JP4851323B2 - 高分子酸コロイドにより製造された水分散性ポリチオフェン - Google Patents

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Description

本発明は、チオフェンの導電性ポリマーの水性分散液であって、導電性ポリマーを高分子酸コロイドの存在下で合成することを特徴とする水性分散液に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2003年9月24日出願の米国特許出願第10/669494号明細書の一部継続出願であり、2003年4月22日出願の米国仮特許出願第60/464370号明細書からの優先権を主張する。
導電性ポリマーは、発光ディスプレー中で用いるためのエレクトロルミネセンス(「EL」)デバイスの開発に際してなど、多様な有機電子デバイス中で用いられてきた。有機発光ダイオード(OLED)などのELデバイスに関して、こうしたデバイスは一般に以下の構成を有する。
アノード/バッファ層/EL材料/カソード
アノードは、典型的には、透明であるとともに例えばインジウム/錫酸化物(ITO)などのEL材料に正孔を注入する能力を有するあらゆる材料である。アノードは、任意選択的にガラス基材またはプラスチック基材上に支持される。EL材料には、蛍光染料、蛍光および燐光金属錯体、共役ポリマーおよびそれらの混合物が挙げられる。カソードは、典型的には、EL材料に電子を注入する能力を有するあらゆる材料(例えばCaまたはBaなど)である。
バッファ層は、典型的には導電性ポリマーであり、アノードからの正孔のEL材料層への注入を促進する。バッファ層は、正孔注入層、正孔輸送層と呼ぶことも可能であるか、または二層アノードの一部として特徴付けることが可能である。バッファ層として用いられる典型的な導電性ポリマーには、ポリアニリン;、およびポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)などのポリジオキシチオフェンが挙げられる。これらの材料は、例えば米国特許公報(特許文献1)、表題「ポリチオフェン分散液、それらの製造および用途(Polythiophene dispersion,their production and their use)」で記載されたようにポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)などの水溶性高分子酸の存在下で水溶液中のアニリンまたはジオキシチオフェンモノマーを重合することにより調製することが可能である。周知されているPEDT/PSS材料は、H.C.スターク(H.C.Starck,GmbH)(ドイツ国レヴァークーゼン(Leverkusen,Germany))から市販されている「バイトロン(Baytron)(登録商標)−Pである。
水溶性高分子スルホン酸により合成された水性導電性高分子分散液は、望ましくない低pHレベルを有する。低pHは、こうしたバッファ層を含むELデバイスの低い応力寿命の一因であるとともにデバイス内の腐食の一因でありうる。従って、水性導電性高分子分散液から調製された組成物および層が改善された特性を有することが必要とされている。
低電圧にさらされた時に高電流を送る能力を有する導電性ポリマーは、薄膜電界効果トランジスタなどの電子デバイスのための電極としても有用である。こうしたトランジスタにおいて、電子および/または正孔電荷キャリアのために高い移動度を有する有機半導電性膜はソース電極とドレイン電極との間に存在する。ゲート電極は半導電性ポリマー層の反対側にある。電極用途向けに有用であるために、導電性ポリマーおよび導電性ポリマーを分散または溶解させる液体は、導電性ポリマーまたは半導電性ポリマーのいずれかの再溶解を避けるために半導電性ポリマーおよび半導電性ポリマーための溶媒と適合性でなければならない。導電性ポリマーから二次加工された電極の導電率は10S/cm(ここでSはモーである)を上回るべきである。しかし、高分子酸により製造された導電性ポリチオフェンは、典型的には約10−3S/cm以下の範囲の導電率を提供する。導電率を強化するために、導電性添加剤をポリマーに添加してもよい。しかし、こうした添加剤の存在は導電性ポリチオフェンの加工性に悪影響を及ぼしうる。従って、改善された導電性ポリチオフェンが必要とされている。
米国特許第5,300,575号明細書 欧州特許出願第1 026 152A1号明細書 米国特許第3,282,875号明細書 米国特許第4,358,545号明細書 米国特許第4,940,525号明細書 米国特許第4,433,082号明細書 米国特許第6,150,426号明細書 国際公開第03/006537号パンフレット 国際公開第02/02714号パンフレット 米国特許出願公開第2001/0019782号明細書 EP第1191612号明細書 国際公開第02/15645号パンフレット EP第1191614号明細書 米国特許第6,303,238号明細書 国際公開第00/70655号パンフレット 国際公開第01/41512号パンフレット 同時係属出願第10/669577号明細書 同時係属出願第10/669494号明細書 Current Applied Physics,2002年第2号,頁339〜343 Nature,頁166〜169,第426巻,2003年 Advanced Materials,頁490〜491,第12巻,第7号,2000年
少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の水性分散液を含む新規組成物であって、前記ポリチオフェンが式I(a)または式I(b)を含む新規組成物が提供される。
Figure 0004851323
(式中、R”は各出現で同じかまたは異なり、少なくとも1個のR”が水素ではないことを条件として、R”は、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネートおよびウレタンから選択され、
mは2または3であり、
nは少なくとも約4である)
Figure 0004851323
(式中、R’およびRは独立して水素およびアルキルから選択されるか、または、
R’およびRは合一して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基または芳香族基によって任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖、または1,2−シクロへキシレン基を形成し、
nは少なくとも約4である)
もう一つの実施形態において、式I(a)または式I(b)の少なくとも一方を含む少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の水性分散液を合成する方法が提供される。ポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の水性分散液を製造する1つの方法は、
(a)式II(a)または式II(b)
Figure 0004851323
(式中、R”、R’およびRならびにmは上で定義された通りである)
を有する少なくとも1種のチオフェンモノマーと水との均質水性混合物を提供する工程、
(b)コロイド形成性高分子酸の水性分散液を提供する工程、
(c)前記チオフェン混合物を前記コロイド形成性高分子酸の水性分散液と組み合わせる工程および
(d)工程(c)の組み合わせ前または後に、酸化剤および触媒を前記コロイド形成性高分子酸の水性分散液と任意の順序で組み合わせる工程
を含む。
もう一つの実施形態において、少なくとも1種のポリチオフェン、少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸、および少なくとも1種の共分散性液体を含む新規組成物であって、ポリチオフェンが上述したように式I(a)またはI(b)を含む新規組成物が提供される。
もう一つの実施形態において、新規組成物を含む少なくとも1つの層を含む電子デバイスが提供される。
前述した一般的記載および以下の詳細な記載は例証的且つ説明的のみであり、添付した特許請求の範囲で定義されたように本発明を限定するものではない。
実施例を用いて本発明を例示する。本発明は添付した図面に限定されない。
一実施形態において、式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の水性分散液を含む組成物が提供される。
式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の新規水性分散液は、式II(a)または式II(b)を有する少なくとも1種のチオフェンモノマーをコロイド形成性高分子酸の存在下で化学的に重合する時に調製することが可能である。
更に、式II(a)または式II(b)を有するポリチオフェンの水性分散液の調製における水溶性でない高分子酸の使用が優れた電気特性を有する組成物をもたらすことが発見された。一実施形態において、新規組成物の水性分散液は、使用の前に長期間にわたって分離相を形成せずに水性媒体中で安定である導電性微粒子を含む。一実施形態において、新規組成物を含む層は、一旦乾燥させると電子デバイスの二次加工中に膜または層に再分散しない。
新規組成物の一実施形態による組成物は、少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸が分散している連続水相を含む。
新規組成物中で用いるために考慮されるポリチオフェンは以下の式II(a)または式II(b)を有する少なくとも1種モノマーから製造して、ホモポリマーまたはコポリマーのいずれかをもたらす。ここで、式II(a)または式II(b)は次の通りである。
Figure 0004851323
式中、R”は各出現で同じかまたは異なり、少なくとも1個のR”が水素ではないことを条件として、R”は、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、スルホネートおよびウレタンから選択され、
R’およびRは独立して水素およびアルキルから選択されるか、または
R’およびRは合一して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基または芳香族基によって任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖、または1,2−シクロへキシレン基を形成する。
新規組成物のチオフェンは上で示したのと同じ一般構造を有し、ここで、RおよびR’は「OR」置換基および「OR’」置換基を置換している。
新規組成物のポリチオフェンはホモポリマーであることが可能であるか、またはポリチオフェンは2種以上のチオフェンモノマーのコポリマーであることが可能である。ポリチオフェンおよびコロイド形成性高分子酸の水性分散液は、1種もしくは2種以上のポリチオフェンポリマーおよび1種もしくは2種以上のコロイド形成性高分子酸を含むことが可能である。
本明細書で用いられる「分散液」という用語は、微粒子の懸濁液を含有する連続液媒体を意味する。「連続媒体」は水性液を含む。本明細書で用いられる「水性」という用語は、かなりの部分の水を有する液体を意味し、一実施形態において、液体は少なくとも約40重量%の水である。本明細書で用いられる「コロイド」という用語は、ナノメートル規模の粒子サイズを有する連続媒体に懸濁させた微粒子を意味する。本明細書で用いられる「コロイド形成性」という用語は水性溶液に分散させた時に微粒子を形成する物質を意味する。すなわち、「コロイド形成性」高分子酸は水溶性ではない。
本明細書で用いられる「共分散性液体」という用語は、室温で液体であるとともに水に混和性である物質を意味する。本明細書で用いられる「混和性」という用語は、実質的に均質な溶液を形成するために共分散性液体が(特定の共分散性液体ごとに本明細書で記載された濃度で)水と混合されうることを意味する。
「層」または「膜」という用語は所望の領域を覆うコーティングを意味する。領域は、全体のデバイスほど大きいか、実視覚的ディスプレーなどの特定の機能領域ほど小さいか、あるいは単一サブピクセルほどに小さいことが可能である。膜は蒸着および液体堆積を含む従来のあらゆる堆積技術によって形成することが可能である。典型的な液体堆積技術には、スピン被覆、グラビア被覆、カーテン被覆、ディップコーティング、スロットダイコーティング、吹き付け被覆および連続ノズル被覆などの連続堆積技術およびインクジェット印刷、グラビア印刷およびスクリーン印刷などの不連続堆積技術が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書で用いられる「アルキル」という用語は、脂肪族炭化水素から誘導された基を意味し、非置換または置換であってもよい直鎖基、分岐基および環式基を含む。「ヘテロアルキル」という用語は、アルキル基内の炭素原子の1個または複数個が窒素、酸素および硫黄などのもう1種の原子によって置換されているアルキル基を意味する積もりである。「アルキレン」という用語は2個の結合点を有するアルキル基を意味する。
本明細書で用いられる「アルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する脂肪族炭化水素から誘導された基を意味し、非置換または置換であってもよい直鎖基、分岐基および環式基を含む。「ヘテロアルケニル」という用語は、アルキル基内の炭素原子の1個または複数個が窒素、酸素および硫黄などのもう1種の原子によって置換されているアルケニル基を意味する積もりである。「アルキニレン」という用語は2個の結合点を有するアルケニル基を意味する。
本明細書で用いられる時、置換基のための以下の用語は以下で示した式を意味する。
「アルコール」 −R−OH
アミドスルホネート −R−C(O)N(R)R−SO
「ベンジル」 −CH−C
「カルボキシレート」 −R−C(O)O−Z
「エーテル」 −R−O−R
「エーテルカルボキシレート」 −R−O−R−C(O)O−Z
「エーテルスルホネート」 −R−O−R−SO
「スルホネート」 −R−SO
「ウレタン」 −R−O−C(O)O−N(R
ここで、すべての「R」基は各出現において同じかまたは異なる。
は単結合またはアルキレン基である。
はアルキレン基である。
はアルキル基である。
は水素またはアルキル基である。
ZはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、N(RまたはRである。
上の基のどれもが更に置換されていなくても、または置換されていてもよく、過フッ素化基を含め、いずれの基も1個または複数個の水素をFで置換されていてもよい。
本明細書で用いられる「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語またはそれらの他のいかなる変形も非限定的包含を扱う積もりである。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明示的にリストされなかったか、またはこうしたプロセス、方法、物品または装置に固有である他の要素を含んでもよい。更に、反対に明示的に記載されていない限り、「または/あるいは(or)」は非排他的な「または/あるいは(or)」を意味し、排他的な「または/あるいは(or)」を意味しない。例えば、条件AまたはBは以下のいずれか1つによって満足される。Aが真(または存在する)であるとともにBが偽(存在しない)である。Aが偽(存在しない)であるとともにBが真(または存在する)である。そしてAとBの両方が真(または存在する)である。
「a」または「an」の使用も、本発明の要素および構成要素を記載するために用いられる。これは、便宜上のみおよび本発明の一般的感覚を与えるためにのみ行われる。この記載は、1つまたは少なくとも1つを含むように読むべきであり、そうでないことを意味する事が明らかでない限り単数は複数も含む。
一実施形態において、ポリチオフェンは式I(a)(mは2であり、1つのR”は5個を上回る炭素原子数のアルキル基であり、すべての他のR”は水素である)を有する。
式I(a)の一実施形態において、少なくとも1個のR”基は少なくとも1個の弗素置換基を有する。
式I(a)の一実施形態において、チオフェン上の縮合脂環式環上のR”置換基は、水へのモノマーの改善された溶解度を提供するべきであり、高分子酸コロイドの存在下で重合を促進するべきである。もう1つの実施形態において、得られたポリチオフェン/コロイド形成性高分子酸組成物は、小さい粒子サイズおよび分散安定性を有する。
一実施形態において、ポリチオフェンはポリ[(スルホン酸−プロピレン−エーテル−メチレン−3,4−ジオキシエチレン]チオフェン]である。一実施形態において、ポリチオフェンはポリ[(プロピル−エーテル−エチレン−3,4−ジオキシエチレン)チオフェン]である。
一実施形態において、ポリチオフェンは式I(b)(式中、RおよびR’は合一して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル鎖を形成する)を有する。もう1つの実施形態において、ポリジオキシチオフェンはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である。
新規組成物中で用いるために考慮されたコロイド形成性高分子酸は水に不溶性であり、水性媒体に分散させた時にコロイドを形成する。高分子酸は、典型的には約10,000〜約4,000,000の範囲内の分子量を有する。
一実施形態において、高分子酸は約100,000〜約2,000,000の分子量を有する。高分子酸コロイドの粒子サイズは、典型的には約2ナノメートル(nm)〜約140nmの範囲である。一実施形態において、コロイドは2nm〜約30nmの粒子サイズを有する。
水に分散させた時にコロイド形成性であるいかなる高分子酸も新規組成物を製造するために用いるのに適する。一実施形態において、コロイド形成性高分子酸は、高分子スルホン酸、高分子リン酸、高分子ホスホン酸、高分子カルボン酸、高分子アクリル酸およびそれらの混合物から選択された少なくとも1種の高分子酸を含む。もう1つの実施形態において、高分子スルホン酸はフッ素化されている。なおもう1つの実施形態において、コロイド形成性高分子酸は過フッ素化されている。さらにもう1つの実施形態において、コロイド形成性高分子スルホン酸はパーフルオロアルキレンスルホン酸を含む。
なおもう1つの実施形態において、コロイド形成性高分子酸は高度にフッ素化されたスルホン酸ポリマー(「FSAポリマー」)を含む。「高度にフッ素化された」は、ポリマー中のハロゲン原子および水素原子の全数の少なくとも約50%が、一実施形態において少なくとも約75%が、もう1つの実施形態において少なくとも約90%が弗素原子であることを意味する。一実施形態において、ポリマーは過フッ素化されている。「スルホネート官能基」という用語は、スルホン酸基またはスルホン酸基の塩のいずれかを意味し、一実施形態においてアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を意味する。この官能基は、式−SOX(式中、Xは、「対イオン」としても知られているカチオンである)によって表される。Xは、H、Li、Na、KまたはN(R)(R)(R)(R)であってもよく、R、R、RおよびRは同じかまたは異なり、一実施形態においてH、CHまたはCである。もう1つの実施形態において、XはHであり、この場合、ポリマーは「酸形態」を取っていると言われる。XはCa++およびAl+++のようなイオンによって表されるように多価であってもよい。Mn+として一般に表される多価対イオンの場合、対イオン当たりのスルホネート官能基の数が原子価「n」に等しいことは当業者に対して明らかである。
一実施形態において、FSAポリマーは、ポリマー主鎖に結合された反復側鎖を有するポリマー主鎖を含む。ポリマーは、2種以上のモノマーのホモポリマーまたはコポリマーを含む。コポリマーは、典型的には、非官能性モノマーおよびカチオン交換基またはその前駆体、例えば、後でスルホネート官能基に加水分解されうる弗化スルホニル基(−SOF)を保持する第2のモノマーから形成される。例えば、弗化スルホニル基(−SOF)を有する第2のフッ素化ビニルモノマーと合わせた第1のフッ素化ビニルモノマーのコポリマーを用いることが可能である。可能な第1のモノマーには、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)およびそれらの組み合わせが挙げられる。TFEは好ましい第1のモノマーである。
他の実施形態において、1種の他のモノマーはスルホネート官能基またはポリマー中に所望の側鎖を提供することができる前駆体基を有するフッ素化ビニルエーテルを含む。エチレン、プロピレンおよびR−CH=CH(式中、Rは炭素原子数1〜10の過フッ素化アルキル基である)を含む追加のモノマーを必要ならばこれらのポリマーに導入することが可能である。ポリマーはランダムコポリマーと本明細書で呼ぶタイプのポリマーであってもよい。ランダムコポリマーは、ポリマー鎖に沿ったモノマー単位の分布が相対濃度および相対反応性に従うように、コモノマーの相対濃度が可能な限り一定に保たれる重合によって製造されるコポリマーである。よりランダムでないコポリマーであって、重合の過程においてモノマーの相対濃度を変えることにより製造されるコポリマーも用いてよい。(特許文献2)で開示されたポリマーなどのブロックコポリマーと呼ばれるタイプのポリマーも用いてよい。
一実施形態において、新規組成物中で用いるためのFSAポリマーは、式
−(O−CFCFR−O−CFCFR’SO
によって表される高度にフッ素化され、そして一実施形態において過フッ素化された炭素主鎖および側鎖を含む。
式中、RおよびR’は独立してF、Clまたは炭素原子数1〜10の過フッ素化アルキル基から選択され、aは0、1または2であり、XはH、Li、Na、KまたはN(R)(R)(R)(R)であり、R、R、RおよびRは同じかまたは異なり、一実施形態においてH、CHまたはCである。もう1つの実施形態において、XはHである。上述したように、Xは多価であってもよい。
一実施形態において、FSAポリマーには、例えば、米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献4)および米国特許公報(特許文献5)で開示されたポリマーが挙げられる。好ましいFSAポリマーの例は、式
−O−CFCF(CF)−O−CFCFSO
によって表される過フルオロ炭素主鎖および側鎖を含む。
式中、Xは上で定義された通りである。このタイプのFSAポリマーは米国特許公報(特許文献3)で開示されており、テトラフルオロエチレン(TFE)および過フッ素化ビニルエーテルCF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCFSOF、パーフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリド)(PDMOF)を共重合し、その後、弗化スルホニル基の加水分解および必要に応じてイオン交換によってスルホネート基に転化して、それらを所望のイオン形態に転化することにより製造することが可能である。米国特許公報(特許文献4)および米国特許公報(特許文献5)で開示されたタイプのポリマーの例は側鎖−O−CFCFSOX(式中、Xは上で定義された通りである)を有する。このポリマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)および過フッ素化ビニルエーテルCF=CF−O−CFCFSOF、パーフルオロ(3−オキサ−4−ペンテンスルホニルフルオリド)(POPF)の共重合、その後の加水分解および必要に応じた更なるイオン交換によって製造することが可能である。
一実施形態において、新規組成物中で用いるためのFSAポリマーは、典型的には約33未満のイオン交換比を有する。本願において、「イオン交換比」すなわち「IXR」は、カチオン交換基を基準としてポリマー主鎖中の炭素原子の数として定義される。約33未満の範囲内で、IXRは、特定の用途のために必要とされるように変えることが可能である。一実施形態において、IXRは約3〜約33であり、もう1つの実施形態において約8〜約23である。
ポリマーのカチオン交換容量は、しばしば当量(EW)によって表される。本願の目的において、当量(EW)は、水酸化ナトリウムの1当量を中和するのに必要とされる酸形態を取ったポリマーの重量であると定義される。ポリマーが過フルオロ炭素主鎖および側鎖−O−CF−CF(CF)−O−CF−CF−SOH(またはその塩)を有するスルホネートポリマーの場合、約8〜約23のIXRに対応する当量範囲は約750EW〜約1500EWである。このポリマーに関するIXRは、式50IXR+344=EWを用いて当量に関連付けることが可能である。同じIXR範囲を米国特許公報(特許文献4)および米国特許公報(特許文献5)で開示されたスルホネートポリマー、例えば、側鎖−O−CFCFSOH(またはその塩)を有するポリマーのために用いる一方で、カチオン交換基を含むモノマー単位のより低い分子量のゆえに当量は多少より低い。約8〜約23の好ましいIXR範囲に関して、対応する当量範囲は約575EW〜約1325EWである。このポリマーのためのIXRは、式50IXR+178=EWを用いて当量に関連付けることが可能である。
FSAポリマーの合成は周知されている。FSAポリマーは、コロイド水性分散液として調製することが可能である。FSAポリマーは他の媒体中の分散液の形をとってもよい。他の媒体の例には、アルコール、テトラヒドロフラン、水溶性エーテルの混合物などの水溶性エーテルおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。分散液を製造する際に、ポリマーを酸形態で用いることが可能である。米国特許公報(特許文献6)、米国特許公報(特許文献7)および(特許文献8)には、水性分散液を製造する方法が開示されている。分散液を製造した後、濃度および分散液組成を技術上知られている方法によって調節することが可能である。
一実施形態において、FSAポリマーを含むコロイド形成性高分子酸の水性分散液は、安定なコロイドが形成されるかぎり、可能な限り小さい粒子サイズおよび可能な限り小さいEWを有する。
FSAポリマーの水性分散液は「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液として本願特許出願人から市販されている。
一実施形態において、式II(a)または式II(b)を有するチオフェンモノマーは、少なくとも1種の高分子酸コロイドを含む水中で酸化重合される。典型的には、チオフェンモノマーは、中に分散された重合触媒、酸化剤およびコロイド高分子酸粒子を含有する水性分散液と組み合わされるか、または水性分散液に添加される。この実施形態において、組み合わせまたは添加の順序は、酸化剤および触媒をモノマーと組み合わせる時、コロイド形成性高分子酸の少なくとも1部が存在する限り変えてもよい。一実施形態において、反応混合物は、共分散剤、共酸またはそれらの混合物を更に含んでもよい。
一実施形態において、コロイド形成性高分子酸はFSAであり、水性FSA分散液の共分散性液体は、チオフェンモノマーの重合前または重合後に任意選択的に除去される。
一実施形態において、チオフェンモノマーは、制御された添加速度でチオフェンモノマーを分散させることにより、コロイド形成性高分子酸粒子、酸化剤および触媒を含む水性反応混合物と、反応混合物を連続的に混合して反応混合物中にモノマーメニスカスを形成しつつ組み合わされる。
一実施形態において、水に前もって溶解させた酸化剤は、制御された添加速度で酸化剤溶液を分散させることにより、コロイド形成性高分子酸粒子、チオフェンモノマーおよび触媒を中に含む水性反応混合物と、反応混合物を連続的に混合しつつ組み合わされる。
一実施形態において、酸化剤およびチオフェンモノマーは、同じかまたは異なる制御された添加速度で反応混合物に別々におよび同時に添加して、酸化剤の最終的な所望の量を達成して、酸化重合反応において制御された速度でモノマーを消費する。
一実施形態において、制御されたチオフェンモノマー添加速度は用いられた材料の量を考慮して決定される。分配メカニズムからモノマー添加の速度を制御する目標は反応混合物への溶解を迅速に確保することである。制御された添加によって、重合および酸化の化学作用は、むらなく且つ均質な方式で行われる。分配メカニズムの例には、チューブ、シリンジ、ピペット、ノズルガン、噴霧器、ホースおよびパイプなどの使用が挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、上述した装置に取り付けられたフリットガラスプレートまたは小径チューブなどの穿孔端は、反応混合物中にモノマーメニスカスを設けるために用いられる。
添加速度は、反応のサイズ、溶液を攪拌する速度および分配メカニズムオリフィスの分配端の形状および数に応じて異なる。一実施形態において、分配メカニズムの分配端は、水性コロイド形成性高分子酸を含有する反応混合物中に沈められる。例えば、水性コロイド形成性高分子酸組成物約100〜500グラムの反応混合物サイズについて約1〜1000マイクロリットル/時間のチオフェンモノマーの添加速度を用いることが可能である。一実施形態において、添加速度は、水性コロイド形成性高分子酸組成物約500グラムについて約5〜100マイクロリットル/時間の間である。他のサイズ(より大きいか、またはより小さい)の反応混合物について、添加速度は適切な方向に直線的に増減することが可能である。
一実施形態において、少なくとも1種の共分散性液体はチオフェンモノマーの重合の終了の前に反応混合物に添加される。もう1つの実施形態において、少なくとも1種の共分散性液体はチオフェンの重合の終了後に反応混合物に添加される。もう1つの実施形態において、少なくとも1種の共分散性液体の一部は、チオフェンの重合の終了の前に添加され、少なくとも1種の共分散性液体の追加量はチオフェンの重合の終了後に添加される。
重合触媒には、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、酸化剤より高い酸化能力を有する他の材料およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
酸化剤には、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウムなどがそれらの組み合わせを含めて挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、酸化重合は、コロイド内に含まれる高分子酸の負に帯電した側鎖、例えば、スルホネートアニオン、カルボキシレートアニオン、アセチレートアニオン、ホスホレートアニオン、ホスホネートアニオンおよびそれらの組み合わせによって電荷バランスされている正に帯電された導電性高分子チオフェンを含有する安定な水性分散液をもたらす。
一実施形態において、式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸を含む新規組成物を製造する方法は、(a)ポリマー酸の水性分散液を提供する工程、(b)工程(a)の分散液に酸化剤を添加する工程、(c)工程(b)の分散液に触媒を添加する工程および(d)工程(c)の分散液にチオフェンモノマーを添加する工程を含む。上述した方法に対する別法の一実施形態は、酸化剤を添加する前に高分子酸の水性分散液にチオフェンモノマーを添加することを含む。もう1つの実施形態は、典型的には約0.5重量%〜約2.0重量%のチオフェンの範囲内である濃度を有する式II(a)または式II(b)を有するチオフェンと水の均質水性混合物を作ることであり、このチオフェン混合物を酸化剤および触媒を添加する前に高分子酸の水性分散液に添加することである。
重合は水に混和性である共分散性液体の存在下で行うことが可能である。適する共分散性液体の例には、エーテル、アルコール、アルコールエーテル、環式エーテル、ケトン、ニトリル、スルホキシドおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、共分散性液体の量は約30体積%未満であるのがよい。一実施形態において、共分散性液体の量は約60体積%未満である。一実施形態において、共分散性液体の量は約5〜50体積%の間である。一実施形態において、共分散性液体はアルコールを含む。一実施形態において、共分散性液体はn−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メタノールジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンからの少なくとも1種を含む。
重合は共酸の存在下で行うことが可能である。酸はHClおよび硫酸などの無機酸またはp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、樟脳スルホン酸および酢酸などの有機酸であることが可能である。あるいは、共酸は、上述したように、ポリ(スチレンスルホン酸)またはポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸などの水溶性高分子酸、あるいは第2のコロイド形成性酸であることが可能である。共酸の組み合わせを用いることが可能である。
共酸は、酸化剤またはチオフェンモノマーのいずれか最後に添加された方の添加の前にプロセスにおけるいずれかの点で反応混合物に添加することが可能である。一実施形態において、共酸は、チオフェンモノマーとコロイド形成性高分子酸の両方の前に添加され、酸化剤が最後に添加される。一実施形態において、共酸はチオフェンモノマーの添加の前に添加され、その後、コロイド形成性高分子酸が添加され、酸化剤は最後に添加される。
共分散性液体は、チオフェンの重合前、重合中または重合後のいずれかの点で反応混合物に添加することが可能である。
一実施形態において、ポリジオキシチオフェン、コロイド形成性高分子酸および少なくとも1種の共分散性液体の水性分散液を含む組成物が提供される。重合後のポリ(ジオキシチオフェン)およびコロイド形成性高分子酸の水性分散液への少なくとも1種の共分散性液体の添加は、より良好な湿潤性、加工性、加工可能な粘度、実質的に少ない大粒子数、分散液の改善された安定性、改善されたインクジェット性、強化された導電率またはそれらの組み合わせを有するポリマー分散液をもたらすことが可能である。驚くべきことに、こうした分散液から製造されたバッファ層を有するOLEDデバイスは、より高い効率およびより長い寿命も有することが発見された。
新規組成物中で用いるために考慮された共分散性液体は、一般に極性で水混和性の有機液である。共分散性液体の適するタイプの例には、エーテル、環式エーテル、アルコール、アルコールエーテル、ケトン、ニトリル、スルフィド、スルホキシド、アミド、アミンおよびカルボン酸など、ならびにそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
新規組成物中で用いるために考慮された例証的なエーテル共分散性液体には、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、グリム、ジグリム、ベンジルメチルエーテル、イソクロマン、2−フェニルエチルメチルエーテル、n−ブチルエチルエーテル、1,2−ジエトキシエタン、s−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、エーテルn−プロピルエーテル、エーテルイソプロピルエーテル、n−ヘキシルメチルエーテル、n−ブチルメチルエーテルおよびメチルn−プロピルエーテルなど、ならびにそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
新規組成物中で用いるために考慮された例証的な環式エーテル共分散性液体には、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、4−メチル−1,3−ジオキサン、4−フェニル−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフランおよび2,5−ジメトキシ−2,5−ジヒドロフランなど、ならびにそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、環式エーテル共分散性液体はテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランまたは1,4−ジオキサンである。
新規組成物中で用いるために考慮された例証的なアルコール共分散性液体には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(すなわちイソプロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール(すなわちイソブタノール)、2−メチル−2−プロパノール(すなわちt−ブタノール)、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、シクロペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルブタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、3−へプタノール、4−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノールおよび4−メチルシクトヘキサノールなど、ならびにそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、アルコール共分散性液体はメタノール、エタノールまたはイソプロパノールである。
新規組成物中で用いるために考慮された例証的なアルコールエーテル共分散性液体には、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−ブタノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、1−エトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチルブタノールおよびエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテルなど、ならびにそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、アルコールエーテル共分散性液体は、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエタノールまたは2−ブトキシエタノールである。
新規組成物中で用いるために考慮された例証的なケトン共分散性液体には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロピルメチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−ヘキサノン、ジイソプロピルケトン、2−ヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヘプタノン、イソアミルメチルケトン、3−ヘプタノン、2−へプタノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、5−メチル−3−へプタノン、2−メチルシクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、5−メチル−2−オクタノン、3−メチルシクロヘキサノン、2−シクロヘキサン−1−オン、4−メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、4−t−ブチルシクロヘキサノンおよびイソホロン、ベンジルアセトンなど、ならびにそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
新規組成物中で用いるために考慮された例証的なニトリル共分散性液体には、アセトニトリル、アクリロニトリル、トリクロロアセトニトリル、プロピオニトリル、ピバロニトリル、イソブチロニトリル、n−ブチロニトリル、メトキシアセトニトリル、2−メチルブチロニトリル、イソバレロニトリル、n−バレロニトリル、n−カプロニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、3−エトキシプロピオニトリル、3,3’−オキシジプロピオニトリル、n−ヘプタンニトリル、グリコロニトリル、ベンゾニトリル、エチレンシアノヒドリン、スクシノニトリル、アセトンシアノヒドリンおよび3−n−ブトキシプロピオニトリルなど、ならびにそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
新規組成物中で用いるために考慮された例証的なスルホキシド共分散性液体には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジ−n−ブチルスルホキシドおよびテトラメチレンスルホキシド、メチルフェニルスルホキシドなど、ならびにそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
新規組成物中で用いるために考慮された例証的なアミド共分散性液体には、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、アクリルアミド、2−アセトアミドエタノール、N,N−ジメチル−m−トルアミド、トリフルオロアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルドデカンアミド、ε−カプロラクタム、N,N−ジエチルアセトアミド、N−t−ブチルホルムアミド、ホルムアミド、ピバルアミド、N−ブチルアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−ホルミルエチルアミン、アセトアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミド、1−ホルミルピペリジンおよびN−メチルホルムアニリドなど、ならびにそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
新規組成物中で用いるために考慮された例証的なアミン共分散性液体には、モノ−、ジ−およびトリ−アルキルアミン、環式アミン(例えばピロリジンなど)および芳香族アミン(例えばピリジンなど)など、ならびにそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、アミン共分散性液体はピリジンである。
新規組成物中で用いるために考慮された例証的なカルボン酸共分散性液体には、C〜約Cまでの直鎖または分岐鎖のカルボン酸、およびそれらのいずれか2種以上の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、カルボン酸共分散性液体は蟻酸である。
一実施形態において、共分散性液体は、n−プロパノール、イソプロパノール、メタノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルアセトアミド、n−メチルピラゾール(pryrozole)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、4−メチル−1,3−ジオキサン、4−フェニル−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシ−2,5−ジヒドロフラン、1−メチルピロリジン、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、およびそれらのいずれか2種以上の組み合わせから選択された液体を含む。
一実施形態において、上述した方法のいずれかの完了および重合反応の完了後、合成されたままの水性分散液は、分解された化学種、副反応生成物、未反応モノマーおよびイオン不純物を除去するとともにpHを調節するために適する条件下で少なくとも1種のイオン交換樹脂に接触させる。合成されたままの水性分散液を共分散性液体の添加前または添加後に少なくとも1種のイオン交換樹脂に接触させることが可能である。一実施形態において、合成されたままの水性分散液は、第1のイオン交換樹脂および第2のイオン交換樹脂に接触させる。
もう1つの実施形態において、第1のイオン交換樹脂は、上述したスルホン酸カチオン交換樹脂などの酸性カチオン交換樹脂であり、第2のイオン交換樹脂は、第三アミンまたは第四交換樹脂などの塩基性アニオン交換樹脂である。
イオン交換は、流体媒体(水性分散液など)中のイオンが、流体媒体に不溶性である不動固体粒子に結合された類似に帯電されたイオンに交換される可逆化学反応である。「イオン交換樹脂」という用語は、こうしたすべての物質を指すために本明細書で用いられる。樹脂は、イオン交換基が結合される高分子支持体の架橋された性質のゆえに不溶性にされる。イオン交換樹脂は、交換のために利用できる正に帯電した移動性イオンを有する酸性カチオン交換体およびその交換可能イオンが負に帯電されている塩基性アニオン交換体として分類される。
酸性カチオン交換樹脂と塩基性アニオン交換樹脂の両方は新規プロセスにおいて用いるために考慮されている。一実施形態において、酸性カチオン交換樹脂はスルホン酸カチオン交換樹脂などの有機酸カチオン交換樹脂である。新規組成物中で用いるために考慮されたスルホン酸カチオン交換樹脂には、例えば、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化架橋スチレンポリマー、フェノール−ホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、ベンゼン−ホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂およびそれらの混合物が挙げられる。もう1つの実施形態において、酸性カチオン交換樹脂は、カルボン酸、アクリル酸またはリン酸カチオン交換樹脂などの有機酸カチオン交換樹脂である。更に、異なるカチオン交換樹脂の混合物を用いることが可能である。多くの場合、塩基性イオン交換樹脂はpHを所望のレベルに調節するために用いることが可能である。場合によって、pHは、水酸化ナトリウムまたは水酸化アンモニウムなどの溶液などの水性塩基性溶液で更に調節することが可能である。
もう1つの実施形態において、塩基性アニオン交換樹脂は第三アミンアニオン交換樹脂である。新規組成物中で用いるために考慮された第三アミンアニオン交換樹脂には、例えば、第三アミノ化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、第三アミノ化架橋スチレンポリマー、第三アミノ化フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、第三アミノ化ベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂およびそれらの混合物が挙げられる。更なる実施形態において、塩基性アニオン交換樹脂は、第四アミンアニオン交換樹脂またはこれらの交換樹脂と他の交換樹脂の混合物である。
第1のイオン交換樹脂および第2のイオン交換樹脂は、合成されたままの水性分散液に同時または逐次に接触してもよい。例えば、一実施形態において、両方の樹脂は導電性ポリマーの合成されたままの水性分散液に同時に添加され、放置されて少なくとも約1時間、例えば約2時間〜約20時間にわたり分散液に接触したままである。その後、イオン交換樹脂を濾過によって分散液から除去することが可能である。フィルタのサイズは、より小さい分散粒子が通過しつつ、比較的大きなイオン交換樹脂粒子が除去されるように選択される。理論によって拘束されることを望まない一方で、イオン交換樹脂が重合を抑え、合成されたままの水性分散液からのイオン不純物および非イオン不純物ならびに未反応モノマーの大部分を効果的に除去することが考えられる。更に、塩基性アニオン交換樹脂および/または酸性カチオン交換樹脂は、酸性サイトをより塩基性にし、よって分散液の高いpHをもたらす。一般に、コロイド形成性高分子酸約1グラム当たり少なくとも1グラムのイオン交換が用いられる。他の実施形態において、イオン交換樹脂の使用は、ポリチオフェン/高分子酸コロイドに対してイオン交換樹脂約5グラムまでの比で用いられ、そして達成しようとするpHに応じて異なる。一実施形態において、バイエル(Bayer GmbH)製の弱塩基性アニオン交換樹脂である少なくとも1グラムの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)MP62WSおよび、バイエル(Bayer GmbH)製の強酸性ナトリウムカチオン交換樹脂である約1グラムの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)MonoPlus S100は、式I(a)または式I(b)を有するポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の組成物のグラム当たり用いられる。
一実施形態において、式II(a)または式II(b)を有するチオフェンとフッ素化高分子スルホン酸コロイドの重合から生じる水性分散液は、フッ素化ポリマーの水性分散液を最初に反応容器に投入し、その後、この順序で、酸化剤、触媒およびチオフェンモノマーをコロイド形成性高分子酸の水性分散液に添加するか、または、この順序で、チオフェンモノマー、酸化剤および触媒をコロイド形成性高分子酸の水性分散液に添加することになっている。混合物は攪拌し、その後、反応は制御された温度で進める。重合が完了した時、反応は強酸カチオン樹脂および塩基性アニオン交換樹脂で抑えられ、攪拌され、濾過される。あるいは、式II(a)または式II(b)を有するチオフェンは、「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液、その後の酸化剤および触媒の添加の前に、水に添加することが可能であり、混合物を均質にするために攪拌することが可能である。酸化剤:モノマー比は、一般に0.5〜2.0の範囲内である。フッ素化ポリマー:チオフェンモノマー比は、一般に1〜4の範囲である。全体的な固形物含有率は、一般に1.5%〜6%の範囲内であり、一実施形態において2%〜4.5%の範囲内である。反応温度は、一般に5℃〜50℃の範囲内であり、一実施形態において20℃〜35℃の範囲内である。反応時間は、一般に1〜30時間の範囲内である。
式I(a)または式I(b)のポリチオフェンおよび高分子酸コロイドの水性分散液は広範囲のpHを有することが可能であり、典型的には約1〜約8の間に調節することが可能であり、一般には約3〜4のpHを有する。酸は腐食性でありうるので、より高いpHを有することがしばしば望ましい。既知の技術、例えばイオン交換を用いて、または水性塩基性溶液による滴定によってpHを調節できることが判明している。
もう1つの実施形態において、より導電性の分散液は、式I(a)または式I(b)を有するポリチオフェンおよびコロイド形成性高分子酸の水性分散液に高度に導電性の添加剤を添加することにより形成される。一実施形態において、pHが比較的高い新規組成物を形成することが可能であり、分散液中で酸により浸食されない導電性添加剤、特に金属添加剤を更に含む。更に、高分子酸が性質においてコロイドであるので、酸基を主として含む表面を有して導電性ポリチオフェンはコロイド表面上に形成される。
一実施形態において、新規組成物は、浸透限界に達する量の重量%で少なくとも1種の導電性添加剤を更に含む。適する導電性添加剤の例には、導電性ポリマー、金属粒子、金属ナノ粒子、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、カーボンナノ粒子、グラファイト繊維または粒子、炭素粒子およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。導電性添加剤の分散を促進するために、分散剤を含めてもよい。
一実施形態において、新規組成物は、単独でまたは電極、電気活性要素、光活性要素または生物活性要素として他の電気活性材料と組み合わせて用いられる導電性層または半導電性層を形成するために堆積させる。本明細書で用いられる「電気活性要素」、「光活性要素」および「生物活性要素」という用語は、電磁場、電位、太陽エネルギー放射線および生物刺激場などの刺激への応答において指定された活性を示す要素を意味する。
一実施形態において、新規組成物は電子デバイス中のバッファ層形成するために堆積される。本明細書で用いられる「バッファ層」という用語は、アノードと活性有機材料との間で用いることができる導電性層または半導電性層を意味する積もりである。バッファ層は、有機電子デバイスの性能を促進するか、または改善するために、他の態様の中で、下層の平面化、正孔輸送、正孔注入;、酸素および金属イオンなどの不純物の捕捉に限定されないが、それらを含む有機電子デバイス中の1つまたは複数の機能を実行することが考えられる。
一実施形態において、式I(a)または式I(b)を有するポリチオフェンおよびフッ素化高分子酸コロイドを含有する水性分散液から堆積させたバッファ層が提供される。もう1つの実施形態において、フッ素化高分子酸コロイドはフッ素化高分子スルホン酸コロイドである。なおもう1つの実施形態において、バッファ層は、式I(a)または式I(b)を有するポリチオフェンおよびパーフルオロエチレンスルホン酸コロイドを含有する水性分散液から堆積させる。
もう1つの実施形態において、式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1種のポリチオフェン、少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸および少なくとも1種の共分散性液体を含む水性分散液から堆積させたバッファ層が提供される。一実施形態において、共分散性液体は、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メタノールジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコールおよびそれらの混合物から選択される。
一実施形態において、式I(a)または式I(b)を有するポリチオフェンおよびフッ素化高分子スルホン酸コロイドなどの高分子酸コロイドの乾燥させた層は水に再分散可能ではない。一実施形態において、新規組成物を含む少なくとも1つの層を含む有機デバイスは薄い多層から製造される。一実施形態において、こうした層は有機電子デバイスにおける層の機能または性能に実質的に損傷を及ぼさずに異なる水溶性材料または水分散性材料の層で更にオーバーコートすることが可能である。
もう1つの実施形態において、他の水溶性材料または水分散性材料とブレンドされた、式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸を含む水性分散液から堆積されたバッファ層が提供される。材料の最終用途に応じて、添加することができる追加の水溶性材料または水分散性材料のタイプの例には、ポリマー、染料、コーティング助剤、カーボンナノチューブ、金属ナノワイヤ、金属ナノ粒子、有機および無機導電性インキおよびペースト、電荷輸送材料、圧電性、ピロ電気性あるいは強誘電性酸化物ナノ粒子またはポリマー、光導電性酸化物ナノ粒子またはポリマー、分散剤、架橋剤およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。こうした材料は、単純な分子またはポリマーであることが可能である。適する他の水溶性ポリマーまたは水分散性ポリマーの例には、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(スチレンスルホン酸);、およびポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアミン、ポリピロール、ポリアセチレンなどの導電性ポリマー、コロイド形成性高分子酸ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
もう1つの実施形態において、新規組成物から製造された少なくとも1種の導電性層または半導電性層を含む電子デバイスが提供される。式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の組成物を含む1層または複数層を有することから恩恵を受けうる有機電子デバイスには、(1)電気エネルギーを放射線に転換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレーまたはダイオードレーザ)、(2)電子プロセスを通して信号を検出するデバイス(例えば光検出器(例えば光導電性セル、フォトレジスタ、光スイッチ、光トランジスタ、光チューブ)、IR検出器)、(3)放射線を電気エネルギーに転換するデバイス(例えば、光起電デバイスまたは太陽電池)および(4)1層または複数層の有機コンダクタ層を含む1つまたは複数の電子部品を含むデバイス(例えば、トランジスタまたはダイオード)が挙げられるが、それらに限定されない。新規組成物のための他の用途には、メモリー貯蔵装置、帯電防止フィルム、バイオセンサ、エレクトロクロミックデバイス、固体電解キャパシタ;、蓄電池などのエネルギー貯蔵装置、および電磁遮蔽用途のためのコーティング材料が挙げられる。
一実施形態において、有機電子デバイスは2層の電気接触層の間に配置された電気活性層を含み、ここで前記デバイスの層の少なくとも1層は新規バッファ層を含む。一実施形態は、アノード層110、バッファ層120、エレクトロルミネセンス層130およびカソード層150を有するデバイスである図1に示したようなOLEDの一タイプで例示される。任意の電子注入層/輸送層140はカソード層150に隣接している。エレクトロルミネセンス層130は、バッファ層120とカソード層150(または任意の電子注入層/輸送層140)との間にある。
デバイスは、アノード層110またはカソード層150に隣接することが可能である支持体または基材(図示していない)を含んでもよい。非常に多くの場合、支持体はアノード層110に隣接している。支持体は、柔軟または硬質、有機または無機であることが可能である。一般に、ガラスまたは軟質有機フィルムが支持体として用いられる。アノード層110は、カソード層150に比べて正孔の注入のためにより効率的である電極である。アノードは、金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合酸化物を含有する材料を含むことが可能である。適する材料には、第2族元素(すなわち、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、第11族元素、第4族、5族および6族内の元素ならびに第8〜10族遷移元素の混合酸化物が挙げられる。アノード層110が光透過性であるべき場合、インジウム錫酸化物などの第12族、第13族および第14族元素の混合酸化物を用いてもよい。本明細書で用いられる「混合酸化物」という言葉は、第2族元素あるいは第12族、13族または14族元素から選択された2種以上の異なるカチオンを有する酸化物を意味する。アノード層110のための材料の非限定的で特定の幾つかの例には、インジウム錫酸化物(「ITO」)、アルミニウム錫酸化物、金、銀、銅およびニッケルが挙げられるが、それらに限定されない。アノードは、ポリアニリン、ポリチオフェンまたはポリピロールなどの有機材料も含んでよい。周期律表からの族が1〜18として左から右に番号付けられるIUPAC番号システム(CRC化学物理ハンドブック(CRC Handbook of Chemisty and Physics)第81版、2000年)が全体を通して用いられる。
アノード層110は化学蒸着法または物理蒸着法あるいは回転被覆法によって形成してもよい。化学蒸着法は、プラズマ強化化学蒸着法(「PECVD」)または金属有機化学蒸着法(「MOCVD」)として行ってもよい。物理蒸着法には、イオンビームスパッタリングを含むスパッタリングのすべての形態、ならびに電子ビーム蒸発および抵抗蒸発を挙げることが可能である。物理蒸着法の特定の形態には、rfマグネトロンスパッタリングおよび誘導結合プラズマ物理蒸着法(「IMP−PVD」)が挙げられる。これらの蒸着技術は半導体二次加工技術内で周知されている。
アノード層110は平版印刷運転中に模様付けしてもよい。模様は必要に応じて変えてもよい。層は、例えば、第1の電気接触層材料を被着させる前に第1の軟質複合バリア構造体上に模様付けマスクまたはレジストを置くことにより模様中に形成することが可能である。あるいは、層は、包括層(ブランケットデポジットとも呼ぶ)として被着させることが可能であり、その後、例えば模様付けレジスト層および湿式化学エッチング技術または乾式化学エッチングを用いて模様付けすることが可能である。技術上周知されている印刷のための他のプロセスも用いることが可能である。電子デバイスがアレイ内で配置される時、アノード層110は、典型的には実質的に同じ方向に延びる長さを有する実質的に平行の細片に形成される。
バッファ層120は、当業者に周知されたいかなる技術によっても基材上に堆積させることが可能である。
エレクトロルミネセンス(EL)層130は、典型的には、蛍光染料、蛍光および燐光の金属錯体、共役ポリマーおよびそれらの混合物に限定されないが、それらを含むいかなる有機EL材料であってもよい。蛍光染料の例には、ピレン、ペリレン、ルブレン、それらの誘導体およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。金属錯体の例には、トリス(8−ヒドロキシキノレート)アルミニウム(Alq)などの金属キレート化オキノイド化合物、ペトルフ(Petrov)らにより公表された(特許文献9)で開示されたような、イリジウムとフェニルピリジン、フェニルキノリンまたはフェニルピリミジン配位子との錯体などのシクロ金属化イリジウムおよび白金エレクトロルミネセンス化合物、例えば、米国特許公報(特許文献10)、(特許文献11)、(特許文献12)および(特許文献13)で開示された有機金属錯体およびそれらの混合物が挙げられる。電荷輸送ホスト材料および金属錯体を含むエレクトロルミネセンス発光層は、米国特許公報(特許文献14)でトンプソン(Thompson)らによって、ならびに(特許文献15)および(特許文献16)でブローズ(Burrows)およびトンプソン(Thompson)によって記載されている。共役ポリマーの例には、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリ(スピロビフルオレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、それらのコポリマーおよびそれらの混合物が挙げられる。
選択される特定の材料は、特定の用途、動作中に用いられる電位または他の要素に応じて異なってもよい。エレクトロルミネセンス有機材料を含有するEL層130は、蒸着、溶液処理技術または熱伝達を含むいかなる数の技術も用いて被着させることが可能である。もう1つの実施形態において、ELポリマー前駆体を被着させることが可能であり、その後、ELポリマー前駆体を典型的には熱または他の外部エネルギー(例えば可視光線またはUV線)源によってポリマーに転化することが可能である。
任意の層140は、電子注入/輸送の両方を促進するように機能することが可能であり、層界面での抑制反応を防ぐために閉じ込め層として機能することも可能である。より詳しくは、層140は電子の移動を促進することが可能であり、層130および150が別段に直接接触している場合、抑制反応の可能性を減らすことが可能である。任意の層140のための材料の例には、金属キレート化オキノイド化合物(例えばAlqなど)、フェナントロリン系化合物(例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DDPA」)または4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DPA」など)、アゾール化合物(例えば、2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(「PBD」など)、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(「TAZ」など)、他の類似化合物、それらのいずれか1種または複数の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。あるいは、任意の層140は無機であってもよく、BaO、LiFまたはLiOなどを含んでもよい。
カソード層150は電子または負電荷キャリアの注入のために特に効果的である電極である。カソード層150は、第1の電気接触層(この場合、アノード層110)より低い仕事関数を有するいかなる金属または非金属であることも可能である。本明細書で用いられる「より低い仕事関数」という用語は、約4.4eV以下の仕事関数を有する材料を意味する積もりである。本明細書で用いられる「より高い仕事関数」は、少なくとも約4.4eVの仕事関数を有する材料を意味する積もりである。
カソード層のための材料は、第1族のアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、Cs)、第2族金属(例えば、Mg、CaまたはBaなど)、第12族金属ランタニド(例えば、Ce、SmまたはEuなど)およびアクチニド(例えば、ThまたはUなど)から選択することが可能である。アルミニウム、インジウム、イットリウムおよびそれらの組み合わせなどの材料も用いてよい。カソード層150のための材料の非限定的な特定の例には、バリウム、リチウム、セリウム、セシウム、ユーロピウム、ルビジウム、イットリウム、マグネシウム、サマリウム、ならびにそれらの合金および組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
カソード層150は、通常は化学蒸着法または物理蒸着法によって形成される。一般に、カソード層は、アノード層110に関して上で論じたように模様付けされる。デバイスがアレイ内に存在する場合、カソード層150は、カソード層細片の長さが実質的に同じ方向且つアノード層細片の長さに実質的に垂直に延びる実質的に平行の細片に模様付けしてもよい。ピクセルと呼ばれる電子エレメントは(アレイを平面図または上面図から見る時、アノード層細片がカソード層細片と交差する)交点で形成される。
他の実施形態において、追加の層が有機電子デバイス内に存在してもよい。例えば、バッファ層120とEL層130との間の層(図示していない)は正電荷輸送を促進することが可能であるか、層のマッチングをバンドギャップ調整することが可能であるか、または保護層として機能することが可能などである。同様に、EL層130とカソード層150との間の追加の層(図示していない)は負電荷輸送を促進することが可能であるか、層の間のマッチングをバンドギャップ調整することが可能であるか、または保護層として機能することが可能などである。技術上知られている層を用いることが可能である。更に、上述した層のどれも2層以上の層から製造することが可能である。あるいは、無機アノード層110、バッファ層120、EL層130およびカソード層150の一部または全部は電荷キャリア輸送効率を高めるために表面処理してもよい。成分層の各々のための材料の選択は、高いデバイス効率をデバイスに与える目標を製造のコスト、製造の複雑さまたは潜在的に他の要素と均衡させることにより決定してもよい。
異なる層は適するいかなる厚さを有してもよい。一実施形態において、無機アノード層110は、通常は約500nm以下、例えば約10〜200nmである。バッファ層120は、通常は約250nm以下、例えば約50〜200nmである。EL層130は、通常は約100nm以下、例えば約50〜80nmである。任意の層140は、通常は約100nm以下、例えば約20〜80nmである。カソード層150は、通常は約100nm以下、例えば約1〜50nmである。アノード層110またはカソード層150が少なくとも多少の光を透過する必要がある場合、こうした層の厚さは約100nmを超えてはならない。
有機発光ダイオード(OLED)において、カソード層150およびアノード層110からEL層130にそれぞれ注入された電子および正孔は、ポリマー中で負および正に帯電した極性イオンを形成する。これらの極性イオンは、印加された電場の影響下で移動し、逆に帯電した化学種により極性イオン励起を形成し、後で放射再結合を受ける。通常は約12ボルト未満、多くの場合約5ボルト以下のアノードとカソードとの間の十分な電位差をデバイスに印加してもよい。実際の電位差は、より大きな電子部品中でのデバイスの使用に応じて異なってもよい。多くの実施形態において、アノード層110は正の電圧にバイアスされ、カソード層150は電子デバイスの作動中に実質的に大地電位または零ボルトである。バッテリーまたは他の電源は、回路の一部として電子デバイスに電気的に接続してもよいが、図1には例示されていない。
一実施形態において、式I(a)または式I(b)を有するポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸を含む水性分散液から堆積させた少なくとも1層のバッファ層を含むOLEDは、改善された寿命を有することが見出された。バッファ層は、式I(a)または式I(b)を有するポリチオフェンおよびフッ素化高分子スルホン酸コロイドの水性分散液から堆積させてもよい。一実施形態において、バッファ層は、いずれかの溶液処理技術を用いて堆積され、pHが約3.5を上回るように調節されている水性分散液である。
一実施形態において、pH中性の組成物が電子デバイスの少なくとも1つの層中で用いられる。1つのOLED実施形態において、pHは、デバイス二次加工中のITO層のエッチングを減らすように調節され、従って大幅により低い濃度のInイオンおよびSnイオンがOLEDのポリマー層に拡散する。InイオンおよびSnイオンが短い動作寿命の一因になると推測されるので、これは著しい利益である。より低い酸性度は二次加工中および長期間の貯蔵にわたるディスプレー(例えば電気接触パッド)の金属成分の腐食も減らす。PEDT/PSSA残留物は残留水分と相互作用して、酸をディスプレーに放出し、よって緩慢な腐食をもたらす。
酸性PEDT/PSSAを分配するために用いられる装置は、PEDT/PSSAの強酸度を扱うために特別に設計される必要がある。例えば、ITO基材上にPEDT/PSSAを被覆するために用いられるクロムメッキスロットダイ被覆ヘッドは、PEDT/PSSAの酸度のゆえに腐食することが見出された。被覆された膜がクロムの粒子で汚染されることになったので、これはヘッドを使用不能にした。特定のインクジェットプリントヘッドもOLEDディスプレーの二次加工のために興味深い。こうしたヘッドは、バッファ層と発光ポリマー層の両方をディスプレー上の正確な位置に分配するために用いられる。これらのプリントヘッドはインキ中の粒子のための内部トラップとしてニッケルメッシュフィルタを含む。これらのニッケルフィルタは、酸性PEDT/PSSAによって分解され、使用不能にされる。これらの腐食問題のどれも酸性度を下げた新規組成物の水性ポリチオフェン分散液では起きない。
更に、特定の発光ポリマーは酸性条件に敏感であることが分かっており、こうしたポリマーが酸性バッファ層に接触している場合、ポリマーの発光能力が劣化する。より低い酸度または中性にpHを調節する能力のゆえにバッファ層を形成するために新規組成物の水性分散液を用いることが有利である。
一実施形態において、2種以上の異なる発光材料を用いるフルカラーディスプレーまたはエリアカラーディスプレーの二次加工は、各発光材料がその性能を最適化するために異なるカソード材料を必要とする場合に複雑になる。ディスプレーデバイスは光を放出する多数のピクセルから構成される。マルチカラーデバイスにおいて、異なる色の光を放出する少なくとも2種の異なるタイプのピクセル(時にはサブピクセルと呼ばれる)が存在する。サブピクセルは異なる発光材料により作成される。発光体のすべてに良好なデバイス性能を与える単一カソード材料を有することが非常に望ましい。これは、デバイス二次加工の複雑さを最少にする。バッファ層が新規組成物の水性ポリチオフェン分散液から製造される時、色の各々のために良好なデバイス性能を維持しつつマルチカラーデバイス中で共通カソードを用いることが可能でありうる。カソードは上で論じた材料のいずれからも製造することが可能であり、アルミニウムなどのより不活性な金属でオーバーコートされたバリウムであってもよい。
新規組成物を含む有機電子デバイス中の層は、水溶液または溶媒から被着させた導電性ポリマーの層を更に含んでもよい。導電性ポリマーは電荷輸送を促進することが可能であり、被覆性も改善する。適する導電性ポリマーの例には、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸、米国公報(特許文献17)で開示されたものなどのポリアニリン/高分子酸コロイド、米国公報(特許文献18)で開示されたものなどのポリチオフェン/高分子酸コロイド、ポリピロール、ポリアセチレンおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。こうした層を含む組成物は導電性ポリマーを更に含んでもよく、染料、カーボンナノチューブ、カーボンナノ粒子、金属ナノワイヤ、金属ナノ粒子、炭素繊維および炭素粒子、グラファイト繊維およびグラファイト粒子、コーティング助剤、有機および無機の導電性インキおよびペースト、電荷輸送材料、半導電性または絶縁性の無機酸化物粒子、圧電性、ピロ電気性あるいは強誘電性酸化物ナノ粒子またはポリマー、光導電性酸化物ナノ粒子またはポリマー、分散剤、架橋剤およびそれらの組み合わせも含んでよい。これらの材料は、モノマーの重合前または重合後および/または少なくとも1種のイオン交換樹脂による処理前または処理後のいずれかに新規組成物に添加することが可能である。
一実施形態において、式I(a)または式I(b)の少なくとも一方を含むポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子スルホン酸を含む電極を含む薄膜電界効果トランジスタが提供される。薄膜電界効果トランジスタ中の電極としての用途に関して、導電性ポリマーおよび導電性ポリマーを分散または溶解させるための液体は、導電性ポリマーまたは半導電性ポリマーのいずれかの再溶解を避けるために半導電性ポリマーおよび半導電性ポリマーのための溶媒と適合性でなければならない。導電性ポリマーから二次加工された薄膜電界効果トランジスタの電極は10S/cmを上回る導電性を有するのがよい。しかし、水溶性高分子酸のみにより製造された導電性ポリマーは約10−3S/cm以下の範囲内の導電性を提供する。従って、一実施形態において、電極は、金属ナノワイヤ、金属ナノ粒子またはカーボンナノチューブなどの導電性強化剤と組み合わせて式I(a)または式I(b)の少なくとも一方を含むポリチオフェンおよびフッ素化コロイド形成性高分子スルホン酸を含む。新規組成物は、ゲート電極、ドレイン電極またはソース電極として薄膜電界効果トランジスタ中で用いてもよい。
新規組成物のための用途のもう1つの実例は薄膜電界効果トランジスタであり、図2に示している。この実例において、誘電性ポリマーまたは誘電性酸化物薄膜210は一方側にゲート電極220および他方側にそれぞれドレイン電極230およびソース電極240を有する。ドレイン電極とソース電極との間に有機半導電性膜250を堆積させる。ナノワイヤまたはカーボンナノチューブを含む新規水性分散液は、溶液薄膜堆積における有機系誘電性ポリマーおよび半導電性ポリマーと新規水性分散液の適合性のゆえにゲート電極、ドレイン電極およびソース電極の用途のために理想的である。コロイド分散液としての新規組成物のゆえに、所望の導電率または高い導電率のための浸透限界に達するために、(水溶性高分子スルホン酸を含有する組成物を基準として)より少ない重量%の導電性充填剤しか必要としない。
もう1つの実施形態において、式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子スルホン酸を含む1つの層を含む電界効果抵抗デバイスが提供される。電界効果抵抗デバイスは、(非特許文献1)で例示されたように、ゲート電圧のパルスにさらされた時に導電性ポリマー膜の抵抗の可逆的変化を受ける。
もう1つの実施形態において、式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子スルホン酸を含む少なくとも1つの層を含むエレクトルクロミックディスプレーが提供される。エレクトルクロミックディスプレーは材料の薄膜が電位に供される時の色の変化を利用する。一実施形態において、新規組成物の導電性ポリチオフェン/高分子酸コロイドは、分散液の高いpHおよび低い水分吸収ならびに分散液から製造された乾燥固体膜の水非分散性のゆえに、この用途のために優れた材料である。
なおもう1つの実施形態において、式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子スルホン酸を含む組成物でトップコートされたシリコンチップを含むメモリー貯蔵デバイスが提供される。例えば、ライト・ワンス・リード・メニータイム(WORM)メモリーが技術上知られている(非特許文献2)。情報が記録された時、シリコンチップのサーキットグリッドの特定の点でのより高い電圧は、それらの点でポリチオフェンを破壊して「零」ビットデータをもたらす。非接触点でのポリチオフェンは導電性のままであり、「1」ビットデータになる。
もう1つの実施形態において、式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸を含む新規水性分散液は、バイオセンサ、エレクトロクロミック、帯電防止、腐食防止、固体電界キャパシタまたは電磁遮蔽の用途のためのコーティングを形成するために用いられる。
もう1つの実施形態において、新規組成物は、プラスチックチューブおよびブラウン管のための帯電防止コーティング、固体電界キャパシタのための電極材料、金属腐食防止コーティング、印刷回路板、光ダイオード、バイオセンサ、光検出器、蓄電池、光起電デバイスおよび光ダイオードのスルーホールメッキのために用いることが可能である。更に、新規組成物の他の用途の例は、例えば、(非特許文献3)において見られる。
もう1つの実施形態において、式I(a)または式I(b)を有するポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の水性分散液を製造する方法であって、高分子スルホン酸コロイドの存在下で式II(a)または式II(b)を有するチオフェンモノマーを重合する方法が提供される。重合は水の存在下で行われる。得られた反応混合物をイオン交換樹脂で処理して、反応副生物を除去するとともに分散液のpHを調節することが可能である。以下の非限定的な実施例を参照することにより、新規組成物およびその用途をここにより詳しく記載する。
(実施例1)
この実施例は、「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)の存在下での(スルホン酸−プロピレン−エーテル−メチレン−3,4−ジオキシエチレン)チオフェンの重合を例示している。温度が約270℃であることを除き、米国特許公報(特許文献7)の実施例1パート2の手順に似た手順を用いて990のEWを有するパーフルオロエチレンスルホン酸の25%(w/w)水性コロイド分散液を製造する。分散液を水で希釈して、重合のための12.5%(w/w)分散液を形成した。
63.87g(8.06ミリモルの「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)モノマー単位)の「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)水性コロイド分散液および234.47gの脱イオン水を500mLのジャケット付き三口丸底フラスコに入れる。硫酸第二鉄および過硫酸ナトリウムの添加の前に混合物を45分にわたり攪拌する。3.6363gの全重量まで脱イオン水で0.0141gの硫酸第二鉄水和物(97%、アルドリッチ(Aldrich)カタログ番号#30,771−8)を溶解させることにより硫酸第二鉄の原液を最初に製造する。その後、混合物を攪拌しつつ0.96g(0.0072ミリモル)の硫酸第二鉄溶液および0.85g(3.57ミリモル)の過硫酸ナトリウム(フルカ(Fluka)カタログ番号#71899)を反応フラスコに入れる。その後、0.8618g(2.928gミリモル)の(スルホン酸−プロピレン−エーテル−メチレン−3,4−ジオキシエチレン)チオフェンモノマーの添加の前に、混合物を3分にわたり攪拌する。モノマーを攪拌しつつ反応混合物に添加する。重合を、循環流体により制御して約20℃で攪拌しつつ進める。架橋ポリスチレンのスルホン酸ナトリウムに関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名である8.91gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)S100および架橋ポリスチレンの第三アミン/第四アミンの遊離塩基/塩化物に関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名である7.70gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)MP62WSを添加することにより重合を16時間で終了させる。水中に色がなくなるまで、使用の前に2種の樹脂を脱イオン水で別個に最初に洗浄する。樹脂処理を5時間にわたり進める。その後、ワットマン#54濾紙を通して、得られたスラリーを吸引濾過する。
(実施例2)
この実施例は、「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)の存在下での(プロピル−エーテル−エチレン−3,4−ジオキシエチレン)チオフェンの重合を例示している。「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)は実施例1と同じである。
63.87g(8.06ミリモルの「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)モノマー単位)の「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)水性コロイド分散液および234.47gの脱イオン水を500mLのジャケット付き三口丸底フラスコに入れる。硫酸第二鉄および過硫酸ナトリウムの添加の前に混合物を45分にわたり攪拌する。3.6363gの全重量まで脱イオン水で0.0141gの硫酸第二鉄水和物(97%、アルドリッチ(Aldrich)カタログ番号#30,771−8)を溶解させることにより硫酸第二鉄の原液を最初に製造する。その後、混合物を攪拌しつつ0.96g(0.0072ミリモル)の硫酸第二鉄溶液および0.85g(3.57ミリモル)の過硫酸ナトリウム(フルカ(Fluka)カタログ番号#71899)を反応フラスコに入れる。その後、0.6685g(2.928gミリモル)の(プロピル−エーテル−エチレン−3,4−ジオキシエチレン)チオフェンモノマーの添加の前に、混合物を3分にわたり攪拌する。モノマーを攪拌しつつ反応混合物に添加する。重合を、循環流体により制御して約20℃で攪拌しつつ進める。架橋ポリスチレンのスルホン酸ナトリウムに関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名である8.91gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)S100および架橋ポリスチレンの第三アミン/第四アミンの遊離塩基/塩化物に関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名である7.70gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)MP62WSを添加することにより重合を16時間で終了させる。水中に色がなくなるまで、使用の前に2種の樹脂を脱イオン水で別個に最初に洗浄する。樹脂処理を5時間にわたり進める。その後、ワットマン#54濾紙を通して、得られたスラリーを吸引濾過する。
(実施例3)
この実施例は、硫酸鉄(III)触媒、水、「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)およびHCl共酸を含有する反応混合物へのエチレンジオキシチオフェン(「EDT」)モノマーと酸化剤溶液の両方の緩慢な注入を例示している。用いた「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)は実施例1と同じである。
2000mLの反応ケトル中に715gの12%固体含有率水性「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液(82ミリモルのSOH基)、1470gの水、0.5g(0.98ミリモル)の硫酸鉄(III)(Fe(SO)および1406μLの37%HCl(18.1ミリモル)を入れる。ダブル段プロペラ型ブレードが装着されたオーバーヘッド攪拌機を用いて反応混合物を200RPMで15分にわたり攪拌した後、60mLの水および3.17mLのエチレンジオキシチオフェン(EDT)中の7.78g(32.8ミリモル)の過硫酸ナトリウム(Na)を添加する。200RPMで連続的に攪拌しつつNa/水に関して0.9mL/hおよびEDTに関して50μL/hの添加速度を用いて添加を別個のシリンジから始める。反応混合物に直接送る「テフロン(Teflon)」(登録商標)チューブに接続されたシリンジ内にモノマーを入れることによりEDTの添加を実行する。Na/水溶液を接続する「テフロン(Teflon)」(登録商標)チューブの端を反応混合物の上に置き、注入がチューブの端から落ちる個々の滴を伴うようにし、注入が徐々であるようにする。170gの各「レワチット(Lewatit)」(登録商標)MP62WSおよび「レワチット(Lewatit)」Monoplus S100イオン交換樹脂および225gのn−プロパノールを反応混合物に添加し、150RPMで4時間にわたりそれを更に攪拌することにより反応をモノマーの添加が終わってから2時間後に停止する。ワットマンNo.54濾紙を用いてイオン交換樹脂を最終的に溶液から濾過する。分散液のpHは4であり、分散液から誘導された乾燥膜は、室温で1.4×10−4S/cmの導電率を有する。
ITO基材上に分散液をスピン被覆することから生じた膜の原子力顕微鏡(AFM)による分析によると、膜中のすべての微粒子が高さ60nmより小さかったことが示された(マルチプル50×50μmスキャン)。比較すると、モノマーのすべてを一度に迅速に添加する手順を用いて製造された分散液からスピン被覆させた膜は、高さ200nmまでおよび幅500nmまでの多数の数の粒子を有する。
有機発光ダイオード(OLED)を以下の仕様に二次加工した。模様付けインジウム錫酸化物アノードを含む6×6”基材を酸素プラズマ(300W)内で10分にわたり清浄化した。その後、厚さ約75nmの緩衝膜をスピン被覆し、その後、ホットプレート上で10分にわたり130℃で焼き付けた。室温に冷却後、ダウ・ケミカルズ(Dow Chemicals)製の「ルミネーショングリーン(Lumination Green)」1303エレクトロルミネセンスポリマーの厚さ約75nmの膜でプレートを空気中でスピン被覆した。真空炉内で40分にわたり130℃でエレクトロルミネセンス膜を焼き付けた後、4nmのBaおよび500nmのAlからなるカソードを10−6トル未満の圧力で熱により蒸発させた。UV硬化性エポキシ樹脂を用いてデバイスの裏面上にガラススライドを接着させることによりデバイスのカプセル封入を達成した。
得られたデバイス(活性表面積300mmを有する全体で16個のデバイス)は、室温で1000cd/mで19.2±0.5cd/Aの効率および±5Vで1000の整流比を有していた。5個のデバイスに80℃で16.2mA(約900cd/m)の一定電流により応力を加えた。1000時間後、光出力は、32%すなわち約600cd/mだけ平均で減少した。
(実施例4)
この実施例は、硫酸鉄(III)触媒、水、「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)およびHSO共酸を含有する反応混合物へのEDTモノマーと酸化剤溶液の両方の緩慢な注入を例示している。「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)は実施例1と同じである。
2000mLの反応ケトル中に715gの12%固体含有率水性「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)(82ミリモルのSOH基)分散液、1530gの水、0.5g(0.98ミリモル)の硫酸鉄(III)(Fe(SO)および1011μLの濃HSO(18.1ミリモル)を入れる。ダブル段プロペラ型ブレードが装着されたオーバーヘッド攪拌機を用いて反応混合物を276RPMで15分にわたり攪拌した後、276RPMで連続的に攪拌しつつNa/水に関して4.2mL/hおよびEDTに関して224μL/hの添加速度を用いて60mLの水および3.17mLのエチレンジオキシチオフェン(EDT)中の8.84g(37.1ミリモル)の過硫酸ナトリウム(Na)の添加を別個のシリンジから始める。反応混合物に直接送る「テフロン(Teflon)」(登録商標)チューブに接続されたシリンジ内にモノマーを入れることによりEDTの添加を実行する。Na/水溶液を接続する「テフロン(Teflon)」(登録商標)チューブの端を反応混合物の上に置き、注入がチューブの端から落ちる個々の滴を伴うようにした。170gの各「レワチット(Lewatit)」MP62WSおよび「レワチット(Lewatit)」Monoplus S100イオン交換樹脂および225gのn−プロパノールを反応混合物に添加し、130RPMで7時間にわたりそれを更に攪拌することにより反応をモノマーの添加が終わってから7時間後に停止する。ワットマンNo.54濾紙を用いてイオン交換樹脂を最終的に分散液から濾過する。分散液のpHは約4であり、分散液から誘導された乾燥膜は、室温で2.6×10−5S/cmの導電率を有する。
有機発光ダイオード(OLED)を以下の仕様に二次加工した。デバイス領域明確化のために厚さ600nmのフォトレジストで部分的に覆われた模様付けインジウム錫酸化物アノードを含む6×6”基材をUV−オゾン炉内で10分にわたり清浄化した。その後、上で製造されたPEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)からのバッファ層の厚さ約75nmの膜をスピン被覆し、その後、ホットプレート上で10分にわたり130℃で焼き付ける。室温に冷却後、(p−キシレン中の1%w/v溶液から)ダウ・ケミカルズ(Dow Chemicals)製の「ルミネーショングリーン(Lumination Green)」1303エレクトロルミネセンスポリマーの厚さ約75nmの膜でプレートを空気中でスピン被覆する。真空炉内で40分にわたり130℃でエレクトロルミネセンス膜を焼き付けた後、4nmのBaおよび500nmのAlからなるカソードを10−6トル未満の圧力で熱により蒸発させる。UV硬化性エポキシ樹脂を用いてデバイスの裏面上にガラススライドを接着させることによりデバイスのカプセル封入を達成する。
得られたデバイス(活性表面積25mm)は、1000cd/mで20±1cd/Aの効率および±5Vで13000の整流比を有する。6個のデバイスに25℃で50mA(約8,000cd/m)の一定電流により応力を加える。220時間で輝度は初期値の半分に低下する。
(実施例5)
この実施例は、合成されたままのPEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)の導電率に及ぼすエチレングリコールの添加の効果を例示している。
この実施例のために用いられた水性PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)を次の通り調製した。
H.C.スターク(H.C.Stark GmbH)(ドイツ国レヴァークーゼン(Leverkusen,Germany))製の0.309ml(2.902ミリモル)の「ベイトロン(Baytron)」−M(3,4−エチレンジオキシチオフェンの商品名)を攪拌機が装着された500mlジャケット付き三口丸底フラスコ内で175RPMの速度で229.12gの脱イオン水に20℃で1時間にわたり前もって溶解させた。その後、69.52g(8.0ミリモルの「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)モノマー単位)DE1021(本願特許出願人;、EW:999g/酸モル)「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)を混合物に入れた。「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)を添加すると直ぐに、10gの脱イオン水に前もって溶解させた0.84g(3.538ミリモル)の過硫酸ナトリウムを反応容器に添加した。その後、硫酸第二鉄の0.95g(7.1ミリモル)の原液を添加した。3.6363gの全重量まで脱イオン水で0.0141gの硫酸第二鉄水和物(97%、アルドリッチ(Aldrich)カタログ番号#30,771−8)を溶解させることにより硫酸第二鉄の原液を最初に製造する。重合を、循環流体により制御して約20℃で攪拌しつつ進めた。重合液は13分で青色に変わり始めた。架橋ポリスチレンのスルホン酸ナトリウムに関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名である11.03gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)S100および架橋ポリスチレンの第三アミン/第四アミンの遊離塩基/塩化物に関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名である11.03gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)MP62WSを添加することにより重合を14時間で終了させた。水中に色がなくなるまで、使用の前に2種の樹脂を脱イオン水で別個に最初に洗浄した。樹脂処理を約6時間にわたり進めた。その後、ワットマン#54濾紙を通して、得られたスラリーを吸引濾過した。スラリーは非常に速く濾紙を通過した。収量は268gであった。固形物%は添加された重合原料を基準にして約2.8%(w/w)であった。水性PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)のpHは、コーニング・カンパニー(Corning Company)(米国ニューヨーク州のコーニング(Corning(New York,USA)))製の315pH/lonメーターで4.64であると決定した。
上で製造された分散液の2滴を顕微鏡スライド上に広げ、それを90℃に設定された真空炉内に入れる前に周囲条件で30分にわたり乾燥させた。炉に少量の流動窒素を一定にフィードした。一旦焼き付けると、厚さ約2μmの乾燥させた膜を2本の各平行線間に約0.15cmの距離をとって約0.4cmの平行な垂直線で塗装した。「サーフェス・プロファイラ(米国カリフォルニア州サンノゼのテンコー・インストルメント(Tencor Instrument(San Jose,CA))製のモデル#「アルファ・ステップ(Alpha−Step)」500)を用いて厚さを測定した。その後、「ケイスリー(Keithley)」2420ソースメータ(Source Meter)を用いて1〜−1ボルトの間の電圧を印加することにより抵抗を周囲温度で測定した。5個のサンプルの平均導電率は1.1×10−5S/cmであった。抵抗の測定のために用いられた膜が水に再分散しないことが指摘されるべきである。
0.266gの固形物および9.2361gの水を含有する9.5021gの水性分散液を0.499gのエチレングリコール(アクロス・オーガニックス(Across Organics)、カタログ番号295530010)と混合し、3時間にわたり攪拌した。混合は、2.7%(w/w)PEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)および5.0%(w/w)エチレングリコールを含有するよく混ざった分散液を形成させた。上で製造された分散液の2滴を顕微鏡スライド上に広げた。膜を90℃に設定された真空炉内に入れる前に周囲条件で約50℃に設定されたホットプレート上で50分にわたり乾燥させた。炉に少量の流動窒素を一定にフィードした。一旦焼き付けると、厚さ約6μmの乾燥させた膜を2本の各平行線間に約0.15cmの距離をとって約0.4cmの平行な垂直線で塗装した。その後、1〜−1ボルトの間の電圧を印加することにより抵抗を周囲温度で測定した。4個のサンプルの平均導電率は2.9×10−4S/cmであった。導電率は、合成されたままのPEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)から製造された膜の導電率の約30倍である。
0.2239gの固形物および7.7742gの水を含有する7.9981gの水性分散液を2.0154gのエチレングリコール(アクロス・オーガニックス(Across Organics)、カタログ番号295530010)と混合し、3時間にわたり攪拌した。混合は、2.2%(w/w)PEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)および20.1%(w/w)エチレングリコールを含有するよく混ざった分散液を形成させた。膜の調製および抵抗は、5%エチレングリコールについて記載された通りである。一旦焼き付けると、厚さ約3μmの乾燥させた膜を2本の各平行線間に約0.152cmの距離をとって約0.4cmの平行な垂直線で塗装した。その後、1〜−1ボルトの間の電圧を印加することにより抵抗を周囲温度で測定した。4個のサンプルの平均導電率は4.6×10−4S/cmであった。導電率は、合成されたままのPEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)から製造された膜の導電率の約46倍である。
(実施例6)
この実施例は、エチレングリコールを添加したPEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)の1つのインクジェット用途を例示している。
粒子サイズ縮小化のためのミクロ流動化のために組み合わされた水性PEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液の4つの大規模バッチ(1,700g)の1つの調製を以下で記載する。重合のために用いられる「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)は1050のEWを有する実施例1と同じである。
366.1g(46.13ミリモルの「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)モノマー単位)の「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)水性コロイド分散液および1693.7gの脱イオン水を2000mLのジャケット付き三口丸底フラスコに入れた。硫酸第二鉄および過硫酸ナトリウムの添加の前に混合物を425RPMの攪拌速度で2時間にわたり攪拌した。19.4005gの全重量まで脱イオン水で0.1017gの硫酸第二鉄水和物(97%、アルドリッチ(Aldrich)カタログ番号#30,771−8)を溶解させることにより硫酸第二鉄の原液を最初に製造した。その後、混合物を攪拌しつつ4.07g(0.0413ミリモル)の硫酸第二鉄溶液および4.88g(40.99ミリモル)の過硫酸ナトリウム(フルカ(Fluka)カタログ番号#71899)を反応フラスコに入れた。その後、混合物を4分にわたり攪拌した後、1.790ml(16.796ミリモル)の「バイトロン(Baytron)」−M(3,4−エチレンジオキシチオフェンのための商品名、ドイツ国レヴァークーゼンのH.C.スターク(H.C.Stark(Leverkusen,Germany)))を攪拌しつつ反応混合物に添加した。重合を、循環流体により制御して約20℃で攪拌しつつ進めた。重合液は13分で青色に変わり始めた。架橋ポリスチレンのスルホン酸ナトリウムに関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名である44.17gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)S100および架橋ポリスチレンの第三アミン/第四アミンの遊離塩基/塩化物に関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名である48.80gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)MP62WSを添加することにより重合を7時間で終了させた。水中に色がなくなるまで、使用の前に2種の樹脂を脱イオン水で別個に最初に洗浄した。樹脂処理を5時間にわたり進めた。その後、ワットマン#54濾紙を通して、得られたスラリーを吸引濾過した。スラリーは非常に速く濾紙を通過した。固形物%は約3.0%(w/w)であった。上述したのと同じ方式で製造された4つのバッチを組み合わせ、5パスについて5,000〜7,000psiの圧力を用いて「ミクロフルイダイザ・プロセッサー(Microfluidizer Processor)」M−110Y(米国マサチューセッツ州のミクロフルイディックス(Microfluidics(MA,USA)))でミクロ流動化させた。第1の圧力チャンバおよび第2の圧力チャンバの直径は200μmである(H30Zモデル)。
粘度および表面張力は、インクジェット印刷のための2つの最も重要な物理的特性である。粘度および表面張力は、滴形成、ジェット安定性、基材湿り、広がりおよび平滑化ならびに乾燥現象に影響を及ぼす。3%PEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)の粘度は60rpmで約1.9cpであり、1%の粘度は60rpmで約0.9cpである。得られた印刷表面は非常になめらかではない。効率的なインクジェット印刷のために粘度は低すぎ、表面張力は高すぎる。従って、エチレングリコールを下で記載するように添加した。それは実施例5で実証されたように導電率を改善し、PEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)の粘度を高め、表面張力を下げるはずである。
8ml(密度約1.008g/ml)のミクロ流動化水性分散液を14mlの脱イオン水および4.0mlのエチレングリコール(密度約1.113g/ml、アクロス・オーガニックス(Across Organics)、カタログ番号295530010)に添加した。組成物は、0.91%(w/w)PEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)、16.9%エチレングリコールを含有する。よく混合した後、HVフィルタを通してインキを濾過した。インキの粘度は60rpmで2.45cpsであると測定された。
「ミクロファブ(Microfab)」(単一ノズルシステム)をインクジェット印刷のために用いた。30μmのチップをDI水で逆フラッシュし、Nで吹き付け乾燥させた。インクジェットヘッドを組み立て、45μ秒の滞留時間で15ボルトを用いて安定で清浄な滴を得た。フルドリズル1μmアンダーカットプレート(5206)をUV−オゾンで15分にわたり処理し、その後、CFプラズマで3分にわたり処理した。プレートを室温で印刷段に置いた。ディスプレー1、2、3、4を印刷した。ディスプレー1に関して、Row1〜Row5を7滴/ピクセルで印刷し、R6〜R10を8滴/ピクセルで印刷し、R16〜R20を9滴/ピクセルで印刷し、R21〜R25を10滴/ピクセルで印刷した。ディスプレー4に関して、R11〜R15を11滴/ピクセルで印刷し、R21〜R25を12滴/ピクセルで印刷し、R26〜R30を13滴/ピクセルで印刷し、R31〜R35を14滴/ピクセルで印刷した。その後、プレートを40℃に加熱し、ディスプレー5、6および7をそれぞれ8滴、10滴、12滴/ピクセルで印刷した。印刷後のプレートを真空下で30分にわたり130℃で焼き付けた。
16.9%エチレングリコールが添加された0.91%PEOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)は、1%PEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)水性インキ(60rpmで0.9cps)の粘度より高い粘度(60rpmで2.45cps)を与えた。0.91%PEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)/EGインキは、1%水性「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)水性系より良好な印刷性を与えた。付随物のない安定で清浄な滴を低電圧(15v)で容易に得た。16.9%エチレングリコールを添加することによりノズル安定性も改善した。平滑な表面をPEDOT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)/EGインキで得た。
(実施例7)
この実施例は、PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)の水性分散液の調製および導電率と粒子サイズに及ぼすメタノールの添加の効果を例示している。
73.46g(8.81ミリモル)の「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)水性コロイド分散液および224.8gの脱イオン水を500mLのジャケット付き三口丸底フラスコに入れた。「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)DE1020(本願特許出願人製の商用パーフルオロエチレンスルホン酸)は、951g/酸当量のEWを有する11.4(w/w)水性コロイド分散液であった。混合物を20℃で30分にわたり攪拌した。0.496ml(4.40ミリモル)の「バイトロン(Baytron)」−M(米国マサチューセッツ州のH.C.スターク(H.C.Starck(MA,USA))製の3,4−エチレンジオキシチオフェンのための商品名)を「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)/水混合物に添加し、硫酸第二鉄および過硫酸ナトリウムの添加の前に、15分にわたり攪拌した。1.10g(4.62ミリモル)の過硫酸ナトリウム(フルカ(Fluka)カタログ番号#71899)をガラスバイアル内で5gの脱イオン水に最初に溶解させ、その後、反応混合物を攪拌しつつ反応混合物に移送した。3.6363gの全重量まで脱イオン水で0.0141gの硫酸第二鉄水和物(97%、アルドリッチ(Aldrich)カタログ番号#30,771−8)を溶解させることにより硫酸第二鉄の原液を最初に製造した。1.44g(0.0108ミリモル)の硫酸第二鉄原液を硫酸第二鉄溶液の添加直後に反応フラスコに添加した。重合を、循環流体により制御して約20℃で攪拌しつつ進めた。重合液は13分で青色に変わり始めた。架橋ポリスチレンのスルホン酸ナトリウムに関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名である9.61gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)S100および架橋ポリスチレンの第三アミン/第四アミンの遊離塩基/塩化物に関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名である9.61gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)MP62WSを添加することにより反応を12時間で終了させた。水中に色がなくなるまで、使用の前に2種の樹脂を脱イオン水で別個に最初に洗浄した。樹脂処理を10時間にわたり進めた。その後、2枚のワットマン#4濾紙を含むブフナー漏斗を通して、得られたスラリーを吸引濾過した。スラリーは非常に速く濾紙を通過した。固形物%は添加された重合原料を基準にして約3.0%(w/w)であった。水性PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)のpHは、コーニング・カンパニー(Corning Company)(米国ニューヨーク州のコーニング(Corning(New York,USA)))製の315pH/lonメーターで4.95であると決定された。製造されたままの分散液の導電率は、2プローブ抵抗測定技術を用いて2.6×10−6S/cmであると決定された。分散液の小部分を10%(w/w)メタノールに添加した。導電率は3.8×10−6S/cmであると決定され、それは導電率がメタノールの添加で似たままであることを示している。しかし、「アキュサイザ(Accusizer)」(モデル780A、カリフォルニア州サンタバーバラのパーティクル・サイジング・システムズ(Particle Sizing Systems(Santa Barbara,CA)))で測定された粒子サイズカウントに及ぼす効果は表1で例示されているように顕著である。表1は、それぞれ0.75μm、1.51μmおよび2.46μmより大きい粒子サイズを有する分散液1ml当たりの粒子の数を示している。データは、メタノールがPEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)粒子を安定化させるのみでなく、大きい粒子の数を実質的に減少させることを明らかに示している。
Figure 0004851323
(実施例8)
この実施例は、PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)の水性分散液の調製および粒子サイズに及ぼすn−プロパノールの添加の効果を例示している。用いた「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)は実施例1と同じである。
500mLの反応ケトル中に85.9gの12%固体含有率水性「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液(9.8ミリモルのSOH基)、313gの水、1.86g(7.8ミリモル)の過硫酸ナトリウム(Na)および0.84g(0.125ミリモル)の硫酸鉄(III)(Fe(SO)を入れる。プロペラ型ブレードを用いて反応混合物を180RPMで15分にわたり攪拌した後、180RPMで連続的に攪拌しつつ20μL/hの添加速度を用いて0.695mL(6.5ミリモル)のエチレンジオキシチオフェン(EDT)の添加を開始する。反応混合物に直接送る「テフロン(Teflon)」(登録商標)チューブに接続されたシリンジ内にモノマーを入れることによりEDTの添加を実行する。25gの各「レワチット(Lewatit)」MP62WSおよび「レワチット(Lewatit)」Monoplus S100イオン交換樹脂を反応混合物に添加し、180RPMで3時間にわたり攪拌することにより反応をモノマーの添加が終わってから36時間後に停止する。ワットマンNo.54濾紙を用いてイオン交換樹脂を最終的に溶液から濾過する。分散液の一部をn−プロパノールで10%w/wだけ希釈する。60時間後、n−プロパノールの添加前後の分散液のPEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)粒子の「アキュサイザ(Accusizer)」(モデル780A、カリフォルニア州サンタバーバラのパーティクル・サイジング・システムズ(Particle Sizing Systems(Santa Barbara,CA)))で測定された粒子数を表2および図1に示している。データは、低沸点液であるn−プロパノールが大きなPEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)粒子の数を実質的に減少させたことを明らかに示している。
Figure 0004851323
(実施例9)
この実施例は、PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)の水性分散液の調製を例示している。用いた「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)は実施例1と同じである。
63.89g(8.07ミリモルの「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)モノマー単位)の「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)(990EW)水性コロイド分散液(12.5%、w/w)および234.79gの脱イオン水を500mLのジャケット付き三口丸底フラスコに入れた。硫酸第二鉄および過硫酸ナトリウムの添加の前に混合物を45分にわたり攪拌した。3.5095gの全重量まで脱イオン水で0.0135gの硫酸第二鉄水和物(97%、アルドリッチ(Aldrich)カタログ番号#30、771−8)を溶解させることにより硫酸第二鉄の原液を最初に製造した。その後、混合物を攪拌しつつ0.97g(0.0072ミリモル)の硫酸第二鉄溶液および0.85g(3.57ミリモル)の過硫酸ナトリウム(フルカ(Fluka)カタログ番号#71899)を反応フラスコに入れた。その後、0.312ml(2.928ミリモル)の「バイトロン(Baytron)」−M(ペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))製の3,4−エチレンジオキシチオフェンのための商品名)を攪拌しつつ反応混合物に添加する前に、混合物を3分にわたり攪拌した。重合を、循環流体により制御して約20℃で攪拌しつつ進めた。重合液は30分で中程度に黒っぽい青色に変わった。8.97gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)S100(架橋ポリスチレンのスルホン酸ナトリウムに関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名)および7.70gの「レワチット(Lewatit)」(登録商標)MP62WS(架橋ポリスチレンの第三アミン/第四アミンの遊離塩基/塩化物に関するペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer(Pittsburgh,PA))からの商品名)を添加することにより重合を19.6時間後に終了させた。水中に色がなくなるまで、使用の前に2種の樹脂を脱イオン水で別個に最初に洗浄した。樹脂処理を5時間にわたり進めた。その後、ワットマン#54濾紙を通して、得られたスラリーを吸引濾過した。スラリーは非常に速く濾紙を通過した。収量は273.7gであった。固形物%は添加された重合原料を基準にして約3.1%(w/w)であった。
(実施例10)
この実施例は、PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液の表面張力に及ぼす添加された共分散性液体の効果を例示している。
共分散性液体が全くない実施例9の水性PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)の表面張力をFTA T10「テンシオメータ(Tensiometer)Model1000IUD(フィンランドのKSVインストルメンツ(KSV Instruments,Finland))により測定し、19.5℃で73ミリN/メートルであると決定した。
表面張力に及ぼす共分散性液体の効果を決定するために、実施例1の25.436mlのPEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)を1.4781mlのn−プロパノール(n−PA)および2.051mlの1−メトキシ−2−プロパノール(1M2P)と混合した。それは87.8V%のPEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)、5.1V%のn−PAおよび7.1V%の1M2Pを構成する。分散液と共分散性液体の混合物は沈殿の兆候がなく非常に混ざっていた。共分散性液体入りの分散液の表面張力は42.24mN/mであると決定された。新規分散液のより低い表面張力は新規分散液の高い湿潤性および被覆の容易さを示している。
(実施例11)
この実施例は発光ダイオードの性能に及ぼす共分散性液体の効果を例示している。
実施例9で調製された水性PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液および実施例10に記載された共分散性液体ミックスの発光ダイオード特性を試験した。厚さ100〜150nmのITOおよび発光のための15mm×20mmのITO面を有するガラス/ITO基材(30mm×30mm)を清浄化し、その後、酸素プラズマで処理した。共分散性液体入り水性PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液および共分散性液体なしの水性PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液をITO/ガラス基材上にスピン被覆した。厚さは分散性液体あり、なしの両方について75nmであった。PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)被覆ITO/ガラス基材を真空内で90℃で30分にわたり乾燥させた。その後、PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)層をコビオン・オーガニック・セミコンダクターズ(Covion Organic Semiconductors GmbH)(ドイツ国フランクフルト(Frankfurt,Germany))製のHS670青色発光ポリマーでトップコートした。EL層の厚さは約75nmであった。膜厚さは、「テンコー(TENCOR)」500サーフェス・プロファイラ(Surface Profiler)により測定した。その後、HS670トップコート構造体を100℃で10分にわたり真空内で焼き付けた。Ba層およびAl層を1×10−6トルの真空下でEL層の上に蒸着させた。Ba層の最終厚さは30Åであり、Al層の厚さは4000Åであった。共分散性液体入りのPEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)から製造されたデバイスは、両方のデバイスが類似の電圧(約4.2ボルト)を有するけれども、水性PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)中に共分散性液体なしで製造されたデバイス(4.5Cd/A)より高い効率(6.0Cd/A)を有する。時間の関数としてのデバイスの輝度および電圧を図11に示している。共分散性液体を含有する新規分散液で製造されたデバイスは、水性PEDT/「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)単独の分散液から製造されたデバイス(50時間)より80℃で長い寿命(100時間)を有する。
本発明を特定の好ましい実施形態を参照して詳しく記載してきた一方で、修正および変形は記載され特許請求されている精神および範囲内であることは言うまでもないであろう。
本出願は、特許請求の範囲に記載の発明を含め、以下の発明を包含する。
(1) 少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の水性分散液を含む組成物であって、前記ポリチオフェンが式I(a)または式I(b)を含むことを特徴とする組成物。
Figure 0004851323
(式中、R”は各出現で同じかまたは異なり、少なくとも1個のR”が水素ではないことを条件として、R”は、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、スルホネートおよびウレタンから選択され、
mは2または3であり、
nは少なくとも約4である)
Figure 0004851323
(式中、R’1およびR1は独立して水素およびアルキルから選択されるか、または、
R’1およびR1は合一して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基または芳香族基によって任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖、または1,2−シクロへキシレン基を形成し、
nは少なくとも約4である)
(2) 前記コロイド形成性高分子酸が高分子スルホン酸、高分子リン酸、高分子ホスホン酸、高分子カルボン酸、高分子アクリル酸およびそれらの混合物を含むことを特徴とする(1)に記載の組成物。
(3) 前記コロイド形成性高分子酸がフッ素化高分子スルホン酸を含むことを特徴とする(2)に記載の組成物。
(4) 前記高分子スルホン酸が過フッ素化されていることを特徴とする(3)に記載の組成物。
(5) ポリマー、コロイド形成性高分子酸、染料、カーボンナノチューブ、金属ナノワイヤ、金属ナノ粒子、カーボンナノ粒子、炭素繊維、炭素粒子、グラファイト繊維、グラファイト粒子、コーティング助剤、有機導電性インキ、有機導電性ペースト、無機導電性インキ、無機導電性ペースト、電荷輸送材料、半導電性無機酸化物ナノ粒子、絶縁性無機酸化物ナノ粒子、圧電性ナノ粒子、ピロ電気性ナノ粒子、強誘電性酸化物ナノ粒子、圧電性ポリマー、ピロ電気性ポリマー、強誘電性酸化物ポリマー、光導電性酸化物ナノ粒子、光導電性酸化物ポリマー、分散剤、架橋剤およびそれらの組み合わせから少なくとも1種が選択される追加の材料を更に含むことを特徴とする(1)に記載の組成物。
(6) 少なくとも1種の共分散性液体を更に含むことを特徴とする(1)に記載の組成物。
(7) 前記共分散性液体がエーテル、環式エーテル、アルコール、アルコールエーテル、ケトン、ニトリル、スルフィド、スルホキシド、アミド、アミン、カルボン酸およびそれらの組み合わせから選択されることを特徴とする(6)に記載の組成物。
(8) 前記共分散性液体がn−プロパノール、イソプロパノール、メタノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロゾール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、4−メチル−1,3−ジオキサン、4−フェニル−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシ−2,5−ジヒドロフラン、1−メチルピロリンジン、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシドおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種であることを特徴とする(6)に記載の組成物。
(9) 少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の水性分散液を含む組成物から堆積させた導電性層または半導電性層であって、前記ポリチオフェンが式I(a)または式I(b)を有することを特徴とする導電性層または半導電性層。
Figure 0004851323
(式中、R”は各出現で同じかまたは異なり、少なくとも1個のR”が水素ではないことを条件として、R”は、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、スルホネートおよびウレタンから選択され、
mは2または3であり、
nは少なくとも約4である)
Figure 0004851323
(式中、R’1およびR1は独立して水素およびアルキルから選択されるか、または、
R’1およびR1は合一して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基または芳香族基によって任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖、または1,2−シクロへキシレン基を形成し、
nは少なくとも約4である)
(10) 少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の水性分散液を含む組成物から堆積させたバッファ層であって、前記ポリチオフェンが式I(a)または式I(b)を有することを特徴とするバッファ層。
Figure 0004851323
(式中、R”は各出現で同じかまたは異なり、少なくとも1個のR”が水素ではないことを条件として、R”は、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、スルホネートおよびウレタンから選択され、
mは2または3であり、
nは少なくとも約4である)
Figure 0004851323
(式中、R’1およびR1は独立して水素およびアルキルから選択されるか、または、
R’1およびR1は合一して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基または芳香族基によって任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖、または1,2−シクロへキシレン基を形成し、
nは少なくとも約4である)
(11) 前記水性分散液が共分散性液体を更に含むことを特徴とする(10)に記載のバッファ層。
(12) 前記水性分散液が3.5を上回るpHを有することを特徴とする(10)に記載のバッファ層。
(13)少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の組成物を含む少なくとも1つの層を含む電子デバイスであって、前記ポリチオフェンが式I(a)または式I(b)を有することを特徴とする電子デバイス。
Figure 0004851323
(式中、R”は各出現で同じかまたは異なり、少なくとも1個のR”が水素ではないことを条件として、R”は、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、スルホネートおよびウレタンから選択され、
mは2または3であり、
nは少なくとも約4である)
Figure 0004851323
(式中、R’1およびR1は独立して水素およびアルキルから選択されるか、または、
R’1およびR1は合一して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基または芳香族基によって任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖、または1,2−シクロへキシレン基を形成し、
nは少なくとも約4である)
(14) 前記コロイド形成性高分子酸が高分子スルホン酸、高分子リン酸、高分子ホスホン酸、高分子アクリル酸、高分子カルボン酸およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする(13)に記載のデバイス。
(15) 前記ポリチオフェンがポリ[(スルホン酸−プロピレン−エーテル−メチレン−3,4−ジオキシエチレン)チオフェン]およびポリ[(プロピル−エーテル−エチレン−3,4−ジオキシエチレン)チオフェン]を含み、前記コロイド形成性酸がフッ素化高分子スルホン酸を含むことを特徴とする(8)に記載のデバイス。
(16) (1)に記載の組成物を含む少なくとも1個の電極を含む薄膜電界効果トランジスタ。
(17) 前記組成物が金属ナノワイヤ、金属ナノ粒子またはカーボンナノチューブ、カーボンナノ粒子またはそれらの混合物を更に含むことを特徴とする(16)に記載の薄膜電界効果トランジスタ。
(18) 前記デバイスが光センサー、光スイッチ、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレー、光検出器、光トランジスタ、光伝導体、光チューブ、赤外線検出器、ダイオードレーザ、エレクトロクロミックデバイス、電磁遮蔽デバイス、固体電解キャパシタ、エネルギー貯蔵デバイス、電界効果抵抗デバイス、メモリー貯蔵デバイス、バイオセンサ、光導電セル、光起電デバイス、太陽電池およびダイオードから選択されることを特徴とする(13)に記載のデバイス。
(19) 少なくとも1種のポリチオフェンの水性分散液を製造する方法であって、前記方法が少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸、1種の酸化剤および1種の触媒の存在下で少なくとも1種のチオフェンモノマーを重合する工程を含み、前記チオフェンモノマーが式II(a)または式II(b)を有することを特徴とする方法。
Figure 0004851323
(式中、R”は各出現で同じかまたは異なり、少なくとも1個のR”が水素ではないことを条件として、R”は、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネートおよびウレタンから選択され、
mは2または3であり、
R’1およびR1は独立して水素およびアルキルから選択されるか、または、
R’1およびR1は合一して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基または芳香族基によって任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖、または1,2−シクロへキシレン基を形成する)
(20) 前記コロイド形成性高分子酸がパーフルオロエチレンスルホン酸を含むことを特徴とする(19)に記載の方法。
(21) 共分散性液体、共酸またはそれらの混合物から選択された少なくとも1種の材料を添加する工程を更に含むことを特徴とする(19)に記載の方法。
(22) 制御された添加速度を用いて少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸、少なくとも1種の触媒および水を含む反応混合物に少なくとも1種のチオフェンモノマーが添加されることを特徴とする(19)に記載の方法。
(23) 前記制御された添加速度が前記反応混合物約100〜500gごとに対して約1〜1000μLモノマー/時間であることを特徴とする(22)に記載の方法。
(24) 前記反応混合物に添加される前記モノマーを酸化剤と別々におよび同時に添加することを特徴とする(19)に記載の方法。
(25) 重合後に、ポリチオフェン分散液を少なくとも1種のイオン交換樹脂に更に接触させることを特徴とする(19)に記載の方法。
(26) 重合後に、共分散性液体を添加することを特徴とする(19)に記載の方法。
(27) 前記共分散性液体がエーテル、環式エーテル、アルコール、アルコールエーテル、ケトン、ニトリル、スルフィド、スルホキシド、アミド、アミン、カルボン酸およびそれらの組み合わせから選択されることを特徴とする(26)に記載の方法。
(28) 前記共分散性液体がn−プロパノール、イソプロパノール、メタノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロゾール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、4−メチル−1,3−ジオキサン、4−フェニル−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシ−2,5−ジヒドロフラン、1−メチルピロリンジン、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシドおよびそれらの組み合わせから選択されることを特徴とする(26)に記載の方法。

新規組成物の一実施形態を含むバッファ層を含む電子デバイスの断面図を例示している。 新規組成物を含む電極を含む薄膜電界効果トランジスタの断面図を例示している。 重合反応における酸化剤対モノマーの比によるポリチオフェン/FSA水性コロイド分散液(登録商標)膜の導電率の変化を例示している。 重合反応におけるFSA対モノマーの比によるポリチオフェン/FSA水性コロイド分散液膜の導電率の変化を例示している。 グリーン発光ポリマーによるOLEDデバイスの作動寿命を例示している。 レッド発光ポリマーによるOLEDデバイスの作動寿命を例示している。 ブルー発光ポリマーによるOLEDデバイスの作動寿命を例示している。 OLEDデバイスの性能に及ぼすPEDT/PSSAバッファ層のpHの効果を例示している。 OLEDデバイスの性能に及ぼすPEDT/PSSAバッファ層のpHの効果を例示している。 OLEDデバイスの性能に及ぼすPEDT/PSSAバッファ層のpHの効果を例示している。 OLEDデバイスの性能に及ぼすPEDT/PSSAバッファ層のpHの効果を例示している。 OLEDデバイスの性能に及ぼすポリチオフェン/FSA水性コロイド分散液バッファ層のpHの効果を例示している。 OLEDデバイスの性能に及ぼすポリチオフェン/FSA水性コロイド分散液バッファ層のpHの効果を例示している。 OLEDデバイスの性能に及ぼすポリチオフェン/FSA水性コロイド分散液バッファ層のpHの効果を例示している。 ポリチオフェン/FSA水性コロイド分散液またはPEDT/PSSAの分散液に浸漬された時のITO厚さの変化を例示している。 時間の関数としてのデバイスの輝度および電圧を例示している。

Claims (7)

  1. 少なくとも1種のポリチオフェンおよび少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸の水性分散液、ならびに少なくとも1種の共分散性液体、少なくとも1種の添加剤、もしくは少なくとも1種の共分散性液体および少なくとも1種の添加剤の両方を含む水性分散液組成物であって、前記ポリチオフェンが式I(a)または式I(b)を含み、ならびに前記コロイド形成性高分子酸がフッ素化高分子スルホン酸を含み、前記ポリチオフェンが、少なくとも1種のチオフェンモノマーを前記コロイド形成性高分子酸の存在下で化学的に重合することにより得られ、前記添加剤が水溶性材料または水分散性材料であり、前記水性分散液組成物が3.5を上回るpHを有することを特徴とする水性分散液組成物。
    Figure 0004851323
    (式中、R”は各出現で同じかまたは異なり、少なくとも1個のR”が水素ではないことを条件として、R”は、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、スルホネートおよびウレタンから選択され、
    mは2または3であり、
    nは少なくとも4である)
    Figure 0004851323
    (式中、R’1およびR1は独立して水素およびアルキルから選択されるか、または、
    R’1およびR1は合一して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基または芳香族基によって任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖、または1,2−シクロへキシレン基を形成し、
    nは少なくとも4である)
  2. 前記コロイド形成性高分子酸が高度にフッ素化されたスルホン酸ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記高分子スルホン酸が過フッ素化されていることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  4. 前記添加剤が、ポリマー、コロイド形成性高分子酸、染料、カーボンナノチューブ、金属ナノワイヤ、金属ナノ粒子、カーボンナノ粒子、炭素繊維、炭素粒子、グラファイト繊維、グラファイト粒子、コーティング助剤、有機導電性インキ、有機導電性ペースト、無機導電性インキ、無機導電性ペースト、電荷輸送材料、半導電性無機酸化物ナノ粒子、絶縁性無機酸化物ナノ粒子、圧電性ナノ粒子、ピロ電気性ナノ粒子、強誘電性酸化物ナノ粒子、圧電性ポリマー、ピロ電気性ポリマー、強誘電性酸化物ポリマー、光導電性酸化物ナノ粒子、光導電性酸化物ポリマー、分散剤、架橋剤およびそれらの組み合わせから少なくとも1種が選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記共分散性液体がエーテル、環式エーテル、アルコール、アルコールエーテル、ケトン、ニトリル、スルフィド、スルホキシド、アミド、アミン、カルボン酸およびそれらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 前記共分散性液体がn−プロパノール、イソプロパノール、メタノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロゾール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、4−メチル−1,3−ジオキサン、4−フェニル−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシ−2,5−ジヒドロフラン、1−メチルピロリンジン、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を製造する方法であって、
    前記方法が少なくとも1種のコロイド形成性高分子酸、1種の酸化剤および1種の触媒の存在下で少なくとも1種のチオフェンモノマーを重合してポリチオフェンの分散液を提供する工程(ただし、重合後の、後続する、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂またはそれらの混合物である少なくとも1種類のイオン交換樹脂と前記ポリチオフェンの分散液を接触させる工程を除く)を含み、前記チオフェンモノマーが式II(a)または式II(b)を有し、および前記コロイド形成性高分子酸がフッ素化高分子スルホン酸を含み、
    少なくとも1種の共分散性液体を、前記チオフェンモノマー、コロイド形成性高分子酸、酸化剤、および触媒が組み合わされた後に添加してもよく、
    少なくとも1種の添加剤を、いかなる時に、いかなる組み合わせの順序で添加してもよく、前記添加剤が水溶性材料または水分散性材料であることを特徴とする方法。
    Figure 0004851323
    (式中、R”は各出現で同じかまたは異なり、少なくとも1個のR”が水素ではないことを条件として、R”は、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネートおよびウレタンから選択され、
    mは2または3であり、
    R’1およびR1は独立して水素およびアルキルから選択されるか、または、
    R’1およびR1は合一して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基または芳香族基によって任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖、または1,2−シクロへキシレン基を形成する)
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