JP4842338B2 - 多段自動変速機 - Google Patents
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<適切な変速比>
手動変速機である乗用車用MT(Manual Transmission)は前進5速(5MT)と前進6速(6MT)が用いられ、変速比は一般的に前進の最低速段の変速比を最高速段の変速比で割ったギア巾が4〜5.5で、最低速段の次段へのステップ比が1.6〜1.9、最高速段の次段からのステップ比が1.2前後の設定となっている。一方、従来の4ATでは図23に示した2種のパワートレンが用いられ、ギア巾が4前後で、最低速段の次段へのステップ比が1.8前後、最高速段の次段からのステップ比が1.4前後とMTと比べワイドで牽引特性が劣っており、入力継手にトルク増幅作用のあるトルクコンバータを用いてMTとの差をカバーしている。しかしながらトルクコンバータのトルク増幅作用はスリップ率に比例し、スリップ率の大きな低速段では効果があるがスリップ率の小さな高速段では効果が少なく、牽引特性が劣化するばかりではなくスリップによる効率悪化で燃費が悪くなる。そこで、ATにもMTと同じく前進5、6速(5、6AT)が必要となるが、変速段専用の2個のカウンターギアを変速段の数だけ用いるMTと比べ、複数の変速段で同一遊星歯車を用いるATでは変速比設定の自由度が小さくなる。Bタイプの6ATは図21に示すようにギア巾が6.05と6MT以上に取れるがステップ比がワイドで、特に連続走行となる高速走行では原動機の回転をより低く保つことが燃費の向上に繋がるため最高速段への次段からのステップ比は1.2以下とすべきで、ステップ比のクロス化が望まれる。そこで、図19に示すようにこの6ATにクラッチを付加して8ATとし、ギア巾を6.7に広げ最低速段の次段へのステップ比が1.69で最高速段の次段へのステップ比が1.2として6ATよりクロス化させたが、変速比が歪で8ATに相応しいクロスな変速比は設定できていない。一方、Cタイプの5ATは図22に示すように次段へのステップ比がMTと同じように小さくできるが、次項で示すように6ATよりシンプルな構造とはならないことや、MTほど十分に変速段を活用できないATでは更なる多段化が望まれる。そこで、図20に示すように更に大きな減速回転を5ATに入力可能として7ATとし、ギア巾を6に広げ最低速段の次段へのステップ比が1.53で高速段に行くに連れ徐々にステップ比を小さくし最高速段への次段からのステップ比が1.13と6MTを上回るクロスで優れた変速比の設定を遊星歯車で成立させている。
B、Cタイプの5、6ATは何れも4個の構成要素を備えた2個の遊星歯車に非減速回転と減速用遊星歯車を介した減速回転の2種を入力するもので、Cタイプ5ATは非減速回転を第3及び第4構成要素に選択可能に入力し、減速回転を第4構成要素に選択可能に入力し、第1及び第3構成要素を制動可能にして第2構成要素を出力し、Bタイプ6ATは非減速回転を第2構成要素に、減速回転を第1及び第4構成要素に選択可能に入力し、第1及び第2構成要素を制動可能にして第3構成要素を出力したもので、5個のクラッチ及びブレーキと3個の遊星歯車から成っている。5個のクラッチ及びブレーキと4個の構成要素を備えた2個の遊星歯車から成る4ATと比べ遊星歯車が1個追加されただけの構造で、それまで実用化された遊星歯車とクラッチ、ブレーキが各1個4ATに追加されたHi−L0式5ATよりシンプルとなる。なお、Cタイプ5ATでは第4構成要素の連結としてクラッチを用い計6個のクラッチ及びブレーキとしているが、これは変速特性をよりよくするためのものでクラッチを用いなくても成立する。本来乗用車用変速機の変速段数は前進6速で十分であり更に多段化する必要はないが、Bタイプ6ATの変速比がワイドであることやCタイプ5ATのギア巾が小さいこともありシンプルさを条件に7,8ATへと進んだ。Bタイプ8ATでは6ATにクラッチ1個を追加し、Hi−L0式5ATよりブレーキ1個が少ない極めてシンプルな構造で8ATを成立させている。一方、Cタイプ7ATは5ATに遊星歯車とブレーキの各1個を追加し、Hi−L0式5ATより僅かに複雑な構造となっている。
ATの主な動力ロスとして、トルクコンバータの流体スリップロス、制御のためのチャージングポンプ駆動ロス、非締結状態のクラッチ、ブレーキの摩擦部材の連れ回りロス、遊星歯車の噛合いロスがあり、発進時しかトルクコンバータを用いないCVT(Continuously Variable Transmission)やMTのクラッチを2個として自動化したトルクコンバータを用いないDCT(Dual Clutch Transmission)に比べ4ATではトルクコンバータのロスが大きく燃費が悪くなる。この最も大きくなるトルクコンバータのロスに関しては変速比を6MT以上にクロス化できるCタイプ7ATでは当然のことながらBタイプ8ATでもトルクコンバータのロックアップが可能となり、トルクコンバータの使用頻度を減らすことや、更に工夫して例えば本願出願人が特願2008−083909で示したようにトルクコンバータを全く用いないことで大幅な燃費改善が可能となる。しかしながら、5,6,7,8ATでは多段化することで4ATより歯車の噛合い箇所が増えるため必然的に効率が悪くなる。シングルピニオン遊星歯車に動力が通過する場合、サンギアとピニオン遊星歯車及びピニオン遊星歯車とリングギアの2箇所で噛合いが発生し、ダブルピニオン遊星歯車では、サンギアとピニオン遊星歯車、ピニオン遊星歯車同士及びピニオン遊星歯車とリングギアの3箇所で噛合いが発生する。