JP4844821B2 - 空調システム及び空調システムの加湿能力増強方法 - Google Patents
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しかし、室排気と外気との温度差が大きい場合に室排気と外気とを全熱交換器2に一度通しただけでは室排気の持つ顕熱及び潜熱を導入外気が十分に回収できず、したがって、全熱交換器2で熱交換された後の外気の温度が低く相対湿度が高いまま滴下式加湿器3に導入されるので、滴下式加湿器3において必要量の水滴を蒸発させる温度までには至らず、室内の相対湿度が40%に達しないことも多く、これを解消するために別途室内を加湿する加湿器を設置する必要があった。
そこで、特開2002−206778号公報では、図6にその構造の概略を示すように、空気調和装置21内の全熱交換器2よりも送風方向上流の排気路24と全熱交換器2と滴下式加湿器3との間の給気路25とを連通させるバイパス開口23と、該バイパス開口23を開閉するダンパー22を備え、冬季に寒冷で乾燥した外気を導入することによって不足する加湿量を補わなくてはならない場合に、前記バイパス開口23を閉じていたダンパー22を開いてバイパス開口23から、全熱交換器2を通過する前の温かい室内からの室排気の一部を全熱交換器2と滴下式加湿器3の間の給気路25に導き、滴下式加湿器3に流す空気の温度を高め、相対湿度を低下させることによって滴下式加湿器3の加湿能力を高める空気調和装置21が開示されている。
さらに、室排気の一部が前記空気調和装置21内のバイパス開口23を介して熱交換された外気に直接混合されるので、室排気にタバコの煙や塵などが含まれている場合には、その臭いや塵が給気ダクトから室内に供給される給気に残るという問題もある。
本発明は、既設の全熱交換式給排気換気装置1の加湿能力の強化を、ダンパーを備えた二本のダクトを追加設置することによって実現し、かつ室排気に含まれる臭気や塵をも確実に除去して再給気できる空調システム及び空調システムの加湿増強方法を提供するものである。
(1)外気導入ダクトから導入される外気と室排気ダクトを介して室内から排出される室排気との間で熱交換を行う全熱交換器と、前記全熱交換器で熱交換された後の外気路に配設され、水滴の滴下によって室へ給気する外気に加湿する滴下式加湿器と、前記滴下式加湿器に給水する給水管及び給水弁とからなる全熱交換式給排気換気装置を備え、該全熱交換式給排気換気装置で熱交換され加湿された外気を給気ダクトを介して室内に供給し、全熱交換式給排気換気装置から排出された熱交換後の室排気を排気ダクトを介して戸外に排出する空調システムにおいて、
前記給気ダクトから分岐して前記外気導入ダクトに接合され、全熱交換式給排気換気装置から室内に供給される加湿後の外気の一部を給気ダクトから外気導入ダクトに帰還させる給気帰還ダクトと、
前記排気ダクトから分岐して前記全熱交換式給排気換気装置から排出される熱交換後の室排気の一部を再度室内に帰還させる再給気ダクトと、
前記給気帰還ダクト及び再給気ダクトのそれぞれに配設されたダクト開閉用のダンパーとを備え、
前記ダンパーの開閉操作による全熱交換式給排気換気装置から室内に供給される外気の一部及び全熱交換式給排気換気装置から排出される室排気の一部の経路変更によって、寒冷でかつ乾燥した時期における前記全熱交換式給排気換気装置の室へ給気する外気への加湿能力の強化が図られるようにしてなることを特徴とする空調システム。
前記給気ダクトから分岐して前記外気導入ダクトに接合され、全熱交換式給排気換気装置から室内に供給される加湿後の外気の一部を給気ダクトから外気導入ダクトに帰還させる給気帰還ダクトと、
前記排気ダクトから分岐して前記全熱交換式給排気換気装置から排出される熱交換後の室排気の一部を再度室内に帰還させる再給気ダクトと、
前記給気帰還ダクト及び再給気ダクトのそれぞれに配設されたダクト開閉用のダンパーと
室内に配置され室内の湿度を計測・監視する湿度センサーと、
該湿度センサーの計測値があらかじめ設定された湿度を超え、又は不足したことを検知したとき、前記ダンパーの開閉を制御する制御手段とを備えてなることを特徴とする空調システム。
