JPH04358067A - 薄膜製造方法及び薄膜製造装置 - Google Patents

薄膜製造方法及び薄膜製造装置

Info

Publication number
JPH04358067A
JPH04358067A JP13258091A JP13258091A JPH04358067A JP H04358067 A JPH04358067 A JP H04358067A JP 13258091 A JP13258091 A JP 13258091A JP 13258091 A JP13258091 A JP 13258091A JP H04358067 A JPH04358067 A JP H04358067A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thin film
running
tension
charging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13258091A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidenobu Shintaku
秀信 新宅
Shigeo Suzuki
茂夫 鈴木
Kayoko Kodama
児玉 佳代子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP13258091A priority Critical patent/JPH04358067A/ja
Publication of JPH04358067A publication Critical patent/JPH04358067A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺フィルムに薄膜を
形成するための薄膜製造方法及び薄膜製造装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、長尺の高分子フィルムへ薄膜
を形成して、コンデンサや磁気記録テープ、透明導電性
シート等の素材となる機能性フィルムやまたは装飾用フ
ィルムを作成するには、例えば、薄膜ハンドブック(日
本学術振興会、薄膜第131委員会編、3編、42、オ
ーム社刊)に示されているような巻き取り式蒸着装置が
用いられる。
【0003】その概要を図4において説明する。この図
4は主要部のみを示し、構造物を収納する真空チャンバ
、中間ローラ等は、省略してある。
【0004】長尺の高分子フィルム1は、供給ロール2
から巻き出されて、矢印16の方向に回転する円筒状キ
ャン3に、中間ローラ4、5によって所要巻付け角度θ
巻き付けられキャン3の回転にともなって、駆動されて
走行し、巻取りロール6に巻き取られる。
【0005】蒸発源は、坩堝8と蒸着材料7及び例えば
公知の電子ビーム9を発生させる電子ビーム発生装置1
1から構成され、坩堝8に収容された蒸着材料7は、電
子ビーム9により加熱され蒸発し、その蒸気13の一部
はマスク10の開口部39を通ってキャン3に巻き付け
られたフィルム1のおもて面に付着し、薄膜14を形成
する。ここで、キャン3は例えば、公知の熱媒体の循環
による温度制御により所要の温度に制御されている。
【0006】この構成で、Co−Crから成る垂直磁気
記録媒体をポリイミドフィルム上に形成する場合には、
媒体を垂直配向させるためにはフィルム1を約250℃
に加熱する必要がある。ここでは、フィルム1を約25
0℃に加熱されたキャン3の外周面に巻き付け走行させ
ると同時に、次のような方法でフィルム1を強く貼り付
けることで、フィルム1を加熱し、また蒸着時にフィル
ム1の受けた熱を効率よくキャン3に逃している。
【0007】図4に示すものは、Co−Cr磁性薄膜の
ような導電性の薄膜を形成する場合に適用できる貼り付
け方法で、フィルム1上に形成した薄膜14に接触した
フリーローラ5を介して、直流電源15により膜14と
接地されたキャン3との間に電圧をかけ、膜14とキャ
ン3との間に働く静電引力で、フィルム1をキャン3に
強く貼り付かせてある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の貼り付け方法に
