JP5526132B2 - 多段変速機 - Google Patents

Description

本発明は、特許請求の範囲の請求項１の上位概念に従う、遊星構造の多段変速機、特には自動車用自動変速機、に関するものである。

自動変速機、特に自動車用のものは、従来技術による遊星歯車セットを有しており、それは、例えばクラッチおよびブレーキなどの摩擦エレメントないしシフトエレメントによって切り替えられ、そして通常、スリップ作用にさらされ選択的にロックアップクラッチが設けられる発進エレメント、例えば流体トルクコンバーターまたは流体クラッチなど、と結合されている。

この種の自動変速機は、例えば、本件出願人によるＤＥ１９９４９５０７Ａ１から知られている。それは、駆動軸に２つの切換不可能な前置ギヤセットが設けられており、出力側で２つの回転数を発生させ、駆動軸の回転数に加えて、選択的に、出力軸に作用する切換可能なダブル遊星歯車セットにおいて、利用されるシフトエレメントの選択的な締結によって、以下のように切換可能である。すなわち、あるギヤ段からそれに隣接する高いまたは低いギヤ段への切換のために、両方のまさに作動中のシフトエレメントの内、ただ一つのみのシフトエレメントが投入ないし遮断されなければならないというように、切換可能である。５つのシフトエレメントの利用により、前進７速が実現され、６つのシフトエレメントの利用により、前進９速乃至前進１０速が実現される。

更に、ＤＥ１０２１３８２０Ａ１から、第１ギヤ比の第１入力路（Eingangspfad）Ｔ１と、当該第１入力路Ｔ１よりも大きなギヤ比を有する入力路Ｔ２と、回転数チャート（Drehzahldiagramm）のエレメント順で第１エレメント、第２エレメント、第３エレメント、第４エレメントである４つのエレメントを有するラビニオ型の遊星歯車セットと、入力路Ｔ２の回転を第１エレメントＳ３に伝達するクラッチＣ−２と、入力路Ｔ２の回転を第４エレメントＳ２に伝達するクラッチＣ−１と、入力路Ｔ１の回転を第１エレメントＳ３に伝達するクラッチＣ−４と、入力路Ｔ１の回転を第２エレメントＣ３に伝達するクラッチＣ−３と、第４エレメントの係合をもたらすブレーキＢ−１と、第２エレメントの係合をもたらすブレーキＢ−２と、第３エレメントＲ３と結合される出力エレメントと、を備えた前進８速及び後進１速の多段自動変速機が知られている。

更に、９速の多段変速機が、ＤＥ２９３６９６９Ａ１から知られている。それは、８つのシフトエレメントと、４つのギヤセットと、を有している。この場合、あるギヤセットが前置ギヤとして作用し、メインギヤは、シンプソンセットと、反転ギヤとして作用する別のギヤセットと、を有している。

更なる多段変速機が、例えば、本件出願人によるＤＥ１０２００５０１０２１０Ａ１、及び、ＤＥ１０２００６００６６３７Ａ１から知られている。

一般の自動切換可能な遊星構造の自動車変速機が、従来技術について、すでに幾つか説明されたが、永続的な発展及び改良の対象となっている。すなわち、このような変速機は、コストにおいても有利で、とりわけ少ない数のシフトエレメントを必要とするべきであり、連続の切換における二重切換が回避されるべきである。これにより、所定のギヤレンジ内での切換においては、それぞれ一つのシフトエレメントだけが変更される。

本件出願人による未公開のＤＥ１０２００８０００４２８．３から、ハウジング内に配置された駆動軸と出力軸とを有する、遊星構造の多段変速機が知られるであろう。この変速機によると、以下において第１遊星歯車セット、第２遊星歯車セット、第３遊星歯車セット及び第４遊星歯車セットと称される少なくとも４つの遊星歯車セットと、以下において駆動軸、出力軸、第３軸、第４軸、第５軸、第６軸、第７軸及び第８軸と称される少なくとも８つの回転可能軸と、ブレーキ及びクラッチを有する少なくとも６つのシフトエレメントと、が設けられている。当該シフトエレメントの選択的な係合が、駆動軸と出力軸との間で、様々なギヤ比をもたらす。これにより、好適には、前進９速段と後進段とが実現可能である。

