JP4856448B2 - 新規抗生物質 - Google Patents
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Description
(1)式I:
で表される化合物またはその塩。
(3)(1)または(2)に記載の化合物またはその塩の製造方法であって、フォトバクテリウム属に属し、該化合物を生産する能力を有する微生物を培養し、培養物から該化合物の少なくとも1種を採取することを含む、前記方法。
(4)微生物が、フォトバクテリウム sp. A4B-4株である(3)に記載の方法。
(5)(1)または(2)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含む抗菌剤。
(6)(1)または(2)に記載の化合物の少なくとも1種を生産する能力を有するフォトバクテリウム属細菌。
(7)フォトバクテリウム sp. A4B-4株である、(6)記載の細菌。
最も好ましくは、R1は、-CH2CH=CH(CH2)5CH3または-(CH2)8CH3である。
最も好ましくは、R2は、-CH(CH3)2、-CH2SCH3または-C6H6(フェニル基)である。
ngercheumicin Aの理化学的性状
下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩:
A)物質の色:無色
B)溶解性:メタノール、ジメチルスルホキシドに可溶、クロロホルムに不溶
C)分子式:C41H72N6O11
D)分子量:824(FABマススペクトル法により測定)
E)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密質量、[M+Na]+は次に示す通りである:
実測値:847.5135
計算値:847.5157
F)赤外吸収スペクトル:
臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外吸収スペクトルは以下に示す極大吸収を示す:
2956, 2925, 1742, 1670, 1654, 1557, 1542 cm-1
G)1H−核磁気共鳴スペクトル:
重ジメチルスルホキシド中、内部標準に重ジメチルスルホキシド(2.50ppm)を用いて測定した、1H−核磁気共鳴スペクトルは、以下に示すとおりである:
0.82(3H, d, 6.5Hz), 0.86(3H, t, 6.5Hz), 0.86(3H, d, 6.5Hz), 0.88(3H, d, 6.5Hz), 0.89(3H, d, 6.5Hz), 0.90(3H, d, 6.5Hz), 0.93(3H, d, 6.5Hz), 1.05(3H, d, 6.5Hz), 1.12(3H, d, 6.5Hz), 1.24-1.32(8H, m), 1.50(4H, m), 1.52-1.66(5H, m), 1.98(2H, q, 6.6Hz), 2.13(2H, m), 2.23(1H, dd, 7.3,13.8Hz), 2.28(1H, dd, 5.6,13.8Hz), 3.55(2H, m), 3.84(1H, m), 3.88(2H, m), 4.27(1H, m), 4.37-4.42(4H, m), 5.34(1H, q, 6.8Hz), 5.40(2H, m), 7.54(1H, d, 8.0Hz), 7.72 (1H, d, 6.8Hz), 8.09(1H, d, 6.3Hz), 8.10(1H, d, 8.8Hz), 8.19(1H, d, 6.6Hz), 8.37(1H, d, 9.2Hz), ppm
H)13C−核磁気共鳴スペクトル:
重ジメチルスルホキシド中、内部標準に重ジメチルスルホキシド(39.51ppm)を用いて測定した、13C−核磁気共鳴スペクトルは以下に示すとおりである:
13.91(q), 16.94(q), 20.05(q), 21.44(q), 21.94(q), 22.04(t), 22.27(q), 22.47(q), 22.59(q), 22.92(q), 24.15(d), 24.23(d), 24.47(d), 26.82(t), 28.33(t), 28.99(t), 31.12(t), 34.60(t), 38.77(t), 40.28(t), 40.40(t), 42.77(t), 50.39(d), 51.03(d), 51.73(d), 54.51(d), 56.15(d), 59.81(d), 61.46(t), 65.07(d), 67.58(d), 69.58(d), 125.75(d), 130.86(d), 168.20(s), 169.79(s), 170.50(s), 170.56(s), 170.76(s), 171.51(s), 172.88(s), ppm
I)高速液体クロマトグラフィー:
カラム:Cosmosil C18, 4.6 x 150 m(ナカライテスク株式会社製)
溶媒:60%アセトニトリル水
流速:1.0 ml/分、検出:紫外部吸収210 nm
保持時間:14.6分。
下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩:
A)物質の色:無色
B)溶解性:メタノール、ジメチルスルホキシドに可溶、クロロホルムに不溶
C)分子式:C41H74N6O11
D)分子量:826(FABマススペクトル法により測定)
E)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密質量、[M+Na]+は次に示す通りである:
実測値:849.5325
計算値:849.5313
F)赤外吸収スペクトル:
臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外吸収スペクトルは以下に示す極大吸収を示す:
2957, 2929, 1739, 1651, 1543, 1469 cm-1
G)1H−核磁気共鳴スペクトル:
重ジメチルスルホキシド中、内部標準に重ジメチルスルホキシド(2.50ppm)を用いて測定した、1H−核磁気共鳴スペクトルは、以下に示すとおりである:
0.82(3H, d, 6.5Hz), 0.86(3H, t, 6.5Hz), 0.86(3H, d, 6.5Hz), 0.88(3H, d, 6.5Hz), 0.88(3H, d, 6.5Hz), 0.90 (3H, d, 6.5Hz), 0.93(3H, d, 6.5Hz), 1.05(3H, d, 6.5Hz), 1.12(3H, d, 6.5Hz), 1.23-1.30(13H, m), 1.30-1.38(3H, m), 1.50(4H, m), 1.53-1.66(5H, m), 2.23(1H, dd, 7.3,13.8Hz), 2.26(1H, dd, 5.6,13.8Hz), 3.55(2H, m), 3.78(1H, m), 3.88 (2H, m), 4.27(1H, m), 4.36-4.42(4H, m), 5.36(1H, q, 6.8Hz), 7.53(1H, d, 8.0Hz), 7.73(1H, d, 6.8Hz), 8.07(1H, d, 6.2Hz), 8.09(1H, d, 8.5Hz), 8.18(1H, d, 6.2Hz), 8.37(1H, d, 9.2Hz), ppm
H)13C−核磁気共鳴スペクトル:
重ジメチルスルホキシド中、内部標準に重ジメチルスルホキシド(39.51ppm)を用いて測定した、13C−核磁気共鳴スペクトルは以下に示すとおりである:
13.92(q), 16.97(q), 20.05(q), 21.46(q), 21.92(q), 22.07(t), 22.28(q), 22.47(q), 22.58(q), 22.92(q), 24.17(d), 24.23(d), 24.48(d), 24.85(t), 28.69(t), 28.96(t), 29.01(t), 29.11(t), 31.25(t), 36.59(t), 38.81(t), 40.2(t), 40.37(t), 43.36(t), 50.41(d), 51.06(d), 51.78(d), 54.54(d), 56.18(d), 59.81(d), 61.48(t), 65.08(d), 67.42(d), 69.57(d), 168.23(s), 169.81(s), 170.51(s), 170.57(s), 170.78(s), 171.71(s), 172.93(s), ppm
I)高速液体クロマトグラフィー:
カラム:Cosmosil C18, 4.6 x 150mm(ナカライテスク株式会社製)
溶媒:60%アセトニトリル水
流速:1.0 ml/分、検出:紫外部吸収210nm
保持時間:19.1分。
下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩:
A)物質の色:無色
B)溶解性:メタノール、ジメチルスルホキシドに可溶、クロロホルムに不溶
C)分子式:C35H56N4O6
D)分子量:628(FABマススペクトル法により測定)
E)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密質量、[M+H]+は次に示す通りである:
実測値:629.4215
計算値:629.4278
F)赤外吸収スペクトル:
臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外吸収スペクトルは以下に示す極大吸収を示す:
3302, 2956, 2979, 1739, 1663, 1545, 1467 cm-1
G)1H−核磁気共鳴スペクトル:
重ジメチルスルホキシド中、内部標準に重ジメチルスルホキシド(2.50ppm)を用いて測定した、1H−核磁気共鳴スペクトルは、以下に示すとおりである:
0.54(3H, d, 6.5Hz), 0.72(3H, d, 6.5Hz), 0.80(3H, d, 6.5Hz), 0.83(3H, d, 6.5Hz), 0.86(3H, t, 7.0Hz), 0.87 (3H, d, 6.5Hz), 0.88(3H, d, 6.5Hz), 1.04(1H, m), 1.25(6H, m), 1.36(2H, m), 1.48(1H, m), 1.56(3H, m), 1.64(1H, m), 1.69(3H, m), 2.12(1H, dd, 9.1, 13.7Hz), 2.69(1H, dd, 4.3, 13.7Hz), 2.75(1H, dd, 9.7, 13.3Hz), 2.95(1H, dd, 6.3, 13.5Hz), 3.58(1H, m), 4.17(1H, m), 4.30(1H, m), 4.47(1H, dt, 4.6,10.1Hz), 5.11(1H, m), 7.06(1H, d, 9.6Hz), 7.21(3H, m), 7.27(2H, t, 7.5Hz), 7.34(1H, d, 8.9Hz), 8.55 (1H, d, 3.8Hz), 8.65(1H, d, 5.6Hz), ppm
