本発明に係る放送受信用携帯端末装置の実施形態について図1〜図6を参照しながら以下に説明する。
図1は本発明の実施形態における放送受信用携帯端末装置の構成例を示すブロック図である。図2は放送受信用携帯端末装置における放送視聴時の処理の内容を示すフローチャートである。図3は放送受信用携帯端末装置におけるチャネル復帰モードの処理の内容を示すフローチャートである。図4は放送受信用携帯端末装置における端末状態取得処理の内容を示すフローチャートである。図5は放送受信用携帯端末装置における通知処理の内容を示すフローチャートである。図6は放送受信用携帯端末装置における圏内復帰モードの処理の内容を示すフローチャートである。
本実施形態では、放送受信用携帯端末装置の例として、テレビなどのデジタル放送を受信する機能を備えた携帯電話端末に本発明を適用する場合を想定して説明する。勿論、携帯電話端末以外にも、携帯型情報端末(PDA)や、携帯可能なパソコンや、車載端末などに本発明を適用することが想定できる。また、デジタル放送以外のアナログ放送などを受信する機器にも本発明を適応することが想定できる。
本実施形態の放送受信用携帯端末装置10は、図1に示すように構成されており、電池11と、ヒンジ12と、入力処理部13と、通信用アンテナ14と、発光部15と、バイブレータ16と、放送受信用アンテナ17と、ディスプレイ18と、スピーカ19とを備えている。また、時間検出部21と、電池残量検出部22と、端末開閉検出部23と、端末使用状況確認部24と、通信電波受信状況検出部25と、アンテナ伸縮検出部26と、放送受信状態検出部27と、制御部28と、視聴状態記録部29と、復帰通知処理部30と、録画部31と、録画データ蓄積メモリ32とを備えている。さらに、チューナ33と、選局制御部34と、多重化分離部35と、番組情報検出部36と、データ放送再生部37と、映像デコーダ38と、音声デコーダ39と、番組情報記録部40と、提示処理部41とを備えている。
一般的な携帯電話端末と同様に、放送受信用携帯端末装置10の筐体は、ヒンジ12の軸を中心として2つに折り畳むことができるように構成されている。すなわち、筐体を開閉することにより、使用時にメインのディスプレイ18の閲覧や操作キーの操作等が可能な開状態と、持ち運びに便利に格納される閉状態とを使い分けることができる。電池11は、筐体に装着され、この放送受信用携帯端末装置10に電源電力を供給するために利用される。
入力処理部13は、利用者の入力操作のために放送受信用携帯端末装置10に設けられている多数の操作キー等のスイッチ等による入力部からの入力を受け付けるための処理を行う。通信用アンテナ14は、移動体通信網による携帯電話の通話のために無線基地局との間で通信したり、無線LAN基地局との間で通信するために用いられる放送受信以外のアンテナである。
発光部15は、発光ダイオード(LED)等の発光素子で構成されており、発光して利用者に視覚的に様々な注意を促すために利用される。バイブレータ16は、機械振動を発生し利用者に触覚的に様々な注意を促すために利用される。
放送受信用アンテナ17は、デジタル放送として放送されるテレビやラジオ等の放送波を受信するためのアンテナである。ディスプレイ18は、液晶表示装置等で構成され、画像や文字列やマークなど、様々な情報を画面上に表示可能な二次元表示部である。スピーカ19は、通話時の受話音声を再生出力したり、放送番組コンテンツの音響情報を再生出力するために利用される。
時間検出部21は、タイマ等を有して構成され、現在時刻や時間差などを検出可能なものである。電池残量検出部22は、電池11の出力電圧を検出する電圧検出回路等を有して構成され、電池11からの供給電源電力の残量を把握するために設けられる。
端末開閉検出部23は、ヒンジ12の状態を検出するスイッチやホール素子等を有して構成され、放送受信用携帯端末装置10の筐体の開閉状態を検出するものである。端末使用状況確認部24は、入力処理部13からの入力を監視する電気回路等を有して構成され、入力状態を監視することによって使用状態か否かを区別する。すなわち、利用者からの入力操作が所定時間に渡って検出されないような場合には、この放送受信用携帯端末装置10が使用状態ではないものとみなす。
通信電波受信状況検出部25は、通信用アンテナ14が受信した通信用の電波に関する受信レベルの大きさを検出する。この検出結果により、携帯電話の基地局や無線LAN基地局の通信圏内にあるか圏外かを識別できる。
アンテナ伸縮検出部26は、伸縮可能に構成されている放送受信用アンテナ17の伸長状態あるいは収納状態を検出することにより、放送受信用アンテナ17の使用状態と非使用状態とを区別する。
ここで、時間検出部21、電池残量検出部22、端末開閉検出部23、端末使用状況確認部24、通信電波受信状況検出部25、アンテナ伸縮検出部26は、端末本体の使用状況に応じて変化する状態情報をそれぞれ検出する機能を持つ端末状態検出部の一例として儲けられるものである。
制御部28は、マイクロプロセッサ、メモリ等を有して構成されており、予め用意された所定のプログラムを実行することにより、放送受信用携帯端末装置10の全体の動作に関する様々な制御を実現する。
視聴状態記録部29は、放送受信用アンテナ17で受信している放送番組コンテンツに関する視聴状態を示す視聴情報を一時的に記録するためのメモリ等で構成された記憶装置である。復帰通知処理部30は、放送番組コンテンツの視聴を一旦終了して再び元の視聴状態に復帰する際の視聴復帰動作の通知に関する処理を実行する。
