JP4839657B2 - 床用化粧材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、床用化粧材の製造方法に関する。
従来、床用化粧材として、木質板からなる基材上に化粧シートを貼着したものがよく知られている。例えば、特許文献1には、木質板からなる基板上に天然木の薄い表面層を有する化粧シートを貼着し、他方の面に裏貼りシートを貼着した木質系化粧板において、前記裏貼りシートが前記木質板より滲出する木質樹脂液を透過させ難い層よりなることを特徴とする床材用木質化粧板が開示されている。
特開2000−190309号公報
しかしながら、従来の床用化粧材では、耐へこみ性が十分ではなく、局部的な荷重により比較的簡単に凹部が生じてしまう。
また、床面の施工に際しては、さねはぎ加工された複数の床用化粧材を連結することにより床面の形成が行われるが、その連結部から水分が木質板に侵入し、木質板の変形あるいは腐食をもたらすおそれがある。
従って、本発明の主な目的は、良好な耐へこみ性とともに、優れた耐水性を有する床用化粧材を効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、木質板に対して特定の方法により化粧シート等で積層することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の床用化粧材の製造方法に関する。
1. 床用化粧材を製造する方法であって、
(1)木質板の平面部に厚さ100μm以上の合成樹脂層を形成し、当該合成樹脂層の端部を面取り加工する第1工程、
(2)木質板の側面にさねはぎ加工することによりサネ及び小穴の少なくとも1種を形成する第2工程
(3)化粧シートを前記合成樹脂層上に積層する第3工程、及び
(4)前記合成樹脂層の全体とともに前記サネ又は小穴の一部又は全部を覆うように、前記化粧シートの端部を折り込む第4工程
を含むことを特徴とする床用化粧材の製造方法。
2. 床用化粧材を製造する方法であって、
(1)木質板の側面にさねはぎ加工することによりサネ及び小穴の少なくとも1種を形成する第1工程、
(2)木質板の平面部に厚さ100μm以上の合成樹脂層を形成し、当該合成樹脂層の端部を面取り加工する第2工程、
(3)化粧シートを前記合成樹脂層上に積層する第3工程、及び
(4)前記合成樹脂層の全体とともに前記サネ又は小穴の一部又は全部を覆うように、前記化粧シートの端部を折り込む第4工程
を含むことを特徴とする床用化粧材の製造方法。
. 前記平面部の形状が正方形又は長方形であり、前記化粧シートの形状が前記平面部の形状と相似形をなしている、前記項1又は2に記載の製造方法。
. 合成樹脂層が、前記平面部と実質的に同じ形状及び寸法である、前記項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
. 前記第4工程に先立って、化粧シートの端部を折り込めるように、化粧シートの四隅を切除する工程をさらに含む、前記項1〜のいずれかに記載の製造方法。
. さねはぎ加工された他の床用化粧材と連結したときに、木質板が露出しないように前記第4工程を実施する、前記項1〜のいずれかに記載の製造方法。
. 前記第4工程において、1)前記木質板の側面であって、少なくとも上面端部からサネ領域に至る面、2)前記木質板の側面であって、少なくとも上面端部から小穴領域に至る面、にシートを積層する、前記項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
. 化粧シートの厚さが80〜200μmである、前記項1〜のいずれかに記載の製造方法。
. 第5工程として、第4工程で得られた材料の化粧シート上から型押しすることにより、少なくとも合成樹脂層に曲面を形成する工程を含む、前記項1〜のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、木質板の上面に厚さ100μm以上の合成樹脂層が積層されるため、良好な耐へこみ性を発揮することができる。また、床用化粧材のフラット感も良好である。
同時に、本発明の床用化粧材の製造方法では、特に、サネ又は小穴の一部又は全部を覆うように、化粧シートの端部を折り込む工程により、木質材が露出する領域を実質上完全になくすことができる。これによって、優れた耐水性(耐吸湿性)を達成することもできる。
本発明は、床用化粧材を製造する方法であって、
(1)木質板の平面部に厚さ100μm以上の合成樹脂層を形成する第1工程、
(2)木質板の側面にさねはぎ加工することによりサネ及び小穴の少なくとも1種を形成する第2工程
(3)化粧シートを前記合成樹脂層上に積層する第3工程、及び
(4)前記合成樹脂層の全体とともに前記サネ又は小穴の一部又は全部を覆うように、前記化粧シートの端部を折り込む第4工程
を含むことを特徴とする床用化粧材の製造方法。以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を用いながら説明する。
