JP7174287B1 - スクロール圧縮機及び冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定スクロールと可動スクロールとの間の対向面への潤滑油の供給量を増やす。【解決手段】固定側油溝(80)は、固定スクロール(60)における可動スクロール(70)に対する対向面に設けられる。固定側油溝(80)は、固定側周方向溝部(81)を有する。幅広部(84)は、固定側周方向溝部(81)の円弧部の溝幅よりも径方向に広くなっている。可動側油溝(85)は、可動スクロール(70)における固定スクロール(60)に対する対向面に設けられる。可動側油溝(85)の径方向溝部(87)の一部は、可動スクロール(70)が旋回運動する角度域の所定の区間において、軸方向から見て幅広部(84)に重なり合う。【選択図】図5

Description

本開示は、スクロール圧縮機及び冷凍装置に関するものである。
特許文献1には、固定スクロールの外周壁の端部に固定側油溝が形成され、可動スクロールの鏡板に可動側油溝が形成されたスクロール圧縮機が開示されている。
特許文献1のスクロール圧縮機では、固定側油溝に高圧の潤滑油が供給される。可動スクロールが旋回運動を行うことで、可動側油溝が固定側油溝に連通して、固定側油溝の潤滑油が可動側油溝に供給される。この潤滑油は、固定スクロールの外周壁と可動スクロールの鏡板との間の対向面(スラスト面)の潤滑に利用される。
特開2012-202221号公報
ところで、特許文献1のスクロール圧縮機では、可動スクロールの旋回運動中の特定の角度域において、可動側油溝が固定側油溝に連通しない状態となり、固定側油溝の潤滑油が可動側油溝に供給されなくなる。この状態においても、残圧による対向面への給油が継続されるが、潤滑性を向上させるために、対向面に供給される潤滑油の量をさらに増やしたいという要望がある。
本開示の目的は、固定スクロールと可動スクロールとの間の対向面への潤滑油の供給量を増やすことにある。
本開示の態様は、固定スクロール(60)と、可動スクロール(70)と、を備えたスクロール圧縮機であって、前記固定スクロール(60)における前記可動スクロール(70)に対する対向面には、周方向に延びる固定側周方向溝部(81)を有する固定側油溝(80)が設けられ、前記固定側周方向溝部(81)は、周方向に延びる円弧部の溝幅よりも径方向に広い幅広部(84)を有し、前記可動スクロール(70)における前記固定スクロール(60)に対する対向面には、周方向に延びる可動側周方向溝部(86)と、径方向に延びて前記可動側周方向溝部(86)に連通する径方向溝部(87)と、を有する可動側油溝(85)が設けられ、前記可動スクロール(70)が旋回運動する角度域の所定の区間において、前記径方向溝部(87)の一部が、軸方向から見て前記幅広部(84)に重なり合う。
本開示の態様では、幅広部(84)において潤滑油を受け渡しすることで、固定側油溝(80)と可動側油溝(85)とが連通する角度域を拡大して、固定スクロール(60)と可動スクロール(70)との対向面への給油量を増やすことができる。
本開示の態様は、前記固定側周方向溝部(81)は、第1円弧部(82)と、第2円弧部(83)と、を有し、前記第1円弧部(82)における前記第2円弧部(83)側の第1端部と、前記第2円弧部(83)における前記第1円弧部(82)側の第2端部と、が接続され、前記幅広部(84)は、前記第1円弧部(82)の前記第1端部と、前記第2円弧部(83)の前記第2端部と、の接続位置に設けられる。
本開示の態様では、第1円弧部(82)と第2円弧部(83)との接続位置に幅広部(84)を設けて潤滑油を受け渡しすることで、固定側油溝(80)と可動側油溝(85)とに潤滑油を分配させやすくなる。
本開示の態様は、前記第1円弧部(82)の前記第1端部と、前記第2円弧部(83)の前記第2端部とは、径方向に並んで配置され且つその一部が重なり合っている。
