JP4854873B2 - 顕微鏡制御装置、顕微鏡制御方法、及び顕微鏡制御プログラム - Google Patents

顕微鏡制御装置、顕微鏡制御方法、及び顕微鏡制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、観察対象である標本の画像を取得するレーザー顕微鏡の制御を行う顕微鏡制御装置、顕微鏡制御方法、及び顕微鏡制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
各種研究所等では、走査型レーザー顕微鏡を使用したFRAP(Fluorescence Recovery After Photobleaching)の実験が行われている。走査型レーザー顕微鏡は、点光源であるレーザービーム(レーザー光)を対物レンズを介して標本のX軸及びY軸方向に走査しながら照射し、標本からの反射光又は蛍光を再び対物レンズ等の光学系を介して光検出器で検出し、2次元画像の濃淡情報を得るようにしたもので、この濃淡情報の2次元分布をX−Y走査位置に対応させてCRTモニタ、カラープリンタ等の画像出力装置に輝点の分布として表示することで画像化し、観察できるようにしている。
【0003】
この走査型レーザー顕微鏡を使用したFRAPの実験では、例えば、まずフォトブリーチ実行前の標本画像を取得し、続いてフォトブリーチを実行し、そしてフォトブリーチ終了後及び蛍光復帰の間の標本画像を取得する等の手順で実験が行われる。このとき、フォトブリーチ実行中に標本へ照射するレーザービームの強度は、フォトブリーチ実行前後の画像取得時に標本へ照射するレーザービームの強度よりも遥かに大きい強度で照射される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、フォトブリーチ実行中に画像取得を行おうとすると、その強度の強いレーザービームによって標本からの蛍光量が増大し、前述のフォトブリーチ実行前後における光検出器の感度のままでは、いわゆるサチュレートした不適正な画像しか得られず、適正な画像を取得することが出来なかった。従って、従来においては、フォトブリーチ実行中の画像観察が出来ないという問題があった。
【0005】
例えば、特開2000−35400号公報には、フォトブリーチングを行うレーザー走査型顕微鏡が記載されているが、フォトブリーチング中の画像取得については何ら開示されていない。
本発明の課題は、上記実情に鑑み、フォトブリーチ実行中の画像観察を可能にする顕微鏡制御装置、顕微鏡制御方法、及び顕微鏡制御プログラムを提供することである。
【0006】
請求項1記載の発明は、観察対象である標本の画像を取得するレーザー顕微鏡の制御を行う顕微鏡制御装置であって、前記標本の観察のために用いられるレーザー光の強度を設定する強度設定手段と、画像を検出する光検出器の感度を設定する感度設定手段と、前記強度設定手段により設定されたレーザー光の強度と前記感度設定手段により設定された前記光検出器の感度とが記憶される記憶手段と、前記感度設定手段により設定される前記光検出器の感度を決定する感度決定手段と、を有し、前記感度決定手段は、前記標本の通常観察時に用いられるレーザー光の強度とフォトブリーチ実行時に用いられるレーザー光の強度とに基づいて、フォトブリーチ実行時の画像を検出する光検出器の感度を決定することを特徴とする顕微鏡制御装置である。
【0009】
上記の構成によれば、フォトブリーチ実行中の画像取得を可能にする光検出器の感度を決定することができる。
請求項3記載の発明は、観察対象である標本の画像を取得するレーザー顕微鏡の制御をコンピュータに実行させるための顕微鏡制御プログラムであって、前記標本の通常観察時に用いられるレーザー光の強度とフォトブリーチ実行時に用いられるレーザー光の強度と
に基づいて、フォトブリーチ実行時の画像を検出する光検出器の感度を決定する、ことを前記コンピュータに実行させるための顕微鏡制御プログラムである。
【0010】
