JP4848565B2 - トンネル掘進機 - Google Patents
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Description
そのため、一般的にはチャンバー内にアジテータが設けられ、このアジテータを駆動モータなどを用いて回転させることで、泥水、泥土、掘削土砂が十分に混ざるように、且つ前述したように付着を少なくするようにしている。
特許文献1は、カッタのスポークやカッタ回転支持軸などに噴射孔を多数配置し、それら噴射孔と隔壁内に設けた高圧水圧送設備とを配管で連結し、掘進中或いは停止中などに、土砂が付着した箇所に向けて高圧水を噴射して、その付着土砂を除去するようにしたものである。
さらに、チャンバー内の圧力は、泥水や泥土、掘削土砂が常に所定の圧力となるように充填された状態となっている。そのため、特許文献1の噴射装置では、高圧水を噴出させても目標とする付着土砂に達する間に噴射圧が低下し、十分な圧力をもって噴射できず、確実に除去できないといった欠点がある。とくに、チャンバー内に位置する中間支持ビームに土砂が付着すると、前述のごとくチャンバー内が閉塞してカッタが回転できなくなるといった不具合が生じるおそれがあった。
本発明では、攪拌装置の攪拌羽根は、カッタとともに回転するチャンバー内回転体によって回転方向に押されて回転することになる。そして、チャンバー内回転体の押し込みの際に、チャンバー内回転体が攪拌羽根に接触することから、チャンバー内回転体に付着している掘削土砂が削り落とされることになり、チャンバー内の空間が確保され、付着、固結によってトンネル掘進機のカッタトルクや推進力が増大することを抑制することができる。そのため、所定の掘進速度を確保することができ、工期に遅れを生じさせないようにすることができる。また、攪拌羽根で攪拌する作用もあるため、チャンバー内における混合状態が良好となり、掘削土砂の取り込み効率を向上させることができる。
本発明では、チャンバー内回転体とカッタ回転支持軸との間の空間、すなわち相対的にカッタの周速度が遅く掘削土砂が付着、固結しやすい位置に、攪拌羽根を回転させるように配置させることで、チャンバー内が土砂の固結により閉塞することを抑制することができる。これによって、例えばスクリューコンベアなどによる排土が良好な状態を維持でき、掘削効率を向上させることができる。
また、チャンバー内回転体と攪拌羽根とが接触することから、チャンバー内回転体に付着した掘削土砂を除去することができる。そのため、チャンバー内における掘削土砂の付着や固結が抑制されてチャンバー内の閉塞を防ぐことができ、カッタトルクが増大してカッタが停止するといった不具合がなくなるうえ、スクリューコンベアなどによる排土が良好になることから掘進効率の向上を図ることができる。
図1は本発明の実施の形態によるトンネル掘進機を示す側面図、図2はトンネル掘進機を正面から見た図、図3は図1に示す攪拌装置の拡大図、図4は図3に示す攪拌装置のA−A線断面図、図5(a)、(b)は攪拌装置を回転させた状態を示す図である。
また、スキンプレート2の内空側には、セグメント4を組み立てるためのエレクタ5と、組み立てられるセグメント4に反力を取って推進するためのシールドジャッキ6が適宜数配置されている。
このように構成されるカッタ10は、カッタスポーク12、12、…がカッタ回転支持軸11を中心にトンネル周方向に回転することによって切羽面を掘削するようになっている。
攪拌羽根32、32、…は、正面(切羽側)から見て十字状に配置されている。そして、攪拌回転軸31は、中間支持ビーム15とカッタ回転支持軸11との間に配置され、カッタ回転支持軸11と略平行に設けられている。なお、この攪拌回転軸31は、図示しない軸受などによって隔壁3に取り付けられ、左右両方向に自由に回転できるようになっている。また、各攪拌羽根32には、攪拌回転軸31と同じ方向に突出する突出羽根部材33が適宜数設けられている。
先ず、図1に示すように、トンネル掘進機1は、カッタ駆動モータ8を駆動させてカッタリング7を回転させ、中間支持ビーム15を介してカッタリング7に連結されたカッタスポーク12を回転させる。そうすると、複数のカッタスポーク12、12、…に備えられているカッタビット12a及びセンタビット11aによって切羽面が切削される。そして、その切削土砂をチャンバー20内で泥土と混合させ、その掘削土砂が沈降してチャンバー20内で固まらないようにアジテータ22によりかき混ぜ、その土砂をスクリューコンベア21によってチャンバー20の外部へ排出させる。このとき、チャンバー20には、送泥管9を介して泥土を加圧供給し、その加圧泥土により切羽を安定に保持した状態でカッタ10により切羽面を掘削するとともに、エレクタ5によりセグメント4を組み立てて、そのセグメント4から反力をとってシールドジャッキ6により掘進を行う。
先ず、図4において真上(このときの位置を回転角度θ0とする)の位置にある中間支持ビーム15を第1中間支持ビーム15Aとし、その第1中間支持ビーム15Aから時計回りの順に符号15B、15C、…とする。そして、第1中間支持ビーム15Aが回転角度θ0の位置のとき、第1中間支持ビーム15Aが接触する攪拌羽根32を第1攪拌羽根32Aとし、その第1攪拌羽根32Aから時計回りの順に符号32B、32C、32Dとする。
図4、図5(a)及び(b)に示すように、カッタ10の回転に伴って第1中間支持ビーム15Aが図4の回転角度θ0から順次図5(a)のθ1、図5(b)のθ2へと図面で反時計回り(矢印E1方向)に回転していくと、少なくとも1つの攪拌羽根32が中間支持ビーム15の回転軌道H上に位置され、回転移動する中間支持ビーム15によって攪拌羽根32がその回転方向に押され、攪拌回転軸31を中心にして図面で反時計回り(矢印E2方向)に回転する。
また、中間支持ビーム15と攪拌羽根32とが接触することから、中間支持ビーム15に付着した掘削土砂を除去することができる。そのため、チャンバー20内における掘削土砂の付着や固結が抑制されてチャンバー20内の閉塞を防ぐことができ、カッタトルクが増大してカッタが停止するといった不具合がなくなるうえ、スクリューコンベア21による排土が良好になることから掘進効率の向上を図ることができる。
例えば、本実施の形態では中間支持ビーム15によって攪拌羽根32を回転させる構成としているが、中間支持ビーム15に限定されることはなく、他の回転体であってもかまわない。要は、チャンバー20内にあって、カッタ10とともに回転して攪拌羽根32をその攪拌回転軸31を中心に回転させるチャンバー内回転体であればよいのである。
そして、攪拌装置30の数量についても1台であることに限定されることはなく、複数台を適宜な位置に配置させてもよい。さらに、本実施の形態では、1台の攪拌装置30と別にアジテータ駆動装置22aによって駆動するアジテータ22を2台設けているが、これらのアジテータ22に代えて本攪拌装置30とし、それらの攪拌羽根32の回転範囲が中間支持ビーム15の回転軌道に交差するように設けるようにしてもかまわない。
さらに、本実施の形態では泥土圧方式のシールド掘進機を対象としているが、トンネル掘進機やカッタの形式、形状、カッタの回転方向等、本実施の形態に制限されることはなく、例えば、排泥管を備えた泥水圧方式のシールド掘進機に適用してもかまわない。さらに、カッタの形状も例えばカッタ回転支持軸に直交する垂直面となるような面板状のカッタであってもよく、その場合、面板の背面、つまりチャンバー内に面板とともに回転するチャンバー内回転体が設けられていればよいのである。
2 スキンプレート
3 隔壁
10 カッタ
11 カッタ回転支持軸
12 カッタスポーク
15 中間支持ビーム(チャンバー内回転体)
20 チャンバー
21 スクリューコンベア
22 アジテータ
30 攪拌装置
31 攪拌回転軸
32 攪拌羽根
H 中間支持ビームの回転軌道
K 攪拌羽根の回転範囲
Claims (2)
- カッタと隔壁との間に掘削土砂を取り込んで混ぜるためのチャンバーを設けてなるトンネル掘進機であって、
前記チャンバー内で、前記カッタとともにカッタ回転支持軸を中心にトンネル周方向に回転するチャンバー内回転体と、
前記隔壁に回転可能に設けた攪拌回転軸に固定された攪拌羽根を、前記チャンバー内に配置させてなる攪拌装置と、
を備え、
前記攪拌装置は、前記攪拌羽根の回転範囲が前記チャンバー内回転体の描く回転軌道に交差するように配置されていることを特徴とするトンネル掘進機。 - 前記攪拌装置は、前記チャンバー内回転体と前記カッタ回転支持軸との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘進機。
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