JPH089782B2 - 薄膜の製造方法 - Google Patents

薄膜の製造方法

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JPH089782B2
JPH089782B2 JP1067062A JP6706289A JPH089782B2 JP H089782 B2 JPH089782 B2 JP H089782B2 JP 1067062 A JP1067062 A JP 1067062A JP 6706289 A JP6706289 A JP 6706289A JP H089782 B2 JPH089782 B2 JP H089782B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高分子フィルム上に真空蒸着法により薄膜
を連続的に形成する薄膜の製造方法に関するものであ
る。
従来の技術 従来、高分子フィルム上に金属薄膜や酸化物薄膜を高
い生産性で形成する方法として真空蒸着法がある。第4
図に、一般に生産に使用されている真空蒸着装置内部の
一例の概略を示す。高分子フィルム1は円筒状キャン2
の周面に沿って矢印Aの方向に走行する。この高分子フ
ィルム1上に蒸発源5によって薄膜が形成される。3及
び4はそれぞれ高分子フィルム1の供給ロール及び巻き
取りロールである。9、10はフリーローラーである。蒸
発源5としては、抵抗加熱蒸発源、誘導加熱蒸発源、電
子ビーム蒸発源等が用いられる。蒸発源5と円筒状キャ
ン2との間には、蒸発源5から蒸発する蒸気が不要な部
分に付着するのを防止するために、遮蔽板6が配置され
ている。遮蔽板6は、Sで示されるように開口してお
り、この開口部Sを通過した蒸気が高分子フィルム1上
に付着する。真空蒸着法により高い膜堆積速度で薄膜を
作製する際には、蒸発源からの輻射熱や蒸発原子の凝縮
熱等の原因により、高分子フィルムの熱変形や熱分解を
生じ易い。従って、薄膜を高堆積速度で形成する際に
は、これらの熱的ダメージを避けるために、高分子フィ
ルム1を円筒状キャン2の周面に強く張り付け、高分子
フィルム1の受けた熱を効率的に円筒状キャン2本体に
逃がすことが必要である。高分子フィルム1を円筒状キ
ャン2の周囲に張り付ける一つの方法として、高分子フ
ィルム1を円筒状キャン2の周面に沿わせた状態で、高
分子フィルム1により電子ビーム7を差し向け加速した
電子を打ち込むことにより、高分子フィルム1と円筒状
キャン2との間に発生する静電引力を利用する方法があ
る。電子打ち込み用の電子銃8としては、広範囲にわた
って走査が可能なピアス型電子銃がよく用いられる。高
分子フィルム1は薄膜形成後においても強く帯電した状
態である。高分子フィルム1が帯電していると安定な走
行が困難であるので、通常、除電するためにグロー放電
処理する。グロー放電処理は、真空槽内にガスを導入し
てグロー放電電極11を用いて行われる。
発明が解決しようとする課題 第4図に示した真空蒸着装置にて従来の方法で薄膜を
作製する際、円筒状キャンが高温である場合が脱ガス処
理を施した高分子フィルムを使用する場合に電子を照射
する工程で高分子フィルムにしわが入り易いという問題
と、作製した薄膜と高分子フィルムとの間の付着力が十
分でないという問題があった。
課題を解決するための手段 高分子フィルムを円筒状キャンの周面に沿わせて走行
させ、真空蒸着法により連続的に前記高分子フィルム上
に薄膜を形成する薄膜の製造方法において、前記高分子
フィルムが前記円筒状キャンの周面に接触し始める部分
を含むその近傍で走行している前記高分子フィルムにイ
オン銃からの加速したイオンを照射するとともにニュー
トラライザーからの電子を照射する第1の工程と、第1
の工程に引き続いて、前記円筒状キャンの周面に沿って
走行している前記高分子フィルムに電子銃からの加速し
た電子を照射する第2の工程と、第2の工程に引き続い
て、前記円筒状キャンの周面に沿って走行している前記
高分子フィルム上に真空蒸着法により連続的に薄膜を形
成する第3の工程とを有することを特徴とする。
作用 走行している高分子フィルムが円筒状キャンにまさに
接触しつつある程度および接触直後の部分で、高分子フ
ィルムにイオン銃からの加速したイオンを照射するとと
