JP4860023B2 - フォトマスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般に、フォトマスクに関するものであり、より特定的には、寸法精度保証能力を向上させることができるように改良されたフォトマスクに関する。この発明は、そのようなフォトマスクペアに関する。
【0002】
【従来の技術】
図21は、従来のフォトマスクを用いて、半導体装置を製造する方法、特に、SiO2膜のエッチングパターンを形成する工程を示す断面図である。
【0003】
図21(a)を参照して、シリコン基板51の上にSiO2膜52を形成する。
【0004】
図21(b)を参照して、SiO2膜52の上に、フォトレジスト53を形成する。
【0005】
図21(c)を参照して、フォトマスク54を用いて、フォトレジスト53にUVを選択的に照射し、フォトレジスト53中に潜在画像を形成する。
【0006】
図21(d)を参照して、フォトレジスト53を現像し、レジストパターン55を形成する。
【0007】
図21(e)を参照して、レジストパターン55をマスクにして、SiO2膜52をエッチングする。
【0008】
図21(e)と(f)を参照し、フォトレジストパターン55を除去すると、SiO2膜のパターン56がシリコン半導体基板51の上に残る。
【0009】
図22は、フォトマスクの断面図である。図22を参照して、ガラス基板58の上に、Cr、Mo、Zr、Ta、W等の金属膜、酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物およびこれらの化合物で形成された遮光パターン57が設けられている。遮光パターン57の膜厚は、約100〜170nmである。このようなフォトマスクには、本番パターンの他に、本番パターンの寸法を保証するモニタマークが設けられている。なお、このモニタマークもまた、上記金属膜または金属化合物膜で形成される。
【0010】
図23は、従来のフォトマスクの平面図である。
フォトマスク1の上には、マスクパターン領域2が形成されている。マスクパターン領域2内には、半導体素子チップ領域3が設けられている。半導体素子チップ領域3内には、メモリセル領域3a(高密度部)が設けられている。半導体素子チップ領域3には、素子寸法高密度部の素子パターン(メモリセルなど)5と、素子寸法低密度部の素子パターン(低密度ロジック部など)6が設けられている。マスクパターン領域2の四隅にはモニタマーク4が設けられている。モニタマーク4は、また、マスクパターン領域2の長辺の中点にも設けられている。
【0011】
図24は、従来のモニタマークの一例である。図24(a)は配線系モニタマークの例である。図24(b)は本番パターン内の代表的な配線系素子パターンの例である。図24(a)に示す配線系モニタマークは、図24(b)に示す配線系素子パターンの寸法を保証するためのものである。図中、矢印は、寸法を測定する個所を示す。
【0012】
図25は、従来のホール系モニタマークの平面図である。図25(a)は、ホール系モニタマークの例であり、図25(b)は本番パターン内の代表的なホール系素子パターンの例である。図25(a)に示すホール系モニタマークは、図25(b)に示すホール系素子パターンの寸法を保証するためのものである。
【0013】
図26は、従来の位置精度測定十字マークの例である。
図24、25、26において、参照番号7で示す部分はモニタマークの外枠を表わしており、参照番号8は、素子寸法をモニタするパターン領域を表わしている。9は、位置精度測定用の十字パターンを表わしている。
【0014】
このように、従来のモニタマークは、半導体素子パターンを代表するように簡略に設計された、単純な十字形、ラインアンドスペース形、矩形などのパターンから、なっていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体素子の高機能化、高性能化が要求されてきたため、パターンの微細化とともに、メモリ素子とロジック素子を高密度に混載したシステムLSIが設計され、これらの製造に用いるフォトマスクも複雑化してきた。特に、より高密度で微細なメモリ素子パターンと、パターンの疎と密の部分の差が大きいロジック素子パターンが、同一フォトマスク上で混在する。一方、パターンが微細化してくると、パターンの疎および密部分がある場合には、パターン寸法の設計寸法との誤差が、急激に増大する。このため、図24、25および26に示すような、単純な寸法モニタ用パターンで、実際の素子パターンを代表させるのは困難となってきた。ひいては、フォトマスクの寸法保証を高精度に行なうことが困難になってきた。表1に、誤差の例を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
