JP4855585B2 - 圧電トランス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば各種の高電圧発生用電源回路の主要構成要素として用いられる圧電トランスに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近年、高電圧発生用電源回路の昇圧部品として、圧電トランスが使用されることが多くなっている。これは圧電トランスが、大きさ、特に厚みが非常に小さなものであるにもかかわらず高電圧を発生でき、しかも消費電力が少ないといった優れた特性を有するからである。
【0003】
ところで、現在主流となっている圧電トランスは、「ローゼン型」と呼ばれるものである。この型の圧電トランスは、周知のように圧電トランス素子の上面(上側主面)および下面(下側主面)に入力電極が形成されている。それゆえ駆動電圧印加用のリード線も、圧電トランス素子の上面および下面にそれぞれ接続しなければならず、こうした制約が圧電トランスの設置を困難なものとすることがあった。また、こういった問題とは別に、圧電トランスには更なる性能の向上、そして製造時の歩留りの向上が強く求められている。
【0004】
こうした実情に鑑みて本発明者は、上記リード線の接続面を圧電トランス素子の上面および下面にのみ限定されることがなく、しかも性能および歩留りを大幅に向上させることが可能な圧電トランスを開発するに至った(特願2000−385696号)。ここで、この提案になる圧電トランスの構造について簡単に説明する。
【0005】
この圧電トランスも、これまでのものと同様、圧電トランス素子(以下、単に素子とも言う)の上下面に、それぞれ第1の入力電極および第2の入力電極が形成された構造となっている。しかし素子上面の第1の入力電極は、その一部が矩形状に切り欠かれており、この切欠き内に引き出し電極が形成されている。すなわち素子上面には、第1の入力電極とは電気的に絶縁された引き出し電極が設けられ、この引き出し電極と第2の入力電極とがコ字形の導通部材にて接続された構造となっている。
【0006】
だが、こうした有用な圧電トランスにも、改善を要する点があることがわかってきた。すなわち同圧電トランスは、上述したように入力電極の一部が、引き出し電極を設置するために切り欠かれている必要がある。つまり、片側の入力電極には不可避的に欠損が生じる。しかし、これは分極面積の減少を意味するので、僅かではあるものの、圧電トランスの電気的特性は低下する。
【0007】
したがって本発明が解決しようとする課題は、駆動電圧印加用のリード線の接続面が圧電トランス素子の上面および下面のみに限定されず、その上、入力電極の一部を切り欠く必要はなく、良好な電気的特性が得られる圧電トランスを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、
圧電トランス素子と、この圧電トランス素子の上面に設けられた第1の入力電極と、前記圧電トランス素子の下面に設けられた第2の入力電極とを具備してなる圧電トランスであって、
前記圧電トランス素子、前記第1の入力電極および前記第2の入力電極からなる圧電トランス本体部に対して、それを把持するように配設されるコ字形の導通部材を更に備え、
前記第1の入力電極と前記導通部材との間には、絶縁層が介在させられてなることを特徴とする圧電トランスによって解決される。
【0009】
なお本発明に係る圧電トランスにおいては、通常、第1の入力電極と共に導通部材が入力電極として使用されることになる。これは、駆動電圧印加用の2本のリード線を、圧電トランス素子の同一面に取り付けることが多いからである。
【0010】
また上記の課題は、
圧電トランス素子と、この圧電トランス素子の上面に設けられた第1の入力電極と、前記圧電トランス素子の下面に設けられた第2の入力電極とを具備してなる圧電トランスであって、
前記圧電トランス素子、前記第1の入力電極および前記第2の入力電極からなる圧電トランス本体部に対して、それを把持するように配設される共にコ字形の、第1の導通部材および第2の導通部材を更に備え、