上記のプログラムをコンピュータに実行させることにより、フォトブリーチ実行中の画像取得を可能にする光検出器の感度を決定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る顕微鏡制御装置を含む顕微鏡システムのシステム構成を示す図である。
【0012】
同図において、顕微鏡システムは、走査型レーザー顕微鏡1及び顕微鏡制御装置2から構成されている。
走査型レーザー顕微鏡1は、レーザー光源3、ミラー4、ダイクロイックミラー5、2次元走査ユニット6、レボルバ7、対物レンズ8、ステージ9、試料10、レンズ11、ピンホール板12および光検出器13を有している。
【0013】
ここで、レーザー光源3は、標本となる試料10の表面を走査するスポット光としてのレーザー光を発生するためのもので、顕微鏡制御装置2により設定されるレーザー光の強度(レーザー光量)に応じたレーザー光を発生する。このレーザー光源3からのレーザー光は、ミラー4により反射され、ダイクロイックミラー5を介して2次元走査ユニット6に導かれる。
【0014】
2次元走査ユニット6は、顕微鏡制御装置2からの制御信号に基づいて、ミラー4より与えられたレーザー光源3からのレーザー光を試料10上に2次元走査するためのもので、例えばX軸方向走査用のガルバノミラーとY軸方向走査用のガルバノミラーを有していて、これらガルバノミラーをX軸方向およびY軸方向に振ることで対物レンズ8に対するスポット光の光路をXY方向に振らせるように構成されている。
【0015】
レボルバ7は、倍率の異なる複数の対物レンズ8を保持するもので、レボルバ7の切換えにより、複数の対物レンズ8のうち所望の倍率を持つものが顕微鏡の観察光路中に選択挿入される。そして、この選択挿入された対物レンズ8を通して2次元走査ユニット6により2次元走査されたスポット光は、ステージ9上の試料10に照射される。
【0016】
試料10からの反射光や蛍光などの画像情報は、対物レンズ8を通して2次元走査ユニット6に戻され、この2次元走査ユニット6を介してダイクロイックミラー5に戻される。ダイクロイックミラー5は、2次元走査ユニット6に対するレーザー光源3の出射光路上に設けられた半透明鏡であって、2次元走査ユニット6を介して与えられる試料10からの画像情報を光検出系に導くためのものである。
【0017】
ダイクロイックミラー5を介して得られた2次元走査ユニット6からの画像情報は、レンズ11で集光され、ピンホール板12に与えられる。ピンホール板12は、所定径のピンホールを開けたもので、光検出器13の受光面の前面の結像位置に、そのピンホールを位置させるように配置されている。光検出器13は、ピンホール板12のピンホールを介して得られる光を、その光量対応の電気信号に変換する光検出素子から構成されている。尚、この光検出器13の感度(検出感度)は、顕微鏡制御装置2により設定可能に構成されている。
【0018】
一方、顕微鏡制御装置2は、操作パネル14、コントローラ15、メモリ16、画像モニタ17を有している。
操作パネル14は、キーボードの他に、トラックボールやジョイスティク或いはマウスなどのポインティングデバイス等を含んでおり、ユーザからの指示によりコントローラ15に対して走査指示、フォトブリーチ用条件設定指示、通常観察用条件設定指示、及び画像入力指示等を出力する。
【0019】
コントローラ15は、内部にCPU(中央演算処理装置)を備え、ROM18に格納されている制御プログラムに従い、顕微鏡制御装置2の制御を行うと共に、走査型レーザー顕微鏡1の制御を行う。例えば、レーザー光源3に所定の制御信号を出力することによりレーザー光源3に所定のレーザー光の強度(レーザー光量)を設定し、また、光検出器13に所定の制御信号を出力することにより光検出器13に所定の感度を設定する。また、設定したレーザー光の強度及び光検出器13の感度をメモリ16に記憶する。また、操作パネル14を介して受け付けた走査指示により、2次元走査ユニット6に対しレーザービーム走査指令を出力し、光検出器13より検出される試料10の画像情報を取り込み、その画像情報をメモリ16に転送すると共に、その画像情報を画像モニタ17に表示する。