本開示の態様では、第1円弧部(82)と第2円弧部(83)とを径方向にずらして端部同士を接続させることで、接続位置に幅広部(84)を形成することができる。
本開示の態様は、前記幅広部(84)は、前記固定側周方向溝部(81)の円弧部よりも径方向外側に広がっている。
本開示の態様では、固定側油溝(80)と可動側油溝(85)とが連通する角度域を拡大することができる。
本開示の態様は、前記スクロール圧縮機(10)と、前記スクロール圧縮機(10)で圧縮された冷媒が流れる冷媒回路(1a)と、を備える冷凍装置である。
本開示の態様では、スクロール圧縮機(10)を備えた冷凍装置を提供できる。
図1は、本実施形態の冷凍装置の構成を示す冷媒回路図である。 図2は、スクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。 図3は、固定スクロールの構成を示す底面図である。 図4は、可動スクロールの構成を示す平面図である。 図5は、第1状態での固定側油溝と可動側油溝との位置関係を示す図である。 図6は、第2状態での固定側油溝と可動側油溝との位置関係を示す図である。 図7は、第3状態での固定側油溝と可動側油溝との位置関係を示す図である。 図8は、第4状態での固定側油溝と可動側油溝との位置関係を示す図である。
図1に示すように、スクロール圧縮機(10)は、冷凍装置(1)に設けられる。冷凍装置(1)は、冷媒が充填された冷媒回路(1a)を有する。冷媒回路(1a)は、スクロール圧縮機(10)、放熱器(3)、減圧機構(4)、及び蒸発器(5)を有する。減圧機構(4)は、例えば、膨張弁である。冷媒回路(1a)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
冷凍装置(1)は、空気調和装置である。空気調和装置は、冷房専用機、暖房専用機、あるいは冷房と暖房とを切り換える空気調和装置であってもよい。この場合、空気調和装置は、冷媒の循環方向を切り換える切換機構(例えば四方切換弁)を有する。冷凍装置(1)は、給湯器、チラーユニット、庫内の空気を冷却する冷却装置などであってもよい。冷却装置は、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナなどの内部の空気を冷却する。
図2に示すように、スクロール圧縮機(10)は、ケーシング(20)と、電動機(30)と、圧縮機構(40)と、を備える。ケーシング(20)は、縦長の円筒状に形成され、密閉ドーム式に構成される。ケーシング(20)には、電動機(30)と、圧縮機構(40)とが収容される。
電動機(30)は、ステータ(31)と、ロータ(32)と、を有する。ステータ(31)は、ケーシング(20)の内周面に固定される。ロータ(32)は、ステータ(31)の内側に配置される。ロータ(32)には、駆動軸(11)が貫通する。ロータ(32)は、駆動軸(11)に固定される。
ケーシング(20)の底部には、油溜まり部(21)が設けられる。油溜まり部(21)には、潤滑油が貯留される。ケーシング(20)の上部には、吸入管(12)が接続される。ケーシング(20)の胴部には、吐出管(13)が接続される。
ケーシング(20)には、ハウジング(50)が固定される。ハウジング(50)は、例えば、焼き嵌めによってケーシング(20)の内部に固定される。ハウジング(50)は、電動機(30)の上方に配置される。ハウジング(50)の上方には、圧縮機構(40)が配置される。吐出管(13)の流入端は、電動機(30)とハウジング(50)との間に位置している。
ハウジング(50)には、凹部(53)が形成される。凹部(53)は、ハウジング(50)の上面の一部が窪むことで形成される。凹部(53)の下側には、上部軸受(51)が設けられる。
駆動軸(11)は、ケーシング(20)の中心軸に沿って上下方向に延びる。駆動軸(11)は、主軸部(14)と、偏心部(15)と、を有する。
