JP4847769B2 - 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、光学素子およびその製造方法 - Google Patents

光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、光学素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、屈折率(nd)が1.65以上、アッベ数(νd)が50以上の光学恒数を有する光学ガラス、前記ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、ならびに前記ガラスからなる光学素子とその製造方法に関する。
デジタルカメラおよびカメラ付携帯電話の登場により、光学系を使用する機器の高集積化、高機能化が急速に進められている。それに伴い、光学系に対する高精度化、軽量・小型化の要求もますます強まっている。
近年、上記要求を実現するために、非球面レンズを使用した光学設計が主流となりつつある。このため、高機能性ガラスを使用した非球面レンズを低コストで大量に安定供給するために、研削・研磨工程を経ずにプレス成形で直接に光学機能面を形成する精密プレス成形技術(モールド成形技術とも言う)が注目され、精密プレス成形に好適な低温軟化性を有する光学ガラスに対する要求が年々増加している。このような光学ガラスの中に、屈折率(nd)が1.65以上、アッベ数(νd)が50以上の高屈折率低分散ガラスがある。低温軟化性を有する高屈折率低分散ガラスの一例が特許文献1に記載されている。
特許第2616958号公報
ところで、精密プレス成形によりレンズ等の光学素子を製造する際には、ガラスを精密プレス成形し、プレス成形型内で冷却する過程で破損することがある。このような破損はカン、割れと呼ばれ、上記の高屈折率低分散ガラスにおいて特に顕著に発生し、生産性低下の原因となる。
かかる状況下、本発明は、精密プレス成形によって高屈折率低分散ガラスからなる光学素子を高い生産性のもとに製造するための手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、先に説明したカン、割れの原因について検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
精密プレス成形では、プレス成形型でガラスをプレスして所望の形状にした後、ガラスを変形しにくい温度域まで冷却する間、ガラス表面形状が型成形面の転写形状に保たれるようにプレス成形型を型閉めした状態でガラスを保持する。このときガラスの表面近傍部分は速やかに冷却されるが、ガラス中心部の冷却スピードは遅い。そのため、表面近傍がガラス転移温度よりも低い温度になったときでも、中心部の温度はガラス転移温度よりも高い温度になっている。本発明者らが、従来のカン、割れしやすいガラスについて膨張特性を分析したところ、ガラス転移温度より高温側と低温側の線熱膨張係数比がカン、割れを起こしにくいガラスと比較して著しく大きいことが分かった。つまり、これらのガラスでは表面近傍の温度がガラス転移温度よりも低く、中心部の温度がガラス転移温度よりも高い状況で、表面近傍に比べて中心部の収縮が著しく大きくなる。このような現象はプレス成形型内に型閉めされた状態で生じるため、塑性変形性を失ったガラスには大きな応力が発生する。ガラスの構造が強固な場合には応力が生じても破壊には至らないが、上記光学恒数範囲の高屈折率低分散ガラスの構造は比較的弱いので、カン、割れが発生すると考えられる。
そこで、本発明者らは、上記知見に基づき更に検討を重ねた結果、従来の高屈折率低分散ガラスよりガラス転移温度より高温側の膨張係数と低温側の膨張係数との差を低減することにより、冷却過程でのガラス表面と内部の収縮程度の差を低減することができ、カン、割れ抑制が可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである
1] 1.65〜1.70の範囲の屈折率(nd)および50以上のアッベ数(νd)を有し、かつガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1とし、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数をα1、ガラス転移温度(Tg)−160℃からガラス転移温度(Tg)−140℃に至る範囲における平均線膨張係数をα2としたとき、比率(α1/α2)を指標として該比率が17未満となるようにガラス組成を決定し、
前記組成は、SiO 2 、B 2 3 、La 2 3 、Gd 2 3 、ZnO、および、Li 2 Oを必須成分として含み、SiO 2 とB 2 3 の合計含有量は50〜72モル%の範囲であり、B 2 3 含有量に対するSiO 2 含有量の割合(SiO 2 /B 2 3 )はモル比表示で0.5超かつ0.90以下であり、La 2 3 含有量は4.87〜10モル%の範囲であり、Gd 2 3 含有量は3.30〜8モル%の範囲であり、
決定された組成を有するガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームを作製する精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
1.70超の屈折率(nd)および50以上のアッベ数(νd)を有し、かつガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1とし、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数をα1、ガラス転移温度(Tg)−160℃からガラス転移温度(Tg)−140℃に至る範囲における平均線膨張係数をα2としたとき、比率(α1/α2)を指標として該比率が17未満となるようにガラス組成を決定し、
前記組成は、SiO 2 、B 2 3 、La 2 3 、Gd 2 3 、ZnO、および、Li 2 Oを必須成分として含み、SiO 2 含有量は11〜18モル%の範囲であり、La 2 3 含有量は5〜15モル%の範囲であり、Gd 2 3 含有量は2.5〜12モル%の範囲であり、SiO 2 とB 2 3 の合計含有量は50〜72モル%の範囲であり、B 2 3 含有量に対するSiO 2 含有量の割合(SiO 2 /B 2 3 )はモル比表示で0.1〜0.90の範囲であり、
決定された組成を有するガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームを作製する精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
] 前記比率を測定し、得られた測定値が17未満であった組成を有するガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームを作製する[1]または[2]に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
] 屈折率(nd)が1.65〜1.70の範囲であり、かつアッベ数(νd)が50以上である精密プレス成形に使用される光学ガラスであって、
ガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1とし、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数をα1、ガラス転移温度(Tg)−160℃からガラス転移温度(Tg)−140℃に至る範囲における平均線膨張係数をα2としたとき、比率(α1/α2)が17未満であり、
SiO2、B23、La23 、Gd 2 3 、ZnO、および、Li 2 Oを必須成分として含み、SiO2とB23の合計含有量は50〜72モル%の範囲であり、B23含有量に対するSiO2含有量の割合(SiO2/B23)はモル比表示で0.5超かつ0.90以下であり、La23含有量は4.87〜10モル%の範囲であり、Gd23含有量は3.30〜8モル%の範囲である、前記光学ガラス。
] 屈折率(nd)が1.70超かつアッベ数(νd)が50以上である精密プレス成形に使用される光学ガラスであって、
ガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1とし、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数をα1、ガラス転移温度(Tg)−160℃からガラス転移温度(Tg)−140℃に至る範囲における平均線膨張係数をα2としたとき、比率(α1/α2)が17未満であり、
SiO2、B23、La23 、Gd 2 3 、ZnO、および、Li 2 Oを必須成分として含み、SiO2含有量は11〜18モル%の範囲であり、La23含有量は5〜15モル%の範囲であり、Gd23含有量は2.5〜12モル%の範囲であり、SiO2とB23の合計含有量は50〜72モル%の範囲であり、B23含有量に対するSiO2含有量の割合(SiO2/B23)はモル比表示で0.1〜0.90の範囲である、前記光学ガラス。
] []または[]に記載の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
] []または[]に記載の光学ガラスからなる光学素子。
] []に記載のプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形して光学素子を得る光学素子の製造方法。
] [1]〜[]のいずれかに記載の方法によりプリフォームを製造し、製造したプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形して光学素子を得る光学素子の製造方法。
本発明によれば、精密プレス成形時に破損しにくい光学ガラス、前記ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム、前記ガラスからなる光学素子を提供することができる。
更に、本発明によれば、ガラスを破損させることなく高い生産性のもとに光学素子を生産することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
[光学ガラス]
本発明の光学ガラスは、屈折率(nd)が1.65以上かつアッベ数(νd)が50以上である精密プレス成形に使用される光学ガラスであって、ガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1とし、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数をα1、ガラス転移温度(Tg)−160℃からガラス転移温度(Tg)−140℃に至る範囲における平均線膨張係数をα2としたとき、比率(α1/α2)が17未満であるガラスである。
上記比率(α1/α2)は、ガラス転移温度より高温側の膨張係数と低温側の膨張係数との差を示す指標である。先に説明したように、本発明では、高屈折率低分散ガラスにおいて、ガラス転移温度より高温側の膨張係数と低温側の膨張係数との差を低減することにより、冷却過程でのガラス表面と内部の収縮程度の差を低減し、カン、割れの発生を抑制することができる。
以下に、上記比率(α1/α2)について説明する。
線膨張係数(α1)は、ガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1としたときに、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数であり、ガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域(ガラス転移温度よりよりも高温側)における線膨張係数を代表する値である。
平均線膨張係数(α2)は、ガラス転移温度(Tg)より160℃低い温度(Tg−160℃)からガラス転移温度(Tg)より140℃低い温度(Tg−140℃)に至る温度域における平均線膨張係数であり、ガラス転移温度より低温側を代表する線膨張係数である。
なお、ガラス転移温度(Tg)および屈伏点(Ts)は、例えば、理学電機株式会社製の熱機械分析装置により、加重10g、昇温速度を4℃/分にして測定した値である。またそれぞれの熱膨張係数(α1、α2)は上記装置を用いた熱機械分析の結果より算出することができる。
本発明の光学ガラスにおいて、前記比率(α1/α2)は17未満である。この比率が17を超えると、冷却過程でのガラス表面と内部の収縮程度の差が大きいためにカン、割れが発生するおそれがある。前記比率(α1/α2)は、好ましくは16.5以下であり、より好ましくは16以下であり、更に好ましくは15以下である。ガラス転移温度より高温側と低温側の膨張係数の差が小さいほどカン、割れ抑制には好ましいが、ガラスの性質上、α1はα2より大きくなる。実用上、前記比率(α1/α2)の下限値は例えば1.01とすることができるが、前記諸特性を満足するガラスを実現する上からは、前記比率(α1/α2)は2.5以上であることが好ましい。
前記α1を大きくする成分の代表的なものはB23、CaOであり、α1を小さくする成分の代表的なものはSiO2、Li2Oである。α1への影響という観点から、La23、Gd23はB2O3、CaOとSiO2、Li2Oの中間的な働きをする。例えば、B23またはCaOを、SiO2またはLi2Oに置換することにより、α1は減少し、逆の置換をすればα1を増加させることができる。α1の変化量は、前記置換の置換量によって制御することができる。La23、Gd23とB23、CaOの間の置換、La23、Gd23とSiO2、Li2Oの間の置換も同様に考えればよい。このようにしてガラスの組成を調整することによりα1の値を制御することができる。
一方、前記α2はガラス中におけるイオン半径の大きいカチオン成分を多くすることにより増加させることができ、イオン半径の小さいカチオン成分を多くすることにより減少させることができる。例えば、2価カチオン成分では、Baのイオン半径>Srのイオン半径>Caのイオン半径>Mgのイオン半径>Znのイオン半径となり、La、Liのイオン半径はCaのイオン半径より大きく、Caのイオン半径はB、Siのイオン半径よりも大きい。したがって、これら成分間で置換を行えばα2を制御することができる。
