JP4847427B2 - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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本発明は、電動モータの回転運動を、ランプ機構を用いて軸方向運動に変換し、ブレーキ部材をブレーキロータに押付けるようにした電動ブレーキ装置に関するものである。
電動モータとボールランプ機構を用い、電動モータに通電することでロータを回転させ、ロータの回転をボールランプ機構によってブレーキ部材の軸方向運動に変換し、ブレーキ部材をブレーキロータに押圧するようにした電動ブレーキ装置は、例えば、特許文献1に記載されているように公知である。
特許文献1に記載された電動ブレーキ装置は、ボールランプ機構(18)を、傾斜角度の異なる複数の傾斜部(19a、19B)を形成して構成したものであり、このような構成の電動ブレーキ装置によれば、ロータの回転量に対するブレーキ部材の軸方向の変位量を任意に設定できるので、目的に合わせて応答性や消費電力を調整することができる利点がある。
ところで、ロータの回転運動をブレーキ部材の軸方向運動に変換するボールランプ機構は、一般に、力を伝達するための転動ボールが、転動ボールを挟んで対向する一組の対称な傾斜面を持つランプ部の間を、滑らずに転がりながら転動することによって正常に機能し、上記した利点を享受できるようになる。
特開2001−41269号公報
しかしながら、電動ブレーキ装置が使用される自動車のばね下環境は、車両走行に伴い、上下、左右および前後のあらゆる方向に大きな振動が発生し、特にブレーキ力が小さいとき、すなわち、ボール部材とランプ部との間の摩擦抵抗が比較的小さい場合には、振動によってボール部材に加わる慣性力が、ボール部材とランプ部との間の摩擦抵抗に勝り、ボール部材がランプ部上を滑って抜け出てしまう恐れがある。
特に、上記した特許文献1に記載されているように、ランプ部が片側にのみ配設されていたり、ランプ部が対向的に配設されている場合でも、ランプ部の傾斜面の角度が一定でなく、途中で変化する構成の場合には、ボール部材が滑ってランプ部上の位置が少しでもずれると、ボール部材が接触する2つのランプ部の傾斜角度が異なるため、ボール部材と2つのランプ部の間の摩擦抵抗のバランスが崩れ、ボール部材の滑りをさらに助長するようになる。これによって、ブレーキの効き低下等の大きな影響を及ぼす結果を招く。
本発明は上記した従来の問題点を解決するためになされたもので、転動体とランプ部との間の滑りを抑制し、所期のブレーキ性能を長期に亘って安定して維持できる電動ブレーキ装置を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、電動モータの回転運動を、ランプ機構を用いて軸方向運動に変換し、ブレーキ部材をブレーキロータに押付ける電動ブレーキ装置において、前記ランプ機構は、円周上等間隔に配置された複数の転動体と、これら転動体の円周方向の相対位置を規制して回転可能に保持する保持器と、前記電動モータの回転力を受けて回転され、軸方向の動きは規制された状態で前記転動体と当接する入力側ランプ部材と、前記転動体に対し前記入力側ランプ部材と反対側に配置され、軸方向の動きは許容されるが回転方向の動きは規制された状態で前記転動体と当接し、前記転動体からの力を受けて軸方向の力を前記ブレーキ部材に伝える出力側ランプ部材とを備え、前記入力側ランプ部材および前記出力側ランプ部材の少なくとも一方には、前記転動体との当接面に円周方向に徐々に高さが変化するランプ面を形成したランプ部が設けられ、前記電動モータの回転時に、前記保持器の回転量が前記入力側ランプ部材の回転量の半分になるように、前記入力側ランプ部材に対する前記保持器の角度位置を制限する回転量制限機構を備えたことである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記回転量制限機構が、前記入力側ランプ部材と前記出力側ランプ部材との間に配設された差動歯車機構によって構成されていることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または請求項2において、前記ランプ部のランプ面が、円周方向に沿って連続的に高さが変化する曲面もしくは円周方向に沿って傾斜角が異なる複数の傾斜面からなっていることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、電動モータの回転時に、保持器の回転量が入力側ランプ部材の回転量の半分になるように、入力側ランプ部材に対する保持器の位置を制限する回転量制限機構を備えているので、転動体を保持している保持器が、ランプ部を滑らずに転がり接触するのに必要な位置に転動体を保持することができるようになり、ランプ部に対して転動体が滑ることによって生ずる位置ずれを確実に防止できるようになる。