JP4839310B2 - 太陽電池パネル用端子ボックス - Google Patents

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Description

本発明は、バイパスダイオードとしてショットキーバリアダイオードを用いることによりダイオード及び端子ボックスの温度上昇を効果的に防止することができる結晶系シリコン太陽電池パネル用端子ボックスに関する。
太陽電池パネル用端子ボックスには通常、太陽電池パネルの起電力が低下した時に逆方向電圧の印加による電流を一方の外部接続用ケーブルから他方の外部接続用ケーブルへ短絡させるためにバイパスダイオードが具備されている。バイパスダイオードが実際にこの機能を果たす際、ダイオードの順方向へ大電流が流れるため、ダイオードは通常、激しく発熱する。そうするとダイオードが破損したり、ダイオードの寿命が著しく短くなったり、ダイオードの発生する熱により、端子ボックスを構成する樹脂が変形して端子ボックスが太陽電池パネルから脱落する可能性がある。特に、端子ボックスは太陽電池パネルに取り付けられた状態で野外で20年以上も使用されるため、その可能性が高い。従って、長期間の安全性や信頼性の向上の観点からバイパスダイオードの動作時のダイオードの温度上昇を効果的に防止することが求められている。
ダイオードの温度上昇を効果的に防止するための手段としては従来、端子ボックス内に放熱板などを設けてダイオードの発生する熱を周囲に逃がす手段が一般的に採用されている。これらの手段は要するに、発生したダイオードの熱を効率良く放熱することでダイオードの温度上昇を抑制しようというものである。
一方、近年、太陽電池の高出力化の要求に伴いアモルファス系シリコン太陽電池より結晶系シリコン太陽電池が多く用いられるようになっているが、結晶系シリコン太陽電池はアモルファス系シリコン太陽電池より出力電流が30倍以上大きいため、ダイオードの動作時にダイオードに流れる電流量、ひいては発熱量もアモルファス系シリコン太陽電池よりかなり大きい。従って、結晶系シリコン太陽電池に用いられる端子ボックスにおいては、発生したダイオードの熱を単に放熱板などで放熱するという従来の一般的な手段だけではダイオードの温度上昇を十分抑制できなくなってきている。
特開2005−150277号公報
本発明はかかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は結晶系シリコン太陽電池パネルに用いられる端子ボックスにおいてバイパスダイオードの動作時(即ち、太陽電池パネルの異常発生時)のダイオードの温度上昇を効果的に防止するためのさらに有効な手段を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく、結晶系シリコン太陽電池パネルに用いられる端子ボックスにおいてダイオードの温度上昇を効果的に防止するための手段について鋭意検討した結果、発生したダイオードの熱を放熱するという手段ではなく、ダイオード自体の発熱を抑制することを想起した。そして、その具体的な手段についてさらに検討したところ、ダイオードとしてショットキーバリアダイオードを用いることによりダイオード自体の発熱を効果的に抑制できるとともに、ショットキーバリアダイオードの持つ欠点を露呈させることなく使用できることを意外にも見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はバイパスダイオードを具備する結晶系シリコン太陽電池パネル用端子ボックスであって、前記バイパスダイオードがショットキーバリアダイオードであることを特徴とする太陽電池パネル用端子ボックスである。本発明の端子ボックスの好ましい実施態様によれば、前記ショットキーバリアダイオードは150℃以上のジャンクション温度保証値を有し、10Aの電流を通電したときの前記ショットキーバリアダイオードの順方向電圧降下は、25℃のジャンクション温度で0.50V以下(さらに好ましくは0.45V以下)、100℃のジャンクション温度で0.40V以下(さらに好ましくは0.35V以下)、150℃のジャンクション温度で0.35V以下(さらに好ましくは0.30V以下)である。本発明の端子ボックスの他の好ましい実施態様によれば、端子ボックスは、バイパスダイオードの発生する熱を逃すための放熱板及び/又はバイパスダイオードの発生する熱を逃がすための拡大された端子板をさらに具備する。本発明の端子ボックスのさらに他の好ましい実施態様によれば、ショットキーバリアダイオードは面実装型又は非絶縁型のパッケージダイオードである。