偏心部(15)は、主軸部(14)の上端に設けられる。主軸部(14)の下部は、下部軸受(22)に回転可能に支持される。下部軸受(22)は、ケーシング(20)の内周面に固定される。下部軸受(22)には、例えば、容積式のポンプ(25)が設けられる。主軸部(14)の上部は、ハウジング(50)を貫通し、ハウジング(50)の上部軸受(51)に回転可能に支持される。
圧縮機構(40)は、固定スクロール(60)と、可動スクロール(70)と、を備える。固定スクロール(60)は、ハウジング(50)の上面に固定される。可動スクロール(70)は、固定スクロール(60)とハウジング(50)との間に配置される。
固定スクロール(60)は、固定側鏡板(61)と、固定側ラップ(62)と、外周壁(63)と、を有する。外周壁(63)は、略筒状に形成される。外周壁(63)は、固定側鏡板(61)の正面(図2における下面)の外縁に立設する。
固定側ラップ(62)は、渦巻き状に形成される。固定側ラップ(62)は、固定側鏡板(61)における外周壁(63)の内部に立設する。
固定側鏡板(61)は、外周側に位置して固定側ラップ(62)と連続的に形成される。固定側ラップ(62)の先端面と外周壁(63)の先端面とは略面一に形成される。固定スクロール(60)は、ハウジング(50)に固定される。
可動スクロール(70)は、可動側鏡板(71)と、可動側ラップ(72)と、ボス部(73)と、を有する。可動側ラップ(72)は、渦巻き状に形成される。可動側ラップ(72)は、可動側鏡板(71)の上面に形成される。可動側ラップ(72)は、固定側ラップ(62)に噛み合う。
ボス部(73)は、可動側鏡板(71)の下面中心部に形成される。ボス部(73)には、駆動軸(11)の偏心部(15)が挿入され、駆動軸(11)が連結される。
ハウジング(50)の上部には、オルダム継手(45)が設けられる。オルダム継手(45)は、可動スクロール(70)が自転するのを阻止している。オルダム継手(45)には、キー(46)が設けられる。キー(46)は、可動スクロール(70)の可動側鏡板(71)の下面側に突出する。可動スクロール(70)の可動側鏡板(71)の下面には、キー溝(47)が形成される。キー溝(47)には、オルダム継手(45)のキー(46)が摺動可能に嵌合される。
なお、図示は省略するが、オルダム継手(45)のハウジング(50)側にもキーが設けられており、ハウジング(50)側のキーが、ハウジング(50)のキー溝(図示省略)に摺動可能に嵌合される。
圧縮機構(40)は、冷媒が流入する流体室(S)を有する。流体室(S)は、固定スクロール(60)と可動スクロール(70)との間に形成される。可動スクロール(70)は、可動側ラップ(72)が固定スクロール(60)の固定側ラップ(62)に噛み合うように配設される。ここで、固定スクロール(60)の外周壁(63)の下面が、可動スクロール(70)に対する対向面となる。また、可動スクロール(70)の可動側鏡板(71)の上面が、固定スクロール(60)に対する対向面となる。
固定スクロール(60)の外周壁(63)には、吸入ポート(64)が形成される。吸入ポート(64)は、固定側ラップ(62)の巻き終わり付近に開口する。吸入ポート(64)には、吸入管(12)の下流端が接続される。
固定スクロール(60)の固定側鏡板(61)の中央には、吐出口(65)が形成される。固定スクロール(60)の固定側鏡板(61)の上面には、吐出口(65)が開口する。吐出口(65)から吐出された高圧のガス冷媒は、ハウジング(50)に形成された通路(図示省略)を介して下部空間(24)に流出する。
駆動軸(11)の内部には、給油路(16)が形成される。給油路(16)は、駆動軸(11)の下端から上端に亘って上下方向に延びる。駆動軸(11)の下端部は、ポンプ(25)に接続される。ポンプ(25)の下端部は、油溜まり部(21)に浸漬される。ポンプ(25)は、駆動軸(11)の回転に伴って油溜まり部(21)から潤滑油を吸い上げ、給油路(16)に搬送する。給油路(16)は、油溜まり部(21)の潤滑油を、下部軸受(22)と駆動軸(11)との摺動面、及び上部軸受(51)と駆動軸(11)との摺動面に供給するとともに、ボス部(73)と駆動軸(11)との摺動面に供給する。給油路(16)は、駆動軸(11)の上端面に開口し、潤滑油を駆動軸(11)の上方に供給する。