【0020】
メモリ16には、前述のレーザー光の強度、光検出器13の感度、コントローラ15を介して転送される光検出器13からの試料10の画像情報、及び時間経過観察処理時のインターバル時間等が記憶される。本実施形態では、メモリ16は、レーザー光の強度及び光検出器13の感度が記憶されるメモリ部と、試料10の画像情報が記憶されるメモリ部等を有している。
【0021】
また、画像モニタ17には、メモリ16に記憶された試料10の画像情報に基づく画像等が表示される。
次に、上述した構成の顕微鏡システムにおいて、コントローラ15によって行われる、本発明に関係する各種の制御処理を、図2及び図3を用いて説明する。尚、これらの処理は、コントローラ15のCPUがROM18に格納されている制御プログラムを実行することにより行われる処理である。
【0022】
図2は、FRAPの実験時に実行される顕微鏡システムの動作処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示したように、まず、フォトブリーチ実行前の通常観察時の条件として、できる限り弱いレーザー光の強度に対応するレーザー光量Lnをレーザー光源3に設定すると共に、試料10の画像情報を取得できるレベルの光検出器13の感度Vnを光検出器13に設定した上で、試料10の画像情報を取得する(S201)。
【0023】
続いて、このときに設定されたレーザー光量Lnと光検出器13の感度Vnをメモリ16に記憶する(S202)。尚、レーザー光量Lnは、レーザー光の強度に対応するものであるので、レーザー光の強度とも言えるものである。
続いて、フォトブリーチを実行するために、最大強度のレーザー光の強度に対応するレーザー光量Lpをレーザー光源3に設定する(S203)。
【0024】
続いて、S202の処理でメモリ16に記憶された、フォトブリーチ実行前の通常観察時のレーザー光量Lnを読み出し、このレーザー光量Lnと前述のレーザー光量Lpを用いて、次の式(1)により補正係数Kを求める(S204)。
K=Ln/Lp 式(1)
続いて、この補正係数Kと、S202の処理でメモリ16に記憶された、フォトブリーチ実行前の通常観察時の光検出器13の感度nを用いて、フォトブリーチ実行中の光検出器13の感度Vpを次の式(2)により求める(S205)。
【0025】
Vp=K *Vn 式(2)
続いて、求めた光検出器13の感度Vpを光検出器13に設定し、フォトブリーチを実行し(S206)、その実行中の試料10の画像情報を取得する。このフォトブリーチの実行は、例えば、ユーザ(観察者等)が、試料10の画像情報に基づく画像を画像モニタ17を介して観察しながら、フォトブリーチの実行が充分に行われたと判断されるまで行われる。
【0026】
そして、このフォトブリーチの実行が終了すると、レーザー光の強度と光検出器13の感度を通常観察時の設定に戻すため、先のS202の処理でメモリ16に記憶された通常観察時のレーザー光量Lnと光検出器13の感度Vnを読み出し、これらをレーザー光源3と光検出器13に設定する(S207)。
【0027】
以降は、この設定されたレーザー光量Lnと光検出器13の感度Vnで、試料10に対する走査と画像情報の取得を繰り返す時間経過観察処理を実行し(S208)、当該フローを終了する。
このように、図2に示したフローによれば、通常観察時とフォトブリーチ実行時のレーザー光の強度の比から求められた減衰率(補正係数K)に応じて、フォトブリーチ実行中の画像取得を可能にする光検出器13の感度を決定・設定することができる。従って、フォトブリーチ実行中の画像観察において、いわゆるサチュレートした不適正な画像情報が得られることはなく、通常観察時と同様に適正な画像情報に基づく画像の観察が可能になる。また、ユーザ(観察者等)は、フォトブリーチ実行を、どの程度継続すれば良いか等を判断することが可能になり、より効率的なFRAPの実験が可能になる。
【0028】