また、従来のモニタマークでは、フォトマスクの製造工程において、個々の素子パターンを測定する必要が生じていたが、個々の素子パターンを測定することは煩雑であるため、低コスト、かつ短納期で、マスクを製作する方法が望まれていた。
【0018】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、フォトマスクの寸法保証を高精度に行なうことができるように改良されたフォトマスクを提供することを目的とする。
【0019】
この発明の他の目的は、低コストでかつ短納期でフォトマスクを製作することができるように改良されたフォトマスクを提供することにある。
【0020】
この発明は、また、半導体装置を、効率よく製造することができるフォトマスクペアを提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
一の実施の形態のフォトマスクは、基板を備える。上記基板の上に設けられた本番パターンが設けられている。上記基板の上に、上記本番パターンの寸法を保証するモニタマークが設けられている。上記モニタマークには、疎パターンと、該疎パターンよりも密度が高く形成された高密度パターンが設けられている。
【0024】
このフォトマスクによれば、モニタマークに、疎パターンと、該疎パターンより密度が高く形成された高密度パターンが設けられているので、本番パターンの疎部分の寸法を保証することができ、さらに、本番パターンの高密度パターンの寸法を保証することができる。
【0025】
一の実施の形態のフォトマスクにおいては、上記モニタマークには、位置精度測定用の、十字形状に交差した1対の手を有する十字パターンがさらに設けられている。
【0026】
このフォトマスクによれば、位置精度をも保証することができる。
一の実施の形態のフォトマスクにおいては、上記疎パターンと上記高密度パターンは、それぞれ、上記十字パターンの走査領域から離されて設けられている。
【0027】
このフォトマスクによれば、十字パターンを走査しているとき、疎パターンと高密度パターンが邪魔にならなくなる。
【0028】
一実施の形態のフォトマスクにおいては、上記モニタマークは、上記疎パターンおよび上記高密度パターンを取囲む外枠パターンを含んでいる。上記外枠パターンは、顕微鏡を介して視覚により認識することができる程度に太くされている。
【0029】
このフォトマスクによれば、モニタマークの存在を、顕微鏡を介して、視覚により認識することができる。
【0030】
一実施の形態のフォトマスクにおいては、上記疎パターンの近傍には、該疎パターンと同じ密度を有する第1ダミーパターンが設けられている。上記高密度パターンの近傍には、該高密度パターンと同じ密度を有する第2ダミーパターンが設けられている。
【0031】
このフォトマスクによれば、疎パターンおよび高密度パターンのそれぞれの近傍に、同じ密度を有するダミーパターンが設けられているので、露光時において、光が均等に当たるようになる。
【0032】
一実施の形態のフォトマスクにおいては、上記疎パターンおよび上記高密度パターンのそれぞれの近傍に、特殊な用途に用いる特殊用途パターンが設けられている。
【0033】
このフォトマスクによれば、特殊な用途に用いる特殊用途パターンが設けられているので、特殊用途に向けて使用することができる。
【0034】
一実施の形態のフォトマスクにおいては、上記疎パターンは、1本のパターンで形成されている。上記十字パターンの上記手を、該1本のパターンと兼用している。
【0035】
このフォトマスクによれば、マスクの面積を有効利用することができる。
他の実施の形態のフォトマスクは、基板を備える。上記基板の上に、ホールパターンを含む本番パターンが設けられている。上記基板の上に、上記ホールパターンの寸法を保証するモニタマークが設けられている。上記モニタマークには、十字の形状に交差した1対の手を有する十字パターンと、該十字パターンの走査領域から離されて設けられた、上記ホールパターンの寸法を保証するホールパターン保証用パターンと、上記十字パターンおよび上記ホールパターン保証用パターンを取囲む外枠パターンとが設けられている。上記外枠パターンは、オーバー露光にならないように複数の部分に分割されている。上記十字パターンの手の部分は、オーバー露光にならないように、複数の部分に分割されている。
【0036】