よれば、フィルム1にピンホールなどの欠陥部分があっ
た場合には、その部分でキャン3と膜14との間で放電
が生じ、両者が短絡して、キャン3と膜14間の電圧は
ほとんど0になり、フィルム1はキャン3に十分に貼り
付かなくなる。その結果、フィルム1は、蒸着時に受け
た熱を十分にキャン3に逃す事ができず、その熱により
変形したり、最悪の場合には穴あきや破断を生じる。さ
らには、その部分が巻き取られた際巻き取りロール6上
でしわとなるため、その上に巻き取られたフィルム1に
も順次巻きじわが生じ、フィルム1の大部分が変形し、
製品とならず著しい歩留りの低下を引き起こすものであ
った。
【0009】しかも、フィルム1のおもて面に導電性の
低い膜あるいは層が形成されている場合にはキャン3と
の間に静電引力を発生させることができないため、この
貼り付け方法は用いることはできない。
【0010】また、誘電率の低いフィルム1の場合にも
、十分な貼付け力を得るためにはキャン3と膜14の間
に高電圧かける必要があり、前述のように放電が生じや
すいくなるため、適用できなかった。同様に、加熱され
た状態でCo−Cr膜が形成されたフィルム1は、誘電
率が低下するため、その膜上にさらに磁性薄膜を形成す
る場合にも、適用できなかった。
【0011】別の貼り付け方法として、第5図に示すよ
うに、公知の電子ビーム発生発生装置(例えば、電子銃
)により、キャン3に接触し一様に沿った後のフィルム
1のおもて面に電子ビーム9aを照射し、おもて面を帯
電させ、フィルム1とキャン3との間に働く静電引力で
、フィルム1をキャン3に強く貼り付かせる方法が採ら
れる。
【0012】しかしこの方法では、フィルム1のおもて
面に磁性薄膜のような導電性の膜が形成された場合、あ
るいはフィルム1自体の表側の表面近傍に導電性の層が
形成されている場合は、その膜あるいは層を通じて電子
が移動しフィルム1を帯電させることができないため、
用いることができなかった。
【0013】上記のように従来の構成では、おもて面に
導電性の膜や層の有無、あるいは剛性の高低等のフィル
ム形態より、キャン3へのフィルム1の貼り付け方法を
変更する必要が生じあり、製膜の汎用性が低いものであ
った。そして、Co−Cr薄膜の上にさらに磁性層を複
数形成することはできなかった。
【0014】さらに、上記従来の構成では、Co−Cr
磁性薄膜を形成する場合において、キャン3に近づくフ
ィルム1は、キャン3の輻射等で加熱され剛性が低下し
、キャン3へのフィルム1の幅方向の貼り付き開始位置
eが、図7に示すように波状の不均一なものとなり、し
わ32が発生するという問題があった。このしわは、磁
気記録媒体のように表面性が重要なものおいては、致命
的な欠陥となっていた。同様の問題が、薄手あるいはヤ
ング率の低い即ち剛性の低いフィルム1を使用する場合
においては、加熱の有無にかかわらず生じていた。
【0015】また、フィルム1がキャン3より剥がれる
際に、第6図中に示す矢印A(矢印Bが適当な状態)の
状態のようにフィルム1が折れ曲がって剥がれると、フ
ィルム1上の膜14に幅方向の割れが生じる。このよう
な欠陥は、磁気記録媒体の様に表面性が重要なものにと
って致命的な欠陥となり、製品にならないため、著しい
歩留まりの低下を生じるものであった。
【0016】本発明は、かかる点に鑑み、均質で優れた
特性の膜を、欠陥なく長尺に亘って安定に、種々の形態
のフィルム上に形成できる汎用性の高い、また著しく生
産性を向上できる、薄膜の製造方法及び製造装置を提供
することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】そして上記課題を解決す
るため、請求項1記載の発明は、帯電手段により、走行
する長尺フィルムの裏面を帯電させた後、所要の温度に
設定された回転する円筒状キャンの外周に裏面を接触さ
せ、前記キャンに静電引力により貼り付け走行させなが
ら、貼り付いた状態で前記フィルムのおもて面に薄膜を
形成する方法である。
【0018】請求項2記載の発明は、張力付与手段によ
り、走行する長尺フィルムの幅方向に張力を与えるとと
もに、帯電手段により、前記フィルムの裏面を帯電させ
た後、所要の温度に設定された回転する円筒状キャンの
外周に前記フィルムの裏面を接触させ、前記キャンに静
電引力により貼り付け走行させながら、貼り付いた状態
の前記フィルムのおもて面に薄膜を形成する方法である
【0019】請求項4記載の発明は、長尺フィルムと、
所要の温度に設定された円筒状キャンと、前記キャンに
前記フィルムの裏面を接触させて前記フィルムを走行さ
せる走行手段と、前記フィルムの前記キャンの入り側に
設けられ前記フィルムに幅方向の張力を与える張力付与
手段と、前記フィルムの裏面に荷電粒子を打ち込み前記
フィルムを帯電させて前記キャンに静電引力により貼り
付ける荷電粒子打ち込み手段と、前記キャンに巻き付け
られた前記フィルムに向かって微粒子を飛散させ前記フ
ィルムに薄膜を形成する微粒子発生源とから、薄膜製造
装置を構成するものである。
【0020】請求項6記載の発明は、長尺フィルムと、
所要温度に設定された円筒状キャンと、前記キャンに前
記フィルムの裏面を接触させて前記フィルムを走行させ
る走行手段と、前記フィルムの前記キャンの入り側に設
けられ前記フィルムに幅方向の張力を与える張力付与手
段と、前記フィルムの裏面を帯電させて前記キャンに静
電引力により貼り付ける帯電手段と、前記キャンに巻き
付けられた前記フィルムに向かって微粒子を飛散させ前
記フィルムに薄膜を形成する微粒子発生源と、前記フィ
ルムの前記キャンから剥がれる位置を検出する位置検出
手段と、前記位置検出手段により検出される前記剥がれ
る位置が所要の位置となるよう帯電手段を制御する制御
手段とから、薄膜製造装置を構成するものである。
【0021】請求項8記載の発明は、張力付与手段によ
り、走行する長尺フィルムの幅方向に張力を与えるとと
もに、帯電手段により、前記フィルムの裏面を帯電させ
た後、所要の温度に設定された回転する円筒状キャンの
外周に前記フィルムの裏面を接触させ、前記キャンに静
電引力により貼り付け走行させながら、貼り付いた状態
の前記フィルムのおもて面にCoとCrを主成分とする
磁性薄膜を形成する方法である。
【0022】
【作用】請求項1記載の発明は上記方法により、使用す
るフィルムのおもて面に導電性の膜あるいは層の有無や
、ピンホール等のフィルム欠陥の有無にかかわらず、フ
ィルムをキャンに均一に安定して貼り付けて、製膜時に
フィルムが受ける熱を効率よく均一にキャンに逃がしフ
ィルム温度を維持できることにより、長尺に亘り特性の
優れた均一な膜を安定に、前記種々の形態のフィルム上
に形成できる汎用性の高い薄膜の製造方法を提供するこ
とができる。
【0023】請求項2記載の発明は上記方法により、フ
ィルムに幅方向の張力を与えながら、帯電させキャンに
接触させることで、剛性の低いフィルムを用いた場合で
もキャンに接触時にしわを生じさせることなく、フィル
ムをキャンに均一に安定して貼り付けることにより、長
尺に亘り特性優れた均一で欠陥の無い膜を安定に、種々
の形態のフィルムに形成できる汎用性の高い薄膜の製造
方法を提供することができる。
【0024】請求項4記載の発明は上記構成で、フィル
ムに幅方向の張力を与えながら、荷電粒子を強制的にフ
ィルムの裏面に打ち込み帯電させキャンに接触させるこ
とで、剛性が低いフィルムにおいても、しわを生じさせ
ることなく、フィルムをキャンに均一に安定して貼り付
けることができ、さらにその貼り付け力を広い範囲に渡
って容易に制御できるため、従来より自由度の高い製膜
が行えるとともに、長尺に亘って特性の優れた均一な膜
を安定に形成できる薄膜製造装置を提供することができ
る。
【0025】請求項6記載の発明は上記構成で、帯電に
よるフィルムのキャンへの貼り付け力を制御することに
より、キャンからフィルムの剥がれる位置を所要の位置
とすることで、キャンから剥がれる際に、フィルムが過
度に折れ曲がらず、フィルム上の膜に割れや剥離が生じ
ないため、均一で優れた特性の膜を歩留り良く長尺に亘
り安定して形成する薄膜製造装置を提供することができ
る。
【0026】請求項8の発明は、上記構成で、製膜時に
フィルムを加熱し一定の温度に維持する必要のあるCo
−Crを主成分とする磁性薄膜を形成する場合において
も、加熱され剛性が低下したフィルムに、しわ等の欠陥
を発生させることなくキャンに均一に沿って貼り付けら
れて、フィルムの温度を均一にできるため、欠陥のない
特性の優れた均一な膜を、長尺に亘り安定して形成でき
る薄膜製造装置を提供することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を、真空蒸着法により長尺の高
分子フィルムに薄膜を形成する場合に用いた実施例を、
添付け図面に基づいて説明する。従来例と同一または同
等の機能を有する構成要素には同一番号を付け、詳細な
説明を省略する。
【0028】図1は、本発明の一実施例における装置の
主要部の概略構成図である。構造物を収納する真空チャ
ンバ、中間ローラ等は、省略してある。
【0029】供給ロール2より巻出されたフィルム1は
、張力付与手段である公知のエキスパンドローラ11に
より、幅方向の張力を与えられながら、裏面より帯電手
段である電子打ち込み装置12により電子を打ち込まれ
帯電し、電気的に接地されているキャン3との間に生じ
る静電引力で、裏面を円筒状のキャン3の外周面に接触
し貼り付けられ走行する。
【0030】一方、るつぼ8に収容された蒸着材料7は
、電子ビーム9等により加熱されて蒸発し、その蒸気1
3の一部がマスク10の開口部を通ってキャン3に巻き
付けられたフィルム1のおもて面に付着し薄膜14を形
成する。膜14が形成されたフィルム1は、フリーロー
ラ5を経て巻取りロール6に巻き取られる。図示しない
が、長手方向の張力は、供給ロール2及び巻取りロール
6を駆動する各々のモータのトルク、あるいはキャン3
の入側と出側に設けられた中間ローラの回転速度を制御
することにより、フィルム1に与えられる。
【0031】また、フィルム1の剥がれ位置は、キャン
3出側に設けられた光学式の位置検出器25により検出
されている。そして、その位置を目標値とするよう、打
ち込む電子ビーム23を制御手段24により制御し、フ
ィルム1の貼り付け力を制御している。
【0032】図2に電子打ち込み装置12の概略構成図
を示す。フィルム1の幅より長い電子放出部分を持つ線
状フィラメント20は絶縁材22bに保持され、フィル
ム1に面し電子を放出するための開口部41(図1参照
)をもつ箱状の陰極19に取り付けられており、その両
端は、フィラメント加熱用電源17に接続されるととも
に、どちらかの一端は陰極19とも接続されている。 陽極21は接地されており、陰極19と同様の開口部4
1を持ち、絶縁材22aを介して陰極19を支持すると
ともに、電源18により陰極19に対し正の電位をかけ
られている。
【0033】電源17により通電され加熱されたフィラ
メント20から放出された熱電子は、フィラメント20
あるいは陰極19と陽極21の間にかけられた電界によ
り、加速され陽極21の開口部41を通り、電子ビーム
23となりフィルム1に照射され、フィルム1は、表面
だけでなく深部まで電子が打ち込まれ帯電する。このよ
うにフィルム1の深部に打ち込まれた電子は、表面近傍
層の電子より、キャン3との接触等での電荷の受け渡し
で中和されるまでの時間(即ち緩和時間)が長くなるた
め、キャン直径が大きく、またフィルム1の走行速度が
遅い場合等のキャン3にフィルム1が接触してから膜1
5が形成が終わるまでの時間が長くても十分にフィルム
1をキャン3に貼り付けておくことができる。
【0034】フィルム1の貼り付き力を増加させる場合
には、電子打ち込み装置12において、加熱電源17で
フィラメント20をより加熱し、放出する熱電子の量を
増加させ、フィルム1に帯電した電子の緩和時間を長く
するためには、電子加速用直流電源18でより電子を加
速し、フィルム1に更に深く電子が打ち込まれるように
する。このように、照射する電子の量と速度を制御する
ことにより、フィルム1がキャン3に貼り付く力と貼り
付いている時間を制御することができる。
【0035】次にフィルム1のキャン3から剥がれる位
置の制御について図1及び図3を用いて説明する。位置
検出器25は、図3に示すフィルム1との距離dから、
フィルム1がキャン3から剥がれる位置sを検出し、制
御装置24に位置信号sを送る。制御装置24は、位置
信号sを目標値s0と比較し、s>s0であれば、張り
付け力をその差△s(=s−s0)に相当する張り付け
力だけ減少させるよう電子打ち込み装置12に制御信号
を送り、貼り付け力を制御することにより、目標値s0
(これに相当するフィルム1と位置検出器25との距離
はd0)となるようすなわち△s=0となるように、フ
ィルム1の剥がれ位置が制御される。
【0036】したがって、上記構成によれば、フィルム
1がおもて面に導電性の膜あるいは層を有する場合や、
さらにはピンホール欠陥を有する場合等、種々の形態の
フィルムをキャンに均一に安定して貼り付けることがで
きるため、従来に比べ格段に欠陥の少なく、、また汎用
性の高い製膜を行うことができる。
【0037】さらに、フィルム1に幅方向の張力を与え
ながら帯電させキャン3に接触させることで、剛性の低
いフィルム1を使用する場合や、強く帯電されフィルム
1の貼り付け力が強い場合でも、キャン3との接触位置
がほとんど均一となりしわを生じさせることがなく、安
定した製膜を行うことができる。
【0038】また、特にCo−Crを主成分とする磁性
薄膜を形成する場合には、フィルム1がキャン3あるい
はフィラメント19の輻射等により加熱され剛性が低下
しても、しわなど発生させずにキャン3に貼り付けるこ
とができる。また、貼り付いたフィルム1は、キャン3
の温度に加熱され均一に維持されるため、特性の均一で
安定した磁性薄膜を形成することができる。
【0039】尚、キャン3へのフィルム1の貼り付け力
が比較的強くなくても良い場合には、図示しないが、次
のような方法でフィルム1を帯電させキャン3に貼り付
けても良い。すなわち絶縁部材を表面に設けられたロー
ル等にフィルム1の裏面を接触または滑らせることによ
り帯電させる方法、あるいは公知のコロナ放電やグロー
放電により帯電させる方法を用いても良い。
【0040】尚、上記例では、荷電粒子である電子をフ
ィルムに打ち込む方法を示したが、公知のイオン打ち込
み装置(例えば、カウフマン型イオン銃)により、荷電
粒子であるイオンを打ち込む方法でも良いことはいうま
でもない。
【0041】尚、陽極21の電子放出口からフィルム1
に向かって飛び出した電子に、フィルム1の移動方向と
平行な方向に交番磁界をかける手段を設け、フィルム1
の幅方向に電子ビーム23を高速にスキャンすることに
より、フィラメント20の放出部分の長さを、フィルム
1の幅より短くする事ができる。また、放出電子量を増
加させるためには、フィラメト20の形状を、波状やコ
イル状等とし、フィラメント20の電子放出面積を増や
すと良い。
【0042】尚、フィルム1の剛性が高い場合や、比較
的弱く帯電され貼り付け力が弱い場合には、キャン3と
の接触位置は均一になり易くしわも発生しにくいため、
上記のように幅方向の張力を与えなくても良いことはい
うまでもない。
【0043】尚、実施例では、薄膜の形成に蒸着法を用
いたが、スパッター法等を用いても良いことはいうまで
もない。
【0044】尚、位置検出器は、フィルムや形成される
膜の種類により、公知の静電容量型あるいは渦電流型の
距離検出器等を用いることもできることはいうまでもな
い。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、使用するフィルムが種
々の形態であっても、キャンに均一に安定して貼り付け
ることができ、しわや熱によるフィルム欠陥を防止でき
る。
【0046】また、フィルムがキャンから剥がれる位置
を所要の位置に制御することで、フィルムが剥がれる際
に極端に折れ曲がることがないので、膜に割れ等の欠陥
を防止できる。
【0047】したがって、種々の形態のフィルムの使用
に対応できる汎用性の高い製膜を実現できるとともに、
長尺に亘り特性の優れた均一な膜を安定に形成できるた
め、生産性の高い薄膜の製造を実現できる。
【0048】また、CoとCrを主成分にもつ磁性薄膜
の形成においては、しわなく均一にキャンに沿わせて貼
り付け、フィルムの加熱およびその温度の維持を行うこ
とができるため、表面欠陥がなく、優れた記録再生特性
をもつ磁気記録媒体を長尺に亘り安定して製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜製造装置の一実施例を示す構成図
【図2】同実施例装置における電子打ち込み装置の構成
を示す斜視図
【図3】同実施例装置におけるフィルムの剥がれ位置検
出の説明図
【図4】従来の薄膜製造装置の概略構成図
【図5】従来
の他の薄膜製造装置の概略構成図
【図6】従来の薄膜製
造装置におけるフィルムの剥がれ位置の説明図
【図7】従来の薄膜製造におけるしわの発生の説明図
【符号の説明】
1  フィルム 2  供給ロール 3  キャン 6  巻き取りロール 11  エキスパンドロール 12  電子打ち込み装置 24  制御装置 25  位置検出器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  帯電手段により、走行する長尺フィル
    ムの裏面を帯電させた後、所要の温度に設定された回転
    する円筒状キャンの外周に裏面を接触させ、前記キャン
    に静電引力により貼り付け走行させながら、貼り付いた
    状態で前記フィルムのおもて面に薄膜を形成することを
    特徴とする薄膜製造方法。
  2. 【請求項2】  張力付与手段により、走行する長尺フ
    ィルムの幅方向に張力を与えるとともに、帯電手段によ
    り、前記フィルムの裏面を帯電させた後、所要の温度に
    設定された回転する円筒状キャンの外周に前記フィルム
    の裏面を接触させ、前記キャンに静電引力により貼り付
    け走行させながら、貼り付いた状態の前記フィルムのお
    もて面に薄膜を形成することを特徴とする薄膜製造方法
  3. 【請求項3】  キャンに接触する前のフィルムが、お
    もて面に導電性を有する膜あるいは層が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の薄膜製造方法
  4. 【請求項4】  長尺フィルムと、所要の温度に設定さ
    れた円筒状キャンと、前記キャンに前記フィルムの裏面
    を接触させて前記フィルムを走行させる走行手段と、前
    記フィルムの前記キャンの入り側に設けられ前記フィル
    ムに幅方向の張力を与える張力付与手段と、前記キャン
    の間にある前記フィルムの裏面に荷電粒子を打ち込み前
    記フィルムを帯電させて前記キャンに静電引力により貼
    り付ける荷電粒子打ち込み手段と、前記キャンに巻き付
    けられた前記フィルムに向かって微粒子を飛散させ前記
    フィルムに薄膜を形成する微粒子発生源を具備する薄膜
    製造装置。
  5. 【請求項5】  荷電粒子打ち込み手段が、電子を打ち
    込む手段により構成されたことを特徴とする請求項4記
    載の薄膜製造装置。
  6. 【請求項6】  長尺フィルムと、所要温度に設定され
    た円筒状キャンと、前記キャンに前記フィルムの裏面を
    接触させて前記フィルムを走行させる走行手段と、前記
    フィルムの前記キャンの入り側に設けられ前記フィルム
    に幅方向の張力を与える張力付与手段と、前記フィルム
    の裏面を帯電させて前記キャンに静電引力により貼り付
    ける帯電手段と、前記キャンに巻き付けられた前記フィ
    ルムに向かって微粒子を飛散させ前記フィルムに薄膜を
    形成する微粒子発生源と、前記フィルムの前記キャンか
    ら剥がれる位置を検出する位置検出手段と、前記位置検
    出手段により検出される前記剥がれる位置が所要の位置
    となるよう帯電手段を制御する制御手段を具備する薄膜
    製造装置。
  7. 【請求項7】  キャンに接触する前のフィルムが、お
    もて面に導電性を有する膜あるいは層が形成されている
    ことを特徴とする請求項4乃至6記載の薄膜製造装置。
  8. 【請求項8】  張力付与手段により、走行する長尺フ
    ィルムの幅方向に張力を与えるとともに、帯電手段によ
    り、少なくとも前記張力が付与される位置よりも上流位
    置と前記キャンの間にあるフィルムの裏面を帯電させた
    後、所要の温度に設定された回転する円筒状キャンの外
    周に前記フィルムの裏面を接触させ、前記キャンに静電
    引力により貼り付け走行させながら、貼り付いた状態の
    前記フィルムのおもて面にCoとCrを主成分とする磁
    性薄膜を形成することを特徴とする薄膜製造方法。
JP13258091A 1991-06-04 1991-06-04 薄膜製造方法及び薄膜製造装置 Pending JPH04358067A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13258091A JPH04358067A (ja) 1991-06-04 1991-06-04 薄膜製造方法及び薄膜製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13258091A JPH04358067A (ja) 1991-06-04 1991-06-04 薄膜製造方法及び薄膜製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04358067A true JPH04358067A (ja) 1992-12-11

Family

ID=15084656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13258091A Pending JPH04358067A (ja) 1991-06-04 1991-06-04 薄膜製造方法及び薄膜製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04358067A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016183419A (ja) * 2016-06-10 2016-10-20 東洋紡株式会社 無機層積層プラスチックフィルムを連続的に製造する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016183419A (ja) * 2016-06-10 2016-10-20 東洋紡株式会社 無機層積層プラスチックフィルムを連続的に製造する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4393091A (en) Method of vacuum depositing a layer on a plastic film substrate
US3863108A (en) Electrostatic charge controller
JP2005146401A (ja) 巻取式真空蒸着方法及び巻取式真空蒸着装置
JP5056114B2 (ja) シートの薄膜形成装置および薄膜付きシートの製造方法
US5087476A (en) Method of producing thin film
JP2006152448A (ja) 巻取式真空蒸着装置及び巻取式真空蒸着方法
US5258074A (en) Evaporation apparatus comprising film substrate voltage applying means and current measurement means
US5180433A (en) Evaporation apparatus
US4395465A (en) Magnetic recording medium and process for production thereof
JP4850905B2 (ja) 巻取式真空蒸着装置
JPH04358067A (ja) 薄膜製造方法及び薄膜製造装置
JPH089782B2 (ja) 薄膜の製造方法
EP0035894B1 (en) Process for producing a magnetic recording medium
JPS5864381A (ja) 真空蒸着装置
JP5027418B2 (ja) シートの薄膜形成装置および薄膜付きシートの製造方法
JP2679260B2 (ja) 薄膜の製造方法
EP4357479A1 (en) Method for manufacturing processed plastic film
JPH0221052B2 (ja)
JPS6059069A (ja) 金属薄膜の製造方法
JP3818719B2 (ja) 可撓性支持体への蒸着方法
JPH02239428A (ja) 金属薄膜の製造方法
JPH04120272A (ja) 薄膜製造装置
JPS6046181B2 (ja) 真空蒸着方法
JP2005036286A (ja) 真空蒸着装置
JPS6089828A (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法