本発明は、コンピュータ、電話、ゲーム機、カメラ、カーナビ、あるいは動画再生装置などの表示手段を有する機器であって、とくに移動が自由に行える移動型放送受信装置に、デジタル放送受信機能を付加した場合に広く適用可能である。
以下、本発明の実施の形態を、放送受信機能を内蔵した移動型放送受信装置の一例である携帯端末を例として図面を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態の携帯端末について、その主にデジタル放送受信に関する内部構成を示すブロック図である。
図解した携帯端末1は、デジタル放送受信の機能を実現するための基本構成として、放送受信部2、放送受信アンテナ3、表示部4、操作部5、音声入出力部6、メモリ7および制御部(たとえばCPU)20を有する。
表示部4は、表示デバイスと、その駆動回路を含む。
音声入出力部6は、スピーカやマイクを含む。
メモリ7は、放送受信部2内で画像処理を行うときに必要に応じて画像データを一時的に保持し、その他必要な情報を保管する。
制御部20は、図1に示すブロックの制御を行う。さらには携帯端末か携帯通信端末の場合、図示を省略している通話やデータ通信等の移動体通信に関する機能ブロックの制御を行う。
放送受信部2は、フロントエンド処理(ノイズ除去、周波数変換、増幅等)、チューナー(同調)、復調、復号化、画像および音声の処理等の放送受信に関する全ての処理を行う。放送受信部2内のチューナーは、チューナー制御手段8によって制御され、ユーザーが操作部5にて指定したチャンネルに同調する周波数帯域の放送受信信号を取り出す。
デジタル放送受信において、不図示の放送局から送信された電波を放送受信アンテナ3で受信する。受信信号を放送受信部2内にてフロントエンド処理後に、選局チャンネルに同調させる。これにより、ユーザーが視聴したい放送コンテンツを含む所定周波数帯域の受信信号が得られ、これを更に復調して、該信号からデータストリームを取り出す。さらに放送受信部2内で、データストリームから音声や画像等のデータを分離しデコードする。デコード後の画像データを表示部4で再生し、音声データを音声入出力部6内のスピーカで再生する。
なお、表示部4は移動体通信端末として使用するときにも用いられ、共用される。スピーカは、放送コンテンツに含まれる音声を出力するほかに、移動体通信端末の着信音を発生する場合等に使用される。操作部5は、放送受信時に機能切り替え、選局およびボリューム調整等に使用され、移動体通信時に機能切り替え、テンキーその他の情報入力手段として使用される。
携帯端末1は、放送番組コンテンツの予約機能があり、そのための構成として、チューナー制御手段8に対して予め予約されている番組コンテンツの再生(または記録)を、予約時間になったことを条件に実行させる予約制御手段9と、該予約制御手段9に対して、番組予約の実行後に予約内容を解除することを制御する予約解除制御手段10とを有する。
本例の携帯端末1は、さらに、撮像部11と、そのオートフォーカス制御部(不図示)とを備える。
本実施の形態では、照度センサー12と、該照度センサー12からの照度検出信号に基づいて該携帯端末1の視聴環境(明るさ)を判定する明るさ判定手段13と、応答検出手段14とを有する。
最近の携帯電話機においては内蔵されたカメラにより写真を撮影する際に光センサーを備えているものもあり、これと照度センサー4を併用することにより新たに部品を追加する必要がない。
応答検出手段14は、操作部5からのキー操作情報、撮像部11から不図示のオートフォーカス制御部を介して入力される焦点距離情報、明るさ判定手段13からの判定情報の何れか、または、複数の情報に基づいて応答検出を行い、予約解除制御手段10に予約解除のトリガを与える。ここでで「応答検出」とは、ユーザーが視聴可能な状態が整ったことの検出をいう。