この場合、好ましくはマイナス遊星歯車セットとして形成される第１及び第２遊星歯車セットが、シフト可能な前置ギヤセットを形成し、第３及び第４遊星歯車セットが、メインギヤセットを形成する。

この多段変速機によれば、第１及び第２遊星歯車セットのリブ（キャリヤ）が、第４軸を介して互いに結合されており、第４軸は、メインギヤセットの一つのエレメントに結合されており、第１遊星歯車セットの内歯歯車は、第８軸を介して、第２遊星歯車セットの太陽歯車に結合されており、第８軸は、第１クラッチを介して、駆動軸に解除可能に結合可能であり、第１遊星歯車セットの太陽歯車は、第３軸によって、第１ブレーキを介して、変速機のハウジングに結合可能であり、第２クラッチを介して、駆動軸に解除可能に結合可能であり、第２遊星歯車セットの内歯歯車は、第５軸によって、第２ブレーキを介して、変速機のハウジングに結合可能である。更に、第７軸は、メインギヤセットの少なくとも一つのエレメントと常時結合されており、第３ブレーキを介して変速機のハウジングに結合可能であり、第６軸は、メインギヤセットの少なくとも一つの別のエレメントと常時結合されており、第３クラッチを介して駆動軸に解除可能に結合可能であり、出力軸は、メインギヤセットの少なくとも一つの更に別のエレメントと常時結合されている。

好ましくは、この変速機によれば、第４軸は、第３遊星歯車セットの内歯歯車と結合されており、第６軸は、第４遊星歯車セットの内歯歯車及び第３遊星歯車セットのリブと常時結合されており、第３クラッチを介して駆動軸に解除可能に結合可能である。更に、第７軸は、第３及び第４遊星歯車セットの太陽歯車と常時結合されており、第３ブレーキを介して変速機のハウジングに結合可能である。出力は、この場合、第４遊星歯車セットのリブに常時結合された出力軸を介して行われる。更に、第３及び第４遊星歯車セットは、共通のリブと共通の内歯歯車とを有するラビニオ型ギヤセットとして組み合わされ得る。

本発明の課題は、コスト及び構造サイズ、特には構造長さ、並びに重量が最適化され、スリップ損失（Schleppverluste）及び噛み合い損失（Verzahnungsverluste）に関する効率が改善され、少なくとも９速の前進段と少なくとも一つの十分なギヤ比の後進段とを備えた、冒頭で述べた方式の多段変速機を提供することである。更に、本発明による多段変速機では、シフトエレメントに、より小さい支持トルクが作用するべきである。更に、本発明による変速機は、特にはフロントトランスバース構造（Front-Quer-Anordnung）に適合可能であるべきである。

この本課題は、本発明に従って、特許請求の範囲の請求項１の特徴によって解決される。更なる利点や有利な実施の形態が、下位請求項から明らかになる。

それによると、ハウジング内に配置された駆動軸と出力軸とを有する、本発明による遊星構造の多段変速機が提案される。更に、以下において第１遊星歯車セット、第２遊星歯車セット、第３遊星歯車セット及び第４遊星歯車セットと称される少なくとも４つの遊星歯車セットと、以下において駆動軸、出力軸、第３軸、第４軸、第５軸、第６軸、第７軸及び第８軸と称される少なくとも８つの回転可能軸と、ブレーキ及びクラッチを有する少なくとも６つのシフトエレメントと、が設けられている。当該シフトエレメントの選択的な係合が、駆動軸と出力軸との間で、様々なギヤ比をもたらす。これにより、好適には、前進９速段と後進段とが実現可能である。好ましくは、第１遊星歯車セットはプラス遊星歯車セットとして形成され、その他の遊星歯車セットはマイナス遊星歯車セットとして形成される。

