JP4783849B2 - シールドトンネル掘進機 - Google Patents
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Description
海底トンネルの掘削箇所などの大深度の地中は上記したように一般に地盤が硬い岩盤である。ここで、従来のシールドトンネル掘進機は、掘削すべきトンネルの径に合わせた大径の一枚のカッターヘッドを大型のモータにより駆動回転し、岩盤に対して全面を同一方向に回転させ掘削するところ、ドーバー海峡などの鉄道や車が通過する交通トンネルは大きな径のトンネルが必要であり、掘削面の面積が大きくなるため、その分大きなパワーが必要となる。しかし、現在のシールドトンネル掘進機では1つの大型のモータにより全面一様の一枚のカッターヘッドを回転させて岩盤を砕くことは難しいとされている。
海底トンネルの掘削箇所などの大深度の地中は上記したように一般に地盤が硬い岩盤である。従来のシールドトンネル掘進機は、岩盤をカッタービットの刃を当てて細かく砕きながら掘進するため大きな反力を受ける。そのため、掘進機本体は、岩盤掘削により受ける反力に対抗する力がなければ、掘進機本体が回転により回転したり振動したりしてしまう。このように掘進機本体が回転したり振動したりしてしまうと正確なトンネルが掘れなくなってしまう。特に、カッターヘッドを同一方向しか回転しない場合、硬い岩盤から受ける反力により少しずつ曲がりが蓄積してゆき、掘削孔が傾いてしまうという問題が発生しうる。
従来のシールドトンネル掘進機では、カッターヘッドの圧力を低減して岩盤から受ける反力を低下させる方法、さらにはカッターヘッドの回転速度を低下させることによって、掘進機本体の回転や振動を抑える方法が採られていたが、これでは、トンネル掘削のスピードが遅く、工期が長くなってしまう。
上記のように従来のシールドトンネル掘進機では、大深度の海底トンネルなどのトンネル掘削に対して効果的ではなかった。
このように内カッターヘッド前端面が前にあれば、トンネル掘削の切っ先は比較的面積の小さな内カッターヘッドにより岩盤に当たるため、パワーを比較的小さな面積に集中させることができ、効率的に硬い岩盤も砕くことができる。一方、大径の外カッターヘッド前端面がやや後ろに控えているので、既に内カッターヘッドにより中央に孔が開いた部分の周辺を効率的に砕いてゆくことができる。
この構成例では、図1(a)に示したように、面板11を略十字形状に仕切るように複数本のスポーク12(この例では4本)が設けられている。この内カッターヘッド10部分は、本実施例では、後方の隔壁30を貫通して配置されているセンターシャフト16により回転駆動可能に支持されている。各スポーク12の両側部には、所定間隔をあけて複数個のカッタービット13が配設されている。カッタービット13は、例えば超硬合金製の切削チップからなり、スポーク12に堅固に固着されている。
内カッターヘッドドラム15は、円筒径のドラムであり、内カッターヘッド全体の筐体である。この構成例では、後述する外カッターヘッドに開けられた孔に収まる径となっており、後述する図4(a)、図5(a)に示すように内カッターヘッドドラム15と外カッターヘッドドラム25とは独立して回転可能なように配設される。
この構成例では、図1(a)に示したように、面板21を略十字形状に仕切るように複数本のスポーク22(この例では4本)が設けられている。各スポーク22の両側部には、所定間隔をあけて複数個のカッタービット23が配設されている。カッタービット23は、例えば超硬合金製の切削チップからなり、スポーク12に堅固に固着されている。
外カッターヘッドドラム25は、図示しない支持構造により後段の掘進機本体60側に支持される形で回転可能に支持されているものとする。そのため、内カッターヘッド10および外カッターヘッド20は互いに独立に駆動されることとなる。
隔壁30の後方位置に配置された掘進機本体60の各種設備については従来のシールドトンネル掘進機の掘進機本体60の各種設備と同様で良い。
図4は、始動したシールドトンネル掘進機100の内カッターヘッド10、外カッターヘッド20が回転を始めた様子を示す図である。図4に示すように、例えば、第1の駆動手段40が時計回りに回転すると、センターシャフト16が時計回りに回転し、センターシャフト16により駆動力が内カッターヘッド10に伝導されて内カッターヘッド10が時計回りに回転する。また、第2の駆動手段41が反時計回りに回転すると、外カッターヘッドドラム25の内周壁面に回転力が伝導され、外カッターヘッドドラム25全体が反時計回りに回動することによりその前端面の外カッターヘッド20が反時計回りに回動する。なお、隔壁30は図4には図示していないが支柱32を介して支えられており、第1の駆動手段40および第2の駆動手段41の駆動力は伝導されず、回動しない。
図5(b)に示すように、本発明のシールドトンネル掘進機100が進行すると、トンネル掘進が行われ、内カッターヘッド10のカッタービット13の両側端のスリット14、外カッターヘッド20のカッタービット23の両側端の24を介してカッターチャンバ33内に土砂が流入してくる。土砂はスリット14、24を介して流入するのである程度細かい土砂や礫石となっている。これらはカッターチャンバ33内で重力により下方に落ちる。
11 面板
12 スポーク
13 カッタービット
14 スリット
15 内カッターヘッドドラム
16 センターシャフト
20 外カッターヘッド
21 面板
22 スポーク
23 カッタービット
24 スリット
25 外カッターヘッドドラム
26 トルク伝導部
30 隔壁
31 排土孔
32 支柱
33 カッターチャンバ
40 第1の駆動手段
41 第2の駆動手段
50 スクリューコンベア
51 ベルトコンベア
60 掘進機本体
100 シールドトンネル掘進機
Claims (6)
- カッタービットが多数配設されたカッターヘッドと、前記カッターへッドの背面側に形成されたカッターチャンバと、前記カッターチャンバ内の掘削土を排出する為の排土設備と、前記カッターディスクを回転駆動するカッター駆動手段と掘進機本体とを備えたシールド掘進機において、
前記カッターヘッドが、小径の内カッターヘッドと前記内カッターヘッドを前端面に持つ内カッターヘッドドラムと、中央に前記内カッターヘッドドラムが収まる孔を持ち前記内カッターヘッドと同軸で取り付けられた大径の外カッターヘッドと前記外カッターヘッドを前端面に持つ外カッターヘッドドラムを備え、
前記カッターチャンバが、前記内カッターヘッドドラム空間と前記外カッタードラム空間と前記外カッタードラム空間を仕切る隔壁に囲まれた空間であり、
前記内カッターヘッドの回転方向と前記外カッターヘッドの回転方向を互いに逆方向とし、前記掘進機本体の構造物から延伸した支柱を前記隔壁の後面に接続して前記隔壁を回転しないように支持せしめたことを特徴とするシールドトンネル掘進機。 - 前記カッター駆動手段が、前記内カッターヘッドにつながるシャフトに回転駆動力を与える第1のカッター駆動手段と、前記外カッターヘッドドラムの内周壁に対して回転駆動力を与える1または複数の第2のカッター駆動手段を備え、
内カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段および駆動力の伝導経路と、外カッターヘッドに回転駆動力を与える駆動手段および駆動力の伝導経路とをそれぞれ内外独立の別系統としたことを特徴とする請求項1に記載のシールドトンネル掘進機。 - 前記内カッターヘッド前端面が前記外カッターヘッド前端面よりも前に配設されている請求項1または2に記載のシールドトンネル掘進機。
- 前記カッターチャンバの最外周面を形成する外カッターヘッドドラムが回転することにより、前記カッターチャンバ内に取り込まれた土砂が前記排土設備により取り込まれて運搬されるまでに撹拌することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシールドトンネル掘進機。
- 前記外カッターヘッドドラムの内周壁に対して回転駆動力を与えるよう配置された前記第2のカッター駆動手段がモータであり、前記外カッターヘッドの回転軸に対して等角度に3つ以上配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシールドトンネル掘進機。
- 前記第1のカッター駆動手段が、前記前記第2のカッター駆動手段よりも前に配設されている請求項1から5のいずれか1項に記載のシールドトンネル掘進機。
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