図2は、移動型放送受信装置1の操作キーや表示部等が視認可能な状態を示す外観図である。なお、この外観図はストレート型の携帯端末1を示すが、折り畳み型あるいはスライド型の場合に、携帯端末を開いた状態、スライドした状態でも同じである。
図2に示す状態において、図1との対応で言えば、画像情報やポップアップ表示4Aを表示するための表示部4、操作部5、撮像部11および照度センサー12がユーザーに視認可能に現れている。
操作部5は、テンキー、上下左右の方向キー、決定キー、クリアキー、オンフックおよびオフフックボタン、電源ボタン等を備える。
ここでポップアップ表示4Aは、図1に示す放送受信部2内の画像処理部が、表示部4の表示画面に、アラームのためのポップアップ表示4AをOSD(On Screen Display)として合成したものである。この合成と合成後のOSD表示を以下、「アラームの起動」という。
図1に示すブロックのうち、チューナー制御手段8、予約制御手段9、予約解除制御手段10、明るさ判定手段13、応答検出手段14はハードウェアとして実現も可能である。ただし、制御部20がCPUの場合、その内蔵されたプログラムの機能としてソフトウエアで、これらブロックの機能の一部または全部を実現することが望ましい。
制御部(CPU)20には通常、時計手段を備え、本例ではこれを、予約時間やアラーム継続時間を保持のためのタイマーとして利用する。
以下、上述した携帯端末1の構成を前提として、視聴予約方法の実施例を説明する。なお、これらの実施例ではEPG等で視聴予約をして、携帯端末においてデジタル放送コンテンツを視聴する場合を説明する。予約情報の取得はEPGから行う必要は必ずしもなく、他の方法でもよい。また、これらの実施例では必要に応じて適宜、図1または図2を参照し、携帯端末1を適宜、「端末」と略記する。
<実施例1>
図3に、実施例1のフローチャートを示す。
まず、ユーザーがEPG等を使用して携帯端末1でデジタル放送コンテンツを視聴するように視聴予約をする(S1)。視聴予約(開始)時間になる(S2)と、端末に搭載の放送受信部2が起動し受信準備をして、TVアプリケーションを起動する(S3)。ここで「TVアプリケーションを起動する」とは、予約している放送番組コンテンツを表示部4および音声入出力部6から再生し、および/または、録画および録音することをいう。
つぎに、携帯端末1に搭載されている照度センサー12により周囲の明るさを測定し(S4)、明るさ判定手段13が予め設定した基準値以上の明るさが検出したかどうかを、照度センサー12からの検出信号を基に判定する(S5)。
明るさ判定手段13が基準値以上の明るさを検出した場合、「予約解除を行わない」との指示を予約解除制御手段10に出し、そのため予約制御手段9とチューナー制御手段8の制御により、放送受信部2で現在実行されているTV番組表示の継続を決定する(S18)。このTV番組表示の継続中、視聴予約の終了時間が制御部20により監視されており(S19)、視聴予約の終了時間になると制御部20の制御により放送受信部2内のチューナーがオフする(S20)。
ステップS5にて基準値以上の明るさが検出されなかった場合、たとえばカバンの中などにありユーザーが直ぐに視聴できる状態ではないと制御部20または明るさ判定手段13が判断し(S6)、ポップアップ表示4A(図2参照)によるアラームを起動し、同時に(アラーム監視)タイマーも起動する(S7)。
アラーム起動中において照度センサー12により周囲の明るさを再度検出する(S8)。
基準値以上の明るさが検出された場合、そのことが制御部20に入力されて、制御部20がアラームを自動解除し(S14)、(アラーム監視)タイマーも解除し(S16)、視聴予約終了時間までデジタル放送コンテンツ表示を継続するために処理がステップS18に移行する。その後、視聴予約終了時間になると放送受信部2がオフしてTVアプリケーションも終了する(S20)。
ステップS8にて基準値以上の明るさが検出されなかった場合、その情報が応答検出手段14に送られ、ここでユーザーが操作部5によってアラームを解除するかどうかを判定する(S9)。
