JP4844988B2 - 反転式バレルブラスター - Google Patents
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Description
研掃作業に際しては多量の粉塵が発生するので、研掃エリアを遮蔽して外部と隔離しなければならない。
しかし前記の遮蔽を厳重にすると、被研掃物の投入→研掃→排出、という一連の操作を円滑・迅速に遂行することが困難になる。しかし遮蔽が厳重でないと公害を発生したり、バレルブラスターを構成する機器類の損耗を早めたりする。このため、研掃エリアの遮蔽(防塵性)と作業の円滑性とを両立させるべく種々の工夫が為されている。
特許文献2に挙げた特開平8−126959号公報に記載の回転ドラム型ショットブラスト装置は、スライド蓋で覆われた開口を有するキャビネットの中に主要構成機器類を収納した構造であるから作業の円滑性は優れている。しかし粉塵が舞い散るキャビネットの中に主要構成機器類が収納されているので、各構造機器(例えばバレル駆動回転モータ)の防塵に格別の配慮が必要である。
バレル(7)とバレル駆動回転モータ(10)との間に隔壁体(4)が設けられ、これらバレルと、バレル駆動回転モータと、隔壁体とから構成されるバレル機構は、バレル機構回動軸(6)の周りに双方向に回動して、隔壁体を回転角位置4A、同4B、同4Cの各位置に位置させる。
図6(A)は、バレルの中へ矢印INのように被研掃物を投入している状態を示し、
図6(B)は、バレルの中へ矢印a,bのように研掃材を投射している状態を示し、
図6(C)は、バレルの中からへ矢印OUTのように被研掃物を排出している状態を示している。
バレル(7)はバレル機構回動軸(6)の周りに双方向に回転自在であり、図6(A)のように隔壁体が第1の回転角位置(4A)になるとバレルが投入姿勢になり、図6(C)のように隔壁体が第3の回転角位置(4C)になるとバレルが排出姿勢になる。
このように、隔壁体によるキャビネットの開口の開閉とバレルの姿勢変化とが自動的に連動するので、一連の作業が円滑に遂行される。
これにより、隔壁体とバレルとがバレル機構回動軸を中心として一体的に回動するので、バレルの傾斜を順次に変化させて被研掃物を投入・研掃・排出する一連の動作と、キャビネットの開口を覆う隔壁体の開閉動作とが連動する。このため、研掃作業の工程進行が円滑に行われ、しかも研掃エリアで発生する粉塵の飛散が確実に防止され、また研掃材投射機及びバレル駆動回転モータが、研掃材の投射エリアから隔離されることにより、研掃材投射機及びバレル駆動回転モータを適宜に空冷することも可能であって、早期に損耗する虞もない。
これにより、研掃時に、バレル駆動回転モータがキャビネットの外部に位置し、研掃材の投射から隔離されることから、バレル駆動回転モータを格別の防塵構造にする必要がなく、早期に損耗する虞がない。
これにより、隔壁体の両側に一対の側板が備えられるので、隔壁体とバレル機構回動軸とバレルとを含む一体的構造部分の剛性が高く、作動が確実で、特にキャビネット開口部の密閉性が向上する。
これにより、バレルを水平にした状態で研掃してもバレル内に入れた被研掃物は開口部から飛び出る虞がない。
これにより、バレルの有効内容積を大きくして、バレル内に大量の被研掃物を収納して研掃加工することができる。
これにより、研掃時にバレルを水平にして、トラフに被研掃物を均一な厚さに収納して均一に撹拌することができるので、高能率で高品質の研掃作業を遂行することができる。
破線で示した4Aを隔壁体の第1の回転角位置と名付け、この状態でバレルの中に被研掃物の投入を行う。点線で示した4Cを隔壁体の第3の回転角位置と名付け、この状態でバレルから被研掃物の排出を行う。
バレル7は多孔板製で、その底部7bに対して同心に固着されたバレル回転軸8が、軸受9に支持されて隔壁体4に直交している。バレル7はバレル駆動回転モータ10により、バレル回転軸8を介して回転する。そして、隔壁体4がバレル機構回動軸6周りに回動すると、キャビネット5の開口5aが開閉され、これに伴ってバレル7が一体的に回動する。バレルが双方向に回動すると、その開口部7aが上を向いたり下を向いたり、被研掃物の投入・排出操作に応じて反転する(詳細は図6を参照して後述する)。
以上に述べたように回転円板3は、隔壁体4を支持してこれを回動させる役目を受け持っている。従って、文字どおりの円板でなくても、機構学的にこれと等価であれば足り、例えば図2(B)のブラケット19で代替することもできる。
本発明に係るバレル7は、開口部7aと底部7bと筒状部のトラフ7cとを備えた有底筒状体であり、図3(A)のように開口部7aの付近をテーパー状に細くして、錐面状部7dを形成する。また、バレルは円筒状に限らず、図3(B)のように角筒状であってもよく、例えば六角筒状でも八角筒状でも良い。
