JP4859308B2 - 固体高分子型燃料電池用セパレーターおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池のセパレーターとして有用な樹脂組成物、その樹脂組成物で形成されたセパレーターおよびそのセパレーターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、ポリテトラフルオロエチレン骨格などのフルオロカーボン骨格にスルホン酸基を導入したパーフルオロカーボンスルホン酸などのイオン交換膜(イオン伝導性高分子膜)からなる固体高分子の電解質膜と、この電解質膜の両側に配された2つの電極と、それぞれの電極に水素や酸素などのガスを供給するためのガス供給溝を設けたセパレーターと、これらのセパレーターの両側に配設された2つの集電体とから構成されている。
【0003】
これらの構成材のうち、セパレーターには、ガス不透過性、低電気抵抗性(導電性)、耐硫酸性、高い機械強度等の性質が求められる。そこで、従来からチタンや黒鉛を材料とした板材を用い、この板材を切削加工などの機械加工によって成形する方法が検討されてきている。しかし、この方法では、量産性に欠け、工業的な実施が困難である。
【0004】
また、特開平10−334927号公報には、炭素粉末と熱硬化型樹脂(フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂等)とを含む樹脂組成物を樹脂成形法で成形した固体高分子型燃料電池のセパレーターが開示されている。しかし、熱硬化型樹脂として使用されているフェノール樹脂は硬化が遅く、生産性が低い。例えば、この特許文献の実施例では10時間以上の後硬化を必要としている。また、フェノール樹脂の硬化に伴って、水蒸気などのガスが発生するため、硬化物に反りが生じるとともに、ガス不透過性が低下する。
【0005】
さらに、特開平4−267062号公報には、ステンレス鋼又は銅で構成された燃料電池用ガスセパレーターが開示されている。しかし、これらの金属の材質では工業的な生産性は高いものの、燃料として用いる水素ガスと長時間接触する際、材料劣化が起こるため、電池特性が急激に悪くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、燃料電池(特に固体高分子型燃料電池)に適したセパレーターと、このセパレーターを工業的に有利に製造できる方法を提供する。
【0007】
本発明の他の目的は、ガス不透過性、低電気抵抗性、耐久性(特に耐硫酸性などの耐酸性)及び高い機械強度を示す固体高分子型燃料電池用セパレーターと、このセパレーターを簡便かつ効率よく得ることができる方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、寸法精度の高い固体高分子型燃料電池用セパレーターと、このセパレーターを高い成形精度で得ることができる方法を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、前記セパレーターに適した樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、導電剤とラジカル重合性熱硬化型樹脂とを組み合わせて用いることにより、セパレーターに求められる材料的な特性と、工業的な生産性とを兼ね備えた燃料電池用セパレーターが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の燃料電池セパレーター用樹脂組成物は、導電剤とラジカル重合性熱硬化型樹脂系とを含む。前記ラジカル重合性熱硬化型樹脂系は、少なくともラジカル重合性樹脂(特に、ラジカル重合性樹脂及びラジカル重合性希釈剤)で構成されていればよい。耐酸性(耐硫酸性など)、機械物性及び成形性の点から、前記ラジカル重合性樹脂としては、ビニルエステル系樹脂(特に、ビスフェノール型エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸が付加したビニルエステル系樹脂)が好ましい。架橋性の点から、ラジカル重合性樹脂の二重結合当量は200〜1000(好ましくは200〜800)程度であり、セパレーターの使用温度との関係から、ラジカル重合性熱硬化型樹脂系の硬化物が120℃以上のガラス転移温度を有するのが好ましい。ラジカル重合希釈剤は、少なくとも芳香族ビニル化合物(特に、スチレン)を含んでもよい。導電剤とラジカル重合性熱硬化型樹脂系との割合(重量比)は、導電剤/ラジカル重合性熱硬化型樹脂系=55/45〜95/5程度である。前記導電剤としては、炭素粉末が好ましい。前記樹脂組成物は、特に、炭素粉末と、複数のα,β−エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性ビニルエステル系樹脂と、α,β−エチレン性不飽和二重結合を有する単量体とを含み、前記ビニルエステル系樹脂と前記単量体との割合(重量比)が、前者/後者=100/0〜20/80であり、前記炭素粉末と、前記ビニルエステル系樹脂及び前記単量体の総量との割合(重量比)が、前者/後者=55/45〜95/5であってもよい。前記樹脂組成物は、さらに低収縮化剤(特に、スチレン系熱可塑性エラストマー、飽和ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系重合体等の熱可塑性樹脂)を含んでもよい。前記低収縮化剤の割合は、ラジカル重合性熱硬化型樹脂系100重量部に対して0.1〜30重量部程度である。
【0012】
