JP4839510B2 - カード基体、icカード及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード基体、ICカード及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の非接触型ICカードは、アンテナコイルを有するアンテナ基板にコンデンサを形成して、共振周波数を所定の値に調整することが行われている。
例えば、コンデンサのキャパシタンスの値(以下、C値とする)により共振周波数を調整する場合には、選択的パターンを有するコンデンサ(絶縁層及びその両側の導電層の3層構造)を形成しておき、ラミネート後にパターンを切断することによりC値を調整していた(特開2000−235635号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来のICカードでは、3層からなるC値調整用のコンデンサを形成しなければならず、工程が増え、コストもかかっていた。
この問題を解決するために、アンテナコイルのインダクタンスの値(以下、L値とする)により共振周波数を調整することが考えられる。この場合には、選択的パターンを有するアンテナコイルを内蔵させ、LSIの種別(主にC値の違い)によりパターンを切断することによりL値を調整した後、ラミネートすることになる。
しかし、パターンをカットする工程が増える、LSIとアンテナに対して一対一の対応が難しい等の別の問題が発生する。
【0004】
本発明の課題は、生産コストがかからず、通信安定性のよい、歩留まりを向上することが可能なカード基体、ICカード及びその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
すなわち、請求項1の発明は、コイル状のアンテナコイルと、一端がICチップに接続され他端が前記アンテナコイルに接続され、選択的に切断して、インダクタンスを調整するための複数のインダクタンス調整切断用パターン(55−1,55−2,55−3)とを含むアンテナ(50)が形成されたアンテナ基材(21)と、前記アンテナ基材の少なくとも一方の面に積層された少なくとも1枚のカード基材(22,23−2)とを備え、前記アンテナコイルは、このカード基材の表面を法線方向から見たときに、ICモジュールを装着する部分の外周に設けられこのカード基体の曲げ応力を低減させるための溝部の外側に形成され、前記インダクタンス調整切断用パターンは、このカード基材の表面を法線方向から見たときに、前記溝部の予定線に交差するように形成され、前記複数のインダクタンス調整切断用パターンは、前記ICチップの一端と、前記アンテナコイルとの間に並列的に配線され、選択的に切断されることにより、前記アンテナコイルと一体的にコイル式のアンテナを形成するように配置されていること、を特徴とするカード基体(20A)である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のカード基体において、前記アンテナ基材は、平面状導電性プレートと、選択的に切断してキャパシタンスを調整するための複数の直線状導電性パターンと、前記平面状導電性プレート及び前記複数の直線状導電性パターンの間にある絶縁層とを含む調整用コンデンサ部が形成され、前記直線状導電性パターンは、このカード基材の表面を法線方向から見たときに、前記溝部の予定線に交差するように形成されていること、を特徴とするカード基体である。
請求項3の発明は、請求項2に記載のカード基体において、前記インダクタンス調整切断用パターン及び前記直線状導電性パターンは、このカード基材の積層方向において、同じ高さ形成されていること、を特徴とするカード基体である。
【0007】
請求項4の発明は、前記インダクタンス調整切断用パターンを1又は2以上切断した請求項1又は請求項2に記載のカード基体(20A)と、前記カード基体に設けられたICモジュール(30)とを備えるICカード(10A)である。
請求項5の発明は、前記インダクタンス調整切断用パターン及び前記直線状導電性パターンを1又は2以上切断した請求項2又は請求項3に記載のカード基体と、前記カード基体に設けられたICモジュールとを備えるICカードである。
【0008】
請求項6の発明は、請求項4に記載のICカード(10A)において、前記インダクタンス調整切断用パターンは、前記ICモジュールを装着するためのICモジュール装着部(40)を前記カード基体に形成した場合に前記溝部を形成したときに切断されたことを特徴とするICカード(10A)である。
