JP4385570B2 - 液晶組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マトリクス状に配置された画素部にスイッチング素子が設けられているアクティブマトリクス型液晶表示素子に使用される液晶組成物及び、これを用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
TN(Twisted Nematic)液晶表示素子(LCD)や、STN(Supertwisted Nematic)−LCD液晶表示素子は、応答速度が遅く動画等を表示させる場合には不具合を生じていた。
【0003】
この問題を解決するために液晶層の厚みを小さくすることによる高速化が提案されたが、液晶の屈折率異方性を十分に大きくできないことや、製造が困難など未解決点も多く残っている。
【0004】
最近、視野角改善及び高速応答対応の目的で、液晶がベンド構造を持ったセルに位相差フィルムを組み合わせたOCB(Optically Compensated Birefringence mode)モードが提案されている[特開平7-84254号公報, SID93DIGEST, p277]。
【0005】
これらの駆動方式としてはパッシブ駆動方式も可能だが、各画素に薄膜トランジスタ(TFT)やダイオードのスイッチング素子をつけて、画素に電圧を供給するAM-LCD方式を用いると、コントラストを上げることができる。
【0006】
AM-LCDはTN・STNのパッシブ駆動方式とは異なり、スイッチング素子を通して、各画素に数十msec毎に電荷を供給することにより駆動する。このため、電荷が供給されてから数十msec後の次の書き込み時間までの間は、与えられた電荷を完全に保持できないと、表示の悪化をきたすことになる。電荷が逃げると電極間の電位が下がり、透過光強度が変化してコントラストが低下してしまう。このため、AM-LCDでは、高い電圧保持特性が求められる。高い電圧保持特性を得るため、AM-LCD用液晶組成物は、高比抵抗を維持しやすい材料を取捨選択して使用する必要がある。
【0007】
更に、近年携帯を目的としたノート型コンピューターの需要が高まり、屋外で動画対応表示の使用を可能とする、広い使用温度範囲、低消費電力(長時間のバッテリー駆動が可能)及び速い応答速度(動画に対応)への要請が強まっている。
【0008】
低消費電力には低電圧で駆動できるしきい値電圧の低い液晶組成物が求められている。
【0009】
低消費電力化のためには、駆動電圧を低くする(液晶の閾値値電圧を低くする)ことが有効である。しかし、閾値電圧を低くするためには、誘電率異方性(Δε)を大きくする必要がある。Δεが大きいと、一般には粘性が増大し、レスポンスが悪化する。また、周囲の汚染の影響を受けやすくなるため、AM-LCDに要求される高い電圧保持率を維持することが難しくなるという問題があった。
【0010】
従来の液晶組成物は、これらの要請に必ずしも応えることができず、高温での電圧保持率の低下によるコントラスト低下、低温での結晶析出やスメクチック相の発現、動画に追随できないための尾引現象が見られた。
【0011】
例えば、WO9403558号には、トリフルオロ化合物とジフルオロ化合物とを用いた液晶組成物の例が開示されているが、液晶温度範囲が狭かったり、しきい値電圧が高い等多くの問題点を抱えており、AM-LCD方式で駆動される液晶表示素子の要請に最適な液晶組成物は提供されていなかった。
【0012】
OCBモードのベンドセルの場合では、無印加の状態では安定構造であるスプレイ配向している。このスプレイ配向が電圧印加によりベンド配向に変化する。表示をするには、まず初期状態としてこのベンド配向を確保する必要がある。従来からスプレイ配向からベンド配向への転移時間を短くするために様々な方法が提案されているが、必ずしも十分なものがなかった。例えば、チルト角を高めるとコントラストが低下してしまい、転移のために大きな電圧を印加することは駆動電圧の増加を招いていた。転移時間の低減策としては、弾性定数比K33/K11(K33:曲がり、K11:広がりの弾性定数)を小さくすることが安定したベンド構造を取りやすくなるため、液晶組成物のK33/K11が小さくなるための化合物の選択が重要である。
【0013】
しかしながら従来の液晶組成物は、視角の広いOCB液晶表示素子のこれらの要請に必ずしも応えることができず、最適な液晶組成物は提供されていなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、液晶層の厚みを小さくしたAM-LCD方式で駆動される液晶表示素子やOCB液晶表示素子に求められる高い電圧保持率を有し、広いネマチック液晶温度範囲と低い粘性と大きいΔnを有した液晶組成物を提供することにある。さらに、その液晶組成物を使用したAM-LCD方式で駆動される液晶表示素子を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために、種々の液晶化合物を用いた液晶組成物を検討し、AM-LCD方式で駆動される液晶ディスプレイでの特性の評価を行った結果、
上記のAM-LCD用液晶組成物には、
(1) AM-LCD方式に好適な高い電圧保持率
(2) 屋外でも使用できる広いネマチック液晶相温度範囲
(3) 高速レスポンスを可能にする大きいΔnと低い粘性
が必要であり、これらを同時に満たす液晶組成物として下記の液晶組成物を見いだして本発明に至った。
【0016】
すなわち本発明は、マトリクス状に配置された画素部にスイッチング素子が設けられているアクティブマトリクス型液晶表示素子に使用される液晶組成物において、該液晶組成物が
A群:+1.5より大きい誘電率異方性を有する化合物群と
B群:−1.5〜+1.5の誘電率異方性を有する化合物群
とから成り、A群の化合物群の第一成分として一般式(1)
【0017】
【化7】
【0018】
[式中R1は、炭素数1〜15のアルキル基又は炭素数2〜15のアルケニル基であり、この基は非置換であるか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲン基を有しており、そしてこれらの基中に存在する1個又は2個以上のCH2基はそれぞれ独立してO原子が相互に直接結合しないものとして-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-により置き換えられても良く、環A1は
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及び/又は -S- に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はCN又はハロゲンで置換されていてもよく、Z1は、-COO-、-OCO-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH2)4-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH- 又は単結合であり、l、mは0、1又は2であり、l+mは1、2又は3であり、X1、X2、X3及びX4はそれぞれ独立してH、F又はClであり、Q1は-OCH2-、-OCF2-、-OCHF-、-CF2-又は単結合であり、Y1はF又はClである。]で表される化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有し、第二成分として一般式(2)
【0019】
【化8】
【0020】
(式中R2は、一般式(1)のR1の定義と同じであり、Z2及びZ3は-C≡C-又は単結合であって、Z2、Z3いずれか一方は-C≡C-であり、他方は単結合であり、X5〜X10はそれぞれ独立してH、F又はClであり、Q2は一般式(1)のQ1の定義と同じであり、Y2はF又はClである。)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有し、第三成分として一般式(3)
【0021】
【化9】
【0022】
(式中R3は、一般式(1)のR1の定義と同じであり、A2はA1の定義と同じであり、Z4はZ1の定義と同じであり、nは1又は2であり、X11及びX12はそれぞれ独立してH、F又はClである。)で表される化合物から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を5%〜15%含有し、且つネマチック相上限温度が75℃以上であり、ネマチック下限温度が-10℃以下であり、屈折率の異方性が0.16〜0.35であることを特徴とする液晶組成物を提供する。
【0023】
また、本発明は、上記液晶組成物を使用した、マトリクス状に配置された画素部にスイッチング素子が設けられているアクティブマトリクス型液晶表示素子を提供する。
【0024】
一般式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)という。)は、駆動電圧の低下とネマチック液晶温度範囲の拡大には非常に大きな効果がある。一方、一般式(2)で表される化合物(以下、化合物(2)という。)は、大きいΔnを有する化合物であり、駆動電圧の低下にも比較的有効である、しかし、液晶組成物中に添加することにより、ネマチック相下限温度を上昇させる問題点があった。一般式(3)で表される化合物(以下、化合物(3)という。)は、化合物(1)と同様に駆動電圧の低下とネマチック液晶温度範囲の拡大には非常に大きな効果があるが、末端の-CN基の効果により化合物(1)と化合物(2)の相溶性をさらに向上させる効果を有する。
【0025】
本発明の液晶組成物は、化合物(1)と化合物(2)と化合物(3)のそれぞれの化合物から1種又は2種以上選ばれる化合物を含有する組成物である。化合物(1)と化合物(2)のお互いの欠点を化合物(3)が補うことにより、組成物として、大きいΔn、低い粘性と低いネマチック相下限温度範囲を有し、保持率が高いためAM-LCD駆動に適している。またOCB用液晶表示素子用の液晶組成物として使用した際に、低い弾性定数比K33/K11(K33:曲がり、K11:広がりの弾性定数)を有するために、初期状態での安定したベンド構造を取りやすくなり、OCB用液晶組成物としても非常に有用である。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶組成物は、化合物(1)から選ばれる化合物を1種〜5種の範囲で含有することが好ましく、1種〜3種の範囲で含有することが特に好ましい。また、式中R1は、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基又は式(a)〜(e)のアルケニル基が特に好ましい。
【0027】
【化10】
【0028】
また、一般式(1)中、環A1はトランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましい。Z1は、単結合が好ましい。l及びmは0又は1が好ましく、l+mは1又は2が好ましい。X1、X2、X3及びX4は低電圧を重視する場合には、X1〜X4のうち少なくとも3個はFであることが好ましい。Q1は単結合が好ましい。Y1はFが好ましい。
【0029】
化合物(1)として好ましい化合物として、化合物(5)を挙げることができる。
【0030】
【化11】
【0031】
式中、X13〜X16はFが好ましく、X13、X14、及びX16がFであることが更に好ましい。
【0032】
化合物(1)から選ばれる化合物の含有量は、2質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜30質量%が特に好ましい。
【0033】
化合物(2)から選ばれる化合物は1種〜5種の範囲で含有することが好ましく、2種〜3種の範囲で含有することが特に好ましい。また一般式(2)中、R2は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基又は式(a)〜(e)のアルケニル基が特に好ましい。
【0034】
【化12】
【0035】
式中X5〜X10はそれぞれ独立してH、F又はClであり、X5〜X10のうち少なくとも2個はFであることが好ましい。Q2は単結合が好ましい。Y2はFが好ましい。
【0036】
化合物(2)として好ましい化合物として、化合物(6)を挙げることができる。
【0037】
【化13】
【0038】
式中、X17〜X22はFが好ましく、X17、X19、及びX22がFであることが更に好ましい。
【0039】
一般式(2)から選ばれる化合物の含有量は、2質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%が特に好ましい。
【0040】
化合物(3)から選ばれる化合物は1種〜5種の範囲で含有することが好ましく、2種〜3種の範囲で含有することが特に好ましい。また一般式(3)中、R3は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基又は式(a)〜(e)のアルケニル基が特に好ましい。
【0041】
【化14】
【0042】
また、一般式(3)中、環A2はトランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましい。Z4は、単結合が好ましい。X11及びX12は低電圧を重視する場合には、少なくとも1個はFであることが好ましく、両方Fであることがさらに好ましい。
【0043】
一般式(3)から選ばれる化合物の含有量は、8質量%〜12質量%が好ましい。
【0044】
B群の化合物群として一般式(4)
【0045】
【化15】
【0046】
(式中R4及びR5は、一般式(1)のR1の定義と同じであり、A3〜A5はA1の定義と同じであり、Z5及びZ6はそれぞれ-COO-、-OCO-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH2)4-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=N-N=CH-又は単結合であり、oはO、1又は2である。)で表される化合物(以下、化合物(4)という。)は1種〜5種の範囲で含有することが好ましく、1種〜3種の範囲で含有することが特に好ましい。また一般式(4)中、R4、R5は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基又は式(a)〜(e)のアルケニル基が特に好ましい。
【0047】
【化16】
【0048】
化合物(4)として好ましい化合物として、以下の化合物群を挙げることができる。
【0049】
【化17】
【0050】
本発明は、Δnが異なり、環構造も異なる2種の化合物であるナフタレン環を有する化合物(1)とトラン構造を有する化合物(2)とを組み合わせ、さらに第三の成分として化合物(3)を組み合わせることにより、低いネマチック相下限温度と大きいΔnを同時に可能とするものである。
【0051】
Δnを大きくすることは、レタデーションを一定にしたままで、セル厚を薄くできるため、また小さな分子の動きにより大きい光学的変化を起こせるため応答速度の改善を図ることができ、有用である。本発明の液晶組成物のΔnは、好ましくは0.18〜0.30であり、更に好ましくは0.20〜0.28である。
【0052】
ネマチック液晶相温度範囲の拡大は、最近要望の高まっている携帯端末ディスプレイ用として有用である。本発明による組成物は、特に、ネマチック相が結晶やスメクチックに転移するネマチック相下限温度に対して拡大効果があるため、本発明の液晶組成物を使用した液晶表示素子は、戸外の低温の環境でも高いコントラストでの動作が可能となる。本発明のネマチック相上限温度が75℃以上であり、ネマチック下限温度が-10℃以下であるが、好ましくはネマチック相上限温度が80℃以上であり、ネマチック下限温度が-20℃以下である。
【0053】
更に、化合物(1)及び化合物(2)は電圧保持特性の低下や電流値の増加を抑制する効果を持つため、AM-LCD駆動方式による液晶素子にさらに好ましく、化合物(3)の含有量を5%〜15%にすることにより、本発明の液晶組成物を使用した表示素子は戸外の過酷な熱・太陽光・UV光の環境においても安定で、電圧保持特性の低下や電流値増加などによる表示不良を起こしにくい。具体的には60℃で500時間放置した後の保持率が95%以上の場合は表示不良を起こしにくいが、85%以下の場合表示不良を起こす場合がある。
【0054】
OCBモードのベンドセルでは、弾性定数比K33/K11(K33:曲がり、K11:広がりの弾性定数)を小さくすることが安定したベンド構造を取りやすく有効である。本発明の化合物(1)、化合物(2)と化合物(3)を組み合わせることにより、より小さな弾性定数比K33/K11を可能とする。液晶組成物の曲がり(K33)と広がり(K11)の弾性定数の比K33/K11は0.8〜1.5が好ましく、0.8〜1.2であることが更に好ましい。
【0055】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は「質量%」を意味する。
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0056】
Tni :ネマチック相上限温度;ネマチック-アイソトロピック転移温度(℃)
T-n :ネマチック相下限温度;クリスタル又はスメクチック-ネマチック転移温度(℃)
Δε:25℃での誘電率異方性 (-)
Δn :25℃での複屈折率(-)
η :20℃での粘度(mPa・s)
HR :60℃での保持率(%)(セル厚6μmのTN-LCDに液晶を注入し、5V印加、フレームタイム20ms、パルス幅64μsで測定したときの測定電圧と初期印加電圧との比を%で表した値)
d :TN-LCD液晶表示素子のセル厚(μm)
τ :TN-LCD表示素子の応答速度(msec)
K11 :広がりの弾性定数(pN)
K33 :曲がりの弾性定数 (pN)
K33/K11 :弾性定数比(-)
TN-LCD表示素子の作製は以下のようにして行った。
【0057】
対向する平面透明電極上に配向膜「AL-1051」(JSR社製)を塗布し、この配向膜をラビングして90°配向状態を形成したツイスト角90°のTN-LCDセルを作製し、このセルに液晶組成物を注入してTN-LCD表示素子を作製した。セル厚dはΔn×dが約0.5になるように選定した。
【0058】
化合物の記載に下記の略号を使用する。
【0059】
【化18】
【0060】
例えば、以下に示すように略号を用いる。
【0061】
【化19】
【0062】
(実施例1・比較例1)
ネマチック組成物No.1を調整し、この組成物の諸特性を測定した結果を比較例1と共に表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
実施例1は、化合物(1)、化合物(2)を含まない比較例1と比較して、ネマチック温度範囲が拡大していることがわかる。しかもネマチック相上限温度(Tni)だけでなく、ネマチック相下限温度(T-n)に対しても改善されている。駆動電圧を低くするためには、誘電率異方性Δεを大きくする材料が必要であるが、誘電率異方性が大きい系では一般に粘性が増大し、レスポンスが悪化する。実施例1は比較例1よりも同等の誘電率異方性を有しているにもかかわらず低粘性であり、液晶表示素子での応答速度も実施例1の応答速度は(6.3msec)、比較例1の応答速度(7.0msec)と比較して高速であることがわかる。上記の実施例1で得られた液晶組成物の保持率は、測定温度60℃で99%以上の高い保持率を示し、60℃での恒温槽に500時間放置後の保持率も95%を達成しており、アクティブマトリクス型液晶表示素子用として十分使用できるレベルであった。それに対し、化合物(3)を28%含有している比較例1の60℃での恒温槽に500時間放置後の保持率は60%に落ちており、アクティブマトリクス型液晶表示素子用として使用できるレベルではなかった。また実施例1で得られた液晶組成物を使用したアクティブマトリクス型液晶表示素子は-20℃から70℃の広い温度範囲で良好なコントラストを示した。
【0065】
(実施例2、3及び比較例2)
ネマチック組成物No.2を調整し、この組成物の諸特性を測定した結果を参考例と共に表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
実施例2は従来達成出来なかったΔn=0.28で広いネマチック温度領域を達成し、大きな誘電率異方性を達成している。応答速度も5.8msecであり、液晶組成物の保持率も、測定温度60℃で99%以上の高い保持率を示した。化合物(3)を含まない参考例2と比較した場合でも、実施例2は広いネマチック温度領域を達成し、大きな誘電率異方性を達成しており、応答速度も高速であることがわかる。実施例2の弾性定数比(K33/K11)は参考例2とともに1.2であり、OCB液晶表示素子を作製したところ、スプレー配向からベンド配向に転移する電圧も低く、OCB用液晶組成物としても有効であることがわかった。
【0068】
【発明の効果】
本発明の液晶組成物は、広いネマチック液晶温度範囲、低い粘性と大きいΔnを有し、AM-LCD方式で駆動される液晶表示素子用組成物として有用であり、高い電圧保持率を有するAM-LCD駆動液晶表示素子を提供することができる。
Claims (5)
- マトリクス状に配置された画素部にスイッチング素子が設けられているアクティブマトリクス型液晶表示素子に使用される液晶組成物において、該液晶組成物が
a)+1.5より大きい誘電率異方性を有する化合物群
b)−1.5〜+1.5の誘電率異方性を有する化合物群
から成り、a)の化合物群の第一成分として一般式(1)
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及び/又は -S- に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はハロゲンで置換されていてもよく、Z1は、-CH2CH2-又は単結合であり、l、mは0、1又は2であり、l+mは1、2又は3であり、X1、X2、X3、X4はそれぞれ独立してH、F又はClであり、Q1は-OCH2-、-OCF2-、-OCHF-、-CF2-又は単結合であり、Y1はF又はClである。]で表される化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有し、第二成分として一般式(2)
- 一般式(1)の化合物を2〜50質量%含有し、一般式(2)の化合物を2〜50質量%含有する請求項1記載の液晶組成物。
- 一般式(1)の化合物として、環Aがトランス-1,4-シクロヘキシレン基であり、Z1が単結合であり、Q1が単結合である一般式(5)
- マトリクス状に配置された画素部にスイッチング素子が設けられているアクティブマトリクス型液晶表示素子であって、前記液晶が請求項1〜4のいずれかに記載の液晶組成物であることを特徴とする液晶表示素子。
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