厳密に言えば、歯車の噛合いによる動力伝達効率は噛合い箇所の数とそこで噛合う歯車の仕様及び動力の通過量で決定されるが、ここでは大略的に噛合い箇所の数に主願を置き、動力の通過量を考慮して検討する。4ATの2種のパワートレンを示す図23においてリングギアと遊星キャリアを連結したタイプ1では前進の一変速段当りの平均噛合い箇所が2箇所で、ダブルピニオン遊星歯車を用いたラビニョー遊星歯車のタイプ2では2.25箇所と多くなる。図22のCタイプ5ATでは前進1速で100%、前進5速で−26%の動力が減速用遊星歯車を通過するため平均噛合い箇所が3.2箇所、更に図20のCタイプ7ATでは前進1、2速で100%、前進6で−37%,前進7速で−21%の動力が減速用遊星歯車を通過するため平均噛合い箇所が4箇所に増え、図21のBタイプ6ATでは前進1,2,3速で100%、前進4速で28%、前進5速で−25%の動力が減速用遊星歯車を通過するため平均噛合い箇所が3.7箇所、更に図19のBタイプ8ATでは減速用遊星歯車にダブルピニオン遊星歯車を用いるため平均噛合い箇所が3.9箇所に増え、4ATと比べ噛合い箇所が倍となり効率が悪化する。この平均噛合い箇所の数値は後述の段落[0088]から[0091]で説明するが、減速用遊星歯車と4個の構成要素を備えた2個の遊星歯車との動力分配を考慮し算出した。
遊星歯車40のリングギアR4を第5構成要素とし、第1構成要素に減速用遊星歯車10を介した入力部位の減速回転をクラッチC3を介して入力するとともにブレーキB2を配し、第2構成要素に入力部位の回転をクラッチC2を介して入力するとともにブレーキB1又はワンウェイクラッチOWCを配し、第3構成要素を前記出力部位に連結し、第4構成要素に入力部位の回転をクラッチC1を介して入力し、第5構成要素にブレーキB3を配し、クラッチC1、C2、C3及びブレーキB1、B2、B3又はワンウェイクラッチOWCの何れか2個を選択的に締結することにより前進7速後進1速又は2速を得たので、減速用遊星歯車10を動力が通過する変速段が2変速段のみとなり遊星歯車の噛合い箇所を少なくして噛合いロスを減らすことができるとともに、遊星歯車40のみを動力が通過する独立した変速比を得ることができる変速段を1段設けたことにより最低速段の次段へのステップ比を1.5前後にでき、高速段に行くに連れ徐々にステップ比を小さくして最高速段の次段からのステップ比を1.2以下にでき、トルクコンバータ等流体伝導装置の使用を制限して大幅に燃費を向上させる前進6速を超える多段自動変速機が提供できる。
<前進1速(1st)>
クラッチC1とブレーキB1又はワンウェイクラッチOWCが締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転がクラッチC1を介して第4構成要素のサンギアS3に入力され、第2構成要素のリングギアR3が固定され第3構成要素の遊星キャリアP3から減速されて出力される。ここで動力は遊星歯車30しか通過せず、噛合い箇所はサンギアS3とピニオン遊星歯車及びピニオン遊星歯車とリングギアR3の2箇所となる。
<前進2速(2nd)>
クラッチC1とブレーキB2が締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転がクラッチC1を介して第4構成要素のサンギアS3に入力され、第1構成要素のサンギアS2が固定され、第2構成要素の連結された遊星キャリアP2、リングギアR3を介して第3構成要素の連結されたリングギアR2、遊星キャリアP3から減速されて出力される。ここで動力は遊星歯車20、30を通過し、噛合い箇所はサンギアS2とピニオン遊星歯車及びピニオン遊星歯車とリングギアR2及びサンギアS3とピニオン遊星歯車及びピニオン遊星歯車とリングギアR3の4箇所となる。
<前進3速(3rd)>
クラッチC1とC3が締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転がクラッチC1を介して第4構成要素のサンギアS3と減速用遊星歯車10のリングギアR1とC3を介して第1構成要素のサンギアS2に入力され、第2構成要素の連結された遊星キャリアP2、リングギアR3を介して第3構成要素の連結されたリングギアR2、遊星キャリアP3から減速されて出力される。この時、入力部位の動力は0.68:0.32に分割され第4構成要素と減速用遊星歯車10に入力され、減速用遊星歯車10はダブルピニオン遊星歯車のため噛合い箇所はサンギアS1とピニオン遊星歯車、ピニオン遊星歯車同士及びピニオン遊星歯車とリングギアR1の3箇所となり、減速用遊星歯車10の3箇所の噛合いを通過した0.32の動力は遊星歯車20、30の4箇所の噛合いを通って出力され、残り0.68の動力は遊星歯車20、30の4箇所の噛合いを通って出力されることになる。ここで動力が通過する噛合い箇所は(0.32×7)+ (0.68×4)=4.9となる。
<前進4速(4th)>
クラッチC1とC2が締結され、遊星歯車20、30が一体化されるためトルクコンバータを介した入力部位の回転がそのまま出力される。当然歯車の噛合いはない。
<前進5速(5th)>
