JP4846206B2 - 艶消しフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、良好な製膜安定性を有し、且つ艶消し性に優れたポリ乳酸系樹脂フィルムまたはシートに関する。更には、艶消し調(マットタイプ)の熱収縮性又は熱非収縮性のフィルムまたはシートおよびこれらを他素材と積層して得られる、包装用資材、育成ハウスやマルチフィルム等の農業用資材、光沢を抑えて高級で落ち着いた外観を呈する壁紙、スクリーン、室内装飾品、日用品、封筒、ファイルケース、カバー加工品等の学用品、文具、手帳、紙製品および紙容器などに関する。
一般に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の様な樹脂材料を用いた、透明で光沢のある延伸フィルムが包装材料として幅広く使用されている。その一方で、迷光を嫌う壁紙やスクリーン、封筒や文具用各種ファイル等に従来から用いられている光沢を抑えた艶消しフィルム又はシートが、包装業界においても商品の魅力や購買意欲を高める効果があると云われ、要求されてきている。
艶消し性フィルム又はシートに関しては、例えば、特許文献1(特許第3172559号公報)には無機フィラーを1重量%以上含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる光沢度60%以下の壁紙用艶消しフィルム、特許文献2(特開2002−200724号公報)には特定粒径の無機又は有機粒子などの不活性粒子を1重量%以上含有する光沢度35%以下で曇り度80%以下の包装用艶消し二軸延伸ポリエステルフィルム、特許文献3(特許第3175306号公報)にはアニ−リングされた光沢度30%以下で曇り度18%以下の艶消しポリプロピレンフィルムが開示されている。
しかしながら、これの樹脂材料の廃棄に関わる自然環境保護の観点から、燃焼熱量が低く、土壌中で分解し、且つ安全であるものが望まれ、ポリ乳酸系樹脂などの脂肪族ポリエステル等の生分解性樹脂を用いた製品、具体的にはフィルム・シートやボトルなどの容器や成形物、繊維、不織布、発泡体、それらを用いた複合材料等の研究が活発に行われているが、ポリ乳酸系樹脂からなる艶消し性に優れた生分解性フィルム又はシートは未だ得られていない。
ポリ乳酸系樹脂は、光学活性中心を有する乳酸の重縮合体であって、ポリマーを構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸単量体単位の構成比率から下記式により計算される光学純度(OP:単位%)を有する。
OP=|[L]−[D]| ,但し、[L]+[D]=100
(ここで、[L]はポリ乳酸系樹脂を構成するL−乳酸の重量%、[D]はポリ乳酸系樹脂を構成するD−乳酸の重量%、||は計算値の絶対値を表す。)
光学純度が80%以上と高いものは結晶性、光学純度が80%未満と低いものは非晶性となる性質を持ち、他の生分解性樹脂に比べて、曇り度(ASTM−D1003−95に準拠)が低く透明性の良好で、光沢度(ASTM−D2457−70に準拠:45度)が130%以上、引張弾性率(ASTM−D882−95aに準拠)が約2〜5GPaと透明性と光沢性と剛性に優れている一方で、ガラス転位温度Tgは約60℃で、他の生分解性樹脂に比べて特別に高いことから、室温(23℃)では脆性であり、艶消し性に劣る性質を持つ。
従来、ポリ乳酸系樹脂が本来有する脆性のために、包装体輸送時に要求される耐衝撃性が劣る欠点を有することから、耐衝撃性の優れるガラス転位温度Tgの低い(10℃以下の)生分解性ポリエステルを混合させる事により耐衝撃性を改善する試みが成されているが、艶消し性を改善する試みは成されていない。ここでいう生分解性ポリエステルとは、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを主成分として重縮合した脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル、菌体内で生合成される脂肪族ポリエステル等の結晶性樹脂であって、その結晶融点は60〜170℃の範囲内でガラス転位温度は室温(23℃)以下にあり、室温ではゴム状態で耐衝撃性がある一方で、ポリ乳酸系樹脂より透明性に劣る性質を持つ。
ポリ乳酸系樹脂とガラス転位温度Tgが0℃以下の生分解性ポリエステルの混合物を主体としてなるポリ乳酸系樹脂からなるポリ乳酸系延伸フィルム又はシートに関しては、例えば、特許文献4(特許第3138196号公報)等に開示されているが、いずれも耐衝撃性は改善されているが、実用レベルの艶消し性を達成しているとは言えず問題がある。
ポリ乳酸系樹脂と不活性粒子の混合物を主体としてなるポリ乳酸系樹脂からなるポリ乳酸系延伸フィルム及びシートに関しては、例えば、特許文献5(特開2001−49003号公報)には平均粒径0.6μmの炭酸カルシウム20重量%又はポリスチレン樹脂15重量%と酸化チタン5重量%(いずれも不活性粒子として20重量%)含有するポリ乳酸延伸フィルムが開示されているが、艶消し性の向上に関する開示が無い上に、更には不活性粒子が1重量%以上含有されていることから、生分解時や廃棄燃焼時に不活性粒子による残渣となる量が多くなる為、廃棄に関わる問題が未だある。
殊に、ポリ乳酸系樹脂が主成分(75重量%以上)のポリ乳酸系樹脂からなる延伸フィルムの開示ではないが、特許文献6(特表平8−502552号公報)、特許文献7(特許第2742892号公報)、特許文献8(特許第3008071号公報)、特許文献9(特許第3055001号公報)、特許文献10(特許第3154056号公報)、特許文献11(特許第2939586号公報)には、澱粉エステル、澱粉エーテル、ポリエステルグラフト重合澱粉の群より選ばれる少なくとも1種の澱粉誘導体を主体(50重量%以上)としたポリ乳酸系樹脂を含む生分解性ポリエステルとの混合物である化学変性澱粉系生分解樹脂からなる生分解性フィルムが開示されており、澱粉誘導体を主体としたときにポリ乳酸重合体を含む生分解性ポリエステルとの相溶性が良く透明性の優れたフィルムが得られる事が開示されているが、良好な艶消し性を達成したフィルムについては全く開示されていない。
また、一般に主要成分となる樹脂との相容性の悪い第二の樹脂をブレンドした場合には、第二の樹脂は不均一な混合状態になり、得られるブレンド物は不透明で、ある程度の艶消し性を有する事があるが、この様なブレンド状態の樹脂はフィルム又はシート状に成形した場合には、脆くて製膜安定性に劣り、安定してフィルム又はシートを得ることは難しい場合が多く、特に薄いフィルムは得られ難くなる場合が多い。
特許第3172559号公報 特開2002−200724号公報 特許第3175306号公報 特許第3138196号公報 特開2001−49003号公報 特表平8−502552号公報 特許第2742892号公報 特許第3008071号公報 特許第3055001号公報 特許第3154056号公報 特許第2939586号公報
本発明は、良好な製膜安定性を有し且つ艶消し性に優れたポリ乳酸系樹脂フィルム又はシートを提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、ポリ乳酸系樹脂(A)と化学変性澱粉(B)と可塑剤(C)との特定の比率の混合物とする事で良好な製膜安定性と艶消し性を有するフィルム又はシートとなることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記の通りである。
1)ポリ乳酸系樹脂(A)67〜89重量%、化学変性澱粉(B)8〜22重量%および可塑剤(C)3〜11重量%との混合物からなり、化学変性澱粉(B)が、澱粉エステル、澱粉エーテル、ポリエステルグラフト重合澱粉の群より選ばれる少なくとも1種の澱粉誘導体(b)を40重量%以上含む澱粉誘導体混合物であり、澱粉誘導体(b)のガラス転移温度Tgが100〜170℃であり、可塑剤(C)が炭素数7個以下の脂肪族カルボン酸と炭素数7個以下の脂肪族ヒドロキシカルボン酸と炭素数7個以下の脂肪族アルコールの群より選ばれる2種以上の組合せから合成されたエステルであることを特徴とする単層の艶消しフィルムまたはシート。
2)ASTM−D2457−70に準拠して測定した、少なくとも片面の表面光沢度(Gloss:45度)が20%以下であることを特徴とする1)に記載の単層の艶消しフィルムまたはシート。
3)フィルムまたはシート中においてポリ乳酸系樹脂(A)がマトリックスで化学変性澱粉(B)がドメインを形成するミクロ層分離構造をとり、フィルムまたはシートの幅方向に切った断面(TD断面と呼ぶ)において該化学変性澱粉(B)のドメイン全体の内、断面積の大きい方から数えて20%以内のドメインの断面積の平均値が20000nm(平方ナノメートル)以上であることを特徴とする1)または2)に記載の艶消しフィルムまたはシート。
4)2)または3)に記載の艶消しフィルムまたはシートを、表面光沢度20%以下の面が少なくとも1外表面になる様に積層されたことを特徴とする多層の艶消しフィルムまたはシート。
)1)〜4)のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートからなる包装用資材。
)1)〜4)のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートからなる農業用資材。
)1)〜4)のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートを表面に積層してなる壁紙。
)1)〜4)のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートを表面に積層してなるスクリーン。
)1)〜4)のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートを表面に積層してなる室内装飾品。
10)1)〜4)のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートを表面に積層してなる日用品、学用品、文具、または手帳。
11)1)〜4)のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートを表面に積層してなる紙製品または紙容器。
本発明の艶消しフィルムまたはシートは、ポリ乳酸系樹脂と化学変性澱粉と可塑剤からなり、主要成分であるポリ乳酸系樹脂と化学変性澱粉とが生分解性を有するため使用後に廃棄する際にも自然環境保護の観点から有利であり、且つ良好な製膜安定性を有し、単独かまたは他素材と積層して用いられ、包装用資材や農業用資材に艶消し性を付与する効果、また、壁紙、スクリーン、室内装飾品、日用品、学用品、文具、手帳、紙製品および紙容器等に光沢を抑えて高級で落ち着いた外観を付与する効果がある。
以下、本発明について、特にその好ましい態様を中心に、具体的に説明する。
本発明の艶消しフィルム又はシートは、最終的に微生物によって分解されるポリ乳酸系樹脂(A)と化学変性澱粉(B)と可塑剤(C)との混合物を主体とする。本発明の艶消しフィルム又はシートを得るためには、ポリ乳酸系樹脂(A)と化学変性澱粉(B)と可塑剤(C)の混合物の重量割合(合計100%)は、ポリ乳酸系樹脂(A)が55〜97重量%、化学変性澱粉(B)が2〜30重量%、可塑剤(C)が1〜15重量%の範囲内である事が必要である。好ましくは、ポリ乳酸系樹脂(A)が63〜94重量%、化学変性澱粉(B)が4〜25重量%、可塑剤(C)が2〜12重量%の範囲内であり、更に好ましくは、ポリ乳酸系樹脂(A)が67〜89重量%、化学変性澱粉(B)が8〜22重量%、可塑剤(C)が3〜11重量%の範囲内であり、特に好ましくは、ポリ乳酸系樹脂(A)が70〜86重量%、化学変性澱粉(B)が9〜20重量%、可塑剤(C)が4〜10重量%の範囲内である。ポリ乳酸系樹脂(A)の割合が55重量%未満では得られるフィルム又はシートの機械物性が劣り、フィルム又はシートが脆くなり製膜安定性が低下する傾向にあり、97重量%を超えると化学変性澱粉(B)が2〜30重量%、可塑剤(C)が1〜15重量%の範囲内の組成は得られなくなる。また、化学変性澱粉(B)が2重量%未満では艶消し性が劣り、ASTM−D2457−70に準拠して測定した表面光沢度(グロス:45度)が60%を超えるフィルムとなり、化学変性澱粉(B)が30重量%を超えるとフィルムが脆くなり安定して製膜出来ない傾向にある。また、可塑剤(C)が1重量%未満になると、フィルム又はシートの柔軟性が低下して、エンボス加工等の凹凸のあるラミ品を生産する際にフィルム又はシートが凹凸に追随せずに凹凸転写性が悪くなる傾向、基材との密着性が悪くなる傾向および艶消し性が劣る傾向があり、可塑剤(C)が15重量%を超えるとフィルム又はシート表面が軟化し過ぎて製膜後のフィルム又はシートがブロッキングを起こし易くなる。
本発明で用いられるポリ乳酸系樹脂(A)とは、ポリ乳酸単独重合体および乳酸単量体単位を50重量%以上含有する共重合体であって、ポリ乳酸単独重合体および乳酸と他のヒドロキシカルボン酸およびラクトン類からなる群より選ばれる化合物との共重合体である。乳酸単量体単位の含有量が50重量%未満の場合、フィルムの耐熱性および透明性が低下する傾向にある。好ましくはポリ乳酸単独重合体および乳酸単量体単位を80重量%以上含む共重合体又はそれら共重合体の混合物であり、さらに好ましくは、ポリ乳酸単独重合体および乳酸単量体単位を90重量%以上含む共重合体又はそれら共重合体の混合物である。
乳酸には光学異性体として、L−乳酸とD−乳酸が存在し、それらが重合してできるポリ乳酸には、D−乳酸単位が約10%以下でL−乳酸単位が約90%以上、又はL−乳酸単位が約10%以下でD−乳酸単位が約90%以上であるポリ乳酸で、光学純度が約80%以上の結晶性ポリ乳酸と、D−乳酸単位が10%〜90%でL−乳酸単位が90%〜10%であるポリ乳酸で、光学純度が約80%以下の非晶性ポリ乳酸とがあることが知られている。本発明で用いるポリ乳酸系樹脂(A)は特に好ましくは、光学純度が85%以上の結晶性ポリ乳酸単独、又は光学純度が85%以上の結晶性ポリ乳酸と光学純度が80%以下の非晶性ポリ乳酸とからなる混合物である。
乳酸との共重合成分として用いられる単量体として、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。また、脂肪族環状エステルとしては、グリコリド、ラクチド、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンおよびこれらにメチル基などの種々の基が置換したラクトン類が挙げられる。また、ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等、多価アルコールとしては、ビスフェノール/エチレンオキサイド付加反応物などの芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリ乳酸系樹脂(A)の重合方法としては、縮合重合法、開環重合法などの公知の方法を採用できる。また、ポリイソシアネート、ポリエポキシ化合物、酸無水物、多官能酸塩化物などの結合剤を使用して分子量を増大する方法を用いることもできる。
ポリ乳酸系樹脂(A)の重量平均分子量は10000〜1000000の範囲が好ましい。分子量が10000未満ではフィルムの機械的物性が不十分となる傾向があり、1000000を超えると溶融粘度が高くなり、通常の加工機械では物性の安定したフィルムが得られにくい。
本発明で用いられる化学変性澱粉(B)とは、破壊化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、またはポリエステルグラフト重合澱粉の群より選ばれる少なくとも1種の澱粉誘導体(b)を含む澱粉誘導体混合物であり、好ましくは澱粉エステル、澱粉エーテル、ポリエステルグラフト重合澱粉の群より選ばれる少なくとも1種の澱粉誘導体(b)を40重量%以上含む澱粉誘導体混合物であり、更に好ましくは澱粉エステル、澱粉エーテル、ポリエステルグラフト重合澱粉の群より選ばれる少なくとも1種の澱粉誘導体(b)を60重量%以上含む澱粉誘導体混合物であり、特に好ましくは澱粉エステル、澱粉エーテル、ポリエステルグラフト重合澱粉の群より選ばれる少なくとも1種の澱粉誘導体(b)である。
本発明で用いられる化学変性澱粉(B)において、澱粉誘導体(b)の押出加工性および成形性を改良する目的、および得られた成形品の強度、伸び、柔軟性などの物性を改良する目的で澱粉誘導体(b)と混合される樹脂としては、特に限定は無いが、澱粉誘導体(b)の押出加工性を改良するという点で熱可塑性の樹脂が好ましく、また、柔軟性を付与する意味ではガラス転移温度Tgが10℃以下の樹脂が好ましく、ポリ乳酸系樹脂(A)、および澱粉誘導体(b)の生分解性を有効活用する点では生分解性の樹脂が好ましい。澱粉誘導体(b)に混合されて澱粉誘導体混合物を形成する樹脂として、より好ましいものは、ガラス転位温度Tgが10℃以下の生分解性ポリエステル(d)である。
該澱粉誘導体(b)は、アミロース(線状重合体)とアミロペクチン(分岐状重合体)の混合物である多様な種類の澱粉[分子式(C6105n ]、例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカ澱粉、米澱粉、小麦澱粉、カッサバ澱粉等から誘導される。破壊化澱粉は、多様な可塑剤又は水の存在下で80〜210℃程度の高温下の熱処理と剪断条件のもとで成分が吸熱転移を受けて澱粉顆粒の分子の乱れを起こすことによって得られる。また、澱粉エステル、澱粉エーテル、またはポリエステルグラフト重合澱粉は、破壊化澱粉、多様な酸無水物、有機酸、酸塩化物、ケテン、又は他のエステル化・エーテル化試薬を用いて調製されたものであり、該澱粉エステルとしては、高置換度エステル化澱粉、エステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉、エステル化ポリエステルグラフト重合澱粉が挙げられ、該澱粉エーテルとしては、高置換度エーテル化澱粉、エーテル化ビニルエステルグラフト重合澱粉、エーテル化ポリエステルグラフト重合澱粉が挙げられ、熱可塑性のものである。
本発明で用いられる澱粉誘導体(b)として特に好ましく用いられるものとしては、例えば、特表平8−507101号公報や特許第3154056号公報に開示されている様な飽和・不飽和脂肪酸類や芳香族カルボン酸類を用いて炭素数2〜24の炭化水素含有基(アシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルキレン基、アリール基等)により澱粉分子上の反応性水酸基の水素が置換(エステル化)された置換度が0.4〜2.5DSの高置換度エステル化澱粉、特表平8−507101号公報に開示されている様な炭素数2〜18の飽和・不飽和脂肪酸類や芳香族カルボン酸類によるエステル化と伴にこれらのポリビニルエステルがグラフト化されたエステル化置換度が0.1〜2.8DSでグラフト化率が50重量%以下のエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉、登録特許第2742892号公報に開示されている様な炭素数2〜18の飽和・不飽和脂肪酸類や芳香族カルボン酸類によるエステル化とともに環員数4〜12のラクトン開環重合体の末端水酸基が略エステル封鎖されたポリエステルがグラフト化されたエステル化置換度が0.1〜3.0MSでグラフト化分子置換度が0.1〜20MSのエステル化ポリエステルグラフト重合澱粉等が挙げられ、上記の内で比較的に押出加工性が良いとされている。
ここで、DS値とは、澱粉誘導体のエステル化・エーテル化度を示し、澱粉誘導体の反応性水酸基(3個:2,3,6(又は4)位)のグルコース残基1個当りの置換水酸基(グラフト化末端水酸基を含む)の数(平均値)である(DS=3のとき反応性水酸基の封鎖率(置換割合)は100%となる)。MS値とは、式{(グラフト化ラクトン重量)/ラクトン分子量/(仕込み澱粉重量/澱粉分子量)}で表される値である。
本発明に用いられる澱粉誘導体(b)のガラス転移温度Tgは、好ましくは100〜170℃であり、より好ましくは110〜150℃であり、特に好ましくは115〜140℃の範囲である。用いられる澱粉誘導体(b)のガラス転移温度Tgが100℃未満では艶消し効果が減少する傾向にあり、Tgが170℃を超えると押出加工性が低下すること及び澱粉誘導体(b)の吸湿性が急増して良好なフィルムが得られ難い傾向にある。
本発明で好ましく用いられるガラス転移温度Tgが10℃以下である生分解性ポリエステル(d)とは、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを主成分として重縮合した脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル、菌体内で生合成されるポリ(ヒドロキシアルカン酸)などの脂肪族ポリエステル、およびこれらの生分解性ポリエステルの一部が生分解性を失わない範囲で芳香族化合物に置換された構造を持つ脂肪族芳香族ポリエステルから選ばれた少なくとも1種であり、示差走査熱量測定(JIS−K−7121)でのガラス転移温度Tgが好ましくは10℃以下、より好ましくは0℃以下、さらに好ましくは、−20℃以下の生分解性ポリエステル1種または2種以上からなるポリマー組成物である。生分解性ポリエステル(d)のTgが10℃を超えると得られるフィルムの柔軟性、加工性向上の効果を発現しない場合がある。
脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを主成分として重縮合した脂肪族ポリエステルとしては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸(生分解性を妨げない範囲で、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸を含んでも良い)と、エチレングリコール、1,3−プロピオングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂肪族ジオールの中からそれぞれ1種以上選んだ重縮合が例として挙げられる。環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステルとしては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状モノマーの中から1種以上選んだ開環重合体が例として挙げられる。合成系脂肪族ポリエステルとしては、無水コハク酸とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の環状酸無水物とオキシラン類の共重合体が例として挙げられる。
また、菌体内で生合成されるポリ(ヒドロキシアルカン酸)としては、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシプロピオン酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシ吉草酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシヘキサン酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシプロピオン酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−4−ヒドロキシ酪酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシオクタン酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシデカン酸)共重合体等が例として挙げられる。また、脂肪族芳香族ポリエステルとしては、ポリブチレンコハク酸フタル酸共重合体、ポリエチレンコハク酸フタル酸共重合体、ポリブチレンアジピン酸フタル酸共重合体、ポリエチレンアジピン酸フタル酸共重合体、ポリエチレングルタル酸テレフタル酸共重合体、ポリブチレングルタル酸テレフタル酸共重合体、ポリブチレンコハク酸アジピン酸フタル酸共重合体などが例として挙げられる。
本発明で好ましく用いられるガラス転移温度Tgが10℃以下の生分解性ポリエステル(d)として特に好ましく用いられるものは、上記の内で炭素数2個から10個の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2個から10個の脂肪族ジオールを主成分として重縮合した脂肪族ポリエステルであり、その具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキセンアジペート、ポリブチレングルタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート等が挙げられる。
生分解性ポリエステル(d)の重合方法としては、直接法、間接法などの公知の方法を採用できる。直接法では、例えば、脂肪族ジカルボン酸成分として上記ジカルボン酸化合物その酸無水物又は誘導体を選択し、脂肪族ジオール成分として上記ジオール化合物又はその誘導体を選択して重縮合を行う方法で、重縮合に際して発生する水分を除去しながら高分子量物を得ることができる。間接法では、直接法により重縮合されたオリゴマーに少量の鎖延長剤、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を添加して高分子量化して得ることができる。
生分解性ポリエステル(d)の重量平均分子量は、2万〜50万の範囲が好ましく、さらに好ましくは重量平均分子量5万〜25万の範囲である。分子量が2万より小さいと澱粉誘導体(b)とブレンドされて得られたフィルムにおいて機械的強度、衝撃強度等の実用物性が劣る場合があり、分子量が50万を越えると成形加工性に劣る場合がある。
本発明で用いられる可塑剤(C)としては、当業界で一般に用いられているものから選択使用でき、樹脂組成物に15重量%程度添加してもブリードアウトしないもの、人体に対して無害、安全な物質が好ましい。可塑剤の例としては、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、ヒドロキシ多価カルボン酸エステル、多価アルコールエステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、エポキシ系可塑剤などがある。より好ましい可塑剤としては、脂肪族二塩基酸エステル、ヒドロキシ多価カルボン酸エステル、多価アルコールエステル、脂肪酸エステル、エポキシ系可塑剤であり、更に好ましくは炭素数7個以下の脂肪族カルボン酸と炭素数7個以下の脂肪族ヒドロキシカルボン酸と炭素数7個以下の脂肪族アルコールの群より選ばれる2種以上の組合せからなるエステルであり、特に好ましくは、炭素数6個以下の脂肪族カルボン酸と炭素数6個以下の脂肪族ヒドロキシカルボン酸と炭素数6個以下の脂肪族アルコールの群より選ばれる2種以上の組合せからなるエステルである。
フタル酸エステルの例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなどがある。
脂肪族二塩基酸の例としてはコハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等がある。
ヒドロキシ多価カルボン酸エステルの例としては、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、クエン酸トリブチル等がある。
多価アルコールエステルの例としては、グリセリントリアセテート、グリセリントリブチレート、アセチル化モノグリセライド系可塑剤、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、ペンタエリスリトールエステル等がある。
脂肪酸エステルの例としては、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、塩素化脂肪酸メチル、アジピン酸エーテル・エステル等がある。
リン酸エステルの例としては、リン酸トリオクチル、リン酸トリクロロエチル等がある。エポキシ可塑剤の例としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル等がある。
本発明の艶消しフィルム又はシートは、光沢計(ASTM−D2457−70)で測定した、少なくとも片面の表面の光沢度(Gloss:45度)が60%以下である事が好ましい。より好ましくは、表面の光沢度(Gloss:45度)が30%以下のフィルム又はシートであり、更に好ましくは20%以下であり、特に好ましくは10%以下のフィルム又はシートである。光沢度が60%を超えるフィルム又はシートは艶消し性に劣るフィルム又はシートとなる。
加えて、本発明の艶消しフィルムまたはシート中においてポリ乳酸系樹脂(A)がマトリックスで化学変性澱粉(B)がドメインを形成するミクロ層分離構造をとり、フィルム又はシートの幅方向に切った断面(TD断面と呼ぶ)において該化学変性澱粉(B)のドメイン全体の内、断面積の大きい方から数えて20%以内のドメインの断面積の平均値が20000nm2(平方ナノメートル)以上であることが好ましい。更に好ましくは該化学変性澱粉(B)のドメイン全体の内、断面積の大きい方から数えて20%以内のドメインの断面積の平均値が30000nm2(平方ナノメートル)以上であり、特に好ましくは該化学変性澱粉(B)のドメインの全体の内、断面積の大きい方から数えて20%以内のドメインの断面積の平均値が40000nm2(平方ナノメートル)以上であるフィルムまたはシートである。
該化学変性澱粉(B)のドメイン全体の内、断面積の大きい方から数えて20%以内のドメインの断面積の平均値が20000nm2(平方ナノメートル)未満のフィルムまたはシートでは良好な艶消し性を有するフィルムまたはシートが得られ難い。フィルム又はシートのTD断面において該化学変性澱粉(B)のドメイン全体の内、断面積の大きい方から数えて20%以内のドメインの断面積の平均値を20000nm2(平方ナノメートル)以上にするには、該化学変性澱粉(B)の構造と組成により変化するため、限定はできないが使用される澱粉誘導体(b)のTgが高い方が平均断面積を大きくできる。
好ましいミクロ相分離構造の例としては、ポリ乳酸系樹脂(A)からなるマトリックス中で化学変性澱粉(B)からなる棒状または板状のドメインがフィルムMD方向(フィルムの長手方向)に長さが1〜20μm以上で幅が1〜3μm程度、厚さが50〜500nm程度の棒状または板状のドメインを形成している。ここで、板状のドメインとは平面板状のみでなく曲面状の板状ドメイン、3次元的にねじれた曲面板状ドメインおよびこれらが部分的に折れ曲がった形のものを含み、棒状ドメインとは直線状のみでなく、曲線状の棒状ドメイン、3次元的にねじれた曲線状の棒状ドメインおよびこれらの棒状ドメインが部分的に折れ曲がった形のものも含むものである。
後述の方法でフィルムのTD断面を電子顕微鏡写真で観察した場合、例えば図2のように楕円形または太い線状に見える黒い部分が化学変性澱粉(B)からなる板状ドメインは棒状ドメインのTD断面であり、これをとりまいた白い部分がポリ乳酸系樹脂(A)からなるマトリックスである。また、同一サンプルから得られたTD断面とフィルムの長手方向にフィルム表面に垂直に切った断面(MD断面と呼ぶ)の電子顕微鏡写真が図2と図3、および図5と図6示してあり、それらから化学変性澱粉(B)のドメインがポリ乳酸系樹脂(A)からなるマトリックス中で棒状または板状のドメインを形成していることが分かる。
本発明の艶消しフィルム又はシートは、平均粒径10μm以下の微粒子ポリマー(D)を、ポリ乳酸系樹脂(A)、化学変性澱粉(B)および可塑剤(C)の合計100重量%に対して、0.05重量%以上5重量%以下で含むことが好ましい。微粒子ポリマーを添加することで、フィルムまたはシートの疎水性、撥水性などの性能を向上し、また、フィルム又はシートの表面硬度を向上できるので好ましい。より好ましくは、平均粒径が5μm以下の微粒子ポリマーで、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、スチレン樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、酢酸セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂からなる群より選択された微粒子ポリマーを少なくとも1種含むことである。特に好ましくは、平均粒径が5μm以下の微粒子ポリマーで、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、スチレン樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、酢酸セルロース樹脂からなる群より選択された微粒子ポリマーを少なくとも1種含むことである。微粒子ポリマーの平均粒径が10μmを超えると薄いフィルムに欠陥が生じて製膜安定性が低下する傾向にある。また、微粒子ポリマー(D)の含量がポリ乳酸系樹脂(A)、化学変性澱粉(B)および可塑剤(C)の合計100重量%に対して0.05重量%未満では微粒子ポリマー(D)添加の効果が得られず、5重量%を超えるとポリ乳酸系樹脂(A)、化学変性澱粉(B)および可塑剤(C)からなる樹脂ブレンド物への相容性から微粒子ポリマー(D)が凝集を起こし易くなる傾向がある。
尚、本発明の艶消しフィルム又はシートに使用する原料樹脂としては、上記したバージン原料以外に該樹脂製膜時に発生するトリム屑等を再度加工してペレット化、又は微粉化したリサイクル原料を単独で、又は該バージン原料に混入して使用することができる。
次に、本発明の艶消しフィルム又はシートの製造方法について述べる。
ポリ乳酸系樹脂(A)、化学変性澱粉(B)、可塑剤(C)、微粒子ポリマー(D)等の混合方法や混合装置は、特に限定されないが、例えば、同一の単軸又は二軸押出混練機にそれぞれの原料を供給して溶融混合して行われ、そのまま口金(ダイリップ)より押出して直接にフィルム又はシートに加工する方法、或いはストランド形状に押出してペレットを作製した後に再度押出してフィルム又はシートに加工する方法が挙げられる。粉体である化学変性澱粉(B)、微粒子ポリマー(D)の分散性を良くするためには、二軸押出混練機を用いることが好ましい。
溶融押出温度としては、ポリ乳酸系樹脂の融点及び混合比率を考慮して適宜選択されるが、100〜250℃の温度範囲が好ましい。得られるフィルムまたはシートの艶消し性を考えた場合、押出時のダイの温度は成形可能な範囲内で低い方が艶消し性が良好になる傾向があるので好ましい。特に好ましいダイ温度の範囲は150〜170℃である。
本発明の艶消しフィルム又はシートの製膜方法としては、Tダイより冷却ロールにキャストされる方法、インフレーション法やテンター法などの従来公知の製膜方法にて、無延伸、一軸延伸、或いは、同時又は逐次二軸延伸する方法がある。詳しくは、(1)押出されたチューブ状またはシート状の樹脂を溶融状態からインフレーション法又はキャスト法により溶融延伸して製膜する方法、(2)押出されたチューブ状又はシート状の樹脂を溶融状態から急冷して非晶状態に近い状態で固化させた後、続いてそのチューブ状又はシート状の樹脂をガラス転移温度以上融点以下に再加熱してインフレーション法又はロール・テンター法で延伸する冷間延伸法で製膜する方法、或いは、溶融延伸又は冷間延伸の後にフィルム又はシートの熱収縮性の抑制の為にフィルム又はシートを把持した状態等で熱処理を行ってフィルム又はシートを得る様な方法によって得られる。
フィルム又はシートの延伸倍率としては、延伸方法に関わらず、押出し口金(ダイリップ)間隔に対して、最終のフィルム又はシートの厚みが1/500〜1/40の範囲になる様に、少なくとも1軸方向に溶融延伸または冷間延伸することが好ましい。
殊に、冷間延伸法において、溶融状態から急冷し非晶状態に近い状態で固化させたもの(本発明ではパリソンと呼ぶ)を再加熱後に冷間延伸する場合は、ポリ乳酸系樹脂を溶融状態にて押出し、口金(ダイリップ)間隔に対してパリソンの厚みが1/2倍〜1/20倍の範囲になる様に、面積倍率で2倍〜20倍にになる様に少なくとも1軸方向に溶融延伸後に、パリソンに対してMD方向(フィルムの長手方向)及びTD方向(フィルムの幅方向)それぞれに1.5〜6倍冷間延伸して、最終的に、ダイリップ間隔に対して延伸フィルム又はシートの厚みが1/200倍〜1/40倍の範囲になる様に、ダイ出口からの面積倍率で40倍〜200倍の範囲になる様に少なくとも1軸方向に延伸することが好ましい。
又、フィルム又はシートの熱処理加工としては、非収縮フィルム又はシートを得る場合には、熱処理温度は約80℃〜160℃、熱処理時間は2〜10秒の範囲内が好ましい。かかる範囲を下回ると得られたフィルムの熱収縮率が高くて非収縮フィルムにはなりにくく、かかる範囲を上回ると熱処理中にフィルムが融解し破断する場合がある。
本発明の艶消しフィルム又はシートの厚みは、好ましくは5〜500μm、より好ましくは7〜250μm、更に好ましくは10〜100μmである。
本発明の艶消しフィルムまたはシートの製造において、目的とするフィルムまたはシートを得るために、そのフィルムまたはシートと非接着性の樹脂を用いて多層ダイで共押出し、その後に非接着性の樹脂層を取り除くことによって目的とするフィルムを得る方法は、非接着性の樹脂で製膜安定性を向上できるので薄いフィルムを得る場合には好ましい。
一般的に樹脂は、その溶解性パラメーターの値(SP値)が近い樹脂同士は相容性が良く、ブレンドした場合に混ざり易い傾向にあり、製膜時に共押出しすると接触する樹脂層同士が接着しやすい傾向にあるので、非接着性の樹脂を選択する場合には、接触する樹脂層の樹脂同士の化学構造(1次構造)、極性ができるだけ異なる樹脂同士を選択すると、溶解性パラメーターの値の差も大きくなり、製膜時に共押出しても非接着性な樹脂層の組合せを選択できる。例としては、ポリ乳酸等の生分解性樹脂は主に脂肪族ポリエステル構造を有するものが多いため、カルボニル基などの比較的極性の大きな基を有するため、ポリオレフィン等の無極性な樹脂は脂肪族ポリエステル樹脂とは接着し難い傾向にあり、良好な非接着性樹脂の一つである。非接着性の目安としては、製膜後に非接着性の樹脂層を剥離する際に目的とするフィルム又はシートが変形することなく剥がれる程度の非接着性が好ましい。本発明の艶消しフィルムまたはシートに対して非接着性の樹脂としては、非接着性を有して製膜安定性に優れる樹脂であれば特に限定はないが、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂類である。
本発明の艶消しフィルム又はシートには、所望により当該技術分野において通常用いられる添加剤、例えば、充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、造核剤、架橋剤、着色剤等を本発明の要件と特性を損なわない範囲で配合することが可能である。
充填剤としては、一般に合成樹脂分野において強度や耐久性などの諸性質を改善する目的で添加される物質であり、生分解時や廃棄燃焼時に残渣として廃棄時の問題にならない少量の範囲(例えば1重量%未満)で使用でき、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、珪素、アンチモン、チタン等の金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸塩、炭酸塩、珪酸塩のごとき化合物、これらの複塩並びにこれらの混合物に大別される。具体例としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、その水和物、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム(マグネシア)、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)、鉛丹及び鉛白のごとき鉛の酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、マイカ、タルク、ガラス繊維、ガラス粉末、ガラスビーズ、クレー、珪藻土、シリカ、ワラストナイト、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化チタン(チタニア)、リトポン、軽石粉、硫酸アルミニウム(石膏など)、珪酸ジルコニウム、炭酸バリウム、ドロマイト、二硫化モリブデン及び砂鉄等が挙げられる。酸化防止剤としてはp−t−ブチルヒドロキシトルエン、p−t−ブチルヒドロキシアニソール等のヒンダードフェノール系酸化防止剤;熱安定剤としてはトリフェニルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリスノリルフェニルホスファイト等;紫外線吸収剤としてはp−t−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン等;滑剤としてはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等;帯電防止剤としてはN,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキルアミン、アルキルアリルスルホネート、アルキルスルフォネート等;難燃剤としてはヘキサブロモシクロドデカン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンブロモフェニルアリルエーテル等;造核剤としてはポリエチレンテレフタレート、ポリ−トランスシクロヘキサンジメタノールテレフタレート、パルミチン酸アミド等が挙げられる。
本発明の艶消しフィルム又はシートには、単層のフィルム又はシート以外に、本発明の艶消しフィルム又はシートを少なくとも1外表面に有する様に積層された多層のフィルム又はシートが含まれる。特に、多層フィルム又はシートにおいて、少なくとも1外表面に本発明の艶消し性フィルム又はシート層を有し、それ以外の層でフィルム又はシートの製膜安定性などの加工性を改良する層、柔軟性を付与する層または別の基材との接着性を改良する層などの物性を改良する層を有する多層フィルム又はシートが好ましい。より好ましくは、少なくとも1外表面に本発明の艶消し性フィルム又はシート層を有し、それ以外の層でフィルム又はシートの製膜安定性などの加工性を改良する層、柔軟性を付与する層または別の基材との接着性を改良する層などの物性を改良する層が生分解性の樹脂からなる多層フィルム又はシートである。
又、 本発明の艶消し性フィルム又はシートは、単体材料でもそれに異種又は同種の材料が積層された複合材料でも良い。更には、印刷、コーテイング、ラミネート等の目的で、コロナ処理などによりさらに親水化処理することもできる。その際の表面張力としては、40mN/m〜60mN/mの範囲が好ましい。
単体で用いる用途としては、被包装物に高級感を出すために本発明のフィルム又はシートを直接包装に用いた包装資材、および育成ハウスやマルチフィルムなどの農業用資材としての用途がある。また、他素材と積層された複合材料としての用途としては、壁紙の汚れ防止用のフィルムとして壁紙表面に積層され、且つ壁紙の持つ艶消し性を損なわない壁紙防汚用フィルムとしての用途、迷光を嫌うスクリーンの表面に積層する用途、家具、調度品、カーテンなどの室内装飾品の表面に積層して、汚れ防止と同時に艶消し性で高級感を出す用途、また、日用品、学用品、文具、手帳の表面に積層して艶消し性で革製品に似た高級感を出すために用いられる用途、紙製品、紙製容器の表面に積層されて、艶消し性による高級感を出すと同時に紙に防水効果を付与するフィルムとしての用途などがある。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例および比較例で用いた評価方法について以下に説明する。
(1)ポリ乳酸系樹脂(A)の光学純度OP
ポリ乳酸系樹脂(A)の光学純度(OP:単位%)は、前述の通り、構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸単量体単位の構成比率から下記式により計算される。
OP=|[L]−[D]| ,但し、[L]+[D]=100
ポリ乳酸系樹脂(A)を構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸単量体単位の構成比率は、以下の測定条件で、試料を1N−NaOHでアルカリ分解後に1N−HClで中和して蒸留水で濃度調整した加水分解試料(液)について、光学異性体分離カラムを装着した島津製作所製の高速液体クロマトグラフィー(HPLC:LC−10A−VP)にて、紫外線UV254nmでのL−乳酸とD−乳酸の検出ピーク面積比(垂線法による面積測定)から、ポリ乳酸重合体(A)を構成するL−乳酸の重量比率[L](単位%)、ポリ乳酸重合体(A)を構成するD−乳酸の重量比率[D](単位%)を求め、1重合体当り3点の算術平均(四捨五入)をもって測定値とした。
カラム:東ソー製「TSKgel−Enantio−L1」(商品名) [4.6mm径×25cm長]
移動相:1mM−CuSO4 水溶液
試料溶液濃度:25pg/μL [ポリ乳酸重合体としての濃度]
試料溶液注入量:10μL
溶媒流速:0.5〜0.8ml/分
カラム温度:40℃
(2)ポリ乳酸系樹脂(A)の重量平均分子量Mw
東ソー製のゲルパーミエイションクロマトグラフィー装置(GPC:データ処理部GPC−8020(商品名)、検出器RI−8020(商品名))を用いて、以下の測定条件で、標準ポリスチレンを用いてポリスチレン換算で分子量500以下のものを除く高分子物の分散の重量平均値として重量平均分子量Mwを求め、1試料当り3点の算術平均(有効数字2桁)をもって測定値とした。
カラム:昭和電工製「Shodex K−805」(商品名)と「Shodex K−805」(商品名)の連結カラム[7.8mm径×60cm長]
溶離液:クロロホルム
試料溶液濃度:0.2wt/vol%
試料溶液注入量:200μL
溶媒流速:1ml/分
カラム・検出器温度:40℃
(3)ポリ乳酸系樹脂(A)、澱粉誘導体(b)およびビオノーレ#3001(商品名、昭和高分子(株))、エコフレックス(商品名、BASF社)の融点Tm、ガラス転移温度Tg
JIS−K7121に準拠して、樹脂の融点Tm、ガラス転移温度Tgを測定した。すなわち、標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)した試料から試験片として長手方向(MD)及び幅方向(TD)に各々2点(2箇所)ずつ約10mgを切り出した後、パーキンエルマー(Perkin−Elmer)社製の示差走査熱量計(熱流速型DSC)、DSC−7型を用いて、窒素ガス流量25ml/分、10℃/分で室温(23℃)から200℃まで昇温し(1次昇温)、200℃で10分間保持して完全に融解させた後、30℃/分で−100℃まで降温させて−100℃で2分間保持し、更に上記昇温条件で2回目の昇温(2次昇温)する間に描かれるDSC曲線のうち、1次昇温時の融解(吸熱)ピーク頂点から融点Tm(℃)、2次昇温時の階段状変化部分曲線と各ベースライン延長線から縦軸方向に等距離にある直線との交点(中間点ガラス転移温度)をTg(単位℃)として測定し、1試料当り4点の算術平均(小数点以下四捨五入)をもって測定値とした。
(4)フィルムまたはシートの全層厚み、各層厚み(μm)
フィルムの全層厚みは、JIS−K−7130に従い、マイクロメータを用いて測定、各層厚みは顕微鏡で多層フィルムの断面を観察して測定した。
(5)フィルムまたはシートのTD断面における化学変性澱粉(B)のドメイン全体の内、断面積の大きい方から数えて20%以内のドメインの断面積の平均値
標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)したサンプルフィルム又はシートから試験片として幅方向(図1に示したTD方向)に等間隔に3箇所サンプルを切り出した後、四酸化オスミウム及び四酸化ルテニウムの二重染色を施し、エポキシ系樹脂に包埋した後、ウルトラミクロトーム、LKB社、2880C(商品名)を用いて0.1〜1μmの超薄切り片を、該フィルムまたはシートのTD方向に沿って該フィルムの表面に対し垂直(即ち、厚み方向)に図1に示した面をTD断面として切り出し検鏡試料とした。同様にしてMD断面についても検鏡資料を作成した。次に得られた該検鏡試料について、日立製作所製の透過型電子顕微鏡(TEM)、H7100型(商品名)を用いて観察、4万倍の倍率の測定写真から、写真に写った染色された化学変性澱粉(B)のドメイン全数の寸法、断面積を測定した。
ドメインの断面積測定は、MEDIA CYBERNETICS社のImage-Pro Version4.0(商品名)を用いて電子顕微鏡写真の中の化学変性澱粉(B)のドメインのTD断面積を1個づつ求め、それらのTD断面積の大きい順に並べ、写真に写った全部のドメインの内、断面積の値が大きい方から20%以内のドメインを選んで、それらの断面積の平均値を求めた。例えば、写真に写っている化学変性澱粉(B)のドメインのTD断面の数が100個であれば、これらのTD断面の内、断面積の大きい方から順番に数えて1番目から20番目までのドメインのTD断面の断面積の合計を20で割って平均値を求めた。この際、化学変性澱粉(B)の含有量が多くなると、例えば図8の様に、個々のドメインの断面積は大きくなくてもドメイン同士が接近して接合した形状で電子顕微鏡に写し出される場合があるので、この場合は個々のドメインの輪郭の形状から推定される合理的な境界で接合したドメインを分割してそれぞれ個々のドメインの断面積を求めた。
(6)微粒子ポリマー(D)の平均粒径(μm)
微粒子ポリマー(D)の平均粒径は、堀場製作所社製のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置 LA−910(商品名)を用いて、小粒径のものから累計の頻度が50%となる粒子径を平均粒径とした。
(7)表面光沢度(Gloss:45度)(%)
標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)したサンプルフィルム又はシートから試験片として50mm角の正方形状のサンプルに切り出した後、表面光沢度(Gloss:単位%)は、ASTM−D2457−70に準拠して、日本電色工業製の光沢計VGS−300A(商品名)を用い、標準状態下で測定し、1種フィルム又はシート当り6点の算術平均値(有効数字2桁)をもって測定値とした。
(8)艶消し性
艶消し性は、フィルム又はシートを用いて包装体とした時における被包装物の照かり性の観点から以下のように評価した。
aa:最良の艶消し度で照かりが殆ど無い。
a :照かりがかなり抑えられ良好な艶消し性のレベル。
b :照かりが中程度抑えられ中程度の艶消し性のレベル。
c :照かりがある程度抑えられ実用できる最低限の艶消し性のレベル。
× :艶消し性に劣り、反射光が照かって見える。
(9)製膜安定性
フィルム製膜時の安定性で以下の基準で評価した。
aa:全く問題なく安定して製膜できる。
a :殆ど問題ないが、まれに不安定になることがある。
b :まれにフィルムの脆い部分が発生して、チューブ状フィルムの製膜時に中の空気が 抜けることがある。
c :時々フィルムの脆い部分が発生して、チューブ状フィルムの製膜時に中の空気が抜 けることがある。
× :フィルムが脆くて、チューブ状フィルムの製膜時に中の空気が抜けることが多く、 欠陥のないフィルムを連続して得る事が難しい。
(10)凹凸転写性および密着性
170℃に予熱したポリ塩化ビニル樹脂壁紙とサンプルフィルムを160℃の熱ロール(ポリ塩化ビニル樹脂面と接触するロール)と80℃の熱エンボスロール(サンプルフィルムと接触するロール)で圧着し、エンボスロールの凹凸転写性および下地(ポリ塩化ビニル樹脂)とサンプルフィルムとの密着性を以下の基準で評価した。
aa:最高の凹凸転写性で最も美しいエンボス加工ができ、且つ下地との密着性も良好で ある。
a :凹凸転写性も下地との密着性も良好で美しい状態である。
b :凹凸転写性か下地との密着性のどちらかは良好であるが、どちらかは実用として許 容できる最低レベルである。
c :凹凸転写性も下地との密着性も両方とも実用として許容できる最低レベルである。
× :凹凸転写性か下地との密着性のどちらか少なくとも一方が実用として許容できるレ ベルに達しない状態である。
(11)ブロッキング性
以下の基準でブロッキング性を評価した。
aa:ブロッキングは全く問題ない。
a :殆ど問題ないが、まれにフィルムを巻き解く際に少し抵抗が生じる。
b :フィルムを巻き解く際に、時々、少し抵抗が生じる。
c :フィルムを巻き解く際に、時々、ブロッキングを生じるが、実用できる最低レベル である。
× :フィルムを巻き解く際に頻繁にブロッキングを生じ、フィルムが変形する(伸びる )まで力を加えないと巻き解けない状態である。
(12)防汚性テスト
壁紙にラミした場合の汚れ防止機能(耐汚染性)を調べるために、日本壁紙協会のホームページに記載された方法に従い、フィルムに汚染物(コーヒー、醤油、クレヨン、水性サインペン)をそれぞれ付着させ、24時間後にコーヒーと醤油は水で、クレヨンと水性ペンは中性洗剤で汚れを拭き取ったものを目視で判定した。判定は汚れを拭き取った部分を元のフィルムと比較判定し、以下の5段階評価のどれに相当するかを目視で判定し、4級以上を合格とした。
5級:汚れが残らない
4級:ほとんど汚れが残らない。
3級:やや汚れが残る。
2級:かなり汚れが残る。
1級:汚れが濃く残る。
(13)総合判定
艶消し性、製膜安定性、凹凸追随性及び密着性、ブロッキング性の4項目の評価結果から以下の様な基準で総合判定した。
AA:4項目の評価の全てがaaで、最良の艶消し性フィルム又はシートである。
A :4項目の評価の内、1項目以上がaで、残りは全てaaで、優れた艶消し性フィル ム又はシートである。
B :4項目の評価の内、1項目以上がbで、残りは全てaaかaで、良い艶消し性フィ ルム又はシートである。
C :4項目の評価の内、1項目以上がcで、残りは全てaaかaかbで、実用に耐える 最低限の艶消し性フィルム又はシートである。
× :4項目の評価の内、1項目以上が×で、艶消し性フィルム又はシートとして実用に 耐えないフィルム又はシートである。
以下の実施例および比較例に用いたポリ乳酸系樹脂は、特表平4−504731号公報の実施例1B〜7Bに記載された方法に従って触媒量、重合条件、モノマー組成などをコントロールして重合し得られた、表1に示した重量平均分子量、光学純度、Tg、Tmを持つ結晶性ポリ乳酸(a1)、(a2)及び非晶性ポリ乳酸(a3)である。また、化学変性澱粉(B)としては、澱粉誘導体(b)として日本コーンスターチ社製のエステル化澱粉、コーンポールCP−1、CP−3、CP−5、CP−7(いずれも商品名)を用いた。また可塑剤(C)としては、ヒドロキシ多価カルボン酸エステルとして日精化学工業社のATBC(アセチルクエン酸トリブチル)、およびグリセリン酢酸脂肪酸エステルとして理研ビタミン社製のリケマールPL−009、PL−019(いずれも商品名)を用いた。また、実施例48〜50、53、56においては3層フィルムの第二層に昭和高分子(株)のビオノーレ#3001(商品名)、BASF社のエコフレックス(商品名)をポリ乳酸とブレンドして使用した。また、実施例53、54、56では微粒子ポリマー(D)として信越化学工業(株)製シリコーン樹脂粒子、KMP−590(商品名)を用い、実施例52、54、55では非接着性の樹脂として旭化成ケミカルズ(株)製のサンテックLD F−1920(商品名)を用いた。ただし、本発明における樹脂の組成がこれに限定されるものではない。
ただし、本発明における樹脂の組成がこれに限定されるものではない。
[実施例1〜23、参考例24〜39及び比較例1〜5]
実施例1〜23、参考例24〜39及び比較例1〜5においては、表1の結晶性ポリ乳酸(a1)、(a2)、非晶性ポリ乳酸(a3)、及び化学変性澱粉(B)として日本コーンスターチ(株)製のエステル化澱粉、コーンポールCP−1、CP−3、CP−5、CP−7、可塑剤(C)としてATBC、リケマールPL−009、PL−019を用いて、以下の様にしてコンパウンドされた原料ペレットを得た。即ち、ポリ乳酸75重量%と化学変性澱粉25重量%をドライブレンドした後、同方向二軸押出機を用いて溶融ブレンドし、化学変性澱粉の含有量が25%のポリ乳酸コンパウンドペレットを得た。同様にしてポリ乳酸50重量%と化学変性澱粉50重量%とから化学変性澱粉の含有量が50%のポリ乳酸コンパウンドペレットを得た。また、同方向二軸押出機においてポリ乳酸90重量%に可塑剤を10重量%添加、混合して可塑剤含有量10%のポリ乳酸コンパウンドペレットを得た。
次に、こうして得られた化学変性澱粉含有ペレット、可塑剤含有ペレットおよびポリ乳酸ペレット(a1)、(a2)、(a3)を用いて、表2〜5の組成になる様にドライブレンドしたものを、円筒形の単層ダイを用いて押出し、表2〜5の単層フィルムを製膜した。また、表2〜5において、可塑剤含量が8%以上の組成のフィルムを得るには、ポリ乳酸、化学変性澱粉、可塑剤を同方向二軸押出機に投入して溶融ブレンドして、それぞれ表2〜5のフィルム組成と同じ組成のポリ乳酸コンパウンドペレットを得て原料ペレットとしてフィルムを製膜した。
押出時には、外側ダイリップ直径110ミリ、内側ダイリップ直径108ミリ、リップクリアランス1.0ミリの円筒ダイを用いダイ温度を160℃に設定し、チューブ状に押出された溶融樹脂に冷却リングより約25℃のエアーを吹き付けながらチューブ内へエアーを注入してバブルを形成し、得られたフィルムをピンチロールへ導きチューブ状のフィルムをフラット状2枚のフィルムとして巻き取った。次に、バブルが安定してから、樹脂押出速度、バブル中へのエアー注入量、ピンチロールにおけるフィルム巻き取り速度を微調整し、最終厚みが15μmのフィルムを得た。
実施例1〜23、参考例24〜39及び比較例1〜5で得られたフィルムの物性評価結果を表2〜5に示した。
[実施例40〜50及び参考例51]
実施例40〜43、実施例49及び参考例51においては、第一層(最外層)、第三層(最内層)には、実施例1〜23、参考例24〜39と同様にして得られたポリ乳酸コンパウンドペレット及び100%ポリ乳酸ペレット(a1)、(a2)、(a3)を用いて、表6に示した組成になる様にドライブレンドして押出し、第二層(中間層)には表6に示した組成になる様に、実施例1〜23、参考例24〜39と同様にして得られた可塑剤含有量10%のポリ乳酸コンパウンドペレット、ポリ乳酸ペレット、ビオノーレ#3001(昭和高分子(株)ポリブチレンサクシネート・アジペート)ペレットをドライブレンドして押出し、外側ダイリップ直径110ミリ、内側ダイリップ直径108ミリ、リップクリアランス1.0ミリの3層の円筒ダイよりダイ温度を160℃に設定して押出し、最終の全層厚みが13μmの2種3層フィルムを製膜した。また、実施例44〜48においては、第一層(最外層)、第三層(最内層)には、表6の組成になる様にポリ乳酸、化学変性澱粉、可塑剤を同方向二軸押出機に投入して溶融ブレンドして、それぞれ表6の第一層(最外層)、第三層(最内層)組成と同じ組成のポリ乳酸コンパウンドペレットを得て原料ペレットとし、第二層(中間層)には表6に示した組成になる様に、実施例1〜23、参考例24〜39と同様にして得られた可塑剤含有量10%のポリ乳酸コンパウンドペレット、ポリ乳酸ペレット、エコフレックス(BASF社、生分解性脂肪族芳香族コポリエステル)ペレットをドライブレンドして押出し、最終の全層厚みが13μmの2種3層フィルムを製膜した。また、実施例50では、実施例49の第一層、第二層と同じ組成の樹脂を用いて、表6に示した各層厚みになる様に、外側ダイリップ直径110ミリ、内側ダイリップ直径108ミリ、リップクリアランス1.0ミリの2層の円筒ダイより押出し、最終の全層厚みが13μmの2種2層フィルムを製膜した。実施例40〜51で得られたフィルムの物性評価結果を表6に示した。ただし、実施例50においては、グロス(%)の値は第一層側の表面光沢度、グロス(%)を測定した値であり、凹凸転写性および密着性評価は、第二層側をポリ塩化ビニル樹脂壁紙と密着させ、第一層側が外表面に出るように熱圧着して評価した。
表7には実施例1、7、13、18、参考例24、36、37で得られたフィルムのTD断面、および実施例49の第一層のTD断面における化学変性澱粉(B)のドメインの断面積の内、大きいものから数えて全ドメインの20%以内のものの断面積の平均値、および各フィルムのグロス(%)の値を示した。また、図2〜8にはこれらのフィルムの内、実施例1、18、参考例24、36、37のTD断面、MD断面の電子顕微鏡写真を示した。艶消し性の良好なフィルムにおいては、艶消し性の劣るフィルムに比べて、化学変性澱粉(B)のドメインのTD断面積の平均値が大きいことが分かる。
表8には実施例1、11、14、18、40〜45、48〜50で得られたフィルムの防汚性テストの結果を示した。ただし、実施例50においては第一層側の表面を用いて防汚性テストを実施した。本発明のフィルムは防汚性に優れたフィルムであることが分かる。
[実施例52〜56及び比較例6]
実施例52〜56においては、微粒子ポリマー(D)としてシリコーン樹脂粒子、KMP−590(商品名)及び非接着性樹脂としてサンテックLD F−1920(商品名)も用いた。微粒子ポリマー(D)は同方向二軸押出機を用いてポリ乳酸90重量%とシリコーン樹脂粒子10重量%を溶融ブレンドし、10%マスターバッチとして用いた。
第一層(チューブ状フィルムの最外層)には、表9に示した組成になる様に実施例1〜39と同様にして同方向二軸押出機を用いて溶融ブレンドして得られたポリ乳酸コンパウンドペレットと上記微粒子ポリマー(D)のマスターバッチを用いて、第二層(中間層)には表9に示した組成になる様にポリ乳酸とビオノーレ#3001又はエコフレックスをドライブレンドするか単独で用いて、第三層(チューブ状フィルムの最内層)には、実施例52、54および55では第二層樹脂に非接着性樹脂である低密度ポリエチレン、サンテックLD F−1920(商品名、旭化成)を用い、実施例53ではエコフレックスを、実施例56ではビオノーレ#3001を用いて、外側ダイリップ直径110ミリ、内側ダイリップ直径108ミリ、リップクリアランス1.0ミリの3層の円筒ダイよりダイ温度を160℃に設定して押出し、所定の厚みの多層フィルムを製膜した。ただし、実施例52、54および55では製膜終了後、非接着性樹脂層である低密度ポリエチレン層を他の2層から剥がして目的としたフィルムを得て、それを用いて物性評価した。
また、比較例6では、実施例55のフィルムの非接着性樹脂層を取り除いた後のフィルムと同じ組成、同じ層構成、同じ厚みのフィルムを直接得るために実施例52〜56と同様にして、表9に示した組成になる様に第一層、第二層の原料を準備して、外側ダイリップ直径110ミリ、内側ダイリップ直径108ミリ、リップクリアランス1.0ミリの2層の円筒ダイよりダイ温度を160℃に設定して押出し、2種2層で厚みが10μmのフィルムを得ようとしたが、製膜安定性が低下して連続したフィルムは得られず、断片的に得られたフィルムで物性評価を実施した。
こうして得られたフィルムの物性評価結果を表9に示した。ただし、グロス(%)の値は第一層側の表面光沢度、グロス(%)を測定した値であり、艶消し性も第一層側で評価し、凹凸転写性および密着性評価は、実施例53、56では第三層側をポリ塩化ビニル樹脂壁紙と密着させ、実施例52、54、55および比較例6では第二層側をポリ塩化ビニル樹脂壁紙と密着させて、第一層側が外表面に出るように熱圧着して評価した。
表10には実施例52〜56で得られたフィルムの防汚性テストの結果を示した。ただし、実施例52〜56においては第一層側の表面を用いて防汚性テストを実施した。本発明のフィルムは防汚性にも優れたフィルムであることが分かる。また、シリコン樹脂の微粒子ポリマーを含む実施例53、54、56のフィルムはこれを含まない実施例52、55のフィルムに比べ更に防汚性に優れることが分かる。
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本発明の艶消しフィルム又はシートは、ポリ乳酸系樹脂(A)、化学変性澱粉(B)及び可塑剤(C)からなるフィルムで良好な製膜安定性を有し、且つ艶消し性に優れた単層または多層のフィルム又はシートである。また、これらのフィルムまたはシートは単独で用いられて、艶消し性で高級感を有する包装用資材、育成ハウスやマルチフィルム等の農業用資材として、または壁紙、スクリーン、室内装飾品、日用品、封筒、ファイルケース、カバー加工品等の学用品、文具、手帳などの他素材の表面に積層して用いられ、光沢を抑えて高級で落ち着いた外観や汚れ防止性を付与するフィルム又はシートとして、また、紙製品および紙容器等の表面に積層して、艶消し性で高級感を与え且つ適度な防水性を与えるラミ用フィルム又はシートの分野で好適に利用できる。
透過型電子顕微鏡写真を撮影する際のTD断面、MD断面の位置の説明図。 実施例18のフィルムのTD断面の透過型電子顕微鏡写真。 実施例18のフィルムのMD断面の透過型電子顕微鏡写真。 実施例1のフィルムのTD断面の透過型電子顕微鏡写真。 実施例24のフィルムのTD断面の透過型電子顕微鏡写真。 実施例24のフィルムのMD断面の透過型電子顕微鏡写真。 実施例36のフィルムのTD断面の透過型電子顕微鏡写真。 実施例37のフィルムのTD断面の透過型電子顕微鏡写真。

Claims (11)

  1. ポリ乳酸系樹脂(A)67〜89重量%、化学変性澱粉(B)8〜22重量%および可塑剤(C)3〜11重量%の混合物からなり、
    化学変性澱粉(B)が、澱粉エステル、澱粉エーテル、ポリエステルグラフト重合澱粉の群より選ばれる少なくとも1種の澱粉誘導体(b)を40重量%以上含む澱粉誘導体混合物であり、
    澱粉誘導体(b)のガラス転移温度Tgが110〜150℃であり、
    可塑剤(C)が炭素数7個以下の脂肪族カルボン酸と炭素数7個以下の脂肪族ヒドロキシカルボン酸と炭素数7個以下の脂肪族アルコールの群より選ばれる2種以上の組合せから合成されたエステルである、
    ことを特徴とする単層の艶消しフィルムまたはシート。
  2. ASTM−D2457−70に準拠して測定した、少なくとも片面の表面光沢度(Gloss:45度)が20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の艶消しフィルムまたはシート。
  3. フィルムまたはシート中においてポリ乳酸系樹脂(A)がマトリックスで化学変性澱粉(B)がドメインを形成するミクロ層分離構造をとり、フィルム又はシートの幅方向に切った断面(TD断面と呼ぶ)において該化学変性澱粉(B)のドメイン全体の内、断面積の大きい方から数えて20%以内のドメインの断面積の平均値が20000nm(平方ナノメートル)以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の艶消しフィルムまたはシート。
  4. 請求項2または3に記載の艶消しフィルムまたはシートを、表面光沢度20%以下の面が少なくとも1外表面になる様に積層されたことを特徴とする多層の艶消しフィルムまたはシート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートからなる包装用資材。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートからなる農業用資材。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートを表面に積層してなる壁紙。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートを表面に積層してなるスクリーン。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートを表面に積層してなる室内装飾品。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートを表面に積層してなる日用品、学用品、文具、または手帳。
  11. 請求項1〜4のいずれかに記載の艶消しフィルムまたはシートを表面に積層してなる紙製品または紙容器。
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