バレル7は、その開口部7aに向かって徐々に径を小さくするテーパー状の錐面状部7dが形成されている。これにより、バレル7内に投入された被研掃物が研掃時に開口部7aから飛び出ることを防ぐ。トラフ7cは、バレルが水平な姿勢のとき、バレル内に投入する被研掃物を収納するための凹面となる。底部7bは、底面の中央付近に比して外周部がバレル駆動回転モータ10方向(図3(C)の右方向)に膨出している。これにより、トラフ7cを水平にしたとき、収納した被研掃物に研掃材を投射する研掃エリアBの面積が広くなり、大量の研掃物を効率良く研掃加工することができるとともに、水平なトラフ7cに被研掃物をほぼ均一な厚さで収納載置して研掃することにより、均一な研掃加工を行うことができる。
隔壁体4は、支持構造物としては平板の役目を果たしている部材であるが、キャビネット内にバレル7を収納するための空間の容積を大きくするため、中央部がバレル駆動回転モータ10方向(図1の右方向)に膨出している。キャビネット5の開口部には、シールゴム11が装着されるとともに、隔壁体4がシールゴム11に対向接触する箇所には円筒状部4bが形成されている。これによりシールゴム11の接触面積が広くなって、優れたシール性が得られる。
投射されて研掃作用を果たした研掃材は、バレルの孔を通って下部ホッパー14に落下し、スクリューコンベア15で回収されて循環する。
符号18を付して示したのは集塵機キャビネットである。ファンモータ18aで駆動されるファン18bが空気を吸い出して内部を負圧にする。研掃作業で発生した粉塵を含む空気は吸入管18cを経て吸入され、フィルター作用で粉塵を分離する。粉塵が分離除去された清浄な空気はファン18bから大気中へ放出され、分離された粉塵は集塵室18dに蓄えられて定期的に搬出される。
図5は、図4に示した実施形態の正面図である。
次に、図6を参照して前記の作用効果を説明する。
図2(B)に示した隔壁体に関する3種類の回転角位置、すなわち第1の回転角位置4A、第2の回転角位置4B、及び第3の回転角位置4Cを参照されたい。
図6(A)は、隔壁体が第1の回転角位置4Aになった状態を示し、図6(B)は、隔壁体が第2の回転角位置4Bになった状態を示し、図6(C)は、隔壁体が第3の回転角位置4Cになった状態を示している。隔壁体が回転角位置を変化すると、これに伴って自動的にバレル7の姿勢(開口部7aの向き)が回転する。
図6(B)のように隔壁体が第2の回転角位置4Bになると、バレルの開口部7aがキャビネット5の内部に位置して研掃材投射機12に対向する、これにより研掃材を矢印a,bのように投射するに適した状態(研掃姿勢)になり。同時に、第2の回転角位置4Bの隔壁体4がキャビネット5の開口部を覆って粉塵の飛散を防止する。
図6(C)のように隔壁体が第3の回転角位置4Cになると、バレルの開口部7aがキャビネット5の外側に位置して斜め下方を向く(排出姿勢)。このときバレル7を回転軸8周りに回転(円弧矢印θ)させると、研掃済み被加工物の排出が迅速かつ完全に行われる。
Claims (3)
- 回転するバレル内に入れた被研掃物に研掃材を投射する研掃材投射機を備えるバレルブラスターにおいて、
研掃材投射機を外側に備え研掃時にバレルを回転自在に収納するキャビネットと、
研掃時にバレルを回転させるバレル駆動回転モータを備えたバレルと、
前記バレルと前記バレル駆動回転モータとの間に設けられ、研掃時に前記キャビネット内に位置するバレルとキャビネット外に位置する前記バレル駆動回転モータとを隔てるべく前記キャビネットの開口を覆う隔壁体と、を備え、
前記バレルとバレル駆動回転モータと隔壁体とから構成されるバレル機構を、前記キャビネットに水平方向に設けられたバレル機構回動軸を中心として上下方向に回動自在とし、
前記バレルを前記バレル機構回動軸を中心として上下方向に回動し、研掃時にバレル駆動回転モータをキャビネットの外側に位置させるとともに、被研掃物の投入・排出を行う際に前記バレルをキャビネットの外側に位置させることを特徴とする反転式バレルブラスター。 - バレルは、その開口部に向かって徐々に径を小さくするテーパー状とすることを特徴とする請求項1に記載の反転式バレルブラスター。
- バレルは、開口部と反対の底部が中央から外周に向かって徐々に開口部からの深さを大きくするテーパー状とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反転式バレルブラスター。
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