シンプルなマイナス遊星歯車セットは、公知のように、太陽歯車と、内歯歯車と、リブと、を有しており、リブ上において複数の遊星歯車が回転可能に軸支されており、当該遊星歯車の各々が太陽歯車及び内歯歯車と噛み合っている。これにより、内歯歯車は、リブが固定された時には、太陽歯車と反対向きの回転を有する。これに対して、シンプルなプラス遊星歯車セットは、太陽歯車と、内歯歯車と、リブと、を有しており、リブ上において複数の内側遊星歯車ないし外側遊星歯車が回転可能に軸支されており、内側遊星歯車の各々が太陽歯車と噛み合っており、外側遊星歯車の各々が内歯歯車と噛み合っており、内側遊星歯車の各々と外側遊星歯車の各々とが互いに噛み合っている。これにより、内歯歯車は、リブが固定された時に、太陽歯車と同じ向きの回転を有する。

本発明によれば、第１遊星歯車セットの太陽歯車は、第１ブレーキを介して変速機のハウジングに結合可能な第５軸に結合されており、第１遊星歯車セットのリブは、第８軸に結合されており、第８軸は、第２遊星歯車セットのリブにも結合されており、第１クラッチを介して駆動軸に解除可能に結合可能であり、駆動軸は、第２クラッチを介して第６軸に解除可能に結合可能であり、第３クラッチを介して第４軸に解除可能に結合可能である。この場合、第６軸は、第３遊星歯車セットの内歯歯車と結合されており、第４軸は、第２ブレーキを介して変速機のハウジングに結合可能であり、第４遊星歯車セットの太陽歯車及び第３遊星歯車セットの太陽歯車と結合されている。

更に、第１遊星歯車セットの内歯歯車は、出力軸に結合されており、出力軸は、第２遊星歯車セットの内歯歯車にも結合されており、第３遊星歯車セットのリブは、第７軸に結合されており、第７軸は、第４遊星歯車セットの内歯歯車と第２遊星歯車セットの太陽歯車とを互いに結合する構成部材に結合されている。本発明によれば、第４遊星歯車セットのリブは、第３軸に結合されており、第３軸は、第３ブレーキを介して変速機のハウジングに結合可能である
本発明の一実施の形態によれば、第１遊星歯車セット及び第２遊星歯車セットは、共通のリブと共通の内歯歯車とを有するラビニオ型ギヤセットとして組み合わされている。

本発明による多段変速機の実施の形態によって、特に乗用車にとって好適な複数のギヤ比が生成される。また、多段変速機の顕著に大きな全体の（ギヤ比の）広がりが生成される。これにより、走行快適性の改善と顕著な燃焼量低減とがもたらされる。

更に、本発明による多段変速機では、少ない数のシフトエレメントによって、コストが顕著に低減される。有利には、本発明による多段変速機において、流体圧式コンバータ、外部発進クラッチ、または、他の好適な外部発進エレメントによって発進を実施すること、が可能である。もっとも、変速機内に一体化された発進要素で発進プロセスを可能にすることも、考慮可能である。好適には、一つのシフトエレメントが、第１速段と後進段とで作動される。

更に、本発明による多段変速機において、スリップ損失（Schleppverluste）及び噛み合い損失（Verzahnungsverluste）に関する主たる走行ギヤ段での良好な効率がもたらされる。

更に、多段変速機のシフトエレメント及び遊星歯車セットに、小さいトルクが作用する。これにより、多段変速機における摩耗が有利に低減される。更に、当該小さいトルクによって、対応する小さいサイズが可能とされる。これにより、必要な構造空間や対応するコストが低減される。更に、軸、シフトエレメント及び遊星歯車セットにおいて、小さい回転数が存在する。