このフォトマスクによれば、外枠パターンが複数の部分に分割されているので、オーバー露光が生じない。また、十字パターンの手の部分が、複数の部分に分割されているので、オーバー露光にならない。
【0037】
一実施の形態のフォトマスクペアは、第1工程において用いる第1フォトマスクと、上記第1工程の後の第2工程において用いられる第2フォトマスクとからなるフォトマスクペアに係る。上記第1のフォトマスクは、第1の基板と、該第1の基板の上に設けられた第1の本番パターンと、該第1の基板の上に設けられ、上記第1の本番パターンの寸法を保証する第1のモニタマークと、を備える。上記第1のモニタマークには、第1の本番パターンを代表する、モニタ用の第1パターンが設けられている。上記第2のフォトマスクは、第2の基板と、上記第2の基板の上に設けられた第2の本番パターンと、上記第2の基板の上に設けられ、上記第2の本番パターンの寸法を保証する第2のモニタマークとを備える。上記第2のモニタマークには、上記第2の本番パターンを代表する、モニタ用の第2パターンが設けられている。上記第1フォトマスクを上記第1工程において用い、上記第2フォトマスクを上記第2工程において用いるとき、上記第1パターンと上記第2パターンが、互いに重ならないように、上記第1パターンは上記第1のモニタマーク内に設けられ、上記第2パターンは、上記第2のモニタマーク内に設けられている。このフォトマスクペアによれば、ごみが発生しなくなる。
【0038】
他の実施の形態のフォトマスクペアは、第1工程において用いられる第1フォトマスクと、該第1工程の後の第2工程において用いられる第2フォトマスクとからなるフォトマスクペアに係る。上記第1のフォトマスクは、第1の基板と、上記第1の基板の上に設けられた第1の本番パターンと、上記第1の基板の上に設けられ、上記第1の本番パターンの寸法を保証する第1モニタマークとを備える。上記第1モニタマークは、上記第1の本番パターンを代表する第1モニタ用パターンを含んでいる。上記第2のフォトマスクは、第2の基板と、上記第2の基板の上に設けられた第2の本番パターンと、上記第2の基板の上に設けられ、上記第2の本番パターンの寸法を保証する第2のモニタマークとを備える。上記第2のモニタマークは、上記第1フォトマスクを上記第1工程において用い、上記第2フォトマスクを上記第2工程において用いるとき、上記第1パターンを覆い隠してしまうことができる位置に設けられた遮光パターンを含む。このフォトマスクペアによれば、ごみが発生しなくなる。
【0039】
さらに他の実施の形態のフォトマスクペアは、第1工程において用いられる第1フォトマスクと、該第1工程の後の第2工程において用いられる第2フォトマスクからなるフォトマスクペアに係る。上記第1のフォトマスクは、第1の基板と、上記第1の基板の上に設けられた第1の本番パターンと、上記第1の基板の上に設けられ、上記第1の本番パターンの寸法を保証する第1のモニタマークとを備える。上記第1モニタマークは、十字の形状に交差した1対の手を有する第1の十字パターンと、上記第1の十字パターンを取囲むように設けられた第1の外枠パターンとを備える。上記第2のフォトマスクは、第2の基板と、該第2の基板の上に設けられた第2の本番パターンと、上記第2の基板の上に設けられ、上記第1の本番パターンの寸法を保証する第1のモニタマークとを備える。上記第2のモニタマークには、十字の形状に交差した1対の手を有する第2の十字パターンと、該第2の十字パターンを取囲むように設けられた第2の外枠パターンとを備える。上記第1の十字パターンの上記手は、上記第1フォトマスクを上記第1工程において用い、上記第2フォトマスクを上記第2工程において用いるとき、上記第1の手と上記第2の手の、一方が他方を完全に覆ってしまうように、その位置と太さが選ばれている。上記第1の外枠パターンと上記第2の外枠パターンの、一方が他方を完全に覆ってしまうように、それらの位置および太さが選ばれている。このフォトマスクペアによれば、ごみが発生しなくなる。
【0040】
別の実施の形態のフォトマスクは、基板を備える。上記基板の上に、半導体素子のパターンを形成する、矩型形状の半導体素子チップ領域が設けられている。上記基板の上であって、かつ上記半導体素子チップ領域内に、上記半導体素子パターンの寸法を保証する、複数個のモニタマークが設けられている。上記複数個のモニタマークは、上記矩型チップの4隅と、上記矩型チップの2つの長辺の中央付近または上記矩型チップの中央付近の位置にそれぞれ設けられている。このフォトマスクによれば、実際の素子パターンを測定する必要がなくなる。
【0041】