本発明では、上記制御方法を適宜組み合わせて前記比率(α1/α2)を17未満に制御することができる。ただし、比率(α1/α2)を制御するとの観点からは、α1がα2よりも大きく、上記置換による変化量もα1のほうが大きいのでα1に注目し、α1を制御することによって比率(α1/α2)を制御することが好ましい。前記α1は、例えば50×10-6〜200×10-6/℃の範囲であり、前記α2は、50×10-7〜200×10-7/℃の範囲とすることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、精密プレス成形に用いられるものであるため、ガラス転移温度は630℃以下であることが望ましい。但し、ガラス転移温度を400℃未満にするとα2の評価に支障が出る場合があり、またプレス成形時にガラスを延びやすくするためにプリフォーム表面に炭素含有コートを形成する際に支障が出るおそれもあるので、ガラス転移温度を450〜630℃とすることが望ましく、450〜620℃とすることがより望ましい。
また、本発明の光学ガラスは、屈伏点は670℃以下であることが好ましく、490〜660℃であることがより好ましく、500〜640℃であることが更に好ましく、530〜630℃であることがより一層好ましい。なお、光学ガラスにおいて、ガラス転移温度および屈伏点が低いとプレス成形時のガラス加熱温度を低くすることができる。その結果、ガラスの昇温、降温に要する時間を短くすることができ、プレス成形品製造のスループットを向上させることができる。また。プレス成形型の加熱温度を低下させることもできるので、プレス成形型の寿命を延ばすこともできる。
本発明の光学ガラスは、1.65以上の屈折率(nd)および50以上のアッベ数(νd)を有する。本発明のガラスの屈折率、アッベ数の上限について、特に限定はされないが、精密プレス成形に適した低温軟化性、高品質なプリフォーム成形にとって重要なガラスの安定性などを考慮すると、屈折率(nd)を1.8以下とし、および/またはアッベ数(νd)を60以下にすることが好ましい。
次に本発明における好ましいガラス組成について説明する。
本発明の光学ガラスは、B23、SiO2、La23、アルカリ金属酸化物、2価金属酸化物をガラス成分として含むことができる。
以下に、各ガラス成分について説明する。特記しない限り、含有量および含有量の合計量についてはモル%表示とし、含有量および合計含有量の比率については、モル比表示とする。
23およびSiO2はガラスネットワーク形成成分である。ここでガラスの構造を強固にしてカン、割れをより低減する上から、B23含有量に対するSiO2含有量の割合(SiO2/B23)を0.1〜0.90にすることが好ましい。屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合は、B23の含有量に対するSiO2の含有量を高めてガラスの構造をより強固にすることができるため、SiO2/B23を0.5超かつ0.90以下にすることがより好ましく、0.5超かつ0.85以下にすることがさらに好ましく、0.5超かつ0.8未満にすることがより一層好ましく、0.55〜0.75とすることがなお一層好ましく、0.55〜0.7とすることがさらに一層好ましい。屈折率(nd)が1.70を超える場合は、所要の特性を維持するため、SiO2/B23を0.1〜0.5にすることがより好ましく、0.1〜0.4にすることがさらに好ましい。
La23は高屈折率付与成分であり、ガラスの化学的耐久性を高める働きをする。
La23と同様の機能を有するGd23、Y23、Yb23を任意成分として導入することができ、La23と、Gd23、Y23およびYb23の少なくとも1種以上の酸化物を共存させることが、ガラスの高温安定性を高める上で好ましい。
アルカリ金属酸化物は低温軟化性を付与する働きがある。中でも、Li2Oを導入することにより、ガラスの屈折率を高めつつ、低温軟化性を付与することができる。Li2Oは他のアルカリ金属酸化物よりも前記効果が高いので、耐失透性や化学的耐久性を損なうような過剰量を導入することなく、所要の屈折率や低温軟化性を得ることができる。
2価金属酸化物としては、ガラスの屈折率を高めつつ、低温軟化性を付与する働きをするZnO、光学恒数の調整機能を有するアルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrO、BaOを導入可能である。
本発明では、このような組成に、清澄剤として任意に添加し得るSb23を加え、前記特性を同時に満たす組成とすればよい。また、各成分の含有量については、次の範囲とすることが望ましい。
23およびSiO2はともにネットワーク形成成分であり、ガラスの安定性を向上させる上から、両成分の合計含有量(SiO2+B23)を50〜72%、好ましくは50〜70%、より好ましくは50〜68%、さらに好ましくは50〜65%とすることが望ましい。また、ガラスの構造を強固なものにして、温度に対する粘性の変化を緩やかにし、ガラスの割れ問題を解消し、かつ低温軟化性を維持しつつ、熔融ガラスの流出粘性をプリフォーム成形に適するよう高め、化学的耐久性を良好にするために、B23含有量に対するSiO2含有量の割合(SiO2/B23)を前述のようにすることが好ましい。
SiO2の含有量は、B23の含有量との合計量およびB23の含有量との比率によって定まるが、屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合は、15〜30%とすることが好ましく、18〜30%とすることがより好ましく、18〜27%とすることが更に好ましく、19〜25%とすることが特に好ましく、屈折率(nd)が1.70を超える場合は、4〜18%とすることが好ましく、5〜16%とすることがより好ましく、6〜15%とすることがさらに好ましい。
23の含有量も、SiO2の含有量との合計量とSiO2の含有量との比率によって定まるが、屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合は、25〜45%とすることが好ましく、30〜40%とすることがより好ましく、32〜37%とすることが特に好ましく、屈折率(nd)が1.70を超える場合は、38〜68%とすることが好ましく、42〜65%とすることがより好ましく、44〜62%とすることがさらに好ましい。
Li2Oは他のアルカリ金属酸化物成分に比べ、屈折率を高めるとともに、化学的耐久性の低下を伴うことなく、ガラス転移温度を大幅に低下させる働きをする成分であり、ガラスの熔融性を良化する働きもする。但し、過少導入では上記効果を得ることが困難になる。一方、過剰に導入すると、ガラスの耐失透性が低下し、流出する熔融ガラスから直接、高品質なプリフォームを成形することが難しくなるとともに、耐候性も低下する。従って、屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合は、Li2Oの含有量を5〜20%とすることが好ましく、6〜18%とすることがより好ましく、9〜18%とすることがさらに好ましい。屈折率(nd)が1.70を超える場合は、Li2Oの含有量を1〜14%とすることが好ましく、2〜12%とすることがより好ましく、3〜11%とすることがさらに好ましい。
アルカリ金属酸化物として、Li2Oの他にNa2O、K2Oを導入することもできるが、Li2Oによる上記効果を考慮すると、屈折率の高低によらず、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R´2Oに対するLi2Oの含有量の占める割合(Li2O/R´2O)を0.8〜1にすることが好ましく、1にすることが特に好ましい。
