JP4841757B2 - 建設汚泥、汚土、焼却灰等からなる粒状物の製造方法 - Google Patents

建設汚泥、汚土、焼却灰等からなる粒状物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高含水比の建設汚泥、泥土あるいはこれらの脱水ケーキに焼却灰あるいは石炭灰を混入した被処理物から粒状物を製造する、特に盛土、覆土用資材、ドレーン材として使用可能な粒状物を得る、建設汚泥、汚土、焼却灰等からなる粒状物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設現場から発生する高含水比の建設汚泥、泥土並びにそれらの脱水ケーキは、含水比が高く、あるいは構成粒子が微粒であったりするので、そのまま利用することはできず、一部固化材あるいは固化材および混和剤を投入して改良処理あるいは一部固化材及び混和剤を投入して流動化処理して埋戻し材として使用されたりはしているが、発生量が多いので、これらの用途だけでは限度があり、大半が処分場に輸送処理されている。すなわち、現場もしくは資材としての有効使用度は小さく、上記の一部は不適格な処理方法によって現場処理されているものの、大半は脱水し、その脱水ケーキは大部分が産業廃棄物処理業者に埋め立て等の手段によって廃棄処理されている。
一方、焼却灰、石炭灰等に関しては、最近セメントの原料として使用したり、また固化材と混練造粒焼成して軽量骨材とするなど種々の有効利用が開発されているが、コスト面も含め有効利用量に対し発生量が多いので、これらのかなりの量が固化処理あるいは添加処理した後廃棄物処理業者に依頼して廃棄処理されている。
【0003】
しかし、今後環境問題や処理場の関係から、高含水比の建設汚泥、泥土並びにそれらの脱水ケーキ及び焼却灰、石炭灰等の処理がますます困難になることが予測され、近年その再利用についてコスト面も含め様々な検討がなされている。
【0004】
一方、造粒装置も、文献名を挙げるまでもなく従来周知の通り、強制攪拌方式、転動造粒方式、流動造粒方式および押出式等の多種類の造粒装置が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的は建設汚泥、泥土あるいはこれらの脱水ケーキに焼却灰あるいは石炭灰を混入した被処理物から造粒物を製造し、特に盛土、覆土用資材、ドレーン材等として充分に利用が可能な建設汚泥、汚土、焼却灰、石炭灰等からなる粒状物の製造方法を提供するにある。
特に、高含水比の建設汚泥、泥土は含水率が高く、また構成粒子も微粒子が多く含まれているので粘性が高く、またそれらの脱水ケーキは大きな塊状となって排出される。従って、これらに水分調整用に焼却灰あるいは石炭灰等を混入して混練するとともに、造粒させて造粒物を得る造粒装置としては強制攪拌式のものが適していると言える。
さらに、被処理物の処理量が大きいことを考慮すると、該当する造粒装置としては、パン型ミキサ、横型二軸パドルミキサ、ヘンシュエルミキサ、横型一軸パドルミキサ等が考えられる。しかしながら、従来のこれらの造粒装置では色々な要望に応えることができないという欠点がある。例えば、上記したような造粒物は、盛土、覆土用資材、ドレーン材等に利用され、その用途に応じた粒度あるいは強度が要求されるが、従来の造粒装置では粒度の調整が困難であるばかりか、被処理物の構成粒子が液中に均等に分散されないか、あるいは濡れた粒子の水膜が均一でないので、粒度が揃わないばかりか、中には大きな凝集塊となったり、反対に全く造粒しないものも発生し、また適当な粒度に造粒しても、造粒物としての強度が不足する場合もある。
【0006】
本発明は、上記したような従来の問題点を解決した粒状物の製造方法を提供しようとするもので、具体的には粒度の調節が容易で、強度の大きい粒状物を効率的に且つ容易に得ることができる、建設汚泥、汚土、焼却灰、石炭灰等からなる粒状物の製造方法を提供することを目的としている。また、間接的には石炭灰の処理も発明の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、種々研究を重ねた結果、造粒用ミキサとして大平洋機工株式会社製のハイファンクションミキサ(商標)を用いることにより、強度の強い建設汚泥、泥土、焼却灰、石炭灰等からなる粒状物を効率よく製造できると共に、粒度分布を調節でき、盛土、覆土用または細骨材代替えとして好適な粒度分布を有する建設汚泥、泥土、焼却灰、石炭灰等からなる粒状物を容易に製造できることを見出し発明を完成させた。