一実施の形態の半導体装置の製造方法においては、まず、基板と、上記基板の上に設けられた本番パターンと、上記基板の上に設けられ、上記本番パターンの寸法を保証するモニタマークとを備え、上記モニタマークには、疎パターンと、該疎パターンよりも密度が高く形成された高密度パターンが設けられているフォトマスクを準備する。半導体基板を準備する。上記半導体基板の上にレジストを形成する。上記フォトマスクをマスクに用いて、上記レジストを露光する。上記レジストを現像し、レジストパターンを形成する。上記レジストパターンを用いて、上記半導体基板をエッチングする。この製法によれば、信頼性の高い半導体装置が得られる。
【0042】
他の実施の形態の半導体装置は、少なくとも下記の(a)〜(f)の工程を経て形成された半導体装置に係る。
【0043】
(a) 基板と、
上記基板の上に設けられた本番パターンと、
上記基板の上に設けられ、上記本番パターンの寸法を保証するモニタマークと、を備え、
上記モニタマークには、疎パターンと、該疎パターンよりも密度が高く形成された高密度パターンが設けられている、フォトマスクを準備する工程。
【0044】
(b) 半導体基板を準備する工程。
(c) 上記半導体基板の上にレジストを形成する工程。
【0045】
(d) 上記フォトマスクをマスクに用いて、前記レジストを露光する工程。
(e) 上記レジストを現像し、レジストパターンを形成する工程。
【0046】
(f) 上記レジストパターンを用いて、上記半導体基板をエッチングする工程。
【0047】
この製法によれば、信頼性の高い半導体装置が得られる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態を図について説明する。
【0049】
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係るモニタマークの平面図である。図2は、フォトマスク内に形成される本番パターンの代表例であり、配線系素子パターンの例を示している。図2の上の部分は、メモリセル部であり、下の部分はロジック部である。図2の本番パターンに対応させてこれらを代表するように形成された配線系モニタマークである。配線系モニタマークは、メモリセル(M/C)などに対応した高密度配列パターン10と、ロジック部などの低密度(疎)パターン領域を代表する孤立パターン(または疎パターン)11が配置されている。高密度配列パターン10によって、メモリセル部の寸法が保証され、孤立パターン11によって、ロジック部の素子寸法が保証される。高密度配列パターン10は、M/Cパターン配列を切出して、モニタマーク内に形成してもよい。図中、素子寸法を測定する個所を、矢印で示す。
【0050】
図1に係るモニタマークによれば、2種類のパターン、すなわち、高密度配列パターン10と孤立パターン11が設けられているので、少なくとも2種類の配列パターンを、正確にモニタすることができる。高密度配列パターン10および孤立パターン11として、本番パターンの中で、最も頻繁に用いられているパターンが選ばれる。
【0051】
実施の形態に係るモニタマークによれば、実際の素子パターンの寸法の精度保証が向上するため、マスク製造工程において、実際の本番パターンの寸法を実測する必要がなくなる。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
本発明によれば、製造工程を標準化することができ、また製造工程を簡略化することができる。特に、多品種少量生産が行なわれる、システムLSIのような品種で、マスクを用いる製造工程が簡略化されるため、コストを下げることができ、ひいていは、納期を短期間にすることができる。また、疎パターンと密パターンを、同時にモニタマーク内に配置するので、モニタパターン領域を有効に利用することができる。
【0054】
図3は、実施の形態1の変形例であり、ホール系モニタマークの例を示す図である。図4は、本番パターンの代表例であり、ホール系素子パターンの例である。図4において、上の図はメモリセル部を表わしており、下の図はロジック部を表わしている。図4に示された代表パターンが図3に示すモニタマーク内に設けられている。図3を参照して、外枠7内に、高密度配列パターン10と孤立パターン11が設けられている。高密度配列パターン10は、図4中の上の図に示された部分に対応するものであり、孤立パターン11は、図4中の下の図に記載された部分に対応する図である。素子寸法を測定する個所は、矢印で示している。2種類のパターンを設けているので、寸法精度保証が向上する。
【0055】
実施の形態2