本発明の端子ボックスではバイパスダイオードとしてショットキーバリアダイオードを用いているため、従来用いられていたPNダイオードと比べて、ダイオードの動作時の発熱を著しく抑制することができる。また、本発明の端子ボックスは、結晶系シリコン太陽電池パネルを対象とするため、ショットキーバリアダイオードが持つ欠点を許容することができる。従って、本発明の端子ボックスではダイオード動作時のダイオード及び端子ボックスの温度上昇を未然に防止することができ、ダイオードの破損や寿命の短縮、端子ボックスの変形による太陽電池パネルからの脱落がなく、端子ボックスの安全性及び信頼性を一層高めることができる。
PNダイオードとショットキーバリアダイオードのジャンクション温度(Tj)と順方向の電圧降下(VF)との関係を示すグラフである。 放熱板を具備する本発明の端子ボックスの一例を示す。 拡大された端子板を具備する本発明の端子ボックスの別の例を示す。 面実装型又は非絶縁型パッケージダイオードの底面構造を示す。 実施例で用いた試験サンプルの構造を示す。 図5の試験サンプルの筐体内部を示す。 本発明例1〜3と比較例の順方向の通電流(IF)と順方向の電圧降下値(VF)又はジャンクション温度(Tj)の関係を示すグラフである。 本発明例1〜3と比較例の順方向の通電流(IF)と端子ボックス底面温度(Tc)の関係を示すグラフである。 本発明例1〜3と比較例の順方向の通電流(IF)と端子ボックス内の三つのダイオードの合計発熱量の関係を示すグラフである。
本発明の結晶系シリコン太陽電池パネル用端子ボックスは、バイパスダイオードとしてショットキーバリアダイオードを用いることを最大の特徴とする。ショットキーバリアダイオード(ショットキーダイオードとも略される)は、金属と半導体との接合面のショットキー効果の整流作用を利用したダイオードである。ショットキーバリアダイオードは順方向の電圧降下(VF)が低いため、逆回復時間が短く、スイッチング特性に優れる。この特性を活かして、ショットキーバリアダイオードはオーディオ機器の電源回路やスイッチング電源で従来一般的に用いられている。また、ショットキーバリアダイオードは順方向の電圧降下(VF)が低いので、動作時の発熱量が小さいという特性を有する。本発明はこの特性に着目したものであり、結晶系シリコン太陽電池パネル用端子ボックスのバイパスダイオードとしてショットキーバリアダイオードを用いることにより、ダイオードの動作時のダイオードでの発熱自体を効果的に抑制するものである。
以下の表1は、結晶系シリコン太陽電池パネル用端子ボックスで従来用いられてきた一般的な整流ダイオードであるPNダイオード(PND)と本発明の端子ボックスで用いるショットキーバリアダイオード(SBD)の代表的な特性(VF(順方向の電圧降下)、VR(逆方向耐電圧)、及びIR(漏れ電流))を比較した表であり、図1は表1に基づいて作成したジャンクション温度(Tj)と順方向の電圧降下(VF)との関係を示すグラフである。
Figure 0004839310
表1に示したPNダイオードは従来より太陽電池パネル用端子ボックスの分野で一般的に用いられてきたPNダイオードであり、ジャンクション保証温度(ダイオードのコアであるチップ部分(ジャンクション)の耐熱温度)が150℃以上という太陽電池パネル用端子ボックスでの規制を満たすダイオードである。一方、表1に示したショットキーバリアダイオード(SDB)も、ジャンクション保証温度が150℃以上という規制を満たすダイオードである。
表1中、VFは、ダイオードの発熱量の指標であり、VFが小さいほどダイオードの発熱量は小さくなる。
VRは、この電圧の値を越える電圧をダイオードの逆方向に印加すると、順方向にしか電流を流さないというダイオードの本質的な機能が破壊されて本来電流が流れないはずの逆方向に多量の電流が流れてしまう限界の電圧の値を意味する。従って、あるダイオードのVRが小さいということは、逆方向の電圧に対するこのダイオードの耐性が小さく、逆方向に大きな電圧が印加される可能性のある回路にこのダイオードを用いると、本来電流が流れないはずの逆方向に多量の電流が常時流れて発電効率が低下したり、最悪の場合はダイオードが熱暴走を起こしてダイオードが破壊される恐れがあるということを意味する。
IRは、ダイオードに逆方向の電圧が印加されているときに逆方向に流れる電流量を意味する。従って、あるダイオードのIRが0より大きいということは、逆方向の電圧が印加されている場合に理想的には完全に遮断すべきである逆方向への電流をこのダイオードは遮断しきれず、発電効率の低下や熱暴走を招くということを意味する。