もニュートラライザーからの電子を照射する第1の工程
で、高分子フィルムの正や負の帯電を除去することがで
きる。また、第1の工程における加速したイオンの照射
は、円筒状キャンに接触し始める部分にある高分子フィ
ルムの温度を上昇させることができ高分子フィルムを熱
膨張させることができる。上記の帯電除去作用と熱膨張
作用により、高分子フィルムを円筒状キャンの周面にし
わの無い状態で沿わせることが可能となる。このような
状態で引き続いて、第2の工程で高分子フィルムに加速
した電子を照射し打ち込むことにより、高分子フィルム
を円筒状キャンの周面にしわの無い均一な状態で強く密
着させることができるようになる。円筒状キャンの周面
に一様に強く密着した高分子フィルムに第3の工程で引
き続いて薄膜を形成することで、熱で高分子フィルムが
損傷すること無く安定に薄膜を製造できる。また、第1
の工程で薄膜が形成される高分子フィルム表面に加速し
たイオンを照射しているので十分な膜付着力を有する薄
膜が得られる。
実施例 第1図〜第4図を用いて本発明の実施例について説明
する。第1図は、グロー放電電極11がない点とイオン銃
12が配置されている点をのぞいては、第4図に示される
従来の真空蒸着装置とほぼ同様である。
イオン銃12からの加速したイオン13は、円筒状キャン
2の周面に高分子フィルム1が接触し始める部分に照射
される。ここでイオン銃12からのイオンのみを照射する
のではなく、高分子フィルム1のイオンが照射されてい
る部分の近傍から電子を供給することが重要である。イ
オン銃12の概略を第3図に示す。イオン銃12はイオンビ
ームスパッタリング、イオンミリング、基板の前処理等
で一般に使用されているものと同様のものである。イオ
ン銃12のグリッド18からはAr、N2、H2、O2等の加速され
たイオン19がでてくる。尚、一般にはArが用いられる。
20はニュートラライザーと呼ばれるものであり、例えば
タングステン線からできており、これに電流を流すこと
により熱電子21が発生する。ニュートラライザー20は、
第3図のようにイオン銃12のイオン発生源の前面に配置
してもよいが、その限りではない。また、ニュートララ
イザー20からの発生する熱電子は加速する必要はない。
第1図における13はイオン19と電子21の混合したもので
ある。イオン照射により薄膜と基板との付着力を向上さ
せることは一般的に行われているが、基板としてはガラ
ス板や金属板のように厚くて硬いものであった。本発明
において用いる基板としての高分子フィルム1は厚さが
10μm前後の薄いものである。このように薄い高分子フ
ィルム1にイオンのみを照射すると、照射されたイオン
により高分子フィルム1は帯電し、高分子フィルム1を
円筒状キャン2の周面に沿わせてしわの無い状態でしか
も安定に走行させることは困難となる。イオンを照射し
なくても、接触や摩擦により生じたわずかな帯電によっ
てもしわが発生し走行は不安定となる。高分子フィルム
の帯電は、正の部分も負の部分もあり、それらの分布は
一定していない。ところが、イオン銃1からの加速した
イオンを照射するとともにニュートラライザー20から電
子を供給すると、イオン照射による帯電はもちろん無
く、しかも高分子フィルム1が既に正や負に帯電した状
態でも除電される。この除電機構は以下のように考えら
れる。すなわち、既に正や負に不均一に帯電した高分子
フィルム1は、加速したイオンの照射により正に帯電す
る。ニュートラライザーからの電子は高分子フィルム1
の正帯電に引かれて飛来し、高分子フィルム1上に捕獲
され、結果として高分子フィルムは中和される。なお、
加速しない熱電子の供給のみでは高分子フィルム1は帯
電しない。このとき、供給される電子が加速されている
と、中和できる場合もあるが、打ち込まれて負の帯電を
起こす場合もあり、電子の供給量を厳密に制御する必要
がでてくる。イオン照射のみによる帯電であれば、電子
の供給量の制御も可能と考えられが、不均一に帯電した
走行している高分子フィルムの除電には適用できないと
考えられる。上記にように、イオン銃12からの加速した
イオンを照射するとともにニュートラライザー20から電
子を供給することで達成される除電作用により、高分子
フィルム1を円筒状キャン2の周面に沿わせしわの無い
状態でしかも安定に走行させることが可能となる。ここ
で、イオン銃12からの加速したイオン13を、円筒状キャ
ン2の周面に高分子フィルム1が接触し始める部分に照
射する際のもう一つの働きについて説明する。高分子フ
ィルム1に加速したイオンを照射すると、高分子フィル
ム1はイオンの衝撃により加熱され昇温される。この加
熱昇温が高分子フィルム1の円筒状キャン2上でのしわ
発生を抑制する。すなわち、高分子フィルム1は昇温に
より熱膨張するが、走行によりイオン照射領域からはず
れると高分子フィルム1は加熱源を失い円筒状キャン2
の温度まで冷却され、収縮する。高分子フィルム1は円
筒状キャン2上において膨張する場合にはしわが発生し
易いが、収縮の場合にはしわは発生しない。この方法に
よれば、高温の円筒状キャン2を用いる場合にも、高分
子フィルム1は円筒状キャン2と接触する前に除電され
昇温されているので、しわが発生しない。また、予め十
分な脱ガス処理を施した高分子フィルム1を用いる場合
にも同様にしわが発生しない。脱ガス処理を実施してい
ない高分子フィルム1の場合には、蒸着装置内において
含有ガス(ほとんどが水)を放出しながら走行するため
に、放出されたガスが高分子フィルム1と円筒状キャン
2の周面との間に層状に存在し、高分子フィルム1は円
筒状キャン2の周面に比較的沿い易い。しかし、蒸着中
に高分子フィルム1からガスが放出されると、形成され
た薄膜の特性が劣化する問題があった。ところが、予め
脱ガス処理を施した高分子フィルム1の場合には、高分
子フィルム1と円筒状キャン2との間に介在するものが
なく、しかも水をほとんど含まないために帯電し易い状
態であり、しわの無い状態で安定に走行させることが困
難であった。
以上では、高分子フィルム1を円筒状キャン2の周面
にしわ無く一様に沿わせて走行させる為の本発明の第1
の工程について説明した。つぎに、本発明の第2の工程
である、電子を高分子フィルム1に打ち込んで円筒状キ
ャン2と密着させる方法について説明する。
高分子フィルム1に電子銃8により電子を照射する
際、照射する電子を加速する必要がある。必要とされる
加速電圧は、高分子フィルム1の種類や蒸着条件によっ
て多少異なるが概ね1kV以上あればよく、実状に合わせ
て設定すればよい。加速電圧が低い状態で照射された電
子は、高分子フィルム1に深く打ち込まれず、金属膜の
付着等により離脱してしまう。このような状態では静電
引力が失われ高分子フィルム1の受ける熱を円筒状キャ
ン2に逃がすことが出来ない。通常、電子銃8としては
ピアス型が用いられる。ピアス型電子銃は走査範囲が広
く、広幅の高分子フィルム1に電子を照射するときには
都合がよい。また、加速電圧は一般に30kV以上あるので
十分である。尚、高分子フィルム1の幅が狭い場合やピ
アス型電子銃が設置できない場合には小型の電子銃を使
用してもよい。高分子フィルム1を円筒状キャン2に張
り付けるために高分子フィルム1に電子を照射するが、
この方法の利点は、高分子フィルム1にピンホール等の
欠陥がある場合でも使用できる点である。欠点は、加速
電圧が高い場合に起こり易い電子銃8の異常放電によ
り、張り付けが不十分となり、高分子フィルム1が熱分
解する場合がある点と、しわや異物のかみ込みにより、
電子照射後において高分子フィルム1と円筒状キャン2
との間に部分的に隙間が存在する場合に、蒸着時にその
部分が熱分解する点である。高分子フィルム1が熱分解
すると分解ガスが発生し、高分子フィルム1と円筒状キ
ャン2との間の隙間が広範囲に拡大してしまう。従っ
て、電子照射により高分子フィルム1を円筒状キャン2
に張り付ける場合には、特にしわの無い状態が要求され
るとともに、電子銃8の異常放電対策が要求される。
ここで、高分子フィルム1を円筒状キャン2の周面に
張り付ける有効な補助手段について説明する。形成され
る薄膜が導電性である場合に、薄膜と円筒状キャンとの
間に電位差を付与する方法である。第2図に示すよう
に、フリーローラー10と円筒状キャン2との間に電源14
の接続し、フローローラー10を介して薄膜と円筒状キャ
ン2との間に電位差を付与する。この電位差により静電
引力が発生し、薄膜が形成された瞬間から高分子フィル
ム1が円筒状キャン2に張り付く。この方法の利点は、
異物等が原因で高分子フィルム1が円筒状キャン2の周
面から浮いた状態になった場合でも、高分子フィルム1
の広範囲な熱分解が避けられる点である。欠点は、高分
子フィルム1にピンホール等の欠陥があると効果が失わ
れる点である。特に、印加電圧が高いと張り付けの効果
は大きいが損傷も大きい。従って、電子照射と電位差付
与とを併用することは、印加電圧を低くすることが可能
となる点と、電子銃が異常放電を生じたときに補助的に
高分子フィルム1を円筒状キャン2に張り付けておくこ
とが可能である点から、非常に有効である。
蒸着後の高分子フィルム1は、照射し打ち込んだ電子
が残存しているので帯電した状態である。高分子フィル
ム1が帯電していると前述したように走行が不安定とな
りしわも発生し易くなる。また、高分子フィルム1を円
筒状キャン2の周面から剥離する際に火花放電して高分
子フィルム1が損傷する場合もある。この現象は高い電
気抵抗率を有する高分子フィルム1に蒸着する際に顕著
である。このような場合には、高分子フィルム1の帯電
を除く必要がある。帯電を除く方法として、従来は装着
装置内にガスを導入してグロー放電処理を行っていた。
この方法により高分子フィルム1の帯電は除去された
が、形成される薄膜に及ぼす導入ガスの影響は避けられ
なかった。とくに、薄膜の結晶配向性は顕著に劣化し
た。この問題は、本発明においては第2図に示すよう
に、薄膜が形成された後、高分子フィルム1にイオン銃
15からの加速したイオンを照射するとともにニュートラ
ライザーからの電子を供給することで解決される。高分
子フィルム1へのイオン及び電子16の照射は、薄膜の形
成されている面に対しても、薄膜の形成されていない
面、いわゆる裏面に対しても有効である。ただし、薄膜
が金属の場合には、高分子フィルム1が円筒状キャン2
の周面からはなれる剥離部近傍において、高分子フィル
ム1の裏面にイオン及び電子16を照射することがより有
効である。尚、ここで照射するイオン及び電子16が多量
に成膜部に到達することは好ましくない。すなわち、成
膜部において必要とされる静電引力が失われて安定な蒸
着が困難となるからである。従って、成膜部にイオン及
び電子が到達しにくいようにイオン銃15の向きや遮蔽板
の設置について考慮する必要がある。
第1の工程において、イオン銃12からのイオン及び電
子13を高分子フィルム1に照射するわけであるが、この
照射の後の第2の工程である電子銃8による電子の打ち
込みの工程との干渉を抑えるための隔壁を設けることが
望ましい。特に、装置の規模の関係から二つの工程を十
分に遠ざけられない場合には隔壁が必要である。即ち、
電子銃12からのイオン及び電子13は制御されバランスの
取れた状態が要求される。他から加速された電子が混入
するとバランスが崩れ、制御が難しくなる。従って、第
2図に示すように電子銃12からのイオン及び電子13の照
射の工程と電子銃8による電子の照射の工程との間に、
加速された電子の混入を抑える隔壁17を設けることは有
効である。
以下に具体的実施例について説明する。
第2図に示す真空蒸着装置にて金属薄膜であるCo−Cr
膜を形成した。尚、Co−Cr膜は高密度磁気記録媒体とし
て注目されているものである。
高分子フィルム1として脱ガス処理を施した幅50cm、
厚さ7μmのポリイミドフィルムを用いた。ポリイミド
フィルムを供給ロール3から巻きだし、円筒状キャン2
の周面を矢印Aの方向に20m/分の速度で走行させ、巻き
取りロール4に巻き取った。円筒状キャン2の温度は25
0℃とした。イオン銃12からのイオン及び電子13をポリ
イミドフィルムに照射する。イオンの加速電圧は−500
V、イオン電流密度は0.1mA/cm2とした。イオン化するガ
スとしてはArを用いた。Arの導入量は20cc/分とした。
ポリイミドフィルム張り付け用の電子銃8は加速電圧30
kVのピアス型電子銃を用いた。エミッション電流は100m
Aとし、ポリイミドフィルムの幅に600Hzで走査した。蒸
発源5としては電子ビーム蒸発源を用いた。ポリイミド
フィルムのはりつけの補助手段として電源14により直流
100VをCo−Cr膜と円筒状キャン2との間に印加した。ポ
リイミドフィルムの帯電を除去するために、イオン銃15
からのイオン及び電子16をポリイミドフィルムの裏面に
照射した。イオンの加速電圧は500V、イオン電流密度は
0.1mA/cm2とした。イオン化するガスとしてはArを用い
た。Arの導入量は10cc/分とした。以上の方法により、
膜厚0.2μmのCo−Cr膜を形成した。その結果、しわが
なくしかも高い付着力を有するCo−Cr膜を長尺にわたっ
て安定に製造することが出来た。
以上の実施例では、ポリイミドフィルムにCo−Cr膜を
形成する場合についてのみ説明したが、ポリイミドフィ
ルム以外の高分子フィルムでもよく、またCo−Cr膜以外
の薄膜でも本発明は有効である。
発明の効果 本発明によれば、高分子フィルムに加速した電子を照
射する工程の前工程としてイオン及び電子を照射してい
るので、円筒状キャンの広範囲な温度範囲で、広範囲な
残留ガス含有量や表面性を有する高分子フィルムを薄膜
形成に供する際、導入ガス量が少量で、高分子フィルム
を円筒状キャンの周面にしわ無く均一に沿わせて走行で
き、高分子フィルムを円筒状キャンの周面に十分に密着
できるため優れた薄膜を長尺にわたって安定に製造する
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における薄膜の製造方法に用
いる真空蒸着装置の内部構造の概略を示す断面図、第2
図は本発明の一実施例における薄膜の製造方法に用いる
真空蒸着装置の内部構造の概略を示す断面図、第3図は
イオン銃の構造の概略を示す正面図、第4図は従来法の
一実施例における真空蒸着装置の内部構造の概略を示す
断面図である。 1……高分子フィルム基板、 2……円筒状キャン、 3……供給ロール、 4……巻き取りロール、 5……蒸発源、 6……遮蔽板、 7……電子ビーム、 8……電子銃、 11……グロー放電電極、 12……イオン銃、 13……イオン及び電子、 A……矢印、 S……開口部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川分 康博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石田 達朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子フィルムを円筒状キャンの周面に沿
    わせて走行させ、真空蒸着法により連続的に前記高分子
    フィルム上に薄膜を形成する薄膜の製造方法において、
    前記高分子フィルムが前記円筒状キャンの周面に接触し
    始める部分を含むその近傍で走行している前記高分子フ
    ィルムにイオン銃からの加速したイオンを照射するとと
    もにニュートラライザーからの電子を照射する第1の工
    程と、第1の工程に引き続いて、前記円筒状キャンの周
    面に沿って走行している前記高分子フィルムに電子銃か
    らの加速した電子を照射する第2の工程と、第2の工程
    に引き続いて、前記円筒状キャンの周面に沿って走行し
    ている前記高分子フィルム上に真空蒸着法により連続的
    に薄膜を形成する第3の工程とを有することを特徴とす
    る薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】形成する薄膜が導電性である場合に導電性
    薄膜と円筒状キャンとの間に電位差を付与することを特
    徴とする請求項1記載の薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】薄膜を形成する第3の工程に引き続いて、
    薄膜形成後の高分子フィルムにイオン銃からの加速した
    イオンを照射するとともに電子発生源からの電子を照射
    する第4の工程を有することを特徴とする請求項1また
    は2記載の薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】第1の工程を実施する部分と第2の工程を
    実施する部分との間に隔壁を設ける請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】予め脱ガス処理を施した高分子フィルムを
    用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜の製造
    方法。
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