請求項7の発明は、請求項5に記載のICカードにおいて、前記インダクタンス調整切断用パターン及び前記直線状導電性パターンは、前記ICモジュールを装着するためのICモジュール装着部を前記カード基体に形成した場合に前記溝部を形成したときに切断されたことを特徴とするICカードである。
【0010】
請求項8の発明は、請求項4又は請求項5に記載のICカード(10A)において、前記ICモジュールは、外部のリーダライタと接触するための外部接触端子部(32)を備えることを特徴とするICカード(10A)である。
【0011】
請求項9の発明は、請求項4に記載のICカード(10A)において、前記インダクタンス調整切断用パターンは、前記カード基体の形成後に切断されたことを特徴とするICカード(10A)である。
請求項10の発明は、請求項5に記載のICカードにおいて、前記インダクタンス調整切断用パターン及び前記直線状導電性パターンは、前記カード基体の形成後に切断されたことを特徴とするICカードである。
【0012】
請求項11の発明は、請求項1に記載のカード基体(20A)を形成するカード基体形成工程と、前記カード基体形成工程で形成されたカード基体の前記インダクタンス調整切断用パターンを1又は2以上切断することにより、インダクタンスを調整する調整工程とを備えるICカード(10A)の製造方法である。
請求項12の発明は、請求項2に記載のカード基体を形成するカード基体形成工程と、前記カード基体形成工程で形成されたカード基体の前記インダクタンス調整切断用パターン及び前記直線状導電性パターンを1又は2以上切断することにより、インダクタンス及びキャパシタンスを調整する調整工程とを備えるICカードの製造方法である。
【0013】
請求項13の発明は、請求項11又は請求項12に記載のICカード(10A)の製造方法において、前記調整工程は、ICモジュールを装着するためのICモジュール装着部(40)を前記カード基体に形成する装着部形成工程に含まれることを特徴とするICカード(10A)の製造方法である。
【0014】
請求項14の発明は、請求項11から請求項13までのいずれか1項に記載のICカード(10A)の製造方法において、前記調整工程は、ICモジュールにかかる曲げ応力を吸収する溝部(44)を形成する溝部形成工程に含まれることを特徴とするICカード(10A)の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明によるカード基体の第1実施形態を示す断面図である。
カード基体20は、センターコア21に、厚み調整コア22、印刷用コア23−1,23−2及びオーバーシート24−1,24−2等、複数の層が積層されている。本実施形態では、6層構成とした。
【0016】
センターコア21は、エッチング、導電インクによる印刷、箔転写等により、その表面にアンテナコイル部50〔後述する図1(b)参照〕が形成されている。本実施形態では、ポリ塩化ビニル(以下、PVCとする)を素材とする層厚180μmのコアにエッチングによりアンテナコイル部50を形成した。
【0017】
厚み調整コア22は、センターコア21とICモジュール30の位置を合わせるために、厚みを調整する層である。本実施形態では、PVCを素材とする層厚180μmのコアを用いた。
【0018】
印刷用コア23−1,23−2は、装飾の模様や必要な表示等の印刷がセンターコア21の反対側(以下、外側とする)に施された層である。また、印刷用コア23−1の外側には、ICモジュール装着部40(後述する図3参照)を切削する位置を表示する見当マーク及びカード打ち抜き位置を示す当たり罫が設けられている。本実施形態では、PVCを素材とする層厚180μmのコアを用いた。印刷用コア23−1,23−2の材料を従来の磁気カードと同様に塩化ビニルにすることにより、色彩可変インクを使用して、見る角度により色が変わる特殊印刷、蓄光作用を有し、暗所で発光するインクを使用した特殊印刷、一定の角度からの光を反射する特殊な透明インクを使用した特殊印刷等を施すこともできる。
【0019】
オーバーシート24−1,24−2は、印刷用コア23−1,23−2に施された印刷を保護するためにカードの最表面に設けられる透明なシートである。また、オーバーシート24−1は、磁気ストライプを有している。本実施形態では、PVCを素材とする層厚50μmのシートを用いた。
【0020】
センターコア21、厚み調整用コア22、印刷用コア23−1,23−2及びオーバーシート24−1,24−2には、互いの位置合わせをするための見当マークが印刷されている。
