JP4848952B2 - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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この発明は、導電性高分子からなる固体電解質層を備えた固体電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
固体電解コンデンサとしては、エッチングによって表面を拡面化したアルミニウム箔の表面に誘電体酸化皮膜層を形成し、この誘電体酸化皮膜層の上に固体電解質層を形成してコンデンサ素子を構成し、さらに接触抵抗を減らすために、固体電解質層の上にグラファイト層および銀ペースト層からなる導電体層を形成した構成のものが知られている。
そして、このような固体電解コンデンサの形状としては、特開平6−69084号公報に開示されたように、導電性高分子層および導電体層が順次形成された電極箔を積層して形成した固体電解コンデンサが知られている。
この固体電解コンデンサを図8と共に説明すると、固体電解コンデンサは、平坦なアルミニウムの原箔の表面をエッチングして、アルミニウム箔の単位面積当りの表面積を増加させて、さらに誘電体酸化皮膜を形成して電極箔とし、電極箔の誘電体酸化皮膜の上に導電性高分子からなる固体電解質層を形成してコンデンサ素子を形成している。そしてこのコンデンサ素子の電極箔を陽極、固体電解質層を陰極として固体電解コンデンサを構成する。このような個々のコンデンサ素子は箔状のアルミニウムを基本とした構造のため、長さ、幅方向に比べて厚み方向の寸法が極端に小さくなる。そこで、このようなコンデンサ素子を厚み方向に積層すれば容量が大きく、体積効率のよい積層型固体電解コンデンサが得られる。そのため、内部構造としては、アルミニウム箔の表面をエッチングし、誘電体酸化皮膜を形成した電極箔1を陽極部と陰極部を分離部2によって区分し、陰極部に導電性高分子層6、グラファイト層および銀ペースト層からなる導電体層7を形成して一個のコンデンサ素子を構成する。さらに、このコンデンサ素子を複数個を積層し、コンデンサ素子の導電体層7の間を銀ペースト等の導電性接着材によって、また陽極部の間は、陽極部1同士の間に陽極引き出し部5を挿入し、抵抗溶接あるいはレーザ溶接によって接続している。さらに陽極引き出し部5には陽極端子8、導電体層には陰極端子9がそれぞれ接続されて、外部への電気的な引き出しが行われる。
このような固体電解コンデンサの電極箔は、エッチング処理を施したアルミニウム箔に誘電体酸化皮膜を形成し、その後にコンデンサ素子の大きさに切り出して使用する場合がある。この切り出しはカッターやダイシングソー、スリッター、剪断シャー、型による打ち抜き等が多用されている。このように誘電体酸化皮膜が形成されたアルミニウム箔を切り出した場合、その切り出した切断部は、金属アルミニウムが露出することになる。そして、金属アルミニウムが露出した部分と固体電解質が接触すると、ショート状態となってしまうため、露出した金属アルミニウムに誘電体酸化皮膜を形成することを目的として、再化成(再陽極酸化処理)を行った後に、固体電解質の形成が行われることが多い。
このような電解コンデンサに用いられる固体電解質としては、近年、低ESR化を目的として導電性高分子が着目され、導電性高分子を固体電解質として用いる固体電解コンデンサが実用化されている。一般に、これら導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリピロール又はポリアニリン等があり、中でもポリチオフェンは、ポリピロール又はポリアニリンと比較して、導電率が高く熱安定性が特に優れていることから近年注目されており、ポリチオフェンを固体電解質として用いた固体電解コンデンサとして特開平2−15611号公報等に開示されているものがある。
ポリチオフェンは、化学酸化重合及び電解重合によって製作できるが、電解重合手段を講じた場合、一個に数点の重合用電極を取り付けることが必要であることと、導電性高分子が電極上にフィルム状に形成されるため大量に製造することに困難性が伴う問題を抱えている。一方、化学酸化重合手段の場合は、そのような問題はなく、電解重合と比較して大量の導電性高分子層を容易に得ることができるという利点がある。
そして、チオフェンの誘導体の中でも、3,4−エチレンジオキシチオフェンは、酸化剤と接触することで、緩やかな重合反応によってポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を生成するため、3,4−エチレンジオキシチオフェンのモノマー溶液を微細な構造を有するコンデンサ素子の内部にまで浸透した状態で重合させることができることが知られている。この結果、コンデンサ素子の内部にまで導電性高分子層を形成することができるようになり、固体電解コンデンサの静電容量の増大を図ることができる。
前述したように、固体電解コンデンサに関しては次の公知文献が存在する。
特開平6−69084号公報 特開平2−15611号公報
ところで、陽極酸化によって誘電体酸化皮膜を形成したアルミニウム箔を、治具によって所定の大きさに切り出した場合には、切り出した切断部はアルミニウムが露出するとともに、切断した際のバリが発生する。特にアルミニウムは延性に富む金属であり、アルミニウムを切断して加工した場合には、バリの発生を抑制することは困難である。そして、前述したように、アルミニウム箔は再化成によって、露出したアルミニウムの表面に誘電体酸化皮膜を形成しているが、この再化成によってもバリの部分には、誘電体酸化皮膜が十分に形成されない場合がある。そして、このようなバリを有したままの電極箔の上に固体電解質層を形成した場合、バリが固体電解質と接触する。そして、バリの部分で誘電体酸化皮膜が十分に形成されていないと、この部分での電流がパスしてしまう部分となってしまい、固体電解コンデンサの漏れ電流増大の原因となっていた。
また、切断部のバリによって、電極箔の端部は厚さが厚くなった状態となる。またその厚さは発生したバリの大きさによるものであるため、電極箔の端部の厚さはばらつきが生じた状態となる。このため、電極箔を積層した場合には、電極箔の端部の厚さにばらつきがあるため、積層したコンデンサ素子の全体の厚さを一定のものとすることが困難になる。
そこで、この発明では、電極箔のバリの部分での漏れ電流が増大することを防止した固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
また、電極箔の厚さを一定のものとすることで、積層した際に厚さのばらつきのない個体電解コンデンサを提供することを目的とする。
この出願の請求項1に係る発明は、表面に誘電体酸化皮膜を形成した平板状の金属箔と、この金属箔の上に固体電解質層が形成された固体電解コンデンサにおいて、切り出した金属箔の切断部を面取りするとともに、金属箔の表面とほぼ同一面となるように切断部およびその近傍を絶縁樹脂で被覆した固体電解コンデンサである。
この出願の請求項2に係る発明は、表面に誘電体酸化皮膜を形成した平板状の金属箔と、この金属箔の上に固体電解質層が形成された固体電解コンデンサの製造方法において、金属箔の表面に誘電体酸化皮膜を形成させた後、金属箔を所定の大きさに切り出す切り出し工程と、切り出した切断部をプレスして面取りをする工程と、金属箔の表面とほぼ同一面となるように切断部およびその近傍に絶縁樹脂層を形成する工程と、金属箔の上に固体電解質層を形成する工程、を含む固体電解コンデンサの製造方法である。
この出願の請求項1による発明によれば、弁金属箔の陰極部の切断部を面取りし、切断部を樹脂で被覆することにより、バリが発生していたとしても、面取りすることによって除去され、バリが固体電解質と接触して漏れ電流が増大する不都合を防止することができる。また、絶縁樹脂が、金属箔の表面とほぼ同一面となるように切断部およびその近傍を被覆したことにより、金属箔は全て一様な厚さとなる。このような金属箔を積層した場合には、切断部のみが厚くなってしまうことがなく、コンデンサ素子の大きさが一様なものとなる。
この出願の請求項2による発明によれば、弁金属箔の両面上に誘電体酸化皮膜を形成させた後、弁金属箔の少なくともコンデンサ素子の陰極部となる部位を切り出す箔切り出し工程と、切り出した陰極部の切断部をプレスして角部の面取りをするプレス工程と、陰極部の切断部およびその近傍に熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂を塗布して硬化する工程と、弁金属箔の陰極部に固体電解質層を形成することにより、箔切り出し工程でバリが発生したとしても、その後のプレス工程によって、バリが潰されるようになり、バリが固体電解質と接触して漏れ電流が増大する不都合を防止することができる。また、金属箔の表面とほぼ同一面となるように切断部およびその近傍に絶縁樹脂を形成することにより、金属箔は全て一様な厚さとなる。このような金属箔を積層した場合には、切断部のみが厚くなってしまうことがなく、コンデンサ素子の大きさが一様なものとなる。
図1は本発明におけるアルミニウム固体電解コンデンサの構成を示す。
図1において、電極箔1は、アルミニウム箔をエッチング処理により拡面化処理したもので、アルミニウム箔の両面が多孔質のエッチング層となっている。また、アルミニウム箔の内部はエッチングされることなくアルミニウムの地金が残されており、このアルミニウム地金が残芯層となる。そして、エッチング処理した表面には陽極酸化により誘電体酸化皮膜が形成されている。
例えば、電極箔1は厚さが120μmの高純度のアルミニウムよりなるアルミニウム箔を用い、両面よりそれぞれ30μmのエッチング層を施す。この場合残芯層の厚さは60μmとなる。
この電極箔1は、図2に示すように両端が陽極部11で、その中間が陰極部12となっており、陽極部11と陰極部12は分離層2によって区分されている。また、陰極部12の端面およびその近傍がレジスト材3によって被覆されている。さらに、陰極部12には固体電解質層6、グラファイト層、銀ペースト層からなる導電体層7順次形成されている。
このような電極箔は次の工程によって製造する。まず、幅広の帯状のアルミニウム箔100を用意し、エッチング処理および陽極酸化処理を施す。次いで、図4に示すようにアルミニウム箔100を電極箔1の幅手方向の長さとなるように所定間隔で切り出す。この切り出しは図3(a)、(b)に示すように、アルミニウム箔100の上面より治具101を押し当ててアルミニウム箔100を切断する。この際、電極箔1の陽極部11となる部分と残りのアルミニウム箔100aはつないだままとしている(図4)。この残りアルミニウム箔100aの部分はフレームとして活用しされる。アルミニウム箔100をフレームとして利用すると、後の再化成の工程で給電電極として利用できるために好適である。
なお、このようなアルミニウム箔100を切り出した際には、図4(c)に示すように、切断部にはバリ102が発生する場合がある。すなわち、アルミニウム箔100の残芯層は金属アルミニウムであり、この部分を切断した際には、金属アルミニウムのバリが発生する。電極箔1となる部分、特に電極箔1の陰極部12となる端面にバリが生じていた場合には、このバリが固体電解コンデンサの漏れ電流を増加させる場合がある。
そこで、まず電極箔1の切断部をプレスして、図7に示すように、面取りを行う。図7中符号15は電極箔の残芯層であり、符号16はエッチング層を示す。エッチング層16の構造は、隙間が多数空いている多孔質の構造であるため、プレスすることによって、多孔質の層が圧縮され、角部が無い状態となる。このプレスは電極箔1の両面よりプレス治具を押し当てることで行うことができる。
さらに、電極箔1には陽極部11と陰極部12の分離部2となる部分のエッチング層を機械的に除去するようにして電極箔の両面に溝13を形成する。
さらに、打ち抜いた電極箔1にレジスト材を塗布し、切断部をレジスト材によって被覆する。レジスト材3は電極箔1の切断部が面取りされているため、電極箔1の切断部の側面に回り込みやすくなる。
レジスト材3の塗布は、図6に示すように、電極箔1の端面の近傍の所定の位置に、電極箔1の上面からスクリーン印刷法によってレジスト材を塗布し、レジスト材の流動性を利用して、電極箔1の端面にレジスト材を回り込ませた後にレジスト材を硬化させ、被覆層3とする。このように電極箔の上面の側からレジスト材を塗布すると、電極箔上面での、レジスト材の塗布位置を制御することが容易となり、電極箔の上に固体電解質層を形成するのに必要な面積を確保することが容易となる。また、スクリーン印刷によれば、レジスト材の塗布厚さを均一なものとすることができる。
そして、スクリーン印刷による塗布するレジスト材の厚さを調整して、塗布した樹脂が金属箔の表面とほぼ同一の高さとなるようにする。このように電極箔1の面取りした部分に被覆層3が収まるようにすると、電極箔1の厚さが一定のものとなり、このような電極箔1を積層した場合でも、その厚さがばらつくことがない。
また、電極箔の端部へのレジスト材の塗布工程で、同時に電極箔1の溝にもレジスト材を塗布する。そして、その後に所定の手段によって、レジスト材を硬化する。このようなレジスト材の硬化によって、電極箔1の切断部を完全に被覆するとともに、電極箔1の陽極部11と陰極部12とを区分する分離部2を形成する。
このようなレジスト材としては、耐薬品性、耐熱性を有するものが好ましく、熱硬化性の樹脂、例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等や紫外線硬化性の樹脂を用いることができる。
レジスト材を硬化した後に、レジスト材を形成する工程までの間に発生した誘電体酸化皮膜の損傷を修復するためにアルミニウム箔を再化成する。レジスト被覆工程での、機械的ストレスや熱ストレスによって、誘電体酸化皮膜が損傷している場合があり、この誘電体酸化皮膜の損傷部分を修復するものである。レジスト被覆工程の後に再化成することにより、レジスト材を塗布、硬化した際に受けた機械的ストレスによって生じた誘電体酸化皮膜の損傷部分を修復することにより、後の重合工程において誘電体酸化皮膜をより均一で重合に適した状態とすることができる。
この再化成は、レジスト材を塗布、硬化した後に行うと、レジスト材によって被覆されたアルミニウムが露出端した面には誘電体酸化皮膜が形成されることが無いため、再化成時の消費電力を省力化することもできる。
また、この再化成は、電極箔の陽極部側がアルミニウム箔に接続された状態で行うと好適である。アルミニウム箔の部分を給電電極として、再化成電流を給電できるために、作業が簡便なものとなるためである。
さらに誘電体酸化皮膜の上に固体電解質層6を形成する。固体電解質層6は重合して導電性高分子となる重合性モノマーを含有する溶液と酸化剤溶液に順次浸漬し、各液より引き上げて重合反応を進める。これらの固体電解質の形成は、重合性モノマーを含有する溶液と酸化剤溶液を陰極部12に塗布または吐出する方法によって形成してもよい。
以上のように固体電解質層6の形成に用いる重合性モノマーとしてはチオフェン、ピロールまたはそれら誘導体を好適に使用することができる。特にモノマーがチオフェン又はその誘導体であると好適である。
チオフェンの誘導体としては次に掲げる構造のものを例示できる、チオフェン又はその誘導体は、ポリピロール又はポリアニリンと比較して、導電率が高いとともに熱安定性が特に優れているため、低ESRで耐熱特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。

XはOまたはS
XがOのとき、Aはアルキレン、又はポリオキシアルキレン
Xの少なくとも一方がSのとき、
Aはアルキレン、ポリオキシアルキレン、置換アルキレン、置換ポリオキシアルキレン:ここで、置換基はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基
チオフェンの誘導体の中でも、3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いると好適である。
3,4−エチレンジオキシチオフェンは、酸化剤と接触することで、緩やかな重合反応によってポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を生成するため、3,4−エチレンジオキシチオフェンのモノマー溶液を微細な構造を有するコンデンサ素子の内部にまで浸透した状態で重合させることができる。この結果、コンデンサ素子の内部にまで導電性高分子層を形成することができるようになり、固体電解コンデンサの静電容量の増大を図ることができる。
コンデンサ素子に含浸するEDOT溶液としては、その濃度が25〜32wt%となるようにEDOTを揮発性溶媒に溶解させたものを用いることが好ましい。前記揮発性溶媒としては、ペンタン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、メタノール等のアルコール類、アセトニトリル等の窒素化合物等を用いることができるが、なかでも、メタノール、エタノール、アセトン等が好ましい。
酸化剤としては、エタノールに溶解したラパトルエンスルホン酸第二鉄、過ヨウ素酸もしくはヨウ素酸の水溶液を用いることができ、酸化剤の溶媒に対する濃度は45〜55wt%が好ましく、50〜55wt%がより好ましい。酸化剤の溶媒に対する濃度が高い程、ESRは低減する。なお、酸化剤の溶媒としては、上記モノマー溶液に用いた揮発性溶媒を用いることができ、なかでもエタノールが好適である。酸化剤の溶媒としてエタノールが好適であるのは、蒸気圧が低いため蒸発しやすく、残存する量が少ないためであると考えられる。
さらに、コンデンサ素子の固体電解質層6の上には、グラファイト層および銀ペースト層を順次形成し、導電体層7としてコンデンサ素子を作成する。
グラファイト層は平均長さ10μm程度の鱗片状グラファイトと平均粒径30nm程度のカーボンブラックを混合したペーストをスクリーン印刷し、乾燥して形成する。このグラファイトを印刷した際、グラファイト層の成分の一つである鱗片状グラファイトが固体電解質層に突き刺さったり、或いはグラファイト層の成分のカーボンブラックが固体電解質層に入り込むことがある。固体電解質層の厚さが十分に形成されている場合には、鱗片状グラファイトが固体電解質層に突き刺さったり、或いはグラファイト層の成分のカーボンブラックが固体電解質層に入り込んだとしても、グラファイト成分と電極箔の誘電体酸化皮膜が接触することはないが、固体電解質層の厚さが薄い場合には、グラファイト成分と電極箔の誘電体酸化皮膜が接触してしまうおそれがある。しかしながら、この発明では固体電解質層の厚さを十分な厚さとすることが困難な電極箔の端部に予めレジスト層を形成してあるため、固体電解質層に鱗片状グラファイトが固体電解質層に突き刺さったり、或いはグラファイト層の成分のカーボンブラックが固体電解質層に入り込んだとしても、誘電体酸化皮膜層と接触することが無い。
以上のように、固体電解質層を形成したのち、陽極部の位置でコンデンサ素子として切り出す(図4から図6中の点線の位置で)。そして、コンデンサ素子を積層して、陰極層2間は銀ペースト等の導電性接着材3によって、陽極部1間は、陽極部1と金属板4を挿入して抵抗溶接あるいはレーザ溶接によって接続している。またリードフレーム5との接続は陰極部2が導電性接着剤3、陽極部1が抵抗溶接によって接続している。
なお、固体電解質層を形成した後にコンデンサ素子を切り出した際にも、その切断部にはバリが発生するが、ここで切断した端面は固体電解コンデンサの陽極となる部分であり、その後も固体電解質層が形成されることがない部分である。従って、この部分では陽極と陰極が短絡するおそれがない部分であり、バリが残っていたとしても問題は無い。
また、陽極部には陽極引き出し部を接続する。陽極引き出し部は例えば、金属板を電極箔1の陽極部の間に挿入し、側面からのレーザ照射によるレーザ溶接や、電気溶接によって接合される。この陽極引き出し部は、陽極部と、後述する陽極端子の電気的な接続を容易かつ確実なものとするために用いられる。
以上のようにして形成したコンデンサ素子を複数枚積層し、陽極引き出し手段には陽極端子を接続する。一方、導電体層7の銀ペースト層には陰極端子9を接続する。
次いで、これらを陽極端子8と陰極端子9の一部が外部に露出するように外装樹脂4をモールド成形して外装を施し、固体電解コンデンサを得る。
この発明の固体電解コンデンサの内部構造を示す断面図である。 この発明の固体電解コンデンサに用いる電極箔の斜視図である。 電極箔を製造するプロセスを説明する図面である。 電極箔を製造するプロセスを説明する図面である。 電極箔を製造するプロセスを説明する図面である。 電極箔を製造するプロセスを説明する図面である。 電極箔の切断部の構造を示す断面図である。 従来の固体電解コンデンサの内部構造を示す断面図である。
符号の説明
1 電極箔
11 陽極部
12 陰極部
13 溝
14 残芯層
15 エッチング層
2 分離部
3 被覆層
4 外装樹脂
5 陽極引き出し部
6 固体電解質層
7 導電体層
8 陽極端子
9 陰極端子
100 アルミニウム箔
101 治具
102 バリ

Claims (2)

  1. 表面に誘電体酸化皮膜を形成した平板状の金属箔と、この金属箔の上に固体電解質層が形成された固体電解コンデンサにおいて、
    切り出した金属箔の切断部を面取りするとともに、金属箔の表面とほぼ同一面となるように切断部およびその近傍を絶縁樹脂で被覆した固体電解コンデンサ。
  2. 表面に誘電体酸化皮膜を形成した平板状の金属箔と、この金属箔の上に固体電解質層が形成された固体電解コンデンサの製造方法において、
    金属箔の表面に誘電体酸化皮膜を形成させた後、金属箔を所定の大きさに切り出す切り出し工程と、
    切り出した切断部をプレスして面取りをする工程と、
    金属箔の表面とほぼ同一面となるように切断部およびその近傍に絶縁樹脂層を形成する工程と、
    金属箔の上に固体電解質層を形成する工程、を含む固体電解コンデンサの製造方法。
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