JP4845277B2 - 自転車のフォーク支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車に搭載する自転車のフォーク支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車に搭載する自転車のフォーク支持装置は、例えば特開平7−10054号公報に示すようなものがある。かかるフォーク支持装置は、自動車のルーフ上に載置されてなるキャリアに保持されている。つまり、自転車のフレームには、一対の尖端部を有するフォークを備え、該フォークには、自転車の車輪の車軸を受容可能なる開口が形成されてなる。この開口は、車輪をフレームに組み立てる際に、車輪の車軸を受容可能なるように、U字状に形成されている。そして、前記フォーク支持装置としては、フォークの開口が挿脱自在なる支持部分を有するロッドと、該ロッドを挿通自在に保持してなる本体と、前記ロッドの一端部に配されてなり且つ前記フォークの一方を側面より押圧可能なるストッパと、前記ロッドの他端部に形成されてなるネジ部に螺合されてなる係合手段と、該係合手段を回転操作可能なるレバーとを備えている技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる自動車に搭載する自転車のフォーク支持装置にあっては、自転車を支える手段の係合手段回転操作を軸を中心に回転させなければならないので、該レバーがルーフに干渉しないだけ上側によせた位置に持ち上げねばならず、それだけ大型化するばかりか、操作する人の腕の位置が低い、例えば女性や子供であると操作しづらい、ということになる。即ち、自転車を自動車ルーフ上の自転車フォーク支持装置上に持ち上げて、固定するのであるが、その位置は、前述したように、自動車ルーフの更に上側にあるので、比較的高い位置にある。従って、腕を伸ばす量が多くなるので、背の高い人が操作する場合はともかく、背の低い人が操作するのは、著しく困難である。また、軸の回転調整を止めて締め代と残った隙間との関係を調整するには、多くの手間を必要とし、改善が求められている。
【0004】
そこで、この発明は、自動車上に自転車を支持する際の支持位置とルーフとの隙間を可級的に少なくすることで、取付作業性を向上する自転車のフォーク支持装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、自転車の車輪の車軸を受容可能なる開口を有する双方のフォークの開口が挿脱自在なる支持部分を有するロッドと、該ロッドを挿通自在に保持してなる本体と、前記ロッドの一端部に配されてなり且つ前記フォークの一方を側面より押圧可能なるストッパと、前記ロッドの他端部に形成されてなるネジ部に一端部が螺合されてなることにより本体に対して前記フォークの他方を狭持する位置と非狭持する位置とに前記ロッド上を移動可能なるロッドナットと、該ロッドナットの他端部に対して非回転状態で係合されてなる歯車と、該歯車に対して一方向の回転時に空振り回転すると共に他方向の回転時に係合する操作手段とより構成されてなる。
【0006】
請求項1の発明によれば、自転車の双方のフォークの開口をロッドにあてがい、操作手段を一方向に適宜回転させると、歯車に対して空振り回転(ラッチェット機構)をして操作手段が持ち上がり、この持ち上がった位置から他方向に回転させると、係合する方向に歯車が回転して、ロッドナット内にロッドを移動させることで、ストッパと本体との隙間及び本体とロッドナットとの隙間が共に小さくなる。この操作手段を一方向及び他方向への適宜の回転の繰り返し作業により、やがて双方のフォークは両者の間で必要充分な狭持ができる。従って、操作手段の操作作業は、ルーフの上側への適宜の回転でよいので、取付作業性が著しく向上する。また、該ロッドの位置がルーフに近くてもルーフに干渉しないことになるので、ロッドの位置とルーフとの隙間が少なくなり、その分ロッドの位置が下がることになることにより、背の低い操作者にとっても、容易な取付作業となる。
【0007】
請求項2の発明は、自転車の車輪の車軸を受容可能なる開口を有するフォークの少なくとも一方の開口が挿脱自在なる支持部分を有するロッドと、該ロッドの支持部分が露出した状態のロッドを保持してなる本体と、前記ロッドに形成されてなるネジ部に一端部が螺合されてなることにより前記本体に対して前記フォークを狭持する位置と非狭持する位置とに移動可能なるロッドナットと、該ロッドナットの他端部に対して非回転状態で係合されてなる歯車と、該歯車に対して一方向の回転時に空振り回転すると共に他方向の回転時に係合する操作手段とより構成されてなる。
【0008】