ユーザーがアラームを解除した場合、その情報が制御部20または応答検出手段14によって検出され、タイマーを自動解除し(S15)、テレビジョン視聴をするかどうかを、たとえばポップアップ表示4Aによって表示し、ユーザーに選択させる(S17)。
ステップS17にてユーザーがテレビジョンを視聴すると選択した場合、視聴予約終了時間までデジタル放送コンテンツ表示を継続するために処理がステップS18に移行する。その後、視聴予約終了時間になると放送受信部2がオフしてTVアプリケーションも終了する(S20)。
一方、ステップS17にてユーザーがテレビジョンを視聴しないと選択した場合、視聴予約時時間の経過を待たずに、放送受信部2がオフしてTVアプリケーションも終了する(S20)。
ステップS9にてユーザーによりアラームが解除されない場合で、制御部20内の(アラーム監視)タイマーの設定時間の満了が検出されると(S10)、当該アラームを終了する(S11)。この場合、ユーザーが視聴予約に気付かなかったと制御部20が判断し、チューナーオフのための指令をチューナー制御手段8に出力することから、これにより放送受信部2がオフしてTVアプリケーションも終了し(S12)、予約に基づく処理を解除(S13)後に全ての制御が終了となる。
以上の実施例1の視聴予約およびその解除の処理手順によれば、視聴予約(開始)時間になればTVアプリケーションが自動で起動し番組表示が実行されるが、それ以後、当該番組表示を継続するか否かにおいて、以下の利点がある。
まず周囲の明るさを測定し(S4)、それが基準値以上であれば(S5)、ユーザーが携帯端末1を手に持っている、もしくは、机の上においてある等、番組表示を持続しても良い状態であると端末が判断する(S18)ことから、ユーザーが何も操作をしなくてもテレビジョン視聴を継続できる。
予約視聴開始直後の明るさ判定(S5)にて周囲の明るさが基準値以下であったとしても、タイマー起動中に再度明るさ判定を行う(S8)。その後の判定で明るさが基準値以上に変化すれば、ユーザーがカバンの中から端末を取り出した、もしくは、部屋の電気をつけてテレビジョンを視聴する環境が整ったと端末が判断し、テレビジョン視聴を継続する。その際、ユーザーが「予約番組表示が開始されました」等のアラームに気付いたものとして、このアラームのためのポップアップ表示と、アラーム監視タイマーを自動的に解除する(S14,S16)。
一方、夜間外出中などユーザーが端末周囲を明るくすることができない状態においても、タイマー起動中にユーザーがアラーム解除キーを押すことによってテレビジョン視聴を継続可能である。具体的には、アラーム解除の判断(S9)が「Yes」となり、タイマー解除(S15)を経て、つぎのテレビジョン視聴確認(S17)にて「視聴を継続しますか」等のポップアップ表示4Aが表示部4に表示される。これに応じてユーザーが視聴継続の意思判断を行うと、ステップS17が「Yes」となることから、視聴継続が可能となる。このとき暗闇などテレビジョンを視聴するのにふさわしくない状況下であることから、ユーザーが予約番組を見ないと選択すると、ステップS17が「No」となり、放送受信部(チューナー)2の電源がオフとなる(S20)。
明るさ判定(S5とS8)で明るさが基準値以上にならず、かつ、ステップS9でユーザーが何も操作を行わなかった場合、ユーザーが端末を鞄等に入れっぱなしか、端末のある部屋に居ないために視聴予約の時間となったことに気付かなかったと判断する。このため、タイマーの終了(設定時間満了)を検出するステップS10の後に、放送受信部2の電源をオフし(S12)、予約に基づく処理も取り消す(S13)。その結果、テレビジョン視聴をしなかったにも関わらず端末がバッテリーを消費してしまい、電話を掛けたいときに掛けられなく事態を有効に防ぐことができる。
<実施例2>
図4に、実施例2のフローチャートを示す。
