JP4854224B2 - 混合流体分離装置及びその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば金属材料等の切削加工や研削加工に際し、クーラントとともに排出される磁性体たる微細な切りくずを高効率で回収するとともに、該クーラント中の非磁性体たる砥粒についても効率よく回収しうる混合流体分離装置及びその方法に関する。
金属材料や鉄鋼材料などの磁性材料の切削加工等に際してクーラントとともに排出される切りくずは、通常、磁気分離装置を用いて液分と切りくずに分離回収される。従来から、種々の磁気選別装置がこの切りくずあるいは液分の特性に応じて提案されてきた(例えば、特許文献1)。この磁気分離装置は、クーラント内の磁性体を流路に配置した磁石によって分離回収することを目的とするものである。他方、切削加工等に必要な砥粒の材質は、アルミナや炭化珪素ダイアモンドのような非磁性体であるのが一般的である。そのため、該クーラントに含まれる砥粒に対しては、磁気分離装置とは別に、遠心分離法(例えば、特許文献2)やペーパフィルターを用いた分離手段が用いられてきた。
これらの分離手段は、クーラントタンクへの切りくず等の持ち込みを防止することを目的とするものや、加工品質の向上、あるいは砥粒の再利用化を目的とするものであり、磁気分離装置内に堆積する砥粒については特にこれまで注目されてこなかった。
特開平10−277874号公報 特開2005−28353号公報
しかしながら、外周面に磁石を配置した内筒を非磁性外筒内部に配置したドラムに沿ってクーラントの流路を形成するタイプの磁気分離装置では、次々と流れ込む加工処理済のクーラントのため、流路の中で最も低い位置の底部に該装置では回収できない砥粒が堆積することになる。この砥粒は、クーラントの流速等の影響により、暫くすると流路をほとんど塞いでしまうことがあるため、クーラントの流れを遮ったり、所定の流路から逸脱した別の流路を形成してしまって、結果として本来の目的の一つである磁性体の回収率を著しく低下させてしまうことになる。この問題を解消するためには、該装置底部に沈殿した砥粒の定期的かつ執拗な回収作業が必要となるが、これは装置の処理能力を著しく低下させるものであった。
他方、磁気分離装置内の砥粒を放置したままで切りくず等を分離すると、切りくずボックス(チップボックスともいう)は、回収した鉄等の切りくずに混ざって多量の砥粒を含むことになる。そうすると、そのような回収物は産業廃棄物として処理するしかなく、昨今、特にその利用価値が見直されてきた切りくずを再利用することができなかった。また、装置内に沈殿しなかった砥粒を多量に含有させたままでクーラントを再利用すると、加工対象にスクラッチと呼ばれる傷が発生して不良品となる問題がある。更に、そのようなクーラントが磁気分離装置を含む処理システム内を循環すれば、加工装置本体だけでなく、磁気分離装置のドラムさえも傷つけてしまうことになる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、一の機構において磁石を用いた磁性体の分離だけでなく、クーラント中に混在する非磁性砥粒の分離を可能として装置内での砥粒の堆積を解消し、以ってクーラント中に残留する砥流の量を低減することができる混合流体分離装置を提供することを目的とする。
発明者は、処理能力を著しく低下させている磁気分離装置の定期的かつ執拗な砥粒除去作業を一から見直し、一の装置内で磁性体だけでなく非磁性体についても一度に分離回収する方法を見出すべく検討を行った。具体的には、汎用タイプの一つである、外周面に磁石を配置した内筒を非磁性外筒内部に配置したドラムに沿って流路が形成されているタイプの磁気分離装置について、切削加工等の処理済みクーラントが通過する該流路に着目した。
一般的に、前述のタイプの磁気分離装置では、円筒形状のドラムのほぼ下半分がクーラントに没した状態の水位を維持して運転される。発明者らは、この磁気分離装置のタンクに送り込まれたクーラントがドラムに沿って流路を通過する際の切りくず等や砥粒の動きを把握することにより、磁性体たる切りくず等と非磁性体たる砥粒をクーラントから一時に、かつ独立して分離回収ができると考え、鋭意研究を重ねた。
