JP4857567B2 - ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光による電圧保持率の低下を大幅に改善したネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、家庭用各種電気機器、測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられており、液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホスト)型、IPS(インプレーンスイッチング)型、OCB(光学補償複屈折)型、ECB(電圧制御複屈折)型、VA(垂直配向)型、あるいはFLC(強誘電性液晶)等を挙げることができる。また駆動方式としても従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、単純マトリックス方式、最近ではTFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)等により駆動されるアクティブマトリックス(AM)方式が主流となっている。
これらの表示方式において、IPS型、OCB型、VA型等のアクティブマトリックス方式は、現在汎用となっているTN型やSTN型と異なり、電圧保持率が非常に高い液晶組成物を用いる必要がある。また、信頼性の面からの要求として、光や熱による影響を受けにくく、高い保持率を維持できるような液晶組成物が求められている。
今日までに、酸化防止剤や紫外線吸収剤などを液晶組成物に添加することで、その信頼性を改善することができるという報告は数多くなされている。例えば、5質量%以下の酸化防止剤を添加することで、広いネマチック温度範囲を有し、低温安定性、加熱安定性に優れ、高い電圧保持率を有する液晶組成物(特許文献1参照)が得られることが開示されており、液晶組成物にベンゾトリアゾールを添加する旨の記載もある。しかしながら、当該引用文献記載の発明は耐熱性を改善することがその目的となっており、耐光性の改善方法やその効果を実現するための具体的な記載がない。
また、紫外波長域に吸収帯をもつ添加剤を液晶組成物に添加することにより極めて良好な耐光性を確保した液晶表示素子(特許文献2参照)に関して開示されており、紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾールに関する記載もある。しかしながら、当該引用文献記載の液晶表示素子はSTN型を念頭に置いて最適な液晶組成物を開示しており、アクティブマトリックス方式に開発された液晶組成物に関する具体的な記載が無い。さらに、耐光性を改善するために最適な液晶材料の組み合わせに関する記載がなく、その信頼性において最も重要な測定項目である電圧保持率に関する記載もない。
一方、二色性色素が添加された液晶中に紫外線吸収剤を混入することで液晶の耐光性を高め寿命を長くした液晶表示素子(特許文献3参照)に関する開示がある。しかしながら、アクティブマトリックス方式に開発された液晶組成物の耐光性改善に関する記載がなく、その信頼性において最も重要な測定項目である電圧保持率に関する記載もない。
上述の他にも数多くの特許や文献等が存在するが、本発明の目的を満足できるような情報の開示がない。
したがって、高い電圧保持率を有するアクティブマトリックス方式に適した液晶組成物の耐光性を改善する方法が求められていた。
特開2002−256267号 特開平8−176549号 特開昭57−85879号
本発明が解決しようとする課題は、耐光性を大幅に改善した誘電率異方性が2から10のアクティブマトリックス駆動に適したネマチック液晶組成物及び当該液晶組成物を構成部材とするアクティブマトリックス駆動の液晶表示素子を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下のアクティブマトリックス駆動に適したネマチック液晶組成物及びそれを用いたアクティブマトリックス駆動の液晶表示素子を提供できることを見出した。
本発明のネマチック液晶組成物は、誘電率異方性が10以上である液晶化合物を1種又は2種以上含有し、その含有量は3%以上であり、なおかつ、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする誘電率異方性が2から10のネマチック液晶組成物であって、
複屈折率が0.20以上である液晶化合物を少なくとも3%以上含有し、
紫外線吸収剤がシアノアクリレート誘導体であり、
前記誘電率異方性が10以上である液晶化合物として、一般式(I−a)で表される化合物を1種若しくは2種以上含有し、
Figure 0004857567
(式(I-a)中、R 5 は炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2〜5のアルケニル基である。A 7 は1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子はフッ素原子又はメチル基に置換されてもよい。X 6 は水素原子又はフッ素原子を表す。hは1を表す。)
前記紫外線吸収剤として、一般式(III)
Figure 0004857567
(式(III)中、R 4 は炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシル基又は炭素数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個のCH 2 はOに置換されてもよい。A 5 及びA 6 はフェニル基を表すが、それぞれ独立的に、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子は炭素数1から5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2から5のアルケニル基、フッ素原子、塩素原子、-CF 3 、-OCF 3 、-OH又は-NO 2 に置換されてもよい。)で表されるシアノアクリレート誘導体を1種又は2種以上含有し、
一般式(III)で表される化合物の含有率が0.01から0.1質量%であり、
25℃における複屈折率△nが0.11から0.20の範囲であり、ネマチック相−等方性液体相転移温度Tniが100から130℃の範囲であり、
スメクチック相又は固体相−ネマチック相転移温度Tsnは−30℃以下であり、
前記複屈折率が0.20以上である液晶化合物として、一般式(II)
Figure 0004857567
(式中、R 2 及びR 3 はそれぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個のCH 2 はOに置換されてもよく、また、少なくとも1個の水素原子はフッ素原子に置換されてもよい。A 3 及びA 4 はそれぞれ独立的に1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子はフッ素原子又はメチル基に置換されてもよい。Z 3 及びZ 4 はそれぞれ独立的に-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-CH(CH 3 )CH 2 -、-CH 2 CH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )CH(CH 3 )-、-CF=CF-、-CF 2 CF 2 -、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-CH 2 CH 2 O-、-OCH 2 CH 2 -、-OCH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )O-、-(CH 2 ) 4 -、-(CH 2 ) 3 O-、-O(CH 2 ) 3 -、-C≡C-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-COO-、-OCO-又は単結合を表す。r及びsはそれぞれ独立的に0又は1を表す。X 2 、X 3 、X 4 及びX 5 はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基を表す。)で表される化合物を1種又は2種以上含有することを特徴とする。
本発明の誘電率異方性が10以上である液晶化合物と紫外線吸収剤を含む液晶組成物は、高い電圧保持率を有しており、なおかつ、耐光性を大幅に改善すること、すなわち、紫外線照射後の電圧保持率の低下を大幅に改善することができた。これを用いた液晶表示素子は従来よりも耐光性が改善されたため、より長い寿命を有したものであり、非常に有用である。
本願発明における液晶組成物において、誘電率異方性が10以上である液晶化合物としては一般式(I)又は一般式(IV)
Figure 0004857567
Figure 0004857567
(式中、R1及びR11はそれぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基又はアルコキシル基又は炭素数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個のCH2はOに置換されてもよく、また、少なくとも1個の水素原子はフッ素原子に置換されてもよい。A1、A2及びA8はそれぞれ独立的に1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子はフッ素原子又はメチル基に置換されてもよい。Z1、Z2及びZ5はそれぞれ独立的に-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF=CF-、-CF2CF2-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2CH2O-、-OCH2CH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-又は単結合を表す。m、n及びkはそれぞれ独立的に0、1又は2を表す。X1及びX2はそれぞれ独立的にフッ素原子、CF3、OCF3、OCF2H、OCFH2又は塩素原子を表す。Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7及びY8はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表す。)で表される化合物が好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、より具体的には一般式(I-a)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004857567
式中、R5は炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2〜5のアルケニル基であることが好ましいが、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。A7は1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子はフッ素原子又はメチル基に置換されてもよい。X6は水素原子又はフッ素原子を表す。hは0又は1を表す。
一般式(I-a)で表される液晶化合物を任意に選び、その具体的な構造と誘電率の測定結果を示す。なお、Delta-epは25℃における誘電率異方性Δεを表すが、その値は25℃における誘電率異方性が約0である母体液晶を用意し、これに任意の液晶化合物を10質量%添加することで、外挿値として求めた。
Figure 0004857567

また、一般式(IV)において、より具体的には一般式(IV-a)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004857567
式中、R12は炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2〜5のアルケニル基であることが好ましいが、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。A9は1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子はフッ素原子又はメチル基に置換されてもよい。Y9は水素原子又はフッ素原子を表す。jは0、1又は2を表す。
一般式(IV-a)で表される液晶化合物を任意に選び、その具体的な構造と誘電率の測定結果を示す。なお、Delta-epは25℃における誘電率異方性Δεを表すが、その値は25℃における誘電率異方性が約0である母体液晶を用意し、これに任意の液晶化合物を10質量%添加することで、外挿値として求めた。
Figure 0004857567
一般式(I)及び一般式(IV)で表される化合物の含有率は3から80質量%の範囲であることが好ましく、10から50質量%の範囲であることがより好ましい。
また、より低電圧かつ高速応答などの優れた特性が求められる場合には、誘電率異方性が15以上である液晶化合物を用いることが適当であり、20以上が特に好ましい。
本願発明においては複屈折率が0.20以上である液晶化合物を少なくとも3%以上含有することがこのましいが、複屈折率が0.20以上である液晶化合物としては一般式(II)
Figure 0004857567