【0021】
図1(b)は、図1(a)のP−P面のアンテナコイル部50を示す表面図である。
アンテナコイル部50は、外部のリーダライタと通信を行う通信部であり、ベースとなるコイル状のアンテナコイル51と、アンテナパターン部52と、アンテナ端子部55−1,55−2とを備えている。アンテナ端子部55−1,55−2には、アンテナコイル51とアンテナパターン部52が接続されている。
【0022】
アンテナパターン部52は、インダクタンスを調整するために選択的に切断される複数の切断用パターンを備えている。本実施形態では、アンテナパターン部52は、第1パターン52−1、第2パターン52−2及び第3パターン52−3の3本の切断用パターンからなり、これらの切断用パターン52−1,52−2,52−3は、アンテナアンテナコイル51から分岐し、アンテナ端子55−2に接続されている。アンテナパターン部52は、ICカード10において外周溝44を深く切削した場合〔後述する図3(b)参照〕の位置である切削予定線44pに交差するように形成されている。
【0023】
図2は、本実施形態におけるアンテナコイル部50の設計を示した表面図である。
本実施形態では、3本の異なる切断用パターン52−1,52−2,52−3から2本を切断することによりアンテナコイル部50のL値を調整するため、アンテナコイル部50に3通りのL値を設定した。
(a)第2パターン52−2及び第3パターン52−3を切削予定線44pと交差する位置44p2,44p3で切断した場合には、アンテナコイル部50のL値が3.0μHとなるように第1パターン52−1を形成した。
(b)第1パターン52−1及び第3パターン52−3を切削予定線44pと交差する位置44p1,44p3で切断した場合には、アンテナコイル部50のL値が2.7μHとなるように第2パターン52−2を形成した。
(c)第1パターン52−1及び第2パターン52−2を切削予定線44pと交差する位置44p1,44p2で切断した場合には、アンテナコイル部50のL値が2.3μHとなるように第3パターン52−3を形成した。
【0024】
ここで、カード基体20の製造過程を説明する。
上記各層を見当マークを目安として位置合わせし、所定の順番に重ね合わせる。これらを重ね合わせた状態で熱圧して融着し(接着層を設けて貼り合わせてもよい)、総厚820μmのプレスシートを作製する。尚、隠蔽印刷、全面に透過型ホログラムを設けた特殊印刷等を行う場合には、それらが印刷された材料を転写する。
次に、積層されたプレスシートを、カード形状に打ち抜き、カード基体20を得る。本実施形態では、JIS:X6303に規定されているサイズとした。
【0025】
図3(a)は、本発明によるICカードの第1実施形態を示す断面図である。
図3(b)は、ICモジュール30装着前のカード基体20を示す断面図である。
ICカード10は、カード基体20と、カード基体20に埋設されたICモジュール30とを備えている。
ICモジュール30は、導電性接着剤26及び絶縁性接着シート27によってカード基体20に固定されている。本実施形態では、導電性接着剤26に半田ペースト、絶縁性接着シート27にホットメルト型の接着シートを用いた。
【0026】
ICモジュール30は、ICカード10がリーダライタと非接触により通信を行う場合の入出力端子31、リーダライタと接触により通信を行う外部接触端子部32及びICモジュール30の凸形状の部分であるモールド部33を備えている。
【0027】
カード基体20には、ICモジュール装着部40が設けられている。
ICモジュール装着部40は、ICモジュール30を保持等する孔であり、第1凹部41、第2凹部42、第3凹部43、外周溝44を備えている。
【0028】
第1凹部41は、ICモジュール30を接着する面(接着部)であり、カード基材表面28からの深さが200μmである。
第2凹部42は、ICモジュール30のモールド部33が埋設される部分であり、干渉しないように、モールド部33よりもわずかに大きい。本実施形態では、第2凹部42は、8×8mmのサイズであり、深さは、600μmである。
第3凹部43は、アンテナコイル部50のアンテナ端子部55が露出する部分であり、導電性接着剤26が充填される半径1mm、深さ420μmの小径の導通孔である。第3凹部43は、アンテナ端子部55−1,55−2及び入出力端子31を導通させるために2ヶ所設けられている。
