JP4854783B2 - 有機elパネル及びその製造方法 - Google Patents

有機elパネル及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4854783B2
JP4854783B2 JP2009507356A JP2009507356A JP4854783B2 JP 4854783 B2 JP4854783 B2 JP 4854783B2 JP 2009507356 A JP2009507356 A JP 2009507356A JP 2009507356 A JP2009507356 A JP 2009507356A JP 4854783 B2 JP4854783 B2 JP 4854783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
electrode
forming
film
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009507356A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008120365A1 (ja
Inventor
真滋 中嶋
雄司 齊藤
敏尚 結城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Corp
Original Assignee
Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Pioneer Corp, Pioneer Corp filed Critical Tohoku Pioneer Corp
Publication of JPWO2008120365A1 publication Critical patent/JPWO2008120365A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4854783B2 publication Critical patent/JP4854783B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/17Passive-matrix OLED displays
    • H10K59/173Passive-matrix OLED displays comprising banks or shadow masks

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ELパネル及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機ELパネルは、例えば携帯電話の表示画面,車載用或いは家庭用電子機器のモニタ画面,パーソナルコンピュータやテレビジョン受像装置の情報表示画面,宣伝用点灯パネル等に用いられる各種表示装置として、スキャナやプリンタ等に用いられる各種光源として、一般照明や液晶表示装置のバックライト等に用いられる照明装置として、或いは、光電変換機能を利用した光通信用デバイスとして、各種用途に利用可能な自発光パネルである。
【0003】
この有機ELパネルは、有機EL素子からなる単数又は複数の発光部(画素)を備えており、各発光部を点灯又は非点灯駆動することで、所望の情報を表示する表示装置、各種光源或いは照明装置として機能することができる。発光部(画素)の形態としては、複数個ドットマトリスク状に配列されたもの、アイコン部(固定表示部)を形成するもの等があり、パネルの大きさは用途に応じて大小様々に形成することができる。
【0004】
このような有機ELパネルにおいては、有機EL素子を構成する有機層及び電極が大気中の水分や酸素に曝されると、素子の発光特性劣化を招くことから、有機EL素子を外気から遮断する封止手段を設けることが現状の開発段階では不可欠になっている。
【0005】
有機ELパネルの封止構造としては、金属製又はガラス製の封止部材と有機EL素子が形成された基板とを貼り合わせて、有機EL素子の周囲に乾燥剤を配備できる封止空間を形成する構造が一般に採用されている。また、パネルの更なる薄型化や基板上の有機EL素子に対して基板と逆側から光を取り出すトップエミッション方式の採用が検討されるようになり、基板上の有機EL素子を直接封止材料で被覆する固体封止構造が検討されている。
【0006】
下記特許文献1には、隔壁で区画された有機EL素子に対して、有機EL素子の層状物の最大厚さになる隔壁を覆うように保護膜を形成し、その保護膜の厚さを隔壁の厚さ以上に形成することが記載されている。
【特許文献1】
特許第3405335号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