クラッチC2とC3が締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転がクラッチC2を介して第2構成要素の遊星キャリアP2と減速用遊星歯車10のリングギアR1とC3を介して第1構成要素のサンギアS2に入力され、第3構成要素のリングギアR2から増速されて出力される。この時第1構成要素は負の力を受け、減速用遊星歯車10の3箇所の噛合いを通過した−21%の動力は遊星歯車20の2箇所の噛合いを通って出力され、121%の動力は遊星歯車20の2箇所の噛合いを通って動力を循環して出力されることになる。ここで動力が通過する噛合い箇所は(0.21×5)+ (1.21×2)=3.5となる。
<前進6速(6th)>
クラッチC2とブレーキB2が締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転がクラッチC2を介して第2構成要素の遊星キャリアP2に入力され、第1構成要素のサンギアS2が固定され第3構成要素のリングギアR2から増速されて出力される。ここで動力は遊星歯車20しか通過せず、噛合い箇所は2箇所となる。
<後進(Rev)>
クラッチC3とブレーキB1が締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転が減速用遊星歯車10のリングギアR1とC3を介して第1構成要素のサンギアS2に入力され、第2構成要素の遊星キャリアP2が固定され第3構成要素のリングギアR2から逆転されて出力される。噛合い箇所は減速用遊星歯車10の3箇所と遊星歯車20の2箇所の計5箇所となるが、後進は使用頻度が極めて少なく燃費には影響しないので検討はしない。
<平均噛合い箇所>
前進1速から6速までの動力が通過する遊星歯車の噛合い箇所は16.4箇所となり1変速段当りの平均噛合い箇所は16.4/6=2.7箇所と後述するBタイプ6ATの3.7箇所に比べ37%噛合いが少なく効率がよいことになる。
<前進1速(1st)>
A1タイプ6ATと全く同様で、動力は遊星歯車30しか通過せず、噛合い箇所は2箇所となる。
<前進2速(2nd)>
クラッチC1とブレーキB2が締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転がクラッチC1を介して第4構成要素のサンギアS2,S3に入力され、第1構成要素のリングギアR2が固定され、第2構成要素の連結された遊星キャリアP2、リングギアR3を介して第3構成要素の遊星キャリアP3から減速されて出力される。ここで動力は遊星歯車20、30を通過し、噛合い箇所は4箇所とA1タイプ6ATと同一となるが、各噛合い歯車を通過する動力量が異なり後述する図24で説明する。
<前進3速(3rd)>
遊星歯車20、30の動力の伝わり方がA1タイプ6ATと異なるだけで、第4構成要素と減速用遊星歯車10への動力分配率はA1タイプ6ATと同じく0.68:0.32となり、動力が通過する噛合い箇所も4.9と同一となるが、各噛合い歯車を通過する動力量が異なり後述する図24で説明する。
<前進4速(4th)>
A1タイプ6ATと同一。
<前進5速(5th)>
クラッチC2とC3が締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転がクラッチC2を介して第2構成要素の遊星キャリアP2、リングギアR3と、減速用遊星歯車10のリングギアR1とC3を介して第1構成要素のリングギアR2に入力され、第4構成要素のサンギアS2、S3を介して第3構成要素の遊星キャリアP3から増速されて出力される。この時第1構成要素は負の力を受け、減速用遊星歯車10の3箇所の噛合いを通過した−21%の動力は遊星歯車20の2箇所の噛合いを通って出力され、121%の動力は遊星歯車20の2箇所の噛合いを通って動力を循環して出力されることになる。ここで動力が通過する噛合い箇所は(0.21×7)+ (1.21×4)=6.3となる。
<前進6速(6th)>
クラッチC2とブレーキB2が締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転がクラッチC2を介して第2構成要素の遊星キャリアP2、リングギアR3に入力され、第1構成要素のリングギアR2が固定され、第4構成要素のサンギアS2、S3を介して第3構成要素の遊星キャリアP3から増速されて出力される。ここで動力は遊星歯車20、30を通過し、噛合い箇所は4箇所となる。
<後進(Rev)>
クラッチC3とブレーキB1が締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転が減速用遊星歯車10のリングギアR1とC3を介して第1構成要素のリングギアR2に入力され、第2構成要素の遊星キャリアP2、リングギアR3が固定され、第4構成要素のサンギアS2、S3を介して第3構成要素の遊星キャリアP3から逆転されて出力される。噛合い箇所は減速用遊星歯車10の3箇所と遊星歯車20,30の4箇所の計7箇所となるが、後進は使用頻度が極めて少なく燃費には影響しないので検討はしない。
<平均噛合い箇所>
前進1速から6速までの動力が通過する遊星歯車の噛合い箇所は21.2箇所となり1変速段当りの平均噛合い箇所は21.2/6=3.5箇所と後述するBタイプ6ATの3.7箇所とあまり変わりはないが、A2タイプ6ATの前進2,3速とBタイプ6ATの前進2、4速とは動力の伝わり方が異なり後述する図24で説明する。
図5のA1タイプ6ATと動力伝達形態は同様であるが、遊星歯車30の歯数比をZR3/ZS3=3.222と大きくしたため、変速比は4.222と大きくなる。
