JP2002242859A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2002242859A
JP2002242859A JP2001040016A JP2001040016A JP2002242859A JP 2002242859 A JP2002242859 A JP 2002242859A JP 2001040016 A JP2001040016 A JP 2001040016A JP 2001040016 A JP2001040016 A JP 2001040016A JP 2002242859 A JP2002242859 A JP 2002242859A
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orbiting scroll
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Application number
JP2001040016A
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English (en)
Inventor
Takayuki Hagita
貴幸 萩田
Masamitsu Takeuchi
真実 竹内
Tetsuzo Ukai
徹三 鵜飼
Takahiro Ichiyanagi
貴弘 一柳
Chikahiro Mishima
慎太 三島
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長寿命化を実現するスクロール圧縮機を提供
すること。 【解決手段】 旋回スクロール端板17の背面側に、こ
れをスラスト支持するための耐摩耗性材料により形成さ
れたスラスト板(スラスト部材)19を旋回スクロール
端板17の背面と対向配置された状態でフロントケース
4にボルト止めする。スラスト板19には、旋回スクロ
ール端板17との対向面に高圧流体が導入される圧力ポ
ケット41を形成し、この圧力ポケット41内の高圧流
体が旋回スクロール9に作用する押圧力を、旋回スクロ
ール9がスラスト板19に作用する押圧力よりも小さく
なるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機
に関し、特に二酸化炭素(CO2)等の超臨界域で冷媒
を使用する蒸気圧縮冷凍サイクルに適したスクロール圧
縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護の観点から、蒸気圧縮式
冷凍サイクルにおいて、冷媒の脱フロン対策の1つとし
て、作動ガス(冷媒ガス)として二酸化炭素(CO2
を使用した冷凍サイクル(以下、CO2サイクル)が提
案されている(例えば、特公平7−18602号公
報)。このCO2サイクルの作動は、フロンを使用した
従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルと同様である。すなわ
ち、図5(CO2モリエル線図)のA−B−C−D−A
で示されるように、圧縮機で気相状態のCO2を圧縮し
(A−B)、この高温圧縮の気相状態のCO2を放熱器
(ガスクーラ)にて冷却する(B−C)。そして、減圧
器により減圧して(C−D)、気液相状態となったCO
2を蒸発させて(D−A)、蒸発潜熱を空気等の外部流
体から奪って外部流体を冷却する。
【0003】ところで、CO2の臨界温度は約31℃と
従来の冷媒であるフロンの臨界点温度と比べて低いの
で、夏場等外気温の高いときには、放熱器側でのCO2
の温度がCO2の臨界点温度よりも高くなってしまう。
つまり、放熱器出口側においてCO2は凝縮しない(線
分BCが飽和液線SLと交差しない)。また、放熱器出
口側(C点)の状態は、圧縮機の吐出圧力と放熱器出口
側でのCO2温度によって決定され、放熱器出口側での
CO2温度は放熱器の放熱能力と外気温度(制御不可)
とによって決定するので、放熱器出口での温度は、実質
的には制御することができない。したがって、放熱器出
口側(C点)の状態は、圧縮機の吐出圧力(放熱器出口
側圧力)を制御することによって制御可能となる。つま
り、夏場等外気温の高いときには、十分な冷却能力(エ
ンタルピ差)を確保するためには、E−F−G−H−E
で示されるように、放熱器出口側圧力を高くする必要が
ある。そのために、圧縮機の運転圧力を従来のフロンを