また、ガラスの安定性維持と化学的耐久性の維持という理由から、屈折率の高低によらず、SiO2とB23の合計含有量に対するR´2Oの割合(R´2O/(SiO2+B23))を0.3未満とすることが好ましく、0.29未満とすることがさらに好ましい。
La23はガラスの安定性を低下させず、さらに分散を高めずに、屈折率を高め、化学的耐久性や耐候性を向上させる効果を有するため、本発明のガラスの必須成分とすることが好ましい。過少導入では前記効果が得られず、過剰に導入すると、ガラスの安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇して、高品質なプリフォームの成形、精密プレス成形が困難になる上、分散が増大してしまう。従って、La23の含有量は0.5〜22%とすることが好ましく、1〜15%とすることがより好ましい。屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合は、2〜10%とすることが更に好ましく、3〜10%とすることがより一層好ましく、屈折率(nd)が1.70を超える場合は、5〜15とすることが更に好ましく、6〜14%とすることがより一層好ましい。
Gd23は任意成分とすることができるが、La23と同様、ガラスの安定性や低分散特性を損なわずに屈折率を高め、化学耐久性、耐候性も向上させる働きをする。特にLa23と共存させることにより、ガラスの失透に対する安定性を一層高める働きをする。しかし、過剰に導入すると、ガラスの安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇して、プリフォームの成形および精密プレス成形が難しくなる。
23も任意成分とすることができるが、Gd23と同様、ガラスの安定性や低分散特性を損なわずに屈折率を高め、化学耐久性、耐候性も向上させる働きをする。特にLa23と共存させることにより、ガラスの失透に対する安定性を一層高める働きをする。しかし、過剰に導入すると、ガラスの安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇して、プリフォームの成形および精密プレス成形が難しくなる。
Yb23も任意成分とすることができるが、Gd23、Y23と同様、ガラスの安定性や低分散特性を損なわずに屈折率を高め、化学耐久性、耐候性も向上させる働きをする。特にLa23と共存させることにより、ガラスの失透に対する安定性を一層高める働きをする。しかし、過剰に導入すると、ガラスの安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇して、プリフォームの成形および精密プレス成形が難しくなる。
このように、Gd23、Y23、Yb23はLa23との共存によってガラスの失透に対する安定性を高め、熔融ガラスから直接、高品質なプリフォームを成形する上で有効な成分であるので、Gd23、Y23およびYb23の合計含有量を1%以上とすることが好ましい。ただし、前記合計量を過剰にするとガラスの安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇するので、Gd23、Y23およびYb23の合計含有量の上限値を15%とすることが好ましい。屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合は、Gd23、Y23およびYb23の合計含有量のより好ましい範囲は1〜10%、さらに好ましい範囲は1〜6%、屈折率(nd)が1.70を超える場合は、より好ましい範囲は3〜14%、さらに好ましい範囲は4〜12%である。また、Gd23、Y23、Yb23のうち、上記効果を得る上で有利な成分はGd23とY23なので、屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合は、Gd23とY23の合計含有量を1〜10%とすることが好ましく、1〜6%とすることがより好ましく、屈折率(nd)が1.70を超える場合は、3〜14%とすることがより好ましく、4〜12%とすることがさらに好ましい。また、La23の含有量に対するGd23、Y23およびYb23の合計含有量の割合((Gd23+Y23+Yb23)/La23)を0.3〜1.5の範囲とすることが屈折率の高低によらずガラスの安定性を高める上から好ましい。
また、屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合は、Gd23の含有量の好ましい範囲は0〜8%、より好ましい範囲は0〜6%、屈折率(nd)が1.70を超える場合は、Gd23の含有量の好ましい範囲は0〜12%、より好ましい範囲は1〜12%、さらに好ましい範囲は1〜10%である。
屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合は、Y23の含有量の好ましい範囲は0〜5%、より好ましい範囲は0.1〜3%、さらに好ましい範囲は0.1〜2.5%である。屈折率(nd)が1.70を超える場合は、Y23の含有量の好ましい範囲は0.1〜6%、より好ましい範囲は0.5〜6%、さらに好ましい範囲は0.5〜5%である。
屈折率の高低によらず、Yb23の含有量の好ましい範囲は0〜5%、より好ましい範囲は0〜3%であり、導入しないことが特に好ましい。
ZnOは熔融温度や液相温度及びガラス転移温度を低下させ、ガラスの化学的耐久性、耐候性を向上させるとともに、屈折率を高める働きをする成分であり、本発明のガラスの必須成分とすることが好ましい。特にZnOは他の2価成分と比べ、ガラスの耐候性を大幅に高める働きをする。これに対し、BaOは屈折率を高める働きをするがガラスの耐候性を悪化させる成分であるため、BaOに代えてZnOを所要量導入するべきである。上記のZnO導入による効果を十分に得るためには、屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合、ZnOの含有量を5〜20%とすることが好ましく、6〜20%とすることがより好ましく、7〜20%とすることがさらに好ましい。屈折率(nd)が1.70を超える場合、ZnOの含有量を1〜18%とすることが好ましく、2〜16%とすることがより好ましく、3〜14%とすることがさらに好ましい。
MgO、CaO、SrOおよびBaOは、光学恒数の調整などの役割を果たす。CaOの含有量は、屈折率の高低によらず所要の目的を満たす上から0〜14%にすることが好ましい。CaOは、SiO2およびB23と共存させることにより、ガラス転移温度を低下させる働きをする。従って、CaOを1%以上導入することが好ましく、CaO含有量を1〜14%にすることがより好ましい。他方、屈折率(nd)が1.65〜1.70の場合、上記アルカリ土類金属酸化物にZnOを含めた2価成分の配分を適正にしないと良好な耐候性を有するガラスを実現することが困難になるため、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量ROに対するZnOの含有量の割合(ZnO/RO)を0.5以上とすることが好ましい。ZnO/ROのより好ましい範囲は0.5〜4、さらに好ましい範囲は0.6〜3である。
