JP4289216B2 - 混繊ポリウレタン弾性糸、その製法、及び伸縮性繊維構造物 - Google Patents

混繊ポリウレタン弾性糸、その製法、及び伸縮性繊維構造物 Download PDF

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Description

本発明は、混繊ポリウレタン弾性糸、その製法、及び、その用途に関する。
さらに詳しくは、熱接着工程を通すことによって熱接着させることができ、かつ、熱接着工程を通した後も高い弾性回復性を有する混繊ポリウレタン弾性糸、その製法、及び、その混繊ポリウレタン弾性糸と他の繊維等からなる伸縮性繊維構造物に関するものである。
ポリウレタンやポリウレタンウレアからの紡糸によって製造されるポリウレタン系弾性繊維は、他の繊維や不織布等に伸縮性を付与する素材として混用され、衣料用等の広汎な用途で用いられている。例えば、不織布と不織布との間にポリウレタン系弾性繊維を挟んで伸縮性不織布を製造し、使い捨ての衣類やおむつ等を製造する用途がある。
この伸縮性不織布の製造においては、ポリウレタン系弾性繊維を不織布に固着させることが必要であり、そのために接着剤が使用されている。接着剤で固着させる代わりに、ポリウレタン系弾性繊維の融点以上の温度で熱処理することによりポリウレタン系弾性繊維を不織布に固着させることも考えられるが、ポリウレタン系弾性繊維が熱固着するほどの熱をかけると、その弾性機能が大きく損なわれ、伸縮性の劣る伸縮性不織布になるという問題があり、ポリウレタン系弾性繊維自体の特性を利用して熱固着させることは困難と考えられていた。
また、ポリウレタン弾性糸を混用して製編織された交編織布帛の場合、ポリウレタン弾性糸と他の繊維糸とは編織組織中で相互に位置規制されているだけであるので、その交編織布帛を裁断して縫製する際に、裁断端が解れ易い。さらに、裁断端が解れて編織組織中での相互位置規制が弱くなると、伸長状態で交編職されている弾性糸は収縮し易くなり、収縮して編織組織から抜け落ちるという現象(いわゆる、スリップ・インといわれる現象)が生じてくる。
このスリップ・インが生じると、弾性糸は裁断端部分から抜け落ちて布帛内部に潜り、しかも非伸長状態に近くなるので、伸縮性の劣る伸縮性布帛になって使用できなくなる。布帛内部に潜ってしまった弾性糸端を見出して引っ張りだして伸長状態にすれば、布帛の伸縮性を復活させることができるが、その糸端引っ張り出し作業は相当に手間のかかる作業であって、現実的な対処方法とは言い難い。
一方、熱処理によって固着させることが可能な熱接着性繊維として、鞘層に低融点ポリマを用いた芯鞘型複合繊維が知られており(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、例えば、反物のカット面の解れ防止のための混用繊維として、また、各種不織布中の接合成分として、多用されている。しかし、この熱接着性芯鞘型複合繊維は、複合紡糸口金による溶融複合紡糸によって製造するために、芯成分と鞘成分のポリマの融点が近いことが必要である。そのため、ポリエステル系樹脂やポリオレフィン系樹脂等の容易に溶融紡糸できる非弾性ポリマが使用され、いずれの熱接着性芯鞘型複合繊維も非伸縮性繊維である。
また、熱接着性の糸として、通常の合成繊維と低融点熱接着繊維とを混繊加工した熱接着性混繊糸が知られている(特許文献3参照)。しかし、この混繊糸で用いられている熱接着性繊維も、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体、或いはポリオレフィン系重合体という熱可塑性重合体からなる非伸縮性の熱接着性繊維であり、この場合も、伸縮性を有さない熱接着性混繊糸である。
このように、従来の熱接着性用の繊維や糸条は、いずれも弾性を有さないものであった。
特開2003−342836公報 特開2000−54251公報 特開2003−96633公報
ポリウレタン系弾性繊維を固定した伸縮性不織布の製造時において、ポリウレタン系弾性繊維と不織布とを固着させるために接着剤等の別素材を併用しなくすむ技術が求められ、そのために、ポリウレタン弾性糸であってかつ接着機能を兼備しているものが望まれている。
また、ポリウレタン弾性糸を交編織させた伸縮性布帛の場合、縫製等の布帛加工工程において、裁断端の解れを防止することや、弾性糸のスリップ・インを防止することが求められて、そのために、接着機能を兼備したポリウレタン弾性糸が望まれている。
しかし、前記したような従来の熱接着性芯鞘型複合繊維や熱接着性複合糸はいずれも非弾性熱可塑性樹脂を用いた非伸縮性繊維糸であり、この従来技術では熱接着後も弾性機能を発揮する熱接着性弾性糸を製造することは困難である。