用いた冷凍サイクルに比べて高くする必要がある。車両
用空調装置を例にすると、前記圧縮機の運転圧力は従来
のR134(フロン)では3kg/cm2程度であるの
に対してCO2では40kg/cm2程度と高く、また運
転停止圧力はR134(フロン)では15kg/cm2
程度であるのに対してCO2では100kg/cm2程度
と高くなる。
【0004】ここで、一般的なスクロール圧縮機は、ケ
ーシング内に、端板の一面側に渦巻状突起が形成された
固定スクロールと、端板の一面側に渦巻状突起が設けら
れかつこの渦巻状突起が前記固定スクロールの前記渦巻
状突起と組み合わされて渦巻状の圧縮室を形成する旋回
スクロールとを備え、前記旋回スクロールの旋回に伴
い、導入した作動ガスを前記圧縮室内で圧縮した後に吐
出するものである。そして、上述のように、CO2を作
動ガスとした運転圧力の高いスクロール圧縮機では、旋
回スクロールにかかる大きなスラストに対抗するため
に、旋回スクロールの背面をスラスト玉軸受により支持
することにより、前記圧縮室からの作動ガスの漏れを極
力阻止している。また、例えば特開平3−54387号
公報には、旋回スクロールの背面をスラスト板により支
持するとともに、このスラスト板の旋回スクロールとの
接触面に油または水をシールするための凹部を形成した
り、さらに、特公平1−44911号公報には、旋回ス
クロールの背面に背圧室を設けるとともに、旋回スクロ
ールの背面をばねによって付勢されるピストンにより支
持する技術が開示されている。
【0005】ところで、旋回スクロールをスラスト玉軸
受で支持するものは、特に長期間の使用に伴って、玉軸
受の特性上騒音が大きくなる上にスラスト荷重の低減効
果が低下して、機械損失が大きくなり、さらに、玉軸受
交換のためのメンテナンスに手間がかかるという問題
点、及び、スクロール圧縮機の小径化が難しいという問
題点がある。旋回スクロールを単にスラスト板で支持す
るものも、スラスト荷重の低減効果は低い。
【0006】そこで、スラスト板の旋回スクロールとの
対向面に外部より高圧油或いは作動ガスを導くことによ
り、スラスト荷重(スラスト負荷)を低減するスクロー
ル圧縮機が提案されている。このスクロール圧縮機を図
6に示した。図において、100は旋回スクロールであ
り、101は旋回スクロールのスラスト荷重を支持する
スラスト部である。スラスト部101には環状の圧力ポ
ケット102が形成されており、この圧力ポケット10
2に高圧油を導入することにより、旋回スクロール10
0がスラスト部101から浮き上がらない程度の押圧力
oilにてスラスト荷重を低減するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のスクロール圧縮機では、旋回スクロールとス
ラスト部とが摺動することにより、スラスト部が摩耗し
てしまい、寿命の低下を招くという問題があった。
【0008】上記事情に鑑み、本発明においては、長寿
命化を実現するスクロール圧縮機を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ケーシング内に、端板の一面側に渦巻状突起が形成
された固定スクロールと、端板の一面側に渦巻状突起が
設けられかつこの渦巻状突起が前記固定スクロールの前
記渦巻状突起と組み合わされて渦巻状の圧縮室を形成す
る旋回スクロールとを備え、前記旋回スクロールの旋回
に伴い、導入した作動ガスを前記圧縮室内で圧縮した後
に吐出するスクロール圧縮機において、前記旋回スクロ
ールの前記端板の背面側に、該旋回スクロールをスラス
ト支持するための耐摩耗性材料により形成されたスラス
ト部材が前記旋回スクロール端板の背面と対向配置され
た状態でケーシングに固定され、前記スラスト部材また
は前記旋回スクロール端板のいずれか一方には、前記ス
ラスト部材または前記旋回スクロール端板のいずれか他
方との対向面に高圧流体が導入される圧力ポケットが形
成され、該圧力ポケット内の高圧流体が前記旋回スクロ
ールに作用する押圧力は、前記旋回スクロールが前記ス
ラスト部材に作用する押圧力よりも小さくなるように設
定されていることを特徴とする。
【0010】この発明においては、スラスト部材がケー
シングと別部材であって、耐摩耗性材料により形成され
ているため、長寿命化を実現することができる。また、
スラスト部材はケーシングに固定されているので、スラ
スト部材とケーシングの間における摺動損の発生を防止
