JP4850905B2 - 巻取式真空蒸着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、減圧雰囲気内で絶縁性のフィルムを連続的に繰り出し、フィルムを冷却用ローラに密着させ冷却しながら、当該フィルムに蒸着物質を蒸着し巻き取る方式の巻取式真空蒸着装置に関する。
従来より、巻出しローラから連続的に繰り出された長尺のフィルムに対して蒸発源からの蒸発物質を蒸着させ、蒸着後のフィルムを巻取りローラで巻き取る方式の巻取式真空蒸着装置が広く用いられている(例えば下記特許文献1参照)。この種の真空蒸着装置においては、蒸着時におけるフィルムの熱変形を防止するために、フィルムを冷却用キャンローラの周面に密着させて冷却しながら成膜処理を行うようにしている。従って、冷却用キャンローラに対するフィルムの密着作用をいかに確保するかが重要な問題となっている。
従来の巻取式真空蒸着装置の構成の一例を図6に示す。フィルム52は、巻出しローラ(図示略)からガイドローラ53、冷却用のキャンローラ54及びガイドローラ55を介して、巻取りローラ(図示略)に巻き取られる。フィルム52は、キャンローラ54上で蒸発源56からの蒸発物質が蒸着される。電子ビーム照射器51は、巻出しローラと蒸発源56との間に設置され、蒸着前のフィルムを電子ビームの照射によって負に帯電させ、接地電位に接続したキャンローラ54との間の静電力でフィルム52をキャンローラ54に密着させる。これにより、冷却不足によるフィルム52の熱変形の防止を図るようにしている。
図7は電子ビーム照射器51の構成を示す等価回路図である。電子ビーム照射器51は熱電子を放出するフィラメント61と、フィラメント61を通電する加熱電源62と、電子ビームの引出し電源63とを備えている。加熱電源62は交流電源であり、例えば商用周波数電源で構成される。
特開2005−146401号公報
しかしながら、上述した従来の巻取式真空蒸着装置においては、図8Aに模式的に示すようにフィルム52の長手方向に沿って周期的に熱負け領域65が発生するという問題があった。熱負け領域65は、熱によるフィルムの皺や変形などが生じ易い領域である。フィルム52の走行速度を高くすると、図8Bに示すように、熱負け領域65の発生間隔は広くなる。逆に、フィルム52の走行速度を極端に低くすれば、熱負け領域65は発生しなくなる。しかし、フィルムの走行速度を低くすることは、生産性の低下を招くので好ましくない。
熱負け領域65の発生は、フィルム52に対する電子ビームの照射不足が原因である。電子ビームの照射量が少ないと、キャンローラ54との密着力が弱くなり冷却効果が低下する。フィルム52の走行速度は一定であり、熱負け領域は周期的に発生している。従って、熱負け領域65の発生は、フィルム52に対する電子ビームの照射量のバラツキが原因であると考えられる。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、生産性を低下させることなく、フィルム上への熱負け領域の発生を抑えることができる巻取式真空蒸着装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明者らは鋭意検討の結果、フィルムの熱負け領域の発生は、以下のように、電子ビーム照射器を構成するフィラメントの通電加熱機構が原因であるとの知見を得た。即ち、図9A,Bに示すように、従来の電子ビーム照射器は、フィラメント61へ交流電流を印加して電子ビームを発生させていた。このとき、交流電流の周波数に対応する交番誘導磁場がフィラメント61の周囲に出現し、発生した電子ビームがこの交番誘導磁場に起因する電磁力を受けて、誘導磁場と直交する方向に揺動される。その結果、図10に示すように、フィルム52には、その走行方向に沿って周期的に電子ビームの照射量が不足する領域が出現し、この領域が熱負け領域65としてフィルム52上に発生する。
そこで、本発明に係る巻取式真空蒸着装置は、真空チャンバと、この真空チャンバの内部に配置され絶縁性のフィルムを連続的に繰り出す巻出しローラと、この巻出しローラから繰り出されたフィルムを巻き取る巻取りローラと、巻出しローラと巻取りローラとの間に配置されフィルムと密着して当該フィルムを冷却する冷却用ローラと、この冷却用ローラに対向配置されフィルムに蒸着材料を蒸着させる蒸発源と、巻出しローラと蒸発源との間に配置され、走行するフィルムに電子ビームを照射する電子ビーム照射器とを備えた巻取式真空蒸着装置において、電子ビーム照射器は、通電加熱によって電子を放出するフィラメントと、このフィラメントへ直流電流を供給する直流発生手段とを有することを特徴とする。
本発明では、電子ビーム照射器を構成するフィラメントの通電加熱を直流的に行うことにより、フィラメント周囲での交番誘導磁場による電子ビームの揺動を原理的に解消し、フィルムに対する電子ビームの均等な照射作用を得るようにしている。これにより、フィルム全面にわたって冷却用ローラとの密着作用が得られ、生産性を低下させることなく冷却効果の低下による熱負け領域の発生を防止することが可能となる。
上記直流発生手段の具体的な構成例としては、フィラメントの加熱電源を直流電源で構成する。また、加熱電源を交流電源とし、これに整流素子を含む直流化回路を挿入することで、フィラメントに対して直流電流を供給することができる。
以上述べたように、本発明の巻取式真空蒸着装置によれば、生産性を低下させることなくフィルム全面にわたって冷却用ローラとの密着作用が得られ、冷却効果の低下による熱負け領域の発生を防止することができる。
本発明の実施形態による巻取式真空蒸着装置の概略構成図である。 フィルムに対する電子ビームの照射工程を説明する断面模式図である。 図1に示す巻取式真空蒸着装置に用いられる電子ビーム照射器の構成を説明する等価回路図である。 図3に示す電子ビーム照射器の作用を説明する模式図である。 図3に示す電子ビーム照射器の構成の変形例を示す図である。 従来の巻取式真空蒸着装置の要部の概略構成図である。 従来の巻取式真空蒸着装置に用いられる電子ビーム照射器の構成を説明する等価回路図である。 従来技術の問題点を説明する図であり、フィルム上に熱負け領域が周期的に発生した例を示している。 電子ビーム照射器を構成するフィラメントに交流電流を印加したときに発生する電子ビームの揺動の様子を説明する模式図である。 図8に示した熱負け領域の発生メカニズムを説明する模式図である。
符号の説明
10 巻取式真空蒸着装置
11 真空チャンバ
12 フィルム
13 巻出しローラ
14 キャンローラ(冷却用ローラ)
15 巻取りローラ
16 蒸発源
18 補助ローラ
21 電子ビーム照射器
22 直流バイアス電源
23 除電ユニット
31 フィラメント
32 直流電源
33 引出し電源
36 整流素子
37,39 キャパシタ
38 ダイオードブリッジ
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態による巻取式真空蒸着装置10の概略構成図である。本実施形態の巻取式真空蒸着装置10は、真空チャンバ11と、フィルム12の巻出しローラ13と、冷却用キャンローラ14と、巻取りローラ15と、蒸着物質の蒸発源16とを備えている。
真空チャンバ11は、配管接続部11a,11cを介して図示しない真空ポンプ等の真空排気系に接続され、その内部が所定の真空度に減圧排気されている。真空チャンバ11の内部空間は、仕切板11bにより、巻出しローラ13、巻取りローラ15等が配置される室と、蒸発源16が配置される室とに仕切られている。
フィルム12は、所定幅に裁断された長尺の絶縁性プラスチックフィルムでなり、本実施形態では、OPP(延伸ポリプロピレン)単層フィルムが用いられている。なお、これ以外にも、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルム等のプラスチックフィルムや紙シート等が適用可能である。
フィルム12は、巻出しローラ13から連続的に繰り出され、複数のガイドローラ17、キャンローラ14、補助ローラ18及び複数のガイドローラ19を介して巻取りローラ15に巻き取られるようになっている。巻出しローラ13及び巻取りローラ15には、図示せずとも、それぞれ回転駆動部が設けられている。
キャンローラ14は筒状で鉄等の金属製とされ、内部には冷却媒体循環系等の冷却機構や、キャンローラ14を回転駆動させる回転駆動機構等が備えられている。キャンローラ14の周面には所定の抱き角でフィルム12が巻回される。キャンローラ14に巻き付けられたフィルム12は、その外面側の成膜面が蒸発源16からの蒸着物質で成膜されると同時に、キャンローラ14によって冷却されるようになっている。
蒸発源16は、蒸着物質を収容するとともに、蒸着物質を抵抗加熱、誘導加熱、電子ビーム加熱等の公知の手法で加熱蒸発させる機構を備えている。この蒸発源16はキャンローラ14の下方に配置され、蒸着物質の蒸気を、対向するキャンローラ14上のフィルム12上へ付着させ被膜を形成させる。
蒸着物質としては、Al、Co、Cu、Ni、Ti等の金属元素単体のほか、Al−Zn、Cu−Zn、Fe−Co等の二種以上の金属あるいは多元系合金が適用され、蒸発源も一つに限らず、複数設けられてもよい。
本実施形態の巻取式真空蒸着装置10は、更に、電子ビーム照射器21、直流バイアス電源22及び除電ユニット23を備えている。
電子ビーム照射器21は、走行するフィルム12に電子ビームを照射してフィルム12を負に帯電させるためのものであり、巻出しローラ13と蒸発源16との間に設置されている。図2は、フィルム12に対する電子ビームの照射工程を説明する断面模式図である。電子ビーム照射器21は、キャンローラ14の周面との対向位置に設置され、キャンローラ14に接触したフィルム12の成膜面に、フィルム幅と同等以上の照射幅で電子ビームを照射する。
図3は電子ビーム照射器21の構成を示す等価回路図である。電子ビーム照射器21は熱電子を放出するフィラメント31と、フィラメント31を通電する加熱電源32と、電子ビームの引出し電源33とを備えている。加熱電源32は直流電源からなり、これによりフィラメント31に対して直流電流を供給する本発明に係る「直流発生手段」を構成している。
直流バイアス電源22は、キャンローラ14と補助ローラ18との間に所定の直流電圧を印加する。キャンローラ14は正極に接続され、補助ローラ18は負極に接続されている。補助ローラ18は金属製であり、その周面がフィルム12の成膜面に転接する位置に設けられている。フィルム12に形成された金属膜が補助ローラ18に接触すると、金属膜とキャンローラ14との間に挟まれるフィルム12が分極して、フィルム12とキャンローラ14との間に静電的な吸着力が生じる。これにより、フィルム12とキャンローラ14の密着が図られることになる。
そして、除電ユニット23は、冷却用キャンローラ14と巻取りローラ15との間に配置され、電子ビーム照射器21からの電子照射により帯電したフィルム12を除電する機能を有する。除電ユニット23の構成例として、本実施形態では、プラズマ中にフィルム12を通過させボンバード処理によりフィルム12を除電する機構が採用されている。
次に、以上のように構成される本実施形態の巻取式真空蒸着装置10の動作について説明する。
所定の真空度に減圧された真空チャンバ11の内部において、巻出しローラ13から連続的に繰り出されたフィルム12は、電子ビーム照射工程と、蒸着工程と、除電工程とを経て、巻取りローラ15に連続的に巻き取られる。
巻出しローラ13から繰り出されたフィルム12は、キャンローラ14に巻回される。フィルム12は、キャンローラ14との接触開始位置近傍において、電子ビーム照射器21により電子ビームが照射され、電位的に負に帯電される。このとき、フィルム12がキャンローラ14と接触した位置で電子ビームを照射するようにしているので、フィルム12を効率よくキャンローラ14へ密着させ冷却することができる。
ここで、本実施形態によれば、電子ビーム照射器21を構成するフィラメント31の通電加熱を直流的に行うようにしているので、フィラメントの通電を交流的に行う従来の方式で問題となっていたフィラメント周囲での交番誘導磁場による電子ビームの揺動を原理的に解消することができ、図4に模式的に示すようにフィルム12に対する電子ビームの均等な照射作用を得ることができる。これにより、フィルム全面にわたってキャンローラ14との密着作用が得られ、生産性を低下させることなく冷却効果の低下による熱負け領域の発生を防止することができる。
電子ビームの照射を受けて負に帯電したフィルム12は、直流バイアス電源22によって正電位にバイアスされているキャンローラ14に対して、静電引力により密着される。そして、蒸発源16から蒸発した蒸着物質がフィルム12の成膜面に堆積することによって金属膜が成膜される。
フィルム12に成膜された金属膜は、補助ローラ18を介して直流バイアス電源22の負電位が印加される。金属膜はフィルム12の長手方向に連続して形成されているので、金属膜の蒸着後、キャンローラ14に巻回されたフィルム12において、金属膜側の一方の表面にあっては正に、キャンローラ14側の他方の表面にあっては負にそれぞれ分極し、フィルム12とキャンローラ14との間に静電的な吸着力を生じさせる。その結果、フィルム12とキャンローラ14とが互いに密着される。
以上のように、本実施形態においては、金属膜の蒸着前は、電子ビームの照射によりフィルム12を帯電させてキャンローラ14へ密着させ、金属膜の蒸着後は、当該金属膜とキャンローラ14との間に印加したバイアス電圧によりフィルム12をキャンローラ14へ密着させるようにしているので、金属膜の蒸着前にフィルム12に帯電させた電荷(電子)の一部が、その後の金属膜の蒸着工程で当該金属膜に放出され消失しても、補助ローラ18から金属膜への負電位の印加(電子の供給)によって当該消失した電荷の一部又は全部を補償することが可能となる。
従って本実施形態によれば、蒸着工程後においてもフィルム12とキャンローラ14との間の密着力低下が抑止され、蒸着工程の前後にわたってフィルム12の安定した冷却作用が確保されることになる。これにより、金属膜の蒸着時におけるフィルム12の熱変形を防止できるとともに、フィルム12の高速走行化、成膜運転速度の高速化を可能として生産性向上を図ることができるようになる。
以上のようにして金属膜の蒸着が行われたフィルム12は、除電ユニット23で除電された後、巻取りローラ15に巻き取られる。これにより、フィルム12の安定した巻取り動作が確保されると同時に、帯電による巻きシワを防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施形態では、電子ビーム照射器21を構成するフィラメント31に対して直流電流を供給する直流発生手段として、直流電源からなる加熱電源32を用いたが、これに代えて、例えば図5A,Bに示すように、交流電源35と、整流素子を含む直流化回路によって、上記直流発生手段を構成してもよい。
図5Aに示す直流化回路は、熱電子を放出するフィラメント31と交流電源35との間に、整流素子36とキャパシタ37とからなる直流化回路を挿入した電子ビーム照射器の等価回路を示している。整流素子36は、交流電源35からの交流電流を直流に変換(半波整流)し、キャパシタ37は、整流波形を平滑化するフィルタとして機能する。
また、図5Bに示す直流化回路は、熱電子を放出するフィラメント31と交流電源35との間に、ダイオードブリッジ38とキャパシタ39とからなる直流化回路を挿入した電子ビーム照射器の等価回路を示している。ダイオードブリッジ38は、交流電源35からの交流電流を直流に変換(全波整流)し、キャパシタ39は、整流波形を平滑化するフィルタとして機能する。

Claims (3)

  1. 真空チャンバと、この真空チャンバの内部に配置され絶縁性のフィルムを連続的に繰り出す巻出しローラと、この巻出しローラから繰り出されたフィルムを巻き取る巻取りローラと、前記巻出しローラと前記巻取りローラとの間に配置され前記フィルムと密着して当該フィルムを冷却する冷却用ローラと、前記冷却用ローラに対向配置され前記フィルムに蒸着材料を蒸着させる蒸発源と、前記巻出しローラと前記蒸発源との間に配置され、走行する前記フィルムに電子ビームを照射する電子ビーム照射器とを備えた巻取式真空蒸着装置において、
    前記電子ビーム照射器は、通電加熱によって電子を放出するフィラメントと、前記フィラメントへ直流電流を供給する直流発生手段とを有する
    ことを特徴とする巻取式真空蒸着装置。
  2. 前記直流発生手段は、直流電源である請求の範囲第1項に記載の巻取式真空蒸着装置。
  3. 前記直流発生手段は、交流電源と、整流素子を含む直流化回路とからなる請求の範囲第1項に記載の巻取式真空蒸着装置。
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