更に、本発明による変速機は、動力伝達方向にも空間的にも様々なドライブトレイン形態への適合が可能である、というように設計される。

本発明による多段変速機の好適な一実施の形態の概略図である。 本発明による多段変速機の好適な別の実施の形態の概略図である。 本発明による多段変速機の更に別の実施の形態の、シフトエレメント０４，１４，１６の配置の詳細図である。 図１乃至図３による多段変速機のための例示的なシフト表である。 図１乃至図３に示された変速機の、ギヤ速度段の各ギヤ比ｉに対応するギヤステップｐｈｉの図である。

以下、本発明が、図面に基づいて例示的に詳しく説明される。

図１には、変速機のハウジングＧ内に配置された駆動軸１と出力軸２とを有する、本発明に従う多段変速機が示されている。４つの遊星歯車セットＰ１、Ｐ２、Ｐ３、Ｐ４が設けられている。遊星歯車セットＰ２、Ｐ３、Ｐ４は、マイナス遊星歯車セットとして形成されており、遊星歯車セットＰ１は、プラス遊星歯車セットとして形成されている。

特にフロントトランスバース構造（Front-Quer-Anordnung）にとって好適な、図１に示された実施の形態では、第２遊星歯車セット及び第４遊星歯車セットＰ２、Ｐ４は、軸方向に見て、同じ歯車セット面内に配置されており、第２遊星歯車セットＰ２は、径方向に見て、第４遊星歯車セットＰ４の外側に配置されており、これにより、４つの遊星歯車セットは、有利な態様で、空間的に軸方向に見て、３つの歯車セット面上に制限されている。この場合、第４遊星歯車セットＰ４の内歯歯車は、第２遊星歯車セットＰ２の太陽歯車と、ある構成部材を介して結合されている。軸方向に見て、この場合、遊星歯車セットは、Ｐ１、Ｐ３、Ｐ４／Ｐ２の順序で配置されている。第３遊星歯車セットＰ３は、第１遊星歯車セットＰ１と径方向に内外に配置された第４及び第２遊星歯車セットＰ４／Ｐ２との間に配置されている。

図１から明らかなように、６つのシフトエレメント、すなわち、３つのブレーキ０３、０４、０５と３つのクラッチ１４、１６、１８と、が設けられている。シフトエレメントの空間的配置は、任意であり得る。サイズと外側設計とによってのみ制限される。

これらのシフトエレメントにより、前進９速段と後進段という選択的切換が実現可能である。本発明による多段変速機は、全体で８つの回転可能軸、すなわち、軸１、２、３、４、５、６、７、８を有している。駆動軸が、第１軸を形成し、出力軸が、第２軸を形成している。

本発明に従って、図１の多段変速機において、第１遊星歯車セットＰ１の太陽歯車は、第１ブレーキ０５を介して変速機のハウジングＧに結合可能な第５軸５に結合されており、第１遊星歯車セットＰ１のリブは、第８軸８に結合されており、第８軸８は、第２遊星歯車セットＰ２のリブにも結合されており、第１クラッチ１８を介して駆動軸１に解除可能に結合可能であり、駆動軸１は、第２クラッチ１６を介して第６軸６に解除可能に結合可能であり、第３クラッチ１４を介して第４軸４に解除可能に結合可能である。この場合、第６軸６は、第３遊星歯車セットＰ３の内歯歯車と結合されており、第４軸４は、第２ブレーキ０４を介して変速機のハウジングＧに結合可能であり、第４遊星歯車セットＰ４の太陽歯車及び第３遊星歯車セットＰ３の太陽歯車と結合されている。

更に、第１遊星歯車セットＰ１の内歯歯車は、出力軸２に結合されており、出力軸２は、第２遊星歯車セットＰ２の内歯歯車にも結合されており、第３遊星歯車セットＰ３のリブは、第７軸７に結合されており、第７軸７は、第４遊星歯車セットＰ４の内歯歯車と第２遊星歯車セットＰ２の太陽歯車とを互いに結合する構成部材に結合されている。本発明によれば、第４遊星歯車セットＰ４のリブは、第３軸３に結合されており、第３軸３は、第３ブレーキ０３を介して変速機のハウジングＧに結合可能である。