本発明には、前記樹脂組成物で形成された固体高分子型燃料電池用セパレーター(カーボンセパレーターなど)も含まれる。このセパレーターは、ガス不透過性及び耐久性に優れている。また、前記樹脂組成物は、成形性に優れている。そのため、本発明は、前記樹脂組成物を樹脂成形法で成形して前記セパレーター(カーボンセパレーターなど)を製造する方法も含む。また、前記方法において、前記樹脂組成物を加圧式ニーダーで混練して成形してもよい。
【0013】
なお、本願明細書において、「ラジカル重合性熱硬化型樹脂系」は、少なくともラジカル重合性樹脂で構成される樹脂組成物を意味し、前記樹脂とともにラジカル重合性希釈剤を用いる場合は両者を含む意味で用いる。また、「ラジカル重合性樹脂」とは、ラジカル性不飽和結合を有する高分子又はオリゴマー化合物を意味し、「ラジカル重合性希釈剤」とは、ラジカル性不飽和結合を有する単量体を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
[導電剤]
導電剤としては、主としてセパレーターの電気抵抗を下げることに寄与する限り、種々の成分、例えば、炭素粉末(慣用の人造黒鉛粉末、膨張黒鉛粉末、天然黒鉛粉末、コークス粉、導電性カーボンブラック等)、炭素繊維、金属粉末等が使用できる。これらの導電剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。通常、炭素粉末などの粉末状導電剤が使用される。これらの導電剤は高密度に充填するため、粒度を調整した粉末や、あらかじめ表面処理した粉末を使用することもできる。
【0015】
導電剤(特に炭素粉末)の平均粒径は、ラジカル重合性熱硬化型樹脂系の割合と密接な関係を有し、一概に規定できないが、通常、10nm〜100μm、好ましくは20nm〜80μm、さらに好ましくは1〜50μm程度である。
【0016】
[ラジカル重合性熱硬化型樹脂系]
ラジカル重合性熱硬化型樹脂系は、少なくともラジカル重合性樹脂で構成されており、ラジカル重合性樹脂単独で構成してもよい。ラジカル重合性樹脂としては、α,β−エチレン性不飽和結合(重合性不飽和結合)を有する樹脂又はオリゴマー、例えば、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が使用できる。これらのラジカル重合性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ラジカル重合性樹脂は、通常、複数のα,β−エチレン性不飽和結合を有している。
【0017】
(1)ビニルエステル系樹脂
ビニルエステル系樹脂(エポキシ(メタ)アクリレートなど)は、エポキシ基とα,β−エチレン性不飽和化合物のカルボキシル基との開環付加反応生成物であって、末端に(メタ)アクリロイル基などのα,β−エチレン性不飽和結合を持つオリゴマーであり、例えば、分子内に1官能以上のエポキシ基を有する化合物と、不飽和一塩基酸などのカルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物との反応生成物が例示できる。
【0018】
分子内に1官能以上のエポキシ基を有する化合物には、エポキシ樹脂や、分子内にエポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物が含まれる。
【0019】
エポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、シクロヘキセン環などのシクロアルケン環の二重結合がエポキシ化された脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、共重合型エポキシ樹脂等が例示できる。
【0020】
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂[例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビス(ヒドロキシフェニル)C1-10アルカン骨格を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等]、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等)、脂肪族型エポキシ樹脂(例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールモノ乃至ジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールモノ乃至テトラグリシジルエーテル等)、単環式エポキシ樹脂(例えば、レゾルシングリシジルエーテルなど)、複素環式エポキシ樹脂(例えば、トリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン環を有するヒダントイン型エポキシ樹脂等)、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン等が例示できる。
【0021】
グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、カルボン酸(特に多価カルボン酸)のグリシジルエステル、例えば、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルテレフタレート、ジメチルグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート等が例示できる。
【0022】
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロペンタジエンジオキシド、ビニルシクロヘキセンモノ乃至ジオキシド等が例示できる。
【0023】