発明者らは、前述のドラムに沿った流路においては、加工処理済みのクーラントが該流路を通過する際に、磁性体たる切りくず等はドラム側に引き寄せられる一方、非磁性体たる砥粒には重力と遠心力が作用して、逆にドラムの対向面側、すなわちケーシング底板に沿って流路を移動すると考えた。仮に磁場が作用しない流路であれば、砥粒のみならず、一般的に砥粒よりも重い切りくずも遠心力等によってドラムに対向する面に沿った移動をすると考えられるが、磁場が作用する流路では、切りくず等と砥粒がクーラント内でいわば層状に分別されて移動すると期待できる。
発明者らは、上述の考えに基づけば、切りくずの回収率を低下させずに砥粒のみを選択的に開口部から分離回収できると考え、砥粒を回収するための開口部をドラムに対向する面側に設けてその効果を確認する実験を重ねた。その結果、磁性体たる切りくず等の回収率を低下させることなく、非磁性体たる砥粒の高い回収率を得ることが可能であることを知見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の混合流体分離装置は、外周面に磁石を配置した内筒を非磁性外筒内部に配置したドラムと、該ドラムに沿って形成される、磁性体及び非磁性体を含む液体用の流路と、該流路の一部であって該ドラム外筒に対向する面に、開口部を設けている。この構成を採用することにより、磁性体たる切りくず等の回収率を低下させることなく、非磁性体たる砥粒の回収率を高めることができる。その結果、装置内での砥粒の堆積量が低減され、換言すれば、クーラント中に残留する砥流の量を低減することができるため、再生クーラントとして利用可能となる。
ここで、該開口部は、該ドラムの回転軸方向に形成されていることがこの装置の好ましい一態様である。この構成を採用することにより砥粒の回収率が向上する。また、該開口部が、該ドラム外筒からケーシングの底部までの距離の差を利用して形成されているものもこの装置の好ましい一態様である。具体的には、該ドラムの対向面に、液体の進行方向に向かって口を開けるように開口部を設ける構造である。この段差を利用したスリットや孔の開口部を採用すれば、重力や遠心力の作用によって該ドラムの対向面に沿って移動する砥粒をより確実に回収し、該装置から取り除くことができる。
前述のいずれの混合流体分離装置であっても、該開口部は、少なくとも一つのスリットか、あるいは複数孔の列であることが好ましい。レーザー加工等により、精密な加工が比較的容易であるからである。また、スリットの幅又は孔の径は0.5mm以上2mm以下であることが好ましい。0.5mm未満では砥粒による目詰まりが装置の運転初期から発生して砥粒の分離能力が著しく低下する一方、2mmを越えると、クーラントが多量に漏れるため、ドラム側に捕集すべき切りくず等が抜け落ちてしまう危険性が高まる。上記観点から、更に好ましい範囲としては、0.7mm以上0.85mm以下である。尚、該開口部として複数孔の列を採用する場合は、砥粒の取りこぼしを少なくするために、孔を出来るだけ緻密に千鳥状配置することが好ましい。
また、前述のいずれの混合流体分離装置であっても、該開口部は、該流路における最も低い位置の底部、又は該底部よりも該液体の進行方向側に設けられていることが好ましい。前述の開口部が上記の位置にあれば、砥粒の重力沈降作用と流路を通過する際に受ける遠心力の作用により、効率的に砥粒を回収することができるからである。尚、開口部を設ける更に好ましい位置は、該底部よりも該液体の進行方向側である。より具体的には、該流路における最も低い位置の底部から該液体の進行方向側に5mm以上20mm以下離れた範囲である。これらの位置では、砥粒を分離する機能を極めて効率よく発揮させることができる。
また、本発明の混合流体分離方法は、外周面に磁石を配置した内筒を非磁性外筒内部に配置したドラムに沿って形成され、かつ該ドラム外筒に対向する面に開口部が設けられた流路に、磁性体及び非磁性体を含む液体を通過させるものである。この方法を採用することにより、磁性体たる切りくず等の回収率を低下させることなく、非磁性体たる砥粒の回収率を高めることができる。その結果、装置内での砥粒の堆積量が低減され、換言すれば、クーラント中に残留する砥流の量を低減することができるため、再生クーラントとして利用可能となる。
