JP4859952B2 - 開放型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、開放型圧縮機に関し、特に二酸化炭素(CO)等の超臨界域で冷媒を使用する蒸気圧縮冷凍サイクルに適した開放型圧縮機に関するものである。
近年、環境保護の観点から、蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、冷媒の脱フロン対策の1つとして、作動ガス(冷媒ガス)として二酸化炭素(CO)を使用した冷凍サイクル(以下、COサイクル)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このCOサイクルの作動は、フロンを使用した従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルと同様である。すなわち、図6(COモリエル線図)のA−B−C−D−Aで示されるように、圧縮機で気相状態のCOを圧縮し(A−B)、この高温圧縮の気相状態のCOを放熱器(ガスクーラ)にて冷却する(B−C)。そして、減圧器により減圧して(C−D)、気液相状態となったCOを蒸発させて(D−A)、蒸発潜熱を空気等の外部流体から奪って外部流体を冷却する。
ところで、COの臨界温度は約31°と従来の冷媒であるフロンの臨界点温度と比べて低いので、夏場等外気温の高いときには、放熱器側でのCOの温度がCOの臨界点温度よりも高くなってしまう。つまり、放熱器出口側においてCOは凝縮しない(線分BCが飽和液線SLと交差しない)。また、放熱器出口側(C点)の状態は、圧縮機の吐出圧力と放熱器出口側でのCO温度によって決定され、放熱器出口側でのCO温度は放熱器の放熱能力と外気温度(制御不可)とによって決定するので、放熱器出口での温度は、実質的には制御することができない。したがって、放熱器出口側(C点)の状態は、圧縮機の吐出圧力(放熱器出口側圧力)を制御することによって制御可能となる。つまり、夏場等外気温の高いときには、十分な冷却能力(エンタルピ差)を確保するためには、E−F−G−H−Eで示されるように、放熱器出口側圧力を高くする必要がある。そのために、圧縮機の運転圧力を従来のフロンを用いた冷凍サイクルに比べて高くする必要がある。
特公平7−18602号公報 特公平3−6350号公報
車両用空調装置を例にすると、前記圧縮機の運転圧力は従来のR134(フロン)では3kg/cm程度であるのに対してCOでは40kg/cm程度と高く、また運転停止圧力はR134(フロン)では15kg/cm程度であるのに対してCOでは100kg/cm程度と高くなる。したがって、COサイクルにおいては、大気圧と圧縮機内圧との差圧が大きくなるため、運転時および停止時において圧縮機のシャフトシール部でのガス漏れが懸念される。すなわち、通常の圧縮機において運転時には、潤滑油が圧縮機内に十分に供給され、この潤滑油の一部がシャフトシール部に供給されるものの、潤滑油の圧力が十分に高くは維持できないことから、シャフトシール部でのガス漏れが起こりやすい。また、特に運転停止時において前記シャフトシール部に潤滑油が十分には供給されないので、シャフトシール部のガス漏れが起こりやすく、また圧縮機の再運転時に前記シャフトシール部が損傷する恐れもある。以上のことからCOサイクルの運転は効率的とは言えず、この改善が強く要望されていた。
なお、特許文献2(特公平3−6350号公報)には、スクリュー圧縮機の軸端部を封止するための軸封装置として、前記軸端部にメカニカルシールとラビリンスシールとしてのすべり軸受とを離して配置してこれらの間を密封室とし、この密封室に、ポンプ室内のガス圧力より高い圧力で潤滑剤を送り込むことにより、ポンプ室内のガスの漏れを防止するものが開示されている。しかしながらこの軸封装置は、圧縮機の運転時に単にガス漏れを防止するものであり、圧縮機の機械室(ポンプ室)を潤滑するものではない。