請求項2の発明によれば、自転車のフォークの一方の開口をロッドにあてがい、操作手段を一方向に適宜回転させると、歯車に対して空振り回転(ラチェット機構)をして操作手段が持ち上がり、この持ち上がった位置から他方向に回転させると、係合する方向に歯車が回転して、ロッドナットを移動させることで、本体とロッドナットとの隙間が小さくなる。この操作手段を一方向及び他方向への適宜の回転の繰り返し作業により、やがてフォークは両者の間で必要充分な狭持ができる。従って、操作手段の操作作業は、ルーフの上側への適宜の回転でよいので、取付作業性が著しく向上する。また、該ロッドの位置がルーフに近くてもルーフに干渉しないことになるので、ロッドの位置とルーフとの隙間が少なくなり、その分ロッドの位置が下がることになることにより、背の低い操作者にとっても、容易な取付作業となる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の自転車のフォーク支持装置であって、前記本体は、自動車のルーフに支持されてなるキャリアに載置されてなると共に前記ロッドを支持可能なるメインフォルダーと、該メインフォルダーに回転自在に軸支されてなり且つ前記キャリアの下側を抱持すると共に前記メインフォルダー側から操作可能なる固定手段により前記メインフォルダーと共に該キャリアに固定可能なるバーホルダーと、前記メインフォルダーに回転自在に軸支されてなり且つ前記固定手段を覆うカバーとより構成されてなり、前記カバーには、前記メインフォルダーに係合離脱可能なるキーシリンダーが配設されてなる。
【0010】
請求項3の発明によれば、ルーフに支持されてなるキャリアにメインフォルダー及びバーホルダーにより抱持することで本体が支持されるので、該抱持位置を変更することにより、キャリアに対して適宜の位置に移動可能である。また、この固定手段が、カバーによって覆われてなると共にキーシリンダーによって該カバーが不用意に開かないようにしてあるので、固定手段を解除操作することによる盗難が防止できる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の自転車のフォーク支持装置であって、前記操作手段は、前記歯車に対して係合離脱自在なる係合爪を有するチェンジレバーと、該チェンジレバーを回転自在に軸支してなると共に操作可能なる操作部とよりなり、前記チェンジレバーの係合爪は、前記操作部の軸支部より偏在された位置にそれぞれ形成されてなり、一方側にチェンジレバーを回転させて該係合爪が歯車に係合させた状態にして操作部を一方側へ回転させると、該係合爪は順次歯車の歯に係合離脱を繰り返しての回転が可能であり且つ操作部を他方側へ回転させることを阻止できるように構成されてなる。
【0012】
請求項4の発明によれば、前記チェンジレバーの係合爪が前記操作手段の軸支部より偏在された位置にそれぞれ形成されてなることによって、前記歯車との間で締結方向にも解除方向にも切り換えるだけという簡易な構成で、ラチェット機能を有することになる。該ラチェット機能を有することにより、チェンジレバーを締結側に倒すことで、歯車との係合が確実となり、ゆるみが発生しない。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4に記載の自転車のフォーク支持装置であって、前記操作部の一端部は、前記ロッドナットを回転自在に軸支してなると共に前記歯車を覆ってなり、該操作部の他端部には、カバー側に少なくとも直角な位置まで回転が可能なるようにグリップが軸支してなり、前記グリップは、前記カバーによって保持可能なる。
【0014】
請求項5の発明によれば、グリップを操作部に対して回転させてカバーの中に保持させれば、該カバーによってグリップを解除方向に操作することができないことになる。つまり、確実な防盗性が得られる。また、操作部の締め付け作業を行った状態でグリップをカバー内に回転させれば、容易に盗難防止位置、つまり、カバーで保持される位置に移動可能である。
【0015】
請求項6の発明は、請求項4に記載の自転車のフォーク支持装置であって、前記操作部の一端部は、前記ロッドナットを回転自在に軸支してなると共に前記歯車を覆ってなり、該操作部の他端部には、カバー側に少なくとも直角な位置まで回転が可能なるようにグリップが軸支してなり、前記操作部内には、前記チェンジレバーを一方側に押圧可能なると共に他方側に進退自在なピンを軸支してなり、前記グリップには、前記ピンを介して前記チェンジレバーを一方側に押圧可能なるように、偏心した頭部が形成されてなる。
【0016】