なお、MgO、CaO、SrO、BaOの合計含有量ROは、屈折率の高低によらず、光学恒数を調整し、低ガラス転移温度を実現する上から1〜14%とすることが好ましく、2〜14%とすることがより好ましい。
屈折率の高低によらず、ガラス転移温度を低下させるとともに優れた耐候性を実現する上で、MgO、CaO、SrO、BaOの配分に留意することが望ましい。前述のように、CaOは適量の導入によってガラス転移温度を低下させる働きをし、BaOの導入は耐候性に悪影響を及ぼすため、ROに対するCaOの含有量の割合(CaO/RO)を0.5〜1とすることが好ましく、0.8〜1とすることがより好ましい。また、ROに対するBaOの含有量の割合(BaO/RO)を0〜0.2とすることが好ましく、0とすることが特に好ましい。
前述のように、BaOは屈折率を高める働きをするが、ガラスの耐候性、すなわち化学的耐久性を低下させる成分でもある。本発明では、屈折率の高低によらず、屈折率を高める他の成分であるLa23、Gd23、Y23、Yb23の合計含有量に対するBaOの含有量の割合を制御することにより、BaOを導入しなくても、所望の屈折率を得ることができる。すなわち、BaOを含まないか、含むとしても、BaO含有量に対するLa23、Gd23、Y23およびYb23の合計含有量の割合((La23+Gd23+Y23+Yb23)/BaO)が10以上となるようにBaOの含有量を低減することが好ましい。これにより、所望の光学特性と優れた化学的耐久性を兼ね備えた光学ガラスを実現することができる。BaOを含む場合、((La23+Gd23+Y23+Yb23)/BaO)を11以上にすることがより好ましく、12以上にすることがさらに好ましく、15以上にすることがより一層好ましく、18以上にすることがなお一層好ましい。
Sb23は清澄剤として用いられる任意添加剤であるが、1%以下で十分の効果が得られるので、その含有量が0〜1%とすることが好ましく、0〜0.06%とすることがより好ましい。Sb23を過剰に添加すると精密プレス成形時にプレス成形型の成形面を酸化してプレス成形型の寿命に悪影響を及ぼしたりするなど、精密プレス成形の面から好ましくない。
Al23はガラスの耐久性および耐候性を向上させる作用を有し、任意成分として導入することができる。但し、その含有量が5%を超えると、ガラス転移温度が急上昇し、光学恒数も所望の範囲から外れるおそれがあるため、Al23含有量は0〜5%とすることが好ましく、0〜3%とすることがより好ましく、0〜2%とすることが更に好ましい。
ZrO2はガラスの耐候性の向上や光学恒数の調整のために任意成分として導入することができる。但し、その含有量が5%より多くなると、光学恒数が所望の範囲より外れやすくなり、低温軟化性も悪化する。よって、本発明の光学ガラスでは屈折率の高低によらず、ZrO2含有量を0〜5%とすることが好ましく、0.1〜4%とすることが特に好ましい。
なお、Ta25、WO3、Nb25、TiO2、P25、Fは、本発明の目的を損なわない範囲で導入することもできるが、原料コスト、ガラスの諸特性に与える影響、生産性の面を考慮すると、導入を控えるべきものである。Ta25、WO3、Nb25、TiO2、P25およびFの合計含有量は5%未満とすることが好ましく、2%未満とすることがより好ましく、1%未満とすることが更に好ましく、0.5%未満とすることが一層好ましく、導入しないことがより一層好ましい。中でも、Fは、熔融ガラスから直接、プリフォームを成形する場合、高品質のプリフォームを得ることを難しくする成分なので、導入しないことが望ましい。
環境への悪影響を及ぼさないという点に配慮すると、Pb、Cr、Cd、As、Th、Teの導入も避けるべきである。Pbは従来、屈折率を高めるために光学ガラスの主要成分として使用されてきたが、上記問題に加え、非酸化性ガス雰囲気中での精密プレス成形によって容易に還元され、析出した金属鉛がプレス成形型の成形面に付着し、プレス成形品の面精度を低下させるなどの問題を引き起こす。As23も従来、清澄剤として添加されてきたが、上記問題に加え、プレス成形型の成形面を酸化して型の寿命を短くするという問題も引き起こすので、導入するべきでない。
本発明の光学ガラスは、ガラス原料を加熱、熔融することにより製造することができる。ガラス原料としては、炭酸塩、硝酸塩、酸化物等を適宜用いることが可能である。これらの原料を所定の割合に秤取し、混合して調合原料とし、これを、例えば1200〜1300℃に加熱した熔解炉に投入し、熔解・清澄・攪拌し、均質化することにより、泡や未熔解物を含まず均質な熔融ガラスを得ることができる。この熔融ガラスを成形、徐冷することにより、本発明の光学ガラスを得ることができる。
[精密プレス成形用プリフォームおよび精密プレス成形用プリフォームの製造方法]
次に、本発明の精密プレス成形用プリフォーム(以下、単に「プリフォーム」ともいう。)およびプリフォームの製造方法について説明する。プリフォームは、精密プレス成形品に等しい質量のガラス製成形体である。プリフォームは精密プレス成形品の形状に応じて適当な形状に成形されているが、その形状として、球状、回転楕円体状などを例示することができる。プリフォームは、精密プレス成形可能な粘度になるよう、加熱して精密プレス成形に供される。
本発明の精密プレス成形用プリフォームは、前述の本発明の光学ガラスからなるものである。本発明のプリフォームは、必要に応じて離型膜などの薄膜を表面に備えていてもよい。上記プリフォームを精密プレス成形することにより、所望の光学恒数を有する光学素子を高い生産性をもって製造することができる。更に、前述のようにガラス組成を調整することにより、ガラスの高温域における安定性を高め、かつ熔融ガラスの流出時の粘度を高めることができるので、パイプ流出した熔融ガラスを分離して得られたガラス塊を冷却過程でプリフォームに成形する方法で、高品質のプリフォームを高い生産性のもとに製造することができるという利点がある。
更に、本発明は、1.65以上の屈折率(nd)および50以上のアッベ数(νd)を有し、かつガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1とし、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数をα1、ガラス転移温度(Tg)−160℃からガラス転移温度(Tg)−140℃に至る範囲における平均線膨張係数をα2としたとき、比率(α1/α2)が17未満となるようにガラス組成を決定し、決定された組成を有するガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームを作製する精密プレス成形用プリフォームの製造方法に関する。
先に説明したように、前記比率(α1/α2)を17未満とすることにより、高屈折率低分散ガラスにおいて、精密プレス成形時のカン、割れの発生を低減ないしは防止することができる。本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法では、前記比率(α1/α2)が17未満であり、精密プレス成形時にカン、割れを起こすことなく高い生産性をもって精密プレス成形することができるように組成が決定されたガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームを製造する。こうして製造された精密プレス成形用プリフォームを使用することにより、所望の光学恒数を有する高屈折率低分散ガラスからなる光学素子を、高い生産性をもって提供することができる。なお、前記比率(α1/α2)の制御方法は、前述の通りであり、本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法では、それら制御方法を適宜組み合わせて比率(α1/α2)が17未満となるようにガラス組成を決定することができる。