する。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のスクロール圧縮機において、前記圧力ポケットは、前
記スラスト部材の一側面に形成され、該スラスト部材に
は一側開口部が前記圧力ポケットに開口し、他側開口部
が該スラスト部材の他側面に開口する高圧流体導入孔が
形成され、前記ケーシングには、前記高圧流体導入孔の
他側開口部に連続して開口する高圧流体供給路が形成さ
れ、前記高圧流体導入孔と前記高圧流体供給路との連続
部を取り囲んで、Oリングが設けられていることを特徴
とする。
【0012】この発明によれば、Oリングによってスラ
スト部材とケーシングとの間から高圧油が漏れ出ること
が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係わるスクロール
圧縮機の実施形態について図面を参照して説明する。先
ず、本発明のスクロール圧縮機を備えたCO2サイクル
について、図4を参照して説明する。このCO2サイク
ルSは例えば車両用空調装置に適用したものであり、1
は気相状態のCO2を圧縮するスクロール圧縮機であ
る。スクロール圧縮機1は図示しない駆動源(例えばエ
ンジン等)から駆動力を得て駆動する。1aは、スクロ
ール圧縮機1で圧縮されたCO2を外気等との間で熱交
換して冷却する放熱器(ガスクーラ)であり、1cは放
熱器1a出口側でのCO2温度に応じて放熱器1a出口
側圧力を制御する圧力制御弁である。CO2は、この圧
力制御弁1bおよび絞り1cにより減圧されて低温低圧
の気液2相状態のCO2となる。1dは、車室内の空気
冷却手段をなす蒸発器(吸熱器)で、気液2相状態のC
2は蒸発器1d内で気化(蒸発)する際に、車室内空
気から蒸発潜熱を奪って車室内空気を冷却する。1e
は、気相状態のCO2を一時的に蓄えるアキュムレータ
である。そして、スクロール圧縮機1、放熱器1a、圧
力制御弁1b、絞り1c、蒸発器1dおよびアキュムレ
ータ1eは、それぞれ配管1fによって接続されて閉回
路を形成している。
【0014】次に、スクロール圧縮機1の第1実施形態
について、図1を参照して説明する。スクロール圧縮機
1のハウジング1A(ケーシング)は、カップ状のケー
ス本体2と、これにボルト3により締結されたフロント
ケース4(クランクケース)とから構成されている。ク
ランクシャフト5はフロントケース4を貫通し、メイン
軸受6およびサブ軸受7を介してフロントケース4に回
転自在に支持されている。クランクシャフト5には、図
示しない車両エンジンの回転が公知の電磁クラッチ32
を介して伝動されるようになっている。なお、符号32
a,32bはそれぞれ電磁クラッチ32のコイルおよび
プーリを示している。
【0015】ハウジング1Aの内部には固定スクロール
8および旋回スクロール9が配設されている。固定スク
ロール8は端板10とその内面に立設された渦巻状突起
(ラップ)11とを備え、この端板10の背面にはリン
グ状の背圧ブロック13が固定手段としての複数本のボ
ルト12により分解可能に固定されている。背圧ブロッ
ク13の内周面および外周面にはOリング14a,14
bがそれぞれ埋設されており、これらOリング14a,
14bは、ケース本体2の内周面に密接し、ケース本体
2内の低圧室15(吸入室)より後述する高圧室(吐出
チャンバ)16が隔離されている。この高圧室16は、
背圧ブロック13の小径内空間13aと、小径内空間1
3aに連続して形成された大径内空間13bと、固定ス
クロール8の端板10の背面に大径内空間13bと連続
するように形成された凹部10aとから構成されてい
る。固定スクロール8の端板10には吐出ポート34
(トップクリアランス)が穿設されており、この吐出ポ
ート34を開閉するための吐出弁35が前記凹部10a
に位置している。
【0016】旋回スクロール9は端板17とその内面に
立設された渦巻状突起(ラップ)18とを備え、この渦
巻状突起18は前記固定スクロール8の渦巻状突起11
と実質的に同一の形状を有している。
【0017】固定スクロール8とケース本体2との間に
はリング状の板ばね20aが配置されており、この板ば
ね20aは複数のボルト21bを介して、周方向に交互
に固定スクロール8およびケース本体2に締結されてい
る。これにより、固定スクロール8はその軸方向におい
てのみ板ばね20aの最大撓み量だけ、移動を許容され
ている(フロート構造)。なお、リング状の板ばね20
aおよびボルト20bにより固定スクロール支持装置2
0(軸方向コンプライアンス支持装置)が構成されてい
る。前記背圧ブロック13の背面突出部とハウジング1
Aとの間には隙間cが設けられていることにより、この
背圧ブロック13は前記軸方向に可動となっている。固
定スクロール8と旋回スクロール9とは、相互に公転旋
回半径だけ偏心し、かつ、180°だけ位相をずらせて
図示のように噛み合わされ、渦巻状突起11の先端に埋
設されたチップシール(不図示)は端板17の内面に密
接し、渦巻状突起18の先端に埋設されたチップシール
(不図示)は端板10の内面に密接し、また、渦巻状突
起11,18の側面に互いに複数箇所で密接する。これ
により、渦巻状の中心に対してほぼ点対称をなす複数の
密閉空間21a,21bが限界される。固定スクロール
8と旋回スクロール9との間には、旋回スクロール9の
自転を阻止して公転を許容する自動防止リング27(オ
ルダム接手)が設けられている。
【0018】上述のように、吐出ポート34(トップク
リアランス)を固定スクロール8の端板10にのみに形
成し、かつこの吐出ポート34を開閉するための吐出弁
35を直接固定スクロール8の端板10に取付けたこと
により、吐出ポート34を背圧ブロック13に形成する
必要はなく、吐出ポート34の長さおよび容積を小さく
できる。したがって、圧縮機の再圧縮動力を低く抑え、
性能が向上する。また、背圧ブロック13および固定ス
クロール8は互いに別体のものであり、背圧ブロック1
3を固定スクロール8にボルト12(固定手段)により
着脱自在に固定することにより、背圧ブロック13を固
定スクロール8に固定する前に、固定スクロール8の端
板10に吐出弁35を容易に取付けることができ、しか
も取付け箇所の自由度が高まる。
【0019】端板17の外面中央部に形成された円筒状
のボス22の内部にはドライブブッシュ23が、ラジア
ル軸受を兼ねる旋回軸受24(ドライブ軸受)を介して
回動自在に収容され、このドライブブッシュ23に穿設
された貫通孔25内にはクランクシャフト5の内端に突
設された偏心軸26が回動自在に嵌合されている。ま
た、端板17の外面の外周縁とフロントケース4との間
には、旋回スクロール9をスラスト支持するための後述
するスラスト板19(スラスト部材)が配置されてい
る。
【0020】クランクシャフト5の外周には、軸封装置
としての公知のメカニカルシール28(シャフトシー
ル)が配置されており、このメニカルシール28は、フ
ロントケース4に固定されたシートリング28aと、ク
ランクシャフト5とともに回転する従動リング28bと
を備え、この従動リング28bは、付勢部材28cによ
りシートリング28aに圧接されていることにより、ク
ランクシャフト5の回転に伴いシートリング28aに対
して摺動する。
【0021】次に、本実施形態の特徴部について説明す
る。図1、図2に示すように、旋回スクロール9の背後
には、その端板17に近接かつ対向する形態で、リング
状のスラスト板19が設けられており、このスラスト板
19は耐摩耗性材料からなり、フロントケース4の端面
にボルト45により着脱自在に固定されている。スラス
ト板19の旋回スクロール9の端板17側のスラスト面
40には、圧力ポケット41が環状に形成されており、
この圧力ポケット41の奥面42の一部には、圧力ポケ
ット41に高圧油を導入するための高圧導入孔(高圧流
体導入孔)43が開口している。この高圧導入孔43の
他方の開口部43aはフロントケース4側に開口してい
る。一方、フロントケース4には、一側開口部が前記高
圧導入孔43のフロントケース4側開口部43aに連続
して臨んだ開口部44aを有する給油通路(高圧流体供
給路)44が形成されている。高圧導入孔43と給油通
路44との連続部(高圧導入孔43の開口部43aと、
給油通路44の開口部44aとの対向部)を取り囲んで
環状溝46が形成され、この環状溝46にはOリング4
7が収容されている。
【0022】図1に示すように、スクロール圧縮機1の
吐出口38に接続された配管1fには油分離器50(オ
イルセパレータ)が設けられており、この油分離器50
によって吐出作動ガスより捕集した高圧流体としての潤
滑油(高圧油)が、前記高圧導入孔43に供給されるよ
うになっている。すなわち、スクロール圧縮機1の作動
に伴って、図示しない手段によりスクロール圧縮機1内
に潤滑油が供給されるとともに、吐出口38から吐出さ
れた高圧作動ガスは、油分離器50を通過する際に油分