図示の例では、第１クラッチ１８は、牽引運転時の動力伝達方向に見て、第１遊星歯車セットＰ１の前方に配置されており、第１ブレーキ０５は、牽引運転時の動力伝達方向に見て、第１遊星歯車セットＰ１の前方に配置されている。

更に、第３クラッチ１４は、径方向に見て、第２ブレーキ０４の内側に配置されており、第２ブレーキ０４と共に、共通の内側ディスクキャリヤを有し得る。更に、第２クラッチ１６は、軸方向に見て、第１遊星歯車セットＰ１と第３遊星歯車セットＰ３との間に配置されている。

図２に示された実施の形態は、以下の点で、図１の実施の形態と異なっている。すなわち、第１遊星歯車セットＰ１及び第２遊星歯車セットＰ２は、共通のリブと共通の内歯歯車とを有するラビニオ型ギヤセットとして組み合わされており、図１のように第３遊星歯車セットＰ３は第１遊星歯車セットＰ１と径方向に内外に配置された第４及び第２遊星歯車セットＰ４／Ｐ２との間には配置されておらず、径方向に内外に配置された第４及び第２遊星歯車セットＰ４／Ｐ２が、第１遊星歯車セットＰ１と第３遊星歯車セットＰ３との間に配置されている。

図２から明らかなように、第１クラッチ１８は、牽引運転時の動力伝達方向に見て、第１遊星歯車セットＰ１の前方に配置されており、第１ブレーキ０５は、牽引運転時の動力伝達方向に見て、第１遊星歯車セットＰ１の前方に配置されている。

更に、第３クラッチ１４は、径方向に見て、第２ブレーキ０４の内側に配置されており、本質的に第３遊星歯車セットＰ３の外側に配置されており、第２ブレーキ０４と共に、共通の内側ディスクキャリヤを有し得る。更に、第２クラッチ１６は、径方向に見て、本質的に第３ブレーキ１４の内側に配置されている。これは、図３によっても示されている。この場合、第２クラッチ１６は、径方向に見て、第３ブレーキ１４の内側に配置されている。

図４は、図１乃至図３による多段変速機の例示的なシフト表である。どのギヤ段でも、３つのシフトエレメントが締結される。このシフト表から、個々のギヤ段のそれぞれのギヤ比ｉと、それにより決定される次のより高いギヤ段へのギヤ間ステップｐｈｉとが、例示的に読み取れる。

第１乃至第４遊星歯車セットＰ１〜Ｐ４の静止時ギヤ比（Standuebersetzung）の典型的な値は、それぞれ、３．２０、−１．５０、−２．２０、−１．９０である。図４から、シーケンシャルシフト法の場合、隣り合う２つのギヤ段が２つのシフトエレメントを共通に使用することにより、二重シフト乃至グループシフト（レンジシフト）が避けられる、ということがわかる。さらに、小さいギヤ間ステップの場合の大きい（ギヤ比の）広がりが達成されることが明らかである。さらに、図１に示された変速機では、前進９速段と後進段とが実現される。

第１ブレーキ０５及び／または第２クラッチ１６は、好適には、ドグ式シフトエレメントとして形成される。これにより、開放状態の摩擦式シフトエレメントの摩擦面間の小さい距離と、そこに含まれる油ないし空気と油との混合物と、に起因して生じる変速機のスリップトルクが低減される。その他のクラッチ１４、１８及びブレーキ０３、０４は、好適には、摩擦式シフトエレメント乃至ディスク式シフトエレメントとして形成される。

