JP4853067B2 - タイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法及びその分離取出し装置 - Google Patents

タイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法及びその分離取出し装置 Download PDF

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Description

この発明は、タイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法及びその分離取出し装置に係わり、更に詳しくは剛性中子を使用して成形した加硫済みのタイヤまたは未加硫のタイヤ内から剛性中子を効率良く分離させて自動的に取り出すことが出来るタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法及びその分離取出し装置に関するものである。
従来、空気入りタイヤの成形時にタイヤの内側表面の形態を規定する剛体コアを用いた「空気入りタイヤの製造方法及び装置」の発明が提案されており、また複数個のセグメントから成る剛体製のコアを用いてグリーンタイヤの成型終了まで、またはグリーンタイヤの成型からタイヤ加硫の終了に至までタイヤの内面を規定するタイヤ製造用コアのセグメント取出し方法および取出し組立方法、ならびにそれらの方法を実施するために使用する装置が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
ところで、前者の空気入りタイヤの製造装置に使用される剛体コアは、金属材料を素材として二種類の扇形セグメントと略台形状をした山形状セグメントとを周方向に交互に配置した略円筒状の分割構造になっており、空気入りタイヤの製造時には前記複数の扇形セグメントと山形状セグメントとを周方向に交互に配置して円筒状にして剛体コアを構成し、またタイヤの加硫成形後には、複数の扇形セグメントを放射方向に引き抜いて山形状セグメントと分離させるようにするものである。
然しながら、このような複数に分割された剛体コアの分離及び組立には、多くの手間と時間がかかり、また内金型としての剛体コアを損傷させずに分離及び組立をするには熟練を要し、非常に作業能率が悪いと言う問題があった。
また、後者のタイヤ製造用コアのセグメント取出し方法及びその装置は、タイヤ内から種類の異なる複数の分割されたセグメントを取出す際には、それぞれ種類の異なるセグメントを一個毎取出す方法であるため、全部のセグメントをタイヤ内から取外には、多くの手間と時間がかかり、また取出す際には、セグメントの上下縁部をクランプ機構によりクランプさせて抜き取る方法であるため成形するタイヤの品質や精度に影響を与えると言う問題があった。
特開2003−523851号公報 特開2002−307440号公報
この発明はかかる従来の問題点に着目し、加硫済みのタイヤまたは未加硫のタイヤ内から複数に分割されたタイヤ成形用剛性中子の種類毎のセグメント群を同時に、かつ自動的分離させて取り出すことが出来るタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法及びその分離取出し装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、この発明のタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法は、タイヤ成形時の加硫済みのタイヤまたは未加硫のタイヤ内から、周方向に複数に分割された二種類のセグメント群から成る剛性中子本体をセグメントの種類毎に分離して取り出すタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法であって、前記タイヤ内から前記剛性中子本体を分離取出す際、前記タイヤ内に配設された剛性中子本体から中子保持機構及び上下支持プレートを取外した後、該タイヤを支持テーブル上の所定位置に移載して位置決め固定し、その後、前記支持テーブルのタイヤ中心下方に待機していた第1の中子分離機構を上昇させて、一種類目のセグメント群の内壁面中央を保持すると共にタイヤ中心側に水平に引き寄せて、このセグメント群のセグメントを同時にタイヤ内から分離させると共に、この分離させた一種類目のセグメント群を前記支持テーブルの中心下方の待機位置まで下降させて待機させ、次いで別の待機位置に待機していた第2の中子分離取出し機構を剛性中子本体の高さ中央位置まで上昇させると共に二種類目のセグメント群の内壁面中央を保持してタイヤ中心側に水平に引き寄せて、このセグメント群のセグメントを同時にタイヤ内面から分離させ、その後、この二種類目のセグメント群を前記第2の中子分離取出し機構により待機位置まで移動させ、前記剛性中子本体が分離されたタイヤを搬送装置により次工程へ搬送することを要旨とするものである。