プリフォームの製造方法としては、熔融ガラスをパイプから流出して熔融ガラス塊を分離し、前記熔融ガラス塊が冷却する過程で精密プレス成形用プリフォームに成形する方法(以下、「第1の方法」という)や、熔融ガラスからガラス成形体を作り、この成形体を切断または割断し、研削、研磨して作る方法(以下、「第2の方法」という)がある。
第1の方法の具体例としては、流出する熔融ガラス流から所定重量の熔融ガラス塊を分離して、ガラス塊を冷却する過程で、所定重量のプリフォームを成形することにより製造する方法を挙げることができる。この方法は、切断、研削、研磨などの機械加工が不要という利点がある。機械加工が施されたプリフォームでは、機械加工前にアニールを行うことによって破損しない程度にまでガラスの歪を低減しておかなければならない。しかし、上記方法によれば、破損防止用アニールは不要である。また表面が滑らかなプリフォームを成形することもできる。この方法では、滑らかなで清浄な表面を付与するという観点から、風圧が加えられた浮上状態でプリフォームを成形することが好ましい。また、表面が自由表面からなるプリフォームが好ましい。さらに、シアマークと呼ばれる切断痕のないものが望ましい。シアマークは、流出する熔融ガラスを切断刃によって切断する時に発生する。シアマークが精密プレス成形品に成形された段階でも残留すると、その部分は欠陥となってしまう。そのため、プリフォームの段階からシアマークを排除しておくことが好ましい。切断刃を用いず、シアマークが生じない熔融ガラスの分離方法としては、流出パイプから熔融ガラスを滴下する方法、または流出パイプから流出する熔融ガラス流の先端部を支持し、所定重量の熔融ガラス塊を分離できるタイミングで上記支持を取り除く方法(降下切断法という。)などがある。降下切断法では、熔融ガラス流の先端部側と流出パイプ側の間に生じたくびれ部でガラスを分離し、所定重量の熔融ガラス塊を得ることができる。続いて、得られた熔融ガラス塊が軟化状態にある間にプレス成形に供するために適した形状に成形する。
第2の方法では、熔融ガラスを鋳型に流し込んで上記光学ガラスからなるガラス成形体を成形し、このガラス成形体に機械加工を加えて所望重量のプリフォームを作ることができる。機械加工する前にガラスが破損しないよう、ガラスをアニールすることにより十分除歪処理を行うことが好ましい。
[光学素子および光学素子の製造方法]
本発明の光学素子は、前述の本発明の光学ガラスからなるものである。本発明の光学素子は、光学素子を構成する本発明の光学ガラスと同様、高屈折率低分散であるという特徴を有する。
本発明の光学素子としては、球面レンズ、非球面レンズ、マイクロレンズなどの各種のレンズ、回折格子、回折格子付のレンズ、レンズアレイ、プリズムなどを例示することができる。上記光学素子としては、本発明のプリフォームを加熱、軟化し精密プレス成形して得られたものであることが望ましい。
なお、この光学素子には必要に応じて、反射防止膜、全反射膜、部分反射膜、分光特性を有する膜などの光学薄膜を設けることもできる。
次に光学素子の製造方法について説明する。
本発明の光学素子の製造方法は、本発明のプリフォームまたは本発明のプリフォームの製造方法により作製した精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形して光学素子を製造するものである。
精密プレス成形法はモールドオプティクス成形法とも呼ばれ、既に当該発明の属する技
術分野においてはよく知られたものである。
光学素子の光線を透過したり、屈折させたり、回折させたり、反射させたりする面を光学機能面と呼ぶ。例えばレンズを例にとると非球面レンズの非球面や球面レンズの球面などのレンズ面が光学機能面に相当する。精密プレス成形法はプレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより、プレス成形で光学機能面を形成する方法である。つまり光学機能面を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。
従って、本発明の光学素子の方法は、レンズ、レンズアレイ、回折格子、プリズムなどの光学素子の製造に好適であり、特に非球面レンズを高生産性のもとに製造する際に最適である。
本発明の光学素子の製造方法によれば、上記光学特性を有する光学素子を作製できるとともに、先に説明したようにガラス組成を調整しプリフォームに低温軟化性を付与することにより、ガラスのプレス成形としては比較的低い温度でのプレスが可能になるので、プレス成形型の成形面への負担が軽減され、成形型(成形面に離型膜が設けられている場合には離型膜)の寿命を延ばすことができる。またガラス組成を調整することによりプリフォームを構成するガラスの安定性を高め、再加熱、プレス工程においてもガラスの失透を効果的に防止することができる。さらに、ガラス溶解から最終製品を得る一連の工程を高生産性のもとに行うことができる。
精密プレス成形法に使用するプレス成形型としては公知のもの、例えば炭化珪素、超硬材料、ステンレス鋼などの型材の成形面に離型膜を設けたものを使用することができる。離型膜としては炭素含有膜、貴金属合金膜などを使用することができる。プレス成形型は上型および下型を備え、必要に応じて胴型も備える。中でも、プレス成形時のガラス成形品の破損を効果的に低減ないしは防止するためには、炭化珪素からなるプレス成形型および超硬合金製プレス成形型(特にバインダーを含まない超硬合金製、例えばWC製プレス成形型)を使用することがより好ましく、前記型の成形面に炭素含有膜を離型膜として備えるものがさらに好ましい。
精密プレス成形法では、プレス成形型の成形面を良好な状態に保つため成形時の雰囲気を非酸化性ガスにすることが望ましい。非酸化性ガスとしては窒素、窒素と水素の混合ガスなどが好ましい。特に、炭素含有膜を離型膜として成形面に備えたプレス成形型を使用する場合や、炭化珪素からなるプレス成形型を使用する場合には、上記非酸化性雰囲気中で精密プレス成形するべきである。
次に本発明の光学素子の製造方法に特に好適な精密プレス成形法について説明する。
(精密プレス成形法1)
この方法は、プレス成形型にプリフォームを導入し、プレス成形型とプリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形するというものである(以下、「精密プレス成形法1」という)。
精密プレス成形法1において、プレス成形型と前記プリフォームの温度をともに、プリフォームを構成するガラスが106〜1012dPa・sの粘度を示す温度に加熱して精密プレス成形を行うことが好ましい。
また前記ガラスが1012dPa・s以上、より好ましくは1014dPa・s以上、さらに好ましくは1016dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してから精密プレス成形品をプレス成形型から取り出すことが望ましい。
上記の条件により、プレス成形型成形面の形状をガラスにより精密に転写することができるとともに、精密プレス成形品を変形することなく取り出すこともできる。
(精密プレス成形法2)
この方法は、予熱したプレス成形型に、該プレス成形型と別に予熱されたプリフォームを導入し、精密プレス成形することを特徴とするものである(以下、「精密プレス成形法2」という)。この方法によれば、プリフォームをプレス成形型に導入する前に予め加熱するので、サイクルタイムを短縮化しつつ、表面欠陥のない良好な面精度の光学素子を製造することができる。
プレス成形型の予熱温度は前記プリフォームの予熱温度よりも低くすることが好ましい。このような予熱によりプレス成形型の加熱温度を低く抑えることができるので、プレス成形型の消耗を低減することができる。
精密プレス成形法2において、前記プリフォームを構成するガラスが109dPa・s以下、より好ましくは109dPa・sの粘度を示す温度にプリフォームを予熱することが好ましい。
また、前記プリフォームを浮上しながら予熱することが好ましく、さらに前記プリフォームを構成するガラスが105.5〜109dPa・s、より好ましくは105.5dPa・s以上109dPa・s未満の粘度を示す温度に予熱することがさらに好ましい。
またプレス開始と同時またはプレスの途中からガラスの冷却を開始することが好ましい。
なおプレス成形型の温度は、前記プリフォームの予熱温度よりも低い温度に調温することが好ましく、前記ガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度を目安にすればよい。
この方法において、プレス成形後、前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上にまで冷却してから離型することが好ましい。
精密プレス成形された光学素子はプレス成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。成形品がレンズなどの光学素子の場合には、必要に応じて表面に光学薄膜をコートしてもよい。
以下に、本発明を実施例により更に説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
光学ガラスの製造
表1に実施例1〜10、参考例1〜および比較例1、2のガラスの組成を示す。いずれのガラスとも、各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、および硝酸塩を使用し、ガラス化した後に表1に示す組成となるように前記原料を秤量し、十分混合した後、白金坩堝に投入して電気炉で1200〜1300℃の温度範囲で熔融し、攪拌して均質化を図り、清澄してから適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ。鋳込んだガラスを転移温度まで冷却してから直ちにアニール炉に入れ、室温まで徐冷して各光学ガラスを得た。
実施例の光学ガラスについて、以下の手順でガラス転移温度(Tg)、屈伏点(Ts)および比率(α1/α2)を求めた。他の光学ガラスについても同様に、ガラス転移温度(Tg)、屈伏点(Ts)および比率(α1/α2)を求めた。得られた値を表2に示す。
1.熱機械分析装置を用い、十分にアニールされた長さ20mm、直径5mmの円柱形ガラス試料に対し、円柱の上下面方向に10gの一定加重を加えながら、毎分4℃の一定速度で加熱した。試料の伸び量は15秒間隔で繰り返し測定した。従って、測定は1℃間隔で繰り返し行われた(ΔT=1℃)。このときに得られた試料の伸び量TMAを縦軸、温度を横軸(図1の左側の縦軸)にとり、測定結果をグラフ化したものが図1に示すTMA曲線である。また、図1に示すΔTMA曲線は、温度差1℃に対する試料の伸び量の変化ΔTMAを縦軸(図1の右側の縦軸)、温度を横軸にとったものである。即ち、ΔTMAは温度差1℃に対するTMAの差分に相当する。ここで試料の伸び量は円柱状ガラスの高さ方向の伸び量である。なお、温度差ΔTは上記のように1℃以下の正の一定値とする。ΔTを1℃以下にすれば、十分高精度の測定を行うことができる。
2.1で得たΔTMA曲線から、ΔTMA(試料の伸び量の差分)が極大となる温度T1を求めた。
3.TMA曲線を元に、光学硝子工業会規格に定められた転移温度Tgを求め、またTMAが極大となる温度Tsを求めた。
4.2で求めたT1とTMA曲線から、それぞれT1−5℃およびT1+5℃における試料の伸び:TMA(T1−5)、TMA(T1+5)を求めた。
5.3で求めたTgとTMA曲線から、それぞれTg−160℃およびTg−140℃における試料の伸び:TMA(Tg−160)、TMA(Tg+140)を求めた。
6.ガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域における平均線膨張率の代表値α1を、α1(/℃)={TMA(T1+5)−TMA(T1−5)}/試料長/{5℃−(−5℃)}として求めた。
7.Tgより低温側の平均線膨張率の代表値α2を、α2(/℃)={TMA(Tg−140℃)−TMA(Tg−160℃)}/試料長/{140℃−(−160℃)}として求めた。なお、上記試料長とは25℃における試料の長さ、すなわち20mmである。
8.得られたα1、α2から比率(α1/α2)を求めた。
実施例1〜10、参考例1〜および比較例1、2の各光学ガラスについて、以下の方法で、屈折率(nd)、アッべ数(νd)、比重を測定した。結果を表2に示す。
(1)屈折率(nd)およびアッべ数(νd)
徐冷降温速度を-30℃/時にして得られた光学ガラスについて測定した。
(2)比重
アルキメデス法を用いて算出した。
プレス成形用プリフォームの製造
次に実施例1〜10、参考例1〜および比較例1〜2に相当する清澄、均質化した熔融ガラスを、ガラスが失透することなく、安定した流出が可能な温度域に温度調整された白金合金製のパイプから一定流量で流出し、滴下または降下切断法にて目的とするプリフォームの質量の熔融ガラス塊を分離し、熔融ガラス塊をガス噴出口を底部に有する受け型に受け、ガス噴出口からガスを噴出してガラス塊を浮上しながら精密プレス成形用プリフォームを成形した。熔融ガラスの分離間隔を調整、設定することにより直径2〜10mmの球状プリフォームと、長径が5〜25mmの扁平球状プリフォームを得た。
光学素子(非球面レンズ)の製造
上記方法で得られたプリフォームを、図2に示すプレス装置を用いて精密プレス成形して非球面レンズを得た。具体的にはプリフォームを、プレス成形型を構成する下型2および上型1の間に設置した後、石英管11内を窒素雰囲気としてヒーター12に通電して石英管11内を加熱した。プレス成形型内部の温度を成形されるガラスが108〜1010dPa・sの粘度を示す温度に設定し、同温度を維持しつつ、押し棒13を降下させて上型1を押して成形型内にセットされたプリフォームをプレスした。プレスの圧力は8MPa、プレス時間は30秒とした。プレスの後、プレスの圧力を解除し、プレス成形されたガラス成形品を下型2および上型1と接触させたままの状態で前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上になる温度まで徐冷し、次いで室温まで急冷してガラス成形品を成形型から取り出し非球面レンズを得た。
実施例1〜10、参考例1〜のガラスを用いた場合には、精密プレス成形時にガラスの破損はほとんど見られなかった。特に、比率(α1/α2)が15以下の実施例1〜、参考例1〜のガラスでは破損は見られなかった。それに対し、比較例1および2のガラスでは、精密プレス成形時にガラス破損がしばしば見られた。
以上の結果から明らかなように、実施例1〜10、参考例1〜のガラスはいずれも、所要の光学特性を有するとともに、プレス成形型を用いて精密プレス成形する際にもガラスの破損を起こすことなく成形が可能な優れた成形性を有するものであった。
本発明によれば、精密プレス成形に好適な所要の光学恒数を有する光学ガラスを提供することができる。本発明の光学ガラスから、精密プレス成形用プリフォームを高い生産性のもとに製造することができる。更に、本発明によれば、上記ガラスからなる光学素子を高い生産性のもとに提供することができる。
例14のガラスのTMA曲線およびΔTMA曲線を示す。 精密プレス成形装置の概略説明図である。

Claims (9)

  1. 1.65〜1.70の範囲の屈折率(nd)および50以上のアッベ数(νd)を有し、かつガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1とし、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数をα1、ガラス転移温度(Tg)−160℃からガラス転移温度(Tg)−140℃に至る範囲における平均線膨張係数をα2としたとき、比率(α1/α2)を指標として該比率が17未満となるようにガラス組成を決定し、
    前記組成は、SiO 2 、B 2 3 、La 2 3 、Gd 2 3 、ZnO、および、Li 2 Oを必須成分として含み、SiO 2 とB 2 3 の合計含有量は50〜72モル%の範囲であり、B 2 3 含有量に対するSiO 2 含有量の割合(SiO 2 /B 2 3 )はモル比表示で0.5超かつ0.90以下であり、La 2 3 含有量は4.87〜10モル%の範囲であり、Gd 2 3 含有量は3.30〜8モル%の範囲であり、
    決定された組成を有するガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームを作製する精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  2. 1.70超の屈折率(nd)および50以上のアッベ数(νd)を有し、かつガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1とし、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数をα1、ガラス転移温度(Tg)−160℃からガラス転移温度(Tg)−140℃に至る範囲における平均線膨張係数をα2としたとき、比率(α1/α2)を指標として該比率が17未満となるようにガラス組成を決定し、
    前記組成は、SiO 2 、B 2 3 、La 2 3 、Gd 2 3 、ZnO、および、Li 2 Oを必須成分として含み、SiO 2 含有量は11〜18モル%の範囲であり、La 2 3 含有量は5〜15モル%の範囲であり、Gd 2 3 含有量は2.5〜12モル%の範囲であり、SiO 2 とB 2 3 の合計含有量は50〜72モル%の範囲であり、B 2 3 含有量に対するSiO 2 含有量の割合(SiO 2 /B 2 3 )はモル比表示で0.1〜0.90の範囲であり、
    決定された組成を有するガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームを作製する精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  3. 前記比率を測定し、得られた測定値が17未満であった組成を有するガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームを作製する請求項1または2に記載の精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  4. 屈折率(nd)が1.65〜1.70の範囲であり、かつアッベ数(νd)が50以上である精密プレス成形に使用される光学ガラスであって、
    ガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1とし、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数をα1、ガラス転移温度(Tg)−160℃からガラス転移温度(Tg)−140℃に至る範囲における平均線膨張係数をα2としたとき、比率(α1/α2)が17未満であり、
    SiO2、B23、La23 、Gd 2 3 、ZnO、および、Li 2 Oを必須成分として含み、SiO2とB23の合計含有量は50〜72モル%の範囲であり、B23含有量に対するSiO2含有量の割合(SiO2/B23)はモル比表示で0.5超かつ0.90以下であり、La23含有量は4.87〜10モル%の範囲であり、Gd23含有量は3.30〜8モル%の範囲である、前記光学ガラス。
  5. 屈折率(nd)が1.70超かつアッベ数(νd)が50以上である精密プレス成形に使用される光学ガラスであって、
    ガラス転移温度(Tg)から屈伏点(Ts)までの温度域において、温度差ΔT(但し、ΔTは1℃以下の一定値とする)に対するガラスの伸び量の差分が極大値を示す温度をT1とし、T1−5℃からT1+5℃の範囲における平均線膨張係数をα1、ガラス転移温度(Tg)−160℃からガラス転移温度(Tg)−140℃に至る範囲における平均線膨張係数をα2としたとき、比率(α1/α2)が17未満であり、
    SiO2、B23、La23 、Gd 2 3 、ZnO、および、Li 2 Oを必須成分として含み、SiO2含有量は11〜18モル%の範囲であり、La23含有量は5〜15モル%の範囲であり、Gd23含有量は2.5〜12モル%の範囲であり、SiO2とB23の合計含有量は50〜72モル%の範囲であり、B23含有量に対するSiO2含有量の割合(SiO2/B23)はモル比表示で0.1〜0.90の範囲である、前記光学ガラス。
  6. 請求項またはに記載の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
  7. 請求項またはに記載の光学ガラスからなる光学素子。
  8. 請求項に記載のプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形して光学素子を得る光学素子の製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法によりプリフォームを製造し、製造したプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形して光学素子を得る光学素子の製造方法。
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