図5は、実施の形態2に係るモニタマークの平面図である。モニタマークには、位置精度測定用の、十字形状に交差した1対の手を有する十字パターン9が設けられている。十字パターン9の走査領域12以外の部分に、図1に示すような高密度配列パターン10と孤立パターン11が設けられている。図面を簡単にするため、パターンを図示していない。位置精度の測定は、十字パターン9の手の部分を位置精度測定用の検査ビームで走査して、各々の手のパターンエッジを検出し、十字パターン9の中心位置を算出する。高密度モニタパターン10と孤立パターン11が、走査領域12から離れた部分に形成されているので、検査ビームを走査するとき、高密度モニタパターン10と孤立パターン11が邪魔にならない。ひいては、位置測定の精度が向上する。
【0056】
また、素子寸法モニタマーク(10,11)と位置精度測定マーク9を、同一モニタマーク内に設けているため、フォトマスク上の面積を有効に利用することができる。
【0057】
実施の形態3
図6は実施の形態3に係るモニタマークの平面図である。図6に示すモニタマークは図5に示すモニタマークと、以下の点を除いて、同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照番号を付して、その説明を繰返さない。
【0058】
図6に示すモニタマークが図5に示すモニタマークと異なる点は、外枠パターン7が、顕微鏡を介して視覚により認識することができる程度に太くされている(少なくとも10μm以上)点である。図5に示す外枠パターン(約1μm)では、観察しにくく、測定が容易でないという問題点を有するが、図6に示すモニタマークでは、モニタマーク画像を顕微鏡を介して視覚により認識することができるので、測定が容易になる。特に、測定を自動化しても、モニタマークの画像認識が容易になる。
【0059】
実施の形態4
図7は、実施の形態4に係るモニタマークの平面図である。十字パターン9と高密度モニタパターン10と孤立パターン11が設けられている。高密度モニタパターン10の近傍に、高密度パターン10と同じ密度を有するダミーパターン13が設けられている。ダミーパターン13の存在により、露光を均一にすることができるという効果を有する。孤立パターン11の近傍に、後述する特殊用途パターン131と、孤立パターン11と同じ密度を有するダミーパターン132が設けられている。ダミーパターン13を設けることにより、露光が均一になり、高密度モニタパターンの寸法が正確に制御される。
【0060】
次に、特殊用途パターンについて説明する。図8は、特殊用途パターンの第1番目の例である。図9は図8におけるA−A線に沿う断面図である。図9(a)はコンタクトホールを作る時の本番パターンであり、図9(b)はゲート電極10aを形成するときの本番パターンであり、図9(c)は素子分離を形成するための本番パターンである。図9(c)は第1工程において用いられ、図9(b)は第2工程において用いられ、図9(a)は第3工程において用いられるものである。図8は第2工程において用いられるゲート電極のパターンの寸法を保証するための特殊用途パターン10aを、モニタマーク内に形成した例である。この発明によれば、ゲート電極のパターンの寸法も保証することができる。
【0061】
図10は、特殊用途パターンの第2の例である。これは、太さが異なるパターンを種々有している。この特殊用途パターンを用いれば、高密度モニタパターン10および孤立パターン11で保証できない太さを有するパターンについても、その寸法保証ができるようになる。
【0062】
図11は、特殊用途パターンの第3の例である。図12は、その作用を説明するための図である。図12(b)は従来例であり、長方形状のマスクパターン51を用いると、半導体装置を製造したとき、パターン52の寸法が縮む。これに対して、図12(a)を参照して、マスクパターン51の両端に膨らみ部分52を有するマスクを用いると、仕上がりの半導体装置では、パターン52は縮まない。図11に示す特殊用途パターンは、このようなマスクパターン51の寸法を保証するための特殊用途パターンである。
【0063】
図13は、特殊用途パターンの第4の例である。これは、素子パターンの設計ルール以下の微細パターンで構成された特殊用途パターンを有する。これによれば、より微細なパターンの寸法を保証することができる。
【0064】
図14は、特殊用途パターンの第5の例であり、パターン密度を均一化するための特殊用途パターンである。
【0065】