前記第1の入力電極と前記第1の導通部材との間、および前記第2の入力電極と前記第2の導通部材との間には、それぞれ絶縁層が介在させられてなることを特徴とする圧電トランスによって解決される。
【0011】
なお、この圧電トランスに関しても通常は、第1の導通部材および第2の導通部材が共に入力電極として使用されることになる。殊に本発明のごとく導通部材を二つ備える場合には、圧電トランス素子の一側面に、あるいは一端面に、あるいは側面および端面に、駆動電圧印加用のリード線を取り付けることが可能となり、非常に多くの設置様態に対応できるようになる。
【0012】
ちなみに、本発明の圧電トランスにおいて導通部材を一つ備えるものでは、この導通部材は第2の入力電極に対して電気的に接続されることになる。一方、本発明の圧電トランスにおいて導通部材を二つ備えるものでは、第1の導通部材は第2の入力電極に対して、また第2の導通部材は第1の入力電極に対して、それぞれ電気的に接続されることになる。
【0013】
さて本発明に係る圧電トランスは、上述したようにコ字形の導通部材を備えると共に、この導通部材と第1の入力電極との間に絶縁層を介在させて、両者を電気的に絶縁した構造となっている。あるいは、二つの導通部材を備えると共に、第1の導通部材と第1の入力電極との間、および第2の導通部材と第2の入力電極との間にそれぞれ絶縁層を介在させ、それらを電気的に絶縁した構造となっている。
【0014】
本発明に係る圧電トランスはこのように、圧電トランス素子、第1の入力電極および第2の入力電極からなる圧電トランス本体部に対して、それを把持するように配設されるコ字形の導通部材を備える。よって駆動電圧印加用のリード線の接続面は、圧電トランス素子の上面および下面にのみ限定されることはない。すなわち上記導通部材を利用することで、圧電トランス素子の側面や端面にもリード線を接続することができるようになる。
【0015】
また本発明に係る構造を採用した場合、入力電極において導通部材と重なり合う部分を切り欠く必要はない。いいかえれば本発明に係る圧電トランスは、従来品のように、入力電極の一部が引き出し電極を設置するために切り欠かれてはいない。つまり入力電極には欠損が生じず、したがって分極面積が減少することはないので、圧電トランスの電気的特性の低下は皆無である。
【0016】
以上を総括すると、本発明に係る圧電トランスは、駆動電圧印加用のリード線の接続面が圧電トランス素子の上面および下面のみに限定されず、その上、入力電極の一部を切り欠く必要はなく、良好な電気的特性が得られる。
【0017】
なお、本明細書で言う「上・下」は便宜的なものであり、当然のことながら、圧電トランスを電源回路の基板などに実装する際の向きとは直接関係ない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態を具体的に説明する。ここで図1は本実施形態に係る圧電トランスの全体斜視図、図2は同圧電トランスの正面図、図3は導通部材を分離させた状態での斜視図である。
【0019】
本実施形態に係る圧電トランス(以下、本圧電トランスと言う)は、例えば、高電圧発生用電源回路の昇圧部品として用いられるものである。本圧電トランスは、図1あるいは図2からわかるように主要構成要素として、圧電トランス素子1と、共に駆動電圧印加用の、第1の入力電極2および第2の入力電極3とを具備する。
【0020】
このうち圧電トランス素子1は細長い矩形平板状のものであって、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料から構成されている。更に詳しく言うと、例えば、こうした圧電材料の乾式造粒粉を金型に充填し、それを乾式プレスして得た成形品を焼成することにより上記圧電トランス素子1が出来上がる。また、先の圧電材料からなる原料シートを所定枚数だけ積層させ、圧着して一体化させた後、焼成する方法などによっても上記圧電トランス素子1を得ることができる。
【0021】