実施例2が実施例1と異なる点の一つは、視聴予約時間となったら直ぐにチューナー等を起動せるのではなく、明るさ判定やユーザー操作有無の判断を待って、必要な場合にチューナー等を起動させることである。また、実施例2では、ユーザーが気付かない場合でも視聴予約の番組継続時間内なら間欠的にアラームを繰り返して、ユーザーが途中で気が付いたなら番組途中からでも視聴できるようにしている。なお、この後者の手順は、実施例1にも適用可能である。
図4に示すように、EPG等の視聴予約を行い(S1)、その後視聴予約の開始時間になると(S2)、最初に明るさを測定し(図3のS4)、その結果、最初の明るさ判定(S5)を行う。
基準値以上の明るさが検出された場合、放送受信部(チューナー)2を起動し(S3A)、TVアプリケーションを起動して視聴を開始する(S3B)。その後、制御部20が実行している予約時間の監視(S19)で予約時間の終了が検出されると、放送受信部2をオフし(S12)、全ての制御が終了となる。
ステップS5にて基準値以上の明るさが検出されなかった場合、たとえばカバンの中などにありユーザーが直ぐに視聴できる状態ではないと判断し(S6)、ポップアップ表示によるアラームを起動し、同時に(アラーム監視)タイマーも起動する(S7)。
つぎのアラーム起動中に実行される明るさ判定(S8)において、基準値以上の明るさが検出された場合、制御部20がアラームを自動解除し(S14)、(アラーム監視)タイマーも解除し(S15)、チューナー起動のステップS3Aに移行する。その後、視聴が開始され、視聴予約終了後にチューナーがオフ(S12)になり、全ての制御が終了となる。
ステップS8にて基準値以上の明るさが検出されなかった場合、アラームを解除の判定を行い(S9)、ユーザーがアラームを解除した場合、タイマーを自動解除し(S15)、ユーザーがTVを視聴すると操作した場合、チューナー起動のステップS3Aに移行する。その後、視聴が開始され、視聴予約終了後にチューナーがオフ(S12)になり、全ての制御が終了となる。なお、ユーザーがTVを見ない操作をすると(S9A)、タイマーを解除して(S9B)、終了する。
ステップS9にてユーザーによりアラームが解除されない場合で、(アラーム監視)タイマーの設定時間の満了が検出されると(S10)、当該アラームを終了する(S11)。この場合、ユーザーが視聴予約に気付かなかったと制御部20が判断し、予約解除(S13)を行う。
実施例2では、つぎに制御部20による制御で、鳴動アラームを一定サイクルで動作させ、これと同時にポップアップ表示によるメッセージを表示部4に表示させる(S21)。この制御フローで起動させる鳴動アラームとして、テレビジョン音声とは別の音(着信メロディ用の音)やバイブレータ機能による振動、LEDによる点滅の何れでもよい。
この間欠的な鳴動アラームの起動中に、制御部20が視聴予約時間を監視しており(S22)、視聴予約時間が終了すると、アラームが終了する(S11)。
実施例2によれば、明るさ判定(S5,S8)やユーザー操作有無の判断(S9)を待って、必要な場合にチューナー等を起動させる(S3A)ことから、無駄にチューナー起動が行われない。このため一層のバッテリー電力の節約が可能である。
また、ユーザーが気付かない場合でも視聴予約の番組継続時間内なら間欠的にアラームを繰り返して、ユーザーが途中で気が付いたなら番組途中からでも視聴できることから、使いやすい。なお、アラーム中(S21)にユーザーがTV視聴を行う操作をした場合、自動的に予約に基づく視聴処理を行っても良い。
<実施例3>
図5に、実施例3のフローチャートを示す。
実施例3は実施例1の変形例であり、最初に測定した明るさが基準以上の場合に以降の明るさ測定結果の判定において、明るさの変化が基準以内であるか否かを調べる点で実施例1と異なる。この判定は実施例2においても同様に適用可能である。なお、以下の説明では適宜、実施例1および実施例2のフローチャート(図3,図4)を参照する。
図5におけるステップS1〜S5までは図3と同じである。
1回目の明るさ判定(S5)において、その明るさが基準以上でない場合は、参照符号(*A)で示すルートを通って、図3のステップS6に処理フローが移行する。
ステップS5で基準以上の明るさが検出された場合、たとえばステップS4の1回目の明るさ測定から1秒後に、もう一度明るさを測定する(S25)。そして、この2回目の測定結果を1回目の測定結果と比較し、その明るさ変化量が基準以内かを調べる(S26)。
明るさの変化が基準以内であった場合明るい部屋に携帯端末を置き忘れているという可能性が高い。なぜなら、ユーザーが端末を手に持っていれば、明るさは多少なりとも変化すると考えられる。この場合を排除するためには、ステップS26での判断基準をかなり低く設定するとよい。また、2回目の測定と判断を短い周期で繰り返し、その検出精度を上げるようにしてもよい。
ステップS26で2回目の明るさ測定結果が基準以上の場合、図3および図4と同じようにアラーム起動とタイマー起動を行う(S7)。
以後の処理、すなわちアラーム解除検出(S9)、タイマー終了時間の検出(S10)、アラーム終了(S11)、チューナーオフ(S12)、予約に基づく処理の解除(S13)、タイマー自動解除(S15)、番組表示継続(S18)、視聴予約時間の終了検出(S19)およびチューナーオフ制御(S20)は、実施例1(図3)あるいは実施例2(図4)と同じである。
また、2回目の明るさ判定(実施例1,2ではステップS8、実施例3ではステップS26)が「Yes」の場合、ステップS18の番組表示継続に移行すること自体も同じである。ただし、実施例3では未だアラームやタイマーの起動前なので、それらの自動解除は行う必要がない点は実施例1,2と異なる。
このため、これらのステップS9〜S19)の内容および手順の説明は省略する。
なお、図3におけるユーザーに対する視聴確認(S17)は任意であるのでステップS15の次に設けても良い。
実施例3では、明るさの変化が基準以上であった場合、ユーザーが携帯端末の照度センサーの前で動いているつまり携帯端末の前にいると考えられるため、テレビジョン受信を自動で継続するように制御する。また、この基準値を最適化すると、端末が明るい場所で放置されたままか、あるいは、明るい場所でユーザーが端末を手に持っているかの微妙な判断も可能である。このことは、ステップS9のアラーム解除のみでは、ユーザーに視聴意思があるかを判断することが難しく、その判断の精度を高めることに役立つ。
つぎの実施例4と実施例5は、ユーザーが視聴しようとしているか否かの判定精度をより向上できるように、2回目の明るさ測定に代えて、撮像部11の機能を利用した測定を行うものである。
したがって、図5に示す実施例3と比較すると、ステップS5とS7との間の2ステップの内容が異なるのみである。以下、実施例4と実施例5では、この2ステップの内容を主に説明する。
<実施例4>
図6に、実施例4のフローチャートを示す。
EPGなどに基づく視聴予約(S1)、視聴予約(開始)時間検出(S2)、チューナーおよびTVアプリケーションの起動(S3)、明るさ測定(S4)、明るさ判定(S5)を行い、この判定が「Yes」の場合に、撮像部で焦点距離を自動測定する(S30)。この測定は、図1に示す撮像部11が、不図示のオートフォーカス制御部によって制御されることで実行される。具体的には、撮像部11が捉えている周辺物体までのオートフォーカスを行い、その焦点距離を算出する。この計算自体は制御部20が行ってもよい。
つぎに、制御部20により、測定した焦点距離が基準範囲内かが判定される(S31)。
焦点距離が短く基準範囲に入る場合は、ユーザーが端末画面を見ていると判断でき、焦点距離が基準範囲より大きいと、撮像部11は部屋の壁や天井、その他のユーザー以外に合焦したと判断できる。
このためステップS31の判定が「No」の場合は、処理フローがステップS7に移行し、「Yes」の場合はステップS18に移行する。ステップS7〜S20は実施例3と同じなので、ここでの説明を省略する。