本発明によれば、磁石を用いた磁性体の分離だけではなく、クーラント中に混在する非磁性体の砥粒の分離を可能して装置内での砥粒の堆積を低減するとともに、クーラント中に残留する砥流の量を低減することができる。また、砥粒と切りくず等を独立して分離回収することより、メンテナンス性、処理能力を向上させることができるとともに、回収した砥粒及び切りくず等の再利用化も図ることができる。また、循環するクーラント中の砥粒や切りくず等が大幅に低減されるため、クーラントの再利用が可能となり、該クーラントを使用しても加工対象やドラムの傷の発生を抑制することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態を、添付する図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用した実施形態の一例である混合流体分離装置の全体構成を示す縦断説明図である。図2A乃至図2D、図3A、図3Bは、本発明を適用した実施形態の一例である混合流体分離装置における砥粒分離のための開口部の形状及び配置を示す図面である。尚、図2A、図2C、及び図3Aは、後述する開口部8の形態を示すため、便宜上回転ドラム3を取り除いていたものである。図4は、図2A、図2C、図3Aにおける開口部のA−A断面形状を示す図面である。また、図5は、本発明を適用した実施形態の一例である混合流体分離システムを表した説明図である。
まず、混合流体分離装置の構成について図1乃至図5に基づいて説明する。この装置は、箱型本体1の内側にクーラントの液溜め部2が設けられており、これをほぼ2分割するように回転ドラム3が略中央部に水平に軸支配置されている。回転ドラム3はステンレス鋼などの非磁性材からなる円筒体で、外周面に磁石4を配置した内筒5を内部に同軸固定してある。内筒5の磁石4は回転ドラム3の外周面に所要の磁束を作用させるように適宜磁極が配置される。尚、本実施の形態ではネオジム系磁石を使用し、絞りローラー6側の端から、NとSを一対として、N、S、N、Sの順に配置した。
回転ドラム3へ磁力を作用させる範囲については、ドラム外径やスクレーパ7の位置などに応じて種々の構成を採用しうる。図1の構成においては、回転ドラム3の液溜め部2に浸漬する部分から頂上部までの約1/2の範囲の外周部に吸着力が及ぶように内筒5に磁石4が配置され、残りの約1/2の範囲には内筒5に磁石を配置せず、磁力が作用しないように構成されている。磁場流路16で回転ドラム3の外周面に吸着された切りくず12は、該ドラムの回転により、回転ドラム3の頂上部まで搬送され、頂上部を過ぎると吸着力から開放され、回転ドラム3の表面に当接する板状のスクレーパ7にて切りくず12が掻きとられて回収される。
回転ドラム3の頂上部近くには絞りローラー6が配置され、所定の押圧力で外周面に当接することで回転ドラム3表面に吸着されている切りくず12に含まれる液分を搾り取るように構成してある。
一方、クーラントは、当初、液溜め部2に溜められた後、回転ドラム3と該ドラムに沿って配置されるケーシング底板9とで形成される磁場流路16を通過することによって液中に混在する切りくず12や砥粒14が捕集あるいは回収された後、図5に示すクリーンタンク20に流入してその中に溜められる。そして、クリーンタンク20に溜められたクーラントは、ポンプ21により再び加工設備30に送給される。
また、回転ドラム3の外筒に対向する側の面の一部には開口部8が設けられている。該開口部8は、図2A又は図2Cに示すようなスリットか、あるいは図3Aに示すような複数の孔の列をなしたものである。尚、本実施の形態における該開口部8の開口幅は、図4に示すように、回転ドラム3側の開口幅aが0.5mm以上1.4mm以下であり、反対側の開口幅bは0.5mm以上2mm以下であった。また、開口部は、代表的には、回転ドラムの回転軸方向に平行であって、該回転軸方向の長さと実質的に同じ長さを有している。また、尚、この開口部8は、当初平板状のステンレス鋼(SUS304)に対し、厚み方向に一定の開口幅を形成するようにレーザー又はタレットパンチにより加工した後、円弧状に曲げ加工を施すことにより作製される。砥粒14を磁場流路16系外に排出する際、図4に示すように出口側(すなわち図4における開口幅b)の方をより広く設定することは、砥粒の詰まりを防止して混合流体分離装置の安定的な稼動に寄与する。