<前進2速(2nd)>
クラッチC1とブレーキB3が締結され、トルクコンバータを介した入力部位の回転がクラッチC1を介して第4構成要素のサンギアS4に入力され、第5構成要素のリングギアR4が固定され第3構成要素の遊星キャリアP4から減速されて出力される。動力伝達形態は前進1速と同様であるが、遊星歯車40の歯数比をZR4/ZS4=1.868と前進1速のZR3/ZS3=3.222より小さくしたため、変速比は2.868と小さくなる。ここで動力は遊星歯車40しか通過せず、噛合い箇所はサンギアS4と遊星ピニオンギア及び遊星ピニオンギアとリングギアR4の2箇所となる。
<前進3速(3rd)>
図5のA1タイプ6ATの前進2速と動力伝達形態は同様となり変速比は1.979となる。
<前進4速(4th)>
図5のA1タイプ6ATの前進3速と動力伝達形態は同様であるが、遊星歯車20、30のリングギアとサンギアの歯数比をそれぞれZR2/ZS2=2.28、ZR3/ZS3=3.222としたため、入力部位の動力は0.74:0.26に分割され第4構成要素と減速用遊星歯車10に入力され、変速比は1.369となる。ここで動力が通過する噛合い箇所は(0.26×7)+ (0.74×4)=4.8となる。
<前進5速(5th)>
図5のA1タイプ6ATの前進4速と動力伝達形態は同様で、変速比は1となる。
<前進6速(6th)>
図5のA1タイプ6ATの前進5速と動力伝達形態は同様であるが、遊星歯車20の歯数比がZR2/ZS2=2.28とA1タイプ6ATのZR2/ZS2=1.78より大きくしたため、変速比は0.807と大きくなるとともに動力の負荷率は減速用遊星歯車10が−16%、第2構成要素の遊星キャリアが116%となり、噛合い箇所は(0.16×5)+ (1.16×2)=3.1となる。
<前進7速(7th)>
図5のA1タイプ6ATの前進5速と動力伝達形態は同様であるが、遊星歯車20、30のリングギアとサンギアの歯数比をそれぞれZR2/ZS2=2.280、ZR3/ZS3=3.222と大きくしたため、変速比がA1タイプ6ATと比べ大きな方に移行し、0.695となる。
<後進1速(Rev1)>
図5のA1タイプ6ATの前進2速〜前進6速と同様であるが、遊星歯車20の歯数比をZR2/ZS2=2.280と大きくしたため、A1タイプ6ATより変速比が5.004と大きくなる。
<後進2速(Rev2)>
ワンウェイクラッチOWCを外せばクラッチC3とブレーキB3の締結で1.978の逆転が得られる。
<平均噛合い箇所>
前進1速から7速までの動力が通過する遊星歯車の噛合い箇所は17.9箇所となり1変速段当りの平均噛合い箇所は17.9/7=2.6箇所と後述するBタイプ8ATの3.9箇所、Cタイプ7ATの4箇所に比べ50%噛合いが少なく効率がよいことになる。Bタイプ8ATとCタイプ7ATは多段化することによりベースとなるBタイプ6ATとCタイプ5ATより噛合い箇所が増え効率が悪くなるが、A1タイプ7ATはベースとなるA1タイプ6ATより噛合い箇所が減り効率がよくなる。
<前進1速(1st)>
発進時クラッチC1を完全に締結し、ブレーキB1の締結油圧を制御して滑らす。そのためブレーキB1は滑りに耐え得る特殊な構造となっており、ワンウェイクラッチOWCは使用しない。
<後進1速(Rev1)>
発進時クラッチC3を完全に締結し、ブレーキB1の締結油圧を制御して滑らす。ブレーキB1を滑らすことは前進1速と同じとなる。
図2において、遊星歯車40の歯数比に影響される後進2速の変速比も2.23と図1の1.978より大きくなるが、その他の変速段の変速比は図1と同じで動力伝達形態も同じであることより説明は省略する。当然、図1は最低速段の次段へのステップ比も小さいため、入力継手に回転変動吸収ダンパを用いても十分成立する。
本発明の図1に示した模式図の具体的な構造を示す図7において、左前方の図示しない原動機にトルクコンバータ200aが連結される。トルクコンバータ200aはポンプインペラとタービンランナ及びホィールステータからなる流体伝導部と、ポンプインペラの外周内側とタービンランナにトーションダンパを介して装着された摩擦部材を締結する原動機直結となるロックアップクラッチからなっている。なお、ロックアップクラッチを締結するピストンにはポンプインペラと一体となり原動機に連結されるフロントカバーに逆止弁効果をもったシールが装着されて独立した油圧室を形成する。この方式は本願出願人が特願2007−034941で提案したものであり、どのような状態でもロックアップクラッチの係脱が応答よく行うことができ、本発明のようにクロスの変速比で低速段からロックアップクラッチを締結させる使い方には最適のトルクコンバータである。トルクコンバータ200aの出力となるタービンランナは変速装置の入力部位となる入力軸3aに連結される。
本発明の図2に示した模式図の具体的な構造を示す図8において、左前方の図示しない原動機に油圧ダンパ200bが連結される。油圧ダンパ200bは円周方向に分離された複数の室をトーションスプリングで連結し、各室にグリスを充填させるとともに各室間に微細な隙間を設け、原動機の回転変動をトーションスプリングと微細な隙間(オリフィス)のグリスの通過抵抗で吸収するもので、振動速度の2乗に比例する減衰特性を持ち原動機の動力を直接伝達する。図2では油圧ダンパを用いたが原動機の動力を直接伝達するどのような回転変動吸収ダンパを用いてもよい。油圧ダンパ200bの出力ハブは変速装置の入力部位となる入力軸3aに連結される。一般的に原動機の回転変動を吸収するには変速装置側の回転イナーシャを増やした方がよく、油圧ダンパ200bの出力ハブのイナーシャを大きくしてもよい。