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、熱接着工程を通すことによって容易に熱接着させることができ、しかも、熱接着工程を通した後にも高い伸縮性と高い柔軟性を有する混繊ポリウレタン弾性糸を提供すること、その製造方法を提供すること、さらに、その混繊ポリウレタン弾性糸を利用し、裁断端の解れや弾性糸のスリップ・インが生じ難い伸縮性繊維構造物を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、本発明の混繊ポリウレタン弾性糸は、高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン系弾性繊維からなることを特徴とするものである。
また、この混繊ポリウレタン弾性糸は、高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン系弾性繊維を引きそろえた後、巻き取ることによって製造できるものである。
本発明によれば、熱接着工程によって熱接着させることができ、しかも、熱接着させた後にも高い伸縮性と高い柔軟性とを発揮する混繊ポリウレタン弾性糸が得られ、この混繊ポリウレタン弾性糸を用いることによって、裁断端の解れや弾性糸のスリップ・インが生じ難い伸縮性布帛の製造が可能となり、また、接着剤なしでの伸縮性不織布の製造が可能となる。このように、本発明の混繊ポリウレタン弾性糸を用いた伸縮性布帛は、縫製工程で裁断端がほつれたり、弾性糸がスリップインしたりというトラブルを防止することができるので、縫製等の高次加工工程における取り扱い性が向上し、また、伸縮性繊維製品の欠点を減少させることができる。
以下、本発明の混繊ポリウレタン弾性糸、及びその製法について、さらに詳細に述べる。
本発明の混繊ポリウレタン弾性糸は、高温側の融点(以下、TMHと称する)が相違する少なくとも2種のポリウレタン系弾性繊維からなる混繊ポリウレタン弾性糸であって、そのTMHが高いポリウレタン系弾性繊維と低いポリウレタン系弾性繊維とでTMHの値が10℃以上異なることが必要である。
ここで、ポリウレタン系弾性繊維のTMHは、ポリウレタン系弾性繊維の融点測定において150℃以上で生ずる融点であり、通常のセグメンテッドポリウレタンにおけるハードセグメントの融点がこれに該当する。このTMHは、通常、デファレンシャル・スキャニング・カロリメーター(以下、DSCと称する)により測定することが出来る。
なお、ポリウレタン系弾性繊維の種類によっては幾つかの融点を示すものもあるが、かかる場合、本発明におけるTMHとは、そのうちの最も高い融点を指す。
一方、低温側の融点(以下、TMSと称する)は70℃以下で生ずる融点であり、通常のセグメンテッドポリウレタンにおけるソフトセグメントの融点がこれに該当する。このTMSも、通常、DSCにより測定することが出来る。
本発明の混繊ポリウレタン弾性糸は、TMHが高いポリウレタン系弾性繊維と、それよりもTMHが10℃以上低いポリウレタン系弾性繊維から構成されるものである。ここで、TMHが高いポリウレタン系弾性繊維を、以下、HTM−PU繊維と称し、一方、TMHが低いポリウレタン系弾性繊維を、以下、LTM−PU繊維と称する。なお、3種類以上のポリウレタン系弾性繊維で構成される場合には、それらのうち、TMHが最も高いものをHTM−PU繊維とし、TMHが最も低いものをLTM−PU繊維とする。
HTM−PU繊維のTMHとLTM−PU繊維のTMHとの温度差が10℃未満である場合には、両繊維間の耐熱性の温度差が小さ過ぎるので、熱処理工程によって融着させる時の強度低下が大きく、熱処理後における混繊ポリウレタン弾性糸の強度保持率が低くなり過ぎ、本発明の目的を達成し難い。
HTM−PU繊維とLTM−PU繊維とは、そのTMHの温度差が20℃以上であることが好ましい。更に好ましくは温度差が30℃以上である。このような温度差があると、本発明の混繊ポリウレタン弾性糸は、熱接着後も良好な弾性を発揮できる熱接着性弾性糸として広汎な用途で活用することができる。
本発明の混繊ポリウレタン弾性糸は、HTM−PU繊維とLTM−PU繊維とが引きそろえられ、必要に応じて、交絡処理され、又は撚り合わされてなる混繊糸である。即ち、この混繊糸は、上記した2種類の繊維を引き揃えることによって組み合わされてなる糸条である。
本発明の混繊糸におけるHTM−PU繊維とLTM−PU繊維との比率は特に限定されるものではないが、重量比率で、HTM−PU繊維が40〜98%、LTM−PU繊維が60〜2%であることが好ましい。さらに好ましい重量比率は、HTM−PU繊維が60〜90重量%、LTM−PU繊維が40〜10%を占めることである。このような重量比率でもってHTM−PU繊維とLTM−PU繊維とが含まれることにより、十分な熱接着性を有するとともに、熱接着後も十分な弾性機能を発揮する混繊糸とすることができる。
本発明の混繊ポリウレタン弾性糸を構成するHTM−PU繊維とLTM−PU繊維とは、その少なくとも一方が、2本以上の繊維が合着されたものであることが好ましい。なかでも、HTM−PU繊維の方が合着されたものであることが好ましいが、HTM−PU繊維、LTM−PU繊維の双方ともに合着されたものであってもよい。
このように合着された繊維で構成されていると、熱接着処理時においても、混繊ポリウレタン糸全体が熱により切断しにくくなり、また、熱接着後も柔軟性を発揮しやすい。
このような合着されたポリウレタン繊維としては、例えば、100dtexのHTM−PU繊維の場合、10dtexのHTM−PU繊維の10本が互いに合着して1本のHTM−PU繊維のような状態を形成しているものが挙げられる。この合着された繊維を形成する各繊維の単糸繊度は15dtexより細いことが好ましい。
かかる合着糸は、口金から吐出した糸を高温の不活性ガス中で乾燥し冷却した後に巻き取る乾式紡糸工程において、適度に乾燥された複数の繊維を合接着させることによって製造することができる。その合接着の手段としては、例えば特許第2724214号公報に記載されているエアージェット撚糸器による方法があげられる。この方法は、口金から吐出された糸を乾燥する紡糸室の出口近傍に、適度な量の気体エアーにより撚りを与える撚糸器(エアージェット撚糸器)を設け、この撚糸器に複数本の糸を通して撚り合わせ、この撚りを上流側に伝播させて、紡糸室内の乾燥途中の糸を合接着させるものである。
また、特開平10−46432号公報に開示されている非仮撚り方式で引き揃えて熱融着させることにより合接着させる方法もある。この方法の場合は、適度に乾燥された状態の複数本の糸を、狭いスリットや溝付きローラーなどの細巾スリットに通すことにより、複数本の糸を強制的に接触せしめて合接着させるものである。この方法によれば、糸に撚りを加える必要はないので、糸むらが生じにくい利点がある。
本発明の混繊ポリウレタン弾性糸を構成するHTM−PU繊維とLTM−PU繊維とは、その混繊ポリウレタン弾性糸中において、それら繊維どうしが少なくともその一部どうしで融着していることが好ましい。両繊維どうしが部分的に融着していると、混繊ポリウレタン弾性糸自体の割れが生じ難く、高次加工での取り扱いが容易であるなどの利点がある。
本発明で用いるHTM−PU繊維、LTM−PU繊維は、ポリウレタン系ポリマから構成される繊維である。このポリウレタン系ポリマの分子構造組成は限定されるものではなく、任意のものが広く適用できる。例えば、双方の繊維ともに分子構造がポリウレタンからなるものでもよいし、また、双方の繊維ともにポリウレタンウレアからなるものでもよい。なかでも好ましい分子構造組成の組み合わせとしては、HTM−PU繊維がポリウレタンウレアからなり、LTM−PU繊維がポリウレタンからなる場合があげられる。
ポリウレタンウレアからなる弾性繊維は、耐熱性が高く、伸度を高くし易いという特性をもつ。一方、ポリウレタンからなる弾性繊維は、耐光性などが高く、TMHを低くしやすいという特性をもつ。そこで、これら両繊維を組合せて用いることにより、高い伸度を有し、熱接着可能な混繊ポリウレタン弾性糸を作ることができる。
また、HTM−PU繊維は、そのTMHが250℃以上であることが好ましい。このTMHとしてより好ましいのは265℃以上である。特に好ましいTMHは270℃以上である。かかる特性を有するHTM−PU繊維を用いた場合には、得られる混繊ポリウレタン弾性糸の耐熱性が高くなり、高い温度で熱接着処理しても柔軟性に富み、伸縮性の高い布帛などの繊維構造物を容易に作ることができる。
ポリウレタン系弾性繊維を構成するポリウレタンやポリウレタンウレアとしては、TMHが前記した条件範囲内となるものであれば、任意のものが使用でき、特に限定されるものではない。ここで、ポリウレタンウレアは、ポリオール、ジイソシアネート、及びジアミン系鎖伸長剤から重合されたポリマであり、ポリウレタンは、ポリオール、ジイソシアネート、及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリマである。
これらポリウレタンウレアやポリウレタンに使用されるポリオールとしては、ポリエーテル系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオールなどが好ましい。
ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)が挙げられ、また、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)と環状エーテルやジオールとを共重合させた共重合ポリテトラメチレンエーテルグライコール(以下、共重合PTMGと略す)が挙げられる。この共重合PTMGとしては、例えば、THFと3−メチルTHFとの共重合体(以下、3M−PTMGと略す)、THFと2,3−ジメチルTHFとの共重合体、THFとエチレンオキシドとの共重合体がある。さらに、特許第2615131号公報などに開示される側鎖を両側に有するポリオールなども用いることが出来る。またさらにこれらのポリエーテル系グリコールの1種または2種以上を混合もしくは共重合させて使用するのも好ましい。
ポリエステル系ポリオールとしては、エチレンアジペート、ブチレンアジぺート、エチレン・ブチレンアジぺート、ポリカプロラクトンジオール、特公平5−8728号公報 などに開示されている側鎖を有するポリエステルポリオールなどのポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオールなどが代表的なものであり、ポリオールとして好ましい。
これらポリオールのうち、特に、PTMG、および/または共重合PTMGが好ましい。
また、こうしたポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上を混合もしくは共重合させて用いてもよい。伸度、強度、弾性回復力、耐熱性に優れたポリウレタン系弾性繊維を得る観点から、このポリオールの数平均分子量は1000以上8000以下の範囲にあるのが好ましく、1800以上6000以下の範囲にあるのがより好ましい。
本発明におけるHTM−PU繊維やLTM−PU繊維に用いられるジイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性体(カーボジイミド変性体、ウレタン変性体、ウレトジオン変性体など)及びこれらの2種以上の混合物などが好ましい。
前記芳香族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。
前記脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが好ましい。
前記脂環族ジイソシアネートの具体例としては、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、H12MDIと称する。)、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが好ましい。
これらのうち、各種用途において、最終製品の強度を向上させ、優れた耐熱性や強度を得る観点からは、芳香族ジイソシアネートが好ましく、特に好ましいものはMDIである。また、ポリウレタン弾性糸の黄変を抑制する観点からは脂肪族ジイソシアネートが好ましい。そして、これらのジイソシアネートは単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明におけるポリウレタンウレアに用いられる鎖伸長剤のジアミンとしては、低分子量ジアミン等が好ましい。低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイドなどが好ましい。これらの低分子量ジアミンから1種または2種以上を選択して使用すればよい。なかでも、伸度及び弾性回復性、さらに耐熱性に優れた弾性糸を得る観点からして、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンが好ましい。
なお、ジアミン系鎖伸長剤として、エタノールアミンのような水酸基とアミノ基を分子中に有するものを使用してもよい。これらの鎖伸長剤に、架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えば、ジエチレントリアミンなどが効果が失われない程度に使用されてもよい。
本発明におけるポリウレタンに用いられる鎖伸長剤のジオールとしては、低分子量ジオールが好ましい。低分子量ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1、3プロパンジオール、1、4ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレートなどが挙げられる。なかでも、エチレングリコール、1、3プロパンジオール、1、4ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。これらの低分子ジオールから1種または2種以上が選ばれて用いられる。
上記した重合成分を適宜選定して重合しポリウレタンやポリウレタンウレアを製造し、さらに紡糸することによりHTM−PU繊維やLTM−PU繊維が製造される。そして、これら弾性繊維を用いて、本発明の混繊ポリウレタン弾性糸を製造することができる。
本発明の混繊ポリウレタン弾性糸を構成する、ポリウレタンウレアからなる弾性繊維は、乾式紡糸により製造された弾性繊維であることが好ましい。これは、ポリウレタンウレアから成るポリウレタン繊維をHTM−PU繊維として使用する場合でも、LTM−PU繊維として使用する場合でも同様であるが、特に、HTM−PU繊維として使用するポリウレタンウレアからなる弾性繊維の場合に効果的である。ポリウレタンウレアは高い耐熱性を有する弾性ポリマであり、乾式紡糸による場合、耐熱性に富み、良好な伸縮性を有する良好な弾性繊維を製造し易いので、乾式紡糸によるポリウレタンウレア弾性繊維を用いると、ムラが少なく均一性良好な混繊ポリウレタン弾性糸が製造し易い。
本発明の混繊ポリウレタン弾性糸に用いる弾性繊維は、前述したような特徴を有するものであるが、適宜、各種の添加剤、安定剤などを含んでいてもよい。例えば、ハイドロタルサイト類化合物、フンタイト及びハイドロマグネサイト、トルマリンなどに代表される各種の鉱物、Ca、Mg、Zn、Al、Ba、Tiに代表される金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物などが、本発明の効果を損なわない範囲内で含まれていてもよい。
また、これら無機系添加剤の糸中への分散性を向上させ、紡糸を安定化させる等の目的で、例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオール系有機物等の有機物、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤またはこれらの混合物で表面処理された無機薬品を用いることも好ましい。
さらに、これら弾性繊維には、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。例えば、耐光剤、酸化防止剤などとして、いわゆるBHTや住友化学工業(株)製の“スミライザー”GA−80などをはじめとする両ヒンダードフェノール系薬剤、チバガイギー社製“チヌビン”等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学工業(株)製の“スミライザー”P−16等のリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料、フッ素系樹脂粉体またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などの各種の帯電防止剤などを添加してもよいし、またポリマと反応して存在させてもよい。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるためには、酸化窒素捕捉剤、例えば日本ヒドラジン(株)製のHN−150、熱酸化安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミライザー”GA−80等、光安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミソーブ”300#622などの光安定剤などを含有させることが好ましい。
本発明の混繊ポリウレタン弾性糸を構成する弾性繊維の繊度、断面形状などは特に限定されるものではない。例えば、断面形状は円形であっても、また扁平であってもよい。
次に、本発明の混繊ポリウレタン弾性糸の製造方法について説明する。
本発明においては、TMHが少なくとも10℃以上差のある2種のポリウレタン系弾性繊維を使用する。そして両繊維を引きそろえた後に巻き取る。この引きそろえとともに、繊維を集束させるための処理、例えばエアー交絡処理などをいれてもよい。
ここで、HTM−PU繊維としては、乾式紡糸により製造され、TMHが250℃以上の、ポリウレタンウレアからなる弾性繊維を用いることが好ましい。また、LTM−PU繊維としては、ポリウレタンからなる弾性繊維を用いることが好ましい。
このように引き揃えら、必要に応じて交絡処理された後、さらに必要に応じて、LTM−PU繊維の熱変形温度以上の温度で、熱処理すること、及び/又は、1.5倍以上で熱延伸することが好ましい。
ここで、熱変形温度は、LTM−PU繊維に(1g/3dtex)の荷重をかけた状態で3分間乾熱処理し、その熱処理時間中に糸が切断する温度のうちの最低温度値である。