前進第１段は、第２クラッチ１６、第３ブレーキ０３及び第１ブレーキ０５の締結（係合）によって生じ、前進第２段は、第２ブレーキ０４、第１ブレーキ０５及び第２クラッチ１６の締結によって生じ、前進第３段は、第２クラッチ１６、第３クラッチ１４及び第１ブレーキ０５の締結によって生じ、前進第４段は、第１クラッチ１８、第２クラッチ１６及び第１ブレーキ０５の締結によって生じ、前進第５段は、第１クラッチ１８、第２クラッチ１６及び第３クラッチ１４の締結によって生じ、前進第６段は、第２ブレーキ０４、第１クラッチ１８及び第２クラッチ１６の締結によって生じ、前進第７段は、第３ブレーキ０３、第１クラッチ１８及び第２クラッチ１６の締結によって生じ、前進第８段は、第３ブレーキ０３、第２ブレーキ０４及び第１クラッチ１８の締結によって生じ、前進第９段は、第３ブレーキ０３、第１クラッチ１８及び第３クラッチ１４の締結によって生じる。後進段は、第３ブレーキ０３、第１ブレーキ０５及び第３クラッチ１４の締結によって生じる。

前進第１段と後進段とでブレーキ０３及びブレーキ０５が締結されることにより、これらのシフトエレメント（摩擦式シフトエレメント乃至ディスク式シフトエレメントとして形成される）は、発進エレメントとして利用され得る。

本発明によれば、同一のギヤ構造によっても、シフトロジック毎に異なるギヤステップをもたらすことができる。これにより、特注設計ないし車両固有の変形が可能である。

図５の対象は、図１乃至図３に示された変速機の、図４に示された値に対応する、ギヤ速度段の各ギヤ比ｉに対応するギヤステップｐｈｉの図である。

本発明によれば、多段変速機の各々の好適な位置に、例えば軸とハウジングとの間に、または、場合によって２本の軸を結合するために、追加のフリーホイールを設けることが可能である。

本発明によれば、アクスルディファレンシャル及び／またはセンターディファレンシャルが、駆動側または出力側に配置され得る。

有利な実施の形態では、駆動軸１は、クラッチエレメントによって、必要に応じて駆動エンジンから分離され得る。この場合、クラッチエレメントとしては、油圧式トルクコンバータ、油圧式クラッチ、乾式発進クラッチ、湿式発進クラッチ、磁性粉クラッチ、または、遠心力クラッチが、利用可能である。また、そのような発進エレメントは、変速機の動力伝達方向の後方に配置可能である。この場合、駆動軸１は、エンジンのクランクシャフトに常時結合される。

さらに、本発明の多段変速機は、エンジンと変速機との間に、ねじれ振動ダンパーを配置可能である。

本発明の別の不図示の実施の形態では、各軸において、好適には駆動軸１または出力軸２において、例えば油圧式リターダや電気式リターダのような、耐摩耗（無摩耗）ブレーキが配置され得る。このことは、特に商用車への応用において、特に重要である。さらに、補助ユニットを駆動するために、各軸において、好適には駆動軸１または出力軸２において、動力取出装置が設けられ得る。

適用される摩擦式シフトエレメントは、負荷切換クラッチまたは負荷切換ブレーキとして形成され得る。特には、ディスククラッチ、バンドブレーキおよび／または円錐クラッチのような、圧着式（kraftschluessige）のクラッチまたはブレーキが利用され得る。

ここに紹介された多段変速機の更なる利点は、どの軸にも、発電機として及び／または補助的な駆動機械として、電動機が取付可能である、ということにある。

当然のことながら、いかなる構造上の形態も、特に遊星歯車セットおよびシフトエレメントのそれ自体ならびに相互のいかなる空間的配置も、技術的に有意である限り、たとえそれら形態が図面や前記説明の中で明確に示されていなくとも、請求項の中に記載されているような変速機の機能に影響を与えずに、提示されている請求項の保護範囲に含まれる。