本発明の図3に示した模式図の具体的な構造を示す図14において、左前方の図示しない原動機に湿式ダンパ200cが連結される。湿式ダンパ200cは外周部にグリスが充填された広角度に捩られるアークスプリングを保持する室を有し、アークスプリングと外周部の摩擦で振動の減衰を行うシンプルな回転変動吸収ダンパである。湿式ダンパ200cの出力ハブは変速装置の入力部位となる入力軸3aに連結される。当然図2のような油圧ダンパ200bを用いてもよいし、湿式ダンパ200cの出力ハブのイナーシャを大きくしてもよい。
本発明のベースとなる6ATを示した図5の、RWD用模式図の具体的な構造を示す図9において、遊星歯車20、30の左前方に配される減速用遊星歯車10とクラッチC1、C2、C3及びブレーキB2の構造は本発明の7ATを示す図7及び詳細を示す図10と同一であり、共通化して用いることができる。この構造は本願発明者が特願2006−180590で提案 「4個の構成要素からなる遊星歯車列の3要素に、入力軸の回転又は減速回転を変速機ケースに固定された入力継手部と変速装置部を分離する隔壁の延材された保持部材の円筒ボス外周部に減速用遊星歯車と複数のクラッチ配し、入力軸から減速用遊星歯車を駆動する連結部材を保持部材の円筒ボス外周に配し、連結部材と一体となるクラッチドラムの油圧サーボに保持部材の円筒ボス外周から油を供給する」 したものに含まれ、バランスが取り難いクラッチC1、C2、C3を全て保持部材2bの円筒ボス部外周に軸受け4nと4mで軸支し、入力軸3aを保持部材2bの円筒ボス部内周に軸受け4aと4bで軸支し、出力軸3dを変速機ケース1dに軸受け4hと4iで軸支し、遊星歯車20、30が配される中間軸3cを入力軸3aと出力軸3dに軸受け4cと4dで軸支したもので、全体構造がシンプルになるとともに各クラッチへの油の通路がシンプルとなり安定した回転部位の軸支が実現できる。本発明の7ATを示す図7及び詳細を示す図10では遊星歯車列は5要素となるが、入力軸の回転又は減速回転を入力する3要素の配列は6ATを示す図9と同一となり、減速用遊星歯車10とクラッチC1、C2、C3及びブレーキB2を共通化して用いることができる。
本発明のベースとなる6ATを示した図5の、FWD用模式図の具体的な構造を示す図15において、変速機ケース1bの側壁と隔壁2aの間の詳細構造とブレーキB2及びクラッチC3は6AT、7AT共通部を示す図16に示した如く、共通化して用いることができる。この構造は本願発明者が特願2007−110298で提案したものと全く同一であり、全体構造がシンプルコンパクトになる。本発明の7ATを示す図14及び詳細を示す図16では遊星歯車列は5要素となるが、入力軸の回転又は減速回転を入力する3要素の配列は6ATを示す図15と同一となり、減速用遊星歯車10とクラッチC1、C2、C3及びブレーキB2を共通化して用いることができる。
図25は入力継手に回転変動吸収ダンパを用いた図2、図8のRWD用のA1タイプ7ATの発進段である前進1速の車両が停止しているストール状態を示す速度線図である。車両が停止しているストール状態ではクラッチC1が完全に締結するよう制御がなされる。この状態で第1、第2、第5構成要素に係止されている摩擦部材は逆転しており、ブレーキB1、B2、B3の変速機ケースに係止されている摩擦部材と入力軸と同一回転をしているクラッチC2に係止されている摩擦部材及び減速回転をしているクラッチC3に係止されている摩擦部材との間に相対回転があり連れ回り力が発生する。この連れ回り力は相対回転の大きさ、伝達トルク容量の大きさ及び摩擦部材への油量の大きさに比例し、第4構成要素のクラッチC1の締結ポイントを支点として図の矢印方向にモーメント力として作用し、ブレーキB1、B2、B3及びクラッチC2、C3全ての連れ回り力が車両を前に動かす方向に作用する。モーメント力は支点からの腕の長さに比例するため、第1構成要素>第5構成要素>第2構成要素>第3構成要素の順となり、クラッチC3、ブレーキB2>ブレーキB3>クラッチC2、ブレーキB1の順に摩擦部材の連れ回り力が車両を動かそうと作用する。図8ではブレーキB1、B2、B3の摩擦部材に強制的に冷却油を供給するようになしているので、この状態で必要なクリープ力が得られる。また、図14のFWD用A1タイプ7ATではブレーキB1のみの摩擦部材に強制的に冷却油を供給するようになしており、この状態ではブレーキB1に小さな作動圧を作用させブレーキB1を滑らすことでクリープ力を得るが、他のブレーキ及びクラッチの連れ回り力でブレーキB1を滑らすエネルギーを緩和できブレーキB1の摩擦部材の耐久性を高めることができる。
<前進1速(1st)>
動力は100%ダブルピニオン遊星歯車からなる減速用遊星歯車の3箇所を通過しダブルピニオン遊星歯車からなるラビニョー遊星歯車のS3、P3、R3の3箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は6箇所となる。
<前進2速(2nd)>
動力は100%ダブルピニオン遊星歯車からなる減速用遊星歯車の3箇所を通過しダブルピニオン遊星歯車からなるラビニョー遊星歯車のS2、S3、P3、R3の4箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は7箇所となる。
