JP4842231B2 - 酸化剤及びその酸化剤を用いた固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、プリント基板のビアや固体電解コンデンサに用いられる導電性高分子を化学酸化重合法によって製造するときに用いられる酸化剤とその酸化剤を用いた固体電解コンデンサに関するものである。
従来、固体電解コンデンサの固体電解質となる導電性高分子を化学酸化重合する製造方法としては、下記に記載する二つの方法が挙げられる。
一つ目としては、重合により導電性高分子となる重合性モノマーを含む重合性モノマー溶液(以下、重合性モノマー溶液と略す)と、上記重合性モノマーを酸化により重合することのできる酸化剤を含む溶液(以下、酸化剤溶液と略す)の混合液をコンデンサとなる多孔質弁金属体の表面酸化皮膜上に導入し、導電性高分子を形成する一液法が開示されている。しかし一液法ではモノマーと酸化剤を混合した直後に反応が開始し、タンタル焼結体のような入り組んだ細孔を有する多孔体では、反応溶液の活性が細孔の深部に到達する前に失われ焼結体の中心部に導電性高分子が形成されない。そこで、特許文献1に示されるように、多孔体酸化皮膜上へのモノマーと酸化剤の混合溶液の導入を低温で行い、その後、多孔体あるいは混合液の温度を上昇させ、多孔体中心部と表面近傍の導電性高分子の形成量を均質化する方法がある。
二つ目としては、特許文献2に示されるように、重合性モノマー溶液と酸化剤溶液を混合せずに、コンデンサとなる多孔体を重合性モノマー溶液と酸化剤溶液に交互浸漬することにより、すなわち、いずれかを細孔内に含ませた多孔体に他方を接触させ、細孔内に導電性高分子を重合生成させる二液法が提案されている。
特に、特許文献3には、二液法を用いて液相化学酸化重合を行い、その後、そのまま0℃のモノマー蒸気に晒す気相酸化重合を行い、流水にて水洗、乾燥を行う単位化学酸化重合を15回繰り返して導電性高分子を形成する方法が開示されている。
更に、特許文献4には、二液法による化学酸化重合方法が開示されており、ここでは、重合性モノマー溶液としてエチレンジオキシチオフェンを含むエタノール溶液を用い、酸化剤として酸化剤として40重量%のp−トルエンスルホン酸を含むメタノール溶液を用いる方法があることが記載されている。
特開平6−310380号 米国特許4697001号 特開平10−70043号 特開2001−60536号
上述した特許文献1に開示されている技術には、一液法では、低温のモノマー溶液と酸化剤溶液を混合した場合でも、反応を完全に停止させておくことができないため、重合性モノマー溶液や酸化剤溶液の消費が激しくなるという欠点がある。また、重合性モノマー溶液や酸化剤溶液を極低温にすることができ、反応を著しく低下できた場合であっても、その製造装置コストやランニングコストが増大し、不経済であるという欠点がある。
また、特許文献2に開示されている技術には、モノマー溶液と酸化剤溶液の2液の内、一方の溶液に含浸した多孔体を他方の溶液に浸漬すると、多孔体の外表面において、先に多孔体に含浸しておいた溶液が瞬時にもう一方の溶液に拡散するため、多孔体の細孔内部に比べて多孔体の外表面では導電性高分子が付着形成しにくい欠点がある。また、完全に多孔体の外表面が導電性高分子で被覆されていない場合、ストレス等により外表面の誘電体皮膜が劣化し、漏れ電流が大きくなってしまうので、多孔体の細孔内部から多孔体の外表面までの誘電体層を完全に導電性高分子で被覆する必要があり、そのために、導電性高分子形成工程を非常に多く繰り返す必要があり、不経済という欠点がある。
さらに、特許文献3及び特許文献4に開示されている技術によれば、化学酸化重合に用いる酸化剤水溶液のpH(水素イオン濃度)は1乃至2程度の強酸性なので、弁作用金属であるアルミニウムを溶解させ、その結果、固体電解コンデンサの漏れ電流が増大するという欠点がある。
この酸化剤水溶液のpH範囲が1乃至2程度の強酸性によって引き起こされるアルミニウムの溶解、換言すれば、固体電解コンデンサの漏れ電流の増大という欠点は、特許文献3に開示された技術に限らず、前述した特許文献1、特許文献2などいずれの従来技術にも共通する欠点であった。
固体電解コンデンサの製造において、一般に、弁作用金属は多孔体であり、多孔体の細孔内部から多孔体の外表面までの誘電体層を完全に導電性高分子で被覆し、本来の容量を完全に引き出し且つ漏れ電流が小さなコンデンサを得るには、導電性高分子形成工程を非常に多く繰り返す必要があるので、上述した強酸性によるアルミニウムの溶解とその結果生じる固体電解コンデンサの漏れ電流の増大という欠点はさらに大きな問題となる。