そこで、本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、運転時の潤滑性能の向上や特に停止時の作動ガスの漏れ防止を図り、冷凍サイクルの高効率で健全な運転を確保することができる開放型圧縮機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、クランクケースの低圧室に軸受を介して回転自在に支持されたクランクシャフトが回転することにより、前記低圧室に導入した作動ガスを圧縮し、所定の高圧にしてから吐出する開放型圧縮機において、前記クランクシャフトの前記軸受の軸方向外側に設けられたシャフトシールと、前記軸受と前記シャフトシールとの間に設けられて、前記シャフトシールが設けられた空間を前記低圧室より仕切ってシール室とする弾性変形可能な仕切り手段と、前記クランクケースに前記シール室に連通して形成され、かつ前記シール室に潤滑剤を供給するためのシール室潤滑剤供給通路と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明の開放型圧縮機では、その運転時には高圧の潤滑剤をシール室潤滑剤供給通路を通して、仕切り手段で仕切られたシール室内に供給して充満させることにより、この充満した高圧の潤滑剤によりシャフトシールからの作動ガス漏れを防止する。
請求項2記載の発明では、前記仕切り手段は非接触型のラビリンスシールであり、このラビリンスシールは圧縮機の運転時において前記シール室に供給された高圧の潤滑剤を前記低圧室に漏出させるものである。すなわち、仕切り手段の弾性変形による隙間を有し、この隙間より所要の漏出機能を確保する。
この発明では、圧縮機の運転時には、高圧の潤滑剤をシール室潤滑剤供給通路を通してシール室内に供給することにより、シール室に充満した潤滑剤の圧力がクランクケース内の低圧室(機械室)の圧力よりも十分に低くなるので、ラビリンスシールはシール室内に充満した潤滑剤の一部を低圧室に漏出させる作用を果たす。この漏出した潤滑剤により低圧室の潤滑が可能となる。一方、圧縮機の停止時には、シール室と低圧室との圧力がほぼ等しくなるため、シール室内に充満した潤滑剤はラビリンスシールで保持されて漏出しない。したがって、シール室に高圧の潤滑剤が充満するので、シャフトシールからの作動ガス漏れを確実に防止できる。
また、請求項3のように、前記クランクケースに前記低圧室に連通して形成され、かつ前記低圧室に潤滑剤を供給するための低圧室潤滑剤供給通路を備えていることにより、運転時に潤滑剤を低圧室潤滑剤供給通路を介して直接低圧室に供給することができる。
さらに、請求項4記載の発明は、前記シール室、あるいは前記シール室および前記低圧室に潤滑剤としての潤滑油を供給する潤滑油供給手段として、前記吐出された高圧の作動ガスの配管に設けられて、この作動ガスより潤滑油を分離するための油分離器と、この油分離器で分離された潤滑油を前記シール室潤滑剤供給通路に、あるいは前記シール室潤滑剤供給通路および低圧室潤滑剤供給通路に戻すための潤滑油戻り配管とを備えているものである。この発明では、前記シール室、あるいは前記シール室および前記低圧室に供給する潤滑油として、圧縮機の吐出口からの作動ガス中に含まれている潤滑油を油分離器により分離し、この分離された潤滑油を再利用することにより、運転コストを低減できる。
そして、本発明は、請求項5のように、作動ガスとして二酸化炭素を使用した冷凍サイクルに使用される、運転圧力が高く作動ガス漏れの起こりやすい開放型圧縮機に適用することが効果的である。
また、請求項6記載の発明は、クランクケースの低圧室に軸受を介して回転自在に支持されたクランクシャフトの密封装置であって、前記クランクシャフトの前記軸受の軸方向外側に設けられたシャフトシールと、前記軸受と前記シャフトシールとの間に設けられて、前記シャフトシールが設けられた空間を前記低圧室より仕切ってシール室とする仕切り手段と、前記クランケースに前記シール室に連通して形成され、かつ前記シール室に潤滑剤を供給するためのシール室潤滑剤供給通路と、を備えており、前記クランクシャフトが停止しているときには、前記低圧室と前記シール室との圧力がほぼ等しくなることを特徴とするものである。
上述した本発明によれば、以下に記載するような効果を奏する。
請求項1記載の発明は、開放型圧縮機では、その運転時には高圧の潤滑剤をシール室潤滑剤供給通路を通して、仕切り手段で仕切られたシール室内に供給して充満させることにより、この充満した高圧の潤滑剤によりシャフトシールからの作動ガス漏れを防止する。