請求項6の発明によれば、グリップを操作部に対して少なくとも直角な位置まで回転させることで、ピンを押圧させれば、該ピンによってチェンジレバーを回転させることができないことになる。つまり、解除方向に回転させることができないことになり、確実な防盗性が得られる。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の自転車のフォーク支持装置であって、前記ロッドナットの一端部の前記本体側の面には、前記フォークの側面を押さえる凹凸状の支持面が形成されてなる。
【0018】
請求項7の発明によれば、前記支持面の凹凸によって、前記フォークの側面の形状がばらついても、確実に押さえることができるので、フォークの抜け防止ができる。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の自転車のフォーク支持装置であって、前記本体には、自転車のタイヤを保持可能なるトレイが支持されてなる。
【0020】
請求項8の発明によれば、前記トレイにより、自転車のタイヤを保持可能なるため、自転車の確実な保持が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図11の図面を参照しながら、この発明の一実施形態について、具体的に説明する。
【0022】
図1において、符号1は、自転車のフォーク支持装置であって、自転車2の図示しない車輪の車軸を受容可能なる開口3(図2参照)を有する双方4a、4bのフォーク4の該開口3が挿脱自在なる支持部分5(図3参照)を有するロッド6(図3参照)と、該ロッド6を挿通自在に保持してなる本体7と、前記ロッド6の一端部6a(図11参照)より鍔状に張り出して配されてなり且つ前記フォーク4の一方4aを側面より押圧可能なるストッパ8と、前記ロッド6の他端部6b(図11参照)に長尺の範囲に形成されてなるネジ部9(図11参照)に一端部10a(図8参照)が螺合されてなることにより本体7に対して前記フォーク4の他方4bを狭持する位置と非狭持する位置とに前記ロッド6上を移動可能なるロッドナット10(図3参照)と、該ロッドナット10の他端部10bに対して非回転状態で係合されてなる歯車11(図8参照)と、該歯車11に対して一方向の回転時に空振り回転すると共に他方向の回転時に係合する操作手段12とより構成されてなる。図3及び図6の符号18は、ストッパ8を覆う保持具で、前記フォーク4の一方4aの側面を押さえることでフォーク4の側面を押圧してフォーク4の抜け止めをするための凹凸状の支持面18a(図3参照)が形成されてなる。
【0023】
前記ロッドナット10について、図8を用いてより詳細に説明する。該ロッドナット10は、ナット部13と、カラー部14と、ストップリング15と、オーリング16とより構成されてなるが、ナット部13とカラー部14とは、一体に形成されていても良いし、この実施形態のように、ナット部13とカラー部14とが別体に形成されて、ストップリング15及びオーリング16により抜け止め処理をされていても良い。この実施形態の場合、カラー部14が非回転のため、自転車2のフォーク4の側面に傷を付けないようにしている。前記ナット部13には、前記ロッド6の他端部6bが進入可能なるように軸心17に合わせて円い中空部13aが形成されてなり、該中空部13aのうち、前記一端部10aに相当する位置に、雌ねじ部13bが形成されてなる。前記他端部10bに相当する位置の外側は、六角柱状に形成されてなり、更にその端部側の外側は、前記六角柱より小さな直径の円柱状に形成されている。前記カラー部14は、亜鉛ダイキャスト製で、前記ロッド6の他端部6bが進入可能なるように前記軸心17に合わせて中空部14aが形成されてなり、前記ロッドナット10の一端部10a相当部側に保持されている。符号14bは、前記フォーク4の他方4bの側面を押さえることでフォーク4を押圧してフォーク4の抜け止めをするための凹凸状の支持面である。
【0024】
前記歯車11には、図10に示すように、前記ロッドナット10の他端部10bに相当するナット部13の六角柱が密に係入する六角状の貫通孔11aが形成されてなり、外側には円周を18等分した歯11bが形成されてなる。
【0025】
前記操作手段12は、図10に示すように、前記歯車11に対して係合離脱自在なる係合爪21、22を有するチェンジレバー20と、該チェンジレバー20を軸支部23により回転自在に軸支してなると共に前記ロッドナット10の移動操作を可能としてなる操作部24とよりなる。前記チェンジレバー20の係合爪21、22は、前記操作部24の軸支部23の位置より6ミリメートルほど偏在された位置にそれぞれ突出形成されてなる。前記チェンジレバー20の係合爪21、22の形成されている辺の逆側の辺で、前記軸支部23と同じ中心位置には、溝25が形成されてなり、前記操作部24に形成された凹部26内に一端部を保持されたコイル状のスプリング27の他端部、つまり、前記チェンジレバー20の逆側の辺に対向する側には、平板状のバネガイド28が配されていて、前記溝25内に係合している。前記凹部26の中心、つまり、前記スプリング27の一端部を保持する部位は、前記ロッドナット10の他端部10bと軸支部23と同一線上に配されている。