そこで、本発明の技術的課題は、上記欠点を解消した酸化剤と、それを用いた漏れ電流が小さく信頼性の高い固体電解コンデンサとを提供することにある。
本発明によれば、導電性高分子を化学酸化重合法にて形成する際に用いる酸化剤であって、緩衝溶液を含み、前記緩衝溶液が、アミノエタンスルホン酸、アミノプロパンスルホン酸誘導体から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする酸化剤が得られる。
また、本発明によれば、前記酸化剤において、前記酸化剤が、遷移金属系または過酸化物、過硫酸塩、及び過ホウ酸塩の内から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする酸化剤が得られる。
また、本発明によれば、前記酸化剤において、前記酸化剤は、pH範囲が5乃至7である水溶液であることを特徴とする酸化剤が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれかの酸化剤と、重合性モノマーと、ドーパントとして有機スルホン酸またはその塩とを少なくとも含む導電性高分子を、弁作用金属であるアルミニウムの陽極酸化皮膜上に直接、若しくは、陽極酸化皮膜上のプリコート層に形成したことを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、前記固体電解コンデンサにおいて、前記重合性モノマーが、重合性複素環式有機化合物又は芳香族有機化合物であることを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
本発明では、弁作用金属であるアルミニウムの容量を完全に引き出し、且つ、漏れ電流が小さく信頼性の高い固体電解コンデンサを提供することが出来る。
具体的には、従来の技術、特許文献1、特許文献2、特許文献3などに開示されている技術は、ここで用いる酸化剤水溶液のpH範囲が1乃至2程度の強酸性なので、アルミニウムの溶解反応がおこり、ひいては、固体電解コンデンサの漏れ電流の増大という現象が起こる。
本発明の酸化剤は、pH5乃至7にあるので、アルミニウムの溶解は反応が起こらないので、上記欠点を解決することが可能であるとともに、酸化剤が経過時間と共に分解するなどして、pHが変化することを防止することができる。故に、本発明の酸化剤を用いた固体電解コンデンサは、漏れ電流が小さいものとなる。
本発明を更に詳しく説明する。
本発明は、酸化剤及びその酸化剤を用いた固体電解コンデンサを提供するものである。
本発明の酸化剤は、導電性高分子を化学酸化重合法にて形成する場合に用いる酸化剤が緩衝溶液を含み、更に、遷移金属系または過酸化物、過硫酸塩、過ホウ酸塩から選ばれる少なくとも一つを含む構成である。
ここで、本発明の緩衝溶液を含む酸化剤が水溶液であり、そのpH範囲が5乃至7であることが好ましく、前記緩衝溶液は、酸またはアルカリを加えたときに生じるpHの変化を、少なくする作用をもつ溶液のことをさし、当該緩衝溶液としては、アミノエタンスルホン酸、アミノプロパンスルホン酸誘導体から選ばれる少なくともひとつを含むことが好ましい。
ここで、上記遷移金属系酸化剤として、硫酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸銅(II)、塩化銅(II)などが挙げられる。また、過硫酸塩、過ホウ酸塩、過酸化物として、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過ホウ酸アンモニウム、過ホウ酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過酸化水素などが挙げられる。
その中でも、弁作用金属であるアルミニウムに対して悪影響を及ぼす金属イオンを含まない、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸アンモニウム、過酸化水素が好ましい。