放送受信状態検出部27は、放送受信用アンテナ17が受信したデジタル放送の電波に関する受信状態として、受信レベルの大きさを検出する。この検出結果により、放送波の受信圏内にあるか圏外かを識別できる。
録画部31は、受信した各放送番組コンテンツ(テレビ番組やラジオ番組の内容)のデータを、後で再生できるように録画データ蓄積メモリ32上に保存するための処理を実行する。
チューナ33は、放送受信用アンテナ17が受信した電波から、デジタル放送の各放送番組の受信信号を復調してチャネル毎に取り出すための受信機である。選局制御部34は、制御部28からの指示に従ってチューナ33を制御し、受信するチャネルの選局を制御する。多重化分離部35は、デジタル放送として多重化されている受信信号を信号の種類毎に分離して、受信信号に含まれている番組特定情報や、データ放送のコンテンツや、映像のコンテンツや、音声のコンテンツなどを抽出する。
番組情報検出部36は、受信信号に含まれている番組を特定するための情報等の番組情報を検出する。データ放送再生部37は、デジタル放送の受信信号に含まれているデータ放送のコンテンツを再生する。
映像デコーダ38は、デジタル放送の受信信号に含まれている映像の番組コンテンツのデータを復号し再生する。音声デコーダ39は、デジタル放送の受信信号に含まれている音声の番組コンテンツのデータを復号し再生する。
番組情報記録部40は、番組情報検出部36が検出した番組情報のデータを一時的に保存するためのメモリ等で構成された記憶装置である。提示処理部41は、デジタル放送として受信したデータ放送のコンテンツや、映像の番組コンテンツや、音声の番組コンテンツ等を、利用者が視聴できるようにディスプレイ18やスピーカ19に出力するための処理を実行する。
次に、本実施形態の放送受信用携帯端末装置10における動作を説明する。図1に示す放送受信用携帯端末装置10を用いて利用者が放送される番組コンテンツを視聴しようとする場合には、利用者の入力操作に応じた制御部28の動作により、図2に示すような放送視聴時の処理が実行される。図2に示す処理について以下に説明する。
まず、ステップS11では、放送受信用携帯端末装置10上の放送受信システムの動作を起動する。すなわち、放送受信用アンテナ17、チューナ33、選局制御部34、多重化分離部35、番組情報検出部36、データ放送再生部37、映像デコーダ38、音声デコーダ39などを用いてデジタル放送を受信して処理するための準備を開始する。たとえば、チューナ33の起動などの動作を行う。
ステップS12では、利用者からの入力操作(放送チャネル指定)に従い、選局制御部34を介してチューナ33を制御し、選局を行う。初回起動時は、前回テレビ視聴を終了する直前に視聴していたチャネルで選局を行う。選局が実行されると、放送受信用アンテナ17で受信された放送波の中から、選択された放送局に該当する放送チャネルの放送波が抽出され、チューナ33で復調される。更に、チューナ33で復調された受信信号は、多重化分離部35でデータの種類毎に分離され、番組情報検出部36、データ放送再生部37、映像デコーダ38、音声デコーダ39のいずれかに入力される。
次に、ステップS13では、利用者の入力操作を監視して、視聴処理を終了するための終了要求が発生したか否かを判定する。終了要求としては、テレビ終了ボタン操作などの放送受信機能のオフ、メーラー起動やブラウザ起動の操作などの他の機能への切り替えなどが挙げられる。終了要求を検出した場合にはステップS27に進む。終了要求が検出されない場合はステップS14に進む。
ステップS14では、利用者の入力操作を監視して、放送チャネルの選択を切り替えるための選局要求が発生したか否かを判定する。選局要求を検出した場合には、ステップS12に戻り、要求に従って選局制御部34を介してチューナ33を制御し、再び選局を実行する。選局要求が検出されない場合はステップS15に進む。
ステップS15では、利用者の入力操作を監視し、「復帰タイマ」として割り当てられたボタンが利用者によって押下されたか否かを判定する。「復帰タイマ」のボタンは、利用者が視聴する放送のチャネルを一時的に切り替えて、再び元のチャネルに戻るための操作を自動化する機能(チャネル復帰モード)を起動するために設けてある。従って、「復帰タイマ」のボタンの押下を検出すると、「チャネル復帰モード」に遷移し、ステップS16に進む。復帰タイマボタンの押下が検出されない場合はステップS21に進む。
例えば、現在視聴している放送チャネルにおいて番組中に興味のないコーナーやシーンが放送される時間帯になると、利用者はこのようなシーンの時間帯だけ現在の番組コンテンツを見る代わりに他の放送チャネルで放送されている別の番組コンテンツを視聴したいと考える場合が多い。そこで、受信する放送チャネルを切り替えた後、興味のないコーナーやシーンが終了したときに元の番組コンテンツの視聴状態に簡単に戻るための機能が必要になる。これを実現するのが「チャネル復帰モード」である。
