JP3751128B2 - タイヤ製造用内型の取外し装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤ製造用内型を加硫済み空気入りタイヤから取外す取外し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高性能の空気入りタイヤを高能率かつ安価に製造するために、剛体で構成された略ドーナツ状のタイヤ製造用内型の周囲にゴム引きコードを編み上げ、その後、該ゴム引きコード層(カーカス層)の半径方向外側に螺旋状にゴム引きコードを巻き付けてベルト層を構成し、さらに、カーカス、ベルト層の外側に帯状の生ゴム(トレッドゴム)を巻き付けて生タイヤを成形し、その後、該生タイヤが装着された内型をそのまま加硫モールド(タイヤ製造用外型)内に搬入収納して加硫する方法が提案された。
【0003】
ここで、このようなタイヤ製造用内型の芯体は、加硫後、分解しながら空気入りタイヤ内から取り出さなければならないため、特公平6ー28863号公報に記載されているように、半径方向内側に移動可能な(後退自在な)型セグメントを複数個周方向に密着状態で並べることにより構成しているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報にはこれらタイヤ製造用内型を加硫済み空気入りタイヤから取外すための具体的な装置は提案されておらず、また、他公報にも具体的な装置は提案されていないのである。
【0005】
この発明は、加硫済み空気入りタイヤからタイヤ製造用内型を高能率で取外すことができる構造簡単な取外し装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、加硫済み空気入りタイヤのタイヤ内室に収納され、複数個の型セグメントを周方向に密着状態で並べることにより構成された略ドーナツ状の芯体と、これら芯体の型セグメント同士を連結する連結部材とからなるタイヤ製造用内型を該空気入りタイヤから取外すタイヤ製造用内型の取外し装置であって、支持部材に取り付けられ、各型セグメントの半径方向内端部を把持することができる把持手段と、前記支持部材を空気入りタイヤのタイヤ赤道面と平行な面内で移動させる第1移動手段と、前記支持部材を空気入りタイヤの軸方向に移動させる第2移動手段とを有し、連結部材が取外された芯体の型セグメントを把持手段によって把持した後、第1移動手段により支持部材、把持手段、型セグメントを前記面内で空気入りタイヤの半径方向内側に移動させて型セグメントをタイヤ内室から抜き出し、その後、第2移動手段により支持部材、把持手段、型セグメントを空気入りタイヤの軸方向に移動させて型セグメントを空気入りタイヤから取り出す作業を、繰り返し行うことで型セグメントを次々と取外すことにより達成することができる。
【0007】
加硫済み空気入りタイヤのタイヤ内室内に収納されているタイヤ製造用内型を該空気入りタイヤから取外す場合には、まず、連結部材を芯体から取外すが、このような連結部材の取外しは、例えば、請求項2に記載した解除手段を用いる。次に、第2移動手段により支持部材、把持手段を軸方向に移動させて空気入りタイヤ内に挿入した後、該把持手段によりいずれかの型セグメントの半径方向内端部を把持する。次に、第1移動手段により支持部材、把持手段、型セグメントをタイヤ赤道面に平行な面内で空気入りタイヤの半径方向内側に移動させ、該型セグメントをタイヤ内室から抜き出す。次に、第2移動手段により型セグメントを把持している把持手段を空気入りタイヤの軸方向に移動させて、該型セグメントを空気入りタイヤから取り出す。そして、このような作業を繰り返し行い、空気入りタイヤのタイヤ内室から型セグメントを次々と取外す。このように支持部材、把持手段を移動させる第1、第2移動手段を設けるだけでよいため、構造が簡単となり、しかも、これら支持部材、把持手段を空気入りタイヤの半径方向、軸方向の2方向に移動させるだけで型セグメントを取外すことができるため、迅速に作業を行うことができて能率が向上する。
【0008】
また、請求項2に記載のように構成すれば、連結部材の芯体からの取外し、芯体を構成する型セグメントの取出し作業を連続して行うことができ、しかも、この際、把持手段、解除手段の切り替えは支持アームを回転させるだけで行うことができるため、作業能率が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、11は四角枠状のフレームであり、このフレーム11の下部には前後方向に延び該フレーム11を貫通している搬送コンベア12が設けられている。この搬送コンベア12上にはタイヤ製造用内型13がタイヤ内室14内に収納されている加硫済み空気入りタイヤTが横置きで載置され、この空気入りタイヤTは図示していない駆動モータ等の駆動機構により搬送コンベア12が駆動され間欠的に走行することで前方に搬送される。