以上のような特殊用途パターンをモニタマーク内に配置することにより、モニタマーク内の面積を有効に利用することができる。ひいては、半導体素子パターンを形成するための領域を、有効に確保することができる。また、ダミーパターンを配置することにより、露光を均一にすることができる。ひいては、このマスクを用いて半導体装置を製造した場合、加工精度が向上し、素子の電気的特性が向上する。
【0066】
実施の形態5
図15は、実施の形態5に係るモニタマークの平面図である。図15に係るモニタマークは、図5に係るモニタマークの変形例である。孤立パターン11を、十字パターン9の手の部分と兼用している。本実施の形態によれば、孤立パターンを別途設ける必要がなく、孤立パターンを形成していた部分に、特殊用途パターンを配置することができる。したがって、モニタマークを簡略化できると同時に、モニタマーク内の面積を有効に利用することができる。
【0067】
実施の形態6
図16は、実施の形態6に係るモニタマークの平面図である。図16に示す装置は、図5に示すモニタマークと、以下の点を除いて、同一であるので、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明を繰返さない。
【0068】
図16に示すモニタマークが図5に示すモニタマークと異なる点は、外枠パターン7が、オーバー露光にならないように、(c)および(d)に示すように、複数の部分に分割されており、十字パターン9の手の部分が、オーバー露光にならないように、(a)、(b)のように複数の部分に分割されている。分割された部分の形状や、大きさは、測定器に合わせて選ばれる。(a)は分割型の十字パターンを示す。(b)はラインアンドスペースを用いた十字パターンを示す。(c)は、ドットパターンの配列で構成した外枠パターンを示す。(d)はラインアンドスペースを用いて構成した外枠パターンである。
【0069】
ウェハ上のリソグラフィ特性によっては、ウェハ上のパターン(リソグラフィ後のレジストパターンを含む)の形状を劣化させるとともに、ウェハ上にパターンの残渣が原因のごみが発生する場合があるが、このような分割パターンを用いることによって、形状の劣化およびごみの発生を防止することができる。
【0070】
実施の形態7
図17は、実施の形態7に係るフォトマスクペアの概念図である。実施の形態7に係るフォトマスクペアは、第1の工程において用いる第1フォトマスクと、第1の工程の後の第2工程において用いられる第2フォトマスクと、第2工程の後の第3工程において用いられる第3フォトマスクとからなる。図17は、この3枚のフォトマスクを、1枚の図で便宜的に表わしている。第1のフォトマスクは、高密度配列パターン10Aと孤立パターン11Aを含む。第2のフォトマスクは高密度配列パターン10Bと孤立パターン11Bを含む。第3のフォトマスクは、高密度配列パターン10Cと孤立パターン11Cを含む。第1フォトマスクを第1工程において用い、第2フォトマスクを第2工程において用い、第3フォトマスクを第3工程において用いるとき、高密度配列パターン10Aと10Bと10Cが互いに重ならないように、これらが配置されている。また、孤立パターン11Aと11Bと11Cが互いに重ならないように、これらが配置されている。これらのパターンが互いに干渉しないので、これらのフォトマスクペアをマスクにして、半導体装置を形成すると、電気的にショートしないという効果を奏する。
【0071】
図18は、実施の形態7の他の変形例に係る。図18は、第1工程において用いられる第1フォトマスクと、該第1工程の後の第2工程において用いられる第2フォトマスクとからなるフォトマスクペアを、便宜的に重ねて描いた平面図である。第1のモニタマークは、下層の素子寸法をモニタするためのモニタパターン140が設けられている。第2のフォトマスクは、遮光パターン14を含んでいる。第1フォトマスクを第1工程において用い、第2フォトマスクを第2工程において用いるとき、素子寸法をモニタするパターン140を、遮光パターン14が覆うような位置関係にある。このようなフォトマスクペアを用いると、ごみの発生を防ぐことができる。
【0072】
図19は、実施の形態7に係るフォトマスクペアのさらに他の変形例である。図19に示すフォトマスクペアは、第1工程において用いられる第1フォトマスクと、第1工程の後の第2工程において用いられる第2フォトマスクのペアからなる。図19は、2枚のフォトマスクを1枚の図で便宜的に表わしている。第1のフォトマスクは、十字の形状に交差した1対の手を有する第1の十字パターン9aと第1の外枠パターン7aを含む。第2のモニタマークは、十字の形状に交差した1対の手を有する第2の十字パターン9bと、第2の十字パターン9bを取囲むように設けられた第2の外枠パターン7bを備える。第1フォトマスクを第1工程において用い第2のフォトマスクを第2工程において用いるとき、第1の十字パターン9aの手と第2の十字パターン9bの手の、一方が他方を完全に覆ってしまうように、それらの位置と太さが選ばれている。また、第1の外枠パターン7aと第2の外枠パターン7bの、一方が他方を完全に覆ってしまうように、それらの位置および太さが選ばれている。図19に示すフォトマスクを用いれば、ごみが発生しないという効果を奏する。
【0073】
実施の形態8
図20は、実施の形態8に係るフォトマスクの平面図である。図20を参照して、フォトマスク1は基板(図示せず)を備える。基板の上に、半導体素子のパターンを形成するための、長方形状の半導体素子チップ領域3が設けられている。半導体素子チップ領域3内に、高密度部の素子パターン(メモリセルなど)5と低密度部の素子パターン(低密度ロジック部など)6が設けられている。半導体素子チップ領域3内に、半導体素子パターンの寸法を保証する、複数個のモニタマーク4が設けられている。複数個のモニタマーク4は、長方形の四隅と、長方形の2つの長辺の中央の位置にそれぞれ設けられている。
【0074】
実施の形態に係るフォトマスクを用いれば、実際の素子パターンを測定する必要がなくなる。モニタマーク4の位置が固定されているため、測定個所の指示を画一化できる。ひいては寸法測定のための作業が簡素化できる。
【0075】
実施の形態9
実施の形態1−8に係るフォトマスクを用いて、図21に示すような、リソグラフィ工程を経ると、寸法精度の向上した半導体装置が得られる。
【0076】
今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るモニタマークの平面図である。
【図2】 実施の形態1に係るモニタマークに対応する、本番パターンの代表的配線系素子パターンの平面図である。
【図3】 実施の形態1に係るモニタマークの変形例の平面図である。
【図4】 図3のモニタマークに対応する本番パターンの代表例であるホール系素子パターンの平面図である。
【図5】 実施の形態2に係るモニタマークの平面図である。
【図6】 実施の形態3に係るモニタマークの平面図である。
【図7】 実施の形態4に係るモニタマークの平面図である。
【図8】 特殊用途パターンの第1の例を示す平面図である。
【図9】 図8におけるA−A線に沿う断面図である。
【図10】 特殊用途パターンの第2の例を示す平面図である。
【図11】 特殊用途パターンの第3の例を示す平面図である。
【図12】 図11に示す特殊用途パターンの作用効果を説明するための図である。
【図13】 特殊用途パターンの第4の例を示す平面図である。
【図14】 特殊用途パターンの第5の例を示す平面図である。
【図15】 実施の形態5に係るモニタマークの平面図である。
【図16】 実施の形態6に係るモニタマークの平面図である。
【図17】 実施の形態7に係るフォトマスクペアの概念図である。
【図18】 実施の形態7に係るフォトマスクペアの変形例である。
【図19】 実施の形態7に係るフォトマスクペアのさらに他の変形例である。
【図20】 実施の形態8に係るフォトマスクの平面図である。
【図21】 従来のフォトマスクを用いて、半導体装置を製造する工程の概略図である。
【図22】 従来のフォトマスクの断面図である。
【図23】 従来のフォトマスクの平面図である。
【図24】 従来のモニタマークの平面図である。
【図25】 他の従来のモニタマークの図である。
【図26】 他の従来の、位置精度測定用の十字マークを有するモニタマークの平面図である。
【符号の説明】
7 外枠、10 高密度配列パターン、11 孤立パターン。
Claims (1)
- 基板と、
前記基板の上に設けられた、ホールパターンを含む本番パターンと、
前記基板の上に設けられた、前記ホールパターンの寸法を保証するモニタマークと、を備え、
前記モニタマークには、十字の形状に交差した1対の手を有する十字パターンと、該十字パターンの走査領域から離されて設けられた、前記ホールパターンの寸法を保証するホールパターン保証用パターンと、前記十字パターンおよび前記ホールパターン保証用パターンを取囲む外枠パターンと、を備え、
前記外枠パターンは、ドットパターン又はラインアンドスペースパターンで構成され、複数の部分に分割されており、
前記十字パターンの手の部分は、分割型の十字パターン又はラインアンドスペースを用いた十字パターンで構成され、複数の部分に分割されている、フォトマスク。
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