第1工程
第1工程では、木質板の平面部に厚さ100μm以上の合成樹脂層を形成する。
本発明で用いる木質板としては、例えば、例えば、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、MDF等が挙げられる。木質板の厚みは特に限定的ではないが、3〜15mm程度が好ましく、6〜12mm程度がより好ましい。
本発明で用いる木質板は、側面にサネハギ加工により形成されたサネ及び小穴の少なくとも1種を有する。サネハギ加工により形成されるサネは、いわゆる「雄サネ」であり、木質板の側面に形成される凸部を言う。他方、サネハギ加工により形成される小穴は、いわゆる「雌サネ」であり、木質板の側面に形成される凹部を言う。かかるサネと小穴は、複数の木質板を連結する際に用いる。即ち、木質板の凸部(サネ)と凹部(小穴)とを勘合させることにより、木質板どうしを連結する。
図2は、サネ1及び小穴2の両方が形成された木質板を示す。図2の態様では、サネ及び小穴の断面形状は角柱状の凹凸形状になっているが、半円形状の凹凸形状、三角柱状の凹凸形状等いずれの形状でも良い。また、図2では、サネ及び小穴の両方が形成されているが、サネ又は小穴の一方が木質板の側面に形成されていても良い。これは、床用化粧材を床面(フローリングスペース)のどの位置に配置するかにより、サネ及び小穴の必要性が変わるためである。
合成樹脂層(バッカー層ともいう。)は、厚さ100μm以上であれば良いが、200μm以上が好ましく、250μm以上がより好ましい。上限としては800μm程度であり、500μm以下が好ましい。合成樹脂層を木質板の上面に積層することにより、本発明の床用化粧材は、良好なフラット感を有する。これは、バッカー層が、木質板の表面凹凸の影響を緩和するためである。
合成樹脂層は、単層でも複層でも良い。物理的特性として、木質板の表面凹凸の影響を緩和できるものが好ましく、具体的には、降伏点荷重が9kgf以上、引張り弾性率が50kgf/mm以上、降伏伸び率が3〜8%であるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(好ましくは二軸延伸ポリエチレンテレフタレート)、耐熱性の高いポリアルキレンテレフタレート(例えば、エチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノール等で置換したポリエチレンテレフタレート:商品名:PET−G(イーストマンケミカルカンパニー社製))、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等のポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単一又は混合物でも良い。
合成樹脂層は、図3に示すように、合成樹脂層10の端部が予め面取り加工されていても良い。この場合には、特に化粧シートの折れ曲がりを緩くできるため、化粧シートの密着性を高めることができる。
合成樹脂層の形成方法は特に限定されず、例えば接着剤等を用いて木質材上に合成樹脂シートを積層する方法等を採用することができる。接着剤としては限定的でなく、公知又は市販のものを適宜使用することができる。また、押し出しラミネートでも良い。
第2工程
第2工程では、木質板の側面にさねはぎ加工を施すことによりサネ及び小穴の少なくとも1種を形成する。さねはぎ加工の方法は、公知の方法に従って実施すれば良い。
サネハギ加工により形成されるサネは、いわゆる「雄サネ」であり、木質板の側面に形成される凸部を言う。他方、サネハギ加工により形成される小穴は、いわゆる「雌サネ」であり、木質板の側面に形成される凹部を言う。かかるサネと小穴は、複数の木質板を連結する際に用いる。即ち、木質板の凸部(サネ)と凹部(小穴)とを勘合させることにより、木質板どうしを連結する。
図2は、サネ1及び小穴2の両方が形成された木質板を示す。図2の態様では、サネ及び小穴の断面形状は角柱状の凹凸形状になっているが、半円形状の凹凸形状、三角柱状の凹凸形状等いずれの形状でも良い。また、図2では、サネ及び小穴の両方が形成されているが、サネ又は小穴の一方が木質板の側面に形成されていても良い。これは、床用化粧材を床面(フローリングスペース)のどの位置に配置するかにより、サネ及び小穴の必要性が変わるためである。
第3工程
第3工程では、化粧シートを前記合成樹脂層上に積層する。化粧シートの積層方法の例(平面図)を図1に示す。化粧シートは、図1の1)に示されているように、木質板の平面部より大きなものを使用することを前提とする。シート形状(平面形状)は、木質板の平面部の形状に応じて適宜設定することができる。例えば、木質材の平面部の形状が正方形又は長方形である場合は、化粧シートの形状が平面部の形状と相似形をなしていることが望ましい。これにより、平面部に加え、木質板の側面も効率的に覆うことが可能となる。この場合、図1の2)に示すように、化粧シートの端部を折り込めるように、化粧シートの四隅を切除する工程を実施することが好ましい。図1の1)における化粧シートとして、当初から四隅がカットされた化粧シートを使用する場合も本発明に包含されるが、その場合は上記切除工程が不要である。
第2工程における化粧シートの積層方法は特に限定されず、例えば接着剤等を用いて木質材上にシートを積層すれば良い。接着剤としては限定的でなく、公知又は市販のものを適宜使用することができる。
第2工程で用いられる化粧シートは、公知又は市販の化粧シートと同様の構成を採用することができる。例えば、基材シート上に絵柄層(ベタインキ層・柄インキ層)、透明性樹脂層及び表面保護層を順に積層してなる化粧シートが好ましい。
基材シートとしては、薄紙,上質紙,クラフト紙,和紙,チタン紙,樹脂含浸紙,紙間強化紙等の紙、木質繊維,ガラス繊維,石綿,ポリエステル繊維,ビニロン繊維,レーヨン繊維等からなる織布や不織布、ポリオレフィン,ポリエステル,ポリアクリル,ポリアミド,ポリウレタン,ポリスチレン等の合成樹脂製シートなどの1種又は2種以上の積層体が挙げられる。基材シートの厚さとしては、概ね20〜300μmが適当である。また、基材シートは適宜、顔料等を添加して着色されていてもよく、さらに必要な面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等が施されていても良い。
絵柄層は、柄インキ層及びベタインキ層から構成される。絵柄層は、通常はグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の印刷法でインキを用いて形成することができる。柄インキ層としては、例えば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄が挙げられる。ベタインキ層は、隠蔽性着色インキでベタ印刷することにより得られる。絵柄層は、柄インキ層及びベタインキ層の両方であってもよく、片方であっても良い。
絵柄層に用いるインキとしては、ビヒクルとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種又は2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものが使用できる。この中でも、環境問題、被印刷面との密着性等を考慮すると、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミド系樹脂等の1種又は2種以上を混合したものが好ましい。
透明性樹脂層は、透明性の樹脂層であれば特に限定されず、例えば、透明性の熱可塑性樹脂により好適に形成できる。
具体的には、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
透明性樹脂層は、着色されていても良い。この場合は、熱可塑性樹脂に着色剤を添加すれば良い。着色材としては、絵柄層で用いる顔料又は染料が使用できる。
透明性樹脂層には、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えば、ゴム)等の各種の添加剤を含めても良い。
表面保護層は、化粧シートに要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与するために設けられる。この表面保護層を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂が好ましい。特に、電離放射線硬化型樹脂は高い表面硬度、生産性等の観点から好ましい。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加でき、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加でき、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加できる。
熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥・硬化させる方法が挙げられる。溶液の塗布量としては、固形分で概ね5〜30μm、好ましくは15〜25μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線を照射することにより架橋重合反応を起こして3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。電離放射線は、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、例えば、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、特に紫外線、電子線等を用いることが望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度の波長域が使用できる。電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線としては、一般に100〜1000keV程度、好ましくは100〜300keVのものが使用できる。電子線の照射量は、通常2〜15Mrad程度とすれば良い。
電離放射線硬化型樹脂は、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、又はエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、プレポリマー又はポリマー(以下、これらを総称して化合物と呼称する)からなる。これら単量体、プレポリマー、及びポリマーは、単体で用いるか、複数種混合して用いることができる。なお、本明細書で(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタアクリレートの意味で用いる。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000程度以下のものが用いられる。分子量が10000を超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタアクリレートは共用し得るが、電離放射線での架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速いため、高速度、短時間で効率よく硬化させるという目的ではアクリレートの方が有利である。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンテレフタレート等が挙げられる。
また、ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェ−ト等が挙げられる。カチオン重合性官能基を有する単量体は、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量体を用いることができる。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、増感剤として光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布すれば良い。溶液の塗布量としては、固形分として概ね5〜30μm、好ましくは15〜25μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂から形成された表面保護層に、耐擦傷性、耐摩耗性をさらに付与する場合には、無機充填材を配合すれば良い。無機充填材としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイアモンド、金剛砂、ガラス繊維等が挙げられる。
無機充填材の添加量としては、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して1〜80重量部程度である。
各層の積層は、例えば、基材シートの一方の面に絵柄層(ベタインキ層、柄インキ層)を順に印刷により形成後、絵柄層上に2液硬化型ウレタン樹脂等の公知のドライラミネーション用接着剤を介して透明性樹脂層をドライラミネーション法、Tダイ押出し法等で積層し、さらに表面保護層を形成する方法により行える。
表面保護層側からエンボス加工を施すことにより凹凸模様を形成しても良い。凹凸模様は、加熱プレス、ヘアライン加工等により形成できる。凹凸模様としては、導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。
このような化粧層の基材シート側をバッカー層の易接着樹脂層に貼着する方法は特に限定されないが、通常は接着剤により接着する。特に、ウレタン系接着剤を用いて両者を貼着することが好ましい。なお、前記基材シートに予め裏面プライマーを形成すれば、化粧層とバッカー層との密着性をさらに高めることができる。裏面プライマーとしては、例えば、ウレタン系プライマーが好ましい。裏面プライマーの厚みはその種類に応じて適宜設定できる。
第3工程
第3工程では、前記合成樹脂層の全体とともに前記サネ又は小穴の一部又は全部を覆うように、前記化粧シートの端部を折り込む。この場合、端部を折り込む順序は特に制限されず、化粧シート形状等に応じて適宜変更することができる。例えば、図1のように長方形である場合は、図1の3)のように長尺方向にシートを折り込んだ後、図1の4)のように短尺方向にシートを折り込めば良い。
化粧シートを折り込む方法は制限されない。例えば、図3に示すように、化粧シートがさね加工された側面に回り込むように折り込むことが望ましい。より好ましくは、さねはぎ加工された他の床用化粧材と連結したときに、木質板が露出しないように折り込む。これは、さね加工の状態等に応じて適宜調整することができる。例えば、オスざねの場合は図4のA〜Cのように、木質板の側面であって、少なくとも上面端部からサネ領域に至る面を覆うように折り込めば良い。メスざねの場合は図4のD〜Eのように、木質板の側面であって、少なくとも上面端部から小穴領域に至る面を覆うように折り込めば良い。
図5は、上記のサネ領域又は小穴領域を斜視図により示したものである。
さねに関し、前記上面端部は図5の太線4で示す部分(辺)である。サネ領域は図5の5、6及び7で示される斜線領域(7の領域は6に続く領域であり5の裏面領域)である。すなわち、本発明の床用化粧材は、図5の太線4で示される辺と図5の5で示される領域との間の垂直面には、必ず化粧シートが積層される。
小穴に関し、上面端部は図5の太線8で示す部分(辺)である。小穴領域は図5の太線9で示される辺を有する領域(図示されていない)であって、複数の床用化粧材を勘合する際に雄サネの前記サネ領域が接触する領域である。即ち、本発明の床用化粧材は、図2の太線8で示される辺から伸びる垂直面には、必ず化粧シートが積層される。かかる条件を満たす化粧シートの積層態様には、例えば、図5のD及びEに示す態様(太線は化粧シートを示す)がある。
このように、化粧シートをさね加工された部分に折り込むことによって、図6に示すような床用化粧材を得ることができる。この完成図は、化粧シートの折り込みが図4のAによる例である。
第4工程
本発明では、必要に応じて、第4工程として、第3工程で得られた材料の化粧シート上から型押しすることにより、少なくとも合成樹脂層に曲面を形成(付与)する工程を実施することができる。曲面を形成した後、その曲面を含む部分が材料端部となるように切断することにより、端部が曲面になっている床用化粧材を得ることができる。このような床用化粧材どうしを前記端部で連結することにより意匠性等に優れた床面を形成することができる。
本発明の製造工程の一例を示す図である。 木質板に形成されたサネ1、小穴2、及び木質板上面に積層された合成樹脂層3を示す図である。 合成樹脂層の角部が面取り加工されている態様を示す図である。 化粧シートの積層態様のバリエーションを示す図である。 木質板の上面端部(4及び8)、サネ領域(5、6及び7の斜線領域)、小穴領域9を示す図である。 本発明の製造方法に得られた床材用化粧板の完成例を示す斜視図である。

Claims (9)

  1. 床用化粧材を製造する方法であって、
    (1)木質板の平面部に厚さ100μm以上の合成樹脂層を形成し、当該合成樹脂層の端部を面取り加工する第1工程、
    (2)木質板の側面にさねはぎ加工することによりサネ及び小穴の少なくとも1種を形成する第2工程
    (3)化粧シートを前記合成樹脂層上に積層する第3工程、及び
    (4)前記合成樹脂層の全体とともに前記サネ又は小穴の一部又は全部を覆うように、前記化粧シートの端部を折り込む第4工程
    を含むことを特徴とする床用化粧材の製造方法。
  2. 床用化粧材を製造する方法であって、
    (1)木質板の側面にさねはぎ加工することによりサネ及び小穴の少なくとも1種を形成する第1工程、
    (2)木質板の平面部に厚さ100μm以上の合成樹脂層を形成し、当該合成樹脂層の端部を面取り加工する第2工程、
    (3)化粧シートを前記合成樹脂層上に積層する第3工程、及び
    (4)前記合成樹脂層の全体とともに前記サネ又は小穴の一部又は全部を覆うように、前記化粧シートの端部を折り込む第4工程
    を含むことを特徴とする床用化粧材の製造方法。
  3. 前記平面部の形状が正方形又は長方形であり、前記化粧シートの形状が前記平面部の形状と相似形をなしている、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 合成樹脂層が、前記平面部と実質的に同じ形状及び寸法である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記第4工程に先立って、化粧シートの端部を折り込めるように、化粧シートの四隅を切除する工程をさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  6. さねはぎ加工された他の床用化粧材と連結したときに、木質板が露出しないように前記第4工程を実施する、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記第4工程において、1)前記木質板の側面であって、少なくとも上面端部からサネ領域に至る面、2)前記木質板の側面であって、少なくとも上面端部から小穴領域に至る面、にシートを積層する、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 化粧シートの厚さが80〜200μmである、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  9. 第5工程として、第4工程で得られた材料の化粧シート上から型押しすることにより、少なくとも合成樹脂層に曲面を形成する工程を含む、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
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