第1の入力電極2および第2の入力電極3は印刷により、圧電トランス素子1の上面および下面にそれぞれ設けられている(ここでの上下の区別は便宜的なものである)。第1の入力電極2および第2の入力電極3は、それぞれ圧電トランス素子1の上面および下面の半分を覆っており、言うまでもなく両者は圧電トランス素子1を挟んで対向している。なお、これら入力電極2,3の材料としては、銀や、銀・白金系の合金、銀・パラジウム系の合金などが使われるが、特に本実施形態では銀・パラジウム系の合金を用いた。
【0022】
本圧電トランスは上記構成要素に加えて、更にコ字形の導通部材4を具備する。この導通部材4は、圧電トランス素子1、第1の入力電極2および第2の入力電極3からなる圧電トランス本体部に対して、それを把持するように配設される。ちなみに導通部材4、特に圧電トランス素子1の下面側に対応するその片部4bは、第2の入力電極3に対して、例えば半田付けにより固定されている。つまり電気的に接続されている。一方、導通部材4における圧電トランス素子1の上面側に対応する片部4aは、第1の入力電極2に対して、後述するとおり絶縁層としての役割を果たす両面粘着テープを用いて取り付けられる。
【0023】
なお導通部材4は、上記第1の入力電極2と共に入力電極として使用されることになる。つまり図2に示すごとく、導通部材4に対してはリード線5が、例えば半田付けなどで接続される。いいかえれば、第2の入力電極3へは導通部材4を介して給電されることになる。なお特に図示してはいないが、第1の入力電極2にも、やはり半田付けなどでリード線が接続される。つまり駆動電圧印加用の2本のリード線は、圧電トランスの同一面に接続されることになる。
【0024】
なお、圧電トランスの基本構造自体は既に公知であるから、その詳しい説明は省略するが、本圧電トランスは上記二つの入力電極2,3とは異なる第3の電極を有する。これは圧電トランス素子1の図示していない側の端面に存在し、入力電極2,3と同様、銀・パラジウム系の合金などを用いて印刷により形成されている。この第3の電極は二次側(出力側)のものであり、上記入力電極2,3のいずれか一方と共に、昇圧された電圧を取り出すのに利用される。
【0025】
さて本実施形態では、図3からもわかるように、第1の入力電極2と導通部材4との間に絶縁層6を介在させている。この絶縁層6は上述したとおり両面粘着テープから出来ており、所要の絶縁性を有している。また、駆動電圧印加用のリード線5を導通部材4に半田付けする際に熱が加わるので十分な耐熱性も有する。
【0026】
絶縁層6は、導通部材4における、圧電トランス素子1の上面側に対応する片部4aよりも大きな面積を有する。これは、第1の入力電極2と導通部材4との間に、両者を絶縁状態とするのに十分な水平方向の距離を設けるためである。また絶縁層6は、圧電トランス素子1の側面と導通部材4との間にまで延在している。つまり、絶縁層6は圧電トランス素子1の側面上部をも覆っている。
【0027】
こうした構造を得るには、まず圧電トランス素子1に、その一主面および側面に跨るよう両面粘着テープを貼り付ける。続いて、図3中、矢印で示す方向から導通部材4を押し込んで、それを圧電トランス素子1に装着させることで、図1に示す本圧電トランスが得られる。なお、上記絶縁層6の材料は粘着テープに限定されるものではなく、例えば耐熱樹脂などそれ以外のさまざまな材料から形成することができる。
【0028】
なお、圧電トランス素子1への導通部材4の装着には、図3に示すような、あらかじめコ字形としたものを押し込む方法だけでなく、その他にも例えば、寸法を合わせたL字形の導通部材を用意し、素子下面にその短片部を半田付けした後、長片部を折り曲げて導通部材を最終形状(コ字形)とする方法を用いることもできる。あるいは、直状の導通部材の一端側を素子下面に半田付けした後、それを素子形状に合わせて2回折り曲げることにより上記最終形状としてもよい。
【0029】