ステップS16では、現在視聴している放送番組や放送チャネルに関する視聴チャネル情報を視聴状態記録部29に記憶する。すなわち、利用者が複数のチャネルを順次切り替えていくザッピングを行った場合に、放送チャネルを一時的に切り替えた後で、元の放送チャネルに戻るために必要な視聴チャネル情報をステップS16で保存する。ここで、視聴チャネル情報に関して、設定に必要な周波数チャネルなどのチューナの選局設定に必要な情報と、番組特定情報などの多重化されたサービスを特定するための論理的なチャネルの情報とを合わせて視聴チャネル情報と定義する。
ステップS17では、チャネル切り替え後に、元のチャネルに戻るための復帰処理を自動的に開始する時刻を決定する。具体的には、ステップS15で「復帰タイマ」のボタンの押下を検出した時刻に予め定めた所定の時間(例えば1分間)を加算した時刻を復帰処理の開始時刻に定める。また、「復帰タイマ」のボタンが連続的に複数回押下された場合には、その回数に比例してステップS17で加算する時間の長さを増やすように処理する。
ステップS18では、自動的に起動する機能として事前にアプリケーションプログラム(例えばメール処理用のプログラム)が登録されている場合に、該当するアプリケーションプログラム(アプリ)を自動的に起動する。これにより、「復帰タイマ」のボタンの押下した場合には、特定のアプリケーションプログラムを直ちに起動してすぐに使用できる。
ステップS19では、「チャネル復帰モード」が継続しているか否かを判断し、「チャネル復帰モード」が継続している場合には次のステップS20を実行する。「チャネル復帰モード」が継続していない場合はステップS21に進む。
ステップS20では、「チャネル復帰モード」において、元のチャネルに戻るための処理を実行する。「チャネル復帰モード」の具体的な処理の内容については後で詳細に説明する。
次に、ステップS21では、ステップS12又はステップS14で選択された放送チャネルで放送されている番組コンテンツを利用者がリアルタイムで視聴できるように番組コンテンツの再生処理を実行する。すなわち、データ放送再生部37が処理したデータ、映像デコーダ38が処理した映像、音声デコーダ39が処理した音声などの出力先を制御し、利用者が視聴できるように画像等をディスプレイ18の画面上に表示したり、音声をスピーカ19から出力する。
ステップS22では、ステップS12又はステップS14で選択された放送チャネルで放送されている番組コンテンツを利用者が後で視聴可能なように、放送チャネル情報、番組情報などの視聴情報を番組情報記録部40に記録する。ここで、放送チャネル情報に関して、チューナにより復調されたデータから、多重化された放送サービスを特定し選局するための論理的なチャネルの情報を放送チャネル情報と定義する。具体的には、PSI/SIなどの番組特定情報、番組情報から商品使用にあわせて受信機が選局で使用するデータなどをいう。番組情報は、番組名、番組の識別ID、開始時間、終了時間などを含むもので、放送局等の放送番組コンテンツの配信者や他の番組情報提供者から提供されるEPG情報などから情報が更新される都度、取得する。
ステップS23では、チューナ33が現在受信している放送チャネルの受信状況(電波の受信レベル)を放送受信状態検出部27で検出し、受信不可能な状況(受信圏外)かどうかを判定する。そして、一旦受信圏外になってから所定時間を経過した場合に限り、ステップS23からステップS24に進む。受信圏外でない場合、及び受信圏外になってから所定時間経過していない場合は、ステップS13に戻る。
なお、送受信用携帯端末装置10は携帯電話の基地局や無線LAN基地局との間で通信するための機能を備えているので、通信電波の受信レベルを通信電波受信状況検出部25を用いて検出することもできる。また、チューナ33で受信されるデジタル放送の電波と、通信のために通信用アンテナ14が受信する電波とは周波数帯が大きく異なっている。そこで、チューナ33の放送受信レベルだけでなく、通信用アンテナ14の通信電波受信レベルも監視して、両方の受信レベルが所定以下になった場合のみステップS23からS24に進むように変更しても良い。
すなわち、短時間の受信障害が生じる環境では複数の周波数帯の受信レベルが同時に悪化することは少ないのに対し、例えばトンネル内を移動する場合のように長時間にわたって受信不可能な状態になる環境では全ての周波数帯で受信レベルが低下するので、複数の周波数帯の受信レベルを同時に監視して制御を実行することにより、より適切なモード遷移が可能になる。
ステップS24では、ステップS23以降に受信圏外から再び受信圏内に入ったときに、視聴していた放送番組コンテンツの視聴状態に自動復帰するための「圏内復帰モード」が有効になっているか否かを判定する。すなわち、利用者の事前の入力操作により「圏内復帰モード」がオンにセットしてある場合や、「圏内復帰モード」に割り当てた所定のボタンが押下された場合、あるいはチャネル切り替えの入力操作を検出した場合、テレビ受信のアプリケーションプログラムを終了するための入力操作を検出した場合、メールやゲームなどの他のアプリケーションプログラムに切り替えるための入力操作を検出した場合に、ステップS24から次のステップS25に進む。圏内復帰モードが有効になっていない場合は、ステップS13に戻る。
ステップS25では、自動的に起動する機能として事前にアプリケーションプログラム(例えばメール処理用のプログラム)が登録されている場合に、該当するアプリケーションプログラム(アプリ)を自動的に起動する。これにより、放送番組の視聴中に受信圏外に移動して視聴動作が一時的に終了された場合に、利用者が何も操作しなくても特定のアプリケーションプログラムが直ちに起動するのでそれをすぐに使用できる。