(式中、R2及びR3はそれぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個のCH2はOに置換されてもよく、また、少なくとも1個の水素原子はフッ素原子に置換されてもよい。A3及びA4はそれぞれ独立的に1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子はフッ素原子又はメチル基に置換されてもよい。Z3及びZ4はそれぞれ独立的に-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF=CF-、-CF2CF2-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2CH2O-、-OCH2CH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-又は単結合を表す。r及びsはそれぞれ独立的に0又は1を表す。X2、X3、X4及びX5はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基を表す。)で表される化合物を含有することが好ましい。一般式(II)のより好ましい例として一般式(II-a)から(II-l)で表される化合物がある。
Figure 0004857567
式中、R6は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。R7は炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
一般式(II)で表される化合物の含有率は、3から60質量%の範囲であることが好ましく、5から30質量%の範囲であることがより好ましい。
本願発明の液晶組成物は紫外線吸収剤としてシアノアクリレート誘導体を含有することが好ましく、シアノアクリレート誘導体としては一般式(III)
Figure 0004857567
(式中、R4は炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシル基又は炭素数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個のCH2はOに置換されてもよい。A5及びA6はフェニル基を表すが、それぞれ独立的に、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子は炭素数1から5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2から5のアルケニル基、フッ素原子、塩素原子、-CF3、-OCF3、-OH又は-NO2に置換されてもよい。)で表される化合物を含有することが好ましく、具体的には一般式(III-a)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004857567
式中のR8は炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2〜5のアルケニル基であることがより好ましく、X7及びX8はそれぞれ独立的に水素原子、1〜5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2〜5のアルケニル基、フッ素原子、塩素原子、-CF3、-OCF3に置換されていてもよい。
一般式(III)で表される化合物の含有率を増加すると耐光性をより改善することができるが、液晶組成物のTni低下を引き起こすため、その含有率は0.001から1質量%の範囲であることが好ましく、0.01から0.5質量%の範囲であることがより好ましく、0.01から0.1質量%の範囲であることが特に好ましい。
一般式(III)のより具体的な例として以下に示すような化合物(III-1)から(III-10)がある。
Figure 0004857567
更に、本発明の液晶組成物は以下に示すような一般的な液晶化合物を含有しても良い。
Figure 0004857567
Figure 0004857567
式中、R9及びR10はそれぞれ独立的に炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。
さらに、本発明のネマチック液晶組成物は、上記の化合物以外に通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶などの他、いわゆるカイラル剤を含有してもよい。
以上より、本願発明の液晶組成物は一般式(I)及び一般式(IV)で表される化合物の含有率が3から80質量%であり、一般式(III)で表される化合物の含有率が0.001から1質量%であることが好ましく、一般式(I)及び一般式(IV)で表される化合物の含有率が3から80質量%であり、一般式(II)で表される化合物の含有率が3から60質量%であり、一般式(III)で表される化合物の含有率が0.001から1質量%であることが好ましい。
本発明の液晶組成物において、25℃における複屈折率Δnは0.06から0.30の範囲であることが好ましく、0.08から0.25の範囲であることがより好ましく、0.11から0.20の範囲であることが特に好ましい。ネマチック相−等方性液体相転移温度Tniは70から130℃の範囲であることが好ましく、80から120℃の範囲であることがより好ましく、100から120℃の範囲であることが特に好ましい。スメクチック相又は固体相−ネマチック相転移温度Tsnは−20℃以下であることが好ましく、−30℃以下であることがより好ましい。また、25℃における誘電率異方性(Δε)は2から8の範囲であることがより好ましく、2から6の範囲であることが特に好ましい。
本発明のネマチック液晶組成物の電圧保持率VHR(INITIAL)は95%以上であることが好ましいが、98%以上であることがより好ましい。更に、紫外線照射後の電圧保持率VHR(UV)は、90%以上であることが好ましいが、95%以上であることがより好ましい。
本発明のネマチック液晶組成物は、アクティブマトリクス駆動のプロジェクター用液晶表示素子に特に有用である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
Tni:ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Tsn:スメクチック相又は固体相−ネマチック相転移温度(℃)
Δn:25℃における屈折率異方性
Δε:25℃における誘電率異方性
VHR(INITIAL) :紫外線照射前の25℃における電圧保持率(%)
VHR(UV) :紫外線照射後の25℃における電圧保持率(%)
なお、電圧保持率の測定条件は、印加電圧5V、フレーム時間16.5ms、パルス幅64μsecである。紫外線照射ランプには三菱電機オスラム株式会社製FL15BL-360を使用し、液晶を注入したTFTセル(セル厚6um、配向膜RN-1051)に紫外線を60分間照射した。

(実施例1)
Figure 0004857567
上記のような液晶組成物を調製し、比較例1とした。更に、比較例1に式(III-1)に該当する紫外線吸収剤を0.1%添加したものを実施例1とした。実施例1の特性は、Tni:110℃、Tsn:-30℃、Δn:0.185、Δε:10.2、VHR(INITIAL):99.0%、VHR(UV):95.8であった。比較例1の特性は、Tni:111℃、Tsn:-31℃、Δn:0.185、Δε:10.2、VHR(INITIAL):99.4%、VHR(UV):78.3%であった。
実施例1の方が、紫外線照射後も高い電圧保持率を維持していることがわかる。これにより、プロジェクター用液晶表示素子に最適なTniが高く、Δnが大きく、耐光性も優れている液晶組成物が提供できるようになった。


Claims (7)

  1. 誘電率異方性が10以上である液晶化合物を1種又は2種以上含有し、その含有量は3%以上であり、なおかつ、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする誘電率異方性が2から10のネマチック液晶組成物であって、
    複屈折率が0.20以上である液晶化合物を少なくとも3%以上含有し、
    紫外線吸収剤がシアノアクリレート誘導体であり、
    前記誘電率異方性が10以上である液晶化合物として、一般式(I−a)で表される化合物を1種若しくは2種以上含有し、
    Figure 0004857567
    (式(I-a)中、R5は炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2〜5のアルケニル基である。A7は1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子はフッ素原子又はメチル基に置換されてもよい。X6は水素原子又はフッ素原子を表す。hは1を表す。)
    前記紫外線吸収剤として、一般式(III)
    Figure 0004857567
    (式(III)中、R4は炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシル基又は炭素数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個のCH2はOに置換されてもよい。A5及びA6はフェニル基を表すが、それぞれ独立的に、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子は炭素数1から5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2から5のアルケニル基、フッ素原子、塩素原子、-CF3、-OCF3、-OH又は-NO2に置換されてもよい。)で表されるシアノアクリレート誘導体を1種又は2種以上含有し、
    一般式(III)で表される化合物の含有率が0.01から0.1質量%であり、
    25℃における複屈折率△nが0.11から0.20の範囲であり、ネマチック相−等方性液体相転移温度Tniが100から130℃の範囲であり、
    スメクチック相又は固体相−ネマチック相転移温度Tsnは−30℃以下であり、
    前記複屈折率が0.20以上である液晶化合物として、一般式(II)
    Figure 0004857567
    (式中、R 2 及びR 3 はそれぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個のCH 2 はOに置換されてもよく、また、少なくとも1個の水素原子はフッ素原子に置換されてもよい。A 3 及びA 4 はそれぞれ独立的に1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子はフッ素原子又はメチル基に置換されてもよい。Z 3 及びZ 4 はそれぞれ独立的に-CH 2 CH 2 -、-CH=CH-、-CH(CH 3 )CH 2 -、-CH 2 CH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )CH(CH 3 )-、-CF=CF-、-CF 2 CF 2 -、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-CH 2 CH 2 O-、-OCH 2 CH 2 -、-OCH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )O-、-(CH 2 ) 4 -、-(CH 2 ) 3 O-、-O(CH 2 ) 3 -、-C≡C-、-CF 2 O-、-OCF 2 -、-COO-、-OCO-又は単結合を表す。r及びsはそれぞれ独立的に0又は1を表す。X 2 、X 3 、X 4 及びX 5 はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基を表す。)で表される化合物を1種又は2種以上含有することを特徴とするネマチック液晶組成物。
  2. 前記誘電率異方性が10以上である液晶化合物として、一般式(IV−a)で表される化合物を1種若しくは2種以上含有する請求項1に記載のネマチック液晶組成物。
    Figure 0004857567
    (式(IV-a)中、R12は炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシル基、炭素数2〜5のアルケニル基であり、A9は1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、これらの基中に存在する少なくとも1個の水素原子はフッ素原子又はメチル基に置換されてもよい。Y9は水素原子又はフッ素原子を表す。jは0又は1を表す。)
  3. 一般式(I-a)及び一般式(IV-a)で表される化合物の含有率が3から80質量%である請求項2に記載のネマチック液晶組成物。
  4. 一般式(II)で表される化合物の含有率が3から60質量%である請求項1〜3のいずれかに記載のネマチック液晶組成物。
  5. 請求項1からのいずれかに記載のネマチック液晶組成物を用いた液晶表示素子。
  6. 請求項1からのいずれかに記載のネマチック液晶組成物を用いたアクティブマトリックス駆動の液晶表示素子。
  7. 請求項1からのいずれかに記載のネマチック液晶組成物を用いたアクティブマトリックス駆動のプロジェクター用液晶表示素子。
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