有機ELパネルの駆動方式としては、パッシブ駆動方式とアクディブ駆動方式が知られている。パッシブ駆動方式は、基板上にストライプ状に形成された複数の第1電極と、これと交差するようにストライプ状に形成された複数の第2電極とを備え、第1電極と第2電極との交差部分に、第1電極と第2電極によって有機層を挟持する有機EL素子を形成して、第1電極と第2電極の選択によって、特定される有機EL素子を点灯駆動するものである。
【0008】
このパッシブマトリクス方式では、第1電極の発光部を形成する一部分を露出させて他の部分を覆うように、基板及び第1電極上に電気絶縁性の絶縁膜を形成し、この絶縁膜上に第1電極と交差する方向に並列して略逆台形状の断面を有する隔壁を形成して、この隔壁間を成膜することで、第1電極と交差するストライプパターンを有する有機層及び第2電極を形成している。
【0009】
これによると、隔壁断面を略逆台形状にすることで、隔壁上部に形成される成膜層と隔壁間に形成される成膜層との連続性を絶ち、隔壁間にストライプ状に形成される複数の第2電極相互を電気的に絶縁することができる。
【0010】
しかしながら、隔壁はウエットプロセスを含むフォトリソグラフィでパターン形成される樹脂成形体であるから、素子形成後に有機EL素子に悪影響を及ぼすアウトガスを発生することがある。この場合に、従来技術のような被覆膜を設けたとしても、隔壁から発生したアウトガスは被覆膜を介して有機EL素子の構成要素に到達してしまい、有機EL素子の発光特性劣化を招く問題が生じる。
【0011】
一方、このような隔壁を備えた有機ELパネルにおいて、前述した従来技術を採用して、有機EL素子を直接覆う固体封止構造を形成すると、有機EL素子を覆う被覆膜を成膜する際に略逆台形状の隔壁が傘の作用をして、隔壁の側面周辺には被覆材が行き届かない空洞部分が形成されてしまう。特に蒸着プロセスで被覆膜を成膜する場合には、蒸着流の陰になる隔壁の側面には蒸着流が行き届かない部分が形成され、前述した空洞部分が顕著に現れることになる。
[0012]
そして、このような空洞部分が隔壁の側面周辺に存在すると、隔壁から発生したアウトガスがこの空洞部に溜まることになり、周辺に形成されている有機EL素子の電極或いは有機層に悪影響を及ぼすという問題が生じる。
[0013]
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、隔壁によって電極パターンを形成する有機ELパネルにおいて、隔壁から発生するアウトガスの影響を効果的に排除して、このアウトガスによる発光特性劣化を防止すること、有機EL素子を直接覆う被覆膜を有効に機能させ、有機ELパネルの薄型化を達成すること、その場合にも顕著な有機EL素子の発光特性劣化を防いで、有機ELパネルの長寿命化を達成すること、等が本発明の目的である。
課題を解決するための手段
[0014]
このような目的を達成するために、本発明による有機ELパネル及びその製造方法は、以下の独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[0015]
[請求項1]有機EL素子からなる発光部を備えた有機ELパネルの製造方法であって、基板の一面側に並列した複数の第1電極を形成する第1電極形成工程、前記第1電極上に前記発光部を形成する一部分を露出させて他の部分を覆うことで前記複数の第1電極間を電気的に絶縁する絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程、前記絶縁膜上に前記第1電極と交差するように並列して、略逆台形状の断面を有する複数の隔壁を形成する隔壁形成工程、少なくとも前記第1電極上に有機層を形成する有機層形成工程、前記有機層上に前記第1電極と交差するように並列して第2電極を形成する第2電極形成工程、前記基板の一面を含めて、前記第1電極,前記隔壁,前記有機層,及び前記第2電極を被覆する被覆膜を形成する被覆膜形成工程、を有し、前記被覆膜を形成する被覆材は、吸湿剤とアモルファス状の有機材料とからなり、前記被覆膜は、少なくとも前記隔壁の側面の一部に接触しており、前記被覆膜形成工程は、成膜後に、前記被覆材を前記隔壁の側面に接触させるように変形させる膜変形工程を含んでおり、前記膜変形工程は、加圧処理により前記被覆膜に膜変形部分が形成されていることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
[0016]
[0017]
[0018]
【図面の簡単な説明】
[0019]
[図1]本発明の実施形態に係る有機ELパネル及びその製造方法を説明する説明図である。
[図2]本発明の実施形態に係る有機ELパネル及びその製造方法を説明する説明図である。
[図3]本発明の実施形態に係る有機ELパネル及びその製造方法を説明する説明図である。
[図4]本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を説明する説明図である。