請求項2記載の発明では、前記仕切り手段は非接触型のラビリンスシールであり、このラビリンスシールは圧縮機の運転時において前記シール室に供給された高圧の潤滑剤を前記低圧室に漏出させるものである。すなわち、仕切り手段の弾性変形による隙間を有し、この隙間より所要の漏出機能を確保する。
この発明では、圧縮機の運転時には高圧の潤滑剤をシール室潤滑剤供給通路を通して、シール室内に供給することにより、シール室に充満した潤滑剤の圧力がクランクケース内の低圧室(機械室)の圧力よりも十分に低くなるので、ラビリンスシールはシール室内に充満した潤滑剤の一部を低圧室に漏出させる作用を果たす。この漏出した潤滑剤により低圧室の潤滑が可能となる。一方、圧縮機の停止時には、シール室と低圧室との圧力がほぼ等しくなるため、シール室内に充満した潤滑剤はラビリンスシールで保持され漏出しない。したがって、シール室に高圧の潤滑剤が充満するので、シャフトシールからの作動ガス漏れを確実に防止できる。しかも、圧縮機の再運転時に前記シャフトシールの損傷する恐れもない。以上のことから、冷凍サイクルの運転を効率的に行える。
本発明に係る開放型圧縮機の一実施形態の縦断面図である。 図1に示したシール室近傍の拡大図である。 シール室近傍の参考形態を示す断面図である。 本発明に係る開放型圧縮機の他の実施形態の縦断面図である。 蒸気圧縮式冷凍サイクルを示す模式図である。 COのモリエル線図である。
本発明に係わる開放型圧縮機の実施形態について図面を参照して説明する。
先ず、本発明の開放型圧縮機を備えたCOサイクルについて、図5を参照して説明する。このCOサイクルSは例えば車両用空調装置に適用したものであり、1は気相状態のCOを圧縮する開放型圧縮機である。開放型圧縮機1は図示しない駆動源(例えばエンジン等)から駆動力を得て駆動する。1aは、開放型圧縮機1で圧縮されたCOを外気等との間で熱交換して冷却する放熱器(ガスクーラ)であり、1cは放熱器1a出口側でのCO温度に応じて放熱器1a出口側圧力を制御する圧力制御弁である。COは、この圧力制御弁1bおよび絞り1cにより減圧されて低温低圧の気液2相状態のCOとなる。1dは、車室内の空気冷却手段をなす蒸発器(吸熱器)で、気液2相状態のCOは蒸発器1d内で気化(蒸発)する際に、車室内空気から蒸発潜熱を奪って車室内空気を冷却する。1eは、気相状態のCOを一時的に蓄えるアキュムレータである。そして、開放型圧縮機1、放熱器1a、圧力制御弁1b、絞り1c、蒸発器1dおよびアキュムレータ1eは、それぞれ配管1fによって接続されて閉回路を形成している。
次に、開放型圧縮機1の一実施形態について、図1および図2(図1のシール室近傍の断面図)を参照して説明する。
開放型圧縮機1のハウジング1A(ケーシング)は、カップ状のケース本体2と、これにボルト3により締結されたフロントケース4(クランクケース)とから構成されている。クランクシャフト5はフロントケース4を貫通し、メイン軸受6およびサブ軸受7を介してフロントケース4に回転自在に支持されている。クランクシャフト5には、図示しない車両エンジンの回転が公知の電磁クラッチ32を介して伝動されるようになっている。なお、符号32a,32bはそれぞれ電磁クラッチ32のコイルおよびプーリを示している。
ハウジング1Aの内部には、固定スクロール8および旋回スクロール9が配設されている。
固定スクロール8は、端板10とその内面に立設された渦巻状突起(ラップ)11とを備え、この端板10の背面には背圧ブロック13がボルト12により分解可能に固定されている。背圧ブロック13の内周面および外周面にはOリング14a,14bがそれぞれ埋設されており、これらOリング14a,14bは、ケース本体2の内周面に密接し、ケース本体2内の低圧室15(吸入室)より後述する高圧室(吐出チャンバ)16が隔離されている。この高圧室16は、背圧ブロック13の内空間13aと、固定スクロール8の端板10の背面に形成された凹部10aとから構成されている。
旋回スクロール9は端板17とその内面に立設された渦巻状突起(ラップ)18とを備え、この渦巻状突起18は上記固定スクロール8の渦巻状突起11と実質的に同一の形状を有している。