ステップS26では、「圏内復帰モード」の処理を開始する。「圏内復帰モード」の具体的な処理の内容については後で詳細に説明する。
ステップS27では、この場合放送を受信していない状態であるので、放送受信用携帯端末装置10の電力消費を抑制するために、放送受信システムの動作を終了する。すなわち、ステップS11で起動したチューナ33、選局制御部34、多重化分離部35、番組情報検出部36、データ放送再生部37、映像デコーダ38、音声デコーダ39などの電源を遮断するかもしくは動作を抑制する。ステップS27の後、図2に示す視聴処理は一旦終了する。
このように、本実施形態では、放送番組コンテンツを受信して利用者が視聴している状態で、利用者の操作により視聴を一旦終了したときに、所定の視聴復帰条件によって元の視聴状態に復帰させる視聴復帰動作の処理を行う。この視聴復帰モードとしては、利用者のチャネル切替等の操作による終了に対して復帰するチャネル復帰モードと、端末装置の受信圏内から圏外への移動による終了に対して復帰する圏内復帰モードとを設ける。
チャネル復帰モードでは、放送番組コンテンツの視聴中に復帰設定用の特定のボタンを操作した後、他のチャネルに切り替えたり、メール等の他の機能に切り替えたり、放送受信を終了する等の操作を行って視聴を終了した際、所定時間後に復帰可能である所定の視聴復帰条件を満たす場合に、視聴復帰動作として、復帰可能である旨の通知を行ったり、元の視聴チャネルの受信動作を復帰させて放送番組コンテンツを受信再生したり、この放送番組コンテンツの記録を行う。なお、利用者の設定によっては、視聴復帰モードの事前設定を予め行っておくことで、復帰設定用の特定のボタンを操作しなくとも自動的にチャネル復帰モードに移行して所定時間後に復帰可能通知を行うようにすることも可能である。
また、圏内復帰モードでは、放送番組コンテンツの視聴中に受信圏外に移動するなどして放送受信状態が悪化し、現在受信しているチャネルが視聴不能となった後に、他のチャネルに切り替えたり、メール等の他の機能に切り替えたり、放送受信を終了する等の操作を行って視聴を終了した際、周期的に受信状態を監視し、元の視聴チャネルが受信可能な受信圏内となり、所定の視聴復帰条件を満たす場合に、視聴復帰動作として、復帰可能である旨の通知を行ったり、元の視聴チャネルの受信動作を復帰させて放送番組コンテンツを受信再生したり、この放送番組コンテンツの記録を行う。なお、視聴復帰モードの事前設定を予め行っておくことで、一旦視聴動作を終了した後に受信圏内に戻ったら自動的に圏内復帰モードに移行するようにしてもよいし、視聴動作終了の操作時に利用者が復帰設定用の特定のボタンを操作することによって圏内復帰モードに移行し、受信圏内になったら視聴動作を復帰させるようにすることも可能である。
なお、視聴復帰モードに移行する際には、メーラー起動やブラウザ起動などの他のアプリケーション動作など、予め設定登録しておいた特定の他の機能の動作を実行するようなことも可能である。また、受信圏内/圏外を判定する際、放送電波の受信環境の判定だけでなく、移動体通信などの通信用電波の受信環境など、他の電波の受信環境も考慮し、双方の受信レベルが同時に低下した場合にのみ、視聴復帰モードに移行するようにしてもよい。このような圏外判定を行うことで、エレベータ乗車時やトンネル通過時などに受信環境が低下した場合などに適切に対応可能である。
視聴復帰モードにおいて視聴復帰動作を行う視聴復帰条件としては、(1)視聴していたチャネルの放送番組コンテンツの放送電波が受信可能な圏内にあること、(2)視聴動作終了前の視聴時と復帰後とで放送されている放送番組コンテンツが一致していること、(3)端末装置の使用状況が視聴に適した所定の状態にあること、のうちの少なくとも一つ(いずれかまたはこれらの組み合わせ)を用いる。例えば、スポーツ実況中継などのリアルタイム性のある番組を視聴している場合は、番組が終了した後に視聴復帰してもあまり利用価値が無い。このため、放送番組コンテンツが視聴動作終了以前と一致している場合のみ視聴復帰動作を行うことで、利用者の意図に合った視聴復帰が行える。
また、視聴復帰動作における通知動作としては、発光部15の点灯、バイブレータ16の振動、スピーカ19からの音などによる通知、ディスプレイ18における文字や画像による通知などを用いればよい。ディスプレイ18での通知において、復帰後の番組コンテンツの静止画をキャプチャーして表示することで、利用者が番組内容を容易に認識できるように表示しながら通知することも可能である。また、通知動作を利用者が特定のボタン操作によって停止させた場合、または通知動作に対して利用者からの操作が無い場合に、所定時間後に再度通知動作を繰り返すスヌーズ動作を行ってもよい。
図3には、図2のステップS20で実行される「チャネル復帰モード」の処理に関する具体的な内容について示されている。この図3の処理について以下に説明する。
まず、ステップS31では、現在時刻の情報を時間検出部21から取得し、この現在時刻と図2のステップS17で決定した復帰時刻とを比較して、復帰時刻になったか否かを判定する。現在時刻が復帰時刻に達している場合には次のステップS32に進む。この処理を復帰時刻に達するまで繰り返す。