また、アミノエタンスルホン酸、アミノプロパンスルホン酸誘導体から選ばれる物質として、例えば、N‐(2‐アセトアミド)‐2‐アミノエタンスルホン酸、N‐(2‐アセトアミド)イミノ二酢酸、N,N‐ビス(2‐ヒドロキシエチル)‐2‐アミノエタンスルホン酸、N,N‐ビス(2‐ヒドロキシエチル)グリシン、2,2‐ビス(ヒドロキシメチル)‐2,2’,2″‐ニトリロトリエタノール、シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸、2‐(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、N‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジン‐N’‐2‐エタンスルホン酸、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、3‐(N‐モルホリノ)‐2‐ヒドロキシプロパンスルホン酸、ピペラジン‐1,4‐ビス(2‐エタンスルホン酸)、N‐トリス(ヒドロキシメチル)メチル‐2‐アミノプロパンスルホン酸、N‐トリス(ヒドロキシメチル)メチル‐2‐アミノエタンスルホン酸、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシンなどが挙げられる。
その中でも、N‐(2‐アセトアミド)イミノ二酢酸やピペラジン‐1,4‐ビス(2‐エタンスルホン酸)が好ましい。その理由は、アルミニウムに悪影響を及ぼす金属イオン若しくはハロゲンイオンを含む溶液にてpH調整しなくてもpH範囲が5.6乃至5.8であり、且つ、最適pH範囲が5.8乃至7.4及び6.1乃至7.5にある。
また、本発明の固体電解コンデンサは、弁作用金属であるアルミニウムの陽極酸化皮膜上に直接、若しくは、陽極酸化皮膜上のプリコート層に、導電性高分子を形成した固体電解コンデンサにおいて、この導電性高分子が重合性モノマーと上記本願発明の酸化剤とドーパントとして有機スルホン酸またはその塩を少なくとも含む導電性高分子を有する構成である。
ここで、本発明の固体電解コンデンサにおいて、重合性モノマーとして、重合性複素環式有機化合物又は芳香族有機化合物であることが好ましい。
また、上記重合性複素環式有機化合物又は芳香族有機化合物として、例えば、ピロール、チオフェン、アニリン、フラン、セレノフェン、フェニレン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、アズレン、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
その中でも、導電性高分子の導電率や高温化条件での信頼性の観点から3,4−ジオキシチオフェンが好ましい。
図1(a)は本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの模式断面図である。図1(b)は図1(a)のA部分の拡大断面図である。
図1に示す本発明の固体電解コンデンサは、両端に陽極端子9と中央に陰極端子8を備えており、これら陽極端子9と陰極端子8はエポキシ樹脂などからなるレジスト帯3で分離された構成を有する。
陰極部は、粗面化したアルミエッチング箔1(厚さ100μm)の表面に、アルミニウム陽極酸化皮膜層2を形成した表面に、プリコート層4、導電性高分子膜層5、グラファイト層6、銀ペースト層7を順次重ねて形成されている。この最外郭層を陰極端子8と呼ぶ。
本発明の主題である導電性高分子5は、少なくとも緩衝溶液を有する酸化剤とドーパントおよび重合性モノマーから構成される。
以下、本発明の固体電解コンデンサの製造方法について図1(a)及び(b)面を参照しながら説明する。
この固体電解コンデンサの製造方法は、まず、弁作用金属でアルミエッチング箔1(厚さ100μm)の表面に、アジピン酸、クエン酸、リン酸、またはその塩等を含む水溶液中で、化成し、アルミニウム陽極酸化皮膜層2を形成する。しかるのち、両端の陽極部と中央の陰極部形成部分とを区分するために、エポキシ樹脂などでレジスト帯3を設ける。次に、アルミニウム固体電解コンデンサ素子基体11の陰極部形成部分に、予めポリスチレンスルホン酸(PSSA)を含浸したのち、硬化、乾燥して陽極酸化皮膜層2に、プリコート層4としてPSSA膜を形成する。このプリコート層4上に、固体電解質層として、導電性高分子膜層5を形成する。この導電性高分子膜層5の形成は、重合性モノマー溶液として3,4−エチレンジオキシチオフェンを含むエタノール溶液を前記プリコート層4の表面に塗布して105℃で1分乾燥し、続いて酸化剤水溶液において酸化剤として40重量%の過硫酸アンモニウム水溶液、ドーパント水溶液として40重量%のp−トルエンスルホン酸、緩衝溶液として10重量%のピペラジン‐1,4‐ビス(2‐エタンスルホン酸)水溶液を重量比にて2:2:1にて混合した水溶液を塗布して30℃−80%RH雰囲気下にて30分間放置し、その後水洗して105℃で5分間乾燥した。このような工程を10回繰り返して行い化学酸化重合の固体電解質層として導電性高分子膜層5を形成した。