<前進3速(3rd)>
動力は100%ダブルピニオン遊星歯車からなる減速用遊星歯車の3箇所を通過し一体となるラビニョー遊星歯車から出力されるため、噛合い箇所は3箇所となる。
<前進4速(4th)>
動力は第1構成要素と減速用遊星歯車に0.46:0.53分割されラビニョー遊星歯車のS2、S3、P3、R3の4箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は(0.53×7)+ (0.64×4)=6.3となる。
<前進5速(5th)>
動力は第2構成要素と減速用遊星歯車に0.73:0.27分割されラビニョー遊星歯車のS3、P3、R3の3箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は(0.27×6)+ (0.73×3)=3.8となる。
<前進6速(6th)>
動力は減速用遊星歯車を通過せず、一体となるラビニョー遊星歯車から出力されるため、噛合い箇所は0となる。
<前進7速(7th)>
第1構成要素は負の力を受け、減速用遊星歯車の3箇所の噛合いを通過した−20%の動力はラビニョー遊星歯車のS2、P2、R2の2箇所の噛合いを通って出力され、120%の動力は遊星歯車の2箇所の噛合いを通って動力を循環して出力されるため、噛合い箇所は(0.20×5)+ (1.20×2)=3.4となる。
<前進8速(8th)>
動力は減速用遊星歯車を通過せず、ラビニョー遊星歯車のS2、P2、R2の2箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は2箇所となる。
<平均噛合い箇所>
前進1速から8速までの動力が通過する遊星歯車の噛合い箇所は31.5箇所となり1変速段当りの平均噛合い箇所は31.5/8=3.9箇所となる。
<前進1速(1st)>
動力は100%ラビニョー遊星歯車からなる減速用遊星歯車のR1、P1、R4の3箇所を通過し遊星歯車のS3、P3、R3とS2、P2、R2の4箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は7箇所となる。
<前進2速(2nd)>
動力は100%ラビニョー遊星歯車からなる減速用遊星歯車のR1、P1、S1の2箇所を通過し遊星歯車のS3、P3、R3とS2、P2、R2の4箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は6箇所となる。
<前進3速(3rd)>
動力は直接遊星歯車のS3、P3、R3とS2、P2、R2の4箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は4箇所となる。
<前進4速(4th)>
動力は直接遊星歯車のS2、P2、R2の2箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は2箇所となる。
<前進5速(5th)>
動力は一体となる遊星歯車から出力されるため、噛合い箇所は0となる。
<前進6速(6th)>
減速用遊星歯車と連結する第4構成要素は負の力を受け、減速用遊星歯車のR1、P1、S1の2箇所の噛合いを通過した−37%の動力は遊星歯車のS3、P3、R3とS2、P2、R2の4箇所の噛合いを通って出力され、137%の動力は遊星歯車の2箇所の噛合いを通って動力を循環して出力されるため、噛合い箇所は(0.37×6)+ (1.37×2)=4.9となる。
<前進7速(7th)>
減速用遊星歯車と連結する第4構成要素は負の力を受け、ラビニョー遊星歯車からなる減速用遊星歯車のR1、P1、R4の3箇所の噛合いを通過した−21%の動力は遊星歯車のS3、P3、R3とS2、P2、R2の4箇所の噛合いを通って出力され、121%の動力は遊星歯車のS2、P2、R2の2箇所の噛合いを通って動力を循環して出力されるため、噛合い箇所は(0.21×7)+ (1.21×2)=3.9となる。
<平均噛合い箇所>
前進1速から7速までの動力が通過する遊星歯車の噛合い箇所は27.8箇所となり1変速段当りの平均噛合い箇所は27.8/7=4箇所となる。
<前進1速(1st)>
動力は100%減速用遊星歯車の2箇所を通過しダブルピニオン遊星歯車からなるラビニョー遊星歯車のS3、P3、R3の3箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は5箇所となる。
<前進2速(2nd)>
動力は100%減速用遊星歯車の2箇所を通過しダブルピニオン遊星歯車からなるラビニョー遊星歯車のS2、S3、P3、R3の4箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は6箇所となる。
<前進3速(3rd)>
動力は100%減速用遊星歯車の2箇所を通過し一体となるラビニョー遊星歯車から出力されるため、噛合い箇所は2箇所となる。
<前進4速(4th)>
動力は第2構成要素と減速用遊星歯車に0.72:0.28分割されラビニョー遊星歯車のS3、P3、R3の3箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は(0.28×5)+ (0.72×3)=3.6となる。
<前進5速(5th)>