ステップS32では、放送受信用携帯端末装置10の使用状態を確認するために、「端末状態取得処理」を実行する。この「端末状態取得処理」の具体的な内容については、図4に示されている。
すなわち、図4において、ステップS71では時間検出部21から現在時刻を検出し、ステップS72では電池残量検出部22から電池残量の情報を取得し、ステップS73では端末使用状況確認部24から端末使用状況(最後の入力操作検出時からの経過時間)の情報を取得し、ステップS74では通信電波受信状況検出部25から通信用アンテナ14が受信している電波の受信レベルに関する情報を取得し、ステップS75ではアンテナ伸縮検出部26から放送受信用アンテナ17の伸縮状態に関する情報を取得し、ステップS76では端末開閉検出部23からヒンジ12の状態に基づく端末筐体の開閉状態に関する情報を取得する。
次いで、図3のステップS33では、ステップS32で取得した様々な端末状態の情報に基づいて、「チャネル復帰モード」を継続するか否かを決定する。具体的には、次に示す条件1〜4のいずれかに該当する場合には「チャネル復帰モード」を強制的に終了し、条件1〜4に該当しなければ「チャネル復帰モード」を継続し次のステップS34に進む。
(条件1)現在時刻が視聴動作終了した元の番組コンテンツの放送終了時刻を超えている(目的の番組は既に終了している)。
(条件2)電池11の電力の残量が所定以下である(番組を視聴可能な時間が短い)。
(条件3)所定時間以上(10分以上、30分以上など)の間、利用者の入力操作が検出されていない。
(条件4)録画に用いる記憶装置の残り記憶容量が少ない(録画の場合のみ)。
すなわち、「チャネル復帰モード」が自動的に開始されたが、元の番組が既に終了していて視聴再開が不可能な場合や、元の番組の視聴状態に戻ることが可能であっても、既に利用者に視聴を再開する意思がない可能性が高いと考えられる場合(放送受信用アンテナ17が収納されているか、又は入力操作が検出されない)や、望ましい状況で視聴を再開できない場合(電池残量が少ない、又は電波の受信環境が悪化している)には、視聴を再開しない方が利用者にとって有益であるので、強制的に処理を終了する。
ステップS34では、ステップS32で取得した様々な端末状態の情報に基づいて、「チャネル復帰モード」に関する利用者への通知が可能な状態か否かを判定する。具体的には、次に示す条件5〜7のいずれかに該当する場合には通知する必要がないと判断し、ステップS36に進む。
(条件5)放送以外の電波の受信レベルが所定以下である(受信環境が悪い)。
(条件6)放送受信用アンテナ17が既に収納されている(使用状態でない)。
(条件7)端末筐体が折り畳んだ状態である(閉じた状態になっている)。
例えば、端末筐体が折り畳んだ状態(閉じた状態)であると、ディスプレイ18の画面(主画面)は利用者から見えない状態になっているので、ディスプレイ18の表示を利用して通知することができない。そこで、条件5〜7に該当せず、視聴復帰モードの通知が可能な状態である場合に限り、ステップS34からステップS35に進む。なお、端末筐体が折り畳んだ状態(閉じた状態)である場合には、既に利用者に視聴を再開する意思がないと考えることもできるので、「チャネル復帰モード」を終了しても良い。
ステップS35では、放送受信状態検出部27から目的の番組の放送に関するチューナ33の受信状態を表す情報を取得し、放送電波の受信圏内か圏外かを判定する。受信圏内であれば次のステップS37に進み、受信圏外であればステップS36に進む。
ステップS36では、「チャネル復帰モード」を継続するために、ステップS31で参照する復帰時刻に所定時間(例えば1分間)を加算して復帰時刻を更新する。そして再びステップS31に戻る。すなわち、受信圏外の場合には、所定時間おきにステップS32以降の処理を実行することになる。このステップS31〜S36の処理は、例えば30秒毎に1回などで間欠受信を行い、各種条件の判定を行う。
一方、受信圏内である場合、ステップS37では、番組情報記録部40に記録された番組情報を参照したり、放送局等から番組情報を取得し、復帰先の放送チャネルにおいて、「チャネル復帰モード」開始前の番組と復帰後の番組とが一致するかどうかを判定する。この場合、利用者自身のチャネル切り替え操作によりザッピングを開始する前の番組が終了し、他の番組が始まっている場合は、利用者が継続して視聴する意思が無い場合が多く、復帰動作を行う必要がないとみなし、このチャネル復帰モードを終了する。なお、復帰前後の番組の相違は、時間経過により次の番組に切り替わっている場合の他に、放送受信用携帯端末装置10の移動によって他の放送局の受信圏内に切り替わり、番組が異なる場合なども想定される。番組が一致する場合は次のステップS38に進む。
ステップS38では、チャネル復帰動作を実行することを利用者に通知するための「通知処理」を実行する。この「通知処理」の具体的な内容については、図5に示されている。
すなわち、図5において、ステップS81では、利用者の入力操作により事前に登録可能な各機能の動作に関する許可情報の中で、音で通知する動作が許可されているか否かを判定する。許可されている場合には、次のステップS82に進み、許可されていない場合はステップS82をスキップする。ステップS82では、スピーカ19からチャネル復帰動作を表す通知用の音響を出力する。