全熱交換式給排気換気装置から室内に供給される加湿後の外気の一部を給気ダクトから外気導入ダクトに帰還する給気帰還ダクトと、
全熱交換式給排気換気装置から排出する熱交換後の室排気の一部を再度室内に帰還させる再給気ダクトと、
前記給気帰還ダクト及び再給気ダクトのそれぞれにダクト開閉用のダンパーとを備えて構成し、
該空調システムを以下のとおり操作して、
すなわち、外気が寒冷でかつ乾燥しているため前記滴下式加湿器に導入される全熱交換後の導入外気の温度では室内の空調に適した湿度が得られない場合に、前記給気帰還ダクトに配設されたダンパーを開いて全熱交換式給排気換気装置から室内に供給される熱交換によって暖められた外気の一部を、前記給気帰還ダクトを介して外気導入ダクトに帰還して導入外気と混合して再度全熱交換器によって加温して前記滴下式加湿器に供給して滴下式加湿器での水滴蒸発量を増加させるとともに、前記再給気ダクトに配設されたダンパーを開いて帰還ダクトを介して外気導入ダクトに帰還されることによって不足する室内への給気量を室排気によって補うようにしたことを特徴とする空調システムの加湿能力増強方法。
前記給気ダクトから分岐して外気導入ダクトに接合され、前記全熱交換式給排気換気装置から室内に供給される加湿後の外気の一部を、給気ダクトから前記外気導入ダクトに帰還させる給気帰還ダクトと、
前記排気ダクトから分岐して前記全熱交換式給排気換気装置から排出される室排気の一部を再度室内に帰還させる再給気ダクトと、
前記給気帰還ダクト及び再給気ダクトのそれぞれに配設されたダクト開閉用のダンパーと
室内に配置され室内の湿度を計測・監視する湿度センサーと、
該湿度センサーの計測値があらかじめ設定された湿度を超え、又は不足したことを検知したとき、前記ダンパーの開閉を制御する制御手段とを備えて構成し、
該空調システムを以下のとおり操作して、
すなわち、外気が寒冷でかつ乾燥しているため前記滴下式加湿器に導入される全熱交換後の導入外気の温度では室内の空調に適した湿度が得らず前記湿度センサーの測定値があらかじめ設定された室内湿度値以下の場合に、前記制御手段によって給気帰還ダクトに配設されたダンパーを開いて全熱交換式給排気換気装置から室内に供給される熱交換によって暖められた外気の一部を、前記給気帰還ダクトを介して外気導入ダクトに帰還して導入外気と混合し再度全熱交換器によって加温して前記滴下式加湿器に供給して滴下式加湿器での水滴蒸発量を増加させるとともに、前記再給気ダクトに配設されたダンパーを開いて帰還ダクトを介して外気導入ダクトに帰還されることによって不足する室内への給気量を室排気によって補い、
前記湿度センサーの測定値があらかじめ設定した室内湿度値を超えた場合には前記制御手段によって前記2つのダンパーを閉じて、全熱交換式給排気換気装置から室内に供給される外気の一部の外気導入ダクトへの帰還と室排気の室内への再給気を中止して過剰な湿度上昇を防止するようにしたことを特徴とする空調システムの加湿能力増強方法。
(ア)外気と室排気を全熱交換器に一回だけ通過させて熱交換する従来の全熱交換式給排気換気装置と異なり、冬季など外気温が低く相対湿度が高い場合に全熱交換式給排気換気装置から室内に供給される暖かな外気の一部を給気帰還ダクトを介して外気導入ダクトに帰還して導入外気と混合し、外気そのものよりも温度が高く相対湿度の低い混合気を全熱交換器に通すことを繰り返して行うので、滴下式加湿器に導入される全熱交換器出口の空気の温度は1回だけ全熱交換器を通した外気の場合より高まり、かつ相対湿度も低下するので、滴下式加湿器で滴下する水滴を多量に蒸発させ空気自身を加湿することが可能となり、外気が寒冷で乾燥する冬季でも室内の相対湿度を適正な値に保持した快適な空調環境を実現できる。
図1は本発明の請求項1に記載の空調システムの構成図、図2は本発明請求項2に記載の空調システムの構成図、図3は室内の湿度が設定値より不足した場合の本空調システムの作用説明図、図4は室内の湿度が設定値を超えた場合の本空調のシステムの作用説明図である。