これによって、振動等に係わらず、ランプ機構,延いてはブレーキ機能を常に正常に維持することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明によれば、回転量制限機構が、入力側ランプ部材と出力側ランプ部材との間に配設された差動歯車機構によって構成されているので、差動歯車機構によって、保持器を確実かつ容易に入力側ランプ部材に対して1/2回転させることができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明によれば、ランプ部のランプ面が、円周方向に沿って連続的に高さが変化する曲面もしくは円周方向に沿って傾斜角が異なる複数の傾斜面からなっているので、ブレーキの応答性や消費電力を自在に調整するために、ロータの回転量に対するブレーキ部材の軸方向の変位量を任意に設定できるようにした電動ブレーキ装置を、的確に機能させることができる。
以下、本発明に係る電動ブレーキ装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2において、10は電動ブレーキ装置のブレーキロータを示し、ブレーキロータ10は図略の車輪に一体的に取付けられている。ブレーキロータ10の外周部には、断面形状が略コの字状のキャリパ11が、ブレーキロータ10を跨ぐように配置されている。キャリパ11は、車体側に固定されたマウント12にスライドピン13を介して、ブレーキロータ10の軸線方向に少量だけ移動可能に支持されている。
ブレーキロータ10の軸線方向の両側に対向して、ブレーキ部材としての一対のブレーキパッド15、16が配置されている。ブレーキロータ10の内側に配置された第1のブレーキパッド15は、ブレーキロータ10の軸線方向に移動可能な後述する押圧部42に取付けられ、ブレーキロータ10の外側に配置された第2のブレーキパッド18は、キャリパ11の爪部11aに取付けられている。押圧部42は、回り止め部11bによってキャリパ11に対して回り止めされ、第1のブレーキパッド15は、ブレーキロータ10の軸線方向にのみ移動可能となっている。第1および第2のブレーキパッド15、16は、ブレーキロータ10に摺接可能に摩擦係合する摩擦材15a、16aと、摩擦材15a、16aを保持する裏板15b、16bとによって構成されている。なお、第1のブレーキパッド15は、マウント12に対して回り止めしてもよい。
第1および第2のブレーキパッド15、16は、車輪と一体に回転するブレーキロータ10の両面に押付けられて、ブレーキロータ10の制動作用を行うものである。
キャリパ11の一端には、モータハウジング21が固定され、モータハウジング21内にビルトイン型の電動モータ22が設けられている。電動モータ22は、中空状のロータ23とステータコイル24とから構成され、ロータ23はモータハウジング21に回転可能に軸承され、ステータコイル24はモータハウジング16の内周に固定され、ステータコイル24への通電によってロータ23が回転されるようになっている。ロータ23内には入力軸25が同心的に挿通され、入力軸25はロータ23に対し軸線方向にのみ移動可能にスプライン係合されている。
また、キャリパ11には、ねじ穴26が入力軸25と同心的に形成され、このねじ穴26にねじ部材27が螺合されている。ねじ部材27には円筒穴27aが入力軸25と同心的に形成され、円筒穴27a内には、軸方向の動きは規制された状態で後述する転動ローラと当接する円板状の入力側ランプ部材28が回転可能に収容され、入力側ランプ部材28とねじ部材27の一端に形成したフランジ部27bとの間には、スラストベアリング29が介挿されている。