を除去される。そして、捕集した潤滑油は高圧油とし
て、給油通路44及び高圧導入孔43を通って圧力ポケ
ット41に導入され、充満する。
【0023】ここで、圧力ポケット41の原理について
説明する。図3に示したものは圧力ポケット41の部分
拡大図である。図において、複数の矢印で示したものは
圧力ポケット41内の高圧油による圧力分布である。圧
力分布は、圧力ポケット41に接する部位では圧力Rが
作用し、圧力ポケット41から離れるに従い圧力が低下
する分布を示す。圧力ポケット41の面積をA、スラス
ト板19と旋回スクロール9との接触面積をB、圧力分
布をf(RP)とおくと、高圧油による旋回スクロール9
への押圧力Foil(図の圧力分布領域の積分)は、Foil
=A×R+B×f(RP)と表すことができる。ここで、
旋回スクロール9がスラスト板19に与える押圧力をF
aとおくと、Foil<Faとなるように設定されている。
すなわち、旋回スクロール9がスラスト板19から浮か
ないようになっている。
【0024】さて次に、上記スクロール圧縮機1の動作
について説明する。電磁クラッチ32のコイル32aに
通電して、車両エンジンの回転をクランクシャフト5に
伝動させると、クランクシャフト5の回転は、偏心軸2
6、貫通孔25、ドライブブッシュ23、旋回軸受2
4、ボス22からなる旋回駆動機構を介して旋回スクロ
ール9が駆動され、旋回スクロール9は自転防止リング
27によってその自転を阻止されながら公転旋回半径を
半径とする円軌道上を公転旋回運動する。
【0025】旋回スクロール9が公転旋回運動すると、
双方の渦巻状突起11,18の線接触部が次第に渦巻の
中心方向に移動し、この結果、密閉空間21a,21b
(圧縮室)が容積を減少しながら、渦巻の中心方向へ移
動する。これに伴って吸入口(不図示)を通って吸入室
15へ流入した作動ガス(矢印A参照)が、双方の渦巻
状突起11,18との外終端開口部から密閉空間21
a、21b内に取り込まれ、圧縮されながら圧縮室の中
心部21cに至り、ここから固定スクロール8の端板1
0に穿設された吐出ポート34を通り、吐出弁35を押
開いて高圧室16へ吐出され、さらに吐出口38から吐
出される。このように、旋回スクロール9の旋回によ
り、吸入室15より導入した流体を前記密閉空間21
a,21b内で圧縮し、この圧縮ガスを吐出する。電磁
クラッチ32のコイル32aへの通電を解除して、クラ
ンクシャフト5への回転力の伝動を絶つと、スクロール
圧縮機1の運転は停止される。そして、電磁クラッチ3
2のコイル32aへ再び通電すると、スクロール圧縮機
1は再起動される。
【0026】吐出口38から吐出された高圧作動ガス
は、油分離器50を通過する際に油分を除去される。そ
して、捕集した潤滑油は給油通路44および高圧導入孔
43に導入される。そして、圧力ポケット41に導入さ
れ充満される。この高圧油により旋回スクロール9を均
等にスラスト支持し、旋回スクロール9のスラスト荷重
を低減する。ただし、旋回スクロール9はスラスト板1
9から浮き上がることはない。圧力ポケット41内の高
圧油の一部はスラスト板19と旋回スクロール9の端板
17との間を漏れ出て、潤滑油として利用される。
【0027】このように本実施形態では、外部より高圧
油を圧力ポケット41に供給することにより、騒音が発
生することなく、圧縮効率を低下させることなく長期間
に渡って高圧油により旋回スクロール9のスラスト荷重
を低減させ、機械損失の向上を図れる。また、従来のス
クロール圧縮機と比較して構造が簡単であるため、メン
テナンスが容易、かつ小径化が可能である。
【0028】そして、スラスト板19は耐摩耗性材料で
形成されているため、長寿命化を図ることができるとと
もに、旋回スクロール9と直接摺動する部分のみを耐摩
耗性材料で形成することで、軽量・安価に構成すること
ができる。また、スラスト板19はボルト45によって
フロントケース4に固定されているため、スラスト板が
微動してフロントケース4との間で摺動することが防止
される。さらにまた、Oリング47が設けられているた
め、スラスト板19とフロントケース4の間からの高圧
油の漏れを防いで、圧縮効率の低下を防止することがで
きる。
【0029】なお、上記各実施形態において、圧力ポケ
ット41はスラスト板19、または、旋回スクロール9
の端板17側のどちら側に設けても良い。また、上記各
実施形態では、スクロール圧縮機を、CO2を作動ガス
とするCO2サイクルに適用したが、これに限らず、通