[図5]本発明の実施形態に係る有機ELパネルを説明する説明図である。
[図6]本発明の実施例を説明する説明図(有機EL素子の素子構造)である。
発明を実施するための最良の形態
[0020]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る有機ELパネルの構造を示す説明図である。本発明の実施形態に係る有機ELパネルは、基板1、第1電極2、絶縁膜3、隔壁4、有機層5、第2電極6、被覆膜7を基本構成として備えるものである。
[0021]
基板1は、ガラス等で形成することができる。基板1を介して光を取り出す場合(ボトムエミッション)には透明部材であることが必要になるが、基板1と逆側に光を取り出す場合(トップエミッション)には、透明部材である必要はない。
[0022]
第1電極2は、基板1上に並列して(ストライプ状に)形成されるもので、基板1を介して光を取り出す場合にはITO等の透明電極が用いられ、基板1と逆側に光を取り出す場合には反射率の高いその他の金属電極が用いられる。
[0023]
絶縁膜3は、第1電極2上の発光部を形成する一部分を露出させて他の部分を覆うことで複数の第1電極2間を電気的に絶縁するものであり、ドットマトリクス状に発光部を配列する場合には、第1電極2上の露出部分が格子状に区画されるように、第1電極2の左右両側部を一部覆って一部は基板1上に一部は第1電極2上に形成される
【0024】
隔壁4は、絶縁膜3上に第1電極2と交差するように複数並列して(図示の例では紙面に垂直方向のストライプ状に)形成され、略逆台形状の断面を有する。略台形状というのは、隔壁4の上面の幅が絶縁膜3上の下面の幅より大きい状態であればよく、T字形状のものも含む。隔壁4の側面は平面であっても若干湾曲した面であっても、T字型を形成するために屈折した面であっても良い。
【0025】
有機層5は、発光層を含む有機EL媒体の層であって、少なくとも絶縁膜3で覆われていない第1電極上に形成されている。前述した発光層と発光層に電子・正孔を供給するための各種機能層(例えば、電子注入・輸送層、正孔注入・輸送層、正孔・電子ブロック層、正孔・電子バッファ層等)を含むものである。
【0026】
第2電極6は、有機層5上に第1電極2と交差するように並列して形成されており、第1電極2との交差部で有機層5を挟持して有機EL素子からなる発光部を形成するものである。基板1と逆側に光を取り出す場合にはITO等の透明電極が用いられ、基板1を介して光を取り出す場合には反射率の高いその他の金属電極が用いられる。
【0027】
そして、被覆膜7は、基板1の一面を含めて、第1電極2,隔壁4,有機層5,及び第2電極6を被覆するものであり、被覆膜7を形成する被覆材は、吸湿剤とアモルファス状の有機材料とからなり、被覆膜7は、少なくとも隔壁4の側面の一部に接触している。
【0028】
このような構成を備えた有機ELパネルによると、素子形成後に隔壁4から発生されるアウトガスを被覆材中の吸湿剤が吸収するので、アウトガスの有害成分(水分,酸素等)が被覆膜7に浸透しても、これが被覆膜7を経由して有機EL素子の第1電極2,第2電極6或いは有機層5に到達することがない。したがって、隔壁4から発生されるアウトガスによる発光特性の劣化を抑制することが可能になる。
【0029】
また、この吸湿剤を含有する被覆膜7が隔壁4の上面だけでなく側面の一部に接触するように形成されているので、効果的に隔壁4から発生されるアウトガスを吸収することができ、このアウトガスの飛散による発光特性の劣化を抑制することができて、有機ELパネルの長寿命化が可能になる。
【0030】
このような有機ELパネルの製造方法としては、基板1の一面側に並列した複数の第1電極2を形成する第1電極形成工程、第1電極2上の発光部を形成する一部分を露出させて他の部分を覆うことで複数の第1電極2間を電気的に絶縁する絶縁膜3を形成する絶縁膜形成工程、絶縁膜3上に第1電極2と交差するように並列して、略逆台形状の断面を有する複数の隔壁4を形成する隔壁形成工程、少なくとも第1電極2上に有機層5を形成する有機層形成工程、有機層上5に第1電極2と交差するように並列して第2電極6を形成する第2電極形成工程、基板1の一面を含めて、第1電極2,隔壁4,有機層5,及び第2電極6を被覆する被覆膜7を形成する被覆膜形成工程、を有する。
【0031】
第1電極形成工程では、基板上に第1電極2の電極材料を蒸着,スパッタリング等の薄膜形成技術によって成膜し、その後、フォトリソグラフィ等のパターン形成技術によってストライプ状にパターン形成する。パターン形成後は、必要に応じて、洗浄、乾燥工程を行う。
【0032】