【0010】
図2、3において、前記タイヤ製造用内型13はドーナツ状の芯体17を有し、この芯体17の周囲に前述のようにゴム引きコード、帯状ゴムが編み上げられ、巻き付けられることで生タイヤが成形され、その後、該生タイヤが芯体17とともに加硫モールド(タイヤ製造用外型)内に収納され加硫されることで、加硫済み空気入りタイヤTが製造される。前記芯体17は弧状をした複数個、ここでは10個の型セグメント18を周方向に密着した状態で並べることにより構成しているが、これら型セグメント18は半径方向外側に向かうに従い周方向長さが長くなる扇形セグメント18aと、半径方向外側に向かうに従い周方向長さが徐々に短くなる山形セグメント18bとの2種類のセグメントからなり、これらセグメント18a、bは周方向に交互に配置されている。前記山形セグメント18bの周方向両端面にはそれぞれ四角柱状の合わせ突起19が設けられ、一方、扇形セグメント18aの周方向両端面には前記合わせ突起19が挿入される合わせ凹み20が設けられ、該合わせ凹み20は扇形セグメント18aの内面まで半径方向内側に延びている。21は各型セグメント18の半径方向内端部に設けられたタブであり、このタブ21を後述する把持手段により把持しながら型セグメント18を移動させることにより、芯体17の分解、組立を行う。
【0011】
各型セグメント18の内部には周方向に延びる貫通室23が形成され、これらの貫通室23は、型セグメント18が周方向に密着した状態で並べられているときには、互いに連通して芯体17の内部に設けられた連続リング状の加硫室24を構成する。25、26はいずれかの山形セグメント18bの半径方向内端部に近接して設けられ、図示していない加硫媒体源および排出源にそれぞれ接続された供給通路および排出通路であり、この供給通路25を通じて加硫媒体が加硫室24に供給され、一方、排出通路26を通じて加硫室24内の加硫媒体が排出される。各型セグメント18の貫通室23には外縁が型セグメント18の内面に連結された補強リブ27が設けられ、これらの補強リブ27には加硫媒体の周方向の流れを許容する1個以上、ここでは2個の貫通孔28が形成されている。また、各型セグメント18の半径方向内端部でその一側面には円周方向に延びる弧状溝29が、一方、その他側面にも円周方向に延びる弧状溝30が形成されており、これらの弧状溝29、30は、芯体17が組立てられたとき、連続して芯体17の一側面、他側面にそれぞれ形成された環状溝31、32を構成する。
【0012】
36は円筒状のスリーブであり、このスリーブ36の軸方向一端部外側には一側リング体37が回転可能に支持され、この一側リング体37はフランジ38と止めリング39とにより両側から挟持されることで抜け止めされている。この一側リング体37の軸方向一端部には環状突起41を有する外方フランジ40が形成され、この環状突起41が前記環状溝31に挿入されることで、一側リング体37は芯体17の一側に係止される。前述したスリーブ36、一側リング体37は全体として、芯体17の一側に係止される略円筒状の主締結体42を構成し、この主締結体42のスリーブ36は芯体17の中心空間に同軸関係を保持しながら一側から挿入される。
【0013】
46は略リング状をした副締結体としての他側リング体であり、この他側リング体46の軸方向他端部には環状突起48を有する外方フランジ47が形成されている。また、この他側リング体46の内周にはめねじ49が形成されているが、このめねじ49に前記スリーブ36の軸方向他端部外周に形成されたおねじ50が螺合することで、他側リング体46は主締結体42、詳しくはスリーブ36に取外し可能に締結される。そして、このように他側リング体46が主締結体42に締結されたとき、他側リング体46の環状突起48が芯体17の環状溝32に挿入され、これにより、他側リング体46は芯体17の他側に係止される。前述した主締結体42、他側リング体46は全体として、芯体17の型セグメント18同士を連結する連結部材45を構成し、また、この連結部材45および芯体17は全体として前記タイヤ製造用内型13を構成する。
【0014】
図1、4、5において、51は前後方向に延びる水平な可動ビームであり、この可動ビーム51の前、後端部はフレーム11の上端に支持されている。そして、この可動ビーム51は図示していない駆動モータ等の駆動機構に駆動されて水平面内で前後方向と直交する方向、即ち左右方向に移動する。52は前記可動ビーム51に支持された可動台であり、この可動台52は図示していない駆動モータ等の駆動機構に駆動されることで可動ビーム51に沿って前後方向に水平面内で移動する。この可動台52には上下方向に延びる昇降ロッド53が挿入され、この昇降ロッド53は図示していないシリンダ等の駆動機構に駆動されて昇降する。この昇降ロッド53の下端には駆動モータ、ロータリーアクチュエータ等からなる旋回手段54が取り付けられ、この旋回手段54の出力軸には支持部材としての支持アーム55の長手方向中央が連結されている。この支持アーム55は横置きで載置されている空気入りタイヤTのタイヤ赤道面と平行な面内、ここでは水平面内で直線状に延びている。そして、前記旋回手段54が作動すると、支持アーム55はその長手方向中央を旋回中心として前記面内(水平面内)で旋回する。
【0015】
この支持アーム55の一端部には駆動モータ、ロータリーアクチュエータ等からなる回動機構56が取り付けられ、この回動機構56の出力軸には把持手段58が取り付けられている。この把持手段58は図示していない駆動モータ、リンク等により開閉する一対の把持爪57を有し、これらの把持爪57は、閉止したとき、各型セグメント18のタブ21を把持することができる。一方、支持アーム55の他端部には駆動モータ、ロータリーアクチュエータ等からなる回転機構59が取り付けられ、この回転機構59の出力軸に固定された回転ブロック60には周方向に離れた複数個の爪61が支持され、これらの爪61は全体として円筒状を呈するとともに、図示していない拡縮機構から半径方向の移動力を受けて拡縮する。前述した回転機構59、回転ブロック60、爪61、拡縮機構は全体として、前記連結部材45を芯体17から取外して型セグメント18同士の連結を解除する解除手段62を構成する。また、前記可動ビーム51、可動台52、駆動機構は全体として、前記支持アーム55、把持手段58、解除手段62を、空気入りタイヤTのタイヤ赤道面と平行な面内、ここでは水平面内で移動させる第1移動手段63を構成し、また、前記昇降ロッド53、駆動機構は全体として、支持アーム55、把持手段58、解除手段62を空気入りタイヤTの軸方向に移動させる第2移動手段64を構成する。そして、前記支持アーム55、把持手段58、解除手段62、第1移動手段63、第2移動手段64は全体として取外し装置65を構成する。
【0016】
Bは搬送コンベア12上に位置する分解ステーションであり、この分解ステーションBまで空気入りタイヤTが搬送されてくると、前記搬送コンベア12は、タイヤ製造用内型13が空気入りタイヤTから取外される間だけ、空気入りタイヤTの搬送を一時停止する。67は左右方向および上下方向に移動可能な把持固定手段であり、この把持固定手段67は周方向に離れた複数の固定部材68を有する。そして、この把持固定手段67は、前述のように空気入りタイヤTが分解ステーションBまで搬送されてきたとき、該分解ステーションBまで移動して、空気入りタイヤTのトレッド部を固定部材68により外側から把持し、空気入りタイヤTを分解ステーションBに固定する。
【0017】
図1、6、7において、前記分解ステーションBの側方にはタイヤ製造用内型13の組立てを行う組立ステーションKが設置され、この組立ステーションKには組立手段71が設けられている。この組立手段71はリング状のベース72を有し、このベース72上には周方向に離れた複数、ここでは型セグメント18と同数の弧状をした支持台73が摺動可能に支持されている。これらの支持台73は前記型セグメント18と同様に周方向に交互に配置された扇形支持セグメント73aおよび山形支持セグメント73bの2種類のセグメントからなり、これら扇形、山形支持セグメント73a、bの上面には前記扇形セグメント18a、山形セグメント18bがそれぞれ載置される載置凹みが形成されている。74は各支持台73より半径方向外側のベース72上面に取り付けられた複数のシリンダであり、これらのシリンダ74のピストンロッド75の先端は前記支持台73に連結されている。そして、各支持台73上に対応する型セグメント18が載置されているとき、シリンダ74が作動してピストンロッド75が突出すると、支持台73は同期して半径方向内側に移動し、型セグメント18を互いに接近させて密着させる。76はベース72の中央部に配置された円板状の支持プレートであり、この支持プレート76は上下方向に延びるシリンダのピストンロッド77の上端に連結されている。そして、この支持プレート76上には他側リング体46が載置される。前述したベース72、支持台73、シリンダ74、支持プレート76、シリンダは全体として前記組立手段71を構成する。なお、この組立ステーションKには種類(例えばサイズ)の異なったタイヤ製造用内型を組立てる組立手段を複数台設置するようにしてもよい。
【0018】
前記組立ステーションKの後方には前後方向に延びる搬送コンベア81が設置され、この搬送コンベア81は図示していない駆動モータ等の駆動機構により駆動され、前記組立ステーションKにおいて組立てられたタイヤ製造用内型13を後方に向かって搬送する。また、前記組立ステーションKの側方には予備ステーションYが設置され、この予備ステーションYには組立が終了している予備のタイヤ製造用内型13が保管されている。
【0019】
次に、この発明の一実施形態の作用について説明する。
今、搬送コンベア12が走行し、タイヤ製造用内型13がタイヤ内室14内に収納されている横置きの加硫済み空気入りタイヤTが前方に向かって搬送されているとする。ここで、前記加硫済み空気入りタイヤTは、タイヤ製造用内型13の芯体17の周囲にゴム引きコード、帯状ゴムを編み上げ、巻き付けて生タイヤを成形し、該生タイヤを芯体17とともに加硫モールド(タイヤ製造用外型)内に収納し加硫することで製造したものである。そして、前記空気入りタイヤTが分解ステーションBまで到達して搬送コンベア12の搬送が一時停止すると、把持固定手段67が該分解ステーションBにおける空気入りタイヤTの周囲まで移動するとともに、固定部材68が空気入りタイヤTのトレッド部を外側から把持し、該空気入りタイヤTを分解ステーションBに固定する。
【0020】
次に、可動ビーム51がフレーム11上を左右方向に移動するとともに、可動台52が可動ビーム51に沿って前後方向に移動し、解除手段62が分解ステーションBにおける空気入りタイヤT(スリーブ36)の回転軸上まで搬送される。次に、昇降ロッド53、解除手段62を下降させて該解除手段62をスリーブ36内に挿入した後、爪61を同期して半径方向外側に移動させ、これら爪61によりスリーブ36を内側から把持する。この状態で回転機構59を作動し、回転ブロック60、爪61をおねじ50とめねじ49との螺合が外れる方向に回転させ、スリーブ36を含む主締結体42を他側リング体46から外す。このとき、解除手段62は若干上昇するが、この上昇は昇降ロッド53が上昇することで吸収する。
【0021】
次に、昇降ロッド53を上昇させて主締結体42を把持している解除手段62を芯体17、空気入りタイヤTから退避させた後、可動ビーム51、可動台52を移動させて解除手段62を組立ステーションKの組立手段71の直上まで搬送する。このとき、前記組立手段71の支持台73上には前回の取外し装置65の作業によって対応する型セグメント18が互いに密着した状態で載置され、また、支持プレート76上には環状突起48が芯体17の環状溝32内に挿入されている他側リング体46が載置されている。次に、昇降ロッド53、解除手段62を下降させて主締結体42を型セグメント18(芯体17)の中心空間内に挿入した後、回転機構59を作動させて主締結体42を回転させ、スリーブ36のおねじ50を他側リング体46のめねじ49にねじ込む。これにより、主締結体42が他側リング体46に締結されるとともに、一側リング体37の環状突起41が環状溝31に挿入されてタイヤ製造用内型13が組立てられる。このときには解除手段62が若干下降するが、このような下降は昇降ロッド53が下降することで吸収される。このように、この実施形態では取外し装置65はタイヤ製造用内型13の組立にも使用されている。
【0022】
このようにして組立てられたタイヤ製造用内型13は、昇降ロッド53の昇降、可動ビーム51、可動台52の移動により、組立手段71から搬送コンベア81まで搬送されて該搬送コンベア81に受け渡された後、搬送コンベア81の走行により生タイヤ成形装置に搬送される。ここで、前述のタイヤ製造用内型13は加硫時に熱を受けて高温となっているが、前述のように組立ステーションKでの組立および搬送コンベア81による搬送時に空冷されるため、生タイヤ成形装置まで搬送されたときには充分に冷却され、そのまま生タイヤ成形に用いることができる。そして、前述のようにタイヤ製造用内型13が組立手段71から取り出されると、組立手段71のシリンダ74を作動してピストンロッド75を引っ込ませることにより、支持台73を半径方向外側に同期移動させ、これらの間に周方向隙間を形成する。これは、これら支持台73上に型セグメント18が載置されるとき、隣接する型セグメント18同士が合わせ突起19によって干渉する事態を防止するためである。
【0023】
次に、前記把持固定手段63を分解ステーションBの側方に復帰させ、他側リング体46を分解ステーションBに残したまま空気入りタイヤTを分解ステーションBから退避させる。次に、可動ビーム51、可動台52を移動させるとともに昇降ロッド53を昇降させて解除手段62を他側リング体46内に挿入した後、該解除手段62により他側リング体46を内側から把持し、その後、可動ビーム51、可動台52を移動させるとともに昇降ロッド53を昇降させて他側リング体46を組立手段71の支持プレート76上に移送する。次に、把持固定手段63を作動して空気入りタイヤTを分解ステーションBに戻す。前述のようにして解除手段62は芯体17から連結部材45を取外して組立手段71に移送するのである。
【0024】
次に、旋回手段54を作動して支持アーム55をその長手方向中央を旋回中心として水平面内で半回転させ、解除手段62と把持手段58との切り替えを行う。このように支持アーム55の一端部に把持手段58を、他端部に解除手段62をそれぞれ取り付けるとともに、旋回手段54により支持アーム55を半回転させることで把持手段58、解除手段62の切り替えを行うようにすれば、連結部材45の芯体17からの取外しおよび芯体17を構成する型セグメント18の取出し作業を連続して行うことができ、しかも、この際、把持手段58、解除手段62の切り替えは支持アーム55を回転させるだけで行うことができるため、作業能率が向上する。次に、可動ビーム51、可動台52を移動させ、把持手段58を空気入りタイヤTの回転軸上まで移送する。次に、回動機構56を作動して把持手段58を水平面内で回動させるが、この回動時、図示していない検出センサが把持手段58の直下に位置しているのが扇形セグメント18aであるか、山形セグメント18bであるかを検出する。そして、把持手段58の直下に山形セグメント18bが位置するようになると、該検出センサは前記回動機構56を停止させる。次に、昇降ロッド53、把持手段58を下降させ、把持手段58を空気入りタイヤTの中心空間内に挿入する。このとき、把持手段58の開放している一対の把持爪57間に前記山形セグメント18bのタグ21が位置する。
【0025】
次に、把持爪57を閉止させて山形セグメント18bの半径方向内端部に設けられたタグ21をこれら把持爪57により両側から把持した後、可動ビーム51、可動台52を移動させて支持アーム55、把持手段58を水平面内で空気入りタイヤTの半径方向内側に向かって移動させる。この結果、把持手段58に把持されている山形セグメント18bは空気入りタイヤTのタイヤ内室14から中心空間に抜き出される。次に、昇降ロッド53を上昇させて支持アーム55、把持手段58、山形セグメント18bを空気入りタイヤTの軸方向、ここでは上方に移動させ、該山形セグメント18bを空気入りタイヤTから取外す。次に、可動ビーム51、可動台52を移動させるとともに昇降ロッド53を昇降させて山形セグメント18bを組立手段71の対応する支持台73(山形支持セグメント73b)上に移送する。
【0026】
そして、前述のような作業を繰り返し行い、把持手段58により山形セグメント18bを次々と把持するとともに、把持した山形セグメント18bを対応する支持台73上に移送し、その後、扇形セグメント18aを把持手段58によって次々と把持するとともに、把持した扇形セグメント18aを対応する支持台73上に移送する。次に、シリンダ74のピストンロッド75を同期して突出させ、支持台73上の型セグメント18を接近密着させてリング状の芯体17とするとともに、シリンダのピストンロッド77を突出させて他側リング体46の環状突起48を芯体17の環状溝32内に挿入する。このとき、搬送コンベア12を再び走行させて空気入りタイヤTを前方に向かって搬送するとともに、旋回手段54を作動して支持アーム55を半回転させ、把持手段58と解除手段62とを切り替える。次に、可動ビーム51、可動台52を移動させるとともに昇降ロッド53を昇降させて把持手段58、解除手段62を初期位置に復帰させる。
【0027】
前述のようにして空気入りタイヤTから主締結体42、他側リング体46、型セグメント18が取出し装置65によって次々と取外されるが、このようにして取外された主締結体42、他側セグメント46、型セグメント18は該取出し装置65によって組立手段71まで移送されるとともに、前述のようにしてタイヤ製造用内型13に組立てられる。このように、この実施形態では支持アーム55、把持手段58を水平面内で移動させる第1移動手段63および空気入りタイヤTの軸方向に移動させる第2移動手段64を設けるだけで、タイヤ製造用内型13を空気入りタイヤTから取外すことができるため、構造が簡単となる。しかも、これら支持アーム55、把持手段58を空気入りタイヤTの半径方向、軸方向の2方向に移動させるだけで型セグメント18を取外すことができるため、迅速に作業を行うことができ能率が向上する。
【0028】
なお、前述の実施形態においては、把持手段58を空気入りタイヤTの回転軸回りに回動させることで、該把持手段58を把持すべき型セグメント18の周方向位置に合致させるようにしたが、この発明においては、把持手段を静止させるとともに、空気入りタイヤTを回転軸回りに回転させることで、把持すべき型セグメントを把持手段の位置に合致させるようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、取外した型セグメント18を組立ステーションKまで搬送する際に用いる可動ビーム51、可動台52、駆動機構を、把持手段58、型セグメント18を半径方向内側に移動させて空気入りタイヤTから型セグメント18を抜き出す第1移動手段63と共用したが、この発明においては、これらを別のものから構成してもよい。
【0029
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、構造が簡単でありながら加硫済み空気入りタイヤからタイヤ製造用内型を高能率で取外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す概略全体斜視図である。
【図2】タイヤ製造用内型の正面断面図である。
【図3】タイヤ製造用内型の一部破断平面図である。
【図4】把持手段近傍の斜視図である。
【図5】解除手段近傍の斜視図である。
【図6】組立手段の斜視図である。
【図7】組立手段の正面断面図である。
【符号の説明】
13…タイヤ製造用内型 14…タイヤ内室
17…芯体 18…型セグメント
45…連結部材 54…旋回手段
55…支持部材 58…把持手段
62…解除手段 63…第1移動手段
64…第2移動手段 65…取出し装置
T…空気入りタイヤ

Claims (2)

  1. 加硫済み空気入りタイヤのタイヤ内室に収納され、複数個の型セグメントを周方向に密着状態で並べることにより構成された略ドーナツ状の芯体と、これら芯体の型セグメント同士を連結する連結部材とからなるタイヤ製造用内型を該空気入りタイヤから取外すタイヤ製造用内型の取外し装置であって、支持部材に取り付けられ、各型セグメントの半径方向内端部を把持することができる把持手段と、前記支持部材を空気入りタイヤのタイヤ赤道面と平行な面内で移動させる第1移動手段と、前記支持部材を空気入りタイヤの軸方向に移動させる第2移動手段とを有し、連結部材が取外された芯体の型セグメントを把持手段によって把持した後、第1移動手段により支持部材、把持手段、型セグメントを前記面内で空気入りタイヤの半径方向内側に移動させて型セグメントをタイヤ内室から抜き出し、その後、第2移動手段により支持部材、把持手段、型セグメントを空気入りタイヤの軸方向に移動させて型セグメントを空気入りタイヤから取り出す作業を、繰り返し行うことで型セグメントを次々と取外すようにしたことを特徴とするタイヤ製造用内型の取外し装置。
  2. 前記支持部材をタイヤ赤道面と平行な面内で直線状に延びる支持アームから構成するとともに、該支持アームの一端部に前記把持手段を、他端部に前記連結部材を芯体から取外して型セグメント同士の連結を解除する解除手段をそれぞれ取り付け、さらに、該支持アームをその長手方向中央を旋回中心として前記面内で旋回させる旋回手段を設け、該旋回手段により支持アームを前記面内で半回転させることにより、把持手段、解除手段の切り替えを行うようにした請求項1記載のタイヤ製造用内型の取外し装置。
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