１ 第１軸、駆動軸
２ 第２軸、出力軸
３ 第３軸
４ 第４軸
５ 第５軸
６ 第６軸
７ 第７軸
８ 第８軸
０３ 第３ブレーキ
０４ 第２ブレーキ
０５ 第１ブレーキ
１４ 第３クラッチ
１６ 第２クラッチ
１８ 第１クラッチ
Ｐ１ 第１遊星歯車セット
Ｐ２ 第２遊星歯車セット
Ｐ３ 第３遊星歯車セット
Ｐ４ 第４遊星歯車セット
ｉ ギヤ比
ｐｈｉ ギヤ間ステップ
Ｇ ハウジング

Claims (14)

1. 遊星構造の多段変速機、特には自動車用の自動変速機であって、
   ハウジング（Ｇ）内に配置された駆動軸（１）、出力軸（２）及び４組の遊星歯車セット（Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３、Ｐ４）と、
   少なくとも８本の回転可能軸（１、２、３、４、５、６、７、８）と、
   ブレーキ（０３、０４、０５）及びクラッチ（１４、１６、１８）を有する６つのシフトエレメント（０３、０４、０５，１４、１６、１８）と、
   を備えており、
   それらの選択的係合が駆動軸（１）と出力軸（２）との間に異なるギヤ比を生じ、その結果、前進９段及び後進１段が実現可能であり、
   第１遊星歯車セット（Ｐ１）の太陽歯車は、第１ブレーキ（０５）を介して変速機のハウジング（Ｇ）に結合可能な第５軸（５）に結合されており、
   第１遊星歯車セット（Ｐ１）のリブは、第８軸（８）に結合されており、
   第８軸（８）は、第２遊星歯車セット（Ｐ２）のリブにも結合されており、第１クラッチ（１８）を介して駆動軸（１）に解除可能に結合可能であり、
   駆動軸（１）は、第２クラッチ（１６）を介して第６軸（６）に解除可能に結合可能であり、第３クラッチ（１４）を介して第４軸（４）に解除可能に結合可能であり、
   第６軸（６）は、第３遊星歯車セット（Ｐ３）の内歯歯車と結合されており、
   第４軸（４）は、第２ブレーキ（０４）を介して変速機のハウジング（Ｇ）に結合可能であり、第４遊星歯車セット（Ｐ４）の太陽歯車及び第３遊星歯車セット（Ｐ３）の太陽歯車と結合されており、
   第１遊星歯車セット（Ｐ１）の内歯歯車は、出力軸（２）に結合されており、
   出力軸（２）は、第２遊星歯車セット（Ｐ２）の内歯歯車にも結合されており、
   第３遊星歯車セット（Ｐ３）のリブは、第７軸（７）に結合されており、
   第７軸（７）は、第４遊星歯車セット（Ｐ４）の内歯歯車と第２遊星歯車セット（Ｐ２）の太陽歯車とを互いに結合する構成部材に結合されており、
   第４遊星歯車セット（Ｐ４）のリブは、第３軸（３）に結合されており、
   第３軸（３）は、第３ブレーキ（０３）を介して変速機のハウジング（Ｇ）に結合可能である
   ことを特徴とする多段変速機。
2. 第２遊星歯車セット乃至第４遊星歯車セット（Ｐ２、Ｐ３、Ｐ４）は、マイナス遊星歯車セットとして形成されており、
   第１遊星歯車セット（Ｐ１）は、プラス遊星歯車セットとして形成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の多段変速機。
3. 第２遊星歯車セット及び第４遊星歯車セット（Ｐ２、Ｐ４）は、軸方向に見て、同じ歯車セット面内に配置されており、
   第２遊星歯車セット（Ｐ２）は、径方向に見て、第４遊星歯車セット（Ｐ４）の外側に配置されており、
   これにより、４つの遊星歯車セット（Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３、Ｐ４）は、空間的に軸方向に見て、３つの歯車セット面上に制限されている
   ことを特徴とする請求項１または２に記載の多段変速機。
4. 第１クラッチ（１８）は、牽引運転時の動力伝達方向に見て、第１遊星歯車セット（Ｐ１）の前方に配置されている
   ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の多段変速機。