H)13C−核磁気共鳴スペクトル:
重ジメチルスルホキシド中、内部標準に重ジメチルスルホキシド(39.51ppm)を用いて測定した、13C−核磁気共鳴スペクトルは以下に示すとおりである:
13.81(q), 20.69(q), 20.69(q), 21.28(q), 21.90(t), 23.16(q), 23.16(q), 23.16(q), 23.55(d), 24.06(d), 24.10(t), 24.46(d), 31.00(t), 33.95(t), 36.33(t), 38.80(t), 38.87(t), 39.08(t), 40.42(t), 49.03(d), 50.67(d), 52.94(d), 55.74(d), 72.00(d), 126.29(d), 127.99(d), 128.82(d), 136.15(s), 170.31(s), 170.79(s), 170.93(s), 171.77(s), 174.14(s), ppm
I)高速液体クロマトグラフィー:
カラム:Cosmosil C18, 4.6 x 150mm(ナカライテスク株式会社製)
溶媒:60%アセトニトリル水
流速:1.0 ml/分、検出:紫外部吸収210nm
保持時間:16.8分。
下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩:
A)物質の色:無色
B)溶解性:メタノール、ジメチルスルホキシドに可溶、クロロホルムに不溶
C)分子式:C34H54N4O6S
D)分子量:646(FABマススペクトル法により測定)
E)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密質量、[M+H]+は次に示す通りである:
実測値:647.3795
計算値:647.3842
F)赤外吸収スペクトル:
臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外吸収スペクトルは以下に示す極大吸収を示す:
3302, 2957, 2929, 1739, 1652, 1545, 1469, 1455 cm-1
G)1H−核磁気共鳴スペクトル:
重ジメチルスルホキシド中、内部標準に重ジメチルスルホキシド(2.50ppm)を用いて測定した、1H−核磁気共鳴スペクトルは、以下に示すとおりである:
0.81(3H, d, 6.5Hz), 0.83(3H, d, 6.5Hz), 0.86(3H, t, 7.2Hz), 0.88(3H, d, 6.5Hz), 0.88(3H, d, 6.5Hz), 1.20 -1.27(6H, m), 1.48-1.58(4H, m), 1.64(2H, m), 1.70(3H, m), 1.85(1H, m), 1.94(1H, m), 1.95(3H, s), 2.03(1H, m), 2.13(1H, dd, 9.2, 13.7Hz), 2.69(1H, dd, 4.0, 13.6Hz), 2.77(1H, dd, 9.7, 13.0Hz), 2.94(1H, dd, 6.0, 13.0Hz), 3.79(1H, m), 4.19(1H, m), 4.23(1H, m), 4.47(1H, dt, 4.4,10.7Hz), 5.11(1H, m), 7.05 (1H, d, 9.7Hz), 7.21(1H, m), 7.21(2H, m), 7.28(2H, t, 7.5Hz), 7.38(1H, d, 9.3Hz), 8.60(1H, d, 3.7Hz), 8.72(1H, d, 6.1Hz), ppm
H)13C−核磁気共鳴スペクトル:
重ジメチルスルホキシド中、内部標準に重ジメチルスルホキシド(39.51ppm)を用いて測定した、13C−核磁気共鳴スペクトルは以下に示すとおりである:
13.81(q), 14.20(q), 20.72(q), 21.26(q), 21.90(t), 23.16(q), 23.18(q), 24.06(t), 24.09(d), 24.47(d), 29.40(t), 29.53(t), 31.00(t), 33.95(t), 36.23(t), 38.76(t), 39.10(t), 40.34(t), 49.05(d), 50.73(d), 53.52(d), 56.02(d), 72.05(d), 126.37(d), 128.03(d), 128.87(d), 136.25(s), 170.38(s), 170.77(s), 170.87(s), 171.01(s), 174.36(s), ppm
I)高速液体クロマトグラフィー:
カラム:Cosmosil C18, 4.6 x 150mm(ナカライテスク株式会社製)
溶媒:60%アセトニトリル水
流速:1.0 ml/分、検出:紫外部吸収210nm
保持時間:12.8分。
下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩:
A)物質の色:無色
B)溶解性:メタノール、ジメチルスルホキシドに可溶、クロロホルムに不溶
C)分子式:C38H54N4O6
D)分子量:662(FABマススペクトル法により測定)
E)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密質量、[M+H]+は次に示す通りである:
実測値:663.4070
計算値:663.4122
F)赤外吸収スペクトル:
臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外吸収スペクトルは以下に示す極大吸収を示す:
3304, 2956, 2925, 1742, 1654, 1542, 1457 cm-1
G)1H−核磁気共鳴スペクトル:
重ジメチルスルホキシド中、内部標準に重ジメチルスルホキシド(2.50ppm)を用いて測定した、1H−核磁気共鳴スペクトルは、以下に示すとおりである:
0.83(3H, d, 6.6Hz), 0.84(3H, d, 6.6Hz), 0.84(3H, t, 7.0Hz), 0.87(3H, d, 6.6Hz), 0.88(3H,d, 6.6Hz), 1.22-1.25(6H, m), 1.45-1.75(8H,m),2.12(1H,dd, 8.6,14.0Hz), 2.64(2H,m),2.81(1H,dd, 8.7,14.5Hz),2.88(1H,dd, 10.1,14.8Hz),3.00(1H,dd, 3.6,14.7Hz),4.01(1H,m),4.20(1H,m),4.38(1H,m),4.45(1H,m), 5.08(1H, m), 7.07(1H, d, 9.6Hz), 7.15-7.25(10H,m),7.33(1H, d, 8.9Hz), 8.45(1H, d, 5.2Hz), 8.92(1H, d, 5.8Hz), ppm
I)高速液体クロマトグラフィー:
カラム:Cosmosil C18, 4.6 x 150mm(ナカライテスク株式会社製)
溶媒:60%アセトニトリル水
流速:1.0 ml/分、検出:紫外部吸収210nm
保持時間:20.2分。
a. 形態
1) 細胞の形および大きさ:桿菌、1.6-2.5×0.6-0.7 μm
2) 細胞の多形性の有無:無し
3) 運動性の有無、鞭毛の着生状態:有り、極毛
4) 胞子の有無:無し
b. 各培地における生育状態
1) マリンアガー平板培養 :良好に生育、コロニーは円形、扁平状、波状、中心部白色、周辺部半透明
2) マリンアガー斜面培養 :良好に生育,白色
3) マリンブロス培養 :良好に生育,均質に濁る
c. 生理学的性質
1) グラム染色性:陰性
2) 硝酸塩の還元:還元する
3) インドールの生成:生成しない
4) 硫化水素の生成:生成しない
5) でんぷんの加水分解:分解する
6) クエン酸の利用:Simmons培地:利用する
7) ウレアーゼ活性:陽性
8) オキシダーゼ活性:陽性
9) カタラーゼ活性:陽性
10) 生育pH範囲:pH 5〜10、最適生育pH範囲 pH 6〜9
11) 酸素に対する態度:通性嫌気性
12) OF試験:発酵的に分解する
13) 糖からの酸の生成の有無:
API50CHを使用し、基礎培地として 2.3% NaCl, 1.18% MgCl2・6H2O, 0.164% CaCl2・2H2O, 0.002% Phenol red, 5mM Tris -HCl(pH 7.8)を用いた。
L-アラビノース:陰性
D-キシロース :陰性
D-グルコース :陽性
D-マンノース :陰性
D-フラクトース:陽性
D-ガラクトース:陰性
マルトース :陰性
シュークロース:陰性
ラクトース :陰性
トレハロース :陽性
D-ソルビトール:陰性
D-マンニトール:陰性
イノシトール :陰性
グリセリン :陽性
デンプン :陽性
14) エスクリンの分解:分解しない
15) DNAの分解:分解する
16) 好塩性:有り 生育塩濃度範囲 1〜7%
17) β-ガラクトシダーゼ:陰性
18) イソプレノイドキノン:Q-8
実施例1 抗生物質ngercheumicin A〜Eの製造
マリンブロス(DIFCO社製)を振盪フラスコ(1L容)に300mlずつ分注し、常法により121℃で15分滅菌した。フォトバクテリウム sp. A4B-4株をマリンアガー平板培地上で培養後、その1コロニーを試験管あるいは100mlフラスコ中の少量のマリンブロスに接種し、1日間、前培養した。その培養液2mlずつを上述の振盪フラスコ(1L容)に接種し、次いで、30℃で4日間振盪培養した。
実施例1で得られたngercheumicin A〜Eの各種細菌に対する抗菌活性を試験した。ngercheumicin A〜Eの200ppmと1000ppm溶液を用いて、直径6mmのペーパーディスク(アドバンティック東洋社製)にそれぞれディスクあたり13μlの溶液を添加した場合の生育阻害活性を調べた。各種細菌に対する阻止円の大きさを表1に示す。
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