸長下180℃の熱体に接触させた際に破断するまでの時間が30秒以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
- ジメチルシリコーン成分を2.5%以上含有し、変性シリコーン成分が0.1%未満であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
- 熱可塑性ポリウレタンを5%以上60%以下、ポリウレタンウレアを40%以上含み、DMFまたはDMAcに溶解したポリウレタン組成物を、乾式紡糸法で紡糸することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
- ジメチルシリコーン成分を含み、変性シリコーンの含有量が1.0%未満である油剤を、ポリウレタン弾性繊維にジメチルシリコーン成分が2.5%以上含有するように紡糸後に仕上げ剤として付与することを特徴とする請求項9記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
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