表1中、VF(順方向の電圧降下)の値は、各ダイオードの周囲空気を強制的に加熱することによりダイオードのジャンクション温度(Tj)を25℃、100℃又は150℃にそれぞれ保持させておき、この状態で10Aの順方向パルス電流を瞬間的にダイオードに流して、その瞬間の順方向の電圧降下(VF)を測定することにより求めたものである。また、VR(逆方向耐電圧)の値は、各ダイオードに逆方向に電圧を印加して増大させていき、電流が急激に流れ始めたときの逆方向電圧を測定することにより求めたものである。また、IR(漏れ電流)の値は、VFの値の測定と同様に各ダイオードの周囲空気を強制的に加熱することによりダイオードのジャンクション温度(Tj)を25℃、100℃又は150℃にそれぞれ保持させておき、この状態で40Vの逆方向の電圧を瞬間的にダイオードに印加して、その瞬間に逆方向に流れる電流の値を測定することにより求めたものである。
表1のVF(順方向の電圧降下)の欄及び図1のグラフから理解される通り、ショットキーバリアダイオード(SBD)の順方向の電圧降下(VF)の値はいずれのジャンクション温度(Tj)においてもPNダイオードの順方向の電圧降下の値より著しく小さい。具体的には、ショットキーバリアダイオードの順方向の電圧降下値はPNダイオードの順方向の電圧降下値より平均で0.4V程度も小さく、PNダイオードの順方向の電圧降下値の40%〜50%程度にすぎない。ここで、ダイオードの発熱量(W)は通電電流値(IF)と順方向の電圧降下(VF)の積に等しいため、通電電流値(IF)が一定であれば、ダイオードの発熱量(W)は順方向の電圧降下値(VF)に比例し、順方向の電圧降下値(VF)が小さいほどダイオードの発熱量(W)は小さくなる。従って、ショットキーバリアダイオードの発熱量は一般的な整流ダイオードであるPNダイオードの発熱量より著しく小さく、PNダイオードの発熱量の40%〜50%程度であると考えられる。一方、太陽電池パネルの異常発生時にダイオードの順方向に流れる電流(公称の最大出力動作電流)の値は太陽電池パネルの種類によって大きく異なり、アモルファス系シリコン太陽電池パネルではこの電流の値は0.3A程度であるのに対し、結晶系シリコン太陽電池パネルでは9A程度である。従って、ダイオードの順方向に流れる電流の値は結晶系シリコン太陽電池パネルの方がアモルファス系シリコン太陽電池パネルより30倍以上大きく太陽電池パネルの異常発生時(即ち、ダイオードの動作時)の発熱の問題は結晶系シリコン太陽電池パネルではより深刻である。それ故、結晶系シリコン太陽電池パネル用端子ボックスでVFの小さいショットキーバリアダイオードを用いることは、太陽電池パネルの異常発生時(即ち、ダイオードの動作時)のダイオード自体の発熱という問題を効果的に抑制する点で極めて有利である。
なお、表1のVR(逆方向耐電圧)の欄から理解される通り、ショットキーバリアダイオードはPNダイオードよりVRの値がかなり小さい。従って、VRの値が小さいショットキーバリアダイオードは正常な発電状態で逆方向に多量の電流が流れる可能性があるという欠点を有する。しかし、太陽電池パネル用端子ボックスに印加される可能性があると考えられる最大の電圧であるパネルの公称の最大出力の動作電圧はアモルファス系シリコン太陽電池パネルでは100〜300V程度と高いのに対し、結晶系シリコン太陽電池パネルでは10〜40V程度にすぎず、この値はショットキーバリアダイオードのVR(通常50〜100V程度)より確実に小さい。従って、結晶系シリコン太陽電池パネル用の端子ボックスにショットキーバリアダイオードを用いてもそのVRを越える大きさの電圧がダイオードに印加される可能性はなく、正常な発電状態でダイオードの逆方向に多量の電流が常時流れて発電効率が低下したりダイオードが熱暴走を起こしてダイオードが破壊されるなどの問題は全く生じない。
また、表1のIR(漏れ電流)の欄から理解される通り、ショットキーバリアダイオードはPNダイオードよりIRの値がかなり大きいという欠点も有する。しかし、結晶系シリコン太陽電池パネルでは上述の通り最大出力の動作電圧がアモルファスシリコン太陽電池パネルよりかなり小さいので、正常な発電状態での漏れ電流によるダイオードの発熱量は実際にはそれほど大きくなく、それによる発電効率の低下や端子ボックスの温度上昇の問題は十分許容できるレベルである。
特に、ショットキーバリアダイオードのIRは表1から理解される通り温度依存性が極めて大きく、ダイオード温度が上昇するにつれてIRは指数関数的に増大する。従って、ショットキーバリアダイオードでは、一旦ダイオードが温度上昇するとそれに伴ってIRが急激に増大し、急激に増大したIRは次に発熱量の急激な増大を招き、急激に増大した発熱量は次にさらに急激な温度上昇を招くことになり、この悪循環によりダイオードの温度がダイオードの耐熱温度以上の極めて高い温度に上昇してダイオードが最終的に破壊されるといういわゆる熱暴走を起こしやすい。しかし、表1から理解されるように、ショットキーバリアダイオードのIRは結晶系シリコン太陽電池パネル用端子ボックスの最大使用温度定格の100℃であっても10mA程度である。従って、ショットキーバリアダイオードの発熱量はショットキーバリアダイオードの最大定格電圧(逆方向耐電圧)である50〜100Vがダイオードに印加されたとしてもわずか0.5〜1W程度であり、熱暴走の問題は実際には十分許容できるレベルである。
結局、結晶系シリコン太陽電池パネル用の端子ボックスでは、VRが小さいというショットキーバリアダイオードの欠点は無視でき、またIRが大きいというショットキーバリアダイオードの欠点は十分許容できるレベルであるため、ショットキーバリアダイオードを用いることが総合的に有利である。
従来、太陽電池パネル内でバイパスダイオードとしてショットキーバリアダイオードを使用した例はいくつか知られているが、端子ボックス内でショットキーバリアダイオードを使用した例は今まで知られていない。これは、端子ボックス内でバイパスダイオードとしてショットキーバリアダイオードを使用しようとする場合、太陽電池パネル内で使用する場合と比べて逆方向電圧が高くかつ放熱性が悪いため、逆方向耐電圧(VR)が小さく漏れ電流(IR)が大きいというショットキーバリアダイオードの欠点が極めて大きな阻害要因であると考えられていたためである。
即ち、太陽電池パネル内にバイパスダイオードを組込んで使用する場合は、バイパスダイオードを組込む空間は十分広いため、多数のバイパスダイオードを組込むことができる。従って、一つのバイパスダイオードが受け持つ太陽電池セルの数は少なくすることができ、個々のバイパスダイオードに印加される逆方向電圧の値は低くすることができる。これに対し、端子ボックス内にバイパスダイオードを組込んで使用する場合、端子ボックスの体積は通常小さいため、端子ボックス内に組込むことができるバイパスダイオードの数は少数に制限される。従って、一つのバイパスダイオードが受け持つ太陽電池セルの数は多く、太陽電池パネルの正常な発電状態で個々のバイパスダイオードに印加される逆方向電圧の値が高い。
また、太陽電池パネル内にバイパスダイオードを組込んで使用する場合は、太陽電池パネルは端子ボックスに比べて体積が格段に大きくしかも薄く平坦な構造を有するため、放熱性に優れる。これに対し、端子ボックス内にバイパスダイオードを組込んで使用する場合、端子ボックスは体積が通常小さくしかも密閉されているため、バイパスダイオードに電流が流れて発熱した場合にその熱を外部に逃がす特性(放熱性)に劣る。
このような端子ボックス内にバイパスダイオードを組込んで使用する場合の逆方向電圧の高さや放熱性の悪さの問題は、端子ボックス内で使用するバイパスダイオードとしてVRが大きくIRが小さい従来のPNダイオードを採用する場合は特に阻害要因とはならないが、VRが小さくIRが大きいショットキーバリアダイオードを採用する場合は極めて大きな阻害要因となる。特にIRについては、ショットキーバリアダイオードのIRは上述のように温度上昇につれて指数関数的に増大するので、ダイオードが熱暴走を起こす危険性が強く懸念されていた。
それ故、ショットキーバリアダイオードは太陽電池パネル内では使用できるが端子ボックス内では使用できないとするのが当該技術分野の従来の常識であった。
このことは以下の事実からも明らかである。即ち、ダイオードの中でも整流用ダイオードといえば、PNダイオードとショットキーバリアダイオードの二種類しか存在しない。ここで、ショットキーバリアダイオードがPNダイオードより発熱量(VF)が小さいことは当業者には知られていたのだから、端子ボックス内でPNダイオードの代わりにショットキーバリアダイオードを使用した例があってもよさそうなものである。それにもかかわらず、太陽電池パネル用端子ボックス内でショットキーバリアダイオードを使用した例は今まで全く存在せず、太陽電池パネル内での使用例しか見出されていない。かかる事実は、発熱量(VF)が小さいというショットキーバリアダイオードの利点よりも逆方向耐電圧(VR)が小さいとか漏れ電流(IR)が大きいというショットキーバリアダイオードの欠点の方が当業者にとっては大きな考慮事項(阻害要因)であり、これらの欠点は太陽電池パネル内でショットキーバリアダイオードを使用する場合には問題とならないが端子ボックス内でショットキーバリアダイオードを使用する場合は無視できない大きな問題となり、そのために端子ボックス内ではショットキーバリアダイオードを使用することができないというのが従来の当業者の共通の技術常識であったことを如実に物語っている。
本発明者はかかる従来の当業者の技術常識が太陽電池パネルの種類を考慮せずに一律にショットキーバリアダイオードを太陽電池パネル用端子ボックス内では使用できないとみなしていたものにすぎないことを見出した。そして、本発明者らはさらに研究を進め、太陽電池パネルの中でも結晶系シリコン太陽電池パネルはアモルファス系シリコン太陽電池パネルと比べて公称の最大出力動作電流が大きくかつ公称の最大出力動作電圧が小さいため、ショットキーバリアダイオードの欠点は無視できる(VRの小ささについて)か又は十分許容できるレベル内であり(IRの大きさについて)、VFが小さいというショットキーバリアダイオードの利点のみを活用できることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明の端子ボックスで用いるショットキーバリアダイオードとしては、順方向での電圧降下値が小さくダイオード発熱量が小さいショットキーバリアダイオードであればいかなるものも用いることができるが、実際の使用環境でダイオードの動作時のダイオードの温度上昇を確実に防止するためには、150℃以上のジャンクション温度保証値を有するショットキーバリアダイオードであって、10Aの電流を通電したときのショットキーバリアダイオードの順方向電圧降下(VF)が、25℃のジャンクション温度で0.50V以下、100℃のジャンクション温度で0.40V以下、150℃のジャンクション温度で0.35V以下であるショットキーバリアダイオードを用いることが好ましい。さらに好ましくは、150℃以上のジャンクション温度保証値を有するショットキーバリアダイオードであって、10Aの電流を通電したときのショットキーバリアダイオードの順方向電圧降下(VF)が、25℃のジャンクション温度で0.45V以下、100℃のジャンクション温度で0.35V以下、150℃のジャンクション温度で0.30V以下であるショットキーバリアダイオードを用いる。なお、前述の各ジャンクション温度での順方向の電圧降下は表1に関して上述した手順で測定されたものである。
上記規定のうち、ジャンクション温度保証値はダイオードの耐熱温度を意味する。即ち、ジャンクション温度保証値は、この温度まではダイオードが破壊されないことを保証することを表わす。ここで本発明の端子ボックスで用いることが好ましいショットキーバリアダイオードのジャンクション温度保証値を150℃以上に限定したのは、日本国内で使用される太陽電池パネル用端子ボックスのダイオードについて業界で要求される一般的なジャンクション温度保証値が150℃であるからである。
また、ダイオードの順方向電圧降下(VF)の電流通電条件を10Aとしているのは、結晶系シリコン太陽電池の最大出力電流が約9Aであるので余裕を持たせて10Aとしたものである。
また、VFを25℃、100℃及び150℃の三種類のジャンクション温度で規定しているのは、それぞれ次のような実際の使用環境を反映させるためである。即ち、25℃は常温での使用を反映し、100℃は一般的な太陽電池パネルの使用温度の上限(定格温度)(この温度は実際には90℃であるが、ここでは余裕を持たせて100℃としている)での使用を反映し、150℃は日本国内で使用される太陽電池パネル用端子ボックスのダイオードについて業界で要求される一般的なジャンクション温度保証値での使用を反映している。
本発明の端子ボックスで用いるショットキーバリアダイオードのVFは、上述の各ジャンクション温度で一定値以下であることが好ましい。VFがこれらの値を上回ると、太陽電池パネルの異常発生時(即ち、ダイオード動作時)のショットキーバリアダイオードの発熱量が大きくなり、ショットキーバリアダイオードを使用する利点が小さくなるからである。
上述のような要件を満たすショットキーバリアダイオードは、様々なジャンクション温度保証値やVF特性を有する市販のショットキーバリアダイオードの中から適宜選択することができる。例えば本発明者らが150℃以上のジャンクション温度保証値を有する市販のショットキーバリアダイオードのうち、55V定格型(逆方向耐電圧が55Vであるもの)、55V定格低リーク型(逆方向耐電圧が55Vでありしかも漏れ電流が小さいもの)、及び100V定格型(逆方向耐電圧が100Vであるもの)と称される三種類のショットキーバリアダイオードについて10Aの電流を通電したときの各温度でのVF特性を調べたところ、以下の表2に示すようなデータが得られた。
Figure 0004839310
表2から理解される通り、100V定格型は25℃でのVFが0.50V以下、100℃でのVFが0.40V以下、150℃でのVFが0.35V以下という要件を満たさないが、55V定格低リーク型及び55V定格型はこの要件を満たす。また、55V定格型は25℃でのVFが0.45V以下、100℃でのVFが0.35V以下、150℃でのVFが0.30V以下という一段階厳しい要件も満たす。従って、本発明の端子ボックスで用いるショットキーバリアダイオードとしては、これらの三種類のショットキーバリアダイオードのうちでは100V定格型より55V定格低リーク型や55V定格型が好ましく、さらに55V定格型が最も好ましいことがわかる。
上述の通り、結晶系シリコン太陽電池パネル用端子ボックスでショットキーバリアダイオードを用いる場合には、VRが小さいというショットキーバリアダイオードの一方の欠点は無視できるが、IRが大きいというショットキーバリアダイオードのもう一方の欠点は完全には無視できず、許容可能なレベルに留まる。しかし、本発明者は、端子ボックスの構造やショットキーバリアダイオードの種類を工夫すれば、IRが大きいというショットキーバリアダイオードのもう一方の欠点も無視できるレベルに抑えることができることを見出している。
即ち、表1からわかる通り、漏れ電流の値は温度によって変化し、温度が高くなると漏れ電流の値も増大する。従って、端子ボックスの構造やショットキーバリアダイオードの種類を工夫してショットキーバリアダイオードの発生する熱を周囲に逃がしてダイオードの温度を下げるようにすれば、漏れ電流の値をさらに低く抑えることができ、正常発電時の発電効率の低下や端子ボックスの温度上昇を効果的に防止することができる。
このために有効な端子ボックスの構造としては、例えばダイオードの発生する熱を逃がすための放熱板を端子ボックスに具備させることやダイオードの発生する熱を逃がすために端子板を通常の寸法より平面的に拡大することが考えられる。
放熱板や拡大された端子板の具体的な構成や端子ボックスでの配置は当業者には十分知られているものと思料するが、例えば図2又は図3に示すようなものであることができる。図2は放熱板を具備する本発明の端子ボックスの一例を示す。図2中、(a)は端子ボックスの蓋部を取り除いた斜視図であり、(b)は(a)の筐体を取り除いた端子ボックス内部の斜視図であり、(c)は(a)の真上からみた平面図である。図2の端子ボックスでは一つのショットキーバリアダイオードが一対の端子板を相互に電気的に接続しており、バイパスダイオードとして機能している。各端子板の一端は太陽電池パネルから引き出された電極(図示せず)に接続され、他端は外部接続用ケーブルに接続されており、これらのケーブルを介して隣接する太陽電池パネルが電気的に接続される。図2の端子ボックスでは、熱伝導率の高い金属などの薄板からなる放熱板がショットキーバリアダイオードの下にダイオードの底面と熱的に接触するように設けられており、ダイオードの発生する熱を放熱板を介して逃がすようになっている。
図3は拡大された端子板を具備する本発明の端子ボックスの別の例を示す。図3中、(a)は端子ボックスの蓋部を取り除いた斜視図であり、(b)は(a)の筐体を取り除いた端子ボックス内部の斜視図であり、(c)は(a)の真上からみた平面図である。図3の端子ボックスではショットキーバリアダイオードが三つ用いられ、二対の(四枚)の端子板をそれぞれ相互に電気的に接続しており、バイパスダイオードとして機能している。四枚の端子板のうち、両端の(外側の)二枚の端子板は一端が太陽電池パネルから引き出された電極(図示せず)に接続され、他端が外部接続用ケーブルに接続される。また、内側の二枚の端子板は太陽電池パネルから引き出された電極(図示せず)に接続される。図3の端子ボックスでは、四枚の端子板のうち右端の端子板を除いた三枚の端子板が通常の寸法より平面的に拡大されており、ダイオードの発生する熱をこれらの拡大された端子板を介して逃がすようになっている。
また、ショットキーバリアダイオードの発生する熱を周囲に逃がしてダイオードの温度を下げるのに有効なショットキーバリアダイオードの種類としては、例えば面実装型又は非絶縁型のパッケージダイオードを挙げることができる。
面実装型又は非絶縁型のパッケージダイオードは、図4に示すようにダイオードのリードフレームの底面に絶縁性樹脂で被覆されていない部分を有する。従って、面実装型又は非絶縁型のショットキーバリアダイオードを用いれば、ダイオードの発生する熱をこの部分から周囲に効率良く逃がすことができる。具体的には、面実装型又は非絶縁型のパッケージダイオードの底面の絶縁性樹脂で被覆されていない部分を端子ボックスの端子板や放熱板にハンダ付けや熱伝導性のグリスを介したビス止めなどで接触固定させることにより、ショットキーバリアダイオードの発生する熱をダイオードの底面を介して端子板や放熱板に効果的に逃がすことができる。
従って、放熱板や拡大された端子板を端子ボックスにさらに具備させたり、面実装型や非絶縁型のパッケージダイオードをショットキーバリアダイオードとして用いることにより、ダイオードの温度を下げることができ、漏れ電流の値をさらに低くして正常発電時の発電効率の低下や端子ボックスの温度上昇の問題を完全に無視できるレベルに抑えることができる。
以下、本発明の太陽電池パネル用端子ボックスによるダイオード及び端子ボックスの温度上昇防止効果を具体的に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の太陽電池パネル用端子ボックスの実際の使用条件下でのダイオード及び端子ボックスの温度上昇防止効果を示すため、以下の試験サンプルを用いて以下の測定手順でモデル実験を行った。
試験サンプルの準備
(1)本発明例1
バイパスダイオードとして表2に示す55V定格型のショットキーバリアダイオードを用いて図5に示すような構造の試験サンプルを準備した。図5の試験サンプルでは樹脂製の筐体の内部に二対(四枚)の端子板が配置され、それらに三つの面実装型のショットキーバリアダイオードが電気的に接続されている。四枚の端子板のうち、右端の一枚を除く三枚の端子板は通常より寸法を平面的に拡大されている(図6に示す筐体内部の平面図も参照)。加えて、拡大された端子板の上に三枚の放熱板がそれぞれ取り付けられている。
(2)本発明例2
図5に示す試験サンプルにおいてダイオードを表2に示す55V定格低リーク型のショットキーバリアダイオードに変更した以外は本発明例1と同様にして試験サンプルを準備した。
(3)本発明例3
図5に示す試験サンプルにおいてダイオードを表2に示す100V定格型のショットキーバリアダイオードに変更した以外は本発明例1と同様にして試験サンプルを準備した。
(4)比較例
図5に示す試験サンプルにおいてダイオードを表1に示すPNダイオードに変更した以外は本発明例1と同様にして試験サンプルを準備した。
測定手順
ダイオード温度実測値の測定のため、本発明例1〜3の試験サンプル及び比較例の試験サンプルの図6のAに示す位置(面実装型ダイオードの露出されている金属部分のうち、最も発熱量が多いと考えられる部分)に熱電対を取り付けた。また、順方向の電圧降下値測定のため、本発明例1〜3の試験サンプル及び比較例の試験サンプルの図6のA及びB(面実装型ダイオードの露出されている金属部分のうち、Aと電気的極性が逆である部分)に示す位置にそれぞれリード線を取り付け、A−B間の電圧を測定できるようにした。また、端子ボックスの底面部分の温度実測値の測定のため、ダイオードの真下にあたる端子ボックスの部分に熱電対を取り付けた。
次に、本発明例1〜3の試験サンプル及び比較例の試験サンプルの裏面にシリコーングリスを塗布し、ガラスパネルに貼り付けて太陽電池モジュールを作成した。
次に、この太陽電池モジュールを75℃雰囲気の恒温室中に、モジュールが恒温室の内面と接触しないように吊り下げて設置した。なお、この75℃という温度は太陽電池パネル用端子ボックスの耐熱温度測定の規格で定められている温度であり、太陽電池パネル用端子ボックスの実使用状況下で生じうる最高温度であるとされている。
次に、定電流電源を用いて各試験サンプルに6.0A,8.8A又は11.0Aの直流電流を順方向に1時間通電し、1時間後のダイオード温度実測値、順方向の電圧降下値及び端子ボックスの底面部分の温度実測値をそれぞれ測定した。なお、6.0Aという通電電流量は小型の結晶系シリコン太陽電池パネルの一般的な最大出力動作電流値に相当し、8.8Aという通電電流量は現在の通常の大きさの結晶系シリコン太陽電池パネルの一般的な最大出力動作電流値に相当し、11.0Aという通電電流量は太陽電池パネル用端子ボックスの温度試験で用いることが要求されている規格上の試験値(8.8Aに25%の余裕を持たせた値)に相当する。
また、測定したダイオード温度実測値からジャンクション温度(Tj)を推定した。この推定は各ダイオードのジャンクション(発熱部分)とダイオード温度実測位置との間の熱抵抗値を0.5℃とし、各ダイオードの発熱量と上述の熱抵抗値の積を発熱部分から温度実測位置までに損失された温度であるとして、以下の式に従って計算した。
推定ジャンクション温度(推定Tj)=(ダイオード温度実測値)+0.5×(ダイオードの発熱量)
なお、ダイオードの発熱量は、通電電流量と順方向の電圧降下値(VF)の積である。
本発明例1〜本発明例3及び比較例の端子ボックスについてのこれらの測定結果及び計算結果を以下の表3(その1)〜表3(その4)に示す。
Figure 0004839310
Figure 0004839310
Figure 0004839310
Figure 0004839310
また、表3(その1)〜表3(その4)のデータの最大値に基づいて作成した順方向の通電流(IF)と順方向の電圧降下値(VF)又はジャンクション温度(Tj)の関係を示すグラフを図7に、順方向の通電流(IF)と端子ボックス底面温度(Tc)の関係を示すグラフを図8に、順方向の通電流(IF)と端子ボックス内の三つのダイオードの合計発熱量の関係を示すグラフを図9にそれぞれ示す。
表3(その1)、表3(その4)及び図7からわかる通り、55V定格型ショットキーバリアダイオードを用いた本発明例1の端子ボックスの順方向の電圧降下値(VF)は、どの通電量でもPNダイオードを用いた比較例の端子ボックスのVFより著しく小さく、平均して0.4V程度小さかった。このようにVFが小さいため、VFとIFの積である発熱量も図9に示す通り本発明例1の端子ボックスの方が比較例の端子ボックスより著しく小さく、平均で比較例の端子ボックスの発熱量の40%程度であった。特に、発熱量の差は通電流量(IF)が増大するにつれて一段と大きくなった。ダイオードのジャンクション温度(Tj)及び端子ボックスの底面温度(Tc)も発熱量と同様の傾向を示し(図7及び図8)、本発明例1の端子ボックスの方が比較例の端子ボックスより著しく低く、その差は通電量が増大するにつれて一段と大きくなった。
また、ショットキーバリアダイオードの種類を変えた本発明例2及び本発明例3の端子ボックスでも本発明例1と同様の傾向が見られたが、PNダイオードを用いた比較例の端子ボックスとの順方向電圧降下値VFの差、発熱量の差、ダイオードジャンクション温度Tjの差、及び端子ボックスの底面温度Tcの差は、本発明例1より本発明例2の方が小さく、また本発明例2より本発明例3の方が小さかった。
特に、端子ボックスの底面温度(Tc)については、端子ボックスを構成する樹脂の耐熱温度は通常120℃程度であるため、Tcは120℃以下であることが樹脂の変形を防止して端子ボックスの安全性及び信頼性を高める上で極めて望ましいが、表3及び図8からわかる通り、比較例の端子ボックスでは8.8A及び11.0Aの通電流量では端子ボックスの底面温度(Tc)が120℃を超えており、6.0Aの通電流量でも120℃のわずかに下である。これに対し、本発明例1及び本発明例2の端子ボックスではいずれの通電流量でも端子ボックスの底面温度(Tc)は120℃を大きく下まわるので、端子ボックスの安全性及び信頼性が極めて高いといえる。
また、ショットキーバリアダイオードの種類を100V定格型に変えた本発明例3の端子ボックスでは、通電量が11.0Aの場合は端子ボックスの底面温度(Tc)は120℃を若干超えたが、通電量が6.0A及び8.8Aの場合は120℃を下まわった。11.0Aという通電量は上述の通り、規格上の試験値であり、実際の使用状況下でバイパスダイオードに流れる電流量より25%大きい余裕を持たせた通電量である。従って、本発明例3の端子ボックスでも実際には現在の結晶系シリコン太陽電池パネルに対して十分使用可能であるといえる。
以上の実験結果から、バイパスダイオードとしてショットキーバリアダイオードを用いた本発明例1〜3の端子ボックスによれば、ダイオード及び端子ボックスの温度上昇を効果的に防止して端子ボックスの安全性及び信頼性を高めることができることは明らかである。
本発明の結晶系シリコン太陽電池パネル用端子ボックスによれば、ダイオードの動作時の発熱を抑制してダイオード及び端子ボックスの温度上昇を効果的に防止することができるため、ダイオードの破損や端子ボックスの変形の恐れが全くない。従って、本発明の太陽電池パネル用端子ボックスは、長期間(20年以上)の使用期間にわたって極めて高い安全性及び信頼性が求められる太陽電池パネル用端子ボックスの分野において好適に利用可能である。

Claims (4)

  1. バイパスダイオードとしてショットキーバリアダイオードのみを具備する結晶系シリコン太陽電池パネル用端子ボックスであって、前記ショットキーバリアダイオードが150℃以上のジャンクション温度保証値を有すること、及び10Aの電流を通電したときのショットキーバリアダイオードの順方向電圧降下が、25℃のジャンクション温度で0.50V以下、100℃のジャンクション温度で0.40V以下、150℃のジャンクション温度で0.35V以下であることを特徴とする太陽電池パネル用端子ボックス。
  2. 10Aの電流を通電したときのショットキーバリアダイオードの順方向電圧降下が、25℃のジャンクション温度で0.45V以下、100℃のジャンクション温度で0.35V以下、150℃のジャンクション温度で0.30V以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池パネル用端子ボックス。
  3. バイパスダイオードの発生する熱を逃すための放熱板及び/又はバイパスダイオードの発生する熱を逃がすための拡大された端子板をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池パネル用端子ボックス。
  4. ショットキーバリアダイオードが面実装型又は非絶縁型のパッケージダイオードであることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池パネル用端子ボックス。
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