また、本フローによれば、通常観察時とフォトブリーチ実行時のレーザー光の強度の比から自動的に減衰率(補正係数K)を求めているので、オートコントラストのような走査条件を決定するための走査を必要としない。
次に、FRAPの実験時に行われる顕微鏡システムの動作処理の他の例について説明する。
【0029】
図3は、このFRAPの実験時に実行される顕微鏡システムの動作処理の他の例を示すフローチャートであり、特に、試料10に対する走査と画像情報の取得を繰り返す時間経過観察処理中にフォトブリーチを実行させる場合の処理例を示したものである。
【0030】
同図に示したように、まず、通常観察時の条件として、できる限り弱いレーザー光の強度に対応するレーザー光量Lnをレーザー光源3に設定すると共に、試料10の画像情報を取得できるレベルの光検出器13の感度Vnを光検出器13に設定した上で、試料10の画像情報を取得する(S301)。そして、このときに設定されたレーザー光量Lnと光検出器13の感度Vnをメモリ16に記憶する(S302)。尚、このS301及びS302の処理は、図2のS201及びS202の処理と同様である。
【0031】
続いて、この設定された通常観察時のレーザー光の強度及び光検出器13の感度の下で、試料10に対する走査と画像情報の取得を所定のインターバル時間を設けて繰り返す時間経過観察処理を実行する(S303)。また、この時間経過観察処理中は、操作パネル14を介してユーザからのフォトブリーチ用条件設定指示を受け付ける(S304)。
【0032】
この通常観察時の時間経過観察処理中において、ユーザが、例えば試料10の複数の画像情報を取得した後にフォトブリーチを実行させるため、操作パネル14の所定のボタンを介してフォトブリーチ用条件設定指示を行ったときには、その指示を受け付ける(S304がYes)。そして、レーザー光の強度として最大強度に対応するレーザー光量Lpをレーザー光源3に設定する(S305)。また、S302の処理でメモリ16に記憶された通常観察時のレーザー光量(レーザー強度)Lnを読み出し、このレーザー光量Lnと前述のレーザー光量Lpを用いて、前述の式(1)により補正係数Kを求め、また、求めた補正係数Kと、S302の処理でメモリ16に記憶された通常観察時の光検出器13の感度Lnを用いて、フォトブリーチ実行中の光検出器13の感度Vpを前述の式(2)により求める(S306)。尚、このS305乃びS306の処理は、図2に示したS203乃至S205に示した処理と同様である。更に、前述の通常観察時の時間経過観察処理におけるインターバル時間をメモリ16に記憶すると共に、レーザー光をできる限り多く試料10に照射するために、そのインターバル時間を最小(最短)に設定する(S307)。
【0033】
続いて、この設定されたレーザー光の強度、光検出器13の感度、及びインターバル時間で、試料10に対する走査(フォトブリーチ実行)と画像情報の取得を繰り返す時間経過観察処理を実行する(S308)。また、この時間経過観察処理中は、操作パネル14を介してユーザからの通常観察用条件設定指示を受け付ける(S309)。
【0034】
この時間経過観察処理中において、ユーザが、例えば取得した画像情報に基づく画像を画像モニタ17を介して観察し、そこでフォトブリーチ実行によって褪色レベルが所望のレベルに達したと判断し、フォトブリーチ実行を終了させるために操作パネル14の所定のボタンを介して通常観察用条件設定指示を行ったときには、その指示を受け付ける(S309がYes)。そして、レーザー光の強度と光検出器13の感度を通常観察時の設定に戻すため、先のS302の処理でメモリ16に記憶された通常観察時のレーザー光量Lnと光検出器13の感度Vnを読み出し、これらをレーザー光源3と光検出器13に設定する(S310)。また、各走査間のインターバル時間を通常観察時の設定に戻すため、先のS307の処理でメモリ16に記憶された通常観察時のインターバル時間を読み出し、これを設定する(S311)。
【0035】
続いて、この設定されたレーザー光の強度、光検出器13の感度、及びインターバル時間で、試料10に対する走査と画像情報の取得を繰り返す、通常観察時の時間経過観察処理を実行し(S312)、当該フローを終了する。