該ミキサは、特公昭60−21766号、特公平2−33281号、特開平8−150330号及び特開平9−254135号を基礎に開発されたものであり、その構造は、底面中心部に設けられた排出口に向かって下降傾斜する底面を有する混合槽を有し、前記混合槽内の中心部に内側混練羽根を取り付けた高速回転軸と、外側混練羽根をアームを介して取り付けた低速回転軸を同心的に配設し、該高・低速回転軸の回転方向を逆方向に回転するように駆動装置を設け、かつ、前記内側混練羽根が螺旋状に形成され、回転に対し被処理物と添加材とからなる混合物の流れが上方および外側に推進するように取り付けられ、また前記外側混練羽根は回転に対し混合物の流れが中心側および下方に向かって推進するように取り付けられている。
【0008】
すなわち、本発明は、前記目的を達成するために、高含水比の建設汚泥、泥土あるいはこれらの脱水ケーキに焼却灰あるいは石炭灰を混入した被処理物に、無機粉末固化材または無機粉末固化材および高分子ポリマーまたは古紙である添加材を添加した混合物を混練し、盛土、覆土用資材、ドレーン材等として使用可能な粒状物を製造する方法において、底面中心部に設けられた排出口に向かって下降傾斜する底面を有する混合槽を有し、前記混合槽内の中心部に内側混練羽根を取り付けた高速回転軸と、外側混練羽根をアームを介して取り付けた低速回転軸を同心的に配設し、該高・低速回転軸の回転方向を逆方向に回転するように駆動装置を設け、かつ、前記内側混練羽根が前記被処理物を上方および半径外方へ推進するように複数個の螺旋ユニットから複数段に螺旋状に形成され、前記外側混練羽根が前記被処理物を下方および中心方向に推進するようにパドル型に形成されたミキサで、前記被処理物に前記添加材を添加して混練しながら造粒し、その後養生するように構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。発明者らは、大平洋機工株式会社製のHFミキサすなわちハイファンクションミキサ(商標)用い、前記内側混練羽根の回転速度を調節することにより、製造される建設汚泥、泥土並びにこれらの脱水ケーキに焼却灰、石炭灰等からなる造粒物の強度が高く造粒歩留まりが良く、また造粒時間が短いという、いわゆる造粒効率が高い上、粒度分布を調節することが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
対比造粒装置としてパン型ミキサ、横型二軸パドルミキサあるいは横型一軸鍬型羽根ミキサを使用した場合、ミキサに投入された高含水比の建設汚泥、泥土並びにそれらの脱水ケーキに水分調整材として混入した焼却灰、石炭灰等およびこれらの構成粒子同志の吸着および固化のために添加した無機粉末固化材および高分子ポリマーの混合物は、上記ミキサ内で移動、切返し、転動されるうちに造粒される。この場合、高含水の建設汚泥あるいは泥土は含水率が高く、また粒度も微粒子より構成されており粘度も高いので、水分調整材として混入した焼却灰、石炭灰等の粒子は被処理物の水分中に均等に分散され難く、従って無機粉末固化材および高分子ポリマーを添加すると、造粒物は粒度が揃わないばかりか、中には大きな凝集塊になったり、反対に全く造粒しないものも発生し、また適当な粒度に造粒しても造粒物としての強度が不足する場合もある。更には、このような状態では造粒物の粒度分布を大きく変化させることは難しい。
これに対し、HF(ハイファンクション)ミキサでは、後述するように、中心軸に螺旋状の羽根および外側混練羽根が設けられており、混練槽に投入された混合物原料は内側混練羽根により強力な剪断作用及び拡散作用を受けながら上方及び外側へ向かって移動される。移動された混合物原料は、今度は外側混練羽根により攪拌、剪断作用を受けながら下向き及び中心方向に向かって移動する。上記のように、混合物原料は内側混練羽根及び外側混練羽根により強力な対流作用、剪断作用、拡散作用を受けると共に、内側混練羽根の外周面において遠心力による原料同志の摩砕、捏和作用も受けるので、この強力な混練効果により、高含水比の建設汚泥、泥土またはこれらの脱水ケーキの塊状物は、完全に解砕され、水分調整材として混合した焼却灰、石炭灰の混合物の構成粒子は水分中に粒子単位あるいは均等な水膜に濡れ均一に分散され、続いて添加される無機粉末固化材が均一に分散された原料粒子の周囲に被覆されるとともに夫々無機粉末固化材により被覆された粒子は粒子同志が、あるいは高分子ポリマーにより吸着され、それらが凝集して造粒物が造られる。従って、比較的粒径の揃った、また強度の高い造粒物を効率よく得ることができる。
この場合、螺旋状の内側混練羽根の回転速度を変化させると、上述の循環作用、剪断作用、拡散作用、特に内側混練羽根により混合物原料に作用する遠心力が大きく変化し、その圧縮力、摩擦力の変化により、造粒物の粒度分布を容易に変化させることができる。
具体的には、内側混練羽根の回転数を早くすると、循環作用、剪断作用特に内側混練羽根により混合物に作用する遠心力が大きくなり、その圧縮力、摩擦力が大きくなるので、混合物の構成粒子はより細かい粒子単位に分散されるとともに、一旦生成した造粒物は、この圧縮力、摩擦力により平均粒径が小さくなる。更に、上述したパン型ミキサ、横型二軸パドルミキサあるいは横型一軸鍬状羽根ミキサの場合は、混練槽に付着残留分が多いが、HF(ハイファンクション)ミキサでは皆無であるというメリットもある。
【0010】
本発明に係わる製造方法の実施に使用される粒状物の製造装置としては、限定するものではないが、大平洋機工株式会社製のハイファンクションミキサ(登録商標)すなわちHFミキサが適している。HFミキサは、特公昭60−21766号、特公平2−33281号および特開平9−254135号を基礎に開発されたもので、図1に示されているように構成されている。すなわち、概略的には縦型の混合槽1と、この混合槽1の内部に設けられている内側混練装置10と、この内側混練装置10の外側に同心的に設けられている外側混練装置20とから構成されている。
【0011】
混合槽1は、上方の筒状部2と、この筒状部2の下端部から下方に向かってテーパ状に縮径されたテーパ部3とからなっている。そして、テーパ部3の下端部は、製品の排出口4となり、この排出口4には水平方向に開閉される開閉扉5が設けられている。一方、筒状部2の上方の開口部は蓋体6で閉鎖され、蓋体6の中心部に第1の回転軸受7、7が取り付けられ、これらの第1の回転軸受7、7に後述するように管状の低速回転軸23が軸受けされている。なお、蓋体6の所定位置には被処理物の投入口、添加材の投入口、点検窓等が適宜設けられているが、図1には示されていない。
【0012】
内側混練装置10は、複数個の螺旋ユニット11、11、…からなっている。1個の螺旋ユニット11は、1枚の方形の板を180度捻った形を呈している。そして、2枚の螺旋ユニット11、11が対になるようにして、混合槽1の縦中心部に設けられている回転軸12の周りに固定されている。このような対の螺旋ユニット11、11が、複数段、図1に示されている実施の形態では3段に取り付けられている。このように螺旋ユニット11、11、…が複数段に取り付けられているので、スクリュのフライトが途中で切れ、一部重複した形状になっている。したがって、内側混練装置10が比較的高速で矢印方向に回転駆動されると、被処理物は上方および半径外方へ搬送されるが、途中で切れているので、不連続な搬送となり剪断および拡散作用が促進されることになる。なお、内側混練装置10は、連続した螺旋すなわち連続したスクリュから構成することもできる。
【0013】
上記のように複数個の螺旋ユニット11、11、…が取り付けられている回転軸12は、カップリング13を介して高速回転軸14のカップリングに接続されている。高速回転軸14は、管状の低速回転軸23の内部に設けられている第2の回転軸受16、16により軸受けされている。第1の回転軸受7、7は、前述したように、混合槽1の縦軸の中心部に設けられているので、第2の軸受16、16も、混合槽1の縦軸の中心部に位置する。したがって、内側混練装置10は、低速回転軸23とは独立して回転駆動されることになる。このように構成されている高速回転軸14の上方端には従動プーリ15が取り付けられ、この従動プーリ15と第1の電動モータ17の駆動プーリ18との間にはベルト19が掛け回されている。
