JP4803742B2 - 巻取式真空成膜装置 - Google Patents

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本発明は、減圧雰囲気内で絶縁性のフィルムを連続的に繰り出し、フィルムを冷却用ローラに密着させ冷却しながら、当該フィルムに金属膜を蒸着し巻き取る方式の巻取式真空成膜装置に関する。
巻出しローラから連続的に繰り出した長尺の原料フィルムを冷却用キャンローラに巻き付けながら、当該キャンローラに対向配置される蒸発源からの蒸発物質を原料フィルム上に蒸着させ、蒸着後の原料フィルムを巻取りローラで巻き取る巻取式真空蒸着装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
この種の真空蒸着装置においては、蒸着時におけるフィルムの熱変形を防止するため、フィルムをキャンローラの周面に密着させて冷却しながら成膜処理を行うようにしている。したがって、キャンローラに対するフィルムの密着作用をいかに確保するかが重要な問題となっている。
そこで、特許文献1に記載の巻取式真空蒸着装置においては、キャンローラと巻取りローラとの間にフィルムの成膜面に接触する補助ローラを配置し、この補助ローラとキャンローラとの間に直流電圧を印加することで、フィルムを冷却用キャンローラに対して静電的に密着させる方法が開示されている。これにより、キャンローラに対するフィルムの密着作用が得られるため、蒸着時におけるフィルムの熱変形が効果的に防止される。
一方、上記構成の巻取式真空蒸着装置においては、成膜後のフィルムに残存する電荷の影響で、巻取りローラにおけるフィルムの巻取り時に、フィルムに皺が発生し、適正に巻き取れなくなるという問題が生じていた。この問題を解消するため、成膜後のフィルムをプラズマ処理によって除電する除電ユニットを設置し、フィルムの巻取り前にフィルムに帯電した電荷を当該除電ユニットによって除去する方法が知られている(特許文献2参照)。
特許第3795518号公報 WO2006/088024号パンフレット
しかしながら、上記除電ユニットを備えた真空蒸着装置においては、除電ユニットからプラズマ中の電子やイオン等の荷電粒子が漏出し、これがキャンローラと補助ローラの間に印加されたバイアス電圧の変動をもたらし、キャンローラに対するフィルムの密着作用を不安定にするという問題がある。
例えば、キャンローラを正極、補助ローラを負極としてバイアス電圧を印加する場合には、除電ユニットから飛来する電子がキャンローラへ到達することによってキャンローラの電位が低下し、フィルムに対する静電引力が低下する。このため、キャンローラとフィルムの間の密着力が低下することで、フィルムに熱変形を生じさせるおそれがある。
このような問題の発生を抑えるために、除電ユニットをキャンローラからなるべく離れた位置に設置することが考えられるが、装置の設計自由度が小さくなるだけでなく、装置の大型化をも招くため、現実的な措置ではない。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、装置を大型化することなく、除電ユニットからの漏出荷電粒子に起因するフィルムの熱変形を防止することができる巻取式真空成膜装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明の巻取式真空成膜装置は、真空チャンバと、この真空チャンバの内部で絶縁性のフィルムを搬送する搬送手段と、前記フィルムと密着して当該フィルムを冷却する冷却用ローラと、前記冷却用ローラに対向配置され当該フィルムに金属膜を成膜する成膜手段と、前記フィルムの成膜面に接触して当該フィルムの走行をガイドする補助ローラと、前記冷却用ローラと前記補助ローラとの間に直流電圧を印加する電圧印加手段と、前記フィルムをプラズマ処理によって除電する除電ユニットとを備え、前記冷却用ローラと前記除電ユニットとの間に、前記除電ユニットから前記冷却用ローラへ向かう荷電粒子を捕捉する電荷捕捉体を設けたことを特徴とする。
本発明の巻取式真空成膜装置においては、冷却用ローラと除電ユニットの間に、除電ユニットから冷却用ローラへ向かう荷電粒子を捕捉する電荷捕捉体を設けることで、除電ユニットから漏出した荷電粒子が冷却用ローラへ到達することを阻止して、冷却用ローラの電位の変動を抑止し、フィルムに対する静電力を安定に保持する。これにより、フィルムと冷却用ローラの間の密着力が安定に保持されるので、フィルムの熱変形が防止されることになる。