さて、上述したように本圧電トランスは、コ字形の導通部材4を備えると共に、この導通部材4と第1の入力電極2との間に絶縁層6を介在させ、両者を電気的に絶縁した構造となっている。すなわち本圧電トランスは、圧電トランス素子1、第1の入力電極2および第2の入力電極3からなる圧電トランス本体部に対して、それを把持するように配設されるコ字形の導通部材4を備えるので、駆動電圧印加用のリード線5の接続面は、素子上面および下面にのみ限定されない。本圧電トランスは、導通部材4を利用することで、必要とあれば圧電トランス素子1の側面や端面にもリード線を接続することができる。
【0030】
また本圧電トランスにあっては、第1の入力電極2において導通部材4と重なり合う部分が切り欠かれていない。すなわち従来品のように、引き出し電極を設置するために入力電極に欠損を設けておらず、したがって分極面積が減少することはないので、圧電トランスの電気的特性の低下は皆無である。つまり本圧電トランスは、駆動電圧印加用のリード線の接続面が圧電トランス素子の上面および下面のみに限定されず、その上、入力電極の一部を切り欠く必要はなく、良好な電気的特性が得られる。
【0031】
次に、本発明の第2実施形態を図4(圧電トランスの全体斜視図)を用いて説明する。なお、本実施形態に係る圧電トランスについても、その基本的な技術思想や機能については、上記第1実施形態のそれと同じである。よって以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する(後述する第3〜第10実施形態についても同様)。
【0032】
本実施形態に係る圧電トランスは、導通部材11を、上記第1実施形態における向きとは直交する向きに配設したことを特徴とする。つまり本実施形態では、央片部11aが素子端面と向き合うよう、導通部材11を圧電トランス本体部12に取り付けている。なお言うまでもなく絶縁層13は、素子端面と重なり合うよう延在されている。
【0033】
続いて、本発明の第3実施形態を図5(圧電トランスの全体斜視図)を用いて説明する。本実施形態に係る圧電トランスは、導通部材21を圧電トランス本体部22の角にではなく、素子短辺側部分の任意の場所に配設したことを特徴とする。特に本実施形態では、素子短辺の中央に絶縁層23を設け、これによって第1の入力電極24と導通部材21との間の絶縁状態を作り出している。
【0034】
更に続いて、本発明の第4実施形態を図6(圧電トランスの全体斜視図)を用いて説明する。本実施形態に係る圧電トランスは、導通部材31を圧電トランス本体部32の角にではなく、素子長辺側の第1の入力電極34が存在する部分における任意の場所に配設したことを特徴とする。特に本実施形態では、素子長辺側の第1の入力電極34が存在する部分の中央に絶縁層33を設け、これによって第1の入力電極34と導通部材31との間の絶縁状態を作り出している。
【0035】
次に、本発明の第5実施形態を図7(圧電トランスの要部正面図)を用いて説明する。本実施形態に係る圧電トランスは、第1の入力電極41が素子側面(あるいは素子端面)まで達していない構造の圧電トランス本体部を用いて構成されたものである。したがって絶縁層42は素子主面上にのみ存在しており、素子側面(あるいは端面)とは重なり合っていない。つまり絶縁層42は、導通部材43の上側片部43aのみと接している。
【0036】
続いて、本発明の第6実施形態を図8および図9を用いて説明する。なお、図8は圧電トランスの側面図、図9は導通部材を分離させた状態での側面図である。
【0037】
本実施形態に係る圧電トランスは、絶縁層51を第1の入力電極52と導通部材53との間だけでなく、素子端面全体と導通部材53との間にも介在させたことを特徴とする。但し絶縁層51は連続したものであり、具体的には耐熱性を有する樹脂である。なお、こうした構造の圧電トランスを得るには、まずコ字形の導通部材53の内面にL字状に樹脂層51’を形成し、次いで、それを圧電トランス本体部54に押し込めばよい(図9参照)。
【0038】