第1構成要素は負の力を受け、減速用遊星歯車の2箇所の噛合いを通過した−25%の動力はラビニョー遊星歯車のS2、P2、R2の2箇所の噛合いを通って出力され、125%の動力は遊星歯車の2箇所の噛合いを通って動力を循環して出力されるため、噛合い箇所は(0.25×4)+ (1.25×2)=3.5となる。
<前進6速(6th)>
動力は減速用遊星歯車を通過せず、ラビニョー遊星歯車のS2、P2、R2の2箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は2箇所となる。
<平均噛合い箇所>
前進1速から6速までの動力が通過する遊星歯車の噛合い箇所は22.1箇所となり1変速段当りの平均噛合い箇所は22.1/6=3.7箇所となる。
<前進1速(1st)>
動力は100%減速用遊星歯車の2箇所を通過し遊星歯車のS3、P3、R3とS2、P2、R2の4箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は6箇所となる。
<前進2速(2nd)>
動力は直接遊星歯車のS3、P3、R3とS2、P2、R2の4箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は4箇所となる。
<前進3速(3rd)>
動力は直接遊星歯車のS2、P2、R2の2箇所を通過し出力されるため、噛合い箇所は2箇所となる。
<前進4速(4th)>
動力は一体となる遊星歯車から出力されるため、噛合い箇所は0となる。
<前進5速(5th)>
減速用遊星歯車と連結する第4構成要素は負の力を受け、減速用遊星歯車の2箇所の噛合いを通過した−26%の動力は遊星歯車のS3、P3、R3とS2、P2、R2の4箇所の噛合いを通って出力され、126%の動力は遊星歯車の2箇所の噛合いを通って動力を循環して出力されるため、噛合い箇所は(0.26×6)+ (1.26×2)=4.1となる。
<平均噛合い箇所>
前進1速から5速までの動力が通過する遊星歯車の噛合い箇所は16.1箇所となり1変速段当りの平均噛合い箇所は16.1/5=3.2箇所となる。
1b、1d 変速機ケース
1c、1e リアケース
2a 隔壁
2b 保持部材
3a 入力軸
3b 減速回転軸
3c 中間軸
3d 出力軸
4a〜4n 軸受け
10 減速用遊星歯車
20、30、40 遊星歯車
200a トルクコンバータ
200b 油圧ダンパ
200c 湿式ダンパ
C1、C2、C3、C4 クラッチ
B1、B2、B3 ブレーキ
Claims (7)
- 入力部位と出力部位の間に複数の遊星歯車とクラッチ及びブレーキを配した多段自動変速機であって、
サンギアS2、S3、S4とシングルピニオン遊星歯車を軸支する遊星キャリアP2、P3、P4及びリングギアR2、R3、R4とからなる遊星歯車20、30、40の、
遊星歯車20のサンギアS2を第1構成要素とし、
遊星歯車20の遊星キャリアP2と遊星歯車30のリングギアR3を連結して第2構成要素とし、
遊星歯車20のリングギアR2と遊星歯車30の遊星キャリアP3及び遊星歯車40の遊星キャリアP4を連結して第3構成要素とし、
遊星歯車30のサンギアS3と遊星歯車40のサンギアS4を連結して第4構成要素とし、
遊星歯車40のリングギアR4を第5構成要素とし、
或いは、遊星歯車20のリングギアR2を第1構成要素とし、
遊星歯車20の遊星キャリアP2と遊星歯車30のリングギアR3を連結して第2構成要素とし、
遊星歯車30の遊星キャリアP3と遊星歯車40の遊星キャリアP4を連結して第3構成要素とし、
遊星歯車20のサンギアS2と遊星歯車30のサンギアS3及び遊星歯車40のサンギアS4を連結して第4構成要素とし、
遊星歯車40のリングギアR4を第5構成要素とし、
前記第1構成要素に減速用遊星歯車10を介した前記入力部位の減速回転をクラッチC3を介して入力するとともにブレーキB2を配し、
前記第2構成要素に前記入力部位の回転をクラッチC2を介して入力するとともにブレーキB1又はワンウェイクラッチOWCを配し、
前記第3構成要素を前記出力部位に連結し、
前記第4構成要素に前記入力部位の回転をクラッチC1を介して入力し、
前記第5構成要素にブレーキB3を配し、
前記クラッチC1、C2、C3及びブレーキB1、B2、B3又はワンウェイクラッチOWCの何れか2個を選択的に締結することにより前進7速後進1速又は2速を得る多段自動変速機。 - サンギアS2、S3とシングルピニオン遊星歯車を軸支する遊星キャリアP2、P3及びリングギアR2、R3とからなる遊星歯車20、30の、
遊星歯車20のサンギアS2を第1構成要素とし、
遊星歯車20の遊星キャリアP2と遊星歯車30のリングギアR3を連結して第2構成要素とし、
遊星歯車20のリングギアR2と遊星歯車30の遊星キャリアP3を連結して第3構成要素とし、
遊星歯車30のサンギアS3を第4構成要素とし、
或いは、リングギアR2を第1構成要素とし、
遊星歯車20の遊星キャリアP2と遊星歯車30のリングギアR3を連結して第2構成要素とし、
遊星歯車30の遊星キャリアP3を第3構成要素とし、
遊星歯車20のサンギアS2と遊星歯車30のサンギアS3を連結して第4構成要素とし、
前記第1構成要素に減速用遊星歯車10を介した入力部位の減速回転をクラッチC3を介して入力するとともにブレーキB2を配し、
前記第2構成要素に前記入力部位の回転をクラッチC2を介して入力するとともにブレーキB1又はワンウェイクラッチOWCを配し、
前記第3構成要素を出力部位に連結し、
前記第4構成要素に前記入力部位の回転をクラッチC1を介して入力し、