外周溝44は、ICモジュール装着部40の最外周に設けられた深さ350μm,幅0.5mmの溝であり、切断溝45が設けられている。外周溝44は、ICカード10が不用意に曲げられた場合であっても、ICモジュール30にかかる応力を少なくする役割と、接着シート27の接着剤の逃げスペースの役割を果たす。
切断溝45は、アンテナパターン部52の切断時に外周溝44に設けられた、サイズが2mm×0.5mm、深さが500μmの溝である。本実施形態では、切断溝45は、2本の切断用パターン52−2,52−3をインダクタンス調整のために切断(後述)したため、2箇所に設けられている。
【0029】
図4は、本発明によるICカードの製造方法を示す断面図である。
カード基材20〔図4(A)参照〕に、切削により第1凹部41,第2凹部42,第3凹部43,外周溝44の形状のザグリを行う。第3凹部43は、アンテナ端子部55−1,55−2まで確実に達するように加工する。本実施形態では、外周溝44を切削するときに、切断溝45を形成し、L値調整を行う〔図4(B)参照〕。
【0030】
L値調整は、アンテナパターン部52の選択及びアンテナパターン部52の切断により行う。
アンテナパターン部52の選択は、カード基材20に埋設するICモジュール30のC値、アンテナパターン部のC値等を測定し、ICカード10の並列共振回路の共振周波数をリーダライタの電磁波の周波数に一致させるのに最適なアンテナコイル部50のL値が設定された切断用パターンを選択することにより行う。
アンテナパターン部52の切断は、選択された切断用パターン以外の切断用パターンが切削予定線44pと交差する位置で外周溝44を深く切削し、切断溝45を形成することにより行う。
本実施形態では、第1パターン52−1を選択した場合(第2パターン52−2及び第3パターン52−3を切断した場合)のアンテナコイル部50のL値(3.0μH)が最適であったため、位置44p2,44p3で第2パターン52−2及び第3パターン52−3を切断した〔図2(a)参照〕。
【0031】
第3凹部43に、導電手段として半田ペーストである導電性接着剤26を充填し、絶縁性接着シート(ホットメルト型)27を第1凹部41に仮置きする。絶縁性接着シート27は、導通のため第1凹部41及び外周溝44を覆う形状に型抜きされている〔図4(C)参照〕。
第3凹部43に充填された導電性接着剤26にICモジュール30の入出力端子31が接するようにICモジュール30をICモジュール装着部40に仮置きし、モジュールシールを行う。
モジュールシールは、以下の2段の工程に分けて行う。
最初に、第3凹部43に充填された導電性接着剤26を加熱して、入出力端子31及びアンテナ端子部55−1,55−2を接続する。本実施形態では、2点ピンポイント状の加熱部を有するヒーターブロックを使用して、200°C、10sec、2kgf/cm2 の比較的高い温度条件で熱プレスを行なった〔図4(D)参照〕。
続いて、絶縁性接着シート27を加熱してICモジュール30をカード基体20に接着する。本実施形態では、モジュール基板サイズのヒーターブロックを使用し、150°C、5sec、2kgf/cm2 の比較低い温度条件で熱プレスを行なった〔図4(E)参照〕。
これら2工程は、いずれが先であってもよい。
最後に基板サイズよりは大きい面積の冷却プレスを使用して冷却を行う。以上によりICカード10が完成する〔図4(F)参照〕。
【0032】
このように、本実施形態によれば、L値の調整は、カード基体20の作製後のICモジュール装着部40(特に外周溝44)を設ける工程において、ICモジュール30のC値等を測定し、アンテナパターン部52の選択及び切断により行われる。従って、工程が増えず、カード基体20を作製した後に共振周波数のばらつきに対応でき、ICモジュール30及びアンテナコイル部50に対して一対一の対応が可能なため、生産コストをかけずに、ICカード10の通信安定性及び歩留まりを向上させることが可能となった。一方、カード基体20を先行して作製しストックすることができるため、一層の生産コストの削減が可能となった。
【0033】
(第2実施形態)
図5は、本発明によるカード基体の第2実施形態を示した図である。
図5(a)は、カード基体20Aを示す断面図であり、図5(b)は、図5(a)のP−P面のアンテナコイル部50及び調整用コンデンサ部60を示す表面図である。
なお、以下に示す各実施形態では、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態のカード基体20Aは、調整用コンデンサ部60が表面に形成されたセンターコア21を備えている。
【0034】
図6は、本発明によるカード基体の第2実施形態における調整用コンデンサ部60を示した図である。
図6(a)は、図5(b)におけるコンデンサ部60を拡大した表面図、図6(b)は、そのP−P面における断面図である。
調整用コンデンサ部60は、コンデンサパターン部61及び導電プレート63と、その間に絶縁性の絶縁層62を備え、アンテナコイル部50と並列にアンテナ端子55−1,55−2に接続されたC値を調整するためのコンデンサである。調整用コンデンサ部60は、センターコア21の表面に形成されたコンデンサパターン部61に絶縁層62及び導電プレート63が平板状に積層されている。
【0035】
コンデンサパターン部61は、平行に配列された複数の導電性直線状パターンを備えている。導電性直線状パターンの一端は、アンテナ端子55−1からの分岐であり、他端は、連結しないで開放されている。コンデンサパターン部61は、エッチング、導電インクによる印刷、箔転写等により、切削予定線44pと交差するように形成されている。本実施形態では、アンテナコイル部50のエッチングによる形成と同時に、厚さが35μmとなるようにコンデンサパターン部61を形成した。また、絶縁層62及び導電プレート63と重なる部分(以下、有効面積とする)が0.2mm×10mmのサイズとなるように、導電性直線状パターンを7本形成した。
絶縁層62は、レジスト印刷、薄層のフィルムの転写等により、薄膜状に塗膜形成した一定の層厚を有する絶縁性の層である。本実施形態では、レジスト印刷により、層厚が30μmとなるように形成した。
導電プレート63は、エッチング、導電インクによる印刷、箔転写等により設けられる導電性の層であり、絶縁層62を平面的に覆い、アンテナ端子55−2に接続されている。本実施形態では、銀ペーストの導電印刷により層厚30μmとなるように形成した。
【0036】
本実施形態では、導電性直線状パターンの有効面積1mm2 あたりのC値は、0.5pFであるため、導電性直線状パターン1本を切削予定線44pで切断することにより調整用コンデンサ部60のC値を1pF減らす調整が可能である。
【0037】
図7は、本発明によるICカードの第2実施形態を示す断面図である。
第2実施形態のICカード10Aは、カード基体20Aと、カード基体20Aに埋設されたICモジュール30とを備えている。
【0038】
第2実施形態では、外周溝44を切削し、切断溝45Aを形成するときに、アンテナコイル部50のL値調整及び調整用コンデンサ部60のC値調整を行う。
調整用コンデンサ部60のC値調整は、最適値となるように、導電性直線状パターンを切断予定線44pと交差する位置で切断することにより行う。また、切断は、アンテナパターン部52の切断と同時に、外周溝44を深く切削し、切断溝45Aを形成することにより行う。
【0039】
このように、本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、L値を3通り、C値を7通りに設定することができることから、共振周波数のばらつきに対してより細かい調整、より広範囲な調整が可能となった。
【0040】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、各実施形態において、導電性接着剤26には、導電性金属粒子等を樹脂に分散した熱硬化型又はホットメルト型接着剤、クリーム半田、銀ペースト又は熱により溶融する金属半田が使用できる。また、熱硬化型・熱溶融型・熱可塑型の導電性接着シートや銀、銅、カーボン等のペースト、金属半田、異方性導電フィルム等であってもよい。
また、絶縁性接着シート27には、熱可塑(ホットメルト)型又は熱硬化型・湿気硬化型の接着剤や接着剤シートを使用することができる。また、粘着シート、粘着剤やコールドグルー等であってもよい。
【0041】
各実施形態において、センターコア21、厚み調整用コア22、印刷用コア23−1,23−2及びオーバーシート24−1,24−2には、塩化ビニール樹脂や、PET等の材料を使用することができる。また、PET−G、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等を用いてもよい。
【0042】
各実施形態において、アンテナパターン部52は、3本としたが、3本に限られるものではない。また、1本の切断用パターン52−1を選択したが、2本以上を選択してもよい。上記効果に加え、本数を増やす等、選択肢を広げることにより、共振周波数のばらつきに対してより細かい調整、より広範囲な調整が可能となる。
【0043】
各実施形態において、印刷を印刷用コアに施した例を示したが、これに限らず、例えば、一般のカードで対応可能な付加機能(書き換え表示、印字、ホログラム、サインパネル)を付加してもよい。
【0044】
各実施形態において、接触/非接触共用チップを搭載したICモジュール30(COT)を埋設した例を示したが、これに限らず、例えば、非接触チップを搭載したCOT、COB(Chip On Board)を埋設してもよい。
【0045】
第2実施形態において、コンデンサパターン部61は、同一のC値を有する7本の直線状パターンとしたが、7本に限られるものではない。また、それぞれのパターンが絶縁層62及び導電プレート63との関係で異なるC値を有していてもよい。上記効果に加え、選択肢を増やすことにより、共振周波数のばらつきに対してより細かい調整、より広範囲な調整が可能となる。
【0046】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、請求項1の発明によれば、インダクタンスを調整することが可能なカード基体を先行して作製し、ストックすることができるため、歩留まり及び通信安定性が向上したICカードの生産コストを削減することができるカード基体を提供することが可能となった。
【0047】
請求項2の発明によれば、前記請求項1の効果に加え、キャパシタンスを調整することにより共振周波数のばらつきに対してより細かい調整、より広範囲な調整が可能であるため、更に歩留まり及び通信安定性が向上したICカードの生産コストを削減することができるカード基体を提供することが可能となった。
【0048】
請求項3又は請求項8の発明によれば、前記請求項1又は請求項2の発明の効果を得ることができるICカードを提供することが可能となった。
【0049】
請求項4、請求項5、請求項9又は請求項10の発明によれば、前記請求項3の発明による効果に加え、ICモジュール装着部、特に溝部の形成時に、1又は2以上の切断用パターンを切断し、インダクタンスの調整を行うことから、工程が増えず、一層の生産コストの削減ができるICカードを提供することが可能となった。
【0050】
請求項6の発明によれば、前記請求項3から請求項5までのいずれか1項の発明による効果が得ることができる、特に接触/非接触型ICカードを提供することが可能となった。
【0051】
請求項7の発明によれば、前記請求項3から請求項6までのいずれか1項の発明による効果に加え、カード基体の形成後に1又は2以上の切断用パターンを切断することにより、インダクタンスを調整することから、ICモジュール及びアンテナに対して一対一の対応が可能なため、より一層通信安定性及び歩留まりが向上したICカードを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカード基体の第1実施形態を示す断面図及び表面図である。
【図2】本発明によるカード基体の第1実施形態におけるアンテナパターン部52の設計を示した表面図である。
【図3】本発明によるICカードの第1実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明によるICカードの製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明によるカード基体の第2実施形態を示す断面図及び表面図である。
【図6】本発明によるカード基体の第2実施形態における調整用コンデンサ部60を示す表面図及び断面図である。
【図7】本発明によるICカードの第2実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10,10A ICカード
20,20A カード基体
21 センターコア
30 ICモジュール
32 外部接触端子部
40 ICモジュール装着部
44 外周溝
45,45A 切断溝
50 アンテナコイル部
52 アンテナパターン部
52−1 第1パターン
52−2 第2パターン
52−3 第3パターン
60 調整用コンデンサ部
61 コンデンサパターン部
62 絶縁層
63 導電プレート

Claims (14)

  1. コイル状のアンテナコイルと、一端がICチップに接続され他端が前記アンテナコイルに接続され、選択的に切断して、インダクタンスを調整するための複数のインダクタンス調整切断用パターンとを含むアンテナが形成されたアンテナ基材と、
    前記アンテナ基材の少なくとも一方の面に積層された少なくとも1枚のカード基材とを備え、
    前記アンテナコイルは、このカード基材の表面を法線方向から見たときに、ICモジュールを装着する部分の外周に設けられこのカード基体の曲げ応力を低減させるための溝部の外側に形成され、
    前記インダクタンス調整切断用パターンは、このカード基材の表面を法線方向から見たときに、前記溝部の予定線に交差するように形成され
    前記複数のインダクタンス調整切断用パターンは、前記ICチップの一端と、前記アンテナコイルとの間に並列的に配線され、選択的に切断されることにより、前記アンテナコイルと一体的にコイル式のアンテナを形成するように配置されていること、
    を特徴とするカード基体。
  2. 請求項1に記載のカード基体において、
    前記アンテナ基材は、平面状導電性プレートと、選択的に切断してキャパシタンスを調整するための複数の直線状導電性パターンと、前記平面状導電性プレート及び前記複数の直線状導電性パターンの間にある絶縁層とを含む調整用コンデンサ部が形成され、
    前記直線状導電性パターンは、このカード基材の表面を法線方向から見たときに、前記溝部の予定線に交差するように形成されていること、
    を特徴とするカード基体。
  3. 請求項2に記載のカード基体において、
    前記インダクタンス調整切断用パターン及び前記直線状導電性パターンは、このカード基材の積層方向において、同じ高さ形成されていること、
    を特徴とするカード基体。
  4. 前記インダクタンス調整切断用パターンを1又は2以上切断した請求項1又は請求項2に記載のカード基体と、
    前記カード基体に設けられたICモジュールと
    を備えるICカード。
  5. 前記インダクタンス調整切断用パターン及び前記直線状導電性パターンを1又は2以上切断した請求項2又は請求項3に記載のカード基体と、
    前記カード基体に設けられたICモジュールと
    を備えるICカード。
  6. 請求項4に記載のICカードにおいて、
    前記インダクタンス調整切断用パターンは、前記ICモジュールを装着するためのICモジュール装着部を前記カード基体に形成した場合に前記溝部を形成したときに切断されたこと
    を特徴とするICカード。
  7. 請求項5に記載のICカードにおいて、
    前記インダクタンス調整切断用パターン及び前記直線状導電性パターンは、前記ICモジュールを装着するためのICモジュール装着部を前記カード基体に形成した場合に前記溝部を形成したときに切断されたこと
    を特徴とするICカード。
  8. 請求項4又は請求項5に記載のICカードにおいて、
    前記ICモジュールは、外部のリーダライタと接触するための外部接触端子部を備えること
    を特徴とするICカード。
  9. 請求項4に記載のICカードにおいて、
    前記インダクタンス調整切断用パターンは、前記カード基体の形成後に切断されたこと
    を特徴とするICカード。
  10. 請求項5に記載のICカードにおいて、
    前記インダクタンス調整切断用パターン及び前記直線状導電性パターンは、前記カード基体の形成後に切断されたこと
    を特徴とするICカード。
  11. 請求項1に記載のカード基体を形成するカード基体形成工程と、
    前記カード基体形成工程で形成されたカード基体の前記インダクタンス調整切断用パターンを1又は2以上切断することにより、インダクタンスを調整する調整工程と
    を備えるICカードの製造方法。
  12. 請求項2に記載のカード基体を形成するカード基体形成工程と、
    前記カード基体形成工程で形成されたカード基体の前記インダクタンス調整切断用パターン及び前記直線状導電性パターンを1又は2以上切断することにより、インダクタンス及びキャパシタンスを調整する調整工程と
    を備えるICカードの製造方法。
  13. 請求項11又は請求項12に記載のICカードの製造方法において、
    前記調整工程は、ICモジュールを装着するためのICモジュール装着部を前記カード基体に形成する装着部形成工程に含まれること
    を特徴とするICカードの製造方法。
  14. 請求項11から請求項13までのいずれか1項に記載のICカードの製造方法において、
    前記調整工程は、ICモジュールにかかる曲げ応力を吸収する溝部を形成する溝部形成工程に含まれること
    を特徴とするICカードの製造方法。
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