5. 第１ブレーキ（０５）は、牽引運転時の動力伝達方向に見て、第１遊星歯車セット（Ｐ１）の前方に配置されている
   ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の多段変速機。
6. 第３クラッチ（１４）は、径方向に見て、第２ブレーキ（０４）の内側に配置されている
   ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の多段変速機。
7. 第３クラッチ（１４）及び第２ブレーキ（０４）は、共通の内側ディスクキャリヤを有している
   ことを特徴とする請求項１乃至６のいずれかに記載の多段変速機。
8. 第３遊星歯車セット（Ｐ３）は、第１遊星歯車セット（Ｐ１）と径方向に内外に配置された第４及び第２遊星歯車セット（Ｐ４／Ｐ２）との間に配置されている
   ことを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の多段変速機。
9. 第２クラッチ（１６）は、軸方向に見て、第１遊星歯車セット（Ｐ１）と第３遊星歯車セット（Ｐ３）との間に配置されている
   ことを特徴とする請求項８に記載の多段変速機。
10. 第１遊星歯車セット（Ｐ１）及び第２遊星歯車セット（Ｐ２）は、共通のリブと共通の内歯歯車とを有するラビニオ型ギヤセットとして組み合わされており、
    径方向に内外に配置された第４及び第２遊星歯車セット（Ｐ４／Ｐ２）は、第１遊星歯車セット（Ｐ１）と第３遊星歯車セット（Ｐ３）との間に配置されている
    ことを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の多段変速機。
11. 第２クラッチ（１６）は、径方向に見て、第３クラッチ（１４）の内側に配置されている
    ことを特徴とする請求項１０に記載の多段変速機。
12. 第１ブレーキ（０５）及び／または第２クラッチ（１６）は、ドグ式シフトエレメントとして形成されており、
    他のクラッチ（１４、１８）及び他のブレーキ（０３、０４）は、摩擦式シフトエレメントとして形成されている
    ことを特徴とする請求項１乃至１１のいずれかに記載の多段変速機。
13. 前進第１段は、第２クラッチ（１６）、第３ブレーキ（０３）及び第１ブレーキ（０５）の締結によって生じ、
    前進第２段は、第２ブレーキ（０４）、第１ブレーキ（０５）及び第２クラッチ（１６）の締結によって生じ、
    前進第３段は、第２クラッチ（１６）、第３クラッチ（１４）及び第１ブレーキ（０５）の締結によって生じ、
    前進第４段は、第１クラッチ（１８）、第２クラッチ（１６）及び第１ブレーキ（０５）の締結によって生じ、
    前進第５段は、第１クラッチ（１８）、第２クラッチ（１６）及び第３クラッチ（１４）の締結によって生じ、
    前進第６段は、第２ブレーキ（０４）、第１クラッチ（１８）及び第２クラッチ（１６）の締結によって生じ、
    前進第７段は、第３ブレーキ（０３）、第１クラッチ（１８）及び第２クラッチ（１６）の締結によって生じ、
    前進第８段は、第３ブレーキ（０３）、第２ブレーキ（０４）及び第１クラッチ（１８）の締結によって生じ、
    前進第９段は、第３ブレーキ（０３）、第１クラッチ（１８）及び第３クラッチ（１４）の締結によって生じ、
    後進段は、第３ブレーキ（０３）、第１ブレーキ（０５）及び第３クラッチ（１４）の締結によって生じる
    ことを特徴とする請求項１乃至１２のいずれかに記載の多段変速機。
14. 発進が、変速機の第３ブレーキ（０３）または第１ブレーキ（０５）によって行われることを特徴とする請求項１乃至１３のいずれかに記載の多段変速機。

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