また、この発明の他のタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法は、タイヤ成形時の加硫済みのタイヤまたは未加硫のタイヤ内から、周方向に複数に分割された二種類のセグメント群から成る剛性中子本体をセグメントの種類毎に分離して取り出すタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法であって、前記タイヤ内から前記剛性中子本体を分離取出す際、前記タイヤ内に配設された剛性中子本体から中子保持機構及び上下支持プレートを取外した後、該タイヤを支持テーブル上の所定位置に移載して位置決め固定し、その後、前記支持テーブルのタイヤ中心下方に待機していた上下一対の中子分離機構を昇降手段を介して上昇させて、上下一対の中子分離機構のうち、下方側に位置する第2の中子分離機構剛性中子本体の高さ中央位置まで上昇させ、この第2の中子分離機構により、一種類目のセグメント群の内壁面中央を保持すると共にタイヤ中心側に水平に引き寄せて、このセグメント群のセグメントを同時にタイヤ内から分離させると共に、上下一対の中子分離機構を昇降手段を介して下降させて、この分離させた一種類目のセグメント群を前記支持テーブルの中心下方の待機位置まで下降させて待機させ、その後、上方側に位置する第1の中子分離機構を剛性中子本体の高さ中央位置まで移動させて第1の中子分離取出し機構により二種類目のセグメント群の内壁面中央を保持してタイヤ中心側に水平に引き寄せて、このセグメント群のセグメントを同時にタイヤ内面から分離させた後、この二種類目のセグメント群を前記第2の中子分離取出し機構により待機位置まで移動させ、前記剛性中子本体が分離されたタイヤを搬送装置により次工程へ搬送することを要旨とするものである。
また、この発明のタイヤ成形用剛性中子の分離取出し装置は、タイヤ成形時の加硫済みのタイヤまたは未加硫のタイヤ内から、周方向に複数に分割された二種類のセグメント群から成る剛性中子本体をセグメントの種類毎に分離して取り出すタイヤ成形用剛性中子の分離取出し装置であって、前記分離取出し装置の支持テーブル上に、前記剛性中子本体及び中子保持機構により内表面を保持されたタイヤを前記支持テーブル上の中心位置まで搬送するスライド可能なスライドテーブルと位置決め手段とを設け、前記支持テーブルの中心軸上に、中子保持機構を取り除いたタイヤ及び剛性中子本体を、中子保持機構と干渉しない位置まで昇降させるクランプ手段を備えた昇降装置を設置し、前記支持テーブルの中心下方に、前記セグメント群の種類毎に縮径させて取り出す一対の昇降かつ水平方向に移動可能な中子分離取出し機構を配設し、前記中子保持機構は、中心軸の両端に、支持部材を介して上下の支持プレートを着脱可能に取付け、かつ上下の支持プレートの周縁部にビードリングを着脱可能に設けたことを要旨とするものである。
ここで、前記一対の中子分離取出し機構は、支持テーブルの中心軸下部に設置した鉛直シリンダーに、第1の中子分離機構と第2の中子分離機構とを上下に所定の間隔を隔てて配設した仕様にすることもできる。
或いは、前記中子分離取出し機構は、前記支持テーブルの中心下方に鉛直シリンダーを鉛直向きに配設すると共に、支持テーブルの下部にガイドレールを配設したスライドテーブルを配設し、このスライドテーブル上に、前記鉛直シリンダーの先端に放射方向に一種類目のセグメント群を保持する複数本の脱着シリンダーを配設した第1保持プレートを着脱可能に取付けるとともに、二種類目のセグメント群を保持する複数本の脱着シリンダーを配設した着脱可能でスライド可能な第2保持プレートを配設した仕様にすることもできる
このように構成することで、加硫済みのタイヤまたは未加硫のタイヤ内から複数に分割されたタイヤ成形用剛性中子の種類毎のセグメント群を同時に、かつ自動的分離させて取り出すことが出来る。
この発明は上記のように構成したので、以下のような優れた効果を奏するものである。(a).成形加硫したタイヤから剛性中子本体を、種類別に分離させて自動的に取出し、搬送させることが出来る。
(b).剛性中子本体を分離させる際、人手を介することなく自動的に行うことが出来るので作業能率を著しく向上させることが出来る。また、分離工程と逆の工程を行うことで、分離した剛性中子本体を組立ることも可能である。
(c).装置全体は、比較的簡単で安価に製造でき、コンパクトに構成することが出来る。
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明のタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法を実施するための分離取出し装置の一部断面にした正面図、図2は図1の平面図、図3は図1の側面図を示し、前記分離取出し装置は、ベースG上に設置された支持テーブル1上にガイドレール1aが配設され、このガイドレール1aに沿って剛性中子本体2及び中子保持機構3により内表面を保持された加硫済みのタイヤWまたは未加硫のタイヤWを前記支持テーブル1上の中心位置X−Xまで搬送するスライド可能なスライドテーブル4が載置され、また支持テーブル1上の中心位置X−Xの周囲には、タイヤWの外周面を保持してセンターリングを行う複数(この実施形態では周方向に所定の間隔で5台設置してあるが台数には限定されない)のタイヤ位置決め手段5が設けてある。
前記支持テーブル1の中心軸X−X上には、中子保持機構3を取り除いたタイヤW及び剛性中子本体2を、中子保持機構3と干渉しない位置まで昇降させるクランプ手段6xを備えた昇降装置6が設置してあり、前記支持テーブル1の中心軸X−Xの下方に、図4に示すように前記剛性中子本体2の扇形セグメント2aと略台形状をした山形状セグメント2bとから成る二種類のセグメント群2A,2Bを種類毎に縮径させて取り出す一対の昇降かつ水平方向に移動可能な中子分離取出し機構7a,7bが配設してある。
前記剛性中子本体2は、図4及び図5に示すように、スチールやアルミニュウム等の金属材料を素材として二種類の扇形セグメント2aと略台形状をした山形状セグメント2bとを周方向に交互に配置した略円筒状で分割構造(この実施形態では5個毎に10分割に構成してあるが、分割数には限定されない)になっており、空気入りタイヤWの製造時には複数の扇形セグメント2aと山形状セグメント2bとを周方向に交互に配置して円筒状にすることで剛性中子本体2を構成する。
またタイヤWの加硫成形後またはタイヤ成形時には、複数の扇形セグメント2aを放射方向に引き抜いて山形状セグメント2bと分離させるもので、前記中子保持機構3は、図5及び図6に示すように中心軸8の両端に、ボルトにより取付けられる4本の支持部材9を介して上下の支持プレート10a,10bを着脱可能に取付け、かつ上下の支持プレート10a,10bの周縁部には、剛性中子本体2の上部開口縁部2xを保持するビードリング11が着脱可能に設けてある。
また、前記クランプ手段6xを備えた昇降装置6は、図1,図3,図7〜図9に示すように、水平な支持テーブル1上に立設した支持フレーム12に、剛性中子本体2を昇降させる昇降シリンダー13を支持テーブル1の中心軸線X−X上に鉛直向きに設置し、前記昇降シリンダー13の昇降ロッドの先端に、前記支持テーブル1と水平な支持プレート14を設けてある。
そして、この支持プレート14に昇降可能に吊設した複数本のガイドロッド15の先端にクランププレート16を平行に配設し、前記クランププレート16上に、剛性中子本体2の分割数に対応した数でクランプシリンダー17を設置し、このクランプシリンダー17のロッド17aの先端に、附勢手段を介して常時開放方向に附勢された連結プレート18を介して前記複数に分割された剛性中子本体2の上部開口縁部2xを外側から支持する押え部材19を備えた昇降可能な押えガイド20と、複数に分割された剛性中子本体2の各上部開口縁部2xの下部側面及び下面をクランプする揺動可能なクランプ機構21とが設けてある。
前記連結プレート18は、クランプシリンダー17のロッド17aの先端に水平に固定されると共に、前記押えガイド20が昇降可能に挿通され、前記押え部材19の上部側面に支持部材22を介して剛性中子本体2の上部開口縁部2xの下部側面及び下面をクランプする旋回可能なクランプ爪23を設け、このクランプ爪23と前記連結プレート18に設けたロック手段24とをリンク25を介して回転可能に連結してある。
また、前記連結プレート18の附勢手段は、連結プレート18と前記支持部材22との間に介在させたコイルスプリング等の弾性部材26で構成してある。
また、前記ロック手段24が、連結プレート18の下部に吊設した当接プレート27と、クランプ爪23の背面に形成されたロック爪28とにより構成してある。
前記支持テーブル1の中心下方に配設した一対の中子分離取出し機構7a,7bは、図1及び図3に示すように、支持テーブル1の中心軸線X−Xの下部に吊設された水平なプレート30上に載置され、この一対の中子分離取出し機構7a,7bは、プレート30に吊設された鉛直シリンダー31を介して前記支持テーブル1上まで昇降するように構成されている。
即ち、前記プレート30は支持ロッド32を介して支持テーブル1の下部に水平に吊設され、このプレート30に前記鉛直シリンダー31が鉛直向きに吊設され、またプレート30上には、支持台33上に設けたガイドレール34に沿って水平方向にスライド可能なスライドテーブル35が載置され、更にスライドテーブル35上には、前記鉛直シリンダー31のロッド31aが挿通可能な支持部材36を介して前記第1の中子分離機構7aを設置した第1保持プレート37と、第2の中子分離機構7bを設置した第2保持プレート38とが所定の間隔を隔てて載置されている。
前記第1保持プレート37及び第2保持プレート38の表面側には、図10〜図12に示すように複数に分割された二種類のセグメント群2A,2Bをそれぞれクランプまたはアンクランプする複数本(この実施形態では剛性中子本体2の二種類の扇形セグメント2aと略台形状をした山形状セグメント2bとの数に合わせて各5本)の脱着シリンダー39が放射状に配設され、この脱着シリンダー39の先端にはセグメント群2A(扇形セグメント2a×5)またはセグメント群2B(山形状セグメント2b×5)の内壁面中央に設けた凹状の係合部40(図5参照)に脱着可能な略T字状の係合部材41が設けてある。また前記第1保持プレート37及び第2保持プレート38の裏面側には、脱着シリンダー39のガイドロッド42が放射状に配設されている。
そして、前記係合部材41は脱着シリンダー39により進退すると共に、前記鉛直シリンダー31の伸縮作動によりセグメント群2A,2Bの内周面に形成した凹状の係合部40に係合してセグメント群2Aまたは2Bを中心側に引き寄せるように構成したものである。
前記タイヤWの外周面を保持してセンターリングを行う複数のタイヤ位置決め手段5は、図2に示すように、支持テーブル1上の中心位置X−Xの周囲の5ヵ所に、ロックシリンダー43が配設され、このロックシリンダー43のロッドの先端にクランク状のアーム44を介して剛性中子本体2が収容されたタイヤWの外周面の5ヵ所をロックするロックアーム45が連結されている。
そして、ロックシリンダー43を収縮作動させると、支点Oを中心としてクランク状のアーム44は時計方向に旋回し、これによりロックアーム45の先端がタイヤWの外周面の5ヵ所をクランプして位置決めし、またロックシリンダー43を収縮作動させると、クランク状のアーム44は支点Oを中心として反時計方向に旋回し、これによりロックアーム45の先端はタイヤWの外周面から離れてロック状態が解除される。
次に、図14〜図23を参照しながらタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法について説明する。
先ず、図14に示す第1工程では、タイヤ成形時に二種類のセグメント群2A,2Bから成る剛性中子本体2の外周面に形成された加硫済みのタイヤW、または未加硫のタイヤWを中子保持機構3と共に図示しない搬送装置により支持テーブル1の第1ステージS1上まで搬送して所定位置にセットする。
そして、支持テーブル1の第1ステージS1上で、図15に示すように中子保持機構3の上部に固定されていた支持部材9上の支持プレート10a及びビードリング11をナットを外して剛性中子本体2及びタイヤWを中子保持機構3からフリーの状態にする。そして、支持部材9上の支持プレート10b及び中子保持機構3により保持されているタイヤW及び剛性中子本体2を支持テーブル1の第2ステージS2の中心位置X−Xまでガイドレール1aに沿って移動させる。
前記中子保持機構3により保持されているタイヤW及び剛性中子本体2が第2ステージS2の中心線X−X位置まで移動して停止すると、第2ステージS2の中心線X−X位置に待機していた昇降装置6が下降してクランプ手段6xにより剛性中子本体2の上部開口縁部2xをクランプし、上昇させて剛性中子本体2及びタイヤを中子保持機構3から引き上げる(図16の中心線より左側の図)。
クランプ手段6xにより剛性中子本体2の上部開口縁部2xをクランプする操作は、上述した図7〜図9に示すように、昇降装置6により所定位置まで下降したクランプ手段6xに対して、クランプシリンダー17を伸張作動させると、図8に示すように最初に押え部材19が剛性中子本体2の上部開口縁部2xに外側から当接し、次いでクランプ爪23が剛性中子本体2の上部開口縁部2xの内側から旋回して図9に示すように下部側面と下面とをクランプする。
そして、クランプ手段6xにより剛性中子本体2の上部開口縁部2xをクランプし、中子保持機構3から剛性中子本体2及びタイヤWを分離させた状態で上方へ引き上げ、この状態で中子保持機構3のみを支持テーブル1の第1ステージS1上まで戻し、また吊り上げていた剛性中子本体2とタイヤWとを昇降装置6及びクランプ手段6xを介して第2ステージS2の中心位置X−X上に載置させる(図17及び図18参照)。
前記タイヤW内から前記剛性中子本体2を分離取出す際には、図18に示すように、前記第2ステージS2の中心位置X−Xの外周に配設された複数(この実施形態では5個)のタイヤ位置決め手段5によりタイヤWをセンターリングすると共に、タイヤ外周面の5箇所を把持して位置決め固定する。具体的には、図2に示すようにロックシリンダー43を収縮作動させて、支点Oを中心としてクランク状のアーム44を時計方向に旋回させ、これによりロックアーム45の先端がタイヤWの外周面の5ヵ所をクランプして位置決めを行うものである。
そして、このような状態から図19に示すように、前記支持テーブル1のタイヤ中心下方に待機していた第1の中子分離機構7aを鉛直シリンダー31を伸張作動させて剛性中子本体2の内側で、かつ高さ位置の中心Y−Yより若干下部まで上昇させる。そして、第1保持プレート37上に放射状に配設された脱着シリンダー39を伸張作動させて脱着シリンダー39の先端に設けたT字状の係合部材41を剛性中子本体2のセグメント群2B(山形状セグメント2b×5)の内壁面中央に設けた凹状の係合部40の下部側に位置させ、この状態で鉛直シリンダー31により第1保持プレート37を上昇させることにより、T字状の係合部材41を凹状の係合部40に係合させる。
この状態で、前記脱着シリンダー39を収縮作動させるとセグメント群2B(山形状セグメント2b×5)が同時に第2ステージS2の中心位置X−X側に引き寄せられ、タイヤWの内径部より内側の干渉しない位置まで移動する(図19参照)。そして、このセグメント群2B(山形状セグメント2b×5)は、第1保持プレート37上の第1の中子分離機構7aに保持された状態で前記鉛直シリンダー31を収縮作動させて、前記プレート35上まで下降させる(図20参照)。
この状態で、第1保持プレート37上の第1の中子分離機構7aに保持されたセグメント群2Bをシリンダー等を介して前記スライドテーブル35の待機位置T1まで移動させると共に、第2の中子分離機構7bを第2ステージS2の中心位置X−Xの下方位置まで移動させる(図21参照)。
そして、上記の第1の中子分離機構7aと同様に、鉛直シリンダー31を伸張作動させて剛性中子本体2の内側で、かつ高さ位置の中心Y−Yより若干下部まで上昇させ、そして、第2保持プレート38上に放射状に配設された脱着シリンダー39を伸張作動させて脱着シリンダー39の先端に設けたT字状の係合部材41を剛性中子本体2のセグメント群2A(扇形セグメント2a×5)の内壁面中央に設けた凹状の係合部40の下部側に位置させ、この状態で鉛直シリンダー31により第2保持プレート38を上昇させることにより、T字状の係合部材41を凹状の係合部40に係合させる。
この状態で、前記脱着シリンダー39を収縮作動させるとセグメント群2A(扇形セグメント2a×5)が同時に第2ステージS2の中心位置X−X側に引き寄せられ、タイヤWの内径部より内側の干渉しない位置まで移動し(図22参照)、タイヤW内から剛性中子本体2のセグメント群2A及びセグメント群2Bを完全に分離取り出したら、図23に示すように、剛性中子本体2の外側からタイヤWを抜き取って、図示しない搬送装置により次工程へ搬送させるものである。
また、上記のように分離分割された剛性中子本体2のセグメント群2Aとセグメント群2Bとを組付ける場合には、上記と逆の動作をさせることでセグメント群2Aとセグメント群2Bとを容易に組立ることが可能となる。即ち、セグメント群2B(扇形セグメント2a×5)を脱着シリンダー39を介して放射方向に移動させて円形状に配設すると共に、前記スライドテーブル35の待機位置T1に待機しているセグメント群2A(山形状セグメント2b×5)を第2ステージS2の中心位置X−Xの下方に移動させ、更に鉛直シリンダー31により上昇させ、脱着シリンダー39によりセグメント群2Aを保持した状態で伸張作動させることにより、セグメント群2B間にセグメント群2Aを配置させて円筒状の剛性中子本体2を組上げる。
次に、図24〜図29は、一対の中子分離取出し機構7a,7bの第2実施形態を示し、この実施形態は、支持テーブル1の中心位置X−Xの下方に設置した鉛直シリンダー31のロッド31aに、第1の中子分離機構7aと第2の中子分離機構7bとを所定の間隔を隔てて配設し、この第1の中子分離機構7a及び第2の中子分離機構7bの第1保持プレート37と第2保持プレート38とに複数本(この実施形態ではセグメント群2A及びセグメント群2Bに対応させて5本毎)の脱着シリンダー39を放射状に配設してある。
そして、この実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法は、上記の第1実施形態と同様に、支持テーブル1上の第1ステージS1上において前記タイヤW内に配設された剛性中子本体2から中子保持機構3及び上下の支持プレート10a,10bを支持部材9から取外した後(図24参照)、該タイヤW及び剛性中子本体2を支持テーブル1上の第2ステージS2の中心位置X−X上にスライドさせて位置決めする。
この状態で、第2ステージS2の中心位置X−X上に待機していたが昇降装置6が下降してクランプ手段6xにより剛性中子本体2の上部開口縁部2xをクランプし、上昇させて剛性中子本体2及びタイヤを中子保持機構3から引き上げる。クランプ手段6xにより剛性中子本体2の上部開口縁部2xをクランプする操作は、上述した図7〜図9に示すように、昇降装置6により所定位置まで下降したクランプ手段6xに対して、クランプシリンダー17を伸張作動させると、図8に示すように最初に押え部材19が剛性中子本体2の上部開口縁部2xに外側から当接し、次いでクランプ爪23が剛性中子本体2の上部開口縁部2xの内側から旋回して図9に示すように下部側面と下面とをクランプする。
そして、クランプ手段6xにより剛性中子本体2の上部開口縁部2xをクランプし、中子保持機構3から剛性中子本体2及びタイヤWを分離させた状態で上方へ引き上げ、この状態で中子保持機構3のみを支持テーブル1の第1ステージS1上まで戻し、また吊り上げていた剛性中子本体2とタイヤWとを昇降装置6及びクランプ手段6xを介して第2ステージS2の中心位置X−X上に載置させる(図25参照)。
前記タイヤW内から前記剛性中子本体2を分離取出す際には、第1実施形態と同様に前記第2ステージS2の中心位置X−Xの外周に配設された複数(この実施形態では5個)のタイヤ位置決め手段5によりタイヤWをセンターリングすると共に、タイヤ外周面の5箇所を把持して位置決め固定する。
そして、図26に示すように、タイヤ中心下方に待機していた上下一対の中子分離機構機構7a,7bのうち、下方側に位置する第2の中子分離機構7bを昇降手段である鉛直シリンダー31を伸張作動させて剛性中子本体2の内側で、かつ高さ位置の中心Y−Yより若干下部まで上昇させ、第2保持プレート38上に放射状に配設された脱着シリンダー39を伸張作動させて脱着シリンダー39の先端に設けたT字状の係合部材41を剛性中子本体2のセグメント群2B(山形状セグメント2b×5)の内壁面中央に設けた凹状の係合部40の下部側に位置させ、この状態で鉛直シリンダー31により第2保持プレート38を上昇させることにより、T字状の係合部材41を凹状の係合部40に係合させる。
この状態で、前記脱着シリンダー39を収縮作動させるとセグメント群2B(山形状セグメント2b×5)が同時に第2ステージS2の中心位置X−X側に引き寄せられ、タイヤWの内径部より内側の干渉しない位置まで移動する。そして、このセグメント群2B(山形状セグメント2b×5)は、第2保持プレート38上の第2の中子分離機構7bに保持された状態で前記鉛直シリンダー31を収縮作動させて、前記プレート30上まで下降させる(図27参照)。
次に、上記の第2の中子分離機構7bと同様に、鉛直シリンダー31を伸張作動させて第1の中子分離機構7aを剛性中子本体2の内側で、かつ高さ位置の中心Y−Yより若干下部まで上昇させ、そして、第1保持プレート37上に放射状に配設された脱着シリンダー39を伸張作動させて脱着シリンダー39の先端に設けたT字状の係合部材41を剛性中子本体2のセグメント群2A(扇形セグメント2a×5)の内壁面中央に設けた凹状の係合部40の下部側に位置させ、この状態で鉛直シリンダー31により第1保持プレート37を上昇させることにより、T字状の係合部材41を凹状の係合部40に係合させる。
この状態で、前記脱着シリンダー39を収縮作動させるとセグメント群2A(扇形セグメント2a×5)が同時に第2ステージS2の中心位置X−X側に引き寄せられ、タイヤWの内径部より内側の干渉しない位置まで移動し(図28参照)、タイヤW内から剛性中子本体2のセグメント群2A及びセグメント群2Bを完全に分離取り出したら、図29に示すように、鉛直シリンダー31を収縮作動させて剛性中子本体2のセグメント群2A(扇形セグメント2a×5)を支持テーブル1から下方に下降させると共に剛性中子本体2が抜き取られたタイヤWは、図示しない搬送装置により次工程へ搬送させるものである。
また、上記の逆の工程を行うことにより分割した剛性中子本体を円筒状に組立ることも可能である。なお、上記の実施形態において、中子分離機構を増加させることにより、2分割群以上の剛性中子本体に対しても対応させることが可能である。
以上のように、この発明の実施形態では、加硫済みのタイヤWまたは未加硫のタイヤWから剛性中子本体2を、種類別に分離させて自動的に取出し、搬送させることが出来、特に剛性中子本体2を分離させる際、人手を介することなく自動的に行うことが出来るので作業能率を著しく向上させることが出来る。また、分離工程と逆の工程を行うことで、分離した剛性中子本体を組立ることも可能であり、更に装置全体は、比較的簡単で安価に製造でき、コンパクトに構成することが出来るものである。
この発明のタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法を実施するための分離取出し装置の一部断面にした正面図である。 図1の平面図である。 図1の側面図である。 2種類のセグメント群から成る剛性中子本体の平面図である。 中子保持機構に保持された剛性中子本体とタイヤとの断面図である。 図5のC−C矢視平面図である。 剛性中子本体の上部開口縁部をクランプするクランプ手段を備えた昇降装置の拡大断面図である。 図7のクランプ手段の作動状態の説明図である。 図7のクランプ手段の作動状態の説明図である。 中子分離機構の第1保持プレートの拡大平面図である。 図10のD−D矢視側面図である。 図11のE−E矢視側面図である。 中子分離機構の第1保持プレートの拡大底面図である。 この発明の第1実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第1工程の説明図である。 この発明の第1実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第2工程の説明図である。 この発明の第1実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第3工程の説明図である。 この発明の第1実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第4工程の説明図である。 この発明の第1実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第5工程の説明図である。 この発明の第1実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第6工程の説明図である。 この発明の第1実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第7工程の説明図である。 この発明の第1実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第8工程の説明図である。 この発明の第1実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第9工程の説明図である。 この発明の第1実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第10工程の説明図である。 この発明の第2実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第1工程の説明図である。 この発明の第2実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第2工程の説明図である。 この発明の第2実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第3工程の説明図である。 この発明の第2実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第4工程の説明図である。 この発明の第2実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第5工程の説明図である。 この発明の第2実施形態におけるタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法の第5工程の説明図である。
符号の説明
1 支持テーブル 1a ガイドレール
2 剛性中子本体 3 中子保持機構
2a 扇形セグメント 2b 山形状セグメント
2A,2B セグメント群 2x 上部開口縁部
W タイヤ G ベース
X−X 中心位置 4 スライドテーブル
5 タイヤ位置決め手段 6 昇降装置
6x クランプ手段 7a,7b 中子分離取出し機構
8 中心軸 9 支持部材
10a,10b 支持プレート 11 ビードリング
12 支持フレーム 13 昇降シリンダー
14 支持プレート 15 ガイドロッド
16 クランププレート 17 クランプシリンダー
17a ロッド 18 連結プレート
19 押え部材 20 押えガイド
21 クランプ機構 22 支持部材
23 クランプ爪 24 ロック手段
25 リンク機構 26 弾性部材
27 当接プレート 28 ロック爪
30 水平なプレート 31 鉛直シリンダー
31a ロッド
32 支持ロッド 33 支持台
34 ガイドレール 35 スライドテーブル
36 支持部材 37 第1保持プレート
38 第2保持プレート 39 脱着シリンダー
40 係合部 41 係合部材
42 ガイドロッド 43 ロックシリンダー
44 アーム 45 ロックアーム
O 支点

Claims (5)

  1. タイヤ成形時の加硫済みのタイヤまたは未加硫のタイヤ内から、周方向に複数に分割された二種類のセグメント群から成る剛性中子本体をセグメントの種類毎に分離して取り出すタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法であって、
    前記タイヤ内から前記剛性中子本体を分離取出す際、前記タイヤ内に配設された剛性中子本体から中子保持機構及び上下支持プレートを取外した後、該タイヤを支持テーブル上の所定位置に移載して位置決め固定し、その後、前記支持テーブルのタイヤ中心下方に待機していた第1の中子分離機構を上昇させて、一種類目のセグメント群の内壁面中央を保持すると共にタイヤ中心側に水平に引き寄せて、このセグメント群のセグメントを同時にタイヤ内から分離させると共に、この分離させた一種類目のセグメント群を前記支持テーブルの中心下方の待機位置まで下降させて待機させ、次いで別の待機位置に待機していた第2の中子分離取出し機構を剛性中子本体の高さ中央位置まで上昇させると共に二種類目のセグメント群の内壁面中央を保持してタイヤ中心側に水平に引き寄せて、このセグメント群のセグメントを同時にタイヤ内面から分離させ、その後、この二種類目のセグメント群を前記第2の中子分離取出し機構により待機位置まで移動させ、前記剛性中子本体が分離されたタイヤを搬送装置により次工程へ搬送することを特徴とするタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法。
  2. タイヤ成形時の加硫済みのタイヤまたは未加硫のタイヤ内から、周方向に複数に分割された二種類のセグメント群から成る剛性中子本体をセグメントの種類毎に分離して取り出すタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法であって、
    前記タイヤ内から前記剛性中子本体を分離取出す際、前記タイヤ内に配設された剛性中子本体から中子保持機構及び上下支持プレートを取外した後、該タイヤを支持テーブル上の所定位置に移載して位置決め固定し、その後、前記支持テーブルのタイヤ中心下方に待機していた上下一対の中子分離機構を昇降手段を介して上昇させて、上下一対の中子分離機構のうち、下方側に位置する第2の中子分離機構剛性中子本体の高さ中央位置まで上昇させ、この第2の中子分離機構により、一種類目のセグメント群の内壁面中央を保持すると共にタイヤ中心側に水平に引き寄せて、このセグメント群のセグメントを同時にタイヤ内から分離させると共に、上下一対の中子分離機構を昇降手段を介して下降させて、この分離させた一種類目のセグメント群を前記支持テーブルの中心下方の待機位置まで下降させて待機させ、その後、上方側に位置する第1の中子分離機構を剛性中子本体の高さ中央位置まで移動させて第1の中子分離取出し機構により二種類目のセグメント群の内壁面中央を保持してタイヤ中心側に水平に引き寄せて、このセグメント群のセグメントを同時にタイヤ内面から分離させた後、この二種類目のセグメント群を前記第2の中子分離取出し機構により待機位置まで移動させ、前記剛性中子本体が分離されたタイヤを搬送装置により次工程へ搬送することを特徴とするタイヤ成形用剛性中子の分離取出し方法。
  3. タイヤ成形時の加硫済みのタイヤまたは未加硫のタイヤ内から、周方向に複数に分割された二種類のセグメント群から成る剛性中子本体をセグメントの種類毎に分離して取り出すタイヤ成形用剛性中子の分離取出し装置であって、
    前記分離取出し装置の支持テーブル上に、前記剛性中子本体及び中子保持機構により内表面を保持されたタイヤを前記支持テーブル上の中心位置まで搬送するスライド可能なスライドテーブルと位置決め手段とを設け、前記支持テーブルの中心軸上に、中子保持機構を取り除いたタイヤ及び剛性中子本体を、中子保持機構と干渉しない位置まで昇降させるクランプ手段を備えた昇降装置を設置し、前記支持テーブルの中心下方に、前記セグメント群の種類毎に縮径させて取り出す一対の昇降かつ水平方向に移動可能な中子分離取出し機構を配設し、前記中子保持機構は、中心軸の両端に、支持部材を介して上下の支持プレートを着脱可能に取付け、かつ上下の支持プレートの周縁部にビードリングを着脱可能に設けたことを特徴とするタイヤ成形用剛性中子の分離取出し装置。
  4. 前記一対の中子分離取出し機構は、支持テーブルの中心軸下部に設置した鉛直シリンダーに、第1の中子分離機構と第2の中子分離機構とを上下に所定の間隔を隔てて配設した請求項3に記載のタイヤ成形用剛性中子の分離取出し装置。
  5. 前記中子分離取出し機構は、前記支持テーブルの中心下方に鉛直シリンダーを鉛直向きに配設すると共に、支持テーブルの下部にガイドレールを配設したスライドテーブルを配設し、このスライドテーブル上に、前記鉛直シリンダーの先端に放射方向に一種類目のセグメント群を保持する複数本の脱着シリンダーを配設した第1保持プレートを着脱可能に取付けるとともに、二種類目のセグメント群を保持する複数本の脱着シリンダーを配設した着脱可能でスライド可能な第2保持プレートを配設した請求項3に記載のタイヤ成形用剛性中子の分離取出し装置。
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