ところで、本実施の形態では、回転ドラム3とケーシング底板9により形成される磁場流路16は、クーラントの該流路への導入口の幅(図1のw1)が広く、出口の幅(図1のw2)は狭くなっている。具体的には、磁場流路16を回転ドラム3の回転軸に直交する縦断面で見たときに、回転ドラム3と同心円状のケーシング底板9による円弧を、該ドラム3に対して該導入口が広くなる方向に水平移動させたものである。ここで、導入口の幅を1とした場合に、出口の幅は0.64となるように構成されている。また、磁場流路16の幅は16mm以上に設定されている。この構成を採用すれば、特に導入口付近に磁石によって捕集され易い大きな切りくず12がクーラントの流路を狭めてしまうという危険性が低下するため、装置の処理能力を低下させることがない。尚、本実施の形態では、回転ドラム3径は216mmであった。また、導入口の幅は25mmであり、出口の幅は16mmであった。
本発明を適用した実施例の一例である、図1に示す混合流体分離装置を実際に稼動させて、研削加工処理後のクーラント(再生クーラント13)中に混在する切りくず12と砥粒14の回収能力を調べた。具体的には、WA砥石の粒度60番又は80番の砥粒20gを磁性体ワーク(機械構造用鋼又は特殊用途鋼又は鋳鍛造品)の切りくず12が混在するクーラントの液溜め部2に対して1分間かけて投入し、流速60リットル毎分で該クーラントを流したときに磁場流路16内で切りくず12と砥粒14がどの程度回収可能であるかを調べた。尚、本実施の形態における開口部は、回転ドラムの回転軸方向に平行であって、該回転軸方向の長さと実質的に同じ長さとした。
比較例として、図11に示すような従来の混合流体分離装置(磁気分離装置)を前述の諸条件下で稼動した場合の処理済クーラント(再生クーラント13)内に混在する切りくず12と砥粒14の回収能力を調べた。ここで、従来の混合流体分離装置とは、図1に示す回転ドラム型の混合流体分離装置において回転ドラムの対向面、即ちケーシング底板9に開口部を設けていないものである。
本実施例の結果を表1に示す。尚、表1の最も左列の各欄は、図2A及び図2Bに示すような一列のスリットの磁場流路16内における位置を示すものである。ここで、この各欄に示す角度は、回転ドラムの回転軸に直交する断面で見たときに、該回転軸に対する垂線(鉛直下向きの線)を基準として、この線と、円の中心を通る同一面上の他の直線とのなす角度を示すものである。そして、その断面において、当該他の直線とケーシング底板9によって形成される円弧との交点位置に開口部の中点が位置するように該スリットを設けている。また、導入口側と出口側という表現は、前述の基準となる垂線に対するスリットの配置関係を表したものである。
Figure 0004854224
表1に示すように、スリットを設けた実施形態については、比較例に対して切りくず12回収率を低減させずに砥粒14の回収率のみを大幅に高めることができた。これは、スリットを設けることにより、従来と比べて装置内に残留する砥粒14の量を低減できたこと、及び回転ドラムに捕集される切りくず12の中の砥粒含有率が低下し、非常に効率よく切りくず12のみを捕集することができたことが原因であると考えられる。尚、別の実施例として、出口側0°以上10°以下の各位置に先の実施例と同一形状のスリットを設け、その開口幅aを0.7mm以上0.85mm以下とすると、砥粒回収率を維持したまま、切りくず回収率を99.3%にまで向上させることができた。これは、切りくず12が該スリットから抜け落ちる率が、1%から0.7%まで低減されたためである。尚、本実施の形態においては、出口側2°は、実際の最下点からの距離が5mmに相当し、出口側9°は、実際の最下点からの距離が20mmに相当する。
更に、別の実施例として、回転ドラム3の対向面に設ける開口部の位置を、先の実施例における出口側2°に固定した上で、開口部の形態を変化させて、処理済クーラント(再生クーラント13)中に混在する切りくず12と砥粒14の回収能力を調べた。但し、2列スリット又は複数孔の千鳥状配列については、最も導入口側に近い位置のスリット又は孔の列が2°の位置になるように設けた。また、各列間の距離はスリットの場合は5mmとし、複数孔の千鳥状配列については、1.5mmとした。その他の実施条件は、開口部の長さを含めて先の実施例と同一とした。
Figure 0004854224
表2に示すように、この実施例でも開口部8の形態を問わず、比較例に対して高い切りくず12及び砥粒14の回収率を得ることができた。尚、開口部8の形態としては、1列スリットよりも2列スリットや千鳥配置した複数孔の列としたほうが、砥粒回収率が向上することが分かった。但し、2列スリットを採用すると、1列スリットと比較して、切りくずの回収率がやや低下した。これらの結果から、本装置のユーザーが砥粒と切りくずのいずれの回収を重視するかに合わせて開口部の形態を変更することができることを確認した。
また、別の実施例として、回転ドラム3の外筒からケーシング底板9までの距離の差を利用して形成される「段差スリット」を備えた装置を用いて前述と同様の調査を行った。具体的な開口部8の構成例を図6乃至図8に示す。これらの開口部8を備えた装置を用いて、処理済クーラント(再生クーラント13)中に混在する切りくず12と砥粒14の回収能力を調べた。ここで、段差スリットの長さは回転ドラムの回転軸方向に平行であって、該回転軸方向の長さとほぼ同じにした。また、この段差スリットは、金型を用いた段差加工により成形し、スリットの幅は0.5mm以上2mm以下とした。その他の実施条件は、最初の実施例と同一とした。
その結果、段差スリットを設けることにより、切りくず12の回収率は99.3%を維持した上で、砥粒14の回収率については、最初の実施例のような平面状に設けたスリットと比較してそれぞれ約15%向上させることができた。これは、クーラントの流れる方向に向くように開口部が設けられているため、砥粒14の回収がより容易になったためであると考えられる。
また、これまでの実施例では、回転ドラム3とケーシング底板9により形成される磁場流路16について、該流路へのクーラントの導入口の幅と出口の幅が異なるように設定したが、図9に示すような、この幅を磁場流路間で一定(具体的には、図9においてw3=w4)にした装置についても、前述と同様、処理済クーラント(再生クーラント13)中に混在する切りくず12と砥粒14の回収能力を調べた。その結果、この実施例においても表1及び表2の結果とほぼ同様の数値的傾向が見られ、該ドラムの対向面に開口部を設けた効果が確認できた。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示にすぎない。例えば、段差スリットの態様として、図6乃至図8に示すようなクーラントの進行方向に直交する面のみを開口部として設けるだけではなく、切りくず12が抜け落ちる量を抑制しうる程度において開口部の形態を変更することは当業者の設計事項の範囲に含まれる。
他方、砥粒回収量を多くする観点から、例えば磁場流路16を十分に広くするためにケーシング底板に設けるスリットについても十分に長く形成することが好ましいが、加工精度上、スリット幅を一定に保つためには、図10Aや図10Cのように、スリットの一部にスリットを遮断するミクロジョイント10を設けることが有効な場合がある。この場合も、全体として見れば、実質的に連続したスリットであり、本発明では1列のスリットとするものである。尚、このようなミクロジョイント10を設ける場合、そのミクロジョイント10のために砥粒14の回収率が低減することを回避すべく、図10Cのように、砥粒14の進行方向に対してミクロジョイント10の位置が異なるように2列のスリットを設けることは好ましい態様の一つである。