図において1は全熱交換式給排気換気装置、2は全熱交換器、3は滴下式加湿器、4、4’は送風機、5は外気導入ダクト、6は給気ダクト、7は給気帰還ダクト、8は室排気ダクト、9は排気ダクト、10は再給気ダクト、11は制御手段、12、12’はダンパー、13は湿度センサー、14は信号回線、15は給水管、16は給水弁を示す。
給気ダクト6から分岐して外気導入ダクト5に接合され、全熱交換式給排気換気装置1で全熱交換され加湿されて室内に供給される外気(給気)の一部を、給気ダクト6から前記外気導入ダクト5に帰還させる給気帰還ダクト7と、
排気ダクト9から分岐して前記全熱交換式給排気換気装置1から排出された室排気(排気)の一部を再度室内に帰還させる再給気ダクト10と、
前記給気帰還ダクト7及び再給気ダクト10のそれぞれに配設されたダクト開閉用のダンパー12、12’とで構成されている。
そして、給気の一部を外気導入ダクト5に帰還させることによって減少する室内への給気供給量を補うため、排気ダクト9から分岐された再給気ダクト10に配設されたダンパー12’を開放して、全熱交換式給排気換気装置1から排出された熱交換後の室排気(排気)の一部を室内へ再給気する。
なお、この実施例1の空調設備においては、前記給気帰還ダクト7及び再給気ダクト10に配設されたダンパー12、12’の開閉と給水弁16の開閉は、人手によって行われるので全熱交換式給排気換気装置1に導入される外気が温暖である場合、あるいは前記全熱交換式給排気換気装置1の作動によって温暖になってきた場合には、滴下式加湿器3における水滴の蒸発が一層促進されるので、過剰加湿にならないよう注意を払う必要がある。
給気ダクト6から分岐して外気導入ダクト5に接合され、全熱交換式給排気換気装置1で全熱交換され加湿されて室内に供給される外気の一部を、給気ダクト6から前記外気導入ダクト5に帰還させる給気帰還ダクト7と、
排気ダクト9から分岐して前記全熱交換式給排気換気装置1から排出された室排気の一部を再度室内に帰還させる再給気ダクト10と、
前記給気帰還ダクト7及び再給気ダクト10のそれぞれに配設されたダクト開閉用のダンパー12、12’と
室内に配置され室内の湿度を計測・監視する湿度センサー13と、
該湿度センサー13の計測値があらかじめ設定された湿度を超え、又は不足したことを検知したとき前記ダンパー12、12’の開閉、及び滴下式加湿器3に給水する給水弁16の開閉を制御する制御手段11とで構成されている。
この手動による給水弁16の開閉操作を、前記給水弁16を自動できる2位置弁とするとともに、制御手段11が湿度指示調節計HICを備え、該湿度指示調節計HICに備わった2つのリレーの接点出力によって、給水弁16の開閉と給気帰還ダクト7及び再給気ダクト10に配設されたダンパー12、12’を個別に制御して自動化することもできる。この際、給水弁を開放する第1設定湿度値と閉止する第3設定湿度値、及び前記ダンパー12、12’を開放する第2設定湿度値と閉止する第4設定湿度値をあらかじめ該湿度指示調節計HICに入力しておく必要がある。
すなわち、湿度センサー13の計測値が、湿度指示調節計HICの第1設定湿度値を下回っている場合、湿度指示調節計HICは、前記滴下式加湿器3に給水する給水弁16を開放するように第1リレーの接点出力を切り替える第1制御信号を変化させて滴下式加湿器3に給水して作動させ、
その後一定時間を経過してもなお湿度の上昇が見られず、湿度指示調節計HICの第2設定湿度値よりも低い場合には、第1制御信号によって給水弁16が開放状態にあることに加えて前記給気帰還ダクト7及び再給気ダクト10に配設されたダンパー12、12’を開放するよう第2リレーの接点出力を切り替える第2の制御信号を変化させて滴下式加湿器3の加湿能力の増強を図り、
湿度センサー13の計測値が湿度指示調節計HICの第3設定湿度値を超えた場合に、まず前記ダンパー12、12’を閉止するよう第2の制御信号を変化させ、
さらに湿度指示調節計HICの第3設定湿度値を超えた場合には、前記給水弁を閉止するよう第1制御信号を変化させて、
前記滴下式加湿器の作動・停止、及び前記ダンパー12、12’の開閉を自動制御するとともに滴下式加湿器の給水機能の故障にも対応できるものであってもよい。
2:全熱交換器