実施例4では、焦点距離判定の基準範囲を、たとえば端末を置いて視聴する場合は30cm〜150cm、ユーザーが手に持って視聴する場合は、20cm〜60cm程度の端末とユーザーの距離があると考えると、その基準範囲を20cm〜150cm程度に設定することが好ましい。
また、焦点距離測定を複数回行って、変化がある場合はユーザーが視聴態勢にあると判断できることから、そのような制御を付加してもよい。
実施例4によれば、ユーザーが視聴態勢にあることを、実施例1,2より高い精度で検出できる利点が得られる。
また、透明のバッグに端末が入れられ、ステップS5で明るさが基準以上と判定されることもあるが、この場合、バッグの内側に焦点が合うことになるため、焦点距離は20cm〜150cm程度といった基準範囲から外れる。このため、ステップS31の判定が「No」となりチューナーオフの制御となることから、無駄な電力消費が防止できる。
<実施例5>
図7に、実施例5のフローチャートを示す。
実施例4と同様にステップS1〜S5を行ったときに、ステップS5の明るさ判定が「Yes」の場合、本例では、撮像部11が2枚の画像を撮影する(S32)。具体的には、撮像部11が捉えている周辺物体までオートフォーカスを行って撮影する動作を、たとえば1〜5秒の所定間隔で2回(3回以上でも可)行い、制御部20が撮像部11から得た画像データをメモリ7に保存する。
つぎに、制御部20(または撮像部11内の画像処理回路)により、撮影した画像データ間で差分を求め、求めた画像の差分が基準範囲内かが判定される(S33)。
上記差分が基準範囲内であれば、端末の前にユーザーがいると判断できる。人が、たとえば1〜5秒の間隔で全く動かないのは非常に稀だからである。一方、上記差分が基準未満の場合は、動いているものが全くいない、つまりユーザーが視聴状態でないと判断できる。なお、たとえばペット等のユーザー以外が撮影されている場合は、この撮影を3回以上繰り返して、ペット等が居なくなることを確認することもできる。また、動きが激しすぎて基準範囲を超える場合は、動いているのは風に揺れるカーテン等か、あるいはペット等と判断でき、視聴状態にあるユーザーとはみなさないようにする。
いずれにしても、ステップS31の判定が「Yes」の場合は、処理フローがステップS7に移行し、「No」の場合はステップS18に移行する。ステップS7〜S20は実施例3と同じなので、ここでの説明を省略する。
実施例5によれば、実施例4と同様、ユーザーが視聴態勢にあることを、実施例1,2より高い精度で検出できる利点が得られる。
一般に、携帯端末が携帯電話機の場合マナーモードに設定されていた場合、ユーザーに知らせるために一般に音を使わず、バイブレータ機能を使用する。
図7に示す制御フローの場合、バイブレータ動作により端末が移動してしまい、撮影画像の差分が大きくなる可能性が考えられる。この場合、バイブレータを間欠的に動作させバイブレータの停止期間継続中に2回撮影を行いその画像間で差分を検出し判定を行うようにしてもよい。これにより、誤認識を防ぐことができる。
<実施例6>
図8に、実施例6のフローチャートを示す。
実施例6は、番組表示、表示部4(本例ではLCD)のバックライトの制御を、チューナー起動/停止とは別に制御し、より消費電力を低減することが上述した他の実施例と異なる。
また、暗闇でもユーザーが視聴したい場合はあることを考慮して、その暗闇での視聴可能状態を判定するための手順を追加している点でも他の実施例と異なる。
なお、実施例6では、実施例4と同様に焦点距離測定を行う場合を例示するが、これに代えて実施例5のように画像撮影により視聴可能状態を判定してもよい。ここでは暗闇に対処するためカメラ用LEDによりオートフォーカスを行うが、これに構成としてはフラッシュをたくことで対処可能である。
以下、以上の相違点に対応するステップと、それに付随して必要となったステップを中心として実施例6を説明する。なお、今までの実施例と同じステップは同一符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
図8において、実施例4と同様にステップS1〜S3を行った後に、番組表示はオンさせるがLCDバックライトはオフ状態のままにする(S40)。
つぎに実施例4と同様、周囲の明るさを測定し(S4)、その測定値が基準値以上であるかを判定する(S5)。
この判定が「Yes」の場合、実施例4と同様な方法によって撮像部11で焦点距離を測定する(S30)。そして、撮像部での焦点距離が基準範囲以内かを判定し(S31)、基準範囲内でなかった場合、他の実施例と同様、ステップS9〜S20の処理を行う。
ただし、本例では、当初はLCDバックライトがオフのままであることから、ステップS31の判断が「Yes」となるか、あるいは、アラーム解除検出(S9)が「Yes」となりタイマーの自動解除(S15)後において、ユーザーの視聴可能状態が整っているので、LCDバックライトをオンするステップS41がステップS18の前に追加されている。
また、アラーム終了(S11)後に、ユーザーが予約に気付かなかったとしてチューナーをオフするステップS12にて、バックライトをオフする必要がない点が他の実施例と異なる。
ステップS5の判断が「No」の場合、視聴予約開始時に周囲の明るさが基準値以下であることから、暗闇での焦点距離測定を行う。
具体的には、図1に示す制御部20が、不図示のカメラ用LEDを点灯させる(S42)。このカメラ用LEDは、携帯電話機では一般的に搭載されている。つぎに、そのLED光を用いて撮像部11で焦点距離測定を行う(S43)。その方法はステップS30と同じである。そして、ステップS31と同様にして、測定した焦点距離が基準範囲内かを判定し(S44)、この判定が「Yes」場合、暗闇の中でユーザーが端末の前にいるため視聴可能状態が整っていると判断し、カメラ用LEDを消灯し(S45)、処理フローをステップS41に移行させる。このためLCDバックライトがオンしてユーザーが表示番組を見ることが可能となる。
ステップS44の判定が「No」の場合、焦点距離が基準範囲外であることから、ユーザーが視聴状態にあるとはいえないとして、ステップS7と同様に、アラームとタイマーの起動を行う(S46)。この時カメラ用LEDを点灯させたままにすることにより、ユーザーが視聴予約に気付く可能性が高まるが、消費電力を優先してアラームを起動する前に消灯してもよい。
ついで、ステップS9とS10と同様に、アラーム解除検出(S47)とタイマー終了検出(S48)を行う。
アラームをユーザーが解除した場合、ステップS47が「Yes」となるが、この場合、ユーザーの視聴意思があるとみなして、タイマーを自動解除しカメラ用LEDを消灯して(S49)から、処理フローをステップS41に移行させる。このためLCDバックライトがオンしてユーザーが表示番組を見ることが可能となる。
アラームを解除せずタイマーが終了した場合、ステップS48が「Yes」となることから、依然としてユーザーは視聴可能な状態にないと判断して、カメラ用LEDを消灯して(S50)から、処理フローをステップS11のアラーム終了に移行させる。このためLCDバックライトがオフのままチューナーがオフし、予約に基づいて処理も解除される。
実施例6によれば、LCDバックライトは必要なときだけオンすることから、その分、消費電力の低減が可能である。
また、ステップS4においてLCDのバックライトがオフのままであり、この状態は周囲の明るさを測定する際(S30,S43)でも維持されることから、たとえばカバンの中でLCDのバックライトによる明るさ及びその反射光などを照度センサー12が検出することによる誤認識を防ぐことができる。
さらに、暗い部屋でユーザーが視聴してようとしているのか、カバンの中に入れっぱなしにしているのかを判断することができ、端末の操作性が向上する。
なお、撮影時により明るくさせるためにカメラに用いられているフラッシュを搭載した携帯電話も開発されてきている。そのような携帯端末の場合、実施例6においては、フラッシュは長時間の発光が難しいために暗い時に焦点距離を測定するために何回かフラッシュを発光させることにより対応することができる。
また、図8の制御フローにおいて、カメラ用LED点灯(S42)にてフラッシュを発光させ、ステップS43とS44の間にフラッシュを消灯させるように制御し、これによって、ステップS45、S49、S50でのカメラ用LED消灯のステップを省略することも可能である。
本実施の形態は、上記実施例1〜6に限定されるものではない。
たとえば、予約に基づく明るさ判定のタイミングも、予約番組が始まる前のチューナー準備段階の頃に行っても良い。
明るさ検出、焦点距離、画像差分の処理、暗闇でのフラッシュ点灯による焦点距離の測定を任意に組み合わせることにより、より的確な判断を行うことが可能となる。
また、折り畳み型携帯通信端末の場合、折り畳みの内側に照度センサー12をつけることにより、半開きの状態でカバンの中に入っていた際にもその明るさを検出し同様な制御を行うことができる。また開いた状態で明るい部屋に置き忘れてしまった場合においても同様な制御を行うことができ、折り畳み型携帯通信端末の無駄なバッテリー電力消費を有効に防ぐことができる。
さらに、とくに詳細は説明しないが、電波状態によって放送受信部2の電源をオンまたはオフする制御フローを付加することもできる。この場合、電波状態が悪いときはバッテリー電力の無駄な消費を有効に防ぐことができる。
本実施の形態によれば、以下の利益がえら得る。
第1に、視聴開始時に周囲の明るさを検出し、タイマー起動中に明るさが変化せずまたユーザーが何も操作を行わなかった場合放送受信部をオフし、TVアプリケーションを終了し視聴予約を解除することにより、ユーザーが見ていない状態でデジタル放送コンテンツを表示することによる無駄なバッテリー電力消費を防ぐことができる。
第2に、視聴予約開始時に周囲の明るさが基準値以上であった場合、もしくはタイマー起動中に周囲の明るさが基準値以上に変化した場合自動的にテレビジョン受信を継続することにより端末の操作性が悪化することがない。
第3に、タイマー起動中に周囲の明るさが基準値以下でありユーザーが移動型放送受信装置を明るくできない状態であってもキーを押す操作をすることにより、端末がテレビジョン受信を切断してしまうことを防ぐことができる。
第4に、明るい部屋の中に移動型放送受信装置を置き忘れてしまった時も、明るさの変化の検出、移動型放送受信装置とその前にある物との距離の検出、動く物体の検出をすることによって、ユーザーが視聴していないと判断される時には無条件にテレビジョン受信を継続するのではなく、ユーザーの操作をトリガにしてテレビジョン受信を継続させることによって、ユーザーが視聴していないにもかかわらずデジタル放送コンテンツ表示が継続されていまいバッテリー電力を消費してしまうことを防ぐことができる。
第5に、ユーザーが視聴していると判断するまで表示部のバックライトをオフにすることにより、明るさ測定時に表示部のバックライトによる誤認識を防ぐことができる。
第6に、周囲の明るさが暗かった場合にのみカメラ用フラッシュを点灯させ、撮像部の焦点距離を測定することにより、暗い部屋でユーザーが見ることができる状況にあるのか、カバンの中に入れっぱなしになっているのかを判断することができる。また周囲の明るさが明るかった場合にはカメラ用フラッシュを点灯させないようにするため、無駄にフラッシュを点灯させバッテリー電力の消費を防ぐことができる。
1…携帯端末、2…放送受信部、4…表示部、4A…ポップアップ表示、5…操作部、6…音声入出力部、8…チューナー制御手段、9…予約制御手段、10…予約解除制御手段、11…撮像部、12…照度センサー、13…明るさ判定手段、14…応答検出手段、20…制御部