JP4848889B2 - 免震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ビル、高架道路、橋若しくは戸建住宅等の建築構造物の下部構造物である例えば基礎と上部構造物との間に介在されて、地震、交通振動等による基礎の振動の上部構造物への伝達を低減して、上部構造物の倒壊等を防止する免震装置に関する。
実用新案登録第2586794号公報 特開平11−303929号公報 特開2000−46104号公報
従来、免震装置として、上方に向かって凹状の摺動面を有した下沓を下部構造物に、上部構造物には下方に向かって凹状の摺動面を有した上沓を夫々取付けて、下沓と上沓との間に摺動体を各摺動面に摺動自在に当接させて介在したものが知られている(特許文献1所載)。
上記の免震装置においては、下沓及び上沓は鋳造品素材を切削加工等の機械加工によって製作されることから、その重量が大きくなり、その搬送、据付け等において、多くの時間や手間を要し、その上危険な作業を伴う虞があり、しかも、その製作において機械加工を要するため、これによっても上記と相俟って多くの時間や手間を要し、結局、コストアップを招来するという問題がある。
このような問題点を解決するものとして、地盤から立設されたアンカーボルトに凹状の受面を有する金属薄板を架設し、金属薄板及び地盤の間に無収縮性のグラウト材を充填して一体化させた下沓と該凹状の受面と等しい曲率半径で構成された凹状の受面を有する金属薄板及びH形鋼に固定された平板の間に無収縮性のグラウト材を充填して一体化させた上沓との間に摺動体を各凹状の受面に摺動自在に接触させて介在させた免震装置が提案されている(特許文献2所載)。
上記特許文献1及び特許文献2に開示された免震装置は、いずれも地震により生じる下部構造物の水平振動(変位)を下沓と上沓との凹状の受面間に介在した摺動体の該凹状の受面間でのすべり相対移動により上部構造物への伝達を阻止し、摺動体と凹状の受面との摩擦抵抗力により減衰作用をなすものである。
このような免震装置においては、摺動体と凹状の受面との摩擦抵抗力の大小がその免震性能(減衰性)の良否を左右することになり、摩擦抵抗力が小さ過ぎると地震力の低減にはよいが相対変位がおおきくなりすぎ、また摩擦抵抗力が大き過ぎると地震力の低減効果は悪くなる。換言すれば、摩擦係数の大小によって地震力によるすべり出しに大きく影響し、例えば摩擦係数が0.1程度の場合、地震力が0.1G(ガル)以上にならないと免震装置における摺動体は凹状の受面間をすべり出さず、免震装置の機能を阻害することになる。
本発明は上記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、速度の変化に対して摩擦係数の変動が極めて小さい摩擦特性を発揮する免震装置を提供することにある。
本発明の免震装置は、断面円弧凹状の下側荷重受面を有した下沓と、断面円弧凹状の上側荷重受面を有した上沓と、下沓及び上沓の下側荷重受面及び上側荷重受面間に介在されていると共に上面及び下面に上沓及び下沓の上側荷重受面及び下側荷重受面にそれぞれ面接触する断面円弧凸状面を備えた摺動体とを具備しており、摺動体は、繊維織布強化熱硬化性合成樹脂の積層体からなる基体と、基体の上面及び下面の夫々に一体に接合された表層材と、基体及び各表層材に、摺動体の断面円弧凸状面となる各表層材の表面で開口すると共に基体の一部まで伸びて形成された少なくとも一つの凹部と、凹部に充填保持された固体潤滑剤とからなり、固体潤滑剤は、カーボンブラック5〜15重量%と炭化水素系ワックス10〜20重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末1〜5重量%と炭化水素油10〜20重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とを含んでいることを特徴とする。
本発明の免震装置によれば、摺動体は、その上下の断面円弧凸状面で上沓及び下沓の断面円弧凹状の上側荷重受面及び下側荷重受面にそれぞれ面接触しており、大きな荷重支持能力を発揮する。地震により下部構造物が水平振動(変位)すると、摺動体は、下沓及び上沓の断面円弧凹状の下側荷重受面及び上側荷重受面間を相対的にすべり移動し、下部構造物の変位に追従することはなく、下部構造物の変位を上部構造物に伝達させることはない。摺動体の断面円弧凸状面には、摺動性に優れた表層材と表層材の表面に開口する凹部に充填保持された固体潤滑剤とが露出しており、固体潤滑剤中の炭化水素系ワックスに吸収保持された炭化水素油が相手材である上沓及び下沓の上側荷重受面及び下側荷重受面との摺動により生じる摩擦熱によって摺動面に供給されるので、摺動体は、下沓及び上沓とは摺動性に優れた表層材と表層材の表面に供給された炭化水素油を介しての摺動となる結果、速度の変化に対して摩擦係数の変動が極めて小さい摩擦特性が発揮され、優れた免震性能が発揮される。
本発明の免震装置において、下沓及び上沓の夫々は、好ましい例では、断面円弧状の凹板部及びこの凹板部に一体な環状の側板部を具備した板状体からなる皿状部材と、この皿状部材の側板部に固着された平板状の蓋部材と、皿状部材及び蓋部材間の空間に充填された充填体とを具備している。
下沓及び上沓を形成する皿状部材は、夫々板状体、例えばステンレス鋼板又は表面に銅若しくは亜鉛メッキを施した鋼板等をプレス成形又はへら絞り成形等して製作することができるので、軽量化を図ることができ、搬送、据え付けが容易となり、しかも多くの時間と手間を要する切削作業を省くことができ、而してコストの低減を図り得る。皿状部材を形成する板状体の厚さとしては、好ましい例として1.8mmないし3.2mm程度を挙げることができる。
下沓及び上沓の皿状部材と蓋部材との空間に充填される充填体としては、無収縮性のグラウト材が好適に使用される。
摺動体の上面及び下面の断面円弧凸状面は、上沓及び下沓の上側荷重受面及び下側荷重受面の曲率と同一の曲率を有している。
表層材は、好ましくはナイロン樹脂製シート、より好ましくは12ナイロンシートからなり、更に好ましくはグラファイトを3〜7重量%含有したグラファイト入り12ナイロンシートからなり、斯かるナイロン樹脂製シートの一方の面において基体の上面及び下面の夫々に一体に接合されている。
ナイロン樹脂製シート、特に12ナイロンシートはそれ自体低摩擦性を有することから表層材として使用して好適であり、更には3〜7重量%のグラファイトが含有された12ナイロン樹脂製シートは低摩擦性に加えて耐摩耗性が高められていることから表層材としては好ましい。
また、表層材は、有機繊維からなる織布と該織布の表面及び繊維組織間隙に含浸塗工された四ふっ化エチレン樹脂(以下「PTFE」という)を含有する熱硬化性合成樹脂とからなる少なくとも1枚の織布シートからなって、該織布シートの一方の面において基体の上面及び下面の夫々に一体に接合されていてもよく、この織布シートにおいては、熱硬化性合成樹脂に含有されたPTFEが混在されているので、該織布シートの表面においてPTFEの低摩擦性が発揮される。
更に、表層材としては、PTFE繊維の織布と有機繊維の織布とが重ね合わされ、かつふっ素樹脂製糸によって縫合一体化された複合織布と該複合織布の表面及び繊維組織間隙に含浸塗工された熱硬化性合成樹脂とからなる複合織布シートからなっていてもよい。この複合織布シートは、有機繊維の織布側において前記基体の上面及び下面の夫々に一体に接合される。
この複合織布シートにおいては、表面はPTFE繊維の織布とふっ素樹脂製糸とだけの露出面となるため、PTFE及びふっ素樹脂の固有の低摩擦性が発揮される。
ふっ素樹脂製糸としては、PTFEからなる糸及び四ふっ化エチレン・六ふっ化プロピレン共重合体(以下「FEP」という)からなる糸のいずれかから選択され、これらふっ素樹脂製糸は、単糸及び紡糸のいずれか一方であり、おおむね200〜1,200デニールの範囲のものであることが好ましい。
この織布シート及び複合織布シートにおいて、有機繊維からなる織布としては、綿織布、アラミド繊維織布、ポリエステル繊維織布及び木綿(綿繊維)とポリエステル繊維との混紡織布のうちの一つから選択されるとよい。
本発明において、固体潤滑剤中の炭化水素系ワックスは、炭素数がおおむね24以上のパラフィン系ワックス、炭素数がおおむね26以上のオレフィン系ワックス、炭素数がおおむね28以上のアルキルベンゼン及びマイクロクリスタリンワックスのうちの少なくとも一つから選択されたものが好ましい。
固体潤滑剤中の芳香族ポリアミド樹脂粉末は、メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドとを縮合重合して得られるメタフェニレンイソフタルアミドの粉末が使用されて好適である。
固体潤滑剤中の炭化水素油は、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル等の炭化水素系鉱油又はポリ−α−オレフィン、ポリブテン等の炭化水素系合成油であると好ましい。
本発明によれば、速度の変化に対して摩擦係数の変動が極めて小さい摩擦特性を発揮する免震装置が提供される。
次に本発明及びその実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1から図4において、本例の免震装置1は、上方に向かって断面円弧凹状の下側荷重受面としての下側摺動面21を有していると共に建物の下部構造物としての基礎Bに固定される下沓2と、下方に向かって断面円弧凹状の上側荷重受面としての上側摺動面31を有していると共に建物の上部構造物Gに固定される上沓3と、下沓2の下側摺動面21の曲率(曲率半径R)と同一の曲率(曲率半径R)を有し、下側摺動面21に摺動自在に面接触する断面円弧凸状面としての摺動下面41を下面に備えると共に、上沓3の上側摺動面31の曲率(曲率半径R)と同一の曲率(曲率半径R)を有し、上側摺動面31に摺動自在に面接触する断面円弧凸状面としての摺動上面42を上面に備えて、下沓2と上沓3との間に介在された介在体である摺動体4とを具備している。
下沓2は、耐候性鋼板であるステンレス鋼板をプレス成形により一体形成して製造されてなると共に断面円弧状であって円盤状の凹板部22及び凹板部22の周縁に一体形成されて凹板部22に一体な環状、本例では円筒状の側板部23を有している皿状部材24と、板状体からなる皿状部材24の側板部23の端部外周面に溶接等により固着された平板状であって方形の蓋部材25と、皿状部材24及び蓋部材25の間の空間に充填されて固化された充填体26とを具備しており、凹板部22に下側摺動面21が設けられている。なお、図1中の符号27は、皿状部材24と蓋部材25との間の空間に充填材26を注入充填する際の注入孔である。
下沓2は、基礎Bに植設された複数のアンカーボルト5によりその蓋部材25で基礎Bに固定されている。
充填体26は、凹板部22及び側板部23の夫々の内面28と蓋部材25の一方の面29との間の空間に充填されて固化された無収縮性のグラウト材からなる。
下沓2と同様に、上沓3は、耐候性鋼板であるステンレス鋼板をプレス成形により一体形成して製造されてなると共に断面円弧状であって円盤状の凹板部32及び凹板部32の周縁に一体形成されて凹板部32に一体な環状、本例では円筒状の側板部33を有している皿状部材34と、板状体からなる皿状部材34の側板部33の端部外周面に溶接等により固着された平板状であって方形の蓋部材35と、皿状部材34及び蓋部材35の間の空間に充填されて固化された充填体36とを具備しており、凹板部32に上側摺動面31が設けられている。なお、図1中の符号37は、皿状部材34と蓋部材35との間の空間に充填材36を注入充填する際の注入孔である。
上沓3は、上部構造物Gに複数のボルト6によりその蓋部材35で固定されている。
充填体36は、凹板部32及び側板部33の夫々の内面38と蓋部材35の一方の面39との間の空間に充填されて固化された無収縮性のグラウト材からなる。
摺動体4は、下沓2と上沓3との間に適度な隙間が生じるような高さをもって実質的に剛性をもって形成されており、その直径dは、下側摺動面21及び上側摺動面31の径Dよりも充分に小さい。
摺動体4は、繊維織布強化熱硬化性合成樹脂の積層体からなる円柱状の基体45と、該基体45の断面円弧凸状の下面46及び上面47に夫々一体に接合された表層材7と、該基体45及び各表層材7に、摺動体4の摺動下面41及び摺動上面42となる各表層材7の表面70で開口すると共に基体45の一部まで伸びて夫々形成された複数個の凹部43と、該凹部43において表層材7に囲まれる部分と当該部分に連続する基体45に囲まれる部分とに充填保持された固体潤滑剤8とからなり、摺動体4の断面円弧凸状面としての摺動下面41及び摺動上面42の夫々は、表層材7の表面70と固体潤滑剤8の露出面とを有している(図3、図4及び図7から図9参照)
図5に示す摺動体4の基体45の製造装置において、アンコイラ100に巻かれた繊維織布からなる補強基材(繊維織布)101は、送りローラ102によって熱硬化性合成樹脂ワニス103を貯えた容器104に送られ、容器104内に設けられた一対の案内ローラ105によって容器104内に貯えられた熱硬化性合成樹脂ワニス103内を通過せしめられることにより、該補強基材101の表面に該熱硬化性合成樹脂ワニス103が塗工される。ついで、熱硬化性合成樹脂ワニス103が塗工された補強基材101は送りローラ106によって一対の圧縮ロール107に送られ、該圧縮ロール107によって補強基材101の表面に塗工された熱硬化性合成樹脂ワニス103が繊維組織間隙にまで含浸せしめられる。そして、熱硬化性合成樹脂ワニス103が含浸塗布された補強基材101に対して乾燥炉108内で溶剤を飛ばすと同時に樹脂の反応が進められ、これにより成形可能なプリプレグ(樹脂加工基材シート)109が作製される。このようにして得られたプリプレグ109を図6に示すように所望の形状及び寸法、本例では円形に切断してこれを複数枚重ね合わせて基体45用の積層体110に形成する。
基体45に用いられる補強基材としての繊維織布は、綿布、アラミド繊維織布、ポリエステル繊維織布などの有機繊維織布又はガラス繊維布、炭素繊維布などの無機繊維織布が好適である。また、熱硬化性合成樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが好適であり、これら熱硬化性合成樹脂の揮発性溶剤としては、メタノール、アセトン、メチルエチルケトンなど使用する熱硬化性合成樹脂によって適宜選択される。そして、熱硬化性合成樹脂を揮発性溶剤に溶かして形成される熱硬化性合成樹脂ワニスの固形分は、おおむね30〜65重量%であり、樹脂ワニスの粘度は、おおむね800〜5000cP、就中1000〜4000cPが好ましい。
前記基体45の下面46及び上面47に一体に接合される第一の表層材7は、図7に示すように、ナイロン樹脂製シート71、好ましくは12ナイロンシートからなり、更に好ましくはグラファイトを3〜7重量%含有したグラファイト入り12ナイロンシートからなる。このナイロン樹脂製シートは、おおよそ0.5mmの厚さに形成される。
第二の表層材7は、図8に示すように、有機繊維からなる織布72と該織布72の表面及び繊維組織間隙に含浸塗工されたPTFEを含有する熱硬化性合成樹脂73とからなる織布シート74からなる。
この第二の表層材7としての織布シート74は、前記基体2の製造方法で使用した図5に示す製造装置と同様の製造装置によって同様の製造方法によって製作される。すなわち、アンコイラ100に巻かれた有機繊維からなる織布72は、送りローラ102によってPTFE粉末と熱硬化性合成樹脂ワニスとの混合液103aを貯えた容器104に送られ、容器104内に設けられた一対の案内ローラ105によって容器104内に貯えられた混合液103a内を通過せしめられることにより、該織布72の表面に混合液103aが塗工される。ついで、混合液103aが塗工された織布72は送りローラ106によって一対の圧縮ロール107に送られ、該圧縮ロール107によって織布72の表面に塗工された混合液103aが繊維組織間隙にまで含浸せしめられる。そして、混合液103aが含浸塗布された織布72に対して乾燥炉108内で溶剤を飛ばすと同時に樹脂の反応が進められ、これにより成形可能なプリプレグ(織布シート74)が作製される。
第二の表層材7(織布シート74)を形成する有機繊維からなる織布72に含浸塗工される熱硬化性合成樹脂ワニスに含有されるPTFE粉末は、成形用又は固体潤滑用の粉末が使用されるが、熱硬化性合成樹脂ワニスとの混合により、熱硬化性合成樹脂ワニスへの均一分散性の観点からは固体潤滑用の粉末が好ましく、その平均粒径はおおよそ1〜50μm、好ましくは1〜30μmである。このようなPTFEの具体例としては、三井デュポンフロロケミカル社製の「テフロン(登録商標)7J(商品名)」及び「TLP−10(商品名)」、旭硝子社製の「フルオンG163(商品名)」、「フルオンL169J(商品名)」、ダイキン工業社製の「ポリフロンM15(商品名)」及び「ルブロンL5(商品名)」、喜多村社製の「KTL610、KTL350、KTL8N(いずれも商品名)」などが挙げられる。
そして、第二の表層材7(織布シート74)を形成する有機繊維からなる織布72と熱硬化性合成樹脂とPTFEとの割合は、織布25〜35重量%、熱硬化性合成樹脂30〜45重量%、PTFE30〜45重量%が好ましい範囲である。この範囲において、織布72に含浸塗工される熱硬化性合成樹脂とPTFEとの配合割合は、表層材7(織布シート74)としての摩擦摩耗特性の観点から決定される。熱硬化性合成樹脂の配合割合が30重量%未満では表層材7としての接合強度が充分でなく、また45重量%を超えて配合するとPTFEの低摩擦性を損なう虞がある。また、PTFEは表層材7に低摩擦性を付与するものであるが、配合割合が30重量%未満では表層材7に充分な低摩擦性を付与し難く、また45重量%を超えて配合すると、熱硬化性合成樹脂の具有する接合性を低下させ、結果として表層材7の剥離を惹起させる虞がある。
第三の表層材7は、図9に示すように、PTFE繊維の織布75と有機繊維の織布72とが重ね合わされ、かつふっ素樹脂製糸76によって縫合一体化された複合織布77(図10及び図11参照)と該複合織布77の表面及び繊維組織間隙に含浸塗工された熱硬化性合成樹脂78とからなる複合織布シート79からなる。
複合織布77において、PTFE繊維の織布75と有機繊維の織布72とを縫合一体化するふっ素樹脂製糸76としては、好ましくは、PTFEからなる糸及びFEPからなる糸のいずれかが使用され、ふっ素樹脂製糸は単糸及び紡糸のいずれか一方であり、おおむね200〜1,200デニールの範囲のものが好適に使用される。そして、両織布75及び72はふっ素樹脂製糸76によって、ぐし縫い、並縫い、本返し縫い、半返し縫い及びステッチング縫いのいずれか一つの方法で縫合一体化される。
この複合織布シート79も、前記基体45の製造方法で使用した図3に示す製造装置と同様の製造装置によって同様の製造方法によって製作される。すなわち、アンコイラ100に巻かれた複合織布77は、送りローラ102によって熱硬化性合成樹脂ワニス103を貯えた容器104に送られ、容器104内に設けられた一対の案内ローラ105によって容器104内に貯えられた熱硬化性合成樹脂ワニス103内を通過せしめられることにより、該複合織布77の表面に該熱硬化性合成樹脂ワニス103が塗工される。ついで、熱硬化性合成樹脂ワニス103が塗工された複合織布77は送りローラ106によって一対の圧縮ロール107に送られ、該圧縮ロール107によって複合織布77の表面に塗工された熱硬化性合成樹脂ワニス103が繊維組織間隙にまで含浸せしめられる。そして、熱硬化性合成樹脂ワニス103が含浸塗布された複合織布77に対して乾燥炉108内で溶剤を飛ばすと同時に樹脂の反応が進められ、これにより成形可能なプリプレグ(複合織布シート79)が作製される。
前記第二及び第三の表層材7を形成する織布シート74及び複合織布シート79において、有機繊維からなる織布72は、綿布、アラミド繊維織布、ポリエステル繊維織布及び木綿(綿繊維)とポリエステル樹脂繊維の混紡織布などが好適に使用される。これら織布72の織物組織は特に限定されるものではなく、平織、斜文織、朱子織などいずれであってもよい。
第一の表層材7を形成するナイロン樹脂製シート71、第二の表層材7を形成する織布シート74及び第三の表層材7を形成する複合織布シート79は、それぞれ所望の形状及び寸法、本例では円形に切断され、これを積層体110の上、下の両表面47及び46に配置し、断面凹状面を有する金型(図示せず)を使用して積層方向に加熱、加圧成形して積層体110からなる基体45の両表面47及び46に夫々一体に接合される。なお、第三の表層材の複合織布シート79においては、有機繊維からなる織布72側を積層体110の表面47及び46に向けて配置される。
このように基体45の表面47及び46の夫々に一体に接合された第一、第二及び第三の表層材7には、表層材7の表面70に開口すると共に基体45の一部まで伸びた複数個の凹部43が形成される。複数個の凹部43は、表層材7の表面70の面積に占める凹部43の開口部の面積の総和が20〜30%の割合となるように形成される。この凹部43は後述する固体潤滑剤を充填保持するものであり、固体潤滑剤の低摩擦性等の摺動特性を良好に発揮させるためには、表層材7の表面70の面積に占める凹部43の開口部の面積の総和が少なくとも20%必要とされる。しかしながら、表層材7の表面70の面積に占める凹部43の開口部の面積の総和が30%を超えると表層材7の強度低下を来たすことになる。凹部43は、ドリル等を用いた穴あけ加工によって形成される。
図7は第一の表層材7であるナイロン樹脂製シート71を具備した摺動体4の部分断面図を、図8は第二の表層材7である織布シート74を具備した摺動体4の部分断面図を、図9は第三の表層材7である複合織布シート79を具備した摺動体4の部分断面図を示す。
表層材7の表面70に開口すると共に基体45の一部まで伸びた複数個の凹部43に充填保持される固体潤滑剤7は、カーボンブラック5〜15重量%と炭化水素系ワックス10〜20重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末1〜5重量%と炭化水素油10〜20重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とを含んでいる。
固体潤滑剤の成分中のカーボンブラックは、固体潤滑剤の補強効果を発揮すると共に後述する炭化水素油を吸収保持する保持体としての役割を発揮する。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ガスファーネスブラックなどが挙げられる。特に、一次粒子径が約20nm、DBP吸油量が約100ml/100g、比表面積が約110m/gを有しているものが好ましい。具体的には、旭カーボン社製の「SUNBLACK X15(商品名)」、三菱化学社製の「MA100(商品名)」が好ましいものとして例示される。そして、カーボンブラックの配合量は、5〜15重量%、好ましくは10〜15重量%である。配合量が5重量%未満では、固体潤滑剤の補強効果が充分発揮されず、また15重量%を超えた場合は、固体潤滑剤の流動性を損ない、摺動体の凹部への充填作業性を悪化させる虞がある。
炭化水素系ワックスは、固体潤滑剤に低摩擦性を付与すると共に前記カーボンブラックと同様、後述する炭化水素油を吸収保持する保持体としての役割を発揮する。炭化水素系ワックスとしては、炭素数がおおむね24以上のパラフィン系ワックス、炭素数がおおむね26以上のオレフィン系ワックス、炭素数がおおむね28以上のアルキルベンゼン及びマイクロクリスタリンワックスのうちの少なくとも一つから選択される。炭化水素系ワックスとして、具体的には、日本精蝋社製のパラフィンワックス「150(商品名)」、クラリアントジャパン社製のポリエチレンワックス「リコワックスPE520(商品名)」、日本精蝋社製のマイクロクリスタリンワックス「Hi−Mic−1080(商品名)」、日興ファインプロダクツ社製のポリエチレンワックスとパラフィンワックスとの混合物「ゴデスワックス(商品名)」等が挙げられる。そして、炭化水素系ワックスの配合量は、10〜20重量%、好ましくは15〜20重量%である。配合量が10重量%未満では、固体潤滑剤に低摩擦性を充分付与し得ず、また20重量%を超えて配合すると凹部での基体及び表層材への固体潤滑剤の接合力を低下させる虞がある。
芳香族ポリアミド樹脂粉末は、固体潤滑剤に耐摩耗性を付与する効果を発揮する。芳香族ポリアミド樹脂粉末としては、メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドとを縮合重合して得られるメタフェニレンイソフタルアミドの粉末で、例えば帝人社製の「コーネックス(商品名)」などが挙げられる。そして、芳香族ポリアミド樹脂粉末の配合量は、1〜5重量%、好ましくは3〜5重量%である。配合量が1重量%未満では固体潤滑剤に耐摩耗性を充分付与することができず、また配合量が5重量%を超えると、固体潤滑剤の低摩擦性を損なうばかりでなく固体潤滑剤の流動性を損ない、固体潤滑剤の凹部への充填作業性を悪化させる虞がある。
炭化水素油は、固体潤滑剤に低摩擦性を付与するものであり、その潤滑形態としては、固体潤滑剤が埋め込まれた摺動体と下沓及び上沓との摺動時に発生する摩擦熱により固体潤滑剤から摺動面にスムースに供給され、摺動面に介在して低摩擦性を与えるものである。炭化水素油としては、具体的には、出光興産社製のパラフィン系オイル「ダイアナプロセスオイルPW(商品名)」、出光興産社製のナフテン系オイル「ダイアナプロセスオイルNS(商品名)」、三井化学社製のポリ−α−オレフィン「ルーカント(商品名)」、日本油脂社製のポリブテン「NAソルベント(商品名)」等が挙げられる。本発明で使用する炭化水素油としては、いわゆる基油のみの使用でもよく、この基油に潤滑油の添加剤として一般に用いられる酸化防止剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、摩擦調整剤・油性剤、摩耗防止剤・極圧剤、防錆剤等を配合したものも使用し得る。そして、炭化水素油の配合量は、カーボンブラック及び炭化水素系ワックスに吸収保持されることから比較的多量の配合が可能であり、10〜20重量%、好ましくは15〜20重量%である。配合量が10重量%未満では、固体潤滑剤への低摩擦性の付与が充分でなく、また配合量が20重量%を超えると、成形時に流出(ブリードアウト)すると共に固体潤滑剤の保形性を低下させる虞がある。
常温硬化型エポキシ樹脂は、前記カーボンブラック、炭化水素系ワックス、芳香族ポリアミド樹脂粉末及び炭化水素油の各成分同志を接合する接合剤の役割と固体潤滑剤を凹部において基体及び表層材に接合させる接合剤の役割を担うものである。具体的には、常温硬化型の二液性エポキシ樹脂であるレジナス化成社製の「レジナスボンド(商品名)」を挙げることができる。そして、常温硬化型エポキシ樹脂の配合量は、40〜55重量%、好ましくは45〜55重量%である。配合量が40重量%未満では、上記接合剤としての役割が充分発揮されず、また配合量が55重量%を超えると、固体潤滑剤を凹部において基体及び表層材に接合させる接合剤としての役割は高まる反面、潤滑に寄与しないエポキシ樹脂が固体潤滑剤の表面に露出する割合が多くなりすぎ、前記炭化水素系ワックス及び炭化水素油の低摩擦性の効果を失わせることになる。
上記成分組成からなる固体潤滑剤は、各成分を所定量計量し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル、ダンブラー等の混合機にて投入し、混合して固体潤滑剤混練物とされる。そして、この固体潤滑剤混練物を基体45の表面47及び46に一体に接合された表層材4の表面70に供給した後、所定の圧力を加えて該固体潤滑剤混練物を表層材7の表面70で開口すると共に基体45の一部まで伸びた複数個の凹部43に充填し、所定時間放置して固体潤滑剤混練物の成分中のエポキシ樹脂を常温硬化させて該固体潤滑剤混練物を該凹部43に強固に充填保持した摺動体4を形成する。
以上の免震装置1では、下沓2に摺動体4を介して上沓3を水平方向Hに移動自在に支持して、これにより、常時においては、摺動体4が下側摺動面21及び上側摺動面31のほぼ中央に位置されて、上部構造物Gの鉛直荷重を受け止めて、上部構造物Gを基礎B上で支持している。そして、風等により多少の水平力が上部構造物Gに付加されても又は小さな地震等により多少の水平力が基礎Bに付加されても、下側摺動面21及び上側摺動面31に対する摺動下面41及び摺動上面42の面接触による摩擦抵抗で、基礎Bに対して上部構造物Gが水平方向Hに相対的に揺れることがない。
地震動等により大きな水平力が基礎Bに付加されると、下側摺動面21及び上側摺動面31に対し摺動下面41及び摺動上面42の滑りが生じて、図12に示すように、摺動体4が揺動されつつ基礎Bに対して上部構造物Gが水平方向Hに相対的に振動される。このような振動において摺動体4は、図1に示すような位置に復帰されようとし、しかも、基礎Bの水平方向Hの移動に基づく上部構造物Gの振動エネルギは、下側摺動面21及び上側摺動面31の夫々と摺動下面41及び摺動上面42の夫々との間の摩擦とにより吸収されて減衰される。したがって、地震等の大きな水平力が基礎Bに付加されても、上部構造物Gが倒壊されるような事態を防ぎ得る。
次に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何等限定されないのである。
〔下沓及び上沓の作製〕
ステンレス鋼板をプレス成形して、断面円弧状の凹板部(曲率半径2000mm)とこの凹板部に一体の環状の側板部(直径570mm)を有する皿状部材を2個作製した。注入孔を備えた平板状の蓋板を2枚準備した。注入孔を備えた蓋板の夫々の一方の平面上にそれぞれ皿状部材を該注入孔を覆って載置すると共に該皿状部材の側板部の端部外周面において該皿状部材と蓋板とを溶接固定し、皿状部材と蓋板とを一体化した。蓋板の注入孔から皿状部材と蓋部材との間の空間に充填体としての無収縮性のグラウト材を注入し、該空間を該グラウト材で充填した後、該グラウト材を固化せしめた。該グラウト材は皿状部材の凹板部及び側板部の夫々の内面と蓋部材の一方の面に強固に固着しているのを確認した。このようにして、断面円弧状の凹板部とこの凹板部に一体な環状の側板部を具備した板状体からなる皿状部材とこの皿状部材の側板部に固着された平板状の蓋部材と皿状部材と蓋部材との空間に充填された充填体とを具備した下沓及び上沓を作製した。
〔摺動体の作製〕
<摺動体の基体の作製>
図5に示す製造装置によって摺動体の基体を作製した。繊維織布として平織り綿布を準備し、該綿布を送りローラにて、樹脂固形分64.5重量%のフェノール樹脂ワニスを貯えた容器内を通過させて、該綿布の表面に樹脂ワニスを塗工し、圧縮ロールによって綿布の表面に塗工された樹脂ワニスを繊維組織間隙にまで含浸せしめたのち、乾燥炉内で溶剤を飛ばすと同時に樹脂の反応を進め基体プリプレグ(樹脂加工綿布)を得、これを円形にに切断した複数枚を積層して基体プリプレグからなる積層体を作成した。
〔表層材の作製〕
第一の表層材
グラファイトを5重量%含有した12ナイロン樹脂から厚さ0.5mmの円形の12ナイロンシートを作製し、これを第一の表層材とした。
第二の表層材
有機繊維からなる織布として、平織綿布を準備し、該綿布を送りローラにて、フェノール樹脂ワニスとPTFE粉末(ダイキン工業社製の「ルブロンL5(商品名)」)との混合樹脂ワニスを貯えた容器内を通過させ、綿布の表面に混合樹脂ワニスを塗工し、圧縮ロールによって綿布の表面に塗工された混合樹脂ワニスを繊維組織間隙にまで含浸せしめた後、乾燥炉内で溶剤を逸散させると同時に樹脂の反応を進め、綿布30重量%とフェノール樹脂39重量%とPTFE31重量%とからなるプリプレグ(綿布シート)を得た。このプリプレグを2枚重ね合わせ、これを円形に切断して第二の表層材とした。
第三の表層材
平織したPTFE繊維の織布と、上記と同様の平織綿布とを準備し、該PTFE繊維の織布と平織綿布とを重ね合わせた。太さ400デニールのPTFE製糸を準備し、重ね合わされたPTFE繊維の織布と平織綿布とをその重ね合わせ方向に並縫いして縫合一体化した複合織布を作製した。複合綿布を送りローラにて、樹脂固形分64.5重量%のフェノール樹脂ワニスを貯えた容器内を通過させ、複合綿布の表面に樹脂ワニスを塗工し、圧縮ロールによって複合綿布の表面に塗工された樹脂ワニスを繊維組織間隙にまで含浸せしめた後、乾燥炉内で溶剤を逸散させると同時に樹脂の反応を進めプリプレグ(複合綿布シート)を得た。このプリプレグを円形に切断して第三の表層材とした。
前記第一の表層材、第二の表層材及び第三の表層材をそれぞれ前記基体プリプレグからなる積層体の積層方向の両表面に配置し、断面円弧状の凹面(曲率半径2000mm)を備えた金型にて厚さ方向(重ね合わせ方向)に成形圧力70kg/cm、成形温度160℃、成形時間20分間の条件で圧縮成形し、基体と表層材とを一体に接合した直径100mm、断面の最大厚さ45mmの積層体を得た。
表面に第一の表層材、第二の表層材及び第三の表層材をそれぞれ接合した積層体の該表層材に穴あけ加工を施し、直径8mm、深さ0.9mmの円形の凹部を39個形成(表層材の表面の面積に占める凹部の開口部の面積の総和は25%)し、それぞれ摺動体基体I、摺動体基体II、摺動体基体IIIを得た。
〔固体潤滑剤の作製〕
カーボンブラックとして旭カーボン社製の「SUNBLACK X15(商品名)」10〜15重量%と、炭化水素系ワックスとして日興ファインプロダクツ社製の「ゴデスワックス(商品名)」16〜20重量%と、芳香族ポリアミド樹脂粉末として帝人社製の「コーネックス」5重量%と、炭化水素油として出光興産社製のパラフィン系オイル「PW−90(商品名)」及び「PW−380(商品名)」の合量10〜20重量%と、常温硬化型エポキシ樹脂(常温硬化型二液性エポキシ樹脂)としてレジナス化成社製「レジナスボンド(商品名)」40〜55重量%とをヘンシェルミキサーに投入し、混合して固体潤滑剤混練物を作製した。表1に固体潤滑剤混練物の成分組成(重量%)を示す。
Figure 0004848889
実施例1〜9
上記成分組成からなる固体潤滑剤混練物を前記摺動体基体I、摺動体基体II及び摺動体基体IIIの表層材の表面に供給し、所定の圧力を加えて該固体潤滑剤混練物を凹部に充填し、常温で所定時間放置して、固体潤滑剤混練物中の常温硬化型エポキシ樹脂を硬化させて、該凹部に固体潤滑剤を充填保持した摺動体を作製した。
〔比較例〕
比較例1
PTFE繊維(400デニール)とガラス繊維(101デニール)とを綾織(斜文織)した交織布(表面にPTFE繊維が占める割合70%、ガラス繊維の割合30%)にフェノール樹脂ワニス(濃度55%)を30重量%(固形分として)含浸せしめて乾燥して得たPTFE交織布プリプレグを円形に切断して表層材とした。
熱可塑性ポリエステル繊維(65%)と綿繊維(35%)よりなる混紡布にフェノール樹脂ワニス(上記と同じ)を45重量%(固形分として)含浸せしめて乾燥してプリプレグを作製した。このプリプレグを円形に切断し、これを8枚重ね合わせて基体用の積層プリプレグとした。
PTFE交織布プリプレグのPTFE繊維が占める割合70%の側を前記基体用の積層プリプレグの積層方向の両表面に配置し、前記実施例と同様の金型を用いて厚さ方向(重ね合わせ方向)に成形圧力50kg/cm、成形温度150℃、成形時間5分間の条件で圧縮成形し、基体と表層材とを一体に接合した円柱状の積層体を得、これを摺動体とした。
比較例2
織布として、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタルアミド樹脂繊維〔帝人社製の「テクノーラ(商品名)」〕を平織りしたアラミド繊維織布を準備し、該アラミド繊維織布を送りローラにて、エポキシ樹脂とPTFE〔ダイキン工業社製の「ルブロンL5(商品名)」〕との混合樹脂ワニスを貯えた容器内を通過させて、該アラミド繊維織布の表面に混合ワニスを塗工し、圧縮ロールによってアラミド繊維織布の表面に塗工された混合樹脂ワニスを繊維組織間隙にまで含浸せしめた後、乾燥炉内で溶剤を逸散させると同時に樹脂の反応を進め、アラミド繊維織布30重量%とPTFE31重量%とエポキシ樹脂39重量%とからなると共に円形に切断した表層材プリプレグを作製した。
斯かる表層材プリプレグを前記実施例と同様の基体プリプレグからなる積層体の積層方向の両表面に配置し、前記実施例と同様の金型を用いて厚さ方向に成形圧力70kg/cm、成形温度160℃、成形時間10分間の条件で圧縮成形し、基体と表層材とを一体に接合した円柱状の積層体を得、これを摺動体とした。
次に、上記実施例1乃至9並びに比較例1及び2の摺動体について、摩擦性能を試験した。試験条件を表2に示し、試験結果を表3に示す。
(表2)
試験条件
面 圧 19.6N/mm(200kgf/cm
速 度 30mm/sec〜500mm/sec
潤 滑 実施例1乃至9及び比較例2の摺動体については潤滑なし
比較例1の摺動体については摺動面にグリースを塗布
試験方法 二軸試験機の台上に下沓を固定し、該下沓と上沓との摺動面間に各摺動体を摺動自在に当接させると共に、摺動体に面圧が19.6N/mm(一定)となるように荷重を加え、下沓側を上記速度で加振(ストローク±100mm)し、各速度における摩擦係数を測定した。
Figure 0004848889
以上の試験結果から明らかなように、実施例1乃至9の摺動体は、速度の変化に対して摩擦係数の変動が極めて小さい、換言すれば速度依存性が極めて小さいという結果を示した。一方、比較例1及び2の摺動体は速度の変化に応じて摩擦係数の上昇が認められ、速度依存性が極めて大きいという結果を示した。
この速度依存性の良否は、免震装置の良否を左右するもので、速度依存性に優れる摺動体を備えた免震装置においては、すべり出しの加速度を小さく保ったまま免震周期の長周期化が可能となり、大規模な地震による振動から小規模な地震等による振動に対しても構造物への振動の伝達を低減し得、構造物の確実な保護を達成し得るという効果をもたらすものである。
以上のとおり、本発明は、速度の変化に対して摩擦係数の変動が極めて小さい摩擦特性を発揮する免震装置を提供することができる。
本発明の免震装置の断面図である。 図1に示すII−II線矢視断面図である。 摺動体の平面図である。 摺動体の側面図である。 摺動体の基体の製造工程を示す説明図である。 プリプレグの積層状態を示す斜視図である。 第一の表層材を備えた摺動体の部分断面図である。 第二の表層材を備えた摺動体の部分断面図である。 第三の表層材を備えた摺動体の部分断面図である。 複合織布を示す平面図である。 図10のXI−XI線矢視断面図である。 図1に示す例の動作説明図である。
符号の説明
1 免震装置
2 下沓
3 上沓
4 摺動体

Claims (11)

  1. 断面円弧凹状の下側荷重受面を有した下沓と、断面円弧凹状の上側荷重受面を有した上沓と、下沓及び上沓の下側荷重受面及び上側荷重受面間に介在されていると共に上面及び下面に上沓及び下沓の上側荷重受面及び下側荷重受面にそれぞれ面接触する断面円弧凸状面を備えた摺動体とを具備した免震装置であって、摺動体は、繊維織布強化熱硬化性合成樹脂の積層体からなる基体と、3〜7重量%のグラファイトが含有されていると共に基体の上面及び下面の夫々に一体に接合された12ナイロンシートからなる表層材と、基体及び各表層材に、摺動体の断面円弧凸状面となる各表層材の表面で開口すると共に基体の一部まで伸びて形成された少なくとも一つの凹部と、凹部において表層材に囲まれる部分と当該部分に連続する基体に囲まれる部分とに充填保持された固体潤滑剤とからなり、摺動体の各断面円弧凸状面は、該表層材の表面と該固体潤滑剤の露出面とを有しており、固体潤滑剤は、カーボンブラック5〜15重量%と炭化水素系ワックス10〜20重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末1〜5重量%と炭化水素油10〜20重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とを含んでいることを特徴とする免震装置。
  2. 断面円弧凹状の下側荷重受面を有した下沓と、断面円弧凹状の上側荷重受面を有した上沓と、下沓及び上沓の下側荷重受面及び上側荷重受面間に介在されていると共に上面及び下面に上沓及び下沓の上側荷重受面及び下側荷重受面にそれぞれ面接触する断面円弧凸状面を備えた摺動体とを具備した免震装置であって、摺動体は、繊維織布強化熱硬化性合成樹脂の積層体からなる基体と、基体の上面及び下面の夫々に一体に接合された有機繊維からなる織布並びに該織布の表面及び織布の繊維組織間隙に含浸塗工された四ふっ化エチレン樹脂を含有する熱硬化性合成樹脂からなる少なくとも1枚の織布シートからなる表層材と、基体及び各表層材に、摺動体の断面円弧凸状面となる各表層材の表面で開口すると共に基体の一部まで伸びて形成された少なくとも一つの凹部と、凹部において表層材に囲まれる部分と当該部分に連続する基体に囲まれる部分とに充填保持された固体潤滑剤とからなり、摺動体の各断面円弧凸状面は、該表層材の表面と該固体潤滑剤の露出面とを有しており、固体潤滑剤は、カーボンブラック5〜15重量%と炭化水素系ワックス10〜20重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末1〜5重量%と炭化水素油10〜20重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とを含んでいることを特徴とする免震装置。
  3. 断面円弧凹状の下側荷重受面を有した下沓と、断面円弧凹状の上側荷重受面を有した上沓と、下沓及び上沓の下側荷重受面及び上側荷重受面間に介在されていると共に上面及び下面に上沓及び下沓の上側荷重受面及び下側荷重受面にそれぞれ面接触する断面円弧凸状面を備えた摺動体とを具備した免震装置であって、摺動体は、繊維織布強化熱硬化性合成樹脂の積層体からなる基体と、互いに重ね合わされた四ふっ化エチレン樹脂繊維の織布及び有機繊維の織布をふっ素樹脂製の糸によって縫合一体化してなる複合織布並びに該複合織布に含浸塗工された熱硬化性合成樹脂からなる複合織布シートからなると共に該複合織布シートの有機繊維の織布側において基体の上面及び下面の夫々に一体に接合された表層材と、基体及び各表層材に、摺動体の断面円弧凸状面となる各表層材の表面で開口すると共に基体の一部まで伸びて形成された少なくとも一つの凹部と、凹部において表層材に囲まれる部分と当該部分に連続する基体に囲まれる部分とに充填保持された固体潤滑剤とからなり、摺動体の各断面円弧凸状面は、該複合織布シートの四ふっ化エチレン樹脂繊維の織布側の表層材の表面と該固体潤滑剤の露出面とを有しており、固体潤滑剤は、カーボンブラック5〜15重量%と炭化水素系ワックス10〜20重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末1〜5重量%と炭化水素油10〜20重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とを含んでいることを特徴とする免震装置。
  4. ふっ素樹脂製糸は、四ふっ化エチレン樹脂からなる糸及び四ふっ化エチレン・六ふっ化プロピレン共重合体からなる糸のいずれかから選択されたものである請求項3に記載の免震装置。
  5. ふっ素樹脂製糸は、単糸及び紡糸のいずれか一方であり、おおむね200〜1,200デニールの範囲のものである請求項3又は4に記載の免震装置。
  6. 下沓及び上沓の夫々は、断面円弧状の凹板部及びこの凹板部に一体な環状の側板部を具備した板状体からなる皿状部材と、この皿状部材の側板部に固着された平板状の蓋部材と、皿状部材及び蓋部材間の空間に充填された充填体とを具備している請求項1から5のいずれか一項に記載の免震装置。
  7. 充填体は、無収縮性のグラウト材からなる請求項6に記載の免震装置。
  8. 摺動体の上面及び下面の断面円弧凸状面は、上沓及び下沓の上側荷重受面及び下側荷重受面の曲率と同一の曲率を有している請求項1から7のいずれか一項に記載の免震装置。
  9. 炭化水素系ワックスは、炭素数がおおむね24以上のパラフィン系ワックス、炭素数がおおむね26以上のオレフィン系ワックス、炭素数がおおむね28以上のアルキルベンゼン及びマイクロクリスタリンワックスのうちの少なくとも一つから選択されたものである請求項1から8のいずれか一項に記載の免震装置。
  10. 芳香族ポリアミド樹脂粉末は、メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドとを縮合重合して得られるメタフェニレンイソフタルアミドの粉末である請求項1から9のいずれか一項に記載の免震装置。
  11. 炭化水素油は、炭化水素系鉱油又は炭化水素系合成油である請求項1から10のいずれか一項に記載の免震装置。
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