ステップS83では、利用者の入力操作により事前に登録可能な各機能の動作に関する許可情報の中で、発光で通知する動作が許可されているか否かを判定する。許可されている場合には、次のステップS84に進み、許可されていない場合はステップS84をスキップする。ステップS84では、発光部15を点灯もしくは点滅し、チャネル復帰動作を行うことを通知する。
ステップS85では、利用者の入力操作により事前に登録可能な各機能の動作に関する許可情報の中で、振動で通知する動作が許可されているか否かを判定する。許可されている場合には、次のステップS86に進み、許可されていない場合はステップS86をスキップする。ステップS86では、バイブレータ16を駆動し、チャネル復帰動作を行うことを機械振動により通知する。
ステップS87では、利用者の入力操作により事前に登録可能な各機能の動作に関する許可情報の中で、画面表示で通知する動作が許可されているか否かを判定する。許可されている場合には、次のステップS88に進み、許可されていない場合はステップS88、S89をスキップする。ステップS88では、復帰先の目的の番組コンテンツに関する動画像をキャプチャーすることにより1フレームの画像を静止画として取得する。ステップS89では、ステップS88で生成した静止画をディスプレイ18の画面上に表示し、チャネル復帰動作を行うことを通知し、復帰後の番組内容のサンプル画像を示す。
ステップS38で図5に示す通知処理を実行した後、図3のステップS39に進む。ステップS39では、視聴動作を自動的に開始するか否かを判定する。すなわち、利用者の入力操作により事前に登録可能な各機能の動作に関する許可情報の中で、チャネル復帰モードで所定の条件を満たす場合の自動視聴開始が許可されているか否かを判定する。自動視聴開始が許可されている場合には次のステップS40に進み、許可されていなければステップS41に進む。
ステップS40では、元の放送チャネルで視聴を再開するための処理を開始する。すなわち、図2に示す処理中のステップS16で記録しておいた元の放送チャネルに関する情報を読み出して、チューナ33の受信チャネルを元の放送チャネルに戻して、チューナ33が受信した受信信号を多重化分離部35、番組情報検出部36、データ放送再生部37、映像デコーダ38、音声デコーダ39で処理し、再生した放送番組コンテンツの映像や音声をディスプレイ18及びスピーカ19に出力する。
ステップS41では、録画動作を自動的に開始するか否かを判定する。すなわち、利用者の入力操作により事前に登録可能な各機能の動作に関する許可情報の中で、チャネル復帰モードで所定の条件を満たす場合の自動録画開始が許可されているか否かを判定する。このとき、録画に用いる録画データ蓄積メモリ32の記憶容量の残量の判定などを行ってもよい。自動録画開始が許可されている場合には次のステップS42に進み、許可されていなければチャネル復帰モードを終了する。
ステップS42では、予約しておいた番組コンテンツに関する自動録画を実行する。すなわち、図2に示す処理中のステップS16で記録しておいた元の放送チャネルに関する情報を読み出して、チューナ33の受信チャネルを元の放送チャネルに戻した後、チューナ33が受信した受信信号のデータを、録画部31の制御により録画データ蓄積メモリ32に蓄積する。
図6には、図2のステップS26で実行される「圏内復帰モード」の処理に関する具体的な内容について示されている。この図6の処理について以下に説明する。なお、図6に示す処理と既に説明した図3に示す処理とは非常によく似ている点があり、同様の処理については詳しい説明を省略する。すなわち、図6におけるステップS51〜S55及びステップS57〜S62は、それぞれ図3に示したステップS31〜S35及びステップS37〜S42とほぼ同様の処理を行う。但し、図6に示すステップS50を実行する位置と図3に示すステップS36を実行する位置とが異なっている。
まず、ステップS50では、受信圏外からの復帰条件を確認するための時刻を決定するために、現在時刻に所定時間(例えば1分間)を加算して次のステップS51で参照する復帰時刻を決定する。次いで、ステップS51では、現在時刻の情報を取得し、この現在時刻と復帰時刻とを比較して、復帰時刻になったか否かを判定する。現在時刻が復帰時刻に達している場合には次のステップS52に進む。この処理を復帰時刻に達するまで繰り返す。従って、受信圏外の場合には、所定時間を経過するたびにステップS50からステップS51に進むので、所定時間おきにステップS52以降の処理を実行することになる。
そして、「チャネル復帰モード」の場合と同様に、ステップS52で端末の状態を表す各種情報を取得し、その端末状態の情報に基づいて、ステップS53で「圏内復帰モード」の継続が可能かどうかを判定し、上述した条件1〜4のいずれかに該当せず、「圏内復帰モード」を継続可能であればステップS54に進む。更に、ステップS54では、端末状態の情報に基づいて視聴復帰モードの通知が可能かどうかを判定し、上述した条件5〜7のいずれかに該当せず、通知可能な状態であれば次のステップS55に進む。通知可能でない場合はステップS50に戻る。