常のフロン等を作動ガスとする蒸気圧縮式冷凍サイクル
に適用してもよい。さらにまた、上記では固定スクロー
ルを背圧ブロックにより支持する構造のスクロール圧縮
機を例に示したが、本発明の適用範囲はこれに限定され
るものではない。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1に記載の発明によれば、スラスト部材がケーシン
グと別部材であって、耐摩耗性材料により形成されてい
るため、長寿命化を実現することができる。また、スラ
スト部材はケーシングに固定されているので、スラスト
部材とケーシングの間における摺動損の発生を防止する
ことができる。請求項2に記載の発明によれば、Oリン
グが設けられていることにより、スラスト部材とケーシ
ングとの間から高圧油が漏れ出ることを防止することが
でき、圧縮効率の低減を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスクロール圧縮機の一実施形態
の縦断面図である。
【図2】 図1に示したスラスト板およびその近傍の拡
大図である。
【図3】 本発明に係るスクロール圧縮機の圧力ポケッ
ト部の圧力分布を示す部分拡大図である。
【図4】 蒸気圧縮式冷凍サイクルを示す模式図であ
る。
【図5】 CO2のモリエル線図である。
【図6】 従来のスクロール圧縮機の部分断面図であ
る。
【符号の説明】
8 固定スクロール 9 旋回スクロール 17 旋回スクロール端板 19 スラスト板(スラスト部材) 41 圧力ポケット 43 高圧導入孔(高圧流体導入孔) 44 給油通路(高圧流体供給路) 45 ボルト 47 Oリング
フロントページの続き (72)発明者 鵜飼 徹三 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社冷熱事業本部内 (72)発明者 一柳 貴弘 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 三島 慎太 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 Fターム(参考) 3H039 AA02 AA12 BB04 CC02 CC24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内に、端板の一面側に渦巻状
    突起が形成された固定スクロールと、端板の一面側に渦
    巻状突起が設けられかつこの渦巻状突起が前記固定スク
    ロールの前記渦巻状突起と組み合わされて渦巻状の圧縮
    室を形成する旋回スクロールとを備え、前記旋回スクロ
    ールの旋回に伴い、導入した作動ガスを前記圧縮室内で
    圧縮した後に吐出するスクロール圧縮機において、 前記旋回スクロールの前記端板の背面側に、該旋回スク
    ロールをスラスト支持するための耐摩耗性材料により形
    成されたスラスト部材が前記旋回スクロール端板の背面
    と対向配置された状態でケーシングに固定され、前記ス
    ラスト部材または前記旋回スクロール端板のいずれか一
    方には、前記スラスト部材または前記旋回スクロール端
    板のいずれか他方との対向面に高圧流体が導入される圧
    力ポケットが形成され、該圧力ポケット内の高圧流体が
    前記旋回スクロールに作用する押圧力は、前記旋回スク
    ロールが前記スラスト部材に作用する押圧力よりも小さ
    くなるように設定されていることを特徴とするスクロー
    ル圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスクロール圧縮機にお
    いて、 前記圧力ポケットは、前記スラスト部材の一側面に形成
    され、該スラスト部材には一側開口部が前記圧力ポケッ
    トに開口し、他側開口部が該スラスト部材の他側面に開
    口する高圧流体導入孔が形成され、前記ケーシングに
    は、前記高圧流体導入孔の他側開口部に連続して開口す
    る高圧流体供給路が形成され、前記高圧流体導入孔と前
    記高圧流体供給路との連続部を取り囲んで、Oリングが
    設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。
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