かかる熱変形温度以上で熱処理や熱延伸を行うことにより、HTM−PU繊維とLTM−PU繊維とは少なくとも部分的に融着が生じ、部分的に熱接着された状態となる。なお、この熱処理は、温度を高めるのみでもよいし、さらに圧力を加えた条件下でもよい。また、特に好ましい方法として高温で熱延伸することが挙げられる。その温度としては、LTM−PU繊維の熱変形温度以上で、かつ、HTM−PU繊維のTMHよりも20℃低い温度(TMH−20℃)以下で行うことが好ましい。
熱延伸する場合の延伸倍率は1.5倍以上とすることが好ましい。熱延伸することにより混繊糸は見かけ上、一本の糸のようになり、以後の取り扱いが容易になるのである。なお、この熱処理の前後で、適宜、油剤などを除去する処理などをしてもよい。
このようにして製造された本発明の混繊ポリウレタン弾性糸は、伸縮性繊維素材として、天然繊維や合成繊維等の他の繊維と組み合わせて、または、不織布等の他の繊維製布帛状物と組み合わせて使用され、さらに必要に応じ、他の繊維素材(天然繊維や合成繊維等の他の繊維や不織布等)と少なくとも部分的に熱接着させることにより使用される。
このようにして製造される伸縮性繊維構造物は、繊維を主構成成分とする繊維構造物であって伸縮性が付与されたものである。その代表的なものとしては、弾性繊維が混用されて伸縮性を有する織物、編物、不織布などの布帛があり、また、非伸縮性布帛と弾性繊維とを組合わせて積層させた構造の物も含まれる。積層構造の物としては、不織布の間に弾性繊維を挟み込んで固定した伸縮性積層不織布が挙げられる。これら伸縮性布帛や伸縮性積層不織布は、所定の形状に裁断され、縫製や接着などによって所定形状の製品(例えば、各種の衣服や紙おむつなど)に加工される。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものでない。
[実施例1]
分子量1800のポリテトラメチレンエーテルグライコールとMDIとを付加比率が1.58になるように容器に仕込み、90℃で反応せしめ、得られた反応生成物をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させた。次に、エチレンジアミン及びジエチレンアミンを含むDMAc溶液を、前記反応物が溶解した溶液に添加して、ポリマ中の固体分が35重量%であるポリウレタンウレア溶液を調製した。
このポリウレタンウレア溶液を、紡糸口金から高温の不活性ガス中に8フィラメントを吐出し、この高温ガス中の通過により乾燥し、乾燥途中の糸が撚り合わされるようにエアージェット式撚糸器を通し、8フィラメントを合着させ、540m/分のスピードで巻き取り、8フィラメント合着で110dtexのポリウレタンウレア弾性繊維を製造した。得られたポリウレタンウレア弾性繊維のTMH(DSC測定による)は、約275℃であった。
また、分子量2900のポリテトラメチレンエーテルグライコールとMDIとを付加比率が3.5となるように容器に仕込み、90℃で反応せしめ、得られた反応生成物をDMAcに溶解させた。次に、鎖伸長剤であるエチレングリコールを含むDMAc溶液を、前記反応物が溶解した溶液に添加して、ポリマ中の固体分が35重量%であるポリウレタン溶液を調製した。
次に、得られたポリウレタン溶液を紡糸口金から高温の不活性ガス中に、2フィラメントを吐出し、この高温ガス中の通過により乾燥し、乾燥途中の糸を狭いスリットの間を通過させて合着させ(非仮撚り方式による合着)、500m/分のスピードで巻き取り、2フィラメント合着で25dtexのポリウレタン弾性繊維を製造した。得られた弾性繊維のTMH(DSC測定による)は、約230℃であった。また、この弾性繊維の熱変形温度は、約140℃であった。
次に、上記によって得られたポリウレタンウレア弾性繊維1本とポリウレタン弾性繊維3本とを引きそろえ、次いで、ドラフト1.0で190℃のチューブヒーターを通して熱処理し、巻き取った。得られた混繊糸中において、ポリウレタン弾性繊維とポリウレタンウレア弾性繊維は一部、熱接着していた。この混繊糸において、ポリウレタンウレア弾性繊維の比率は約81%であった。
次に、この混繊糸を、2枚のポリエチレンテレフタレート主体の不織布の間にドラフト2.5で供給して挟み込み、さらにこの積層不織布を170℃の熱ローラーに通して熱融着を生じさせ、伸縮性不織布を製造した。得られた伸縮性不織布は、弾性糸の固定に接着剤を使用なかったが、不織布と弾性糸との固着により綺麗なギャザーが形成されており、伸縮性に富むものであった。
得られた伸縮性不織布のギャザー形成部分を1cm幅にカットし、弾性糸をピンセットで引き抜こうとしたが、引き抜けなかった。また、不織布のカット面において、弾性糸のスリップ・インは生じなかった。
[実施例2]
実施例1で得られたポリウレタンウレア弾性繊維1本とポリウレタン弾性繊維3本とを引きそろえ、次いで、ドラフト2.0で200℃のチューブヒーターを通して熱延伸し、巻き取った。得られた混繊糸中において、ポリウレタン弾性繊維とポリウレタンウレア弾性繊維はほぼ熱接着していた。見かけとしては1本の糸状であり、糸条繊度は105dtexで、延伸されていた。この混繊糸において、ポリウレタンウレア弾性繊維の比率は約81%であった。
次に、この混繊糸を、2枚のポリエチレンテレフタレート主体の不織布の間にドラフト2.5で供給して挟み込み、さらにこの積層不織布を180℃の熱ローラーに通して熱融着を生じさせ、伸縮性不織布を製造した。得られた伸縮性不織布は、弾性糸の固定に接着剤を使用なかったが、不織布と弾性糸との固着により綺麗なギャザーが形成されており、伸縮性に富むものであった。
得られた伸縮性不織布のギャザー形成部分を1cm幅にカットし、弾性糸をピンセットで引き抜こうとしたが、引き抜けなかった。また、不織布のカット面において、弾性糸のスリップ・インは生じなかった。
[実施例3]
THFと3−メチルTHFとを共重合させてなる共重合PTMG(THFの共重合割合12.5モル%、分子量3500)とMDIとを付加比率が3.5となるように容器に仕込み、90℃で反応せしめ、得られた反応生成物をDMAcに溶解させた。次に、鎖伸長剤である1,4ブタンジオールを含むDMAc溶液を、前記反応物が溶解した溶液に添加して、ポリマ中の固体分が40重量%であるポリウレタン溶液を調製した。
得られたポリウレタン溶液を実施例1と同様に紡糸口金から高温の不活性ガス中に吐出し、、スリット通過による非仮撚り方式で合着させ、520m/分のスピードで巻き取り、2フィラメントが合着した28dtexのポリウレタン弾性繊維を製造した。得られた弾性繊維のTMH(DSC測定による)は約180℃であった。また、この弾性繊維の熱変形温度は、約110℃であった。
次に、実施例1で得られたポリウレタンウレア弾性繊維1本と、上記で得られたポリウレタン弾性繊維3本とを引きそろえ、次いで、ドラフト2.0で200℃のチューブヒーターを通して熱延伸し、巻き取った。得られた混繊糸中において、ポリウレタン弾性繊維とポリウレタンウレア弾性繊維はほぼ熱接着していた。見かけとしては1本の糸状であっり、糸条繊度は99dtexで、延伸されていた。この混繊糸において、ポリウレタンウレア弾性繊維の比率は約80%であった。
次に、この混繊糸を、2枚のポリプロピレンからなる不織布の間にドラフト2.5で供給して挟み込み、さらにこの積層不織布を140℃の熱ローラーに通して熱融着を生じさせ、伸縮性不織布を製造した。得られた伸縮性不織布は、弾性糸の固定に接着剤を使用なかったが、不織布と弾性糸との固着により綺麗なギャザーが形成されており、伸縮性に富むものであった。
得られた伸縮性不織布のギャザー形成部分を1cm幅にカットし、弾性糸をピンセットで引き抜こうとしたが、引き抜けなかった。また、不織布のカット面において、弾性糸のスリップ・インは生じなかった。
[比較例1]
実施例1で得られたポリウレタンウレア溶液を実施例1と同様にして乾式紡糸し、合着させ、570m/分のスピードで巻き取り、2フィラメントが合着した25dtexのポリウレタンウレア弾性繊維を製造した。得られた弾性繊維のTMH(DSC測定による)は約275℃であった。また、このポリウレタン弾性繊維の熱変形温度は、約195℃であった。
次に、実施例1で得られた110dtexのポリウレタンウレア弾性繊維1本と上記の25dtexのポリウレタンウレア弾性繊維3本とを引きそろえ、次いで、ドラフト2.0で210℃のチューブヒーターを通して熱延伸し、巻き取った。得られた混繊糸はほぼ熱接着していた。見かけとしては1本の糸状であり、糸条繊度は120dtexで、延伸されていた。
次に、得られた混繊糸を、2枚のポリエチレンテレフタレート主体の不織布の間にドラフト2.5で供給して挟み込み、さらにこの積層不織布を180℃の熱ローラーに通し、伸縮性不織布を製造した。なお、この際、不織布と弾性糸との固着用の接着剤は使用しなかった。
得られた伸縮性不織布のギャザー形成部分を1cm幅にカットしたところ、弾性糸と不織布との間の接着が不十分であって、不織布のカット面では複合ポリウレタン弾性糸がスリップ・インを生じていた。また、カット端から弾性糸をピンセットでつまんで引っ張ったところ、不織布間から容易に引き抜けた。
本発明の混繊ポリウレタン弾性糸は、伸縮性付与機能を有する弾性繊維として広汎な用途で使用することができる。なかでも、他の繊維等と熱接着させて使用され、かつ、熱接着後も伸縮性付与機能を発揮することが要求される弾性糸として、特に有用であり、他の繊維と交編織して、また、不織布間に挟み固定して繊維構造物にすること等により使用される。