また、回転ドラムの径を100mmから400mmまで変化させても本発明の効果が確認された。従って、回転ドラム径には実質的に影響されないことがわかった。さらに、クーラントの磁場流路への導入口の幅を1とした場合の出口の幅が0.38〜1まで変化させても本発明の効果が損なわれないことが確認された。さらに、本実施の形態では、磁石としてネオジム系磁石を用いているが、フェライト系磁石を用いても発明の効果として前述の表1及び表2の結果と同様の数値的傾向が見られた。また、本実施の形態で使用した磁性体ワークは機械構造用鋼、特殊用途鋼、鋳鍛造品であるが、これに限らず、鉄や鉄を含む合金であれば同様の効果が得られる。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
本発明を適用した実施形態の一例である混合流体分離装置の構成を示す縦断説明図である。 本発明を適用した実施形態の一例である混合流体分離装置の開口部であるスリット形態を示す上面図である。 図2AのZ部の拡大図である。 本発明を適用した実施形態の一例である混合流体分離装置の開口部であるスリット形態を示す上図面である。 図2CのZ部の拡大図である。 本発明を適用した実施形態の一例である混合流体分離装置の開口部である複数孔の形態を示す上図面である。 図3AのZ部の拡大図である。 本発明を適用した実施形態の一例である混合流体分離装置の開口部の断面を拡大した図面である。 本発明を適用した実施形態の一例である混合流体分離システムを示す説明図である。 Aは、本発明を適用した別の実施形態の一例である混合流体分離装置の開口部の構成を示す縦断説明図であり、Bは、Aの上面図である。 Aは、本発明を適用した別の実施形態の一例である混合流体分離装置の開口部の構成を示す縦断説明図であり、Bは、Aの上面図である。 Aは、本発明を適用した別の実施形態の一例である混合流体分離装置の開口部の構成を示す縦断説明図であり、Bは、Aの上面図である。 本発明を適用した別の実施形態の一例である混合流体分離装置の構成を示す縦断説明図である。 本発明を適用した別の実施形態の一例である混合流体分離装置の開口部であるスリット形態を示す上図面である。 図10AのZ4部の拡大図である。 本発明を適用した別の実施形態の一例である混合流体分離装置の開口部であるスリット形態を示す上図面である。 図10CのZ部の拡大図である。 従来の混合流体分離装置の縦断説明図である。
符号の説明
1 混合流体分離装置本体
2 液溜め部
3 回転ドラム
4 磁石
5 内筒
6 絞りローラー
7 スクレーパ
8 開口部
9 ケーシング底板
10 ミクロジョイント
11 回転ドラム中心線
12 切りくず
13 再生クーラント
14 砥粒
15 ヒーター
16 磁場流路
20 クリーンタンク
21 ポンプ
30 加工設備

Claims (8)

  1. 外周面に磁石を配置した内筒を非磁性外筒内部に配置したドラムと、
    前記ドラムに沿って形成される、磁性体及び非磁性体を含む液体用の流路と、
    前記流路の一部であって前記ドラム外筒に対向する面に、開口部を設けてあり、
    前記開口部は、前記ドラムの回転軸方向に延伸する形状で形成されており、
    前記流路における最も低い位置の底部、又は前記底部よりも前記液体の進行方向側にて貫通するようにしてある混合流体分離装置。
  2. 前記開口部は、前記ドラム外筒からケーシングの底部までの距離の差を利用して形成されている請求項1に記載の混合流体分離装置。
  3. 前記開口部は、少なくとも一つのスリットである請求項1に記載の混合流体分離装置。
  4. 前記スリットの幅が0.5mm以上2mm以下である請求項3に記載の混合流体分離装置。
  5. 前記開口部は、複数孔の列である請求項1に記載の混合流体分離装置。
  6. 前記孔の径が0.5mm以上2mm以下である請求項5に記載の混合流体分離装置。
  7. 外周面に磁石を配置した内筒を非磁性外筒内部に配置したドラムに沿って形成され、かつ前記ドラム外筒に対向する面に前記ドラムの回転軸方向に延伸する形状で貫通して形成されている開口部が設けられた流路に、磁性体及び非磁性体を含む液体を通過させる混合流体分離方法。
  8. 前記開口部は、前記ドラム外筒からケーシングの底部までの距離の差を利用して形成されている請求項7に記載の混合流体分離方法。
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