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、アミン類(特にポリアミン類)とエピクロルヒドリンとの反応生成物、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン等が例示できる。
【0024】
共重合型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格とビスフェノールF骨格とを有する共重合体などが例示できる。
【0025】
これらのエポキシ樹脂は、必要により、ハロゲン原子(臭素、塩素等)を有するハロゲン化エポキシ樹脂であってもよい。なお、エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、特開平9−110948号公報を参照できる。
【0026】
前記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、炭素粉末などの導電剤の粒径によって好ましい範囲が異なり、特に限定されないが、50〜5000g/eq、好ましくは100〜1000g/eq、さらに好ましくは150〜500g/eq(特に、170〜250g/eq)程度である。
【0027】
分子内にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのC1-4アルキルグリシジル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキシドなどの(メタ)アクリロイルオキシC4-6アルケニレンオキシド等が例示できる。
【0028】
これらのエポキシ基含有化合物のうち、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、飽和又は不飽和炭化水素環や複素環を有するエポキシ樹脂、特に、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂など)は、低粘度であるため、導電剤の割合を高めることができ、耐酸性(耐硫酸性)の観点からも好ましい。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いると、前記性質から、樹脂組成物の成形性を高めることができ、成形品の機械的強度を改善できる。
【0029】
不飽和一塩基酸などのカルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等の不飽和モノカルボン酸、多塩基酸無水物と分子内に(メタ)アクリロイル基及び活性水素原子(ヒドロキシル基など)を有する化合物との反応物が挙げられる。
【0030】
多塩基酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸無水物、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の芳香族ジカルボン酸無水物が挙げられる。(メタ)アクリロイル基及び活性水素原子を有する化合物としては、モノヒドロキシ化合物[例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシC2-6アルキル(メタ)アクリレートなど]、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとの反応物[トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
【0031】
これらのカルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物のうち、不飽和モノカルボン酸、特に(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0032】
エポキシ化合物に対するカルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物の割合(モル比)は、カルボキシル基/エポキシ基=0.8/1〜1.2/1、好ましくは0.9/1〜1.1/1程度である。
【0033】
エポキシ基とカルボキシル基との開環付加反応は、慣用の条件で行うことができ、例えば、トリアルキルアミン、ジメチルベンジルアミンなどの3級アミン類、トリフェニルフォスフィンなどのフォスフィン類を触媒として、80〜150℃程度の反応温度で、1〜10時間程度反応させてもよい。
【0034】
また、樹脂の成形時に増粘させる必要などがある場合には、エポキシ基とカルボキシル基との反応により生じたヒドロキシル基に無水多価カルボン酸を付加させて、カルボキシル基を生成させ、アルカリ増粘可能なビニルエステル系樹脂としてもよい。
【0035】
(2)不飽和ポリエステル系樹脂
不飽和ポリエステル系樹脂としては、不飽和多塩基酸と、ポリオールと、必要により飽和多塩基酸との反応生成物が使用できる。多塩基酸としては、通常、ジカルボン酸又はその反応性誘導体が使用される。
【0036】
不飽和多塩基酸としては、無水マレイン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等のC4-6脂肪族不飽和多塩基酸又はその無水物などが例示できる。
【0037】
飽和多塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸等のC2-10脂肪族飽和多塩基酸;イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のC8-12芳香族多塩基酸又はその酸無水物;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘット酸(クロレンド酸)、無水ナジン酸等のC8-10脂環族多塩基酸又はその無水物等が例示できる。
【0038】
多塩基酸中の不飽和多塩基酸の割合は、例えば、25〜100モル%、好ましくは30〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%程度である。
【0039】
ポリオールとしては、C2-12アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、ポリオキシC2-4アルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等)、芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールA−C2-4アルキレンオキシド付加物等)等が例示できる。
【0040】
エステル化反応は、慣用の方法、例えば、不活性ガス雰囲気中、エステル化触媒の存在下、常圧又は減圧下、70〜120℃程度の温度で生成する水を反応系から除去しながら行うことができる。
【0041】
多塩基酸とポリオールとの割合(モル比)は、通常、多塩基酸のカルボキシル基/ポリオールのヒドロキシル基=0.7/1〜1.3/1、好ましくは0.8/1〜1.2/1程度となる割合である。
【0042】
(3)ウレタン(メタ)アクリレート
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、末端にイソシアネート基を有するポリウレタンオリゴマーと、前記のヒドロキシC2-6アルキル(メタ)アクリレートとの反応生成物が使用できる。
【0043】
ポリウレタンオリゴマーとしては、ジオール成分に対して過剰量のジイソシアネート成分を用いた慣用のポリウレタンオリゴマーが使用でき、例えば、ジイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート等)と、ジオール成分(C2-12アルキレングリコール、ポリオキシC2-4アルキレングリコールなどのポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール等)との反応生成物が例示できる。
【0044】
ウレタンオリゴマーのイソシアネート基に対するヒドロキシル基の割合(モル比)は、ヒドロキシル基/イソシアネート基=0.7/1〜1.2/1、好ましくは0.8/1〜1.1/1、さらに好ましくは0.9/1〜1/1程度である。
【0045】
ウレタン化反応は、慣用の方法、例えば、触媒の存在下、不活性ガス雰囲気中、50〜100℃程度の温度で行う。
【0046】
(4)ポリエステル(メタ)アクリレート
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、末端にヒドロキシル基又はカルボキシル基を有するポリエステルオリゴマーと、前記(メタ)アクリル酸又はヒドロキシC2-6アルキル(メタ)アクリレートやグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物が使用できる。
【0047】
ポリエステルオリゴマーは、直鎖状であってもよく、前記不飽和ポリエステルの構成モノマーの他、多価アルコール(例えば、グリセリンなど)を用いることにより、分岐鎖状であってもよい。ポリエステルオリゴマーは、多塩基酸(特に飽和多塩基酸)とポリオールとの割合を調整し、前記と同様のエステル化反応により得ることができる。
【0048】
(メタ)アクリル酸又はヒドロキシC2-6アルキル(メタ)アクリレートやグリシジル(メタ)アクリレートの使用量は、ポリエステルオリゴマーのヒドロキシル基又はカルボキシル基1モルに対して、0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.2モル程度である。
【0049】
これらのラジカル重合性樹脂のうち、高い耐酸性(耐硫酸性など)及び機械物性を有し、成形流動性に優れる点から、ビニルエステル系樹脂、特にビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物が好ましい。
【0050】
ラジカル重合性樹脂中の二重結合当量は、200〜1000、好ましくは200〜800、さらに好ましくは200〜650程度である。二重結合当量が小さすぎると、架橋密度が非常に高い硬化物が生成し、もろく、工業的に使用することは難しい。逆に、二重結合当量が大きすぎると、充分な架橋を得ることができず、充分な耐熱性、機械物性等を得ることが難しくなる。
【0051】
なお、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のラジカル重合性樹脂の酸価は、0.1〜5mgKOH/g、好ましくは0.5〜3mgKOH/g程度である。
【0052】
(ラジカル重合性希釈剤)
前記ラジカル重合性樹脂は、低粘度化や架橋密度の調整などのため、分子内に少なくとも1つの二重結合(特にα,β−エチレン性不飽和結合)を有する反応性希釈剤(ラジカル重合性希釈剤)で希釈して用いることが好ましい。
【0053】
ラジカル重合性希釈剤としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の不飽和カルボン酸C1-12アルキルエステル;(メタ)アクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの不飽和カルボン酸ヒドロキシC2-8アルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ビニルピロリドン等の窒素含有単量体;スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、p−t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のC2-8アルキレングリコール不飽和カルボン酸エステル;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレングリコール不飽和カルボン酸エステル;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類を挙げることができる。これらの希釈剤のうち、成形性及び経済性の点から、芳香族ビニル化合物、特にスチレンが好ましい。これらの希釈剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0054】
芳香族ビニル化合物(特にスチレン)は、(メタ)アクリル系単量体(希釈剤)に比べて、ラジカル重合性樹脂(ビニルエステル樹脂など)との共重合性が高く、成形品の物性(機械的強度など)を向上できるとともに、希釈効率(粘度低下)が高いため、少量であっても成形性を向上できる。また、芳香族ビニル化合物は、他の希釈剤(例えば、アクリル系希釈剤など)に比べて耐薬品性も高い。従って、ラジカル重合性希釈剤は、少なくとも芳香族ビニル化合物(特にスチレン)を含むのが好ましい。
【0055】
ラジカル重合性樹脂とラジカル重合性希釈剤との割合(重量比)は、通常、ラジカル重合性樹脂/ラジカル重合性希釈剤=100/0〜20/80程度の範囲から選択でき、95/5〜20/80、好ましくは90/10〜40/60、さらに好ましくは90/10〜55/45程度である。より高い耐熱性を発現させるためには、希釈剤の割合を低減するのが有利である。
【0056】
導電剤とラジカル重合性熱硬化型樹脂系との割合(重量比)は、導電剤/ラジカル重合性熱硬化型樹脂系=55/45〜95/5、好ましくは60/40〜95/5、さらに好ましくは65/35〜92/8程度である。導電剤の割合が少なすぎると、導電性が改良されず、導電剤の割合が多すぎると、成形流動性が不充分となり、成形が困難となる。
【0057】
なお、導電剤とラジカル重合性樹脂との割合(重量比)は、導電剤/ラジカル重合性樹脂=55/45〜95/5、好ましくは60/40〜95/5、さらに好ましくは65/35〜95/5程度である。
【0058】
[低収縮化剤]
本発明の樹脂組成物において、成形品の反りや硬化収縮を低減させ、寸法精度を向上させるには、低収縮化剤を含むのが好ましい。一般にラジカル重合性熱硬化樹脂は、重合成形時に収縮し、凹凸や反り等が発生し易く、寸法精度が低下する場合が多い。このような場合であっても、低収縮化剤により成形品の寸法精度を向上できる。
【0059】
低収縮化剤としては、非重合性樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の飽和芳香族ポリエステル系樹脂、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート等の飽和脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリオキシエチレン単位を有する共重合飽和ポリエステル系樹脂等)、アクリル系樹脂[例えば、ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸C1-10アルキルエステルを単量体成分とする単独又は共重合体など]、酢酸ビニル系重合体(例えば、ポリビニルアセテート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)、スチレン系樹脂[例えば、ポリスチレンなどのスチレン系単量体の単独又は共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸ブロック共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルブロック共重合体、スチレン−酢酸ビニルブロック共重合体等のスチレンと共重合性モノマーとの共重合体、架橋ポリスチレン等]、ポリオレフィン系樹脂[例えば、ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等]、熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等)等が例示できる。これらの低収縮化剤のうち、スチレン系熱可塑性エラストマー[例えば、スチレン−ジエン系共重合体(例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体やスチレン−イソプレンブロック共重合体又はそれらの水添物等)]、飽和ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系重合体(例えば、ポリビニルアセテート)が好ましい。
【0060】
これらの低収縮化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの低収縮化剤の割合は、ラジカル重合性熱硬化型樹脂系100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜25重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度である。低収縮化剤の割合が少なすぎると、寸法精度が低下し易くなり、多すぎると、耐熱性などの物性が低下する。
【0061】
低収縮化剤の数平均分子量は、熱硬化型樹脂の種類によって選択でき、特に制限されないが、通常、1000〜10×105、好ましくは2000〜5×105、さらに好ましくは3000〜2×105程度である。
【0062】
低収縮化剤を含む樹脂組成物で成形すると、成形品の収縮率を、0.15%以下、好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.05%以下に低減でき、寸法精度を改善できる。
【0063】
ラジカル重合性熱硬化型樹脂系には、硬化物としてのセパレーターの物性、例えば、靭性、耐衝撃性等の改良のため、ゴム成分を添加してもよい。ゴム成分としては、液状ゴム又はその変性物[例えば、カルボキシル基末端アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エポキシ基末端NBR、ビニル基末端NBR等]、微粒子状ゴム(例えば、架橋アクリル微粒子など)等が挙げられる。ゴム成分の使用量は、ラジカル重合性熱硬化型樹脂系100重量部に対して、通常、1〜30重量部程度である。
【0064】
[硬化剤及び硬化促進剤]
本発明の樹脂組成物は、ラジカル重合性熱硬化型樹脂系の硬化に使用される慣用の硬化剤および必要に応じて慣用の硬化促進剤を添加することによって容易に硬化させることができる。
【0065】
硬化剤としては、有機過酸化物、例えば、脂肪族過酸化物(メチルエチルケトンパーオキシド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジt−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等)、芳香族過酸化物(ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等)、脂環族過酸化物(シクロヘキサノンパーオキシドなど)等が例示できる。硬化剤の割合は、ラジカル重合性熱硬化型樹脂系100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部、さらに好ましくは1〜3重量部程度である。
【0066】
硬化促進剤としては、金属塩(ナフテン酸コバルト、オクタン酸コバルト等の遷移金属塩など)、アミン類(ジメチルアニリン、ジエチルアニリン等の第三級アミンなど)、アセチルアセトン等が例示できる。硬化促進剤の割合は、ラジカル重合性熱硬化型樹脂系100重量部に対して、0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部程度である。
【0067】
[他の添加剤]
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤(水酸化アルミニウム、ガラス粉末、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、ガラスバルーン等)、重合禁止剤(ハイドロキノン、t−ブチルカテコール等)、繊維強化剤(ガラス繊維、カーボン繊維等)、離型剤(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、シリコーン又はフッ素系有機化合物、リン酸系化合物等)、増粘剤(マグネシウム、カルシウム等の酸化物又は水酸化物等)等の慣用の添加剤を配合することもできる。
【0068】
[硬化物のガラス転移温度]
少なくともラジカル重合性樹脂で構成されたラジカル重合性熱硬化型樹脂系(すなわち、ラジカル重合性樹脂単独、ラジカル重合性樹脂とラジカル重合性希釈剤とで構成された樹脂組成物)の硬化物のガラス転移温度は120℃以上(特に140〜200℃程度)であることが好ましい。固体高分子型燃料電池は使用される上限温度が100℃を超えることがあり、セパレーターもこの温度付近までガラス状で充分な弾性を保持していることが好ましい。
【0069】
[樹脂組成物の成形方法及び用途]
本発明の樹脂組成物は、流動性、成形性が高く、慣用の樹脂成形法で成形することができる。樹脂成形法としては、例えば、注型、圧縮成形、射出成形等の慣用の成形方法が例示できる。より具体的には、所定の型内に樹脂組成物を注入し、加熱加圧することにより、成形体を得ることができる。特に、ラジカル反応を利用することにより、反りの生成を抑制でき、短時間内に均質な成形体を得ることができる。さらに、樹脂成形法により成形できるので、切削加工することなく、ガス流路としての溝を精度よく形成できる。なお、均質な成形体を得るため、樹脂組成物は、脱気又は脱泡することができる。
【0070】
なお、樹脂組成物を通常のニーダーで混練すると、粉末状又は粗粒状のコンパウンドが生成する場合がある。これに対して、樹脂組成物を加圧式ニーダーで混練すると、粘性体又は粘土状の均質なコンパウンドを得ることができる。特に、導電剤を高い濃度で充填しても均一な組成で、かつ流動性に優れたコンパウンドを作製することができる。従って、加圧式ニーダーを用いてコンパウンドを成形すると、表面に凹凸がなく平滑であり、外観に優れるとともに、空孔などの欠陥のない成形体が得られ、成形体の圧縮強度や曲げ強度等の機械的物性も向上できる。
【0071】
加圧式ニーダーにおいて、圧力は、均質なコンパウンドが得られる限り特に制限されず、0.1〜10kgf/cm2(9.8×103〜9.8×105Pa)、好ましくは0.3〜8kgf/cm2、さらに好ましくは0.5〜8kgf/cm2(特に1〜8kgf/cm2)程度である。
【0072】
加圧式ニーダーの羽根の形状としては、バンバリータイプ、シグマブレード、シンプレックス(シングルカーブ)等の形状を例示できる。これらの形状のうち、バンバリー型の羽根が好ましい。羽根の回転数は、特に制限されないが、5〜150rpm、好ましくは10〜120rpm程度である。混練する温度は、特に制限されないが、室温〜100℃、好ましくは室温〜80℃(例えば、室温〜50℃)程度である。なお、混練は適当な雰囲気下で行うことができ、通常、空気中で行うことができる。また、通常、遮光下で混練される。