固定スクロール8とフロントケース4との間にはリング状の板ばね20aが配置されており、この板ばね20aは複数のボルト20bを介して、周方向に交互に固定スクロール8およびフロントケース4に締結されている。これにより、固定スクロール8はその軸方向においてのみ板ばね20aの最大撓み量だけ、移動を許容されている(フロート構造)。なお、リング状の板ばね20aおよびボルト20bにより固定スクロール支持装置20が構成されている。
前記背圧ブロック13の背面突出部とハウジング1Aとの間には隙間cが設けられていることにより、この背圧ブロック13は固定スクロール8とともに前記軸方向に可動となっている。固定スクロール8と旋回スクロール9とは、相互に公転旋回半径だけ偏心し、かつ、180°だけ位相をずらせて図示のように噛み合わされ、渦巻状突起11の先端に埋設されたチップシール(不図示)は端板17の内面に密接し、渦巻状突起18の先端に埋設されたチップシール(不図示)は端板10の内面に密接し、また、各渦巻状突起11,18の側面に互いに複数箇所で密接する。なお、各渦巻状突起11,18にはチップシールを設けない場合があり、この場合、各渦巻状突起11,18の先端が端板17,10の内面にそれぞれ密着する。
このような構成により、渦巻状の中心に対してほぼ点対称をなす複数の密閉空間21a,21bが限界される。固定スクロール8と旋回スクロール9との間には、旋回スクロール9の自転を阻止して公転を許容する自転防止リング27(オルダム接手)が設けられている。
端板17の外面中央部に形成された円筒状のボス22の内部にはドライブブッシュ23が、ラジアル軸受を兼ねる旋回軸受24(ドライブ軸受)を介して回動自在に収容され、このドライブブッシュ23に穿設された貫通孔25内にはクランクシャフト5の内端に突設された偏心軸26が回動自在に嵌合されている。また、端板17の外面の外周縁とフロントケース4との間には、旋回スクロール9の支持するためのスラスト玉軸受19が配置されている。
クランクシャフト5の外周には後述する公知のメカニカルシール28(シャフトシール)が配置されており、このメカニカルシール28はメイン軸受6の外側に設けられている。また、フロントケース4にはシール室潤滑油供給通路29(シール室潤滑剤供給通路)が形成され、その一端はフロントケース4内部の後述するシール室30(油溜室)に連通している。
シール室30は、後述する非接触型のラビリンスシール31(仕切り手段)により低圧室15と隔離されている。なお、仕切り手段としてはラビリンスシール31に限らず、後述するように、メカニカルシール又は軸シール等の密封装置に漏れ通路を設けた接触シールを採用してもよい。シール室潤滑油供給通路29を介して高圧な潤滑油(潤滑剤)をシール室30に供給されるようになっている。すなわち、吐出口38より吐出され高圧の作動ガスの配管1fには、この作動ガスより潤滑油を分離するための油分離器42(オイルセパレータ)が設けられており、油分離器42で捕集した潤滑油は戻り配管43を通って前記シール室潤滑油供給通路29に導入される。
ここで、前記シール室30の近傍について、図2を参照して説明する。
本例のメカニカルシール28は例えば滑り環式軸封装置であり、フロントケース4に固定された例えば合成ゴム製のシートリング28a(ゴムパッキン)と、クランクシャフト5とともに回転する例えば炭素鋼製の従動リング28b(滑り環)とを備え、この従動リング28bは、付勢部材28cによりシートリング28aに圧接されていることにより、クランクシャフト5の回転に伴いシートリング28aに対して摺動する。なお、このようなメカニカルシール28は例えば本出願人の出願に係わる実公平4−33424号公報や、改訂冷凍工学(発行所:株式会社コロナ社、発行日:昭和50年7月20日)の第141頁〜148頁に記載されている。
本発明に係わる仕切り手段31(本例では非接触型のラビリンスシール31)は、フロントケース4側に固定されたリング状のシール本体31a(構成部材)と、このシール本体31aの内周部に遊嵌されたリング状のチップ31b(構成部材)とから構成されている。このチップ31bの外周部とシール本体31aの内周部との間には極めて微小な隙間が設けられて非接触となっており、この隙間を高圧の潤滑油が通過できるようになっている。シール本体31aの外周部は厚肉部40となっており、この厚肉部40はメイン軸受6の外輪6aによって、フロントケース4の内面に押し付けられていることで、フロントケース4に固定されている。なお、メイン軸受6はクランクシャフト5のつば部5aによって図2中左側に押されることで、シール本体31aを固定している。チップ31bは弾性体で形成され、その内周面がクランクシャフト5に押圧している。
このような構成により、ラビリンスシール31は、シール室30を低圧室15より隔離している。ラビリンスシール31の特徴としては、圧縮機の運転時においてシール室30に供給された高圧の潤滑油によりチップ31bが弾性変形して、この潤滑油の一部を前記隙間を通して低圧室15側に漏出させることである。
次に、開放型圧縮機1の動作について説明する。
電磁クラッチのコイルに通電して、車両エンジンの回転をクランクシャフト5に伝動させると、クランクシャフト5の回転は、偏心軸26、貫通孔25、ドライブブッシュ23、旋回軸受24、ボス22からなる旋回駆動機構を介して旋回スクロール9が駆動され、旋回スクロール9は自転防止リング17によってその自転を阻止されながら公転旋回半径を半径とする円軌道上を公転旋回運動する。
旋回スクロール9が公転旋回運動すると、双方のうず巻状ラップ11,18の線接触部が次第にうず巻の中心方向に移動し、この結果、密閉空間21a,21b(圧縮室)が容積を減少しながら、うず巻の中心方向へ移動する。これに伴って吸入口(不図示)を通って吸入室15へ流入した作動ガス(矢印A参照)が、双方の渦巻状突起11,18との外終端開口部から密閉空間21a内に取り込まれ、圧縮されながら中心部21cに至り、ここから固定スクロール8の端板10に穿設された吐出ポート34を通り、吐出弁35を押開いて高圧室16へ吐出され、さらに吐出口38から流出される。このように、旋回スクロール9の旋回により、吸入室15より導入した流体を前記密閉空間21a,21b内で圧縮し、この圧縮ガスを吐出する。
油分離器42で捕集した潤滑油は、戻り配管43およびシール室潤滑油供給通路29を通して、シール室30内に供給することにより、シール室30に充満した潤滑油の圧力がハウジング1A内の低圧室15(機械室)の圧力よりも十分に高くなるので、ラビリンスシール31は、そのチップ31bが弾性変形して、この潤滑油の一部を低圧室15側に漏出させる作用を果たす。これにより、前記充満した高圧の潤滑油によりシャフトシール28からの作動ガス漏れを防止できる上に、前記漏出した潤滑油により低圧室15の潤滑も可能となる。
電磁クラッチ32のコイル32aへの通電を解除して、クランクシャフト5への回転力の伝動を絶つと、開放型圧縮機1の運転は停止され、シール室30と低圧室15(機械室)との圧力がほぼ等しくなるため、ラビリンスシール31は、そのチップ31bが弾性変形せず、シール室30内に充満した潤滑油を保持し漏出させない。このようにシール室30に高圧の潤滑油が充満するので、シャフトシール28からの作動ガス漏れを確実に防止できる。
ここで、仕切り手段の参考実施形態について図3を参照して説明する。
図3に示すように、仕切り手段としてのラビリンスシール51は、フロントケース4側に固定されたリング状の第1のシール部51a(構成部材)と、クランクシャフト5に固定されたリング状の第2のシール部51b(構成部材)とから構成されている。第1のシール部51aの外周部は厚肉部52となっており、この厚肉部52はメイン軸受6の外輪6aによって、フロントケース4の内面52に押し付けられていることにより、フロントケース4に固定されている。第2のシール部51bの内周部は厚肉部53となっており、この厚肉部53はクランクシャフト5の大径部5bの端面に固定されている。第1のシール部51aの内周部と第2のシール部51bの外周部との間には極めて微小な隙間が設けられて非接触となっている。このような構成により、ラビリンスシール51は、油溜室30を低圧室15より隔離している。圧縮機の運転時においてシール室30に供給された高圧の潤滑油の一部は、第1のシール部51aおよび第2のシール部51b間の前記隙間より低圧室15側に漏出される。その他の構成は図2のものと同様である。
次に、本発明に係わる開放型圧縮機の他の形態について説明する。
図4に示すように、カップ状本体2に、低圧室に連通するような潤滑油供給通路29a(低圧室潤滑剤供給通路)を形成し、潤滑油供給通路29aに戻り配管43の分岐管43aを接続したものである。運転時には潤滑油を低圧室潤滑剤供給通路29aを介して直接低圧室15に供給することができるので、低圧室15の潤滑性がさらに向上する。
上記各実施形態では、開放型圧縮機を、COを作動ガスとするCOサイクルに適用したが、これに限らず、通常のフロン等を作動ガスとする蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用してもよい。
また、上記各実施形態では、吐出した高圧の作動ガスより分離した潤滑油をシール室(あるいはシール室および低圧室)に導入して再使用することにより、ランニングコストの低減に寄与できるが、これに限らず、潤滑油を貯留するタンクを別途設け、このタンクより潤滑油を高圧状態でシール室(あるいはシール室および低圧室)に導入する構成としてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
S COサイクル
1 開放型圧縮機
1A ハウジング
2 ハウジング本体
4 フロントケース(クランクケース)
5 クランクシャフト
6 メイン軸受
8 固定スクロール
9 旋回スクロール
13 背圧ブロック
15 低圧室(吸入室、機械室)
16 高圧室
27 自転防止リング
28 メカニカルシール(シャフトシール)
29 シール室潤滑油供給通路(シール室潤滑剤供給通路)
29a 低圧室潤滑油供給通路(低圧室潤滑剤供給通路)
30 シール室
31 ラビリンスシール(仕切り手段)
42 油分離器(オイルセパレータ)
43 戻り配管
43a 分岐配管

Claims (6)

  1. クランクケースの低圧室に軸受を介して回転自在に支持されたクランクシャフトが回転することにより、前記低圧室に導入した作動ガスを圧縮し、所定の高圧にしてから吐出する、高圧冷媒を使用する開放型圧縮機において、
    前記クランクシャフトの前記軸受の軸方向外側に設けられたシャフトシールと、前記軸受と前記シャフトシールとの間に設けられて、前記シャフトシールが設けられた空間を前記低圧室より仕切ってシール室とする弾性変形可能な仕切り手段と、前記クランクケースに前記シール室に連通して形成され、かつ前記シール室に潤滑剤を供給するためのシール室潤滑剤供給通路と、を備えていることを特徴とする開放型圧縮機。
  2. 前記仕切り手段は非接触型のラビリンスシールであり、このラビリンスシールは圧縮機の運転時において前記シール室に供給された高圧の潤滑剤をシール材の弾性変形により前記低圧室に漏出させるものである請求項1記載の開放型圧縮機。
  3. 前記クランクケースに前記低圧室に連通して形成され、かつ前記低圧室に潤滑剤を供給するための低圧室潤滑剤供給通路を備えている請求項1又は請求項2に記載の開放型圧縮機。
  4. 前記シール室、あるいは前記シール室および前記低圧室に潤滑剤としての潤滑油を供給する潤滑油供給手段として、前記吐出された高圧の作動ガスの配管に設けられて、この作動ガスより潤滑油を分離するための油分離器と、この油分離器で分離された潤滑油を前記シール室潤滑剤供給通路に、あるいは前記シール室潤滑剤供給通路および低圧室潤滑剤供給通路に戻すための潤滑油戻り配管とを備えている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の開放型圧縮機。
  5. 前記作動ガスは二酸化炭素である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の開放型圧縮機。
  6. クランクケースの低圧室に軸受を介して回転自在に支持されたクランクシャフトの密封装置であって、前記クランクシャフトの前記軸受の軸方向外側に設けられたシャフトシールと、前記軸受と前記シャフトシールとの間に設けられて、前記シャフトシールが設けられた空間を前記低圧室より仕切ってシール室とする弾性変形可能な仕切り手段と、前記クランケースに前記シール室に連通して形成され、かつ前記シール室に潤滑剤を供給するためのシール室潤滑剤供給通路と、を備えていることを特徴とする密封装置。
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