JP4783849B2 - シールドトンネル掘進機 - Google Patents

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Description

本発明は、岩盤のような硬い地盤だけでなく、軟弱な地盤におけるトンネルの掘削も対応でき、作業能率の高いシールドトンネル掘進機に関する。
近年、都市部では、土地の有効利用の観点から、下水排水のため、また電力供給線、通信線等を敷設するために地下トンネルが広く掘削されている。現在、地下トンネルを掘削する技術としてシールド工法が注目されている。シールド工法に用いる機械としてシールドトンネル掘進機が広く実用に供されている。
シールドトンネル掘進機は、一般に、掘進機本体と、この掘進機本体の前端部に回転可能に設けられたカッターディスクと、カッターディスクを回転駆動するカッター駆動機構と、複数のシールドジャッキと、掘進機本体の後胴内に配設されてトンネル軸方向に所定長さ掘削する毎にトンネル内面を複数のセグメントで順次覆工していく為のエレクターと、スクリューコンベヤを含む排土機構を有する構造となっている。
従来のシールドトンネル掘進機は、一般に、掘進機本体が大きな円筒型をしており、その前面が回転可能に設けられたカッターディスクとなっており、シャフトにより回転駆動可能に支持されている。カッターディスクには例えば略十字形状に仕切るように4本のスポークが設けられており、このスポークの両側部には、所定間隔をあけて超硬合金製の切削チップであるカッタービットが多数配設されている。カッタービットで削り取った土砂をカッターチャンバ内に取り込むために、スポーク12の両側に沿って所定幅のスリットが形成されている。カッターチャンバの背後には隔壁が設けられ、隔壁により土砂がトンネル掘進機本体の後方側へ流入しないように土留めしている。隔壁の下方には排土機構に通ずる排土孔が開いており、ここから土砂が排土機構へ運ばれていく。
カッターチャンバ内に取り込まれた土砂を排土機構により後方へ排出するが、従来はスリットから流入する土圧のみで土が排土機構へ押し出されていたが、大径トンネルを掘削する際にはカッターチャンバも大きくなり、粘性の高い土砂などはカッターチャンバ内で張り付いて溜まってしまうという問題があった。そこで、泥水式排泥設備を備えたものが多い。泥水式排泥設備とは、カッターチャンバ内の土砂に水を与える送水パイプを備え、土砂を泥水状にしてカッターチャンバ内から隔壁の下方の排土孔に流し出し、泥水として排出するものである。排泥管は、隔壁に貫通状に固定され、トンネル内を後方へ延び地上へ導出された排泥系に接続されている。
地下の地盤の状態はある程度地中レーダーなどにより探知することはできるが、地中の地盤の状態は多様であり、常に均一とは限らない。そのため、トンネルを掘進する予定のルート上の地盤の質が変わったり、まだら模様に入り組んでいたり場合もあり得る。つまり、地盤が硬い岩石や礫石が多く含まれている地盤もあれば、柔らかい土が多い地盤や、水分を含む泥地盤、さらには粘性の高い粘土地盤などもあり得る。
また、地盤の圧力も多様である。海底トンネルの掘削箇所などの大深度の地中では圧力が高く、また、一般に地盤が硬い岩盤であることが多い。
特開2003−35093号公報
しかし、上記従来のシールドトンネル掘進機では海底トンネルの掘削箇所、例えばドーバー海峡トンネルなどの大深度のトンネル掘削においては以下の問題がある。
第1の問題は、パワー不足である。
海底トンネルの掘削箇所などの大深度の地中は上記したように一般に地盤が硬い岩盤である。ここで、従来のシールドトンネル掘進機は、掘削すべきトンネルの径に合わせた大径の一枚のカッターヘッドを大型のモータにより駆動回転し、岩盤に対して全面を同一方向に回転させ掘削するところ、ドーバー海峡などの鉄道や車が通過する交通トンネルは大きな径のトンネルが必要であり、掘削面の面積が大きくなるため、その分大きなパワーが必要となる。しかし、現在のシールドトンネル掘進機では1つの大型のモータにより全面一様の一枚のカッターヘッドを回転させて岩盤を砕くことは難しいとされている。
第2の問題は、岩盤から受ける反力によりバランスを崩すおそれである。
海底トンネルの掘削箇所などの大深度の地中は上記したように一般に地盤が硬い岩盤である。従来のシールドトンネル掘進機は、岩盤をカッタービットの刃を当てて細かく砕きながら掘進するため大きな反力を受ける。そのため、掘進機本体は、岩盤掘削により受ける反力に対抗する力がなければ、掘進機本体が回転により回転したり振動したりしてしまう。このように掘進機本体が回転したり振動したりしてしまうと正確なトンネルが掘れなくなってしまう。特に、カッターヘッドを同一方向しか回転しない場合、硬い岩盤から受ける反力により少しずつ曲がりが蓄積してゆき、掘削孔が傾いてしまうという問題が発生しうる。
従来のシールドトンネル掘進機では、カッターヘッドの圧力を低減して岩盤から受ける反力を低下させる方法、さらにはカッターヘッドの回転速度を低下させることによって、掘進機本体の回転や振動を抑える方法が採られていたが、これでは、トンネル掘削のスピードが遅く、工期が長くなってしまう。
第3の問題は、トンネル掘進中に地盤の質が変わり硬い地盤から軟弱地盤に遭遇すると、硬い岩盤用のカッターヘッドでは逆に適度な掘削反力が得られないために、空回りしてしまい掘進できなくなるおそれがある。そのため、ヘッドを交換するなどの対策のために工事が中断してしまうという問題があった。
上記のように従来のシールドトンネル掘進機では、大深度の海底トンネルなどのトンネル掘削に対して効果的ではなかった。
そこで、本願発明のシールドトンネル掘進機は、新しい概念で、従来難しいとされていた大深度の海底トンネルなどのトンネル掘削に対して効果的に岩盤を砕くカッターヘッダーの構造とそのカッターヘッダーに対する効果的なパワー供給方法を確立し、掘進スピードを上げても岩盤から受ける反力に対するバランスを保つことのできるシールドトンネル掘進機を提供することを目的とする。
本発明のシールドトンネル掘進機は、カッタービットが多数配設されたカッターヘッドと、前記カッターッドの背面側に形成されたカッターチャンバと、前記カッターチャンバ内の掘削土を排出する為の排土設備と、前記カッターディスクを回転駆動するカッター駆動手段と掘進機本体とを備えたシールド掘進機において、前記カッターヘッドが、小径の内カッターヘッドと前記内カッターヘッドを前端面に持つ内カッターヘッドドラムと、中央に前記内カッターヘッドドラムが収まる孔を持ち前記内カッターヘッドと同軸で取り付けられた大径の外カッターヘッドと前記外カッターヘッドを前端面に持つ外カッターヘッドドラムを備え、前記カッターチャンバが、前記内カッターヘッドドラム空間と前記外カッタードラム空間と前記外カッタードラム空間を仕切る隔壁に囲まれた空間であり、前記内カッターヘッドの回転方向と前記外カッターヘッドの回転方向を互いに逆方向とし、前記掘進機本体の構造物から延伸した支柱を前記隔壁の後面に接続して前記隔壁を回転しないように支持せしめたことを特徴とするシールドトンネル掘進機である。
上記構成により、内カッターヘッドが岩盤から受ける反力と外カッターヘッドが岩盤から受ける反力が互いに逆方向であり相殺するため、掘進スピードを上げても岩盤から受ける反力に対するバランスを保つことのできるシールドトンネル掘進機となる。反力によるバランスが保てているためにシールドトンネル掘進機全体が回ったり振動したりすることがない。
また、チャンバーを仕切る隔壁は回転しないため、排土孔は常に下方の適切な位置にあり、排土設備による土砂排出能力が低下することがない。なお、上記構成において、隔壁を回転させない構造として、前記掘進機本体の構造物から延伸した支柱を前記隔壁の後面に接続し、前記隔壁を回転しないように支持せしめる構造がある。
ここで、前記カッター駆動手段が、前記内カッターヘッドにつながるシャフトに回転駆動力を与える第1のカッター駆動手段と、前記外カッターヘッドドラムの内周壁に対して回転駆動力を与える1または複数の第2のカッター駆動手段を備え、内カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段および駆動力の伝導経路と、外カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段および駆動力の伝導経路とをそれぞれ内外独立の別系統とすることが好ましい。
このように、内カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段が第1の駆動手段であり、駆動力の伝導経路が中心軸のシャフトである一方、外カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段が第2の駆動手段であり、駆動力の伝導経路が外カッターヘッドドラム筐体であり、それぞれ内外独立の別系統であるので、岩盤を砕くカッターヘッドを内側と外側に分けつつ、パワー供給経路がそれぞれに独立しているので複数のモータなどの組み合わせが容易であり、従来のものよりも小さな筐体で全体として大きなパワーを得ることができる。
一例として、前記外カッターヘッドドラムの内周壁に対して回転駆動力を与えるよう配置された前記第2のカッター駆動手段がモータであり、前記外カッターヘッドの回転軸に対して等角度に3つ以上配置した構造がある。例えば、3つのモータを中心軸の周囲に120度間隔で均等に配置する構成や、4つのモータを中心軸の周囲に90度間隔で均等に配置する構成がある。
なお、前記第1のカッター駆動手段が、前記前記第2のカッター駆動手段よりも前に配設されている構造が好ましい。上記のように、内カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段と外カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段が独立した別系統であるので、かならずしも第1のカッター駆動手段と第2のカッター駆動手段を同じ位置に設ける必要はなく、前後にずらして設けることにより筐体をトンネル径に合わせて小型化することが可能となる。
ここで、前記内カッターヘッド前端面が前記外カッターヘッド前端面よりも前に配設されていることが好ましい。
このように内カッターヘッド前端面が前にあれば、トンネル掘削の切っ先は比較的面積の小さな内カッターヘッドにより岩盤に当たるため、パワーを比較的小さな面積に集中させることができ、効率的に硬い岩盤も砕くことができる。一方、大径の外カッターヘッド前端面がやや後ろに控えているので、既に内カッターヘッドにより中央に孔が開いた部分の周辺を効率的に砕いてゆくことができる。
次に、本発明のシールドトンネル掘進機では、排土処理が効率的にできる。従来のシールドトンネル掘進機では、土砂の持つ粘性によりカッターチャンバ内に土砂が貼り付いてしまうという不具合が発生しやすく、そのため送水パイプで水を供給し、泥水として汲み出していた。しかし、泥水が漏水しないように汲み出すためには配管設備が必要となりまた送水ポンプ設備、排水ポンプ設備も必要である。一方、本発明のシールドトンネル掘進機では、前記カッターチャンバの最外周面を形成する外カッターヘッドドラムが回転することにより、前記カッターチャンバ内に取り込まれた土砂が前記排土設備により取り込まれて運搬されるまでに撹拌することができる。つまり、カッターチャンバ内の土砂は攪拌により土砂や礫石が均質化しやすく、カッターチャンバの内壁面(外カッターヘッドドラムの内壁面)に貼り付くこともない。
本発明のシールドトンネル掘進機によれば、内カッターヘッドの回転と外カッターヘッドの回転が互いに逆であり、内カッターヘッドが岩盤から受ける反力と外カッターヘッドが岩盤から受ける反力が互いに逆方向であり相殺するため、掘進スピードを上げても岩盤から受ける反力に対するバランスを保つことができる。
また、本発明のシールドトンネル掘進機によれば、内カッターヘッドと外カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段と駆動力の伝導経路がそれぞれ内外独立の別系統であるので、複数のモータなどの組み合わせが容易であり、従来のシールドトンネル掘進機よりも小さな筐体で全体として大きなパワーを得ることができる。
また、本発明のシールドトンネル掘進機によれば、内カッターヘッド前端面が外カッターヘッド前端面よりも前に配設されているため、トンネル掘削の切っ先は比較的面積の小さな内カッターヘッドにより岩盤に当たり、パワーを比較的小さな面積に集中させることができる一方、その周囲を外カッターヘッドにより別系統のパワーにより掘削できるので硬い岩盤であっても効率的にトンネル掘進することができる。
また、本発明のシールドトンネル掘進機によれば、カッターチャンバの最外周面を形成する外カッターヘッドドラムが回転するので、カッターチャンバ内に取り込まれた土砂が撹拌されて均質化し、カッターチャンバの内壁面に貼り付くことがなく、効率的な排土処理ができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明のシールドトンネル掘進機の実施形態を説明する。ただし、本発明の技術的範囲は以下の実施形態に示した具体的な用途や形状・寸法などには限定されない。
本発明のシールドトンネル掘進機100の構成例を示す。図1は、本発明のシールドトンネル掘進機の構成例を示す図である。図1(a)は正面図、図1(b)は側面図となっている。図2は本発明のシールドトンネル掘進機100の内部構造を模式的に示した図であり、図2(a)はA−A線断面図を模式的に示しており、図2(b)はB−B線断面図を模式的に示しており、図2(c)はC−C線断面図を模式的に示している。なお、図2において隔壁を支える支柱32や、外カッターヘッドドラム25を支える支持構造などは図示を省略している。
本発明のシールド掘削機は、図1に示すように、概略、前端中央側にある内カッターヘッド10、そのやや後方にある外カッターヘッド20、外カッターヘッドを前端面に持つ外カッターヘッドドラム25、その後方に控える本体部分である掘進機本体60がある。
内カッターヘッド10は、面板11、スポーク12、カッタービット13、スリット14、内カッターヘッドドラム15、センターシャフト16を備えた構造となっている。
この構成例では、図1(a)に示したように、面板11を略十字形状に仕切るように複数本のスポーク12(この例では4本)が設けられている。この内カッターヘッド10部分は、本実施例では、後方の隔壁30を貫通して配置されているセンターシャフト16により回転駆動可能に支持されている。各スポーク12の両側部には、所定間隔をあけて複数個のカッタービット13が配設されている。カッタービット13は、例えば超硬合金製の切削チップからなり、スポーク12に堅固に固着されている。
また、カッタービット13で削られた土砂をカッターチャンバ32内に取り込むために、スポーク12の両側に沿って所定幅のスリット14が形成されている。
内カッターヘッドドラム15は、円筒径のドラムであり、内カッターヘッド全体の筐体である。この構成例では、後述する外カッターヘッドに開けられた孔に収まる径となっており、後述する図4(a)、図5(a)に示すように内カッターヘッドドラム15と外カッターヘッドドラム25とは独立して回転可能なように配設される。
センターシャフト16は、後段の掘進機本体60側により回転可能に支持されている(図示せず)。また、センターシャフト16は第1の駆動手段40により駆動力が与えられる構造となっている。この実施例ではモータとする。第1の駆動手段40により内カッターヘッド10の回転が制御される。なお、正逆回転どちらでも制御できるものとする。
次に、外カッターヘッド20は、面板21、スポーク22、カッタービット23、スリット24、内カッターヘッドドラム25、トルク伝導部26を備えた構造となっている。
この構成例では、図1(a)に示したように、面板21を略十字形状に仕切るように複数本のスポーク22(この例では4本)が設けられている。各スポーク22の両側部には、所定間隔をあけて複数個のカッタービット23が配設されている。カッタービット23は、例えば超硬合金製の切削チップからなり、スポーク12に堅固に固着されている。
また、カッタービット23で削られた土砂をカッターチャンバ32内に取り込むために、スポーク22の両側に沿って所定幅のスリット24が形成されている。
外カッターヘッドドラム25は、円筒径のドラムであり、外カッターヘッド全体の筐体である。この構成例では、外カッターヘッドドラム25の中央付近に、内カッターヘッドドラム15を受け入れるための孔が開けられている。この孔に内カッターヘッドドラム15が収まる構造となっている。なお、後述する図4(a)、図5(a)に示すように内カッターヘッドドラム15と外カッターヘッドドラム25とは独立して回転可能なように配設される。
内カッターヘッド10の前端面が、外カッターヘッド20の前端面よりも前に配設する。
外カッターヘッドドラム25は、図示しない支持構造により後段の掘進機本体60側に支持される形で回転可能に支持されているものとする。そのため、内カッターヘッド10および外カッターヘッド20は互いに独立に駆動されることとなる。
外カッターヘッドドラム25は、その内壁面において第2の駆動手段41により駆動力が与えられる構造となっている。この実施例では第2の駆動手段41はモータとする。第2の駆動手段41により外カッターヘッド20の回転が制御される。なお、正逆回転どちらでも制御できるものとする。この構成例では第2の駆動手段41であるモータは、図2(b)のB−B線断面図に示すように、3つの第2の駆動手段41が設けられており、中心軸から互いに120度の間隔で均等に配置されている。第1の駆動手段40はセンターシャフト16に対して設けられていたが、第2の駆動手段41は外カッターヘッドドラム25の内周壁に対して回転駆動力を与えるよう配置されており、センターシャフト16には取り付けられていない。このように、第1の駆動手段40が内カッターヘッド10に駆動力を伝導する伝導径路と、第2の駆動手段41が外カッターヘッド20に駆動力を伝導する伝導径路が内外独立の別系統となっている。
次に、隔壁30について説明する。隔壁30は、掘削で生じる土砂を一時貯留するカッターチャンバを形成する仕切壁であり、隔壁30は図2に示したように、外カッターヘッドドラム25の中で内カッターヘッド10の後方位置に設けられている。隔壁30には下方に排土孔31、後方に隔壁全体を支える複数の支柱32が設けられている。図中、隔壁30により形成されるカッターチャンバはカッターチャンバ33として示されている。
排土孔31は密閉されたカッターチャンバ33から土砂が排出される出口であり、排土設備のスクリューコンベア50の土砂投入口が配置される。後述する図5のように土砂が排出されて行き、スクリューコンベア50の後段にはさらに後方へ排出するためのベルトコンベア51が配設されている。
支柱32は隔壁30の後方から延設されており、その先は後段にある掘進機本体60に対して支持されている。つまり、隔壁30は、後段にある掘進機本体60から複数本の支柱32を介して宙に浮いた状態で回転しないように配設されている。つまり、掘進機本体60は回転しないので、掘進機本体60により支柱32を介して支持固定される隔壁30は宙に浮いた状態で固定されて不動である。
排土孔31は隔壁30の下方に固定されているため、隔壁30が回転すると排土孔31の位置が動いてしまうが、本発明のシールドトンネル掘進機100では内カッターヘッド10や外カッターヘッド20が回転しても隔壁30は内カッターヘッド10や外カッターヘッド20と連結している部分がなく連動して回転せず、掘進機本体60により宙に浮いた状態で固定される。
図3は内カッターヘッド10、外カッターヘッド20、隔壁30の相対的動作について分かりやすく説明した図である。隔壁30が設けられているC−C線付近の外カッターヘッドドラム25、隔壁30の断面と、第1の駆動手段40とセンターシャフト16を抜き出して示している。図3に示したように、隔壁30の中央付近にセンターシャフト16が配設されており、センターシャフト16は隔壁30に対して回転可能に支持されている。隔壁30の後面側には第1の駆動手段40が配設されており、所定のギヤ列からなる駆動力伝達構造を介してセンターシャフト16が回動可能となっている。また、外カッターヘッドドラム25は最外周にあり、図示しない支持機構により回動可能に支持されており、隔壁30に連結せずに回動する。一方、隔壁30は、複数本の支柱32により掘進機本体100により宙に浮いた状態で不動に固定されており回転しない。
なお、センターシャフト16、隔壁30、外カッターヘッドドラム25の内周壁面は連結することなく独立しているが、実際には摩擦が生じるのを防止するため、境目にベアリングなどを設けておくことが好ましい。
隔壁30の後方位置に配置された掘進機本体60の各種設備については従来のシールドトンネル掘進機の掘進機本体60の各種設備と同様で良い。
次に、シールドトンネル掘進機100の掘削動作について説明する。
図4は、始動したシールドトンネル掘進機100の内カッターヘッド10、外カッターヘッド20が回転を始めた様子を示す図である。図4に示すように、例えば、第1の駆動手段40が時計回りに回転すると、センターシャフト16が時計回りに回転し、センターシャフト16により駆動力が内カッターヘッド10に伝導されて内カッターヘッド10が時計回りに回転する。また、第2の駆動手段41が反時計回りに回転すると、外カッターヘッドドラム25の内周壁面に回転力が伝導され、外カッターヘッドドラム25全体が反時計回りに回動することによりその前端面の外カッターヘッド20が反時計回りに回動する。なお、隔壁30は図4には図示していないが支柱32を介して支えられており、第1の駆動手段40および第2の駆動手段41の駆動力は伝導されず、回動しない。
図4(b)は、第1の駆動手段40、第2の駆動手段41、外カッターヘッドドラム25の回転方向が分かりやすいように背面方向から示している。第1の駆動手段40が時計回りに回転し、第2の駆動手段41が反時計回りに回転し、外カッターヘッドドラム25が反時計回りに回転している様子が分かる。
図5(a)は内カッターヘッド10と外カッターヘッド20が逆回転している様子を正面から示した図である。この構成例では、正面から見た場合に、図4と(b)とは逆に見え、内カッターヘッド10は反時計回りに回転する一方、外カッターヘッド20は時計回りに回転している。
硬い岩盤などを切削する場合には内カッターヘッド10、外カッターヘッド20ともに大きな反力を受けるが、図5(a)のように、内カッターヘッド10は反時計回りに回転する一方、外カッターヘッド20は時計回りに回転しているので、相互に受ける反力は逆方向であり、全体として反力がキャンセルする方向に働き、バランスをとることができる。
また、内カッターヘッド10の前端面は外カッターヘッド20の前端面よりも前方に位置しているため、第1の駆動手段40の駆動力のパワーを内カッターヘッド10の面積に集中することができ、前方の岩盤を砕くとともに、後方の外カッターヘッド20により複数の第2の駆動手段41の駆動力のパワーにより周囲の岩盤を削ることができる。
図5(b)はトンネル掘進により削り取られてカッターチャンバ33内に流入してきた土砂を掘進機本体60側に排出する動作を分かりやすく示した図である。
図5(b)に示すように、本発明のシールドトンネル掘進機100が進行すると、トンネル掘進が行われ、内カッターヘッド10のカッタービット13の両側端のスリット14、外カッターヘッド20のカッタービット23の両側端の24を介してカッターチャンバ33内に土砂が流入してくる。土砂はスリット14、24を介して流入するのである程度細かい土砂や礫石となっている。これらはカッターチャンバ33内で重力により下方に落ちる。
ここで、外カッターヘッドドラム25は、図6に示すように回転しているので、土砂はカッターチャンバ33内で撹拌され、外カッターヘッドドラム25の内壁面に貼り付くことがない。いわゆるコンクリートミキサー車のように撹拌され、外周壁面が回転することにより、内部の材質が壁面に貼り付くことなく内部で流動状態を保ちやすい。
カッターチャンバ33内には土砂が次々と流入してくるので、土圧が発生し、土砂は徐々に後方に送られて行く。重力により下方に集まり、その結果、排土孔32に集まりやすくなる。排土孔32にはスクリューコンベア50があり、次々と排土孔32を介して後段の掘進機本体60側に送られて行く。
以上、本発明のシールドトンネル掘進機100によれば、内カッターヘッドの回転と外カッターヘッドの回転が互いに逆であり、内カッターヘッドが岩盤から受ける反力と外カッターヘッドが岩盤から受ける反力が互いに逆方向であり相殺するため、掘進スピードを上げても岩盤から受ける反力に対するバランスを保つことができる。
また、本発明のシールドトンネル掘進機100によれば、内カッターヘッドと外カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段と駆動力の伝導経路がそれぞれ内外独立の別系統であるので、複数のモータなどの組み合わせが容易であり、従来のシールドトンネル掘進機よりも小さな筐体で全体として大きなパワーを得ることができる。
また、本発明のシールドトンネル掘進機100によれば、内カッターヘッド前端面が外カッターヘッド前端面よりも前に配設されているため、トンネル掘削の切っ先は比較的面積の小さな内カッターヘッドにより岩盤に当たり、パワーを比較的小さな面積に集中させることができる一方、その周囲を外カッターヘッドにより別系統のパワーにより掘削できるので硬い岩盤であっても効率的にトンネル掘進することができる。
また、本発明のシールドトンネル掘進機100によれば、カッターチャンバの最外周面を形成する外カッターヘッドドラムが回転するので、カッターチャンバ内に取り込まれた土砂が撹拌されて均質化し、カッターチャンバの内壁面に貼り付くことがなく、効率的な排土処理ができる。
以上、本発明のシールドトンネル掘進機における好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明は、シールドトンネル掘進機に対して広く適用することができる。
本発明のシールドトンネル掘進機100の構成例を示す図 本発明のシールドトンネル掘進機100の内部構造を模式的に示した図 内カッターヘッド10、外カッターヘッド20、隔壁30の相対的動作について分かりやすく説明した図 始動したシールドトンネル掘進機100の内カッターヘッド10、外カッターヘッド20が回転を始めた様子を示す図 内カッターヘッド10と外カッターヘッド20の回転を正面から示した図およびカッターチャンバ33内の土砂を排出する動作を示した図 外カッターヘッドドラム25の回転により内部の土砂が撹拌される様子を模式的示す図
10 内カッターヘッド
11 面板
12 スポーク
13 カッタービット
14 スリット
15 内カッターヘッドドラム
16 センターシャフト
20 外カッターヘッド
21 面板
22 スポーク
23 カッタービット
24 スリット
25 外カッターヘッドドラム
26 トルク伝導部
30 隔壁
31 排土孔
32 支柱
33 カッターチャンバ
40 第1の駆動手段
41 第2の駆動手段
50 スクリューコンベア
51 ベルトコンベア
60 掘進機本体
100 シールドトンネル掘進機

Claims (6)

  1. カッタービットが多数配設されたカッターヘッドと、前記カッターッドの背面側に形成されたカッターチャンバと、前記カッターチャンバ内の掘削土を排出する為の排土設備と、前記カッターディスクを回転駆動するカッター駆動手段と掘進機本体とを備えたシールド掘進機において、
    前記カッターヘッドが、小径の内カッターヘッドと前記内カッターヘッドを前端面に持つ内カッターヘッドドラムと、中央に前記内カッターヘッドドラムが収まる孔を持ち前記内カッターヘッドと同軸で取り付けられた大径の外カッターヘッドと前記外カッターヘッドを前端面に持つ外カッターヘッドドラムを備え、
    前記カッターチャンバが、前記内カッターヘッドドラム空間と前記外カッタードラム空間と前記外カッタードラム空間を仕切る隔壁に囲まれた空間であり、
    前記内カッターヘッドの回転方向と前記外カッターヘッドの回転方向を互いに逆方向とし、前記掘進機本体の構造物から延伸した支柱を前記隔壁の後面に接続して前記隔壁を回転しないように支持せしめたことを特徴とするシールドトンネル掘進機。
  2. 前記カッター駆動手段が、前記内カッターヘッドにつながるシャフトに回転駆動力を与える第1のカッター駆動手段と、前記外カッターヘッドドラムの内周壁に対して回転駆動力を与える1または複数の第2のカッター駆動手段を備え、
    内カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段および駆動力の伝導経路と、外カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段および駆動力の伝導経路とをそれぞれ内外独立の別系統としたことを特徴とする請求項1に記載のシールドトンネル掘進機。
  3. 前記内カッターヘッド前端面が前記外カッターヘッド前端面よりも前に配設されている請求項1または2に記載のシールドトンネル掘進機。
  4. 前記カッターチャンバの最外周面を形成する外カッターヘッドドラムが回転することにより、前記カッターチャンバ内に取り込まれた土砂が前記排土設備により取り込まれて運搬されるまでに撹拌することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシールドトンネル掘進機。
  5. 前記外カッターヘッドドラムの内周壁に対して回転駆動力を与えるよう配置された前記第2のカッター駆動手段がモータであり、前記外カッターヘッドの回転軸に対して等角度に3つ以上配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシールドトンネル掘進機。
  6. 前記第1のカッター駆動手段が、前記前記第2のカッター駆動手段よりも前に配設されている請求項1から5のいずれか1項に記載のシールドトンネル掘進機。
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