前記クラッチC1、C2、C3及びブレーキB1、B2又はワンウェイクラッチOWCの何れか2個を選択的に締結することにより前進6速後進1速を得る多段自動変速機の、
遊星歯車30と前記出力部位との間に遊星歯車40を配し、遊星歯車30,40のサンギアS3、S4を連結するとともに遊星キャリアP3、P4及び前記出力部位を連結し、遊星歯車40のリングギアR4にブレーキB3を配し、
クラッチC1、C2、C3とブレーキB2及び減速用遊星歯車10を、前記前進6速後進1速を得る多段自動変速機と共通化するようになした請求項1に記載の多段自動変速機。 - 入力部位と減速用遊星歯車10と遊星歯車20、30、40及び出力部位を同軸上に軸方向順に配し、
遊星歯車20、30、40の前記入力部位側にクラッチC1、C2、C3及びブレーキB2を配し、
遊星歯車20、30、40側にブレーキB1、B3又はワンウェイクラッチOWCを配した請求項1又は2に記載の多段自動変速機。
- 入力部位と減速用遊星歯車10と出力部位及び遊星歯車40、30、20を同軸上に軸方向順に配し、
前記出力部位の前記入力部位側にクラッチC1、C2を配し、
前記出力部位の前記入力部位の反対側にブレーキB1、B2、B3又はワンウェイクラッチOWC及びクラッチC3を配した請求項1又は2に記載の多段自動変速機。
- 変速機前方に配される原動機の動力を、入力部位と同軸の前記変速機後方の出力部位から出力する前記前進6速及び7速の多段自動変速機のクラッチC1、C2、C3とブレーキB2及び減速用遊星歯車10の構造であって、
変速機ケースに脱着可能に固定され、前記原動機の動力を入力する入力継手と変速装置部を隔てるとともに前記入力継手から前記変速装置部へ動力を入力する前記入力部位を軸支する隔壁のボス部を前記変速機の後方に円筒状に延材し、
サンギアS1とダブルピニオン遊星歯車を軸支する遊星キャリアP1及びリングギアR1からなる減速用遊星歯車10のサンギアS1を前記隔壁の円筒ボス部の軸方向中央部に固定し、
リングギアR1の外周径方向外側でリングギアR1との間に摩擦部材を備えるとともにブレーキB2で制動されるクラッチC3のクラッチドラムを減速用遊星歯車10と前記隔壁の間の、前記隔壁の円筒ボス部に回転自在に軸支し、
遊星キャリアP1のサイド部材14aを前記隔壁の円筒ボス部で軸支するとともに前記円筒ボス部外周に沿って前記変速機の後方に延材して前記入力部位と連結し、
サイド部材14aと一体となるクラッチC2のクラッチドラムを前記クラッチC3の摩擦部材の後方に配するとともに前記クラッチC2のクラッチドラムの径方向内側にサイド部材14aに脱着可能なクラッチC1のクラッチドラムを連結し、
前記隔壁の円筒ボス部外周からクラッチC1、C2、C3の油圧サーボに油圧を供給して、クラッチC1、C2、C3と前記入力部位の後方軸中心から外側に順に配される前記第4、第2、第1構成要素を連結部材17、18、19を介して連結可能とした請求項1、2又は3に記載の多段自動変速機。
- 変速機前方に配される原動機の動力を、前記変速機の軸方向中央部に配した出力部位から出力する前記前進6速及び7速の多段自動変速機のクラッチC1、C2、C3とブレーキB2及び減速用遊星歯車10の構造であって、
変速機ケースに脱着可能に固定され、前記原動機の動力を入力する入力継手と変速装置部を隔てるとともに前記入力継手から前記変速装置部へ動力を入力する前記入力部位を軸支する隔壁のボス部を前記変速機の後方に円筒状に延材し、
サンギアS1とダブルピニオン遊星歯車を軸支する遊星キャリアP1及びリングギアR1からなる減速用遊星歯車10のサンギアS1を前記隔壁の円筒ボス部の軸方向端部に固定し、
遊星キャリアP1のサイド部材14aと前記入力部位を連結又は一体にするとともに遊星キャリアP1のもう一方のサイド部材14bにクラッチC1、C2共通のクラッチドラムを連結して減速用遊星歯車10と前記隔壁の間の、前記隔壁の円筒ボス部に回転自在に軸支し、
減速用遊星歯車10の外周径方向外側に前記クラッチC1、C2共通のクラッチドラムを延材するとともに前記出力部位側から順にクラッチC1とC2の摩擦部材を配し、
前記変速機の後方端部から順にクラッチC3のクラッチドラムと前記第1構成要素を制動するブレーキB2を配し、
リングギアR1を連結部材19を介して前記入力部位の後方軸中心に配される減速回転軸3bに連結するとともに減速回転軸3bを前記クラッチC3のクラッチドラムに連結し、
前記隔壁の円筒ボス部外周からクラッチC1、C2の油圧サーボに油圧を供給して、クラッチC1、C2と減速回転軸3bの外周径方向外側から内周方向に順に配される前記第4、第2構成要素を連結部材17、18を介して連結可能とし、
前記変速機の後方端部からクラッチC3の油圧サーボに油圧を供給して、クラッチC3と前記第1構成要素を連結可能とした請求項1、2又は4に記載の多段自動変速機。
- 入力継手に回転変動吸収ダンパを用いて原動機と変速機の入力部位を機械的に直結し、ブレーキB1の交互に配された摩擦部材の同一径中央円周部に複数の貫通穴を設け、前記交互に配された摩擦部材の端部側面から冷却油を供給するとともに、
少なくともブレーキB2及びB3のどちらか一方の交互に配された摩擦部材の同一径中央円周部に複数の貫通穴を設け、前記交互に配された摩擦部材の端部側面から冷却油を供給するようになした請求項1に記載の多段自動変速機。
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