ステップS55では、チューナ33の受信レベルを調べて放送電波の受信圏内か圏外かを判定し、受信圏内であれば次のステップS57に進む。受信圏外であればステップS50に戻る。ステップS57では、復帰先の放送チャネルにおいて、「圏内復帰モード」開始前の番組と復帰後の番組とが一致するかどうかを判定する。この場合、受信圏外になる前の番組が終了し、他の番組が始まっている場合は、利用者が継続して視聴する意思が無い場合が多く、復帰動作を行う必要がないとみなし、この圏内復帰モードを終了する。なお、復帰前後の番組の相違は、時間経過により次の番組に切り替わっている場合の他に、放送受信用携帯端末装置10の移動によって他の放送局の受信圏内に切り替わり、番組が異なる場合なども想定される。番組が一致する場合は次のステップS58に進む。
ステップS58では、圏内復帰動作を実行することを利用者に通知するための「通知処理」を実行する。この「通知処理」の内容は前述した図5と同様である。
そして、ステップS59では、視聴動作を自動的に開始するか否かを判定する。自動視聴開始が許可されている場合には次のステップS60に進み、許可されていなければステップS61に進む。
ステップS60では、受信圏外になって視聴動作を終了した元の番組コンテンツの視聴動作を再開するための処理を開始する。すなわち、チューナ33の受信チャネルを元の放送チャネルに合わせて、チューナ33が受信した受信信号を多重化分離部35、番組情報検出部36、データ放送再生部37、映像デコーダ38、音声デコーダ39で処理し、再生した放送番組コンテンツの映像や音声をディスプレイ18及びスピーカ19に出力する。
ステップS61では、録画動作を自動的に開始するか否かを判定する。自動録画開始が許可されている場合には次のステップS62に進み、許可されていなければ圏内復帰モードを終了する。このとき、録画に用いる録画データ蓄積メモリ32の記憶容量の残量の判定などを行ってもよい。ステップS62では、予約しておいた番組コンテンツに関する自動録画を実行する。すなわち、チューナ33が受信した受信信号のデータを、録画部31の制御により録画データ蓄積メモリ32に蓄積する。
なお、例えば放送受信用携帯端末装置が筐体を折り畳んだ状態で外側から見ることのできるサブディスプレイを搭載しているような場合には、図3のステップS33及び図6のステップS53で視聴復帰モードを終了せず、図3のステップS38及び図6のステップS58の通知処理においてサブディスプレイ上の画面に視聴復帰モードの通知内容を表示するように処理を変更しても良い。
また、図3のステップS38及び図6のステップS58で実行する通知処理の動作については、スヌーズ機能を持たせても良い。すなわち、通知の動作に対して利用者が特定のボタンを操作して通知を一時停止させた場合や、利用者からの入力操作が全く検出されない場合には、所定時間を経過するたびに同じ通知動作を繰り返すように制御することもできる。
上述した本実施形態の放送受信用携帯端末装置10を利用する際には、テレビ等の番組の視聴中に、受信圏外に移動したり、選択中のチャネルで利用者の興味がないコーナーやシーンが放送され、本来なら視聴を継続したいにもかかわらず一時的にテレビ等の番組の視聴を終了するか、又は他のチャネルの番組を視聴せざるを得ないような場合に、煩雑な操作をすることなく利用者の望む番組の視聴に復帰することができる。
すなわち、放送視聴中に興味のないコーナーやシーンが放映されたために、利用者の操作でザッピングを行い受信チャネルを切り替えたような場合には、所定時間後に自動的に元のチャネルの番組の視聴状態に復帰することができる。また、電車、新幹線等で移動しながら放送番組を視聴している途中で、受信レベルの低下などで番組の視聴を一時的に終了した場合には、受信圏内に戻ったことを検知して自動的に元の視聴状態に復帰することができる。
この場合、視聴復帰動作を実行する際に、視聴復帰条件として、放送波の受信レベルだけでなく、端末装置の状態情報を利用して視聴復帰動作の実行可否を決定するので、目的とする番組コンテンツの視聴に関する利用者の意思を反映した復帰制御が可能になる。
なお、携帯端末装置の状態として、例えば放送受信用アンテナが収納可能に構成されている場合、放送波の受信レベルが一時的に低下して放送を視聴できない状態であっても、利用者に番組コンテンツを視聴する意思がある場合には、放送受信用アンテナを収納せずに放送波を受信できる状態になるまで待機することになる。一方、放送波を受信できなくなり番組コンテンツの視聴を一時停止している時間が長くなると、利用者は番組コンテンツを継続して視聴したいと思わなくなり、不要になった放送受信用アンテナを収納することになる。この放送波受信用アンテナが使用状態か収納状態かを表す状態は、利用者に番組コンテンツの視聴を継続する意思があるかないかを反映した結果になると考えられる。このような状況において、放送受信用アンテナの収納状態に応じて視聴復帰動作の可否を判断することによって、利用者の意思を反映した復帰制御が可能になる。
また、携帯端末装置の状態として、例えば筐体が開閉可能な構造に構成され、利用者の操作により主表示画面を開閉できるような場合には、放送波の受信レベルが一時的に低下して放送を視聴できない状態であっても、利用者に番組コンテンツを視聴する意思がある場合には、主表示画面が見えるようにそれを開いた状態を維持し、放送波を受信できる状態になるまで待機することになる。一方、放送波を受信できなくなり番組コンテンツの視聴を一時停止している時間が長くなると、利用者は番組コンテンツを継続して視聴したいと思わなくなり、主表示画面を見る必要がないため、画面を閉じることになる。この筐体の開閉状態は、利用者に番組コンテンツの視聴を継続する意思があるかないかを反映した結果になると考えられる。このような状況において、筐体の開閉状態に応じて視聴復帰動作の可否を判断することによって、利用者の意思を反映した復帰制御が可能になる。