このように、図3に示したフローによれば、試料10に対する走査と画像情報の取得を繰り返す一連の時間経過観察処理において、通常観察処理とフォトブリーチ実行処理の両方を実行することが可能になる。また、ユーザは、取得される画像情報に基づく画像を観察しながら、フォトブリーチ実行の開始時期及び終了時期を、フォトブリーチ実行用条件設定指示及び通常観察用条件設定指示を行うことにより、自由に操作することが可能になると共に、一連の画像の変化をもれなく取得することが可能になる。
【0036】
尚、本実施形態において、上述した式(2)の代わりに次の式(3)を使用することも可能である。
K=k(v) * Ln/Lp 式(3)
但し、k(v) は、フォトマルの印加電圧vによって非線形に変化する値とする。尚、一般的にフォトマルの感度βは、β=α *vn で決定される非線形特性を持っている。ここでα、nはフォトマルの構造等により定まる定数である。
【0037】
このように、式(2)の代わりに式(3)を適用することにより、光検出器13の非線形の補正を考慮した上での光検出器13の感度を設定することが可能になる。
また、本実施形態では、光検出器13の感度を変更することによりフォトブリーチ実行中の画像観察を可能にしたが、例えば、光検出器13の感度を変更せずに、光検出系の光路上であって光検出器13の前段に、AOTF( Acousto-Optic Tunable Filter : 音響光学型波長可変フィルタ)等の高速で透過率を任意に変更可能なデバイスを配置し、フォトブリーチ実行中には、通常観察時からのレーザー光の強度の変化量に応じて、その透過率を変更し、光検出器13に入射する光量を調整して画像観察を行うようにしても良い。
【0038】
また、本実施形態に示した図2及び図3に示した処理をコンピュータに実行させることも可能である。この場合は、コントローラ15のROM18に記憶されている、少なくとも図2及び図3に示した処理を実行するためのプログラムを、例えば、図4に示したように、CD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク(或いはMO、DVD、CD−R、CD−RW、リムーバブルハードディスク等であっても良い)等の可搬記憶媒体21に記憶しておき、その可搬記憶媒体21をコンピュータ22の媒体駆動装置23により読み取り、読み取ったプログラムをコンピュータ22の内部のメモリ(RAM又はハードディスク等)24に格納し、そのプログラムを実行するようにしても良い。或いは、そのプログラムを情報提供者の外部の装置(サーバー等)内の記憶手段(データベース等)25に記憶しておき、通信によりコンピュータ22に転送して内部のメモリ24に記憶し、そのプログラムを実行するようにしても良い。尚、記憶されるプログラムは、図2及び図3に示した処理の一部の処理のみを実行するものであっても良い。
【0039】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、フォトブリーチ実行中における画像情報の取得及びその画像情報に基づく画像の観察が可能になる。また、ユーザは、フォトブリーチ実行中の画像観察により、そのフォトブリーチ実行をどの程度継続すべきか等の判断が可能になり、効率の良いFRAPの実験が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る顕微鏡制御装置を含む顕微鏡システムのシステム構成を示す図である。
【図2】FRAPの実験時に実行される顕微鏡システムの動作処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】FRAPの実験時に実行される顕微鏡システムの動作処理の他の例を示すフローチャートである。
【図4】プログラムが記憶される記録媒体の例を示す図である。
【符号の説明】
1 走査型レーザー顕微鏡
2 顕微鏡制御装置
3 レーザー光源
4 ミラー
5 ダイクロイックミラー
6 2次元走査ユニット
7 レボルバ
8 対物レンズ
9 ステージ
10 試料
11 レンズ
12 ピンホール
13 光検出器
14 操作パネル
15 コントローラ
16 メモリ
17 画像モニタ
18 ROM
21 可搬記憶媒体
22 コンピュータ
23 媒体駆動装置
24 メモリ
25 記憶手段

Claims (8)

  1. 観察対象である標本の画像を取得するレーザー顕微鏡の制御を行う顕微鏡制御装置であって、
    前記標本の観察のために用いられるレーザー光の強度を設定する強度設定手段と、
    画像を検出する光検出器の感度を設定する感度設定手段と、
    前記強度設定手段により設定されたレーザー光の強度と前記感度設定手段により設定された前記光検出器の感度とが記憶される記憶手段と、
    記感度設定手段により設定される前記光検出器の感度を決定する感度決定手段と、
    を有し、
    前記感度決定手段は、前記標本の通常観察時に用いられるレーザー光の強度とフォトブリーチ実行時に用いられるレーザー光の強度とに基づいて、フォトブリーチ実行時の画像を検出する光検出器の感度を決定することを特徴とする顕微鏡制御装置。
  2. 前記感度決定手段は、通常観察時の光検出器の感度と、通常観察時のレーザー光強度とフォトブリーチ実行時のレーザー光強度との比と、に基づいて、フォトブリーチ実行時の光検出器の感度を決定することを特徴とする請求項1記載の顕微鏡制御装置
  3. 観察対象である標本の画像を取得するレーザー顕微鏡の制御をコンピュータに実行させるための顕微鏡制御プログラムであって、
    前記標本の通常観察時に用いられるレーザー光の強度とフォトブリーチ実行時に用いられるレーザー光の強度とに基づいて、フォトブリーチ実行時の画像を検出する光検出器の感度を決定する、
    ことを前記コンピュータに実行させるための顕微鏡制御プログラム。
  4. 前記強度設定手段は、標本観察を行なうための第1の強度と、フォトブリーチを行なうための第2の強度とに切り換え設定可能であることを特徴とする請求項1の顕微鏡制御装置。
  5. 前記感度設定手段は、標本観察用の第1の感度とフォトブリーチ用の第2の感度とに切り換え設定可能であり、
    前記記憶手段は少なくとも前記第1の強度と前記第1の感度を記憶し、
    前記感度決定手段は、前記第1の強度、前記第1の感度及び前記第2の強度に基づいて、前記第2の感度を決定することを特徴とする請求項4の顕微鏡制御装置。
  6. 前記標本に対するレーザーの走査と画像取得を所定のインターバル時間をおいて繰り返す時間経過観察処理を行なう時間経過観察制御手段を備え、
    所定のインターバル時間での時間経過観察処理を実行中に前記顕微鏡制御装置がフォトブリーチ用の条件設定指示を受け付けた場合、前記強度設定手段がレーザ光の強度を前記第2の強度に設定し、前記感度設定手段が光検出器の感度を前記第2の感度に設定し、前記記憶手段が前記所定のインターバル時間を記憶し、かつ前記時間経過観察制御手段が前記インターバル時間を最小に設定して当該時間経過観察処理を行なうことにより、フォトブリーチを実行することを特徴とする請求項4または5の顕微鏡制御装置。
  7. 前記フォトブリーチ実行中に前記顕微鏡制御装置が通常観察用の条件設定指示を受け付けた場合、前記強度設定手段がレーザ光の強度を前記第1の強度に設定し、前記感度設定手段が光検出器の感度を前記第1の感度に設定し、前記時間経過観察制御手段が前記インターバル時間を前記所定のインターバル時間に設定して当該時間経過観察処理を行なうことにより、フォトブリーチ後の標本観察を実行することを特徴とする請求項6の顕微鏡制御装置。
  8. 前記感度設定手段に代えて、検出光路上に設けられた光透過率変更デバイスに対して当該光透過率を設定する透過率変更手段を備えることを特徴とする請求項1,4,5,6または7のいずれかに記載の顕微鏡制御装置。
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