次に前記導電性高分子膜層5の表面にグラファイト層6、銀ペースト層7を順次形成し、陰極部10を得る。この陰極部の最も外郭層が陰極端子8となる。
さらに、アルミエッチング箔1のレジスト帯3を介してその両側の陽極端子形成部分12に陽極端子10を抵抗溶接にて設けアルミ固体電解コンデンサ素子基体11とする。このように構成されたアルミ固体電解コンデンサ素子基体11を接続銀にて3枚積層した後、外装樹脂にてモールド(図示せず)することにより固体電解コンデンサを作製する(サイズ:7.3×4.3×2.0mm)。
なお、図1に示された固体電解コンデンサは、両端に陽極端子が2つ、中央部に陰極端子が一つのものを例に挙げて説明したが、本発明は、陽極端子及び陰極端子が夫々1つのもの、長さ方向に陽極端子及び陰極端子交互に複数ずつ形成されているもの、これらの固体電解コンデンサ素子基体を複数積層したものも本発明に含まれることは勿論である。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことは勿論である。
(実施例1)
粗面化したアルミエッチング箔1の表面に、アルミニウム陽極酸化皮膜層2を形成し、両端の陽極部と中央の陰極部とを区分するために、エポキシ樹脂でレジスト帯3を設けて、アルミニウム固体電解コンデンサ素子基体11とした。
次に、アルミニウム固体電解コンデンサ素子基体11の内部に形成する固体電解質を作製するための本発明の酸化剤水溶液の調製方法、ならびに、アルミニウム固体電解コンデンサの作製方法について説明する。
アルミニウム固体電解コンデンサ素子基体11の陰極形成部分に、予めPSSAを含浸したのち、硬化、乾燥して陽極酸化皮膜層3に、プリコート層4としてPSSA膜を形成した。このプリコート層4上に、固体電解質層として、導電性高分子膜層5を形成させた。この導電性高分子膜層5の形成は、重合性モノマー溶液として3,4−エチレンジオキシチオフェンを含むエタノール溶液を前記プリコート層の表面に塗布して105℃で1分乾燥した。続いて酸化剤水溶液において酸化剤として40重量%の過硫酸アンモニウム水溶液、ドーパント水溶液として40重量%のp−トルエンスルホン酸、緩衝溶液として10重量%のピペラジン‐1,4‐ビス(2‐エタンスルホン酸)水溶液を重量比にて2:2:1にて混合した水溶液を塗布して30℃−80%RH雰囲気下にて30分間放置した。その後水洗して105℃で5分間乾燥した。このような工程を10回繰り返して行い化学酸化重合の固体電解質層として導電性高分子膜層5を形成した。
次に前記導電性高分子膜層5の表面にグラファイト層6、銀ペースト層7を順次形成することによって、最外郭層を陰極端子8とする陰極部10を得た。
さらに、陽極酸化皮膜3が形成されたアルミエッチング箔1の陰極形成部分のレジスト帯3を介してその両側に陽極端子9を抵抗溶接にて設けアルミ固体電解コンデンサ素子基体11とした。このように構成されたアルミ固体電解コンデンサ素子基体を接続銀にて3枚積層した後、外装樹脂にてモールド(図示せず)することにより固体電解コンデンサを作製した(サイズ:7.3×4.3×2.0mm)。
前記のように作製した固体電解コンデンサ5個について120kHzの容量(以下、Cap.と略す)値および100KHzの等価直列抵抗(以下、ESRと略す)値を交流インピーダンスブリッジ法で1Vrms・DCバイアス0Vの条件にて測定した。その後、2.5V印加にて1分後の漏れ電流(以下、LCと略す)を測定し、結果を下記表1に示した。
(実施例2)
実施例1で用いた酸化剤水溶液において、酸化剤を過硫酸アンモニウムに代えて、過ホウ酸アンモニウムを用いた以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。その後、前記のように作製した固体電解コンデンサ5個について、実施例1と同様に測定し、その結果を下記表1に示した。
(実施例3)
実施例1で用いた酸化剤水溶液において、緩衝溶液をピペラジン‐1,4‐ビス(2‐エタンスルホン酸)に代えて、N‐(2‐アセトアミド)イミノ二酢酸を用いた以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。その後、前記のように作製した固体電解コンデンサ5個について、実施例1と同様に測定し、結果を下記表1に示した。