また、伸縮性と柔軟性を要求される伸縮性布帛の用途に適用でき、伸縮性を有する織物、編物、不織布などの各種布帛で使用される。さらにまた、目ずれ防止用の熱接着性繊維として使用することもでき、ダイアパーなどの用途で伸縮性付与繊維として使用することもできる。

Claims (12)

  1. 高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン系弾性繊維からなる混繊ポリウレタン弾性糸。
  2. 高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン系弾性繊維のうちの少なくとも一方が、2本以上の繊維が合着されたものであることを特徴とする請求項1に記載の混繊ポリウレタン弾性糸。
  3. 混繊ポリウレタン弾性糸を構成する少なくとも2種のポリウレタン系弾性繊維どうしが少なくとも部分的に融着していることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の混繊ポリウレタン弾性糸。
  4. 混繊ポリウレタン弾性糸中において、高温側の融点が高いポリウレタン系弾性繊維の重量比率が40〜98%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の混繊ポリウレタン弾性糸。
  5. 高温側の融点が高いポリウレタン系弾性繊維における高温側の融点が250℃以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の混繊ポリウレタン弾性糸。
  6. 高温側の融点が高いポリウレタン系弾性繊維が、ポリウレタンウレアから成る弾性繊維であり、かつ、高温側の融点が低いポリウレタン系弾性繊維が、ポリウレタンからなる弾性繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の混繊ポリウレタン弾性糸。
  7. ポリウレタンウレアからなる弾性繊維が、下記(1)のポリオール、ジフェニルメタンジイソシアネート、及び下記(2)の鎖伸長剤から重合されたポリウレタンウレアからなる弾性繊維であり、かつ、ポリウレタンからなる弾性繊維が、下記(1)のポリオール、ジフェニルメタンジイソシアネート、及び下記(3)の鎖伸長剤から重合されたポリウレタンからなる弾性繊維であることを特徴とする請求項6に記載の混繊ポリウレタン弾性糸。
    (1): ポリテトラメチレンエーテルグライコール、および/または共重合ポリテトラメチレンエーテルグライコール、
    (2): エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンのうちの1種以上、
    (3): エチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,3プロパンジオール、1,6ヘキサンジオールのうちの1種以上
  8. 混繊ポリウレタン弾性糸中のポリウレタンウレアから成る弾性繊維が、乾式紡糸により製造された弾性繊維であることを特徴とする請求項6又は7に記載の混繊ポリウレタン弾性糸。
  9. 高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン系弾性繊維を引きそろえた後、巻き取ることを特徴とする混繊ポリウレタン弾性糸の製法。
  10. 高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン系弾性繊維を引きそろえて交絡処理した後、巻き取ることを特徴とする混繊ポリウレタン弾性糸の製法。
  11. 高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン系弾性繊維を引きそろえた後、高温側の融点が低いポリウレタン系弾性繊維の熱変形温度以上の温度で、熱処理及び/又は1.5倍以上の熱延伸を行い、両弾性繊維どうしを少なくとも部分的に融着させることを特徴とする混繊ポリウレタン弾性糸の製法。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の混繊ポリウレタン弾性糸と他の繊維もしくは他の繊維製布帛状物とから構成される繊維構造物であって、混繊ポリウレタン弾性糸と他の繊維もしくは他の繊維製布帛状物とが熱接着していることを特徴とする伸縮性繊維構造物。
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