ハウジング(50)の凹部(53)は、可動スクロール(70)のボス部(73)の内部を介して駆動軸(11)の給油路(16)に連通している。凹部(53)には、高圧の潤滑油が供給されることで、圧縮機構(40)の吐出圧力に相当する高圧が作用する。可動スクロール(70)は、凹部(53)の高圧及び後述する中間圧部(43)の中間圧によって、固定スクロール(60)に押し付けられる。
ハウジング(50)及び固定スクロール(60)の内部には、油通路(55)が形成される。油通路(55)の流入端は、ハウジング(50)の凹部(53)に連通している。油通路(55)の流出端は、固定スクロール(60)の対向面に開口している。油通路(55)は、凹部(53)内の高圧の潤滑油を、可動スクロール(70)の可動側鏡板(71)と固定スクロール(60)の外周壁(63)との対向面に供給する。
固定スクロール(60)の外周壁(63)の下面には、1次側通路(48)が形成される(図5参照)。1次側通路(48)の内端は、外周壁(63)の内周面に開口し、中間圧状態の流体室(S)に連通している。
可動スクロール(70)の可動側鏡板(71)の外周部には、2次側通路(49)が形成される(図5参照)。2次側通路(49)は、可動側鏡板(71)を上下方向に貫通する貫通孔で構成される。2次側通路(49)は、上端が1次側通路(48)の外端部に間欠的に連通し、下端が可動スクロール(70)とハウジング(50)の間の中間圧部(43)に連通する。つまり、中間圧状態の流体室(S)から中間圧の冷媒が中間圧部(43)に間欠的に供給され、中間圧部(43)が所定の中間圧力となる。
〈固定側油溝及び可動側油溝の構成〉
図3に示すように、固定スクロール(60)の外周壁(63)における、可動スクロール(70)の可動側鏡板(71)に対する対向面(図2における下面)には、固定側油溝(80)が形成される。
固定側油溝(80)は、固定側周方向溝部(81)を有する。固定側周方向溝部(81)は、固定スクロール(60)の外周壁(63)の内周面に沿って周方向に延びる。固定側周方向溝部(81)には、油通路(55)が連通しており、油通路(55)から固定側周方向溝部(81)に潤滑油が供給される。
固定側周方向溝部(81)は、第1円弧部(82)と、第2円弧部(83)と、幅広部(84)と、を有する。第1円弧部(82)における第2円弧部(83)側の第1端部(図3で時計回り方向の端部)と、第2円弧部(83)における第1円弧部(82)側の第2端部(図3で反時計回り方向の端部)とは、径方向に並んで配置され且つその一部が重なり合って接続される。幅広部(84)は、第1円弧部(82)の第1端部と、第2円弧部(83)の第2端部との接続位置に設けられる。幅広部(84)は、第1円弧部(82)及び第2円弧部(83)の溝幅よりも径方向に広く形成される。
図4に示すように、可動スクロール(70)における固定スクロール(60)に対する対向面には、可動側油溝(85)が設けられる。可動側油溝(85)は、可動側周方向溝部(86)と、径方向溝部(87)と、を有する。可動側周方向溝部(86)は、可動側ラップ(72)の外周面に沿って周方向に延びる。径方向溝部(87)は、径方向に延びて可動側周方向溝部(86)の一端部(図4の時計回り方向の端部)に連通する。
径方向溝部(87)は、可動側周方向溝部(86)の一端部から可動スクロール(70)の中心側を向くように屈曲して延びる。つまり、径方向溝部(87)は、可動スクロール(70)の可動側鏡板(71)を径方向内方に延び、その内方端部が流体室(S)に連通可能となっている。
図5に示すように、可動スクロール(70)が旋回運動する角度域の所定の区間において、径方向溝部(87)の一部が、軸方向から見て幅広部(84)に重なり合う。固定側油溝(80)における固定側ラップ(62)の巻き終わり方向の端部は、可動側油溝(85)の可動側周方向溝部(86)における可動側ラップ(72)の巻き終わり方向の端部よりも吸入ポート(64)に近い位置にある。
これにより、油通路(55)と常時連通している固定側油溝(80)の長さを長くして、潤滑油の供給範囲を増やすことができる。その結果、固定スクロール(60)と可動スクロール(70)との対向面における高圧領域を増やし、固定スクロール(60)と可動スクロール(70)との間に油膜を十分に形成することができる。
-運転動作-
スクロール圧縮機(10)の基本的な動作について説明する。図2において、電動機(30)を作動させると、ロータ(32)が固定された駆動軸(11)が回転駆動する。また、可動スクロール(70)は、オルダム継手(45)によって自転が阻止されているので、駆動軸(11)の軸心を中心に旋回運動する。
可動スクロール(70)が旋回運動すると、流体室(S)で冷媒が圧縮される。流体室(S)で圧縮された高圧のガス冷媒は、吐出口(65)から吐出され、ハウジング(50)に形成された通路(図示省略)を経由して下部空間(24)に流出する。下部空間(24)の高圧のガス冷媒は、吐出管(13)を介して、ケーシング(20)の外部へ吐出される。
駆動軸(11)の回転に伴い、油溜まり部(21)の高圧の潤滑油は、ポンプ(25)によって吸い上げられて駆動軸(11)の給油路(16)を上方へ流れ、駆動軸(11)の偏心部(15)の上端の開口から可動スクロール(70)のボス部(73)の内部へ流出する。
ボス部(73)に供給された潤滑油は、駆動軸(11)の偏心部(15)とボス部(73)との隙間を介してハウジング(50)の凹部(53)へ流出する。これにより、ハウジング(50)の凹部(53)は、圧縮機構(40)の吐出圧力に相当する高圧となる。凹部(53)の高圧及び中間圧部(43)の中間圧によって可動スクロール(70)が固定スクロール(60)に押し付けられる。
凹部(53)に溜まった高圧の潤滑油は、油通路(55)を流れて固定側油溝(80)へ流出する。これにより、固定側油溝(80)には、圧縮機構(40)の吐出圧力に相当する高圧の潤滑油が供給される。
圧縮機構(40)では、固定側油溝(80)の高圧の潤滑油が所定の部位に供給される4つの状態に切り替わる。すなわち、圧縮機構(40)では、可動スクロール(70)が旋回運動する間において、第1状態、第2状態、第3状態、第4状態、第1状態、第2状態、・・・というように、各状態へと順に切り替わる。
〈第1状態〉
可動スクロール(70)が、例えば図5の偏心角度位置になると、第1状態となる。第1状態では、固定側油溝(80)の幅広部(84)と、可動側油溝(85)の径方向溝部(87)の一端部(径方向内方側の端部)とが連通する。また、第1状態では、固定側油溝(80)の固定側周方向溝部(81)の固定側周方向溝部(81)と、可動側油溝(85)の可動側周方向溝部(86)の端部(図5で時計回り方向の端部)とが重なり合って連通する。
これにより、固定側油溝(80)を流れる高圧の潤滑油は、径方向溝部(87)及び可動側周方向溝部(86)の端部から可動側油溝(85)内に流入する。その結果、可動側油溝(85)では、径方向溝部(87)及び可動側周方向溝部(86)に、高圧の潤滑油が満たされる。第1状態では、可動側油溝(85)と流体室(S)とは遮断されている。このため、可動側油溝(85)の高圧の潤滑油は、その周囲の対向面の潤滑に利用される。
〈第2状態〉
図5の偏心角度位置にある可動スクロール(70)がさらに旋回運動し、例えば図6の偏心角度位置になると、第2状態となる。第2状態では、固定側油溝(80)の幅広部(84)と、可動側油溝(85)の径方向溝部(87)とが連通する。また、固定側油溝(80)の固定側周方向溝部(81)と、可動側油溝(85)の可動側周方向溝部(86)とが重なり合って連通する。これにより、固定側油溝(80)から可動側油溝(85)への潤滑油の受け渡しをスムーズに行うことができる。第2状態では、さらに同時に、可動側油溝(85)の径方向溝部(87)の一端部と流体室(S)とが連通する。
第2状態では、可動側油溝(85)が流体室(S)と固定側油溝(80)との双方と連通する。これにより、第2状態では、固定側油溝(80)が径方向溝部(87)を介して流体室(S)と連通するとともに、可動側油溝(85)及び固定側油溝(80)を流れる高圧の潤滑油を、流体室(S)へ十分に供給できる。
また、可動側油溝(85)の径方向溝部(87)は、吸入ポート(64)に繋がる流体室(S)に連通しているので、可動側油溝(85)及び固定側油溝(80)内の潤滑油の圧力と、流体室(S)の冷媒の圧力との差が大きくなり、十分な潤滑油を流体室(S)へ供給できる。
〈第3状態〉
図6の偏心角度位置にある可動スクロール(70)がさらに旋回運動し、例えば図7の偏心角度位置になると、第3状態となる。第3状態では、可動側油溝(85)の径方向溝部(87)と流体室(S)とが遮断されている。しかし、第3状態では、第2状態後も可動側油溝(85)と固定側油溝(80)との連通状態が継続する。
このように、可動側油溝(85)と固定側油溝(80)との連通状態が継続されると、可動側油溝(85)内が高圧に維持される。従って、第3状態においても、可動側油溝(85)の潤滑油をその周囲の対向面に供給できる。
これにより、固定スクロール(60)と可動スクロール(70)との間の対向面における固定側油溝(80)の端部周辺に、固定側油溝(80)及び可動側油溝(85)の両方から潤滑油を供給することで、潤滑油の供給量を増やすことができる。
〈第4状態〉
図7の偏心角度位置にある可動スクロール(70)がさらに旋回運動し、例えば図8の偏心角度位置になると、第4状態となる。第4状態では、可動側油溝(85)が流体室(S)と固定側油溝(80)との双方と遮断されている。これにより、固定側油溝(80)から可動側油溝(85)への高圧の潤滑油の供給が中断される。
つまり、圧縮機構(40)では、可動スクロール(70)が360°旋回運動する間に、固定側油溝(80)から流体室(S)への潤滑油の供給が間欠的に中断される。これにより、固定側油溝(80)から流体室(S)へ連続して潤滑油が過剰に供給されることを防止できる。
第4状態の後には、再び第1状態に切り替わり、その後、第2状態、第3状態、及び第4状態へと順に切り替わる。
-実施形態の効果-
本実施形態の特徴によれば、固定側油溝(80)は、固定スクロール(60)における可動スクロール(70)に対する対向面に設けられる。固定側油溝(80)は、固定側周方向溝部(81)を有する。幅広部(84)は、固定側周方向溝部(81)の円弧部の溝幅よりも径方向に広くなっている。可動側油溝(85)は、可動スクロール(70)における固定スクロール(60)に対する対向面に設けられる。可動側油溝(85)の径方向溝部(87)の一部は、可動スクロール(70)が旋回運動する角度域の所定の区間において、軸方向から見て幅広部(84)に重なり合う。
このように、幅広部(84)において潤滑油を受け渡しすることで、固定側油溝(80)と可動側油溝(85)とが連通する角度域を拡大して、固定スクロール(60)と可動スクロール(70)との対向面への給油量を増やすことができる。
可動スクロール(70)が旋回運動する所定の角度域において、固定側油溝(80)と可動側油溝(85)とが連通を開始する。ここで、可動側油溝(85)の可動側周方向溝部(86)又は径方向溝部(87)の何れかが、先に固定側油溝(80)と連通を開始してもよい。
本実施形態の特徴によれば、第1円弧部(82)と第2円弧部(83)との接続位置に幅広部(84)を設けて潤滑油を受け渡しすることで、固定側油溝(80)と可動側油溝(85)とに潤滑油を分配させやすくなる。
本実施形態の特徴によれば、第1円弧部(82)と第2円弧部(83)とを径方向にずらして端部同士を接続させることで、接続位置に幅広部(84)を形成することができる。
本実施形態の特徴によれば、固定側油溝(80)と可動側油溝(85)とが連通する角度域を拡大することができる。
本実施形態の特徴によれば、スクロール圧縮機(10)と、スクロール圧縮機(10)で圧縮された冷媒が流れる冷媒回路(1a)と、を備える。これにより、スクロール圧縮機(10)を備えた冷凍装置を提供できる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、固定側周方向溝部(81)の第1円弧部(82)の第1端部と第2円弧部(83)の第2端部とを、径方向に並べて配置して且つその一部を重なり合わせて接続することで、第1円弧部(82)と第2円弧部(83)との接続位置に幅広部(84)を設けるようにしたが、この形態に限定するものではない。
例えば、周方向に延びる1つの円弧部の途中に、幅広部(84)を設けるようにしてもよい。また、この場合、幅広部(84)が、固定側周方向溝部(81)の円弧部よりも径方向外側に広がるようにすればよい。これにより、可動側油溝(85)の径方向溝部(87)が幅広部(84)に連通する角度域を拡大することができる。
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、明細書及び特許請求の範囲の「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、スクロール圧縮機について有用である。
1 冷凍装置
1a 冷媒回路
10 スクロール圧縮機
60 固定スクロール
70 可動スクロール
72 可動側ラップ
80 固定側油溝
81 固定側周方向溝部
82 第1円弧部
83 第2円弧部
84 幅広部
85 可動側油溝
86 可動側周方向溝部
87 径方向溝部

Claims (4)

  1. 固定スクロール(60)と、可動スクロール(70)と、を備えたスクロール圧縮機であって、
    前記固定スクロール(60)における前記可動スクロール(70)に対する対向面には、周方向に延びる固定側周方向溝部(81)を有する固定側油溝(80)が設けられ、
    前記固定側周方向溝部(81)は、周方向に延びる円弧部の溝幅よりも径方向に広い幅広部(84)を有し、
    前記可動スクロール(70)における前記固定スクロール(60)に対する対向面には、周方向に延びる可動側周方向溝部(86)と、径方向に延びて前記可動側周方向溝部(86)に連通する径方向溝部(87)と、を有する可動側油溝(85)が設けられ、
    前記可動スクロール(70)が旋回運動する角度域の所定の区間において、前記径方向溝部(87)の一部が、軸方向から見て前記幅広部(84)に重なり合い、
    前記固定側周方向溝部(81)は、第1円弧部(82)と、第2円弧部(83)と、を有し、
    前記第1円弧部(82)における前記第2円弧部(83)側の第1端部と、前記第2円弧部(83)における前記第1円弧部(82)側の第2端部と、が接続され、
    前記幅広部(84)は、前記第1円弧部(82)の前記第1端部と、前記第2円弧部(83)の前記第2端部と、の接続位置に設けられる
    スクロール圧縮機。
  2. 請求項のスクロール圧縮機において、
    前記第1円弧部(82)の前記第1端部と、前記第2円弧部(83)の前記第2端部とは、径方向に並んで配置され且つその一部が重なり合っている
    スクロール圧縮機。
  3. 請求項1又は2のスクロール圧縮機において、
    前記幅広部(84)は、前記固定側周方向溝部(81)の円弧部よりも径方向外側に広がっている
    スクロール圧縮機。
  4. 請求項1~の何れか1つのスクロール圧縮機(10)と、
    前記スクロール圧縮機(10)で圧縮された冷媒が流れる冷媒回路(1a)と、を備える
    冷凍装置。
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