なお、あらかじめコ字形とした導通部材を押し込む以外の方法で、それを圧電トランス本体部へ装着してもよい。すなわち、寸法を合わせたL字形の導通部材を用意し、素子下面にその短片部を半田付けした後、内面には絶縁層となる両面粘着テープなどが貼り付けられた長片部を折り曲げて、導通部材を最終形状(コ字形)とする方法を用いてもよい。あるいは、内面の一部には絶縁層となる両面粘着テープなどが貼り付けられた直状の導通部材の一端側(両面粘着テープが存在しない側)を素子下面に半田付けした後、それを素子形状に合わせて2回折り曲げることにより上記最終形状としてもよい。但し言うまでもなく、両面粘着テープなどの絶縁用シート材を貼り付けることに替えて、容易に屈曲が可能な厚さの樹脂層が内面に形成された導通部材を使用することもできる。
【0039】
続いて、本発明の第7実施形態を図10(圧電トランスの側面図)を用いて説明する。本実施形態に係る圧電トランスでも、第1の入力電極61と導通部材62との間には絶縁層63が介在させられている。だが、この絶縁層63と導通部材62との間、特に絶縁層63と導通部材62の上側の片部62aとの間には、空隙(空隙幅は図10中δで示す)64を形成している。こうした構造は例えば導通部材62の下側の片部62bのみを用いて、導通部材62の強固な取り付け状態を実現できる場合などに採用される。
【0040】
次に、本発明の第8実施形態を図11〜図13を用いて説明する。ここで図11は本実施形態に係る圧電トランスの全体斜視図、図12は同圧電トランスの一部側面図、図13は導通部材を分離させた状態での斜視図である。
【0041】
本実施形態に係る圧電トランス(以下、再び本圧電トランスと言う)も、図11あるいは図12からわかるように主要構成要素として、圧電トランス素子71と、共に駆動電圧印加用の、第1の入力電極72および第2の入力電極73とを具備する。だが導通部材については、一つではなく二つ設けられている。すなわち本圧電トランスは、上記構成要素からなる圧電トランス本体部に対して、それを把持するように配設される共にコ字形の、第1の導通部材74と第2の導通部材75とを更に具備する。なお、これら第1の導通部材74および第2の導通部材75は共に入力電極として使用される。
【0042】
さて本実施形態では、第1の入力電極72と第1の導通部材74との間、および第2の入力電極73と第2の導通部材75との間に、それぞれ絶縁層76,77を介在させている。更に詳しく言うと第1の導通部材74は、その圧電トランス素子71の上面側に対応する片部74aが、第1の入力電極72から絶縁された状態となるよう配置されている。但し、もう一方の片部74bは第2の入力電極73に対して電気的に接続されている。
【0043】
また、上記第2の導通部材75については、その圧電トランス素子71の下面側に対応する片部が、第2の入力電極73から絶縁された状態となるよう配置されている。但しもう一方の片部は、第1の入力電極72に対して電気的に接続される。つまり、最終的に絶縁層76,77となる両面粘着テープが貼り付けられた圧電トランス本体部に対し、図13中、矢印で示す方向から導通部材74,75を押し込み、それを同圧電トランス本体部に装着させることで、図11に示す本圧電トランスが得られる。圧電トランスをこのような構造とした場合、圧電トランス素子71の端面を電極として利用することができ、設置の際の自由度が大幅に向上する。
【0044】
次に、本発明の第9実施形態を図14および図15を用いて説明する。なお、図14は本実施形態に係る圧電トランスの全体斜視図、図15は同圧電トランスの正面図である。
【0045】
本実施形態に係る圧電トランスは、第1および第2の導通部材81,82を、上記第8実施形態における向きとは直交する向きに配設したことを特徴とする。つまり本実施形態では、第1および第2の導通部材81,82の央片部81a,82aが素子側面と向き合うよう、この第1および第2の導通部材81,82を取り付けてなることを特徴とする。但し言うまでもなく、第1の入力電極83と第1の導通部材81との間、および第2の入力電極84と第2の導通部材82との間には、図15にも示すごとく、それぞれ絶縁層85,86が介在させられている。こうした構造を採用すれば、素子側面を電極として利用することができ、やはり設置の際の自由度が大幅に向上する。
【0046】
