JP4860179B2 - ミシンの押え装置 - Google Patents
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Description
押え足により被縫製物を押えて移動位置決めを行うミシンの押え装置であって、
前記押え足を上下動及び交換可能に装着するとともに、前記押え足を介して前記被縫製物を支持面において移動させる送り台と、
前記送り台の中央部に設けられた昇降レバー軸と、
前記押え足に係合し当該押え足を昇降させて押え状態と解除状態とを切り換える昇降手段と、を備え、
前記昇降手段は、
前記送り台に揺動可能に軸支され、当該揺動により前記押え足を昇降する昇降レバーと、
前記昇降レバーに揺動駆動力を付与する昇降動作付与手段と、を備え、
前記昇降レバーは、
その中央部を前記昇降レバー軸に回動可能に支持されるとともに、前端部の前後方向に沿って長穴を有する後レバーと、
後端部が前記後レバーの長穴と連結される前レバーと、
前記前レバーと後レバーを連結する調整ねじと、
前記後レバーの後端に連結され前記押え足を下方に向けて付勢する押えばねと、
前記押えばねの付勢力に抗して前記押え足を上昇させるアクチュエータとを備え、
前記調節ねじをゆるめた後、前記後レバーに対して前記前レバーを前後に移動して、前記前レバーが前記押え足と係合又は離脱されるようになっていることを特徴とするミシンの押え装置である。
また、押え足の交換が行われる際に、押え圧手段として、例えば、直動型のアクチュエータ、押えばね等を使用したとしても、レバーと昇降動作付与手段との間にレバーの前後移動を許容する構造を必要としない。そのため、昇降動作付与手段として種々のものが選択可能となる。
また、昇降レバーは、スライド式の連結部により従って、押え足の交換に際する作業者の負担を軽減することができ、押え足の交換を容易に行うことが可能となる。
本実施形態たるミシンの押え装置100(以下、押え装置100)は、図1に示す電子サイクルミシン1に搭載されている。
電子サイクルミシン1(以下、ミシン1とする)は、外観視にて略コ字状を呈するミシンフレーム2を備え、ミシンテーブル3上に載置されている。このミシン1は、押え装置100が被縫製物である布を保持して縫い針5に対して相対的に移動することにより、該押え装置100に保持された布に所定の縫製データ(縫い目パターン)に基づく縫い目を形成するミシンである。
ここで、縫い針5が上下動を行う方向をZ軸方向(上下方向)とし、これと直交するミシンアーム部の長手方向をY軸方向(前後方向)とし、Z軸方向とY軸方向の両方に直交する方向をX軸方向(左右方向)と定義する。
ミシンフレーム2は、該ミシンフレーム2の上部をなし前後方向に延びるミシンアーム部2aと、ミシンフレーム2の下部をなし前後方向に延びるミシンベッド部2bと、ミシンアーム部2aとミシンベッド部2bとを連結する縦胴部2cとを備えている。
また、ミシンフレーム2内には図示しないミシンモータや動力伝達機構、縫製を行うための種々の機構部等が設けられているが、これらは従来周知のものと同様であるためここでは詳述しない。
次に、本実施形態たるミシンの押え装置100について説明する。
押え装置100は、後述する押え足20により被縫製物たる布を押えて移動位置決めを行う押え装置であって、布の支持面であるミシンベッド部2b上において移動可能な送り台10と、送り台10に上下動及び交換可能に装着された一対の押え足20,20と、押え足20,20に係合し当該押え足20,20を昇降させる昇降手段30とを備えている。
送り台10の基端部には、ミシンフレーム2内に配置された図示しない駆動手段が連結されており、該駆動手段はX軸パルスモータ及びY軸パルスモータを備えている。
X軸パルスモータ及びY軸パルスモータは、それぞれ図示しないギヤ機構、駆動軸、ガイドレール等を介して送り台10にX軸方向及びY軸方向に沿う駆動力を付与するようになっており、各パルスモータの駆動量及び駆動のタイミングは、図示しない制御部によって制御されるようになっている。
また、送り台10の基端部には、布を載置するための布板4が連結されている。布板4は、ミシンベッド部2bの上面に沿って送り台10の基端部からミシンベッド部2bの前方に渡って延設されている。
また、送り台10のY軸方向における中間位置には、該送り台10をX軸方向に貫通して後述する昇降レバー31を揺動可能に軸支する昇降レバー軸33が回動自在に設けられている。
送り台10の先端部(前側端部)には、押え足20,20の支持部が設けられている。即ち、支持部の全面にはY軸方向に沿って二本の溝部11,11が形成されている(図2参照)。そして、送り台10は、この溝部11,11内に装着される後述する押え足20を介して支持面たるミシンベッド部2b上に載置される被縫製物を当該支持面において移動させるようになっている。
押え足20,20は、上述した押え足20,20の滑り板状部20c,20cから前方側の斜め下方に延設されており、当該押え足20,20の上下動の最下点において上方から布板4上の布に当接し該布を押えるようになっている。
また、上述した押え足20,20の滑り板状部20c,20cには、該滑り板状部20
c,20cをY軸方向に沿って前後に貫通する貫通孔20b、20bが設けられている。貫通孔20b,20bには、該貫通孔20b、20bに係合することで押え足20,20を上下に駆動する昇降手段30の各昇降レバーが連結されている(図5参照)。
昇降レバー31,31は、上述した送り台10の左右両端に並設されており、該送り台10の略中央部に設けられた昇降レバー軸33を支点としてX軸周りに揺動可能となっている。各昇降レバー31,31は、各々が前レバー31a及び後レバー31bの2つの別体から構成されており、各前レバー31a、31a及び後レバー31b、31bは、当該昇降レバー31,31の揺動動作の支点よりも上述した押え足20,20側において連結部34を介して互いに連結されている。
後レバー31b、31bの後端は、送り台10の基端部側に延設されており押えばね32aに連結されている。また、後レバー31b、31bの略中央部は、前述した昇降レバー軸33に嵌合され、回動自在に軸支されている。後レバー31b,31bは、後端部において押えばね32aに常時上方に付勢されており、前端部が下方に付勢されている。後レバー31b、31bの先端即ち前方側の一端には、ほぼY軸方向即ち前後方向に沿う長穴34aがそれぞれ2つ上下に並んで形成されている。そして、後レバー31b、31bの先端には前レバー31a、31aの後端が、各長穴部34a、34aに挿通された軸及び止めねじを介して連結され固定されている。
また、後レバー31b,31bには、それぞれアーム部材31c,31cの一端(下端)が固定されており、アーム部材31c,31cの他端は後レバー31b,31bから上方に突設されている。アーム部材31c,31cの上方にはエアシリンダー32bが設けられている。エアシリンダー32bはミシンアーム部2a内に配設されており、該エアシリンダー32bの可動部が上下に駆動されると、その下部がアーム部材31c,31cの上部に離接され、さらにはアーム部材31c,31cを介して後レバー31b,31bを上下に駆動するようになっている。
つまり、上記前レバー31a、31a及び後レバー31b、31bは、上述した後レバー31b、31bの揺動動作の支点となる昇降レバー軸33よりも前方側、即ち、押え足20側において連結部34を介して前後に伸縮自在となって連結されているものである。
この連結部34は、調節ねじ34bを緩めた状態で前レバー31aを前後に移動調節することができ、調節ねじ34bを締結することでその位置を固定することができるようになっている。
また、前レバー31aを前後に移動する際の調節位置としては、調節ねじ34bが長穴34aの前方寄りに位置する「係合位置A」(図3参照)と、調節ねじ34bが長穴34aの後方寄りに位置する「離脱位置B」(図4参照)とがあり、上述した前レバー31a
を前後に進退させることでこれら選択的に切り換えることができるようになっている。
即ち、「係合位置A」では、前レバー31aの先端が押え足20の貫通孔20b内に挿通され、昇降レバー31と押え足20とが係合するようになっている。
また、「離脱位置B」では、前レバー31aの先端が押え足20の貫通孔20bから離脱して係合が解除されるようになっている。また、前レバー31aがこの「離脱位置B」にあり前レバー31aと押え足20との係合が解除された状態において、溝部11,11に沿って押え足20,20を上方(又は下方)から引き抜くことができ、押え足20を交換することができるようになっている。
押えばね32aは、昇降レバー31の後端に作用して該昇降レバー31の後端を常時上方に付勢することで、該昇降レバー31の他端即ち前方側の端部を常時下方側に付勢している。これにより、昇降レバー31の先端に押え足20が係合されている際には、押え足20は常に下方側に付勢されるようになっている。
また、エアシリンダー32bは、図示しない制御部からの指令に応じて駆動され、押えばね32aの付勢力に抗して昇降レバー31の後端を下方側に押圧するための駆動力を付与することで、該昇降レバー31の先端に連結された押え足20を上方に押し上げるようになっている。なお、昇降レバー31を駆動するアクチュエータはエアシリンダー32bに限定されるものではなく、例えば、パルスモータやソレノイド等を適用することも可能である。
まず、昇降レバー31の前レバー31aが「係合位置A」にある場合について説明すると、前レバー31aは、上述したようにその後端側が長穴部34aの前方側において後レバー31bと連結され、該前レバー31aの前端は押え足20の貫通孔20bに挿通される。
ここで、エアシリンダー32bが停止している間は、押えばね32aによって昇降レバー31(後レバー31b)の後端に常時上向きの付勢力が付与される。このため、昇降レバー31には、昇降レバー軸33を中心にして図3(b)における反時計回り方向の付勢力が付与される。その結果、昇降レバー31の先端に係合された押え足20は常時下方側に押圧された状態となる。
そして、ミシン1が稼動の際即ち縫製に伴いエアシリンダー32bが駆動されると、昇降レバー31には押えばね32aの付勢力に抗して図3(b)における時計回り方向の回動力が付与される。これにより、押え足20,20は溝11,11に沿って上昇される。
押え足20を交換する際には、送り台10の左右に位置する昇降レバー31,31のそれぞれにつき調節ねじ34b、34bを緩めた後、左右の各前レバー31a,31aを、調節ねじ34b、34bが長穴34a、34aの後方側つまり「離脱位置B」となるようにスライド移動させる。
また、昇降レバー31は、少なくとも2以上の別体が前記揺動動作の支点よりも押え足20側において前後に伸縮自在に連結されていればよく、3以上の部材が伸縮自在に連結される構成であってもよい。
また、連結部33は、スライド式に限定されるものではなく、節を有する折りたたみ式のクランク構造としてもよい。
また、昇降レバー31の連結部34を構成する長穴部34aと調節ねじ34bとは、本実施形態では後レバー31b側に長穴部34aを設ける構成としているが、前レバー31a側に長穴部34aを設けてもよい。
2 ミシンフレーム
2a ミシンアーム部
2b ミシンベッド部
2c 縦胴部
3 ミシンテーブル
4 布板
5 縫い針
10 送り台
11 溝部
11a 長穴
12 係止板
20 押え足
20a 針穴
20b 貫通孔
20c 滑り板状部
30 昇降手段
31 昇降レバー
31a 前レバー
31b 後レバー
31c アーム部材
31d 受け板
32 昇降動作付与手段
32a 押えばね
32b エアシリンダー
33 昇降レバー軸
34 連結部
34a 長穴部
34b 調節ねじ
100 押え装置
A 係合位置
B 離脱位置
Claims (1)
- 押え足により被縫製物を押えて移動位置決めを行うミシンの押え装置であって、
前記押え足を上下動及び交換可能に装着するとともに、前記押え足を介して前記被縫製物を支持面において移動させる送り台と、
前記送り台の中央部に設けられた昇降レバー軸と、
前記押え足に係合し当該押え足を昇降させて押え状態と解除状態とを切り換える昇降手段と、を備え、
前記昇降手段は、
前記送り台に揺動可能に軸支され、当該揺動により前記押え足を昇降する昇降レバーと、
前記昇降レバーに揺動駆動力を付与する昇降動作付与手段と、を備え、
前記昇降レバーは、
その中央部を前記昇降レバー軸に回動可能に支持されるとともに、前端部の前後方向に沿って長穴を有する後レバーと、
後端部が前記後レバーの長穴と連結される前レバーと、
前記前レバーと後レバーを連結する調整ねじと、
前記後レバーの後端に連結され前記押え足を下方に向けて付勢する押えばねと、
前記押えばねの付勢力に抗して前記押え足を上昇させるアクチュエータとを備え、
前記調節ねじをゆるめた後、前記後レバーに対して前記前レバーを前後に移動して、前記前レバーが前記押え足と係合又は離脱されるようになっていることを特徴とするミシンの押え装置。
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