【0014】
外側混練装置20は、混合槽1の内周壁に近接して回転駆動される複数個のパドル型の羽根21、21、…からなっている。これらの複数個のパドル型の羽根21、21、…は、垂直アーム22、22、…の下端部に取り付けられているが、これらの垂直アーム22、22、…は、低速回転軸23の外周部に半径外方へ延びるように取り付けられている水平アーム2424、…にそれぞれ接続されている。このように水平アーム24、24、…が取り付けられている低速回転軸23の上方端部には、従動プーリ25が取り付けられ、この従動プーリ25と第2の電動モータ26側の駆動プーリ27との間にはベルト28が掛け回されている。なお、インバータにより低速回転軸23は、高速回転軸14と逆方向に選定された所定の低速で回転駆動されるようになっている。
【0015】
次に、上記HFミキサを使用した粒状物の製造方法を説明する。本実施の形態に係わる粒状物の製造装置に、制御装置、被処理物および添加材を計量する計量装置等を設けることにより自動運転もできるが、説明の簡単な手動的に造粒する例について説明する。混合槽1の排出口4を開閉扉5で閉鎖する。内側混練装置10および外側混練装置20を、それぞれの方向に選定された所定速度で回転駆動する。
【0016】
本発明の実施の形態が対象としている被処理物は、建設現場から出る高含水比の建設汚泥、泥土あるいはこれらの汚泥、泥土を脱水して得られる脱水ケーキ、焼却炉から排出される焼却灰、火力発電所等から排出される石炭灰等であるが、これらの適当量を混合槽1に供給する。投入された被処理物は、内側混練装置10の螺旋ユニット11、11、…により強力な剪断作用および拡散作用を受けながら上方および半径外方へ搬送される。また、外側混練装置20の複数個のパドル型の羽根21、21、…により攪拌・剪断作用を受けながら下方および中心方向へ移動する。
【0017】
上記のように、被処理物は内側混練装置10と外側混練装置20とにより強力な循環作用、剪断作用、拡散作用を受けると共に、内側混練装置10の螺旋ユニット11、11、…の外周面において遠心力による捏和作用も受ける。これにより、被処理物の構成粒子は、水中に均等にあるいは均一な水膜に覆われた粒子単位に混合・分散される。
【0018】
引き続いて無機粉末固化材および高分子ポリマーからなる所定量の添加材を投入する。投入された添加材は、均一に分散され、そして粒子単位に分散された被処理物の粒子の周囲に塗される。塗された粒子単位の被処理物はポリマーの吸着力により、より強固に凝集して粒状物となる。開閉扉5を開いて得られた粒状物を排出する。そうして、所定期間養生して製品を得る。以下同様にして、粒状物を得る。
【0019】
本実施の形態によると、得られる造粒物は、被処理物の核となる粒子部分が均等に分散・混合され、それぞれの粒子の表面が添加材で塗され空隙の少ない状態で凝集している。したがって、強固な粒状物となる。このようにして粒状物を得ているとき、内側混練装置10の回転速度を変化させると、上記の循環作用、剪断作用、拡散作用が変化するが、特に内側混練装置10の螺旋ユニット11、11、…により被処理物に作用する遠心力が大きく変化する。これにより、粒状物の粒度分布を容易に変えることができる。具体的には、内側混練装置10の回転速度を上げると、上記の循環作用、剪断作用、拡散作用が大きくなり、特に内側混練装置10の螺旋ユニット11、11、…の遠心力が大きくなる。したがって、被処理物は、より細かい粒子単位に分散され、その周囲に添加材が塗されて造粒する。その結果、これらの粒子が凝集した粒状物の平均粒径は小さくなる。これとは逆に回転速度を下げると、平均粒径は大きくなる。
【0020】
実施例:以下の条件で実施例1〜4および比較例1、2のテストをした。
1.造粒装置:
(1)本実施例には、図1に示されている造粒装置と同じ構造の大平洋機工株式会社製のHFミキサ(容量50リットル)を使用した。
(2)比較例には、従来の二軸パドルミキサ(容量55リットル)を使用した。
【0021】
2.被処理物:本実施例と比較例に共通して、表1の物性値を示す高含水比建設汚泥を使用した。
表1 未改良土の物性値
Figure 0004841757
3. 添加材:本実施例と比較例に共通して、
(1)含水比調整用粉末には、石炭灰を使用した。
(2)無機系粉末固化材には、太平洋セメント株式会社製の高炉セメントB種(比表面積3800cm/g)を用いた。
(3)高分子ポリマーには、株式会社テルナイト製のRCー1(商標名)を用いた。
【0022】
4.粒状物の製造方法:
(1)本実施例には、HFミキサに上記表1に示す高含水比建設泥土と含水比調整用粉末を投入し、約30秒間混練し、次に高分子ポリマーおよび無機系粉末固化材を投入し、約60秒間混練して造粒した。
(2)比較例には、二軸パドルミキサを使用して、本実施例と同様に上記表1に示す含水比建設汚泥と含水比調整用粉末を投入し、約30秒間混練し、次に高分子ポリマーおよび無機系粉末固化材を投入し、約60秒間混練して造粒した。
5.養生方法:本実施例と比較例に共通して、得られた粒状物を20℃の恒温室に入れ、28日間養生した。
【0023】
6.上記のような条件で造粒したときの本実施例1〜4及び比較例1、2の粒状物の配合及び製造条件を表2に示す。
表2 造粒試験の条件
Figure 0004841757
【0024】
7.上記実施例および比較例で得られた造粒物に対して、以下の(イ)〜(ホ)に示す特性を評価した。
(イ)造粒状態
造粒状態は目視で評価し、実施例および比較例で造粒物を作り土質を改良した直後(以下改良後という)に粒状になった場合(75mm以下の礫が80%以上程度)を“造粒物”とみなして「○」、75mm以上の団子が多くを支配した場合は“造粒失敗”として「×」とした。
結果として、実施例1〜4はすべてで「○」であり、比較例1、2は「×」であった。
(ロ)粒度分布
改良前と改良後の粒度分布を図1に示す。図1より、改良前に細粒分(0.075mm以下)を多く含んでいた土が、改良されて砂の粒度分布に変化したことがわかる。また、改良後は配合に関わらず、すべて同じ様な粒径となる。
パドルミキサで改良した比較例1、2は、粒状にはならずに団子状となったため、粒度試験を行うことはできなかった。
図1 改良前後の粒径過積曲線
Figure 0004841757
【0025】
(ハ)改良土のコーン試験
改良土の評価には、コーン試験(JGS 0716)を行った。表3に改良土の経過時間別でのコーン指数を示す。すべてにおいて、1日後には800kN/m以上となっている。これは表4に示す土質区分基準((財)土木研究センター:建設発生度利用技術マニュアル、p24、1997.10)によれば第2種処理土と判断され、埋戻し、路床、河川堤防、造成など様々な用途の土木資材として早期に利用可能である。(表5参照)
表3 コーン試験結果
Figure 0004841757
表4 改良土の土質区分基
Figure 0004841757
表5 適用用途標準
Figure 0004841757
【0026】
(ニ)改良土の三軸強度試験
実施例1、3の造粒物を用いて、28日養生後の圧密排水三軸強度試験(JGS 0524)を行った。結果として内部摩擦角φはそれぞれ、39.8度、40.2度となり、密な地盤となっている。
(ホ)造粒物の安定性試験
造粒物の安定性(強度)を確認するために、実施例1、3の造粒物を用いて改良土が施工時の締固めなどで発生する撹乱エネルギーによって粒子の細粒化を起こさないかを調べる。
試験方法は改良土をゴムスリーブに入れ、高さ1.5mから所定の回数で自由落下させ撹乱する。撹乱後、試料を乾燥炉に入れ粒度試験を行い撹乱前と比較する。
落下回数は、位置エネルギーが落下によりすべて試料に吸収されたとして次式により求める。また、落下エネルギーはEc=2,500kJ/m3とする。これは、地盤工学会基準「突固めによる土の締固め試験方法」(JGS 0711)から路盤の締固め仕事量に対応する数値である。
Ec=(WR×H×N)/v
ただし、Ec:落下エネルギー(kJ/m
WR:試料重量(N)
H :落下高さ(m)
N :落下回数(回)
V :試料体積体(m
上記式により落下回数Nを求める。数値は以下の通りとする。
Ec=2,500kJ/m3=2.5×10m・N/m
WR=10.3N
H =1.5m
V =773×10−6
これにより落下回数Nは125回とした。その結果を図3に示す。
図3
Figure 0004841757
図3に示されているように、エネルギー負荷により細粒分の増減はなく、粒度分布に大きな変化は見られなかった。これにより、造粒物は安定した材料であるといえる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、高含水比の建設汚泥、泥土あるいはこれらの脱水ケーキに焼却灰あるいは石炭灰を混入した被処理物に、無機粉末固化材または無機粉末固化材および高分子ポリマーまたは古紙である添加材を添加して混練し、盛土、覆土用資材、ドレーン材等として使用可能な粒状物を製造する方法において、底面中心部に設けられた排出口に向かって下降傾斜する底面を有する混合槽を有し、前記混合槽内の中心部に内側混練羽根を取り付けた高速回転軸と、外側混練羽根をアームを介して取り付けた低速回転軸を同心的に配設し、該高・低速回転軸の回転方向を逆方向に回転するように駆動装置を設け、かつ、前記内側混練羽根が前記被処理物を上方および半径外方へ推進するように複数個の螺旋ユニットから複数段に螺旋状に形成され、前記外側混練羽根が前記被処理物を下方および中心方向に推進するようにパドル型に形成されたミキサで、前記被処理物に前記添加材を添加して混練しながら造粒し、その後養生するので、被処理物は螺旋状の内側混練羽根により上方および半径外方へ移送されるとき強力な剪断作用および拡散作用を受け、また外側混練羽根により下方および中心方へ移送されるとき攪拌・剪断作用を受けると共に、内側混練羽根により半径外方へ移送・混練されるとき遠心力による捏和作用も受ける。このような作用により、被処理物は水中にあるいは均一な水膜により濡れた粒子単位に混合・分散され、そして造粒される。したがって、本発明によると、建設汚泥、泥土あるいはこれらの脱水ケーキ、焼却灰、石炭灰等から、盛土、覆土用資材、ドレーン材として使用可能な強度の大きい粒状物を得ることができる、という本発明に特有の効果が得られる。また、螺旋状の内側混練羽根の回転速度を調節することにより、所望の粒度例えば砂と同程度の粒度分布となる粒状物を得ることもできる。上記のように本発明によると、建設汚泥、泥土あるいはこれらの脱水ケーキ、焼却灰、石炭灰等が盛土、覆土用資材、ドレーン材として利用できるので、廃棄物投棄用地、環境汚染等の問題が解決される効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の実施に使用される製造装置の実施の形態を一部断面にして模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 混合槽
10 内側混練装置
11 螺旋ユニット
14 高速回転軸
20 外側混練装置
21 パドル型の羽根

Claims (1)

  1. 高含水比の建設汚泥、泥土あるいはこれらの脱水ケーキに焼却灰あるいは石炭灰を混入した被処理物に、無機粉末固化材または無機粉末固化材および高分子ポリマーまたは古紙である添加材を添加して混練し、盛土、覆土用資材、ドレーン材等として使用可能な粒状物を製造する方法において、
    底面中心部に設けられた排出口に向かって下降傾斜する底面を有する混合槽を有し、前記混合槽内の中心部に内側混練羽根を取り付けた高速回転軸と、外側混練羽根をアームを介して取り付けた低速回転軸を同心的に配設し、該高・低速回転軸の回転方向を逆方向に回転するように駆動装置を設け、かつ、前記内側混練羽根が前記被処理物を上方および半径外方へ推進するように複数個の螺旋ユニットから複数段に螺旋状に形成され、前記外側混練羽根が前記被処理物を下方および中心方向に推進するようにパドル型に形成されたミキサで、前記被処理物に前記添加材を添加して混練しながら造粒し、その後養生することを特徴とする建設汚泥、汚土、焼却灰、石炭灰等からなる粒状物の製造方法。
JP2001187546A 2001-06-21 2001-06-21 建設汚泥、汚土、焼却灰等からなる粒状物の製造方法 Expired - Lifetime JP4841757B2 (ja)

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