【0073】
本発明では、加圧式ニーダーで樹脂組成物を混練することにより、粘土状又は粘性体のコンパウンドを得ることができる。このコンパウンドの粘度(ヘリパス粘度計による)は、25℃において、102〜106Pa・s、好ましくは103〜106Pa・s、さらに好ましくは103〜105Pa・s程度である。なお、加圧式ニーダーで混練すると、樹脂組成物の機械的強度や熱伝導度を向上することができ、特に、非導電性物質(例えば、低収縮化剤など)を添加しても、熱伝導度を向上することができ、欠陥のない成形体を得ることができる。
【0074】
本発明の樹脂組成物の硬化物は、ガス不透過性、低電気抵抗性、耐酸性(耐硫酸性)及び高い機械強度を示し、樹脂成形法で簡便に成形できるため、電気・電子部品などの種々の用途に使用することができるが、燃料電池、特に、固体高分子電解質膜を備えた固体高分子型燃料電池用セパレーターとして有用である。
【0075】
このセパレーターは、通常、平板状であり、水素ガスや酸化ガス(酸素などの酸素含有ガス)を供給するためのガス流路としての溝も形成されている。セパレーターの厚みは、1〜10mm(特に2〜5mm)程度であり、セパレーターには、1又は複数の溝が形成されていてもよい。
【0076】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物で形成された硬化成形品は、導電剤を高い割合で充填できるため、高い導電性を示すともに、機械的強度が高く、ガス透過性も低く、耐久性(特に耐硫酸性などの耐酸性)及び寸法精度も高い。さらに、本発明の樹脂組成物は、樹脂成形法で成形が可能であり、かつ流動性に優れたコンパウンドであるため、成形性にも優れる。従って、本発明の樹脂組成物は、燃料電池、特に固体高分子型燃料電池用セパレーター材料として好適である。
【0077】
【実施例】
以下に、本発明の理解を助けるために、好適な実施態様について説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0078】
参考例1
攪拌機、冷却管、窒素ガス導入装置および温度計を備えた4つロフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成(株)製、エポトートYD128、エポキシ当量187g/eq)374g、メタクリル酸172g、トリフェニルフォスフィン0.2g、熱重合禁止剤としてのハイドロキノン0.1gを仕込み120℃にて8時間反応させ、酸価が1.8mgKOH/gのビニルエステル樹脂546gを得た。このビニルエステル樹脂をスチレンモノマー364gで希釈し、樹脂組成物を得た。
【0079】
この樹脂組成物180gと人造黒鉛粉末(エスイーシー(株)製、SGL25、平均粒径25μm)450g、人造黒鉛粉末(エスイーシー(株)製、SGB20、平均粒径20μm)850g、t−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製、TBPB)3.6gをよく混練し、脱気した後、300×300×8mmの平型中で50kg/cm2(4.9×106Pa)、150℃、2分間硬化させ平板を成形した。
【0080】
参考例2
参考例1で得られた樹脂組成物280gと、人造黒鉛粉末(SGB20)1100gとを用い、参考例1と同様にして平板を成形した。
【0081】
参考例3
参考例1で得られた樹脂組成物450gと、人造黒鉛粉末(SGL)500gと、人造黒鉛粉末(SGB)200gとを用い、参考例1と同様にして平板を成形した。
【0082】
尚、使用したビニルエステル系樹脂組成物100gにt−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製、TBPB)1.5gを加え、硬化させた硬化物のガラス転移温度160℃であった。
【0083】
参考例1〜3で得られた平板について、以下の物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0084】
(電気抵抗)
JIS R 7202に準じて測定した。
【0085】
(曲げ強度)
3点曲げ法 JIS K 7203に準じて測定した。
【0086】
(ガス透過率)
ガス透過率は、窒素ガスを用いて測定され、下記式で表される。
【0087】
窒素ガス透過率=窒素ガス透過量・試験片厚み/時間・断面積・差圧
(単位:cm2/sec・atm)。
【0088】
(耐硫酸性)
50重量%硫酸に、50℃で1ヶ月間浸漬した後の外観評価を以下の基準で評価した。
【0089】
○:目視により外観上変化が認められない
×:目視により外観上変化が認められる。
【0090】
【表1】
【0091】
表1の結果より、本発明の樹脂組成物で成形された平板は、電気抵抗性が低く、曲げ強度が高く、ガス透過率も低く、かつ耐硫酸性に優れる。
【0092】
参考例4
参考例1で得られた樹脂組成物280g、人造黒鉛粉末(エスイーシー(株)製、SGL10、平均粒径10μm)330g、人造黒鉛粉末(エスイーシー(株)製、SGL25、平均粒径25μm)770g、t−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製、TBPB)5.6gを通常のニーダーにて混練し、参考例1と同様にして平板を成形した。なお、混練したコンパウンドは粗粒状であった。
【0093】
参考例5
参考例1で得られた樹脂組成物224g、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(D−KX410CS、Shell JSR Elastomer(株)製)28g、人造黒鉛粉末(エスイーシー(株)製、SGL10、平均粒径10μm)330g、人造黒鉛粉末(エスイーシー(株)製、SGL25、平均粒径25μm)770g、t−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製、TBPB)5.6gを通常のニーダーにて混練し、参考例1と同様にして平板を成形した。なお、混練したコンパウンドは粗粒状であった。
【0094】
実施例6
ニーダーとして加圧式ニーダー(モリヤマ(株)製、D0.5−3)を使用し、3.92×105Pa(4kgf/cm2)の圧力下、40℃、50rpmで混練する以外は参考例5と同様にして平板を成形した。なお、混練したコンパウンドは粘土状であった。
【0095】
実施例7
スチレン−ブタジエン共重合体の代わりに飽和ポリエステル樹脂(東洋紡(株)製、バイロン330)を使用する以外は実施例6と同様にして平板を成形した。なお、混練したコンパウンドは粘土状であった。
【0096】
参考例4〜5及び実施例6〜7で得られた平板について、前記電気抵抗、曲げ強度及び耐硫酸性を測定し、さらに、熱伝導率、収縮率及び反りを以下の方法で測定した。結果を表2に示す。
【0097】
(熱伝導率)
50mm×50mm×10mmの平板を2枚重ねて、ホットディスク法(面加熱源法)(米国NISTの国際標準物質を基準とし、相対比較により熱伝導率を決定する方法)により、23℃で、熱物性測定装置(TPA−501型(京都電子工業(株)製)を用いて測定した。なお、測定は3回繰り返し平均値で示した。
【0098】
(収縮率)
300mm×300mm×5mmの平板に対する線収縮を測定した。
【0099】
(反り)
300mm×300mm×1mmの平板を23℃×50%RH条件にて1日保持した。各平板の厚み誤差はいずれも0.1mm以下であった。各平板を水平なガラス板上に設置し、300mm角の中心部を起点として、4隅(末端)とガラス板との距離(mm)を測定し、平均値で表した。
【0100】
【表2】
【0101】
表2の結果より、明らかなように、低収縮化剤を含有させることにより平板の収縮や反りを抑制できる。また、加圧式ニーダーで混練すると、曲げ強度及び熱伝導率が高く、収縮や反りが小さな成形品を得ることができる。
Claims (16)
- 導電剤とラジカル重合性熱硬化型樹脂系とを含む燃料電池セパレーター用樹脂組成物で形成された固体高分子型燃料電池用セパレーターであって、
前記ラジカル重合性熱硬化型樹脂系が、ラジカル重合性樹脂及びラジカル重合性希釈剤で構成され、かつ
前記樹脂組成物を加圧式ニーダーを用いて圧力9.8×10 3 〜9.8×10 5 Paで混練して成形されたセパレーター。 - ラジカル重合性樹脂が、ビニルエステル系樹脂である請求項1記載のセパレーター。
- ラジカル重合性樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸が付加したビニルエステル系樹脂である請求項1記載のセパレーター。
- ラジカル重合性樹脂の二重結合当量が200〜1000である請求項1〜3のいずれかに記載のセパレーター。
- ラジカル重合性熱硬化型樹脂系の硬化物が、120℃以上のガラス転移温度を有する請求項1〜4のいずれかに記載のセパレーター。
- ラジカル重合性希釈剤が少なくとも芳香族ビニル化合物を含む請求項1〜5のいずれかに記載のセパレーター。
- 導電剤とラジカル重合性熱硬化型樹脂系との割合(重量比)が、導電剤/ラジカル重合性熱硬化型樹脂系=55/45〜95/5である請求項1〜6のいずれかに記載のセパレーター。
- 導電剤が炭素粉末で構成されている請求項1〜7のいずれかに記載のセパレーター。
- 炭素粉末と、複数のα,β−エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性ビニルエステル系樹脂と、α,β−エチレン性不飽和二重結合を有する単量体とを含み、前記ビニルエステル系樹脂と前記単量体との割合(重量比)が、前者/後者=100/0〜20/80であり、前記炭素粉末と、前記ビニルエステル系樹脂及び前記単量体の総量との割合(重量比)が、前者/後者=55/45〜95/5である請求項1〜8のいずれかに記載のセパレーター。
- 炭素粉末と、ビスフェノール型エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸が付加したビニルエステル系樹脂と、少なくともスチレンを含むラジカル重合性希釈剤とで構成され、前記ビニルエステル系樹脂の二重結合当量が200〜800である請求項1〜9のいずれかに記載のセパレーター。
- さらに低収縮化剤を含む請求項1〜10のいずれかに記載のセパレーター。
- 低収縮化剤が、スチレン系熱可塑性エラストマー、飽和ポリエステル系樹脂及び酢酸ビニル系重合体からなる群より選択された少なくとも1種である請求項11記載のセパレーター。
- 低収縮化剤の割合が、ラジカル重合性熱硬化性型樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部である請求項11又は12記載のセパレーター。
- 樹脂組成物を樹脂成形法で成形して請求項1記載のセパレーターを製造する方法。
- 樹脂組成物を加圧式ニーダーで混練して成形する請求項14記載の方法。
- 加圧式ニーダーにおける圧力が9.8×103〜9.8×105Paである請求項14又は15記載の方法。
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