(比較例1)
実施例1と同様にアルミニウム固体電解コンデンサ素子基体を作製した。
アルミニウム固体電解コンデンサ素子基体11の陰極形成部分に、予めPSSAを含浸したのち、硬化、乾燥して陽極酸化皮膜層2に、プリコート層4としてPSSA膜を形成した。このプリコート層4上に、固体電解質層として、導電性高分子膜層5を形成させた。この導電性高分子膜層5の形成は、重合性モノマー溶液として3,4−エチレンジオキシチオフェンを含むエタノール溶液を前記プリコート層の表面に塗布して105℃で1分乾燥した。続いて酸化剤水溶液において酸化剤として40重量%の過硫酸アンモニウム水溶液、ドーパント水溶液として40重量%のp−トルエンスルホン酸、純水を重量比にて2:2:1にて混合した水溶液を塗布して30℃−80%RH雰囲気下にて30分間放置した。その後水洗して105℃で5分間乾燥した。このような工程を10回繰り返して行い化学酸化重合の固体電解質層として導電性高分子膜層5を形成した。
次に前記導電性高分子膜層5の表面にグラファイト層6、銀ペースト層7を順次形成することによって陰極部10を得た。最も外郭層を陰極端子8とした。
さらに、レジスト帯3を介して外側部分の陽極端子形成部分12に、陽極端子9を抵抗溶接にて設けアルミ固体電解コンデンサ素子基体11とした。このように構成されたアルミ固体電解コンデンサ素子基体を接続銀にて3枚積層した後、外装樹脂にてモールド(図示せず)することにより固体電解コンデンサを作製した(サイズ:7.3×4.3×2.0mm)。
前記のように作製した固体電解コンデンサ5個について120kHzの容量(以下、Cap.と略す)値および100KHzの等価直列抵抗(以下、ESRと略す)値を交流インピーダンスブリッジ法で1Vrms・DCバイアス0Vの条件にて測定した。その後、2.5V印加にて1分後の漏れ電流(以下、LCと略す)を測定し、結果を下記表1に示した。
Figure 0004842231
上記表1から、本発明の実施例1,2及び3は、いずれにおいても、ESR,LCが比較例1に比べて、同等あるいは、それよりも小さいことがわかる。
以上の通り、本発明に係る酸化剤は、電気機器や電子機器などの基板に実装される回路素子をなす固体電解コンデンサとその製造に適用される。
本発明の実施例1〜3に係るアルミ固体電解コンデンサの断面図である。
符号の説明
1 アルミエッチング箔
2 アルミニウム陽極酸化皮膜層
3 レジスト帯
4 プリコート層
5 導電性高分子膜層
6 グラファイト層
7 銀ペースト層
8 陰極端子
9 陽極端子
10 陰極部
11 アルミニウム固体電解コンデンサ素子基体
12 陽極端子形成部分

Claims (5)

  1. 導電性高分子を化学酸化重合法にて形成する際に用いる酸化剤であって、緩衝溶液を含み、前記緩衝溶液が、アミノエタンスルホン酸、アミノプロパンスルホン酸誘導体から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする酸化剤。
  2. 請求項1に記載の酸化剤において、前記酸化剤が、遷移金属系または過酸化物、過硫酸塩、及び過ホウ酸塩の内から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする酸化剤。
  3. 請求項1に記載の酸化剤において、前記酸化剤は、pH範囲が5乃至7である水溶液であることを特徴とする酸化剤。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載された酸化剤と、重合性モノマーと、ドーパントとして有機スルホン酸またはその塩とを少なくとも含む導電性高分子を、弁作用金属であるアルミニウムの陽極酸化皮膜上に直接、若しくは、陽極酸化皮膜上のプリコート層に形成したことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  5. 請求項に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記重合性モノマーが、重合性複素環式有機化合物又は芳香族有機化合物であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
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