入力軸25とねじ部材27および入力側ランプ部材28との間には、減速機構31が配設されている。減速機構31は、例えば、ハーモニックドライブ((株)ハーモニック・ドライブ・システムズの登録商標)として知られる波動歯車機構によって構成されている。波動歯車機構(減速機構)31は、ウェブジェネレータ33と、フレクスプライン35と、サーキュラスプライン36とからなり、フレクスプライン35の一端は入力側ランプ部材28に結合され、サーキュラスプライン36はねじ部材27のフランジ部27bに結合されている。フレクスプライン35の他端外周には外歯が形成され、サーキュラスプライン36の内周にはフレクスプライン35の外歯に部分的に噛合う内歯が形成され、内歯の歯数は外歯の歯数より例えば2歯多くなっている。フレクスプライン35の一端内周には、入力軸25が軸受37を介して回転のみ可能に支承されている。
ウェブジェネレータ33は、図略の楕円カムを回転可能に備え、楕円カムに入力軸25が一体的に連結されている。楕円カムの外周には図略のボールベアリングの内輪が固定され、この内輪に弾性変形可能な外輪がボールを介して支持され、外輪にはフレクスプライン35が取付けられている。
ねじ部材27の円筒穴27a内には、上記した入力側ランプ部材28に対向して、軸方向の動きは許容されるが回転方向の動きは規制された状態で後述する転動ローラと当接する円板状の出力側ランプ部材41が収容され、出力側ランプ部材41は押圧部42に一体的に結合されている。かかる出力側ランプ部材41の軸動により、押圧部42を介して第1ブレーキパッド15の摩擦材15aがブレーキロータ10に対して接近離間されるようになる。
入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41との間には、入力側ランプ部材28の回転運動を出力側ランプ部材41の軸方向運動に変換するランプ機構43が設けられている。ランプ機構43は、入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41との互いに対向する対向面28a、41aにそれぞれ設けられた第1および第2ランプ部45、46と、これらランプ部45、46の間に配設された転動体としての転動ローラ51とによって構成されている。
ランプ機構43の構成を、図2、図4および図5に基づいてさらに具体的に説明すると、入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41は、転動ローラ51を挟んで互いに反対側に配置されている。入力側ランプ部材28の出力側ランプ部材41に対向する対向面28aには、複数(実施の形態においては4つ)の第1ランプ部45が、入力側ランプ部材28の回転中心を中心とする円周方向に沿って等角度間隔に配設されている。複数の第1ランプ部45は同一の形状をなすもので、入力側ランプ部材28の逆転方向(図5の時計回り)の一端には、入力側ランプ部材28の正転方向(図5の反時計回り)に沿って、出力側ランプ部材41の対向面41aに徐々に接近する緩やかな曲線状の勾配を形成した第1ランプ面45aが設けられている。また、第1ランプ部45の他端(正転方向の一端)には、第1段差面45bが形成され、第1段差面45bは、入力側ランプ部材28の対向面28aより僅かな寸法だけ高くなっている。第1ランプ面45aと第1段差面45bとの境界部には、対向面28aに対して直角な第1ストッパ面45cが形成されている。
一方、出力側ランプ部材41の入力側ランプ部材28に対向する対向面41aには、第1ランプ部45と同数の第2ランプ部46が、入力側ランプ部材28の回転中心を中心とする円周方向に沿って等角度間隔に配設されている。複数の第2ランプ部46は第1ランプ部45と同一の形状をなすもので、第1ランプ部45とは逆向き(対称)に配置されている。すなわち、入力側ランプ部材28の正転方向の一端には、入力側ランプ部材28の逆転方向(時計回り)に沿って、入力側ランプ部材28の対向面28aに徐々に接近する緩やかな曲線状の勾配を形成した第2ランプ面46aが設けられている。また、第2ランプ部46の他端には、第2段差面46bが形成され、第2段差面46bは、出力側ランプ部材41の対向面41aより僅かな寸法だけ高くなっている。第2ランプ面46aと第2段差面46bとの境界部には、対向面41aに対して直角な第2ストッパ面46cが形成されている。
回転円板28および出力側ランプ部材41の各対向面28a、41a間には、保持器53(図3、図4参照)が半径方向移動を規制されて配設され、この保持器53に第1および第2ランプ部45、46と同数の転動ローラ51が、円周方向の相対位置を規制されて放射方向に平行な軸線の回りに円周方向に回転可能に保持されている。転動ローラ51は、第1および第2ランプ部45、46の間で転動し、回転円板28の回転運動によって出力側ランプ部材41を軸動するように作用する。
転動ローラ51は、通常、円周方向に隣合う第1ランプ部45および第2ランプ部46の各間に位置されて、入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41の対向面28a、41aに接触するように挟持されており、この状態がランプ機構43の初期位置(基準位置)となっている。この状態より、入力側ランプ部材28が正転方向(図5の反時計回り)に回転されると、転動ローラ51が第1および第2ランプ部45、46の各ランプ面45a、46aに乗り上げ、出力側ランプ部材41をランプ面45a、46aの勾配に従って軸方向移動させる。反対に、ランプ機構43が基準位置にある状態より、入力側ランプ部材28が逆転方向(図5の時計回り)に所定角度だけ回転されると、転動ローラ51が第1および第2ランプ部45、46の各段差面45b、46bに乗り上げ、出力側ランプ部材41を段差面45b、46bの段差分だけ直動させる。
入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41との間には、転動ローラ51がランプ部45、46を滑らずに転がり接触するように維持する差動歯車機構からなる回転量制限機構60が配設されている。回転量制限機構60は、図3に示すように、2組の傘歯車61、62と63、64を備え、これら傘歯車61〜64は、十字状の中心軸部材65に回転可能に取付けられている。第1組の傘歯車61、62は、同一の歯数および形状の歯車からなり、入力側ランプ部材28の回転軸線上に各歯を対向して配置されている。第1組の傘歯車の一方(第1傘歯車61)の軸部61aは、入力側ランプ部材28に相対回転不能に嵌合され、他方(第2傘歯車62)の軸部62aは、出力側ランプ部材41に相対回転不能に嵌合されている。
第2組の傘歯車63、64は、同一の歯数および形状の歯車からなり、入力側ランプ部材28の直径線上に各歯を対向して配置され、それぞれ第1および第2傘歯車61、62に同時に噛合されている。第2組の傘歯車(第3および第4傘歯車)63、64には、十字状中心軸部材65の半径方向軸部65a、65bが相対回転可能に貫通され、半径方向軸部65a、65bは、保持器53の内周に固定状態で嵌め込まれている。
上記した構成の回転量制限機構60によれば、回転が拘束された出力側ランプ部材41に対し、入力側ランプ部材28がある回転量Kだけ回転すると、第3および第4傘歯車63、64が自転しながら第2傘歯車62の周りを公転運動され、第3および第4傘歯車63、64に十字状中心軸部材65を介して連結された保持器53は、入力側ランプ部材28の回転量の半分の量(K/2)だけ回転される。
これにより、転動ローラ51を保持している保持器53が、ランプ部45、46を滑らずに転がり接触するように維持するに必要な角度位置に転動ローラ51を保持することができ、振動や、寸法誤差による荷重バランスの崩れ等に係わらず、転動ローラ51の滑りやそれによる位置ずれを防止できる。この結果、転動ローラ51に接触する2つの対向するランプ部45、46は常に平行状態に維持され、ランプ機構43,延いてはブレーキ機能を正常に保つことができる。
この場合、回転量制限機構60は、第1ないし第4傘歯車61〜64の噛合いにバックラッシュが避けられないため、通常は、回転量制限機構60を構成する第1ないし第4傘歯車61〜64のバックラッシュの範囲内で、転動ローラ51がランプ部45、46に対して滑らずに転がり接触することにより、入力側ランプ部材28の回転運動が出力側ランプ部材41の軸方向運動に変換されることが理想的である。
すなわち、入力側ランプ部材28が回転されると、第1の傘歯車61が回転され、第3および第4の傘歯車63、64が固定状態の第2の傘歯車62の周りを自転しながら公転運動される。その結果、保持器53が入力側ランプ部材28の回転量の1/2だけ回転させることができるが、理想的な動作としては、入力側ランプ部材28が回転されると、入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41の両ランプ部45、46の間の転動ローラ51が滑ることなく転がり接触され、その結果、保持器53が入力側ランプ部材28の回転量の1/2だけ回転されることである。
そして、転動ローラ51に滑りが生じ、入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41の両ランプ部45、46が僅かにずれた場合に、それ以上の滑りを防止するように回転量制限機構60が機能すればよい。
しかしながら、第1ないし第4傘歯車61〜64のバックラッシュ量が小さい場合、あるいは転動ローラ51がランプ部45、46に対して滑りやすい場合には、保持器53は、回転量制限機構60の作用によって、入力側ランプ部材28に対して1/2回転されることになるので、回転量制限機構60のバックラッシュの範囲内で、転動ローラ51をランプ部45、46に対して滑らずに転がり接触させることに拘泥するものではない。
出力側ランプ部材41とキャリパ11との間にはスプリング52が介挿され、このスプリング52の付勢力によって出力側ランプ部材41を入力側ランプ部材28に向けてスラスト方向に押圧している。これによって、出力側ランプ部材41と入力側ランプ部材28を転動ローラ51を介して接合状態に保持するとともに、入力側ランプ部材28をスラストベアリング29を介してねじ部材27のフランジ部27aに押圧し、入力側ランプ部材28の軸方向の移動を規制するようになっている。
上記した構成により、入力側ランプ部材28が初期位置より正転方向に回転されると、転動ローラ51が転動しながら入力側ランプ部材28の第1ランプ面45aに乗り上げるとともに、出力側ランプ部材41の第2ランプ面46aに乗り上げる。これにより、出力側ランプ部材41はスプリング52の付勢力に抗してブレーキロータ10に向かう方向に移動され、第1のブレーキパッド15がブレーキロータ10に押付けられる。入力側ランプ部材28が、逆転方向に回転されると、出力側ランプ部材41はスプリング52の付勢力によってブレーキロータ10より離れる方向に移動される。
なお、電動モータ22は、図略のECUの信号に基づいて回転制御される。ECUには、図略のブレーキペダルの踏み込み量を検出するペダル操作センサの検出信号が入力され、ECUは、ペダル操作センサの検出信号に基づいて、所定の制動力を発生するためのブレーキパッド15、16の押圧力、すなわち、電動モータ22の回転量を算出するようになっている。
次に、上記した実施の形態における電動ブレーキ装置の動作について説明する。非制動時(初期位置)においては、スプリング52の付勢力によって出力側ランプ部材41が入力側ランプ部材28側に押圧され、転動ローラ51は入力側ランプ部材28の円周方向に隣合う第1ランプ部45の間および出力側ランプ部材41の円周方向に隣合う第2ランプ部46の間にそれぞれ位置されて、入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41の両対向面28a、41aの間に挟圧され、出力側ランプ部材41と入力側ランプ部材28は最も接近した状態に保持されている。
この状態において、電動モータ22が図略のブレーキペダルの踏み込み信号に基づいて正転駆動されると、ロータ23とともに入力軸25が正転方向に回転され、ウェブジェネレータ33が回転される。
この際、サーキュラスプライン36に結合されたねじ部材27は径が大きいため慣性が大きく、しかも、ねじ面に作用する摩擦によって抵抗が大きいため、入力軸25の回転によってフレクスプライン35とともに入力側ランプ部材28が入力軸25の回転方向と同方向に回転される。
入力側ランプ部材28の回転により、第1ランプ部45のランプ面45aに転動ローラ51が転動しながら乗り上げ、かつ転動する転動ローラ51は出力側ランプ部材41側の第2ランプ部46のランプ面46aに乗り上げる。これにより、出力側ランプ部材41は、スプリング52の付勢力に抗して入力側ランプ部材28に対して離間する方向に移動され、押圧部42を介して第1のブレーキパッド15がブレーキロータ10に接近する方向に移動され、ブレーキロータ10の端面に押付けられる。第1のブレーキパッド15がブレーキロータ10の端面に押付けられると、その反力によってキャリパ11がスライドピン13(図1参照)に沿って移動され、キャリパ11に取付けられた第2のブレーキパッド16もブレーキロータ10の端面に押付けられ、制動力が発生される。
この際、転動ローラ51がランプ部45、46に対して滑り、入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41の両ランプ部45、46が僅かにずれようとすると、それ以上のずれを防止するように回転量制限機構60が機能する。かかる回転量制限機構60によって、転動ローラ51を保持している保持器53は、入力側ランプ部材28の回転量の半分の量だけ回転されるので、転動ローラ51を保持している保持器53が、常に転動ローラ51を、ランプ部45、46を滑らずに転がり接触するように維持する角度位置に保持することができ、両ランプ部45、46の角度ずれを規制する。
従って、入力側ランプ部材28および出力側ランプ部材41の各ランプ部45、46のランプ面45a、46aが、曲線(曲面)状の勾配を有するものであっても、転動ローラ51が接触する対向する2つのランプ面45a、46aを常に平行状態に保持することができる。この結果、車両走行に伴う振動等に係わらず、ランプ機構43、延いてはブレーキ機能を常に正常に保つことができるようになり、ランプ面45a、46aの形状に合ったブレーキ性能を長期に亘って安定的に維持することができる。
ブレーキの解除時は、ブレーキペダルの解除信号に基づいて、電動モータ22が逆転駆動される。これにより、ロータ23とともに入力軸25が逆転方向に回転され、ウェブジェネレータ33が回転される。ウェブジェネレータ33の回転により、入力側ランプ部材28が入力軸25の回転方向と同方向に回転され、上記したと逆の動作によって、出力側ランプ部材41とともに第1のブレーキパッド15が後退される。
この際、入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41の両ランプ部45、46が僅かにずれていたような場合には、上記した入力側ランプ部材28の逆転により、転動ローラ51が入力側ランプ部材28および出力側ランプ部材41の対向面28a、41aの何れか一方に接触する位置まで戻されると、スプリング52の付勢力によって入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41がずれ分だけ相対回転され、僅かな角度ずれが解消される。
なお、本実施の形態においては、ブレーキ装置の非作動時に、随時電動モータ22を逆転駆動させることにより、第1および第2のブレーキパッド15、16の摩擦材15a、16aの摩耗に係わらず、第1および第2のブレーキパッド15、16とブレーキロータ10とのギャップ量を常に一定に維持することが可能となる。以下その動作を説明する。
電動モータ22を逆転駆動すると、ロータ23とともに入力軸25が逆転される。入力軸25の逆転により、入力側ランプ部材28が入力軸25と同方向に回転されるため、第1ランプ部45の段差面45bに転動ローラ51が転動しながら乗り上げ、かつ転動する転動ローラ51は出力側ランプ部材41側の段差面46bにも乗り上げる。これにより、出力側ランプ部材41は、第1および第2段差面45b、46bの各段差分の2倍の量だけ、スプリング52の付勢力に抗してブレーキロータ10に向かって移動される。
電動モータ22によって入力側ランプ部材28がさらに逆転されると、転動ローラ51が第1および第2ストッパ面45c、46cに係合し、入力側ランプ部材28のそれ以上の回転が阻止される。従って、電動モータ22による入力軸25の逆転によって、ねじ部材27に結合されたサーキュラスプライン36が、ねじ部材27とキャリパ11のねじ穴26との摩擦抵抗に打ち勝って、入力軸25の回転方向と反対の方向、すなわち、正転方向に回転される。これにより、ねじ部材27がねじ穴26内を正転され、ねじ部材27はねじのリードに従ってブレーキロータ10に向かう方向に軸方向移動される。
ねじ部材27の回転かつ軸方向移動により、ねじ部材27内に収容された入力側ランプ部材28および出力側ランプ部材41等は、非回転状態を維持しながら、ねじ部材27と一体的にスラスト方向に移動され、第1および第2のブレーキパッド15、16の摩擦材15a、16bがブレーキロータ10に当接される。
その後、電動モータ22によって入力軸25を所定角度だけ正転させると、入力側ランプ部材28が正転方向に所定角度回転され、転動ローラ51が第1および第2ランプ部45,46の各段差面45b、46bより離脱して、入力側ランプ部材28と出力側ランプ部材41の対向面28a、41aに再び当接される。これにより、出力側ランプ部材41がブレーキロータ10から離れる方向に一定量後退され、第1および第2のブレーキパッド15、16とブレーキロータ10との間には、段差面45b、46bの段差分の2倍の隙間が形成され、これが新たな初期位置となり、摩擦材15a、16bの摩耗が補償される。
上記した実施の形態においては、傘歯車を用いた回転量制限機構60について説明したが、回転量制限機構60は実施の形態で述べた差動歯車機構に限定されるものではなく、減速比が1/2に設定された遊星歯車機構のような差動歯車機構によっても代用できるものである。
上記した実施の形態においては、転動体を転動ローラ51によって構成した例について述べたが、転動ローラ51は、径方向の周速差を吸収できるように、クラウニング形状あるいは円錐形状にしてもよく、あるいはまた、転動体をボールによって構成してもよい。
上記した実施の形態においては、ランプ機構43のランプ部45、46に曲面状の勾配のランプ面45a。46aを形成した例について説明したが、ランプ部45、46のランプ面形状は、例えば、特許文献1に記載されているような、傾斜角の異なる2つないしは3つの傾斜面から構成してもよい。
また、ランプ機構43は、必ずしも実施の形態で述べたように、2組のランプ部45、46を対向して設ける必要はなく、少なくとも回転方向の一端側にランプ部を設ければよい。この場合、転動ローラ51の転動作用による保持器53の回転量は、入力側ランプ部材28の回転量の1/2にならないため、回転量制限機構60の作用下においても、転動ローラ51はランプ部に対して僅かに滑りを生ずることになるが、実用上特に支障はない。
また、上記した実施の形態においては、減速機構31として、波動歯車機構を用いた例について述べたが、本発明は、波動歯車機構に限定されるものではなく、各種の減速機構を用いることができ、同様に、電動モータ22もビルトインモータに限定されるものではない。
さらに、上記した実施の形態においては、ブレーキパッド15、16の摩擦材15a、16aの摩耗を補償するために、ランプ部45、46に、段差面45b、46bおよびストッパ面45c、46cを設けるとともに、入力側ランプ部材28および出力側ランプ部材41を収容したねじ部材27を位置調整可能に設けた例で説明したが、摩擦材15a、16aの摩耗を補償する必要がない場合には、これらの構成は省略できるものである。
斯様に、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得ることは勿論である。
本発明の実施の形態を示す電動ブレーキ装置の外観図である。 図1の2−2線に沿って切断した断面図である。 図2の3−3線に沿って切断した断面図である。 図2に示すランプ機構の分解図である。 図4の5−5に沿って矢視した矢視図である。
符号の説明
10…ブレーキロータ、11…キャリパ、15、16…ブレーキ部材(ブレーキパッド)、22…電動モータ、23…ロータ、25…入力軸、28…入力側ランプ部材、31…減速機構、41…出力側ランプ部材、43…ランプ機構、45、46…ランプ部、45a、46a…ランプ面、51…転動体(転動ローラ)、53…保持器、60…回転量制限機構。

Claims (3)

  1. 電動モータ(22)の回転運動を、ランプ機構(43)を用いて軸方向運動に変換し、ブレーキ部材(15、16)をブレーキロータ(10)に押付ける電動ブレーキ装置において、
    前記ランプ機構は、円周上等間隔に配置された複数の転動体(51)と、これら転動体の円周方向の相対位置を規制して回転可能に保持する保持器(53)と、前記電動モータの回転力を受けて回転され、軸方向の動きは規制された状態で前記転動体と当接する入力側ランプ部材(28)と、前記転動体に対し前記入力側ランプ部材と反対側に配置され、軸方向の動きは許容されるが回転方向の動きは規制された状態で前記転動体と当接し、前記転動体からの力を受けて軸方向の力を前記ブレーキ部材に伝える出力側ランプ部材(41)とを備え、
    前記入力側ランプ部材および前記出力側ランプ部材の少なくとも一方には、前記転動体との当接面に円周方向に徐々に高さが変化するランプ面(45a、46a)を形成したランプ部(45、46)が設けられ、
    前記電動モータの回転時に、前記保持器の回転量が前記入力側ランプ部材の回転量の半分になるように、前記入力側ランプ部材に対する前記保持器の角度位置を制限する回転量制限機構(60)を備えたことを特徴とする電動ブレーキ装置。
  2. 請求項1において、前記回転量制限機構が、前記入力側ランプ部材と前記出力側ランプ部材との間に配設された差動歯車機構によって構成されていることを特徴とする電動ブレーキ装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記ランプ部のランプ面が、円周方向に沿って連続的に高さが変化する曲面もしくは円周方向に沿って傾斜角が異なる複数の傾斜面からなっていることを特徴とする電動ブレーキ装置。
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