特に本発明においては、接地電位に接続された金属製のメッシュプレートで上記電荷捕捉体を構成することにより、荷電粒子の捕捉効果を高められると同時に、除電ユニットと冷却用ローラの間の隙間を有効に利用できるため装置の大型化が回避される。
また、フィルムに成膜された金属膜中のピンホールを電気的に検出する検出手段を備えた構成においては、上記電荷捕捉体の設置によって冷却用ローラの電位変動を防止できるので、安定したピンホール検出が行えるようになる。
以上述べたように、本発明の巻取式真空成膜装置においては、除電ユニットによる冷却用ローラの電位変動を効果的に防止することができるため、冷却用ローラに対するフィルムの安定した密着力を確保して、フィルムの熱変形を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、巻取式真空成膜装置として、成膜源に蒸着物質の蒸発源が用いられ、例えばフィルムコンデンサの製造に供される巻取式真空蒸着装置を例に挙げて説明する。
図1は本実施形態の巻取式真空蒸着装置10の概略構成図である。巻取式真空蒸着装置10は、真空チャンバ11と、フィルム12の巻出しローラ13と、冷却用キャンローラ14と、巻取りローラ15と、蒸着物質の蒸発源16とを備えている。
真空チャンバ11は、配管接続部11a,11cを介して図示しない真空ポンプ等の真空排気系に接続され、その内部が所定の真空度に減圧排気されている。真空チャンバ11の内部空間は、仕切板11bにより、巻出しローラ13、巻取りローラ15等が配置される室と、蒸発源16が配置される室とに仕切られている。
フィルム12は所定幅に裁断された長尺の絶縁性フィルムからなり、本実施形態では、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PPS(ポリフェニレンサルファイト)フィルム等のプラスチックフィルムが用いられるが、これ以外にも例えば紙シート等が適用可能である。
フィルム12は巻出しローラ13から繰り出され、複数のガイドローラ17、キャンローラ14、補助ローラ18、複数のガイドローラ19を介して巻取りローラ15に巻き取られるようになっている。なお、巻出しローラ13及び巻取りローラ15は本発明の「搬送手段」に対応する。
キャンローラ14は筒状で鉄等の金属製とされ、内部には冷却媒体を循環させる冷却機構やキャンローラ14を回転駆動させる回転駆動機構などが備えられている。キャンローラ14の周面には所定の抱き角でフィルム12が巻回される。キャンローラ14に巻き付けられたフィルム12は、その外面側の成膜面が蒸発源16からの蒸着物質で成膜されると同時に、キャンローラ14によって冷却されるようになっている。
蒸発源16は、蒸着物質を収容するとともに、蒸着物質を抵抗加熱、誘導加熱、電子ビーム加熱等の公知の手法で加熱蒸発させる機構を備えている。この蒸発源16はキャンローラ14の下方に配置され、蒸着物質の蒸気を、対向するキャンローラ14上のフィルム12上へ付着させ被膜を形成させる。
蒸着物質としては、Al、Co、Cu、Ni、Ti等の金属元素単体のほか、Al−Zn、Cu−Zn、Fe−Co等の二種以上の金属あるいは多元系合金が適用される。蒸発源16は1つに限らず、複数設けられてもよい。
本実施形態の巻取式真空蒸着装置10は、更に、パターン形成ユニット20、電子ビーム照射器21、直流バイアス電源22(図2)及び除電ユニット23を備えている。
パターン形成ユニット20は、フィルム12の成膜面に対して金属膜の蒸着領域を画定するためのオイルパターン(マスク)を形成するためのもので、巻出しローラ13とキャンローラ14との間に設置されている。オイルパターンは、フィルム12の成膜面に当該フィルムの長手方向(走行方向)に沿って金属膜が連続的に形成されるような形状とされる。
電子ビーム照射器21は、本発明の「荷電粒子照射手段」に対応し、フィルム12に荷電粒子として電子ビームを照射して、成膜前にフィルム12を負に帯電させるためのものである。本実施形態では、電子ビームがフィルム12の幅方向に走査しながら照射されるように構成されており、局所的な電子ビームの照射によるフィルム12の加熱損傷を回避すると同時に、フィルム12を均一に効率よく帯電させるようにしている。
図2は直流バイアス電源22の構成を示す図である。直流バイアス電源22は、キャンローラ14と補助ローラ18との間に所定の直流電圧を印加する、本発明の「電圧印加手段」に対応する。本実施形態では、キャンローラ14は正極に接続され、補助ローラ18は負極に接続されている。これにより、電子ビームが照射され負に帯電したフィルム12は、キャンローラ14の周面に静電引力によって電気的に吸着され、かつ密着されることになる。なお、直流バイアス電源22は、固定式、可変式のいずれであってもよい。
蒸発源16の直上位置で、フィルム12の成膜面に金属材料が蒸着される。フィルム12に形成された金属膜はフィルム12の長手方向につながっているので、補助ローラ18にガイドされるフィルム12は、その成膜面上の金属膜と補助ローラ18の周面との接触により、金属膜とキャンローラ14との間に挟まれるフィルム12が分極し、フィルム12とキャンローラ14との間に静電的な吸着力が生じて、両者の密着が図られることになる。
本実施形態において、この直流バイアス電源22には、フィルム12上に形成された金属膜中のピンホールを電気的に検出するピンホール検出器24が接続されている。このピンホール検出器24は本発明の「検出手段」に対応するもので、例えば、フィルム12上の金属膜を流れる電流の抵抗変化によって当該金属膜中のピンホールを検出するように構成されている。
一方、除電ユニット23は、キャンローラ14と巻取りローラ15との間に配置され、電子ビーム照射器21からの電子照射および直流バイアス電源22からの電圧印加によって帯電したフィルム12を除電する機能を有する。除電ユニット23の構成例としては、プラズマ中にフィルム12を通過させ、イオンボンバード処理によりフィルム12を除電する機構が採用されている。
図3は除電ユニット23の一構成例を示しており、図3Aはフィルム走行方向に関して垂直な断面図、図3Bはフィルム走行方向に平行な断面図である。除電ユニット23は、フィルム12が通過可能なスロット30a,30aを備えた金属製フレーム30と、このフレーム30内においてフィルム12を挟んで対向する二対の電極31A,31B,32A,32Bと、フレーム30内にアルゴン等のプロセスガスを導入する導入管33とを備えている。
一方のフレーム30は、直流電源34の正極に接続されているとともに、接地電位E2に接続されている。他方、各々の電極31A,31B,32A,32Bは軸状の電極部材でなり、それぞれ直流電源34の負極に接続されている。これら各電極の外周囲には、図4に示すように、複数の環状の永久磁石小片35でなる磁石ブロック36が複数組、SN−NS−SN−・・・を繰り返すようにして、電極の軸方向に沿って互いに極性を反転させて装着されている。
なお、各磁石ブロック36を複数の永久磁石小片35で構成したのは、当該磁石ブロック36の磁極間の長さを調整し易くするためである。勿論、これら各磁石ブロック36を単一の永久磁石材料で形成することも可能である。また、直流電源34は固定電源として図示しているが、可変電源としてもよい。
上述したように、本実施形態の除電ユニット23は、フレーム30と電極31A,31B,32A,32Bとの間に直流電圧を印加してプラズマを発生させる直流二極放電型のプラズマ発生源を基本構成としながら、これらフレーム−電極間における電場成分に各磁石ブロック36の磁場成分を直交させた磁場収束(マグネトロン放電)機能を付加して、電極の周りの磁場に閉じ込められるようにプラズマが発生する。また、フィルム12を保護する観点から、プラズマは低圧であることが好ましい。この場合、図示するマグネトロン放電型を採用することにより、プラズマを低圧で容易に発生させることができる。
上述のようにして構成される除電ユニット23においては、フレーム30に設けられたフィルム12の挿通用のスロット30aを介して、フレーム30内に形成したプラズマ中の電子やイオン等の荷電粒子がフレーム30の外部に漏出する。漏出した荷電粒子は真空チャンバ11内を浮遊し、排気流れに乗ってキャンローラ14へ向かう。そして、この荷電粒子がキャンローラ14へ到達すると、キャンローラ14に印加されるバイアス電位が変動し、フィルム12とキャンローラ14の間の密着性を不安定にするとともに、ピンホール検出器24による金属膜中のピンホール検出の誤動作を生じさせる。
そこで本実施形態では、除電ユニット23からキャンローラ14へ向かう荷電粒子を捕捉する電荷捕捉体25を除電ユニット23とキャンローラ14との間に設けている。電荷捕捉体25は、除電ユニット23から漏出した荷電粒子がキャンローラ14へ到達することを阻止して、キャンローラ14の電位の変動を抑止し、フィルム12に対する静電力を安定に保持する。これにより、フィルム12とキャンローラ14の間の密着力が安定に保持されることで、フィルムの熱変形が防止される。また、ピンホール検出器24の誤動作を抑制し、適正なピンホール検出機能が維持される。
本実施形態において、電荷捕捉体25は金属製のメッシュプレートで構成されている。この電荷捕捉体25は、適切な支持部材(図示略)を介して真空チャンバ11の内壁に固定されている。真空チャンバ11は接地電位E1に接続されている。したがって、電荷捕捉体25は真空チャンバ11を介して接地されている。
電荷捕捉体25のメッシュの大きさ、形状等は特に限定されない。また、電荷捕捉体25は、除電ユニット23からキャンローラ14に向かって飛来する荷電粒子を捕捉できる大きさであれば、大きさ、形状等も問われない。なお、電荷捕捉体25はメッシュプレートで構成される場合に限らず、櫛状プレートやパンチメタル等で構成されていてもよく、更には所期の効果が得られる限りにおいてフィルム状あるいはシート状のものを用いてもよい。
次に、本実施形態の巻取式真空蒸着装置10の動作について説明する。
所定の真空度に減圧された真空チャンバ11の内部において、巻出しローラ13から連続的に繰り出されるフィルム12は、オイルパターン(マスク)形成工程、電子ビーム照射工程、蒸着工程、除電工程を経て、巻取りローラ15に連続的に巻き取られる。
マスク形成工程において、フィルム12はパターン形成ユニット20によって、成膜面に所定形状のオイルパターンが塗布形成される。マスク形成方法としては、例えば、フィルム12に転接する転写ローラによるパターン転写法が採用される。オイルパターンが形成されたフィルム12は、キャンローラ14に巻回される。フィルム12は、キャンローラ14との接触開始位置近傍において、電子ビーム照射器21により電子ビームが照射され、電位的に負に帯電される。
電子ビームの照射を受けて負に帯電したフィルム12は、直流バイアス電源22によって正電位にバイアスされているキャンローラ14に対して、静電引力により密着される。そして、蒸発源16から蒸発した蒸着物質がフィルム12の成膜面に堆積することによって金属膜が形成される。この金属膜は、オイルパターンに対応する形状でフィルム12の長さ方向に連続的に形成される。
フィルム12に成膜された金属膜は、補助ローラ18を介して直流バイアス電源22の負電位が印加される。金属膜は、フィルム12の長手方向に沿って連続的に形成されているので、金属膜の蒸着後、キャンローラ14に巻回されたフィルム12において、金属膜側の一方の表面にあっては正に、キャンローラ14側の他方の表面にあっては負にそれぞれ分極し、フィルム12とキャンローラ14の間に静電的な吸着力を生じさせる。その結果、フィルム12とキャンローラ14が互いに密着される。
上記のように、本実施形態においては、金属膜の蒸着前は、電子ビームの照射によりフィルム12を帯電させてキャンローラ14へ密着させ、金属膜の蒸着後は、当該金属膜とキャンローラ14との間に印加したバイアス電圧によってフィルム12をキャンローラ14へ密着させるようにしている。これにより、金属膜の蒸着前にフィルム12に帯電させた電荷(電子)の一部がその後の金属膜の蒸着工程で当該金属膜に放出され消失しても、補助ローラ18から金属膜への負電位の印加(電子の供給)によって当該消失された電荷の一部又は全部を補償することが可能となる。したがって、蒸着工程後においてもフィルム12とキャンローラ14との間の密着力低下が抑止され、蒸着工程の前後にわたってフィルム12の安定した冷却作用が確保されることになる。
以上のようにして金属膜の蒸着が行われたフィルム12は、除電ユニット23で除電された後、巻取りローラ15に巻き取られる。本実施形態によれば、除電ユニット23を、一方の電極が接地された直流二極放電型プラズマ発生源で構成されているので、フレーム30の電位を基準とした電極31A,31B,32A,32Bの電位調整あるいは微調整を容易かつ的確に行うことが可能となり、除電効果の向上が図れるようになる。
すなわち、除電ユニット23を接地電位に接続しない場合、ユニット全体の電位が浮遊状態となり、基準電位が微妙にずれて高い除電効率を得ることができないが、本実施形態のように除電ユニット23の一方の電極(フレーム30)を基準電位E2に接続することにより、DC電圧34を調整して数Vから数十Vの除電の調整が行えるようになる。これにより、フィルム12の耐電圧を数Vのオーダーに抑えられるようになり、フィルム12の安定した巻取り動作を確保できると同時に、帯電による巻き皺を防止できる。また、フィルムコンデンサの製品の組立ての適正化が図れるようになる。
そして、本実施形態によれば、除電ユニット23とキャンローラ14との間に電荷捕捉体25が設けられているので、除電ユニット23から漏出した荷電粒子がキャンローラ14へ到達することを阻止して、キャンローラ14の電位の変動を抑止することができる。特に、上記荷電粒子が電子の場合には、当該電子のキャンローラ14への到達により発生するキャンローラ14の電位低下、フィルム密着力の低下を効果的に防止することができる。これにより、キャンローラ14とフィルム12の間の密着力が安定に保持される結果、フィルムの熱変形を効果的に抑制することが可能となる。
また、電荷捕捉体25の設置により、除電ユニット23からの漏出荷電粒子によるキャンローラ14の電位変動を防止することができるので、ピンホール検出器24の適正な動作を確保でき、信頼性の高い金属膜のピンホール検出を行うことができる。
本発明者らの実験によれば、上記構成のピンホール検出器24を用いてフィルム100メートル当たりのピンホール検出回数を測定したところ、電荷捕捉体25を設置しない場合は141回であったのに対し、電荷捕捉体25を設置した場合は、たったの1回であった。この結果は、ピンホールの発生頻度を示すというよりはむしろ、除電ユニット23から漏出する荷電粒子の影響を当該電荷捕捉体25によって効果的に排除できることを示している。
更に、本実施形態によれば、接地電位に接続された金属製のメッシュプレートで電荷捕捉体25を構成するようにしているので、荷電粒子の捕捉効果を高められると同時に、除電ユニット23とキャンローラ14の間の隙間を有効に利用できるため装置の大型化を回避することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施形態では、電子ビームを照射してフィルム12を負に帯電させるようにしたが、これに代えて、イオンを照射してフィルム12を正に帯電させるようにしてもよい。この場合、キャンローラ14及び補助ローラ18に印加されるバイアスの極性を上記実施形態と逆(キャンローラ14を負極、補助ローラ18を正極)にする。
また、以上の実施形態では、金属膜の成膜法に真空蒸着法を適用した例について説明したが、勿論これに限られず、スパッタ法や各種CVD法等、金属膜を成膜する他の成膜手段を用いた成膜方法を採用してもよい。
本発明の実施形態による巻取式真空成膜装置としての巻取式真空蒸着装置の概略構成図である。 図1の巻取式真空蒸着装置における直流バイアス電源の構成を示す図である。 図1の巻取式真空蒸着装置における除電ユニットの一構成例を示す断面図である。 図3に示した除電ユニットの内部構成を示す要部の拡大図である。
符号の説明
10 巻取式真空蒸着装置(巻取式真空成膜装置)
11 真空チャンバ
12 フィルム
13 巻出しローラ
14 キャンローラ(冷却用ローラ)
15 巻取りローラ
16 蒸発源(成膜手段)
18 補助ローラ
20 パターン形成ユニット
21 電子ビーム照射器(荷電粒子照射手段)
22 直流バイアス電源(電圧印加手段)
23 除電ユニット
24 ピンホール検出器
25 電荷捕捉体

Claims (4)

  1. 真空チャンバと、この真空チャンバの内部で絶縁性のフィルムを搬送する搬送手段と、前記フィルムと密着して当該フィルムを冷却する冷却用ローラと、前記冷却用ローラに対向配置され当該フィルムに金属膜を成膜する成膜手段と、前記フィルムの成膜面に接触して当該フィルムの走行をガイドする補助ローラと、前記冷却用ローラと前記補助ローラとの間に直流電圧を印加する電圧印加手段と、前記フィルムをプラズマ処理によって除電する除電手段とを備えた巻取式真空成膜装置において、
    前記冷却用ローラと前記除電ユニットとの間に、前記除電ユニットから前記冷却用ローラへ向かう荷電粒子を捕捉する電荷捕捉体を設けたことを特徴とする巻取式真空成膜装置。
  2. 前記電荷捕捉体は、接地電位に接続された金属製のメッシュプレートからなることを特徴とする請求項1に記載の巻取式真空成膜装置。
  3. 成膜前の前記フィルムに対して荷電粒子を照射する荷電粒子照射手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の巻取式真空成膜装置。
  4. 前記フィルムに成膜された金属膜中のピンホールを電気的に検出する検出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の巻取式真空成膜装置。
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