3:滴下式加湿器
4、4’:送風機
5:外気導入ダクト
6:給気ダクト
7:給気帰還ダクト
8:室排気ダクト
9:排気ダクト
10:再給気ダクト
11:制御手段
12、12’:ダンパー
13:湿度センサー
14:信号回線
15:給水管
16:給水弁
21:空気調和装置
22:ダンパー
23:バイパス開口
Claims (5)
- 外気導入ダクト5から導入される外気と室排気ダクト8を介して室内から排出される室排気との間で熱交換を行う全熱交換器2と、前記全熱交換器2で熱交換された後の外気路に配設され、水滴の滴下によって室へ給気する外気に加湿する滴下式加湿器3と、前記滴下式加湿器3に給水する給水管15及び給水弁16とからなる全熱交換式給排気換気装置1を備え、該全熱交換式給排気換気装置1で熱交換され加湿された外気を給気ダクト6を介して室内に供給し、全熱交換式給排気換気装置1から排出された熱交換後の室排気を排気ダクト9を介して戸外に排出する空調システムにおいて、
前記給気ダクト6から分岐して前記外気導入ダクト5に接合され、全熱交換式給排気換気装置1から室内に供給される加湿後の外気の一部を給気ダクト6から外気導入ダクト5に帰還させる給気帰還ダクト7と、
前記排気ダクト9から分岐して前記全熱交換式給排気換気装置1から排出される熱交換後の室排気の一部を再度室内に帰還させる再給気ダクト10と、
前記給気帰還ダクト7及び再給気ダクト10のそれぞれに配設されたダクト開閉用のダンパー12、12’とを備え、
前記ダンパー12,12’の開閉操作による全熱交換式給排気換気装置1から室内に供給される外気の一部及び全熱交換式給排気換気装置1から排出される室排気の一部の経路変更によって、寒冷でかつ乾燥した時期における前記全熱交換式給排気換気装置1の室へ給気する外気への加湿能力の強化が図られるようにしてなることを特徴とする空調システム。 - 外気導入ダクト5から導入される外気と室排気ダクト8を介して室内から排出される室排気との間で熱交換を行う全熱交換器2と、前記全熱交換器2で熱交換された後の外気路に配設され、水滴の滴下によって室へ給気する外気に加湿する滴下式加湿器3と、前記滴下式加湿器3に給水する給水管15及び給水弁16とからなる全熱交換式給排気換気装置1を備え、該全熱交換式給排気換気装置1で熱交換され加湿された外気を給気ダクト6を介して室内に供給し、全熱交換式給排気換気装置1から排出される熱交換後の室排気を排気ダクト9を介して戸外に排出する空調システムにおいて、
前記給気ダクト6から分岐して前記外気導入ダクト5に接合され、全熱交換式給排気換気装置1から室内に供給される加湿後の外気の一部を給気ダクト6から外気導入ダクト5に帰還させる給気帰還ダクト7と、
前記排気ダクト9から分岐して前記全熱交換式給排気換気装置1から排出される熱交換後の室排気の一部を再度室内に帰還させる再給気ダクト10と、
前記給気帰還ダクト7及び再給気ダクト10のそれぞれに配設されたダクト開閉用のダンパー12、12’と
室内に配置され室内の湿度を計測・監視する湿度センサー13と、
該湿度センサー13の計測値があらかじめ設定された湿度を超え、又は不足したことを検知したとき、前記ダンパー12、12’の開閉を制御する制御手段11とを備えてなることを特徴とする空調システム。 - 前記制御手段11が、湿度センサー13の計測値があらかじめ設定された湿度以下の場合には、給気帰還ダクト7及び再給気ダクト10に配設されたダンパー12、12’に「開放」の制御信号を、湿度センサー13の計測値があらかじめ設定された湿度を超えた場合には、前記ダンパー12、12’に「閉止」の制御信号を信号回線14を介して伝送し、前記ダンパー12、12’の開閉を制御するものであることを特徴とする請求項2に記載の空調システム。
- 外気導入ダクト5から導入される外気と室排気ダクト8を介して室内から排出される室排気との間で熱交換を行う全熱交換器2と、前記全熱交換器2で熱交換された後の外気路に配設され、水滴の滴下によって室へ給気する外気を加湿する滴下式加湿器3と、前記滴下式加湿器3に給水する給水管15及び給水弁16とからなる全熱交換式給排気換気装置1を備え、該全熱交換式給排気換気装置1で熱交換され加湿された外気を給気ダクト6を介して室内に供給し、全熱交換式給排気換気装置1から排出される熱交換後の室排気を排気ダクト9を介して戸外に排出する空調システムにおいて、
全熱交換式給排気換気装置1から室内に供給される加湿後の外気の一部を給気ダクト6から外気導入ダクト5に帰還する給気帰還ダクト7と、
全熱交換式給排気換気装置1から排出する熱交換後の室排気の一部を再度室内に帰還させる再給気ダクト10と、
前記給気帰還ダクト7及び再給気ダクト10のそれぞれにダクト開閉用のダンパー12、12’とを備えて構成し、
該空調システムを以下のとおり操作して、
すなわち、外気が寒冷でかつ乾燥しているため前記滴下式加湿器3に導入される全熱交換後の導入外気の温度では室内の空調に適した湿度が得られない場合に、前記給気帰還ダクト7に配設されたダンパー12を開いて全熱交換式給排気換気装置1から室内に供給される熱交換によって暖められた外気の一部を、前記給気帰還ダクト7を介して外気導入ダクト5に帰還して導入外気と混合して再度全熱交換器2によって加温して前記滴下式加湿器3に供給して滴下式加湿器3での水滴蒸発量を増加させるとともに、前記再給気ダクト10に配設されたダンパー12’を開いて帰還ダクト7を介して外気導入ダクト5に帰還されることによって不足する室内への給気量を室排気によって補うようにしたことを特徴とする空調システムの加湿能力増強方法。 - 外気導入ダクト5から導入される外気と室排気ダクト8を介して室内から排出される室排気との間で熱交換を行う全熱交換器2と、前記全熱交換器2で熱交換された後の外気路に配設され、水滴の滴下によって室へ給気する外気を加湿する滴下式加湿器3と、前記滴下式加湿器3に給水する給水管15及び給水弁16とからなる全熱交換式給排気換気装置1を備え、該全熱交換式給排気換気装置1で熱交換され加湿された外気を給気ダクト6を介して室内に供給し、全熱交換式給排気換気装置1から排出される熱交換後の室排気を排気ダクト9を介して戸外に排出する空調システムにおいて、
前記給気ダクト6から分岐して外気導入ダクト5に接合され、前記全熱交換式給排気換気装置1から室内に供給される加湿後の外気の一部を、給気ダクト6から前記外気導入ダクト5に帰還させる給気帰還ダクト7と、
前記排気ダクト9から分岐して前記全熱交換式給排気換気装置1から排出される室排気の一部を再度室内に帰還させる再給気ダクト10と、
前記給気帰還ダクト7及び再給気ダクト10のそれぞれに配設されたダクト開閉用のダンパー12、12’と
室内に配置され室内の湿度を計測・監視する湿度センサー13と、
該湿度センサー13の計測値があらかじめ設定された湿度を超え、又は不足したことを検知したとき、前記ダンパー12、12’の開閉を制御する制御手段11とを備えて構成し、
該空調システムを以下のとおり操作して、
すなわち、外気が寒冷でかつ乾燥しているため前記滴下式加湿器3に導入される全熱交換後の導入外気の温度では室内の空調に適した湿度が得らず前記湿度センサー13の測定値があらかじめ設定された室内湿度値以下の場合に、前記制御手段11によって給気帰還ダクト7に配設されたダンパー12を開いて全熱交換式給排気換気装置1から室内に供給される熱交換によって暖められた外気の一部を、前記給気帰還ダクト7を介して外気導入ダクト5に帰還して導入外気と混合し再度全熱交換器2によって加温して前記滴下式加湿器3に供給して滴下式加湿器3での水滴蒸発量を増加させるとともに、前記再給気ダクト10に配設されたダンパー12’を開いて帰還ダクト7を介して外気導入ダクト5に帰還されることによって不足する室内への給気量を室排気によって補い、
前記湿度センサー13の測定値があらかじめ設定した室内湿度値を超えた場合には前記制御手段11によって前記2つのダンパー12、12’を閉じて、全熱交換式給排気換気装置1から室内に供給される外気の一部の外気導入ダクト5への帰還と室排気の室内への再給気を中止して過剰な湿度上昇を防止するようにしたことを特徴とする空調システムの加湿能力増強方法。
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