続いて、本発明の第10実施形態を図16(圧電トランスの全体斜視図)を用いて説明する。本実施形態に係る圧電トランスは、第1および第2の導通部材91,92を圧電トランス本体部93の角にではなく、素子長辺側の入力電極が存在する部分における任意の場所に配設したことを特徴とする。特に本実施形態では、素子長辺部分に二つの絶縁層(一方は図示せず)を設け、入力電極と導通部材との絶縁状態を作り出している。
【0047】
【発明の効果】
本発明の圧電トランスは、駆動電圧印加用のリード線の接続面が圧電トランス素子の上面および下面のみに限定されず、その上、入力電極の一部を切り欠く必要はなく、良好な電気的特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧電トランスの全体斜視図
【図2】本発明の第1実施形態に係る圧電トランスの正面図
【図3】本発明の第1実施形態に係る圧電トランスの、導通部材を分離させた状態での斜視図
【図4】本発明の第2実施形態に係る圧電トランスの全体斜視図
【図5】本発明の第3実施形態に係る圧電トランスの全体斜視図
【図6】本発明の第4実施形態に係る圧電トランスの全体斜視図
【図7】本発明の第5実施形態に係る圧電トランスの要部正面図
【図8】本発明の第6実施形態に係る圧電トランスの側面図
【図9】本発明の第6実施形態に係る圧電トランスの、導通部材を分離させた状態での側面図
【図10】本発明の第7実施形態に係る圧電トランスの側面図
【図11】本発明の第8実施形態に係る圧電トランスの全体斜視図
【図12】本発明の第8実施形態に係る圧電トランスの一部側面図
【図13】本発明の第8実施形態に係る圧電トランスの、導通部材を分離させた状態での斜視図
【図14】本発明の第9実施形態に係る圧電トランスの全体斜視図
【図15】本発明の第9実施形態に係る圧電トランスの正面図
【図16】本発明の第10実施形態に係る圧電トランスの全体斜視図
【符号の説明】
1 圧電トランス素子
2 第1の入力電極
3 第2の入力電極
4 導通部材
4a,4b 導通部材の片部
5 リード線
6 絶縁層(両面粘着テープ)
Claims (4)
- 単層の圧電トランス素子と、この圧電トランス素子の上面に設けられた第1の入力電極と、前記圧電トランス素子の下面に設けられた第2の入力電極とを具備してなる圧電トランスであって、
前記圧電トランス素子、前記第1の入力電極および前記第2の入力電極からなる圧電トランス本体部に対して、それを面で接着させて把持するように配設されるコ字形の導通部材を更に備え、
前記第1の入力電極と前記導通部材との間には、半田付けに耐えられる十分な耐熱性を有し、前記圧電トランス素子の側面上部まで覆う絶縁層が介在させられており、前記導通部材は前記第2の入力電極のみに対して導通がとられてなることを特徴とする圧電トランス。 - 第1の入力電極と共に導通部材が入力電極として使用されるものであることを特徴とする請求項1に記載の圧電トランス。
- 単層の圧電トランス素子と、この圧電トランス素子の上面に設けられた第1の入力電極と、前記圧電トランス素子の下面に設けられた第2の入力電極とを具備してなる圧電トランスであって、
前記圧電トランス素子、前記第1の入力電極および前記第2の入力電極からなる圧電トランス本体部に対して、それを面で接着させて把持するように配設される共にコ字形の、第1の導通部材および第2の導通部材を更に備え、
前記第1の入力電極と前記第1の導通部材との間、および前記第2の入力電極と前記第2の導通部材との間には、それぞれ半田付けに耐えられる十分な耐熱性を有し、前記圧電トランス素子の側面上部まで覆う絶縁層が介在させられており、前記第1の導通部材は前記第2の入力電極のみに対して導通がとられ、前記第2の導通部材は前記第1の入力電極のみに対して導通がとられてなることを特徴とする圧電トランス。 - 第1の導通部材および第2の導通部材が共に入力電極として使用されるものであることを特徴とする請求項3に記載の圧電トランス。
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