また、電源の電池残量が少ない場合には、仮に利用者に番組コンテンツの視聴を継続する意思があったとしても、視聴を再開した直後に再び視聴不可能な状態に陥る可能性が高いので、元の視聴状態に復帰しない方が利用者にとって有益である可能性が高い。また、利用者に番組コンテンツの視聴を継続する意思がある場合には、利用者は端末装置に対して何らかの入力操作を行う可能性が高いが、長時間にわたって全く操作入力が無い状態では、もはや利用者に番組コンテンツの視聴を継続する意思はないと考えられる。よって、このような電源の電池残量や操作入力の状態に応じて視聴復帰動作の可否を判断することによって、利用者の意思を反映した復帰制御が可能になる。
また、放送されている番組コンテンツを視聴している状態から一旦視聴動作を終了した場合には、一時停止時間が長くなると、視聴動作を復帰する際に既に元の番組コンテンツが終了している場合もある。このような場合、利用者は同一の番組コンテンツを継続して視聴する意思はあるが、別の番組コンテンツについては視聴する意思がない場合が多いと考えられる。そこで、番組情報と時刻情報に基づいて、同じ番組コンテンツの放送が継続しているか否かを判定し、判定結果に応じて視聴復帰動作を実行することによって、利用者の意思を反映した制御が可能になる。
また、番組コンテンツの視聴を一旦終了した後、利用者に番組コンテンツの視聴を継続する意思があり、目的の番組コンテンツの視聴が可能な状態である場合であっても、例えば利用者が番組コンテンツの視聴よりも優先度の高い作業を端末装置において行っている場合も考え得るので、番組コンテンツの視聴状態に自動的に復帰すると利用者にとって迷惑になる可能性もある。そこで、復帰可能である旨の通知を行い、実際の利用者の意思を確認してから番組コンテンツの再生等の視聴復帰動作を実行することで、利用者の意思をより反映した制御が可能になる。
また、利用者の操作入力により番組コンテンツの視聴を一旦終了し、チャネル復帰モードで視聴復帰動作を行う場合、例えば視聴復帰動作を行う所定時間の経過を番組中の興味のないコーナーやシーンの長さに設定しておけば、このようなシーンの時間帯だけ一時的に視聴を終了して自動的に視聴復帰するようなことも可能である。また、圏内復帰モードで視聴復帰動作を行う場合、受信圏内で視聴可能な状態になった時点で視聴復帰動作を実行することで、望ましいタイミングでの番組コンテンツの視聴再開が可能になる。
また、番組コンテンツの視聴を一旦終了した際、一時停止期間中の利用者は、例えば電子メール用のアプリケーションプログラムを起動してメールの操作を行うなど、利用したい機能が利用者毎に決まっている場合が多い。そこで、視聴復帰モードに移行するときに予め設定登録しておいた特定のアプリケーションなどの機能を自動的に実行することによって、利用者は暇な一時停止期間中により効率的に作業を行うことができる。
また、放送波の受信レベルが低下する状況としては様々な状態が想定されるが、極めて短い時間だけ放送波を受信できなくなる場合と、長い時間に渡って放送波を受信できなくなる場合とがある。例えば、移動中に高層建築物の影に入ったような場合には短い時間で受信状態が回復するが、エレベータの中にいたりトンネルの中に入ったような場合には比較的長い時間に渡って受信状態が回復しない場合が多い。また、前者の場合には受信する周波数帯によって受信状況が大きく異なるのに対し、後者の場合には全ての周波数帯について受信不可能な状態になる。また、例えば放送を受信可能な携帯電話端末の場合には、通信のための受信部と、放送波受信のための受信部とをそれぞれ備えることになるので、複数の周波数帯の電波の受信状況を同時に把握することができる。そこで、圏内復帰モードで視聴復帰動作を行う場合、複数の周波数帯のそれぞれについて受信レベルを監視して、全ての周波数帯で受信状況が悪化した場合だけ圏内復帰モードに移行するようにする。つまり、放送波のみの受信環境が一時的に低下した場合のように短い時間で受信状態が回復する可能性が高い状況では圏内復帰モードに移行せず、全ての無線信号の受信環境が低下した場合に圏内復帰モードに移行する。これにより、全体の受信環境を考慮したより適切な復帰制御を行うことができる。
以上のように、本実施形態によれば、放送受信機能を備えた携帯電話端末、携帯型情報端末、モバイルPC、車載受信装置、ポータブル受信装置などに適用することにより、所望の番組コンテンツの視聴状態からそれ以外の状態に一時的に遷移した際に、所望の番組コンテンツの視聴状態に復帰するための操作を容易にすると共に、番組コンテンツの視聴に関する利用者の意思を反映した復帰制御が可能となる。例えば、移動しながら視聴を行う場合のように受信環境や視聴環境が大きく変化する場合に、受信番組を視聴するための入力操作を簡略化することができ、しかも利用者の意思などを反映した制御が可能になるので、操作性が大幅に改善される。
なお、本発明は上記の実施形態において示されたものに限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。