【0026】
従って、かかる歯車11に対する操作部24の関係は、一方側への回転のみ可能で、他方側への回転を阻止する所謂「ラチェット機構」を有する。次に説明する。前記チェンジレバー20は、図10の上側には、「OPEN」と刻印され、同じく下側には、「LOCK」と刻印されている。
【0027】
そこで、「OPEN」側を図10に示すように歯車11側に倒すと、チェンジレバー20は、軸支部23を中心に回転をし、一方側の係合爪21が歯車11の歯11bに係合する。
【0028】
この状態にして、操作部24を一方側、つまり図10のB側(時計方向)へ回転させようとすると、前記歯11bの上側に前記係合爪21の下側が圧接して、その抵抗により、チェンジレバー20は、図10のD方向(時計方向)に付勢されてスプリング27を若干縮めさせて回転する。一方側の係合爪21が歯11bから外れるので、操作部24は、B方向に歯11b1個分だけ回転できる。このとき、スプリング27は、前記したように、バネガイド28を介して縮む方向に押圧されているので、該スプリング27の反発力により、バネガイド28を介してチェンジレバー20には、反時計方向への付勢力が加わり、チェンジレバー20は、図10のC方向(反時計方向)に付勢されて、一方側の係合爪21が次の歯11bに係合する。こうして、順次、次々の歯11bに一方側係合爪21が係合することで、操作部24は、任意の位置まで、B方向への空振り回転することが可能である。
【0029】
次に、一方側の係合爪21が歯車11の歯11bに係合した前記と同じ状態で、操作部24を他方側、つまり図10のA側(反時計方向)へ回転させようとすると、前記操作部24に加わった力が、チェンジレバー20の一方の係合爪21を介して、歯車11の歯11bに加わって、C方向(反時計方向)に回転付勢されるが、チェンジレバー20の溝25に係入されているバネガイド28にチェンジレバー20が干渉して、歯11bと係合爪21との係合が解除されず、操作部24は回転が阻止される状態になる。つまり、歯11bに対しての回転ができない状態で、操作部24をA方向(反時計方向)に回転させようとすると、その力が貫通孔11aを介してロッドナット10に加わり、ロッドナット10が反時計方向に回転をし、ロッド6が移動されることになる。つまり、このとき、ロッド6をロッドナット10から抜ける方向に移動させるので、結果的にロッドナット10は本体7から離れ、支持部分5の隙間が大きくなり、自転車2のフォーク4が外れることになる。
【0030】
次に、チェンジレバー20の「LOCK」側を、図10のD方向に倒すと、チェンジレバー20の溝25によってバネガイド28が押されて、一旦スプリング27を縮ませて、中立状態になり、更にチェンジレバー20を回転させることにより、軸支部23を中心に回転をして、他方側の係合爪22が歯車11の歯11bに係合する。
【0031】
この状態にして、操作部24を一方側、つまり図10のA側(反時計方向)へ回転させようとすると、前記歯11bの下側に前記係合爪22の上側が圧接して、その抵抗により、チェンジレバー20は、図10のC方向(反時計方向)に付勢されてスプリング27を若干縮めさせて回転する。他方の係合爪22が歯11bから外れるので、操作部24は、A方向に歯11b1個分だけ回転できる。このとき、スプリング27は、前記したように、バネガイド28を介して縮む方向に押圧されているので、該スプリング27の反発力により、バネガイド28を介してチェンジレバー20には、時計方向への付勢力が加わり、チェンジレバー20は、図10のD方向(時計方向)に付勢されて、他方の係合爪22が次の歯11bに係合する。こうして、順次、次々の歯11bに他方係合爪22が係合することで、操作部24は、任意の位置まで、A方向への空振り回転することが可能である。
【0032】
次に、他方側の係合爪22が歯車11の歯11bに係合した前記と同じ状態で、操作部24を他方側、つまり図10のB側(時計方向)へ回転させようとすると、前記操作部24に加わった力が、チェンジレバー20の他方の係合爪22を介して、歯車11の歯11bに加わって、D方向(時計方向)に回転付勢されるが、チェンジレバー20の溝25に係入されているバネガイド28にチェンジレバー20が干渉して、歯11bと他方側の係合爪22との係合が解除されず、操作部24は回転が阻止される状態になる。つまり、歯11bに対しての回転ができない状態で、操作部24をB方向(時計方向)に回転させようとすると、その力が貫通孔11aを介してロッドナット10に加わり、ロッドナット10が時計方向に回転をし、ロッド6が移動されることになる。つまり、このとき、ロッド6をロッドナット10に入り込む方向に移動させるので、結果的にロッドナット10は本体7に近づき、支持部分5の隙間が小さくなり、自転車2のフォーク4が固定されることになる。
【0033】
前記操作手段12は、前記操作部24と、グリップ29とが軸30により図8に示す状態からグリップ29が90度立ち上がる位置まで回転自在に軸支されている。前記操作部24は、亜鉛ダイキャスト製であり、前記ロッドナット10の他端部10bを回転自在に軸支してなると共に前記歯車11を一端部24aで覆ってなる。前記グリップ29は、後述するカバー42によって、保持されることが可能である。尚、符号31は、歯車11、チェンジレバー20,スプリング27などを操作部24内に収納した状態に保持させるために覆われてなるキャップで、前記軸支部23によって操作部24に固持されている。
【0034】
前記本体7は、自動車のルーフ35に支持されてなるキャリア36に載置されてなると共に前記ロッド6を支持可能なる貫通孔47が形成されてなるメインフォルダー37と、該メインフォルダー37に軸38により回転自在に軸支されてなり且つ前記キャリア36の下側を抱持すると共に前記メインフォルダー37側から操作可能なる「固定手段」であるボルト39、ナット40により前記メインフォルダー37と共に該キャリア36に固定可能なるバーホルダー41と、前記メインフォルダー37に前記軸38により回転自在に軸支されてなり且つ前記ボルト39を覆うカバー42と、前記メインフォルダー37にボルト43により一端部が固定されてなる長尺状のトレイ44と、該トレイ44の他端部側に配設されてなる自転車のタイヤ保持可能なるタイヤホルダー45と、前記トレイ44の他端部に配されてなるエンドキャップ46と、前記トレイ44の中途位置をキャリア36に固定してなる中間支持部51とより構成されてなる。前記ナット40は、前記バーホルダー41の下面に溶接により支持されている。
【0035】
前記カバー42には、前記メインフォルダー37に形成された切り欠き48に対して係合離脱可能なるキーシリンダー49が配設されてなる。該キーシリンダー49に対しては、図示しないキーを差し込んで回転させることで、キーシリンダー49の係合部49aが切り欠き48に係合した状態で、図4に示すように、ボルト39を覆っている。前記ボルト39の側面は、前記メインフォルダー37に覆われ、上面は、カバー42に覆われているので、前記ボルト39の取り外し用の工具が該ボルト39にあてがえない状態になっている。また、前記カバー42は、前記軸38に軸支された巻きスプリング50によって、図4の二点鎖線で示す位置に、跳ね上げることが可能なるように付勢されている。
【0036】
前記トレイ44は、図7に示すように、断面が略V字状に表面44aが形成されている。該トレイ44の中間位置をキャリア36に支持する前記中間支持部51は、前記トレイ44の下面の溝44b内に挿入されてなるプレートナット52をボルト53で適宜の位置で固定できるようになっている。該ボルト53によって、断面L字形のクランプ54がキャリア36を抱持してなり、T字ボルト55,ナット56を介してノブ57てもって、締結できるようになっている。
【0037】
前記タイヤホルダー45は、図1に示すようなトレイ44の一番後側にでも、図3,図4に示すような中間位置にでも支持可能である。何れにしても、バンド58でもって、自転車2のタイヤ59と共締めが可能である。
【0038】
このように構成された自転車2のフォーク支持装置1によれば、自転車2の双方のフォーク4a,4bの開口3、3をロッド6にあてがい、操作手段12を一方向に回転させると、歯車11に対して空振り回転をして操作手段が持ち上がり、この持ち上がった位置から他方向に回転させると、係合する方向に歯車11が回転して、ロッドナット10内にロッド6を移動させることで、ストッパ8と本体7との隙間及び本体7とロッドナット10のカラー部14との隙間が共に小さくなる。この操作手段12を一方向及び他方向への適宜の回転の繰り返し作業により、やがて双方のフォーク4a,4bは両者の間で狭持される。従って、操作手段12の操作作業は、ルーフ35の上側への適宜の回転でよく、該ロッド6の位置がルーフ35に近くてもルーフ35に干渉しないことになる。こうして、ロッド6の位置とルーフ35との隙間が少なくなり、その分ロッド6の位置が下がることになるので、背の低い操作者にとって容易な取付作業となる。
【0039】
また、ルーフ35に支持されてなるキャリア36にメインホルダー37及びバーホルダー41により抱持することで本体7が支持されるので、該抱持位置を変更することでキャリア36に対して適宜の位置に移動可能である。また、この固定手段であるボルト39が、カバー42によって覆われてなると共にキーシリンダー49によって該カバー42が不用意に開かないようにしてあるので、ボルト39を解除操作することによる盗難が防止できる。
【0040】
前記チェンジレバー20の係合爪21が前記操作手段12の軸支部23より偏在された位置にそれぞれ形成されてなることによって、前記歯車11との間で締結方向にも解除方向にも切り換えるだけという簡易な構成で、ラチェット機能を有することになる。該ラチェット機能を有することにより、チェンジレバー20を締結側に倒すことで、歯車11との係合が確実となり、ゆるみが発生しない。
【0041】
また、グリップ29を操作部24に対して回転させてカバー42の中に保持させれば、該カバー42によってグリップ29を解除方向に操作することができないことになる。また、必要充分なフォーク4に対する締め付け作業の状態のままにグリップ29をカバー42の下側に移動可能であるので、防盗手段を忘却してしまうおそれが少なくなる。つまり、確実な防盗性が得られる。また、該グリップ29をカバー42側と反対側に回転させれば、キャリア36に操作手段12が近接していても、何ら支障無く締め込み作業が行える。
【0042】
前記支持面14b、18aの凹凸によって、前記フォーク4の側面を押さえることで、フォーク4の側面を押圧してフォーク4の抜け止めをし、自転車2を確実に保持することが可能となる。
【0043】
また、前記トレイ44により、自転車2のタイヤ59を保持可能なるため、自転車2の確実な保持が可能となる。
【0044】
図12及び図13は、操作手段の変形例である。符号60は、操作手段であり、該操作手段60は、前記歯車11に対して係合離脱自在なる係合爪21、22を有するチェンジレバー20と、該チェンジレバー20を軸支部23により回転自在に軸支してなると共に前記ロッドナット10の移動操作を可能としてなる操作部61とよりなる。該操作部61の一端部61aは、前記ロッドナット10を回転自在に軸支してなると共に前記歯車11を覆ってなり、該操作部61の他端部61bには、前記カバー42側に少なくとも直角な位置まで回転が可能なるようにグリップ62が軸63によって軸支してなり、前記操作部61内には、前記チェンジレバー20を一方側に押圧可能なると共に他方側に進退自在なピン64を軸支してなり、前記グリップ62には、前記ピン64を介して前記チェンジレバー20を一方側に押圧可能なるように、偏心した頭部65が形成されてなる。
【0045】
かかる構成によれば、グリップ62を操作部61に対して少なくとも直角な位置まで回転させることで、ピン64を押圧させれば、該ピン64によってチェンジレバー20を回転させることができないことになる。つまり、解除方向に回転させることができないことになり、確実な防盗性が得られる。
【0046】
また、ロッド6と本体7との関係は、前記実施形態に限定されるものではなく、双方のフォーク4を保持可能でなく、一方のフォーク4aを予め本体7に係合支持させて、他方のフォーク4bをロッド6に支持させ、移動可能なロッドナット10により、ロッドナット10と本体7との隙間を制御するようにしても良い。
【0047】
即ち、自転車の車輪の車軸を受容可能なる開口を有するフォークの少なくとも一方の開口が挿脱自在なる支持部分を有するロッドと、該ロッドの支持部分が露出した状態のロッド6を保持してなる本体と、前記ロッドの他端部6bに形成されてなるネジ部に一端部10aが螺合されてなることにより前記本体に対して前記フォークを狭持する位置と非狭持する位置とに移動可能なるロッドナット10と、該ロッドナット10の他端部10bに対して非回転状態で係合されてなる歯車11と、該歯車11に対して一方向の回転時に空振り回転すると共に他方向の回転時に係合する操作手段12、60とより構成されてなるものでも良い。
【0048】
かかる構成によれば、自転車のフォークの一方の開口をロッドにあてがい、操作手段を一方向に適宜回転させると、歯車に対して空振り回転をして操作手段12、60が持ち上がり、この持ち上がった位置から他方向に回転させると、係合する方向に歯車11が回転して、ロッドナット10を移動させることで、本体とロッドナット10との隙間が小さくなる。この操作手段12、60を一方向及び他方向への適宜の回転の繰り返し作業により、やがてフォークは両者の間で狭持される。従って、操作手段12、60の操作作業は、ルーフ35の上側への適宜の回転でよく、該ロッドの位置がルーフ35に近くてもルーフ35に干渉しないことになる。こうして、ロッドの位置とルーフ35との隙間が少なくなり、その分ロッドの位置が下がることになるので、背の低い操作者にとって容易な取付作業となる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、自転車の双方のフォークの開口をロッドにあてがい、操作手段を一方向に適宜回転させると、歯車に対して空振り回転をして操作手段が持ち上がり、この持ち上がった位置から他方向に回転させると、係合する方向に歯車が回転して、ロッドナット内にロッドを移動させることで、ストッパと本体との隙間及び本体とロッドナットとの隙間が共に小さくなる。この操作手段を一方向及び他方向への適宜の回転の繰り返し作業により、やがて双方のフォークは両者の間で狭持される。従って、操作手段の操作作業は、ルーフの上側への適宜の回転でよく、該ロッドの位置がルーフに近くてもルーフに干渉しないことになる。こうして、ロッドの位置とルーフとの隙間が少なくなり、その分ロッドの位置が下がることになるので、背の低い操作者にとって容易な取付作業となる。
【0050】
請求項2の発明によれば、自転車のフォークの一方の開口をロッドにあてがい、操作手段を一方向に適宜回転させると、歯車に対して空振り回転をして操作手段が持ち上がり、この持ち上がった位置から他方向に回転させると、係合する方向に歯車が回転して、ロッドナットを移動させることで、本体とロッドナットとの隙間が小さくなる。この操作手段を一方向及び他方向への適宜の回転の繰り返し作業により、やがてフォークは両者の間で狭持される。従って、操作手段の操作作業は、ルーフの上側への適宜の回転でよく、該ロッドの位置がルーフに近くてもルーフに干渉しないことになる。こうして、ロッドの位置とルーフとの隙間が少なくなり、その分ロッドの位置が下がることになるので、背の低い操作者にとって容易な取付作業となる。
【0051】
請求項3の発明によれば、ルーフに支持されてなるキャリアにメインフォルダー及びバーホルダーにより抱持することで本体が支持されるので、該抱持位置を変更することでキャリアに対して適宜の位置に移動可能である。また、この固定手段が、カバーによって覆われてなると共にキーシリンダーによって該カバーが不用意に開かないようにしてあるので、固定手段を解除操作することによる盗難が防止できる。
【0052】
請求項4の発明によれば、前記チェンジレバーの係合爪が前記操作手段の軸支部より偏在された位置にそれぞれ形成されてなることによって、前記歯車との間で締結方向にも解除方向にも切り換えるだけという簡易な構成で、ラチェット機能を有することになる。該ラチェット機能を有することにより、チェンジレバーを締結側に倒すことで、歯車との係合が確実となり、ゆるみが発生しない。
【0053】
請求項5の発明によれば、グリップを操作部に対して回転させてカバーの中に保持させれば、該カバーによってグリップを解除方向に操作することができないことになる。つまり、確実な防盗性が得られる。
【0054】
請求項6の発明によれば、グリップを操作部に対して少なくとも直角な位置まで回転させることで、ピンを押圧させれば、該ピンによってチェンジレバーを回転させることができないことになる。つまり、解除方向に回転させることができないことになり、確実な防盗性が得られる。
【0055】
請求項7の発明によれば、前記支持面の凹凸によって、前記フォークの側面の形状がばらついても、確実に押さえることができるので、フォークの抜け防止ができる。
【0056】
請求項8の発明によれば、前記トレイにより、自転車のタイヤを保持可能なるため、自転車の確実な保持が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかる自転車のフォーク支持装置の概略を説明する斜視図。
【図2】 図1の自転車のフォークの拡大斜視図。
【図3】 図1のフォーク支持装置の平面図。
【図4】 図3のSA−SA線に沿った一部断面を含む側面図。
【図5】 図3の矢視Bにかかる拡大説明図。
【図6】 図3の底面図。
【図7】 図6のSC−SC線に沿った断面図。
【図8】 図3の操作手段及びロッドナットの説明用断面図。
【図9】 図8の矢視Dにかかる側面図。
【図10】 図8のSE−SE線に沿った断面図。
【図11】 図3のロッドの正面図。
【図12】 本発明の操作手段及びロッドナットの変形例の説明用断面図。
【図13】 図12の矢視Fにかかる一部破断側面図。
【符号の説明】
1 自転車のフォーク支持装置
2 自転車
3 開口
4 フォーク
4a フォークの一方 4b フォークの他方
5 支持部分
6 ロッド
6a ロッドの一端部
6b ロッドの他端部
7 本体
8 ストッパ
9 ネジ部
10 ロッドナット
10a ロッドナットの一端部
10b ロッドナットの他端部
11 歯車
12、60 操作手段
14b、18a 支持面
20 チェンジレバー
21,22 係合爪
23 軸支部
24、61 操作部
29、62 グリップ
35 ルーフ
36 キャリア
37 メインフォルダー
39 固定手段としてボルト
41 バーホルダー
42 カバー
44 トレイ
49 キーシリンダー
64 ピン
65 頭部

Claims (8)

  1. 自転車の車輪の車軸を受容可能なる開口を有する双方のフォークの開口が挿脱自在なる支持部分を有するロッドと、該ロッドを挿通自在に保持してなる本体と、前記ロッドの一端部に配されてなり且つ前記フォークの一方を側面より押圧可能なるストッパと、前記ロッドの他端部に形成されてなるネジ部に一端部が螺合されてなることにより本体に対して前記フォークの他方を狭持する位置と非狭持する位置とに前記ロッド上を移動可能なるロッドナットと、該ロッドナットの他端部に対して非回転状態で係合されてなる歯車と、該歯車に対して一方向の回転時に空振り回転すると共に他方向の回転時に係合する操作手段とより構成されてなることを特徴とする自転車のフォーク支持装置。
  2. 自転車の車輪の車軸を受容可能なる開口を有するフォークの少なくとも一方の開口が挿脱自在なる支持部分を有するロッドと、該ロッドの支持部分が露出した状態のロッドを保持してなる本体と、前記ロッドに形成されてなるネジ部に一端部が螺合されてなることにより前記本体に対して前記フォークを狭持する位置と非狭持する位置とに移動可能なるロッドナットと、該ロッドナットの他端部に対して非回転状態で係合されてなる歯車と、該歯車に対して一方向の回転時に空振り回転すると共に他方向の回転時に係合する操作手段とより構成されてなることを特徴とする自転車のフォーク支持装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の自転車のフォーク支持装置であって、
    前記本体は、自動車のルーフに支持されてなるキャリアに載置されてなると共に前記ロッドを支持可能なるメインフォルダーと、該メインフォルダーに回転自在に軸支されてなり且つ前記キャリアの下側を抱持すると共に前記メインフォルダー側から操作可能なる固定手段により前記メインフォルダーと共に該キャリアに固定可能なるバーホルダーと、前記メインフォルダーに回転自在に軸支されてなり且つ前記固定手段を覆うカバーとより構成されてなり、
    前記カバーには、前記メインフォルダーに係合離脱可能なるキーシリンダーが配設されてなることを特徴とする自転車のフォーク支持装置。
  4. 請求項3に記載の自転車のフォーク支持装置であって、
    前記操作手段は、前記歯車に対して係合離脱自在なる係合爪を有するチェンジレバーと、該チェンジレバーを回転自在に軸支してなると共に操作可能なる操作部とよりなり、
    前記チェンジレバーの係合爪は、前記操作部の軸支部より偏在された位置にそれぞれ形成されてなり、一方側にチェンジレバーを回転させて該係合爪が歯車に係合させた状態にして操作部を一方側へ回転させると、該係合爪は順次歯車の歯に係合離脱を繰り返しての回転が可能であり且つ操作部を他方側へ回転させることを阻止できるように構成されてなることを特徴とする自転車のフォーク支持装置。
  5. 請求項4に記載の自転車のフォーク支持装置であって、
    前記操作部の一端部は、前記ロッドナットを回転自在に軸支してなると共に前記歯車を覆ってなり、該操作部の他端部には、カバー側に少なくとも直角な位置まで回転が可能なるようにグリップが軸支してなり、
    前記グリップは、前記カバーによって保持可能なることを特徴とする自転車のフォーク支持装置。
  6. 請求項4に記載の自転車のフォーク支持装置であって、
    前記操作部の一端部は、前記ロッドナットを回転自在に軸支してなると共に前記歯車を覆ってなり、該操作部の他端部には、カバー側に少なくとも直角な位置まで回転が可能なるようにグリップが軸支してなり、
    前記操作部内には、前記チェンジレバーを一方側に押圧可能なると共に他方側に進退自在なピンを軸支してなり、
    前記グリップには、前記ピンを介して前記チェンジレバーを一方側に押圧可能なるように、偏心した頭部が形成されてなることを特徴とする自転車のフォーク支持装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の自転車のフォーク支持装置であって、 前記ロッドナットの一端部の前記本体側の面には、前記フォークの側面を押さえる凹凸状の支持面が形成されてなることを特徴とする自転車のフォーク支持装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の自転車のフォーク支持装置であって、
    前記本体には、自転車のタイヤを保持可能なるトレイが支持されてなることを特徴とする自転車のフォーク支持装置。
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