絶縁膜形成工程では、ポリイミド等の有機絶縁材料、或いはSiO,SiN等の無機絶縁材料を用いて、第1電極2が形成された基板1の一面上に成膜した後、パターン形成を行う。具体的には、ポリイミド等の有機絶縁材料を用いる場合には、第1電極2が形成された基板1上にスピンコート法等により所定厚さの膜を形成し、発光部を形成するための開口パターンを有する露光マスクを用いて露光処理を行い、その後現像処理を施すことによって前述した格子状パターンの絶縁膜3を形成する。無機材料によって絶縁膜を形成する場合には、蒸着,スパッタリング等によって成膜を行い、フォトリソグラフィ等のパターン形成技術によって前述した格子状パターンを得る。
【0033】
隔壁形成工程では、絶縁膜3上にストライプ状に隔壁4を形成する。隔壁4の形状とパターンは、フォトリソグラフィによって形成することができる。すなわち、感光性樹脂を所定の厚さに塗布した後、第1電極2と交差するストライプ状パターンの開口を有するフォトマスクを介して光を照射し、膜の厚さ方向の露光量の違いから生じる現像速度の差を利用して、断面が略逆台形状の隔壁4を形成する。
【0034】
有機層形成工程では、基板1上に第1電極2,絶縁膜3,隔壁4を形成した後、これらが形成された基板1上に有機層の各層を成膜することで、少なくとも第1電極2の露出部分上に有機層5を形成する。カラー化のために発光層及び他の機能層で色毎の塗り分けを行う場合には、同一色の発光部形成箇所に対応した開口を有するマスクを用い、マスクを交換するか或いは位置をずらしながら、色毎に成膜する。有機層5の各層の成膜は真空蒸着によって行うことができる。
【0035】
第2電極形成工程では、有機層5を成膜した後に、その上に第2電極6の電極材料を成膜する。この際、隔壁4がシャドーマスクとして機能し、隔壁4の間にストライプ状パターンの第2電極6が形成される。
【0036】
被覆膜形成工程では、吸湿剤とアモルファス状の有機材料とからなる成膜材料を用い、蒸着等の成膜工程により被覆膜7を形成する。この際、隔壁4の側面の一部に接触するように被覆膜7を形成するには、角度蒸着や基板の振動或いは回転、又は蒸着流の指向性を低下させるなどして、隔壁4の側面側に成膜材料が回り込むようにする必要がある。
【0037】
このような有機ELパネルの製造方法によると、隔壁4に接触するように吸湿剤を含有する被覆膜7を形成できるので、効果的に隔壁4から発生されるアウトガスを吸収することができ、このアウトガスの飛散による発光特性の劣化を抑制することができて、有機ELパネルの長寿命化が可能になる。
【0038】
図2は、本発明の他の実施形態に係る有機ELパネルを示した説明図である。基本的な構造は、基板1、第1電極2、絶縁膜3、隔壁4、有機層5、第2電極6を備えることで前述した実施形態と変わりがない。
【0039】
この実施形態に係る有機ELパネルは、隔壁4の側面全体を覆うように被覆膜70が形成されており、この被覆膜70を形成する被覆材は、前述した実施形態と同様に吸湿剤とアモルファス状の有機材料とからなる。
【0040】
このような有機ELパネルの製造方法としては、前述したと同様に、第1電極形成工程、絶縁膜形成工程、隔壁形成工程、有機層形成工程、第2電極形成工程、被覆膜形成工程を有するが、被覆膜形成工程において、被覆性(カバーレッジ)の高い成膜法を採用する。例えば、蒸着の場合には、角度蒸着や基板の振動或いは回転、又は蒸着流の指向性を低下させるなどした方法で、成膜時間を長くする。
【0041】
このような有機ELパネル及びその製造方法によると、隔壁4全体が吸湿剤を含有する被覆膜70で覆われているので、隔壁4から素子形成後に発生するアウトガスを吸湿剤が確実に吸収してアウトガスの飛散が起こらない。また、被覆膜70を経由して有機EL素子の構成部材に到達しようとするアウトガスの有害成分を吸湿剤が吸収してブロックするので、隔壁4のアウトガスによる有機EL素子の発光特性劣化を確実に防止することができる。
【0042】
図3は、本発明の他の実施形態に係る有機ELパネルを示した説明図である。基本的な構造は、基板1、第1電極2、絶縁膜3、隔壁4、有機層5、第2電極6を備えることで前述した実施形態と変わりがない。
【0043】
この実施形態に係る有機ELパネルは、図3(a)に示すように、吸湿剤とアモルファス状の有機材料とからなる被覆材で、隔壁4全体を覆うように所定の厚さを有する被覆膜71Aが形成され、その後、加圧処理による膜変形工程を施して、図3(b)に示すように、隔壁4の側面に接する膜変形部分71xが形成された被覆膜71が形成される。
【0044】
すなわち、図3(a)に示すように、第1電極2,絶縁膜3,隔壁4,有機膜5,第2電極6が形成された基板1の一面に蒸着等によって被覆膜71Aを形成すると、略逆台形状の断面を有する隔壁4が存在することで隔壁4の側面周辺に空洞部分Cが形成されてしまうが、被覆材料としてアモルファス状の有機材料を構成材とすることで、図3(b)に示すような加圧処理が可能になり、この加圧処理によって、空洞部分Cの側方にある被覆材が空洞部分Cに充填されて、隔壁4の側面に接する膜変形部分71xが形成される。
【0045】
このような実施形態に係る有機ELパネルによると、吸湿剤を含有する被覆膜71によって隔壁4が完全に覆われているので、隔壁4から発生するアウトガスを吸湿剤が確実に吸収してアウトガスの飛散を防止することができる。これによって隔壁4から発生するアウトガスによる有機EL素子の劣化を防止することができ、有機ELパネルの長寿命化が可能になる。また、前述した加圧処理によって被覆膜71の表面には平坦化された面が形成されることになるので、その後の封止処理を効果的に行うことが可能になる。
【0046】
図4は、前述した本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を示すフロー図である。基板の研磨、洗浄等を含む基板準備工程Saを行った後、前述したように、第1電極形成工程S1、絶縁膜形成工程S2、隔壁形成工程S3、有機層形成工程S4、第2電極形成工程S5、被覆膜形成工程S6を経て、その後、封止工程等(Sb)を行う。
【0047】
図3に示した実施形態では、被覆膜形成工程S6として、最初に所定の厚さを有する被覆膜71Aを形成する成膜工程S6aが行われ、その後に、被覆膜71Aの表面から加圧処理を行う膜変形工程S6bが行われる。
【0048】
被覆材中の吸着剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属(Na,K,Ca,Mg等)の塩の無水物、塩化物、硫化物、酸化物等を用いることができ、例えば、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、酸化カルシウム、酸化バナジウム、酸化ストロンチウム等を用いることができる。
【0049】
被覆材におけるアモルファス状の有機物としては、成膜時に有機層5や第2電極6にダメージを与えない蒸着によって成膜可能な有機材料であって、成膜時にはアモルファス状になるものであればよく、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、アルミキノリノール錯体(Alq)等を用いることができる。
【0050】
前述した被覆膜形成工程S6の後には、封止工程が行われる。前述した各実施形態における封止工程としては、被覆膜7,70,71で被覆された有機EL素子を封止空間内で封止する中空封止と封止空間を設けることなく封止する固体封止がある。図5は、この2つの封止形態を説明する説明図である。同図(a)に示した例が中空封止であり、基板1上に形成された有機EL素子構造E(第1電極2,絶縁膜3,隔壁4,有機層5,第2電極6)を被覆膜7,70,71で被覆した後に、封止空間Mを形成するように、接着剤90を介して基板1と封止部材80とを貼り合わせる。また、同図(b)に示した例が固体封止であり、基板1上に形成された有機EL素子構造Eを被覆膜7,70,71で被覆した後に、その上に接着層91を形成し、更にその上に封止層81を形成する。この場合の封止層81は、ガラス等の封止板であっても、金属膜等の封止膜であってもよい。
【0051】
このような封止工程を経た本発明の実施形態に係る有機ELパネルは、図5(a)に示す例では、隔壁4から発生するアウトガスが封止空間M内に拡散するのを防止することができ、図5(b)に示す例では、隔壁4から発生するアウトガスが接着層91に浸透するのを防止することができる。隔壁4から発生するアウトガスは封止後に発生して有機EL素子の発光特性を劣化させるので、このアウトガスが存在すると封止技術の性能とは無関係に有機ELパネルの寿命が悪化することになるが、本発明の実施形態によると、アウトガスによる劣化を抑制できるので、封止技術の性能を高めることで効果的に有機ELパネルの長寿命化が可能になる。
【実施例】
【0052】
<素子構造> 以下に示す実施例と比較例は図6に示す共通の素子構造を備える。すなわち、ガラス製の基板1上にITOを蒸着,スパッタリング等の成膜方法で薄膜形成し、フォトリソグラフィ等によってパターン形成して第1電極2を形成する。第1電極2上に形成される有機層5としては、正孔注入層5AとしてCuPcを30nm、正孔輸送層5BとしてN,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)を30nm、発光層5Cとしてクマリンを0.6重量%ドープしたAlqを30nm、電子輸送層5DとしてAlqを30nm、電子注入層5EとしてLiOを1nm、これらをそれぞれ真空蒸着法によって形成する。第2電極6としてはAlを蒸着によって所定厚さ形成する。
【0053】
前述した構成材料に換えて、基板1はプラスチック基板、第1電極2はIZO,ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン(PE-DOT)とポリスチレンスルホネート(PSS)とを含む導電性材料(PE−DOT:PSS),正孔注入層5AはPE−DOT:PSS、正孔輸送層5Bはテトラフェニルジアミノジフェニル(TPD),ジフェニルナフチルジアミン(α−NPD),ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、発光層5Cのドープ材はペリレン,テトラフェニルブタジェン(TPB)、電子輸送層5Dは(4−ビフェニル)(4−t−ブチルフェニル)オキシジアゾール(PDB),1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ)、電子注入層5EはLiF、第2電極はMgAg,AlLi、等を用いることができる。これらの材料変更によっても後述する評価結果と同様の結果を得ることができる。
【0054】
<実施例1> 図1に示すように、絶縁膜3の高さ1μmと隔壁4の高さ3.5μmを合わせた高さ4.5μmより高い6μmの被覆膜7を形成し、その際に、角度蒸着を用いて被覆膜7が隔壁4の側面に接するようにした。被覆膜7の被覆材としては、吸湿剤にCaOを用い、アモルファス状有機材料にAlqを用いて、混合比率を1:5とし、エレクトロンビーム法及び抵抗加熱法による共蒸着により成膜した。封止工程は、図5(a)に示すような中空封止を行うために、被覆膜7及び有機EL素子が傷つかない程度の凹部(堀込み)を形成したガラス基板からなる封止部材80を採用し、これを紫外線硬化型接着剤にて基板1に貼りつけた。接着剤は凹部以外の周囲に塗布した。
【0055】
<実施例2> 図2に示すように、隔壁4の全体を覆うように被覆膜70を形成する以外は実施例1と同様に形成した。隔壁4の全体を被覆膜70で覆うために、被覆性(カバーレッジ)の高い成膜法を用いて比較的長い成膜時間を設定した。
【0056】
<実施例3> 図3に示すように、隔壁4の全体を覆うように被覆膜71を形成する以外は実施例1と同様に形成した。隔壁4の全体を被覆膜71で覆うために、ある程度の厚さで成膜した後、加圧処理を施して、空洞部分Cを充填する膜変形部分71xを形成した。
【0057】
<実施例4> 実施例1における封止工程を図5(b)に示す固体封止に換えて有機ELパネルを形成した。すなわち、被覆膜7を形成した後、平板ガラスの封止部材の全面に紫外線硬化型接着剤を塗布し、被覆膜7上に接着層91を形成して封止部材と基板1と貼り合わせて、封止部材からなる封止層81を形成した。
【0058】
<実施例5> 実施例2における封止工程を図5(b)に示す固体封止に換えて有機ELパネルを形成した。すなわち、被覆膜70を形成した後、平板ガラスの封止部材の全面に紫外線硬化型接着剤を塗布し、被覆膜70上に接着層91を形成して封止部材と基板1と貼り合わせて、封止部材からなる封止層81を形成した。
【0059】
<実施例6> 実施例3における封止工程を図5(b)に示す固体封止に換えて有機ELパネルを形成した。すなわち、被覆膜71を形成した後、平板ガラスの封止部材の全面に紫外線硬化型接着剤を塗布し、被覆膜71上に接着層91を形成して封止部材と基板1と貼り合わせて、封止部材からなる封止層81を形成した。
【0060】
<比較例1> 実施例1における被覆膜7の形成時に角度蒸着を行わず、隔壁4の側面に被覆膜7が接触しないようにした。
<比較例2> 実施例6における被覆膜71の形成時に被覆性の向上を図らずに、空洞部分Cが存在する状態で封止工程を行った。
<比較例3> 実施例1における被覆膜7に換えて、吸湿剤を含有しないAlqを平坦化膜として用い、その後に封止工程(中空封止)を行った。
【0061】
<評価方法> 前述した実施例と比較例にて形成された有機ELパネルに対して、温度85℃の高温保存試験を行い、500時間連続点灯後の発光部(画素)の状態を観察した。その際、画素周辺部から拡がる非発光部(黒枠、ダークスポット)の幅が1μm未満のものを◎、1μm以上3μm未満のものを○、3μm以上10μm未満のものを△、10μm以上のものを×と評価した。
【0062】
<評価結果> 評価結果は下記表のとおりである。
【表1】
Figure 0004854783
【0063】
以上の評価結果から明らかなように、封止工程が中空封止か固体封止かに係わらず、吸着剤とアモルファス状有機材料からなる被覆膜7,70,71を隔壁4の側面に少なくとも接触させることで、隔壁4から発生するアウトガスを効果的に吸収することができ、このアウトガスによる有機ELパネルの劣化を効果的に抑制することができる。
また、本発明は、上記の評価結果だけではなく、60℃で湿度90%の高温高湿状態の試験でも黒枠やダークスポットの抑制に同様の効果を得ることができる。
【0064】
以上説明したように、本発明の各実施形態によると、隔壁4によって電極パターンを形成する有機ELパネルにおいて、隔壁4から発生するアウトガスの影響を効果的に排除して、このアウトガスによる発光特性劣化を防止することができ、有機EL素子を直接覆う被覆膜7,70,71を有効に機能させ、有機ELパネルの薄型化を達成することができる。そして、その場合にも顕著な有機EL素子の発光特性劣化を防いで、有機ELパネルの長寿命化を達成することができる。

Claims (1)

  1. 有機EL素子からなる発光部を備えた有機ELパネルの製造方法であって、
    基板の一面側に並列した複数の第1電極を形成する第1電極形成工程、
    前記第1電極上に前記発光部を形成する一部分を露出させて他の部分を覆うことで前記複数の第1電極間を電気的に絶縁する絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程、
    前記絶縁膜上に前記第1電極と交差するように並列して、略逆台形状の断面を有する複数の隔壁を形成する隔壁形成工程、
    少なくとも前記第1電極上に有機層を形成する有機層形成工程、
    前記有機層上に前記第1電極と交差するように並列して第2電極を形成する第2電極形成工程、
    前記基板の一面を含めて、前記第1電極,前記隔壁,前記有機層,及び前記第2電極を被覆する被覆膜を形成する被覆膜形成工程、を有し、
    前記被覆膜を形成する被覆材は、吸湿剤とアモルファス状の有機材料とからなり、前記被覆膜は、少なくとも前記隔壁の側面の一部に接触しており、
    前記被覆膜形成工程は、成膜後に、前記被覆材を前記隔壁の側面に接触させるように変形させる膜変形工程を含んでおり、
    前記膜変形工程は、加圧処理により前記被覆膜に膜変形部分が形成されていることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
JP2009507356A 2007-03-29 2007-03-29 有機elパネル及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4854783B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2007/056912 WO2008120365A1 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 有機elパネル及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008120365A1 JPWO2008120365A1 (ja) 2010-07-15
JP4854783B2 true JP4854783B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=39807958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009507356A Expired - Fee Related JP4854783B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 有機elパネル及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4854783B2 (ja)
WO (1) WO2008120365A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5449742B2 (ja) * 2008-10-24 2014-03-19 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 有機el素子
JP5461096B2 (ja) * 2009-07-29 2014-04-02 双葉電子工業株式会社 有機el表示装置
WO2020065837A1 (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 シャープ株式会社 表示装置及び表示装置の製造方法
CN111129324A (zh) * 2019-12-16 2020-05-08 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 Oled显示器及其制作方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001284041A (ja) * 2000-03-30 2001-10-12 Pioneer Electronic Corp 有機エレクトロルミネッセンス表示パネル及びその製造方法
JP2006236963A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Samsung Electronics Co Ltd 表示装置及びその製造方法
JP2007042488A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた露光装置並びに画像形成装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002260846A (ja) * 2001-02-27 2002-09-13 Tdk Corp 有機el素子ディスプレイパネルとその製造方法
JP4240893B2 (ja) * 2002-03-06 2009-03-18 大日本印刷株式会社 有機elディスプレイ
JP4622563B2 (ja) * 2005-02-09 2011-02-02 株式会社豊田中央研究所 有機電界発光素子及び有機電界発光素子の製造方法
JP2007053017A (ja) * 2005-08-18 2007-03-01 Nippon Seiki Co Ltd 有機elパネルとその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001284041A (ja) * 2000-03-30 2001-10-12 Pioneer Electronic Corp 有機エレクトロルミネッセンス表示パネル及びその製造方法
JP2006236963A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Samsung Electronics Co Ltd 表示装置及びその製造方法
JP2007042488A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた露光装置並びに画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2008120365A1 (ja) 2010-07-15
WO2008120365A1 (ja) 2008-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5174145B2 (ja) 有機elパネル及びその製造方法
KR100656324B1 (ko) 표시 장치
US8169140B2 (en) Organic light emitting display including spacer and method of manufacturing the same
TWI333276B (en) Method for packaging organic light emitting display with frit seal and reinforcing structure
US7612498B2 (en) Display element, optical device, and optical device manufacturing method
JP4186289B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用基板の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法
US7675229B2 (en) Self-emission panel and method of fabricating the same
JP4854783B2 (ja) 有機elパネル及びその製造方法
JP2006004650A (ja) 表示素子及び光学デバイス
US20070029928A1 (en) Organic light-emitting device and method of manufacturing the same
JP2006253097A (ja) 自発光パネルおよび自発光パネルの製造方法
JP2005100685A (ja) 表示装置及び表示装置の製造方法
JP2005353398A (ja) 表示素子、光学デバイス、及び光学デバイスの製造方法
JP2004152738A (ja) 有機elパネルおよびその製造方法、それを用いた電気光学パネル並びに電子機器
JP2005353287A (ja) 有機el素子及びその製造方法
KR100774949B1 (ko) 전계발광소자와 그 제조방법
JP5034812B2 (ja) 有機el装置
JP3652136B2 (ja) 有機elディスプレイパネル及びその製造方法
JP5798105B2 (ja) 有機elパネル
JP2010092709A (ja) 有機el装置および電子機器
KR20080055717A (ko) 유기발광장치 및 그 제조방법
JP5622854B2 (ja) 有機elパネル及びパネル接合型発光装置
JP2009021162A (ja) 表示装置
JP2010225416A (ja) 有機el装置の製造方法、有機el装置、および電子機器
KR20030071998A (ko) 유기 전계 발광 소자 및 그를 이용한 디스플레이 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111018

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111025

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees