JP4846838B2 - 杜仲葉緑色乾燥品の製造方法 - Google Patents

杜仲葉緑色乾燥品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4846838B2
JP4846838B2 JP2009279544A JP2009279544A JP4846838B2 JP 4846838 B2 JP4846838 B2 JP 4846838B2 JP 2009279544 A JP2009279544 A JP 2009279544A JP 2009279544 A JP2009279544 A JP 2009279544A JP 4846838 B2 JP4846838 B2 JP 4846838B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
green
dried
leaf
leaves
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009279544A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010158239A (ja
Inventor
智慧子 安間
Original Assignee
有限会社 碧山園
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社 碧山園 filed Critical 有限会社 碧山園
Priority to JP2009279544A priority Critical patent/JP4846838B2/ja
Publication of JP2010158239A publication Critical patent/JP2010158239A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4846838B2 publication Critical patent/JP4846838B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、杜仲葉緑色乾燥品の製造方法、特に鮮やかな緑色を有しつつ、イリドイド類やポリフェノール等の高機能成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品の製造方法に関する。
杜仲の樹皮は中国五大漢方薬のひとつとして古来より珍重されてきた。また、近年では、杜仲葉に含有されるイリドイド類やポリフェノール等の成分の高機能性・有用性が注目されている。特にイリドイド類は血圧降下作用や鎮痛作用、脂質代謝の改善に有用であることが示されており(非特許文献1,非特許文献2参照)、現在、主に茶として飲用されている。
しかしながら、杜仲の葉に含まれるイリドイド類等の高機能成分は葉を収穫した段階から、自己消化作用によってその減少が始まってしまう。また、現在、杜仲茶として市販されているものの多くは、褐色の発酵茶葉であり、発酵過程においてイリドイド類の高機能成分の含有量が大幅に減少し、さらに苦味なども増加してしまうことになる。このため、一般に広く流通している飲料用乾燥茶葉において、イリドイド類の含有量は茶葉全体の1%にも満たない。
そこで、これらの高機能成分を豊富に含有する杜仲乾燥茶葉の製法が検討されている。近年、日本茶と同様にして製造した緑色の杜仲乾燥茶葉が、褐色の発酵茶と比較してイリドイド類、ポリフェノール類等の有用成分を多く含有することがわかってきた。例えば、特許文献1には、ゲニポシド酸3.2%程度を含む緑色杜仲葉の製法が開示されている。この方法は、日本茶と同様に茶葉の蒸煮を実施した後、乾燥処理を行っているものである。ここで、杜仲の場合、蒸煮加熱により酵素を失活させて発酵の進行を抑えることで、緑色を保持し、且つ自己消化作用を抑止して経時による劣化を防ぐことができると考えられる。しかしながら、イリドイド類、ポリフェノール類等の高機能成分は、熱劣化や蒸気による溶出・散逸で減少してしまうため、従来から行われてきた蒸煮加熱は、これら高機能成分の減少を招くものと考えられる。
特開平10−150961号公報
Health Science Vol.20 No.2(2004)P166−176 Journal of Atherosclerosis Thrombosis Vol.12, No.4(2005)P185−190
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであって、その解決すべき課題は、鮮やかな緑色を有しつつ、イリドイド類やポリフェノール等の高機能成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品の製造方法を提供することにある。
前記従来技術の課題を解決するため、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させ、且つ葉の温度が50〜80℃となる条件下で乾燥処理を行なうことによって、鮮やかな緑色を有しつつ、イリドイド類やポリフェノール等の高機能成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥粉末が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる杜仲葉緑色乾燥品の製造方法は、収穫直後の杜仲生葉あるいは収穫後0〜5℃で冷蔵保管された杜仲生葉に対し、他の加熱処理を経ることなく、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させ、且つ赤外線非接触温度計により計測した葉の温度が50〜80℃となる条件下で乾燥処理することを特徴とするものである。
また、前記杜仲葉緑色乾燥品の製造方法において、マイクロ波又は高周波を1秒〜10分の周期で断続的に照射及び停止を繰り返すことにより、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させることが好適である。
また、前記杜仲緑色乾燥品の製造方法において、予め裁断することなく適採したそのままの形状の杜仲生葉を乾燥処理することが好適である。
また、前記杜仲緑色乾燥品の製造方法において、圧力1000Pa以下の減圧雰囲気下及び/又は湿度40%以下の乾燥雰囲気下でマイクロ波加熱又は高周波加熱を行うことが好適である
また、前記杜仲葉緑色乾燥品の製造方法において、マイクロ波加熱又は高周波加熱乾燥の後に、100℃以下の加熱送風により乾燥処理することが好適である。
また、前記杜仲葉緑色乾燥品の製造方法において、処理工程全体にわたって、杜仲葉を湿度50%以下、葉温100℃以下の条件下に保持することが好適である。
また、前記杜仲葉緑色乾燥品の製造方法において、乾燥処理開始後30分以内に杜仲葉中の水分量を30%以下まで減少させることが好適である。
た、本発明にかかる機能性成分の抽出方法は、前記杜仲葉緑色乾燥品の製造方法により得られる杜仲葉緑色乾燥品から、イリドイド化合物及び/又はポリフェノール化合物を抽出することを特徴とするものである。
本発明の製造方法によれば、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させ、且つ葉の温度が50〜80℃となる条件下で乾燥処理を行なうことによって、特に鮮やかな緑色を有しつつ、イリドイド類やポリフェノール等の高機能成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品が得られる。
本発明にかかる杜仲葉緑色乾燥品の製造方法は、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させ、且つ赤外線非接触温度計により計測した葉の温度が50〜100℃となる条件下で杜仲生葉を乾燥処理することを特徴とするものである。
なお、従来の杜仲葉緑色乾燥品の製法としては、蒸煮加熱により酵素を失活させて発酵の進行を抑えることで、緑色を保持し、酵素による分解反応を抑止して経時による劣化を防ぐことが行われているものの、イリドイド類、ポリフェノール類等の高機能成分は、熱劣化や蒸気による溶出・散逸で減少してしまうという問題があった。あるいは、杜仲茶葉を高温で乾燥処理して酵素を失活させる方法も行なわれているものの、高機能性成分の熱分解を生じてしまうため、必ずしもこれら高機能性成分が十分な含有量で保持されていたものとは言い難い。一方で、高機能性成分の熱劣化あるいは蒸気による溶出等を避けるため、比較的低温で乾燥処理を行なうことも考えられるものの、この場合、酵素の失活が十分でなく、加えて茶葉の乾燥に非常に長い時間を要してしまうという問題がある。
杜仲葉は、収穫後、放置すると次第に紫色を呈し、特に高湿度では紫色を呈しやすく、また葉脈部は濃い紫色に変色する。この原因は明らかではないが、例えば、クチナシ色素に見られるように、イリドイド類による天然色素の生成が考えられる。また、最近では、モクセイ科の植物イボタで、昆虫の食害によりイリドイド配糖体とグルコシダーゼが蛋白質変性に重要な役割をすることが報告されている。杜仲葉は傷ついた部分、歪や圧力がかかった部分から変色が進みやすいことからも、細胞小器官に含まれるグルコシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼなどの酵素が何らかの理由で、小胞体の外に散逸し、杜仲葉に含まれるイリドイド配糖体が蛋白質の架橋剤となり、蛋白質と結合して色素を生成している可能性が考えられる。ここで、これらの自己消化作用は含水条件下で生じるものと考えられるため、杜仲生葉の変色及びイリドイド化合物等の減少を防ぐためには、できるだけ速やかに葉中の水分を除去することによって、自己消化作用を生じないようにすることが重要であると考えられる。
これらのことから、本発明は、(1)葉温を必要以上の高温にすることなく乾燥すること、及び(2)乾燥工程において速やかに水分を除去することに着目して検討を行った。そして、本発明者らは、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させ、且つ葉の温度が50〜80℃となる条件下で杜仲生葉を乾燥処理することによって、従来酵素の失活には不十分と考えられていた50〜80℃の比較的低い温度条件においても、短時間で速やかに葉中の水分を除去することができ、この結果、鮮やかな緑色を保持し、且つイリドイド類やポリフェノール等の高機能性成分の減少を低く抑え、これらの高機能性成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品が得られることを見出した。
本発明の製造方法において、原料として使用する杜仲生葉は、収穫後乾燥前の杜仲葉を意味するものであり、栽培により生産されたものであっても天然より生産されたものであってもよい。例えば、当年葉で落葉前の生葉、例えば、4〜10月、好ましくは5〜8月、より好ましくは7〜8月に採取した生葉を用いることができる。
なお、原料杜仲生葉としては、収穫直後の杜仲生葉あるいは収穫後0〜5℃で冷蔵保管された杜仲生葉を用いることが好ましい。杜仲生葉は収穫後速やかに自己消化作用が生じるため、これに伴いイリドイド類やポリフェノール類等の高機能成分が減少してしまうのに対して、杜仲生葉を収穫後冷蔵保存することによって、これら高機能成分の減少を低く抑えることができる。
本発明の製造方法においては、原料杜仲生葉に対して、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させることによって乾燥処理を行なう。ここで、マイクロ波の周波数は、300MHz〜300GHz、高周波は1〜300MHzである。これらは、電解エネルギー→分子の振動回転→摩擦エネルギー→誘電体物質の温度上昇という流れで加熱される。なお、一般にマイクロ波は比較的断面サイズの小さいもの、形状の不定形のものの加熱に適しているとされる。
上記乾燥処理工程において、具体的には、マイクロ波又は高周波を1秒〜10分の周期で断続的に照射及び停止を繰り返すことにより、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させる。なお、マイクロ波又は高周波は間歇的に印加してもよく、あるいはマイクロ波を連続的に印加しつつ間歇的に遮蔽してもよい。また、マイクロ波又は高周波を照射する時間と照射を停止する時間は、同一であっても異なっていてもよく、装置の構成や処理量に応じて適宜調整すればよい。ここで、マイクロ波又は高周波を連続的あるいは非常に高い頻度の周期で杜仲葉に照射すると、葉温が必要以上に上昇してしまい、高機能成分の熱分解を招く恐れがある。なお、マイクロ波又は高周波の照射時間、非照射時間は必ずしも同一でなくてもよく、上記範囲内で適宜設定することができる。より好ましくは、上記乾燥処理工程において、1秒〜10分の周期で間歇的にマイクロ波又は高周波を照射及び停止する。
なお、杜仲の葉は30cm以上にも成長し、葉脈は5mm以上の太さにまでなる。このように大きな杜仲生葉の場合、乾燥工程において葉脈と葉の間で水分の蒸発に差が生じ、自己消化作用による葉脈の紫色化が進行する。これは、葉脈周辺では構造にストレスがかかり、葉脈の細胞が十分に水分を含有した状態で破壊されることによるものと考えられる。これにより、イリドイド等の有用成分が分解して含有量が減少し、加えて変色により緑色の精彩さも失われてしまう。また、特に葉脈には高機能性成分が多く含まれているため、葉脈の乾燥は極めて重要である。しかしながら、従来の乾燥方法では、5mm以上の太さになる葉脈部分を速やかに乾燥することは非常に困難である。これに対して、本発明ではマイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させることによって乾燥処理を行なうことによって、葉脈中の水分も速やかに除去することができるため、自己消化作用による茶葉の変色を低く抑えることができる。
また、上記乾燥処理工程においては、予め裁断した杜仲生葉を用いても構わないが、裁断せずに適採した杜仲生葉そのままの形状で乾燥させることがより望ましい。杜仲生葉を裁断することで、急速に乾燥を進めることができるものの、裁断箇所から自己消化作用が進行し、イリドイド類の有用成分が分解してしまうとともに、変色により鮮やかな緑色が得られなくなる場合がある。一方で、裁断をせずに杜仲生葉そのままの形状で乾燥すると、従来の乾燥方法では、特に葉脈を完全に乾燥させるために非常に長時間を要する。しかしながら、本発明においては、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させる用いることによって、杜仲生葉そのままの形状であっても、速やかに葉脈中の水分を除去することができる。また、例えば、杜仲生葉そのままの形状で葉中水分が10%以下程度になるまで乾燥した後、一旦乾燥機から葉を取り出して裁断し、続けて最終乾燥を行うことで、乾燥処理工程にかかる時間を短縮することもできる。
また、上記乾燥処理工程において、圧力1000Pa以下の減圧雰囲気下及び/又は湿度40%以下の乾燥雰囲気下でマイクロ波加熱又は高周波加熱を行うことが望ましい。杜仲生葉にはもともと水分がふくまれているため、常湿あるいは高湿下で加熱すると葉温が著しく上昇し、イリドイド類やポリフェノール類といった高機能成分の熱分解を生じたり、また、蒸気による溶出・散逸による減少を招く恐れがある。これに対して、減圧雰囲気下あるいは乾燥雰囲気下で加熱を行うことで、葉温を必要以上に上昇させることなく乾燥処理を行なうことができる。ここで、圧力500Pa以下の減圧雰囲気下及び/又は湿度40%以下の乾燥雰囲気下でマイクロ波加熱又は高周波加熱を行うことが特に好ましい。
また、上記乾燥処理工程において、杜仲生葉は、赤外線非接触温度計により計測した葉の温度が50〜80℃となるように上記加熱条件を制御する必要がある。葉温50℃未満未満では乾燥に時間がかかりすぎ、自己消化作用が促進されて、変色あるいは高機能性成分の劣化を生じる。一方で80℃を超えると高機能成分が熱分解を生じ、製品中の高機能成分の含有量は減少してしまう。なお、加熱処理時の葉温は、上記したマイクロ波又は高周波の照射頻度等を変化させることによって適宜調節することができる。なお、上記乾燥処理工程中の葉の温度は、さらに好ましくは50〜70℃である。
なお、杜仲葉の乾燥処理工程は、通常、葉中の水分量が約5%程度になるまで行う必要があるが、その全ての乾燥処理を上記したマイクロ波又は高周波加熱乾燥によって行ってもよく、あるいは部分的に他の乾燥処理方法を用いても構わない。例えば、上記マイクロ波又は高周波加熱乾燥の後に、100℃以下の加熱送風によって乾燥処理を行なうことができる。ここで、葉温を必要以上に上昇させないため、加熱送風の温度は100℃以下、より好ましくは50〜80℃、さらに好ましくは50〜70℃の範囲で行う。
また、以上のように他の乾燥処理を併用する場合には、処理工程全体にわたって、杜仲葉を湿度50%以下、葉温100℃以下の条件下に保持することが望ましい。杜仲葉が、湿度50%を超える高湿度下及び/又は葉温100℃を超える高温下に置かれることで、イリドイド類、ポリフェノール類等の高機能成分の急激な減少が生じる場合がある。なお、葉の温度は、前記同様、より好ましくは50〜80℃であり、さらに好ましくは50〜70℃である。
ここで、乾燥処理においては、工程の最初期段階において、乾燥処理開始後30分以内に杜仲葉中の水分量を30%以下まで減少させることが好ましい。すなわち、本発明は、50〜100℃程度の比較的低い乾燥温度で、極めて速やかに葉中の水分を除去することによって、自己消化反応による杜仲生葉の変色及びイリドイド化合物等の減少を低く抑えることを可能とするものである。このため、乾燥処理工程において葉中水分の除去速度が遅くなると、水分除去に要する時間に応じて自己消化反応が徐々に進行し、変色及びイリドイド化合物の減少を招くことになる。特に50〜100℃の温度条件においては、むしろ自己消化反応が促進されるため、葉中水分を速やかに除去することが非常に重要となる。なお、乾燥処理速度は、乾燥機の大きさや杜仲葉の処理量によっても異なり、より具体的には、一度に0〜2.5kgの杜仲茶葉を処理する場合には、10分以内に葉中水分量を30%以下、一度に2.5〜5kgの杜仲茶葉を処理する場合には、20分以内に葉中水分量を30%以下とすることが望ましい。
以上のようにして得られる杜仲葉緑色乾燥品においては、特に乾燥処理工程中におけるイリドイド類の減少を低く抑えられるため、イリドイド類含有量が飛躍的に向上している。杜仲葉中に含まれるイリドイド類の含有量は、杜仲木の個体差、収穫時期等によって異なるが、本発明により得られる杜仲葉緑色乾燥品においては、イリドイド化合物の含有量が、原料として使用する収穫直後の杜仲生葉に含まれているイリドイド化合物の含有量(乾燥重量換算)の70質量%以上である。
なお、イリドイド化合物とは、その構造中に1−イソプロピル−2,3−ジメチルシクロペンタンを有する化合物として知られているものである。本発明により得られた杜仲葉緑色乾燥品に含まれるイリドイド化合物はゲニポシド酸及びアスペルロシドであり、該乾燥品中に該イリドイド化合物を5質量%以上含有している。
また、ポリフェノール化合物とは、その構造中にフェノール性水酸基を複数有する化合物として知られているものである。本発明により得られた杜仲葉緑色乾燥品に含まれるポリフェノール化合物はクロロゲン酸、又はルチン、クエルセチン、ニコチフロリン及びケンフェロール等のフラボノイド類であり、該乾燥品中に該ポリフェノール化合物を3質量%以上含有している。特に本発明の製造方法によれば、従来の方法ではあまり含有させることのできなかったクロロゲン酸、フラボノイド類の含有量を向上させることが可能である。
また、本発明の製造方法により得られる杜仲葉緑色乾燥品は、イリドイド化合物及びポリフェノール化合物が高濃度で含有しているため、一旦杜仲葉乾燥品として処理した後、これらの高機能成分を抽出する抽出方法としても有用である。
以下、実施例の記載に基づいて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
杜仲生葉2kgを、収穫後直射日光をさけて4℃の冷蔵庫で10日間保管した後、裁断することなくそのままの形で、減圧下(0.1Torr=13.3Pa)、葉の表面温度60℃(非接触式赤外線温度センサーで測定)になるようマイクロ波加熱(出力:0.3kW、5分間周期→0.5kW、2分間周期)により、約2時間乾燥をおこなった。乾燥後の葉の含水分量は5%以下であった。
実施例2
杜仲生葉2kgを、収穫後直射日光をさけて4℃の冷蔵庫で3日間保管した後、シュレッダーカッターにより短辺2cmの短冊状に裁断した。裁断した生葉を減圧下(0.1Torr)、葉の表面温度60℃(非接触式赤外線温度センサーで測定)になるようマイクロ波加熱(出力:0.3kW、5分間周期)により約2時間乾燥をおこなった。乾燥後の葉の含水分量は5%以下であった。
実施例3
杜仲生葉2kgを収獲後、4℃の冷蔵庫で12時間保管した後、裁断することなく生葉そのままの形で、減圧下(0.1Torr)、葉の表面温度70℃(非接触式赤外線温度センサーで測定)になるようマイクロ波加熱(出力:0.3kW、3分間周期→0.5kW、2分間周期)により約2時間乾燥をおこなった。乾燥後の葉の含水量は5%以下であった。
実施例4
杜仲生葉2kgを収穫後、裁断することなく生葉そのままの形で、減圧下(0.1Torr)、葉の表面温度60℃(非接触式赤外線温度センサーで測定)になるようマイクロ波加熱(出力:0.3kW、3分間周期)により約1時間乾燥を行なった。その後、釜の温度を180℃に設定し、送風を行ないながら、回転数15回転、釜内の54〜64℃、湿度13%となるように調整し、20分間釜煎りをおこなった。このときの葉の表面温度は60℃であった。乾燥後の葉の含水量は5%であった。
比較例1
杜仲生葉2kgを、そのまま250℃に熱した釜に入れ、回転数15回転で、送風を行なわずに15分間釜煎りをおこなった。このときの葉の表面温度(非接触式赤外線温度センサーで測定)は110℃であり、また、乾燥機中の湿度は100%であった。その後、再乾燥機にて50〜60℃の温風により40分乾燥し、さらに棚乾燥機にて100℃で60分乾燥した。乾燥後の葉の含水量は5%以下であった。得られた乾燥葉はジェットミルで粉砕した。
比較例2
杜仲生葉2kgを、シュレッダーカッターにより短辺2cmの短冊状に裁断した後、蒸煮機に投入し、97〜98℃で3分間蒸煮した。その後、強制的に室温まで冷却した後、100℃の温風により乾燥した。乾燥後の葉の含水量は5%以下であった。乾燥葉はジェットミルで粉砕した。
比較例3
杜仲生葉2kgを、収穫後直射日光をさけて4℃の冷蔵庫で3日間保管した後、シュレッダーカッターにより短辺2cmの短冊状に裁断した。裁断した生葉にマイクロ波(出力:0.3kW)を連続的に照射し、含水分量5%以下になるまで、約1時間乾燥をおこなった。
以上のようにして得られた実施例1〜4及び比較例1〜3の杜仲茶葉緑色乾燥品について、イリドイド類及びポリフェノール類の含有量をHPLC(エタノール抽出)により測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 0004846838
上記表1に示されるように、減圧下、2〜5分間の周期でマイクロ波加熱を間歇的に作用させ乾燥処理することによって得られた実施例1〜4の杜仲茶葉緑色乾燥品は、イリドイド類を7〜15%と非常に多く含有していることがわかった。なお、10日間冷蔵保存後の杜仲生葉を使用した実施例1ではイリドイド類の含有量は若干7%程度であったものの、3日冷蔵保存後あるいは収穫直後の杜仲生葉を使用した実施例2〜4では、イリドイド類の含有量は12〜15%と飛躍的に向上していた。また、これら実施例1〜4の杜仲葉緑色乾燥品は、いずれもクロロゲン酸、フラボノイド類といったポリフェノ−ル類も高濃度で含有しているものであった。
これに対して、釜煎り機を使用し、送風をせずに葉の表面温度110℃(湿度100%)の条件で乾燥処理を行なった比較例1では、イリドイド類の含有量は2.1%と少なく、ポリフェノール類の含有量も全体的に少なかった。また、従来の蒸煮加熱処理工程を経て乾燥処理を行なった比較例2においては、特にイリドイド類が1%と著しく減少しており、ポリフェノール類の含有量も非常に少ないものであった。さらに、マイクロ波加熱を連続的に約1時間程度行った比較例3では、マイクロ波を間歇的に作用させた実施例1〜4と比較して、イリドイド類は2.0%と少なく、また、ポリフェノール類の含有量も減少していた。

Claims (8)

  1. 収穫直後の杜仲生葉あるいは収穫後0〜5℃で冷蔵保管された杜仲生葉に対し、他の加熱処理を経ることなく、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させ、且つ赤外線非接触温度計により計測した葉の温度が50〜80℃となる条件下で乾燥処理することを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の杜仲葉緑色乾燥品の製造方法において、マイクロ波又は高周波を1秒〜10分の周期で断続的に照射及び停止を繰り返すことにより、マイクロ波加熱又は高周波加熱を間歇的に作用させることを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の杜仲緑色乾燥品の製造方法において、予め裁断することなく適採したそのままの形状の杜仲生葉を乾燥処理することを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の杜仲緑色乾燥品の製造方法において、圧力1000Pa以下の減圧雰囲気下及び/又は湿度40%以下の乾燥雰囲気下でマイクロ波加熱又は高周波加熱を行うことを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の杜仲葉緑色乾燥品の製造方法において、マイクロ波加熱又は高周波加熱乾燥の後に、100℃以下の加熱送風により乾燥処理することを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の杜仲葉緑色乾燥品の製造方法において、処理工程全体にわたって、杜仲葉を湿度50%以下、葉温100℃以下の条件下に保持することを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の杜仲葉緑色乾燥品の製造方法において、乾燥処理開始後30分以内に杜仲葉中の水分量を30%以下まで減少させることを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の杜仲葉緑色乾燥品の製造方法により得られる杜仲葉緑色乾燥品から、イリドイド化合物及び/又はポリフェノール化合物を抽出することを特徴とする機能性成分の抽出方法。
JP2009279544A 2008-12-10 2009-12-09 杜仲葉緑色乾燥品の製造方法 Expired - Fee Related JP4846838B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009279544A JP4846838B2 (ja) 2008-12-10 2009-12-09 杜仲葉緑色乾燥品の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008314989 2008-12-10
JP2008314989 2008-12-10
JP2009279544A JP4846838B2 (ja) 2008-12-10 2009-12-09 杜仲葉緑色乾燥品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010158239A JP2010158239A (ja) 2010-07-22
JP4846838B2 true JP4846838B2 (ja) 2011-12-28

Family

ID=42575894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009279544A Expired - Fee Related JP4846838B2 (ja) 2008-12-10 2009-12-09 杜仲葉緑色乾燥品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4846838B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5323003B2 (ja) * 2010-06-01 2013-10-23 有限会社 碧山園 杜仲葉緑色乾燥品の製造方法
JPWO2013035832A1 (ja) * 2011-09-07 2015-03-23 有限会社 碧山園 杜仲葉の緑色乾燥品の製造方法
CN103940942B (zh) * 2014-05-08 2016-09-28 江西天施康中药股份有限公司 一种肠炎宁制剂的检测方法
JP6789613B2 (ja) * 2015-02-25 2020-11-25 小林製薬株式会社 経口組成物
JP7370123B2 (ja) * 2018-02-27 2023-10-27 四国計測工業株式会社 生の植物の特有の機能性成分を増加させるマイクロ波照射方法およびそのための装置
CN111685209A (zh) * 2020-07-08 2020-09-22 河南金杜仲农业科技有限公司 一种高压co2环境下发酵杜仲红茶的方法
CN116196346B (zh) * 2022-12-15 2024-01-26 吉首大学 一种杜仲皮、叶总活性成分提取方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010158239A (ja) 2010-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4846838B2 (ja) 杜仲葉緑色乾燥品の製造方法
WO2007039049A1 (en) Tea process
CN101785496A (zh) 秋白梨冻干食品加工方法
CN104839394B (zh) 一种加工茶树花的方法
Singh et al. Processing technology and health benefits of green tea
CN107372794A (zh) 一种水果的干燥方法
JP5014320B2 (ja) 杜仲葉緑色乾燥粉末
RU2736112C1 (ru) Способ обработки сухого черного чая
CN110432457B (zh) 黑柿子干脆片及加工技术
CN104770465B (zh) 一种荠菜的干制方法
JP5323003B2 (ja) 杜仲葉緑色乾燥品の製造方法
KR100826962B1 (ko) 두충나무 잎 가공방법 및 두충나무 수피 가공방법
WO2013035832A1 (ja) 杜仲葉の緑色乾燥品の製造方法
CN1385099A (zh) 香蕉深加工中的防褐变技术
JP7080719B2 (ja) りんご果実粉末の製造方法
KR102001844B1 (ko) 황기 맛간장 제조방법
CN110881548A (zh) 一种冻干蒲公英茶的制备方法
JP3084358B2 (ja) 杜仲葉茶葉及びその製造方法
CN107197995B (zh) 一种多穗柯颗粒的加工方法
CN107041524A (zh) 一种完整型去青涩味脱水黄瓜及其制备方法
KR102398767B1 (ko) 도라지를 이용한 음료용 분말의 제조방법 및 이를 사용한 음료
KR100522913B1 (ko) 홍 피부 직삼의 제조방법
KR101426749B1 (ko) 헛개나무 잎 차의 제조방법 및 이의 제조방법에 의해 제조된 헛개나무 잎 차
CN106721937A (zh) 一种除去表面蜡质后完整脱水的风味蒜子及其制备方法
KR20180040533A (ko) 침출능이 향상된 침출차 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100514

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110920

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111012

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees